ハマー「青い海、輝く太陽………拙者、海に帰って来たYO！」


ハマー「前は惜しくも失敗したけど…」※第36笛参照


ハマー「今日はジャガー殿やピヨちゃんもいない……負ける要素がないYO！」


ハマー「それに今の拙者は大物アーティストだし…一応変装もサングラスでばっちり」


ハマー「今年こそは真夏のピチピチガールを彼女に…グフッフフフフ、ウヒヒヒヒ……」


ﾅ、ﾅﾝﾃﾞｽﾉｱﾚ…
ｳﾜ、ｷﾝﾓｰ…


ハマー「ヌフフフフフ………ん？」


北上「〜♪」


ハマー「！」ﾄﾞｷﾄﾞｯｷｰﾝ！

ハマー（あ、あの娘良いでござるな！　決して派手ではないけど、何とも言えないオーラが滲み出てるYO！）


ハマー（はっ……もしかして拙者一目惚れ？！）


ハマー（これは運命に違いないYO！　よ、よしアタックしよう。今年の浜ちゃんさんは積極的なんだYO！）


北上「〜♪」ﾃｸﾃｸ


ハマー（す、凄い緊張するYO。キドがネムネムでござる……）ｿﾛｰﾘ


ハマー（ふぉぉ…大丈夫。眉毛も抜いたし、拙者ならいけるでござ…）ﾊｱﾊｱ


大井「ふんっ！！」ﾄﾞｺﾞｫ


ハマー「ほぎゃあああ？！」


ｻﾞﾊﾞｰﾝ！


ｳﾜｯﾅﾝｶｵﾁﾃｷﾀｿﾞ？！

大井「ふぅ…」


北上「あれ、大井っち。どうかしたの？」


大井「え？　なんか虫がいただけですよ。さ、帰りましょ。北上さん」ｷﾞｭｯ


北上「大井っちくすぐったいよ〜」


ハマー「ぶ、ぶは？！　痛い、痛いでござる！」


ハマー「そこのONNNA！ち、ちょっと待て…」


大井「あ？」ｷﾞﾛｯ


ハマー「ひぃ」ﾋﾞｸﾋﾞｸｰﾝ


ーーーー
ーー


ハマー「ひ、酷い目にあったでござる……あの目はやばい奴だYO…」


ハマー「…つ、次でござる。まだまだ諦めないYO！」


ハマー「…ん？」


赤城「……」ｼﾞｰｯ


ハマー「！」ｽﾞｷｭｽﾞｷｭｰﾝ

ハマー（あ、あの娘。拙者の事じっと見てるYO！　あれは恋する乙女の視線、間違いないでござるよ！）


赤城（何であの人、夏なのにダウンジャケットきてるんでしょうか？）


ハマー（これは一目惚れに違いないYO！）


赤城（しかし、お腹が空きました…）


ハマー「そ、そこのネーちゃん！」


赤城「はい？」


ハマー「い、一緒にお茶でもどうですかYO！　奢ってやるYO！」


赤城「え？！　本当ですか！　何でも良いですか？」ﾊﾟｱｧ


ハマー「ま、任しとけ！」


ハマー（やっぱりこの食いつきは脈ありでござる！）


ハマー（今年の夏は貰ったでござるよ！）

ーーーー
ーー


赤城「んー、美味しいです。あ、後五人前追加で」ﾑｼｬﾑｼｬ


ハマー「えぇ……」


ハマー（食べ過ぎだYO！）


ハマー（どんだけ食べるんだYO！　そろそろ財布がヤバイでござる…）


店員「あの……」


赤城「はい？」


店員「もう材料の方が…」


赤城「そうですか……」


ハマー（助かったでござる…）


ーーーー
ーー


赤城「ありがとうございました」


ハマー「い、いや。こんなの何でもないでござるYO……」


ハマー（もう素寒貧でござる…写真集買えないでござるよ…）


赤城「それじゃあさようなら」ﾍﾟｺﾘ ﾃｸﾃｸ


ハマー（だ、だけど恋には金がかかる。必要経費だったでござるよ！）


ハマー（この後の事を考えれば安いもの……）


ハマー（グフ、グフフ…）


ハマー（……ん？）ﾁﾗｯ


ハマー「…………」


ハマー「いねえYOー！！」

ーーーー
ーー


ハマー「あれはただお腹が空いていただけだったのかYO……食料を探す目だったのか畜生……」


ハマー「もう、帰ろうかな……ん？」


ハマー「浜辺でカラオケ大会？」


ハマー「！」


ハマー「こ、これはチャンスでござる！」


ハマー（ここで拙者のヒットソングを歌えば浜辺のルーギャーがワンサカよって来るに違いないYO！）


「カラオケ大会、あと一人で参加締め切りでーす！」


ハマー「む、ヤバイでござる！」


ハマー「参加するＹO！」


加賀「参加するわ」


ハマー「ん？」


加賀「ん？」

ハマー「！」


ハマー（か、可愛いYO！　いや、可愛いって言うより美人でござるよ！　サングラスをしてるのに隠せないオーラがあるYO！）


加賀「……何かしら？」


ハマー「あ…いや、何でもないでござる…」


ハマー（いけないいけない…今はそれよりカラオケ大会に……早く参加券を…）ｸﾞｯ


ハマー「ん？」


加賀「……」ｸﾞｯ


ハマー「は、離せ」


加賀「私も参加したいです」


ハマー「は？　せ、拙者も参加したいYO！」

加賀「私の方が券を掴むのが早かったです。貴方は辞退して下さい」


ハマー「な、何言ってんだ。拙者の方が0.1秒早かったでござる。だから拙者に譲れYO！」


加賀「ここは譲れません」ｶﾞｼｯ


ハマー「うぐぐ……」


加賀「………」


ハマー（何だこのONNNA。凄い強情な奴だYO！）


ハマー（しょうがない。舞台に上がってからバラしたかったけど、今言うでござる。拙者が大物アーティストだって分かればきっと譲るしかないYO！）

ハマー「ふー…仕方ないYO」


加賀「……？」


ハマー「拙者の事よく見てみ。誰だか分かる？」ｻﾝｸﾞﾗｽﾊｽﾞｼ


加賀「………」


ハマー（ふっ、大物アーティストを目の前に、言葉も出ないみたいだYO）


加賀「アレに似てる…？」


ハマー「気づいた？　似てるんじゃなくて」


加賀「フナムシに」


ハマー「違うYO！！」ｶﾞﾋﾞｰﾝ

加賀「え、でも結構似て…」


ハマー「やめろ！　フナムシ呼ばわりだけはやめろYO！」


ハマー「せ、拙者はあの有名アーティスト【浜〜】だYO！　フナムシじゃないでござるよ！」


加賀「……誰？」


ハマー「し、知らないでござるか？」


加賀「ええ」


ハマー（拙者を知らないとかとんだ田舎者でござる！　頭に来たYO！）


ハマー「と、とにかくお前より歌は上手いでござる！　CDやるから拙者に譲れYO！」


加賀「頭にきました」ｶﾁﾝ


加賀「………」ｺﾞｿｺﾞｿ


加賀「あまり見せびらかすのは好きではないけれど…仕方ないわ」ｽｯ


ハマー「何だよ…これはCD？」

「加賀岬……あ、あんたもしかして…」


「そ、そうだ。この人、石加賀さゆりさんだ！」


ハマー「え？！」


加賀「石加賀さゆりです」ｻﾝｸﾞﾗｽﾊｽﾞｼ

「すげー、本物だ！」


ハマー「ま、マジかYO？！」


ハマー（ち、超有名アーティストじゃねえかYO！　紅白にも出てたでござるよ！）


加賀「………ふふふ」


ハマー「うぐぐ……お、覚えてろYO！！」ﾀﾞｯ


加賀「やりました」



ーーーー
ーー



ハマー「はぁ……」


ピヨ彦「あ、ハマーさん。海どうだった？」


ハマー「もう、海はこりごりでござる……」

ーーーー
ーー


加賀「………」


加賀（【浜〜】。ネットで調べるとファーストシングル【なんかのさなぎ】はそれなりに売れたみたいね）


加賀（なんかダメ人間にしか受けないとか書いてあるけれど……）


ｺﾝｺﾝ


加賀「失礼します。提督、いますか……」


青春ｯﾃｲﾂﾀﾞｯﾀｶ全然ﾜｶﾗﾅｲｾﾞｪ！


提督「青春っていつだったか全然わからないぜぇ♪」


加賀「………」


提督「あ……加賀。し、失礼。つい///」ｶﾁｯ


加賀「何ですか今の曲？」


提督「え。これ。【浜〜】の【なんかのさなぎ】だよ。好きなんだよなーこれ」


加賀「あ……（察し）」



ーー完ーー