京太郎「岩手には海があるのか、いいなー」 (153)


このSSは『咲-Saki-』の須賀京太郎が主役となります。

時系列はNAVERまとめを参考にしております。
舞台は>>1が実際に旅行した場所となります。
営業内容や時間は、当時から変化している場合もあります。
今日は塞さんの誕生日になります。

以上のことに注意して頂けると助かります。

1話目
京太郎「うおおお!日本一周旅行のチケット当たったぞー!!」
京太郎「うおおお!日本一周旅行のチケット当たったぞー!!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454318298/)

2話目
京太郎「日本一周?いえいえ岩手旅行ですよ!」
京太郎「日本一周?いえいえ岩手旅行ですよ!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454713201/)

3話目
京太郎「岩手って意外と観光しやすくね?マジで」
京太郎「岩手って意外と観光しやすくね?マジで」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455334496/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455489000

19時からの予定ですが、残業あったら遅れるかもしれません

それでは、予定通り始めまnこ


盛岡駅


京太郎「八幡平から着いたぜ、17時ちょい過ぎか」

京太郎「盛岡から久慈に行くには……」

京太郎「JRだと青森県に出ちゃうから駄目だな」

京太郎「となるとバスか?この時間にあるかな?」

京太郎「おお、『久慈こはく号』で最終便がある!」

京太郎「んじゃ、岩手の沿岸部に行きますか~」


久慈 駅前ホテル


京太郎「さーて、チェックインは済ませたぞ」

京太郎「明日は朝一で『浄土ヶ浜』行きたいから……」

京太郎「遅くても朝7時までには駅にいないとな」

京太郎「……んー?」グゥゥゥ

京太郎「腹減ったから飯食いに行くか」

京太郎「駅前に何か食えるとこあったかな?」


喫茶モカ


京太郎「……ん?喫茶店か」

京太郎「地方で、それも夜に営業してる」

京太郎「珍しいなー、ここに入るか」ガチャ

店員「いらっしゃいのん」

京太郎(あれ?この店内どっかで見たこと……)


※台風とか天候が悪い日の夜は早く閉まるのかな?

店員「一人ですかのん?お好きなとこどうぞのん」

京太郎「あ、はい」キョロキョロ

京太郎(壁にサインがたくさん飾ってる……)

京太郎(そうか、某朝ドラに登場したとこか!)

京太郎(……うーむ、懐かしい雰囲気な店だ)


京太郎「すみません、注文いいですか?」

店員「はいのん、どうぞのん」

京太郎「ナポリタン、コーヒーセットを1つ」

京太郎「それとたまごサンドを単品で御願いします」

店員「分かりましたのん」

京太郎(昼飯、温泉卵だけだったからイケるだろ)


店員「どうぞのん」コト

京太郎「おお、ドラマで見たナポリタン」

京太郎「うむ、美味い」モグモグ

京太郎「これがあばずれの食い物か」

京太郎「どこか懐かしい味だな……」


店員「どうぞのん」コト

京太郎「おお、ドラマで見たたまごサンド」

京太郎「うむ、美味い」モグモグ

京太郎「オムレツみたいな玉子だな」

京太郎「見た目に反して腹がふくれそう」

京太郎「ちょいと一服」ズズゥ


翌朝 久慈駅前


京太郎「昨日の夜は食ったぜ……」

京太郎「そのおかげであんま腹減ってねぇ」

京太郎「お、朝に見て気づいたけど駅2つあるのな」

京太郎「JRと三陸鉄道か、宮古へは三陸鉄道だな」

京太郎「うーん、それにしても……」キョロキョロ

京太郎「久慈って震災の被害は無かったのか?」

京太郎「なんか被害らしき被害が見えないな」


宮古駅


京太郎「気づいたら宮古に着いてた」

京太郎「直ぐ眠っちまったから景色見てねぇ……」

京太郎「朝起きて直ぐに1時間半だったからなー」

京太郎「あ、宮古にも久慈と同じく駅2つあるのか」

京太郎「見た感じ宮古の方が栄えてそうな雰囲気」

京太郎「……っと、浄土ヶ浜行きのバス来たな」


ブロロロロロロ

京太郎「いやー!楽しみだわー!」

京太郎「いよいよ浄土ヶ浜を見れるのかー♪」

京太郎「今回の旅じゃ山や森がメインだったし」

京太郎「内陸県民にしてみりゃ憧れがあるからなー」

京太郎「長野って海無いし、行くまで遠いんだよ」

京太郎「まだかな~…………!!?」チラッ


京太郎「なっ、なんだよ……これ……」

京太郎(建物が……『ない』!?)

京太郎(こ、これ、見たら分かるけど……)

京太郎(建物が『あった』場所だろ、絶対……)

京太郎(あっ!向こうにあるのは鉄柱か!?)

京太郎「捻じ切れちまってるよ……」ゾクッ


京太郎「…………」

京太郎(確かに、復興は進んでるよ……)

京太郎(工事しているのだって見えるし)

京太郎(住居だって新しいのがチラホラ見える)

京太郎(でもよ……今でもこんな状態かよ……)

京太郎「浮かれちまって……馬鹿だな、俺……」


京太郎「こんなにたくさんのモノが奪われて……」

京太郎「自然の力って……本当に怖いんだな……」

京太郎(海が楽しみとか……無神経な発言だった!)

京太郎(実際には何人もの人が亡くなったり……)

京太郎(助かっても自殺した人もいるんだよな……)

京太郎「現場見て……思い知ったわ……」


奥浄土ヶ浜


運転手「お客さん着いたのん、大丈夫のん?」

京太郎「…………え?」ボー

運転手「終点だのん、降りないのん?」

京太郎「……あ、はい!降ります!」ガタッ

運転手「……大丈夫かのん?」

京太郎「はっ、はい、すみません……」スタスタ


京太郎「…………」

京太郎「……綺麗なところだよな」

京太郎「うん、美しい景観だよ……」

京太郎「…………」パシャ

京太郎「息をのむ程の絶景だけどよ……」

京太郎「さっきの光景が、頭から消えないな……」


京太郎「……ん?」

「…………」

京太郎「……あそこの岩の上」

京太郎「女の人が立ってないか……?」

京太郎「おいおい、結構高いじゃんかよ」

京太郎「危ないんじゃ…………まさか!!」


塞「……ふぅ……」

「だぁぁあああああああ!!」バシャバシャ

塞「え?何?」クルッ

京太郎「死んじゃ駄目だぁあああ!!」グオオッ

塞「ひいいぃぃっ!?」サッ


京太郎「……んえ?」

ドボーーーーン!!


塞「あああ!あまちゃんか!?アンタは!!」

京太郎「駄目なんだよぉおおおお!!」バシャバシャ

京太郎「ずっと泣いてたら幸せになれない」バシャバシャ

京太郎「だから笑うべきなんだぁぁああ!」バシャバシャ

京太郎「死んじゃ駄目なんだよぉおおおお!!」


塞「…………はい?」キョトン


塞「――よし、怪我はしてないみたいね」

塞「ここは浅いから、頭に怪我してなくて良かった」

京太郎「なんか……その、すみません……」ズーン

塞「流石に驚いたよ、君が海に落ちたのは」

塞「迫ってきたときは殺されるかと思った(笑)」

京太郎「本当に……すみません……」ズーン


塞「え?じょ、ジョークだよ?」

塞「そんな真に受けなくてもさ、ね?」

京太郎「そうですよね……すみません……」ズーン

塞(うわー、めっさ落ち込んでるよ……)

塞(これ私のせいなんだろうか……?)

京太郎「…………」


塞「……あのさ、何かあったの?」

京太郎「……え?」

塞「さっきさ、『死んじゃ駄目』とか言ってたじゃない」

塞「身投げする様に見えちゃった、かな?」

京太郎「いいえ、ただの俺の勘違――」

塞「何があったか、それを聞きたいんだけどな」

京太郎「……実は――」


塞「……なるほどね、あの光景を見ちゃって、か」

京太郎「色々とショックを受けてしまいまして……」

塞「それで勘違いしちゃった訳ね」

京太郎「……馬鹿ですよね、俺って……」ズーン

塞(見た目は完全にチャラ男なんだけど)

塞(この子……意外と純粋なんだなー)


塞「君、名前は?」

京太郎「……須賀京太郎です、あ、高一です」

塞「私は臼沢塞よ、よろしく」

京太郎「どうも……」ペコッ

塞「今日は、朝早くからなんでここに?」

京太郎「海を見たくて観光に来まして……」


塞「海?海が珍しいっての?」

京太郎「俺、長野県に住んでまして……」

塞「長野県!?ちょ、ここ岩手だよ!」

京太郎「クジで岩手旅行引いてしまいまして……」

塞「はー、高一でよく県外旅行なんてできるわねー」

京太郎「……無駄に行動力はあるみたいなんですよ」

京太郎「さっきみたいな馬鹿な方向にでしょうけど……」


京太郎「ふふふふふ……」ズーン

塞(うわー、どうしたもんかねこりゃー)

塞(特に義理は無いけど、このままってのはな……)

塞(一応、私を助けようとしての行動だったしねー)

塞「…………」

塞「……おい!京太郎!!」


京太郎「ファッ!ふぁい!?」ビクッ

塞「いつまでもウジウジするな!男だろ!」

塞「両親からもらった名前が泣くぞ!」

京太郎「はっ、はい……」

塞「せっかくの海に来たんでしょ!」

塞「さっさと水着に着替えなさい!!」

京太郎「ひえっ……!」ビクッ


塞「え……何よ?」

京太郎「いえ、海パンは持ってきたんですけど」

塞「なんだ、アンタも泳ぐつもりだったんじゃない」

京太郎「こ、ここで着替えればいいんですか?」

塞「……んんん、んな訳あるかー!」

塞「さっさとレストハウスで着替えてこーい!」

京太郎「わっ、分かりましたー!」ダダダ


塞「んー!そりゃ!」ヒュッ

京太郎「ちょっ、塞さん!投げ過ぎですよ!」

塞「あっはは、ごめんねー」バシャ

京太郎「取ってきますよ、もー」バシャバシャ

塞(……うーむ、凄く犬っぽい)ジー

京太郎「ボール投げますよー」


京太郎「それにしても、浄土ヶ浜って泳げるんですね」

塞「そりゃそうよ、ここ海だし」

京太郎「いやー、先にこの景観見ちゃったら」

京太郎「絶対に海水浴場だなんて思わないですって」

塞「ちなみに、ここは『海水』じゃなくて『快水』浴場よ」

京太郎「快水、ですか?初めて聞きましたけど」

塞「環境省が決めた水質の良い水浴場のこと」


京太郎「ほえー、物知りですねー」

塞「それと、ほら、あっち見てみなさい」

京太郎「ん?レストハウスが賑やかになってきた」

塞「そこのスタッフの人たちよ」

塞「ということは、そろそろ混み始めるか……」

京太郎「?」


塞「ここ景勝地としても浴場としても人気だからね」

塞「水も綺麗でとても静かな場所だし」

塞「夏なんて人で溢れかえっちゃうのよ」

塞「静かに観光したいならシーズン外か朝一番ね」

京太郎「泳ぐ前に写真撮っておいて良かったー」

塞「……あ、バスが来た」


おばちゃんS「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんT「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんU「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんV「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんW「おもろー!」ゾロゾロ


京太郎(未だかつてない手抜きを感じる……)


京太郎「って、あれ何人降りてくるんですか……?」

塞「シーズンだからねぇ……」

京太郎「いやいや多過ぎでしょ、車で来ればいいのに」

塞「ここは許可車両以外の一般車両は来れないのよ」

京太郎「え?そうなんですか?」

塞「4月から10月は×、夜間は年間通じて駄目だけど」


京太郎「……ん?なら塞さんはどうやってここまで?」

京太郎「まさか、この山道を歩いて来たんですか?」

塞「そんなわけないでしょ、まぁ歩いてきたけどさ」

塞「バスで来る途中にホテル見えなかった?」

京太郎「そういや、それらしき建物ありましたね……」

塞「昨日泊まってそこから歩いてきたの」

塞「10分くらいかしら、そうでもなきゃバテるわよ」


ざわっ・・・! ざわっ・・・! ざわっ・・・!

京太郎「あ、岸周辺があっという間に人で一杯に……」

塞「さて、静かな海も満喫したし上がるかな」バシャ

京太郎「そうですね」バシャバシャ

塞「……どう?ちょっとは気分晴れた?」

京太郎「え……?」


塞「私もね、震災後の光景は見てきたんだ」

塞「釜石から宮古まで、電車で来たよ」

塞「本当に元通りになるのかなって……」

京太郎「…………」

塞「君は、今日はどこから来たの?」

京太郎「久慈から、ですが……」


塞「久慈は……どう見えた?」

京太郎「駅前くらいしか分かりませんけど」

京太郎「建物は特に損傷は無かったかと」

塞「駅前は……ね」

京太郎「え……」

塞「駅近くの市役所から海岸までは被害があった」

京太郎「そんな……」ゾクッ


塞「宮古駅周辺もなかなか広くて綺麗だったでしょ?」

京太郎「ええ……」

塞「津波の被害もなく建物の倒壊もなかった……」

塞「でも、そこから徒歩で5分くらい歩いたところわね」

塞「完全な津波の被災地だったそうよ」

京太郎「…………」

塞「でもね、だからといって暗くなる必要はないんだ」ニコッ


塞「確かに、震災の爪痕は今も深く残ってる」

塞「あまりにも……大きな犠牲が出てしまった……」

塞「まだ、立ち上がれない人だって当然いる……」

京太郎「…………」

塞「それでもね、少しずつでも復興は進んでいる」

塞「みんな、前を向こうと頑張っているんだ」


ワー!キャー!ウホッ!アッー!

塞「……この浜だってそうだよ」

塞「今、私たちが見てるこの風景が見れるのだって」

塞「現地のみんなが頑張って取り戻したからなんだ」

京太郎「…………」

塞「だから、君も純粋に旅行を楽しみなさいよ」ニコリ

京太郎「塞さん……」


塞「元気だしなって!イイ男が台無しだぞ!」パァン

京太郎「いだっ!せ、背中ハタかないてください////」

塞「あはっ、元気出てきたじゃない!」

塞「そうそう、自分で言ったんだからそうしないとね」

塞「『笑うべきなんだー!』って、ぷっくくく……」

京太郎「わ!忘れてくださいよそれー////」

京太郎(もろ受け売りだったー!恥ずかしー!!)


京太郎「……ありゃ、バスの時間キツいな」

塞「宮古駅行き、直ぐ来ちゃうね」

京太郎「塞さんも駅まで戻るんですね」

塞「まーね、私は急ぐわけじゃないけど」

京太郎「まだシャワー浴びてないのに……」

塞「……そうだ」ポン


塞「君は急いでるの?」

京太郎「いえ、今日中に盛岡に着けばいいんで」

塞「なら、シャワー浴びたら付き合ってくれない?」

京太郎「ええ、構いませんけど」

塞「よっし、ならさっさと着替えるわよ!」

京太郎「了解です!」


浄土ヶ浜マリンハウス


京太郎「トンネルの向こうは、不思議の街でした」

塞「…………」

京太郎「…………」

塞「うん、ツッコンで欲しかった?」ニコッ

京太郎「すんませんしたーだ」


京太郎「でも、こんなとこがあったとは驚きました」

京太郎「海沿いの道歩いてどこ行くかと思ってたら」

京太郎「小さなトンネルがあってくぐった」

京太郎「そしたら小さな売店が1つありましたとさ」

京太郎「え?なんでこっちにも売店あるんですか?」

京太郎「さっきの快水浴場から結構離れてますよ」


塞「こっちは『浄土ヶ浜マリンハウス』って名前」

塞「マリンハウスでは、ボート観光が売りなのよ」

塞「『青の洞窟』って聞いたことある?」

京太郎「ええ、テレビで見ました、海外のどこだっけ?」

塞「国内でも見れるところが数箇所あるの」

塞「その1つがここ、浄土ヶ浜ってわけよ」


おばちゃんS「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんT「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんU「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんV「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんW「おもろー!」ズカズカ


京太郎(こっちも賑わってるんだなー)


受付「お客さん、乗るのん?直ぐ出せるのん」

塞「あ、乗りまーす」

京太郎「乗るんですか?」

塞「来たことはあるけど乗ったことないのよ」

京太郎「初めてなんでワクワクします」

塞「あら、奢らないわよ?」

京太郎「いーですよ、俺も乗ってみたいんで」


受付「ヘルメットとライフジャケット必着のん」

塞「わはっ、楽しみー♪」

受付「あとこれ、あげるのん」サッ

京太郎「かっぱえびせん?」

受付「ウミネコのエサなのん」

塞「へー!餌付けもできるんだ!」

受付「それじゃあ発進するのーん!」ゴゴゴ


ニャア ニャア ニャア

京太郎「うわっ!多い!てか近い!」

塞「人懐っこいというか度胸があるというか」

京太郎「ふふふ、カモメとの見分け方知って――」

塞「ニャアニャア鳴くのはウミネコ、でしょ?」ヒョイ

ウミネコ「うめーうめー」パクッ

京太郎「敵いませんねー」


京太郎「塞さんて、いいなぁ……」ボソッ

塞「……ん…………うんっ!!?」ギョッ

塞(いっ、いきなり何を言うのこの子は……!?)アセッ

塞(ちょっと……どう反応したらいいのよ……)トッ

京太郎(なんか姉さん女房って感じだよなぁ……)

京太郎(あー、母ちゃん元気にしてるかなー)

京太郎「……はっ!」


京太郎「……塞さん」ジッ

塞「な、何かな……?」

京太郎「……動かないで」スッ

塞「!!?」

京太郎「そのままで……」

塞(ちちちちょっとー!?)


塞(いきなりとか!ええっ!?)

塞(ま、まだ会って少ししか経ってないって!)

京太郎「…………」ジッ

塞(そんな真剣な目で見られると!こっ、困る!)

京太郎「はいっ、チーズ!」パシャ


塞「…………ふぇっ」トッ


京太郎「あー、飛んでいっちゃったー」

京太郎「ほらほら、見てくださいよ!」スッ

京太郎「塞さんの頭にウミネコが乗ってたんですよ」

塞「…………」ポカーン

京太郎「良く撮れてるでしょー!あははー!」

塞「……」


塞「ふんっ!」バララッ

京太郎「え、ちょ!なんで俺に餌かけ――」

ニャア ニャア ニャア

京太郎「ぎゃあああ!来るなーーーー!!」バタバタ

船頭「お客さん、船の中に撒かないでほしいのん」

塞「すみませーん」パシャパシャ


京太郎「酷い目に遭った……」

塞「大袈裟ね、良い写真撮れたわよ」プイッ

船頭「えー、目の前に見えるのが『青の洞窟』のん」

船頭「別名『八戸穴』とも言われてるのん」

船頭「ここには不思議な犬の伝承があるのん」

船頭「洞窟を通り抜け、宮古~八戸までワープしたのん」

京太郎(どう考えても無理だろ……)


塞「ふーん、中は薄暗いのね」

京太郎「岩が鍾乳洞みたいだなー」キョロキョロ

塞「鍾乳洞見たことあるの?」

京太郎「ええ、一関の幽玄洞を数日前に見まして」

塞「へー、結構行ってるのねー」

ブッシャアァァアアアアッ!!


京太郎「うおっ!奥から潮吹きが!」

塞「びっ、びっくりしたー!」

船頭「お客さんたち運が良いのん」

船頭「この現象見た人は、幸せになれるのん」

京太郎「やりぃ!俺たち幸せになれるそうですよ!」

塞「そっ、そうね……」ドキッ

塞(意識して言ってるんじゃないのよね……?)


船頭「それじゃあ後ろを見るのん!」

京太郎「おおっ!すげっ!」

塞「うっわー!」キラキラ

船頭「これが『青の洞窟』のん」

船頭「今はエメラルドグリーンなのん」

船頭「季節、まぁ温度によって水の色変わるのん」

船頭「寒くなるにつれてコバルトブルーになるのん」


京太郎「天井の岩に綺麗に反射してますね」

塞「ええ、鮮やかで綺麗ねー」

船頭「次は下を見るのん、水深は8mくらいあるのん」

京太郎「塞さん!凄い!小魚がたくさんいます!!」

塞「わっ!動いてる!速い!」

船頭「楽しんでくれてなによりのーん」


浄土ヶ浜マリンハウス


京太郎「浄土ヶ浜ラーメン、美味かったですねー」

塞「具沢山だったわね、海鮮系って本当に豪勢」

塞「ま、その分値段は張ったけどねー」

京太郎「あはは、そんなもんですって」

塞「……っと、もうちょっとしたらバスの時間ね」

京太郎「ならアイスでも買って待ってますか」


京太郎「青の洞窟ソフト、青いですね」ペロペロ

塞「見た目は完全にハワイアンブルーよね」ペロペロ

塞「味はソーダ?ラムネ?っぽかった」バリバリモグモグ

京太郎「海水浴客、また増えてますよ」バリバリモグモグ

塞「だから言ったでしょ、シーズンだって……あ、来た」

運転手「宮古駅行きだの~ん」ガチャ


宮古駅前


京太郎「あー!楽しかった!」ノビノビ

塞「ふふっ、それは良かったわ」

京太郎「全部塞さんのおかげです!」

京太郎「本当にありがとうございました!」ペコリ

塞「ちょっ、お、大袈裟だって////」


塞「それで、今から盛岡に帰るの?」

京太郎「うーん、そう考えていたんですけど」

京太郎「まだ13時じゃないですか……」

京太郎「直ぐ帰るのはもったいないかなと思いまして」

塞「確かにね、沿岸部まで来る機会も中々ないでしょ」

京太郎「ええ、でも周辺に観光名所って……」キョロキョロ

塞「……そうだ」ポン


塞「鍾乳洞を見たって言ってたけど、興味あるの?」

京太郎「ええ、というより自然系が好きなんです」

京太郎「景観や名所とか見たいなーと」

塞「なら岩泉町にある『龍泉洞』に行ってみなさいよ」

塞「『日本三大鍾乳洞』の1つで、かなり有名って聞くわ」

京太郎「おお、それは見たい!」


塞「そう、それなら途中まで案内してあげる」

塞「小本駅までだけど、大丈夫?」

京太郎「え、そこまでしてもらっていいんですか?」

塞「ああ、それは気にしないで」

塞「私、親と小本で合流する予定だから」

京太郎「そうなんですか」

塞「あっ、出発5分前だ!ほら、行くよ!」


ゴトンゴトン ゴトンゴトン

京太郎「小本駅まではどのくらいなんですか?」

塞「宮古駅からだと約30分、ってとこかしらね」

京太郎「そこでご両親が駅で待ってるんです?」

塞「ええ、昨日は岩泉町に泊まったのよ」

塞「駅との距離は20分くらいかしらね」

京太郎「……あれ?でもなんで一緒じゃないんですか?」


塞「最初は岩泉町に泊まる予定だったんだけど」

塞「まぁ……私が駄々こねちゃってねー」

塞「1人で宮古に宿泊ってことになった、とさ」

京太郎「えー、嘘だー」

塞「なんでよ?」

京太郎「塞さんが駄々こねる姿がイメージできません」


塞「あら?見えないところでは甘えるタイプかもよ?」

京太郎「いや、それは可愛くて凄く萌えますけど」

塞「!!?」

塞(ちょっ、ちょっと!そんなことポロっと言う!?)

京太郎「夫婦水入らずの時間をつくってあげたとか?」

塞「……もう、それは買い被り過ぎってもんよ」


塞「まぁ、結果的にはそうなったみたいだけど」

塞「私自身、1人で浄土ヶ浜を見たかったの……」

京太郎「1人で、ですか…………あ!」

京太郎「じゃあ、やっぱ何か思い詰めてたんですか!?」

京太郎「岩の上に虚ろな感じで立ってて――」

塞「あああ!そっ、それは忘れてちょうだい////」

塞「あれは反省ね、本当は浜での禁止事項なんだから」


塞「少し落ち着きたかったの、静かな場所でのんびりとね」

京太郎「……聞いちゃいけない悩みとかですか?」

塞「ふふっ、悩みなんて大袈裟なものじゃないわ」

塞「ま、初めて感じるプレッシャーってところね……」

塞「だって……IH出場、それにキャプテンだもの……」

京太郎「IH!?凄いじゃないですか!!」

塞「良いチームメイトたちがいてくれたおかげよ♪」


京太郎「ところで何の競技――」

『だんご三兄弟 だんご!だんごだんごだんごだんご』

塞「あ、ごめん電話だ」ガタッ

塞「少し話してくるから」スタスタスタ

京太郎「了解でーす」

京太郎「…………」

京太郎(IHか……俺も、雑用頑張らないとな……)グスッ


小本駅前


京太郎「今回の旅で、周りに何も無いランキング1位だ」

京太郎「……でも、その割に人は結構いるな」

京太郎「『龍泉洞』目当ての観光客なんだろうか?」

京太郎「うーん、これは期待大だぜ!」

塞「はー、どうしろっていうのよ……」トコトコ

京太郎「……塞さん?どうかしたんですか?」


塞「親がね、岩泉でもう1泊するって急に言い出してね」

塞「今は『大川七滝』ってとこで川釣りしてるみたい」

塞「夕方まで色々回るから先にホテル行っててだって……」

京太郎「そうなんですか、でもまだ14時前ですよ」

塞「微妙な時間帯なのよねー」

京太郎「……あ、なら一緒に『龍泉洞』行きません?」


塞「え……一緒に?」

京太郎「塞さんも見たこと無いんですよね?」

塞「ええ、聞いたことがあるだけ……」

塞「県外からも人気みたいで私も気になってたわ」

塞(でも……確かあそこって……)

京太郎「じゃあ行ってみましょうよ!」

京太郎「鍾乳洞って凄く綺麗なんですよー!」


塞(いや……そういうのじゃなくて……)

塞(確か、『恋人の聖地』とも呼ばれてる場所……)

塞(そんなとこに、男女が2人だけで行ったら……)

塞「…………」

塞「////」ボンッ

京太郎「塞さん?聞いてます?」

塞「わっー!?」ビクッ


塞「きっ、君!こここ、こういうところはだよ!」

塞「きちんと段階を踏んでからだと思うんだ!!」

京太郎「は、はぁ……?」キョトン

塞「今朝知り合ったばかりの人がだよ、急展開にも――」

京太郎(んー?俺の観光の遠慮でもしてるのかな……?)

京太郎(俺は一人じゃなくても全然構わないんだけどな)

京太郎(鍾乳洞はエイスリンさんとも一緒に楽しんだし)


塞「私だって君のことは嫌いじゃないし、むしろ――」

京太郎(あ、初めての鍾乳洞だから不安なのかも?)

塞「運命的な出会いだって悪いとは決して思――」

京太郎「塞さん!」ガシッ

塞「はっ!はいっ!?」ビクッ

京太郎「俺がちゃんとエスコート(洞窟案内)しますから」

塞「エスコート(大切な女性を守る)……」ポー


龍泉洞


京太郎「ここが『龍泉洞』かー!へー!」キョロキョロ

塞「…………」ソワソワ

京太郎「龍のモニュメントがむっちゃある!」

京太郎「流石、龍の名前が入ってるだけあるなー」

塞「……」チラッ

龍の像「見世物じゃないのん、むちゅー」イチャイチャ

塞「////」

京太郎「お、盛岡駅行きのバスがある、ラッキー」


京太郎「……あれ?この飲料水ってもしかして……」

塞「ええ、『龍泉洞の水』ね、『日本百名水』の1つよ」

京太郎「こういうのって飲んで本当に大丈夫か?」ゴクゴク

京太郎「美味い!エキノコックスとか考えると怖いけど」

塞「そう言いながらも躊躇わずに飲んだわね」

京太郎「あはは、だって北海道だけですもん」

塞「え?本州でも確認されてるじゃない、2014年とか」

京太郎「え……うそっ……」サァァ


塞「…………」

京太郎「じょ、冗談キツいなー!塞さんたら……」

塞「…………」

京太郎「……」

塞「君のことは忘れないよ、京太郎」ホロリ

京太郎「ぎゃああああ!嘘だぁぁああああぁ!!」

塞「嘘よ、まぁ本当でもあるかなー」ニヤニヤ

京太郎「どっちなんですか!?」ガクガグブルブル


塞「本州で感染者が見つかってるのは本当だけど」

塞「感染経路は不明だし、そこまで怯えなくていいでしょ」

京太郎「だだだ、だってぇ……」ブルブル

塞「それに飲料可なら衛生面は守られてるはずよ」

京太郎「そんなの分からないじゃないですかー……」

塞「しっかりしなさい、エスコートしてくれるんでしょ?」ニコッ

塞(年下も可愛くて悪くないかも……って!何考えてるの私!)


京太郎「さてと、入場券も買ったし……ん?」

塞「どうかした?」

京太郎「チケットの下、『龍泉新洞科学館』って付いてます」

塞「龍泉洞とは違うのかしら?パンフはと……」ペラッ

塞「へぇ、龍泉洞入口の向かい側にも鍾乳洞があるみたい」

塞「そっちは10分くらいで見学できちゃうみたいね」

京太郎「なら、先にそっちから行きましょう!」


龍泉新洞科学館 入口


ゴウンウンウンウン

塞「じ、自動ドア!?」

京太郎「おー、幽玄洞と同じか!期待できますよこれ!」

塞「面白そうじゃない!ワクワクしてきた!」

京太郎「ええ!行きましょう!」テクテク

塞「ひんやりして気持ちいいなー!」テクテク


龍泉新洞科学館 出口


ゴウンウンウンウン

塞「…………」

京太郎「…………」

塞「ごめん、私のドキドキを返してくれる?」

京太郎「…………」

塞「初めてなのよ?初めての鍾乳洞なのよ?」


京太郎「いやまぁ……うん、綺麗でしたよ?」

塞「疑問系にするなー!言っちゃ悪いけどショボ過ぎよ!」

京太郎「で、でも『龍泉新洞人』は面白かったですって!」

京太郎「温厚なので危害は加えません、って表記」

京太郎「あれにはちょいとニヤリとさせられま――」

塞「鍾乳洞に笑いなんか求めてないわーーーー!!」クワッ

京太郎「めっ、メイン行きましょう!メイン!」


龍泉洞 入口


塞「…………」ジー

京太郎「こっ、こっちはきっと大丈夫ですって!」

京太郎「『日本三大鍾乳洞』と呼ばれるくらいなんですから!」

京太郎「だからさっきみたいなテンションで――」

塞「……あ、ああ!違う違う、ちょっと気になっただけ」

京太郎「?」


塞「上着持ってきてなくてさ、大丈夫かなって」

塞「さっきのところも結構涼しかったじゃない」

塞「こっちは温度10℃だって、それに距離も長いだろうし」

京太郎「あ、良かったらこの上着どうぞ」スッ

塞「え?いいの?でも君は自分の分を持ってるの?」

京太郎「大丈夫です、なんか体が慣れちゃったみたいで」


京太郎「あ、1時間くらいしか着てない中古になりますが」

京太郎「塞さんが気にしないなら遠慮なくどうぞ」

塞「かっ、借りるわ////」スッ

塞(……あれ?香水の匂い?)クン

塞(へぇ、この子も香水つけたりするんだー)

塞(好みの匂い…………ん?この匂いどっかで……)クンクン

京太郎「……塞さんってクンカーなんですか?」

塞「ちっ!違うわよ!さぁ、行くわよ////」バッ


京太郎「…………」テクテク

塞「…………」テクテク

京太郎「…………」キョロキョロ

塞「…………」ジー

京太郎「……」

塞「……」

京太郎・塞「凄い……」


京太郎「幽玄洞と違って全体的に暗いけど……」

京太郎「それが鍾乳洞にマッチしてとても幻想的だ……」

塞「ええ、本当に凄いとしか言えないわ……」テクテク

塞「それに広くて歩き易いし、良い所……」

塞(流石、デ、デートスポットね……)キョロキョロ

京太郎「……おっ、塞さん!あれ!」テクテク


塞「わはっ!ライトアップじゃない!」

京太郎「短時間で色が変化してますよ!面白い!」

塞「芸が細かいわねー♪」テクテク

京太郎「でも、鍾乳洞としてはどうなんでしょうね?」

塞「あら?私はこういうのも好きよ、子供っぽい?」ニコッ

京太郎「いやいや、ホント敵いませんねー」

京太郎「美人で尚且つ可愛いとか反則でしょーに」テクテク

塞「…………」ドキッ


京太郎「いやー!地底湖も凄かったですねー!」

京太郎「3つありましたけど、どれも特徴があって良い!」

京太郎「あの透明度!吸い込まれそうになりますよ!」

京太郎「それとライトアップされた長階段も地味に好き!」

京太郎「蝙蝠が見れなかったのは残念でしたけど」

塞「…………」

京太郎「本当に素晴しい観光名所…………塞さん?」

塞「……ここ……覚えてる?」


京太郎「え?ああ、さっきのライトアップしたとこですよね?」

塞「うん、ここで君は笑えない冗談を言った……」

京太郎(……ん?俺何か言ったか?もしかして、アレ?)

京太郎「いや冗談じゃないですって!塞さん本当に美人――」

塞「本当に……笑えないよ……」ギュッ

京太郎「…………え?」


京太郎「えっ!さ、塞さん……////」オロオロ

京太郎(胸におもちが当たってますって……!)

京太郎「やっ、やだなー!もー!」

京太郎「まっ、また冗談で慌てふためく俺を見たいんすか!」

京太郎「からかうのは止めてくださいよー!」

塞「……本気に……なっちゃうんだよ」

京太郎「」


塞「私だって……女なんだよ……」

塞「きょっ、京太郎にそう言われたら……」

京太郎「ああ、それは――」

塞「たとえ冗談でも、嬉しくなっちゃうんだよ……」

塞「他の誰でもない……京太郎だから嬉しいんだよ……」

京太郎「塞さん……本当に……?」ドキッ


塞「今日、一緒にいて知った……」

塞「優しくて馬鹿正直で少しぬけてるところもあって……」

塞「とても楽しかった……この人とならって思えた……」

塞「だからね、冗談はこれで終わりにしてほしい」パッ

塞「勇気を出したの、京太郎の本気の答えを聞きたい」

京太郎「…………」

塞「私以外でも、そう思う人はきっといるはずだよ」ニコッ

京太郎「そう思う人――」


エイスリン『 ツキガ キレイ デスネ 』

胡桃『ただのファーストキスのやり直しなんだから!!』

白望『今日のお礼、どうぞほっぺに』

豊音『1つだけ……お願いがあるの……////』

京太郎「も、もしかしてあの時も本当は……」

塞「……」クスッ

京太郎「あっ……」


塞「君は、思ったことをそのまま言っちゃうときがあるね」

塞「良い場面でも、悪い場面でも……」

京太郎「すっ、すみません……」

塞「んーん、でもやっぱりそうだったかー」テクテク

塞「君にアプローチしてる人、絶対にいる気がした……」

塞「そのときは相手の好意には気づいてなかったけど」

塞「今では、心当たりがあるんでしょう?」

京太郎「……はい、あります」


塞「聞いても……いいよね?」

塞「今、君が思い浮かべた人は、もしかして複数?」

京太郎「……そうです」

塞「その中に……私も入れさせてもらえるのかな?」

京太郎「も、勿論です!今だって……緊張してます……」

塞「そう、嬉しいな♪」ニコッ


塞「……できれば、もっと一緒にいたいけど、時間ね」

京太郎「時間……?」

塞「ほら!そろそろ出ないと!」パァン

京太郎「いつっ!さ、塞さん……」

塞「盛岡行きの最終のバス、もう少しで来ちゃう」

塞「乗り過ごしたら笑えないよ!」

京太郎「……はい」


運転手「盛岡駅行きだのーん」ガチャ

塞「健康に気をつけて、怪我にも注意しなさいよ」

京太郎「…………」

塞「……宮古でお礼を言われたけど、私からも言うわ」

塞「今日の事は絶対に忘れない、本当にありがとう、」ペコリ

京太郎「……さっ、塞さん!!」


京太郎「おっ、俺!まだ頭の中整理できてませんし!」

京太郎「誰が本当に好きか自分でも分かってないんです!」

京太郎「でっ、でも、真剣に悩みます!考えます!」

京太郎「実は……俺もIHに行くことになってるんですが……」

京太郎「それが終わったら……ちゃんと答えを出します!」

塞「……うん!」


京太郎「だから――」

運転手「出発のーん!」ガチャン

京太郎「あああ!空気読んでくれー!」

運転手「うるさいのーん!他のお客に迷惑だのーん!」

ブロロロロロロ


塞「ふふっ、今度会うときまでには……」クスッ

塞「上手くカッコつけれるようになりなさいよねー!」


          _    ______
        /:.:.:.:>:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:::..、____ノ
.        /:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:<
       {:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.〉
.       ∨:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/
          |:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l:.:l:.:.:.:.: l:.:.:.:.:.l|:.:.:.:.}_」Lノ
          |:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l:.:l:.:.:.:.: l:.:.:.:.:.l|__/- |.:.:.
          |:.:.:.:.:.:.:.:.|_从_l\_l\__八´ ___|:.:.:.\
          |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.  __  -‐     ィ刈 i|:.:.:.:.:.:\
          |:.:.|:∧:.:.:.:.:.´     __     l炒 !:. |:.:.:.:〈\    _
          |:.:.l:{ ∧:.:.:.:.:. __,彡'^`     .:::::.|:.:.:|:.:.:.:.:|\\  { ‘,
          |:.:.八___,:.:.:.:. \ .::::::.     '    八:.|:.:.:.:.:|  ', \/\l
          |.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:\  ___ ノ /.:|.:.:|:.:.:.:.八 ',  / -ヘ
.         八:.:.:.:\:.:.:.:.\:.:.:.:.:\   ___/―┘ノ__/     .   ー┴┐
        \:.:.:.:\__/´ ̄ `ヽ〉/--、_             |    々〉
           ̄ ̄ /-―‐ 、  //∨_\ \        |    ∨
            /       \/====}}::\ \      |     ‘,
            /        }::\ {{\:::\ \      i     ノ
            {        \::::\\\:::\ \___/   /
            {         \::::\\l:::::::\   ,/    /
            {\         \::::\|::::::::::::\/   /
            {\\         \::::\::::::::/   / \
               ∨::\           \::::::/    ./    /
              ∨:::∧       __彡へ}/    ,     /


             京太郎は砕けない  三陸編  完

 

              次回予告


    旅はいつか終わる、つーか次で終わる


     と、思いきやここに来て新ヒロイン?


       とりあえず遊ぶんだ!牧場で!


京太郎「ん?俺ですか?」

おばちゃんX「XYZって知っとるか?」

おばちゃんY「もう後がないってことやで」

おばちゃんZ「この状況やと助けてくれっちゅう意味や」

おばちゃんX「まぁ、ウチらも老い先短いし」

おばちゃんY「助けても意味ないかもしれんけどな」

おばちゃんZ「ギャーハッハッハッハッハッ!!」


京太郎「探そうと思えば、たくさん探せるんですねぇ」

ハギヨシ「ええ、その通りなのです」

ハギヨシ「どんな地域でも見所は少なからずあるもの」

ハギヨシ「季節によって、違った味も出てくるのも面白い」

ハギヨシ「田舎でも良い所は確かに存在します」

ハギヨシ「そして……その逆もまた然り、なのです……」

京太郎「……え?」


白望「エイスリン、その絵見せてもらっていい?」

エイスリン「…………」パッ

『 須賀!? 京ちゃん 京太郎君! 京太郎!! 』

全員「…………え?」

豊音「ええっ!みんな京太郎君と知り合いなのー!?」

塞「どっ、どうやら……そうみたいね……」

胡桃(あ、頭痛くなってきた……)クラッ


末原「すすす!すんまへん!」ペコペコ

咲(チッ、下っぱのカス能力が……!)

咲(おまえらごときの浅知恵でこの宮永咲の能力)

咲(『嶺上開花』の上を行くことは絶対にない……)

咲(くぐり抜けることもないッ!いくらカスみたいでもな……)

咲「フフフ……ククク……」

咲「“帝王”はこの宮永咲だッ!!依然変わりなくッ!」


おばあちゃんΔ「ふん!見直したで!ボケェ」

おばあちゃんΣ「トシちゃん!後は任せるで!ボケェ」

おばあちゃんΩ「帰ってテレビ見るで!ボケェ」

京太郎「え、あの……」

おばあちゃんΔΣΩ「じゃあの!幸せにおなり、や……」

トシ「ありがとうございます」ペコリ


 

   京ちゃんの風  最期編  次回完結

くぅ~疲、ご視聴ありがとうございました
最終回は2月20日の18:30頃からの予定です
宜しく御願い致します!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom