レオナ「よしっ!あたし、決めたわ!」 (102)
ヒム「……オレってさあ」
クロコダイン「なんだ」
ヒム「メタルスライムなんかの仲間になったらしいんだけどよ」
クロコダイン「ほう…」
ヒム「飯っているのか?」
クロコダイン「………」
ヒム「………」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454003400
クロコダイン「は、腹は減るのか?」
ヒム「その感覚がわからないから何とも言えねえけど、それっぽいことはないな」
クロコダイン「…それなら要らんのだろう」
ヒム「でも睡眠は取るようになったんだよな〜」
クロコダイン「回復魔法が効果あるのならば自然治癒も備わったということか」
ヒム「ああ。もう作りそのものが変わったらしいぜ?」
クロコダイン「なるほど、それなら飲食も必要やもしれんな」
ヒム「だろ!?ただよ、なに食えば良いんだ?」
クロコダイン「普通に肉や野菜を食えば良いだろう」
ヒム「いや、聞いた話メタル属は金属とか食うんだろ?」
クロコダイン「そうだな。自然界ではごくたまに鉱物を食べているようだ」
ヒム「あー岩とかに含まれてる金属を食べてんのか」
クロコダイン「ああ、そのようだな」
ヒム「じゃあオレもそうした方が良いのか?」
クロコダイン「………」
ヒム「………」
クロコダイン「た、食べたいか?」
ヒム「いや、まったく思わねえ」
ヒム「でもオレ嫌だぜえ!?いつの間にか餓死すんのなんてよお」
クロコダイン「ううむ、どうもオレらではラチがあかん」
ヒム「でもこんなこと誰にききゃーいいんだよ」
クロコダイン「…心当たりはある。あの人ならば何かわかるやもしれん」
ヒム「本当か!!?」
クロコダイン「よし、出かけるぞ!」
ヒム「んじゃ島を留守にするって隊長さんに一言言ってきますかね」
クロコダイン「オレはブラス殿に伝えてくるぞ」
ーーーー
ーーー
ーー
ー
アバン「ん〜それで私のところへ」
ヒム「あんたならなんかわかるんじゃないか?」
アバン「結論から言いますと…」
アバン「ヒム、あなたに食事はいりません!」
クロコダイン「やはり!」
ヒム「は〜岩食わなきゃいけないのかって一瞬ヒヤリとしたぜ」
アバン「あなたはオリハルコンが主成分で意思があり自己で治癒をする…まるで」
クロコダイン「! まさか!」
アバン「そう、ダイの剣のようです」
ヒム「なるほどなあ!」
アバン「ざっくり分類すると武器よりのメタル系魔物なので休息があれは十二分なはずです。薬草が効かないのもそのためかと」
ヒム「あーそれで寝るようになったのか」
アバン「それに、食事をしたところで排泄はどうするのです?」
クロコダイン「それもそうだ」
アバン「見たところ内臓もなさそうですし消化はできないでしょう」
ヒム「食うだけ無駄ってことか」
アバン「ただ…」
クロコダイン「ただ?」
アバン「水分は必要かもしれませんねえ」
ヒム「ハア!?」
クロコダイン「す…水分!?」
アバン「ええ、あなたは汗をかき涙を流すでしょう?少なくとも体内の水分が外に流出しているのは間違いない」
ヒム「た…確かにそうだ!」
クロコダイン「でも内臓がないのにどうやって水分をとればいいのだ…!?」
アバン「あくまで推測ですが…人型になり代謝を行い闘気をまとう生命体になったのならば、内臓こそないものの経口から水分を摂取できるのではないか…と」
ヒム「なるほど」
アバン「味覚まではちょっとわかりかねますが、水分が必要になれば喉が乾くと思いますよ」
クロコダイン「うむ…今はどうだ?喉は渇いているか!?」
ヒム「…わかんねえな」
アバン「それならば今は不要なのでしょう。必要なものは欲する作りに生物はなっていますからね」
ヒム「そういうもんなのか」
クロコダイン「とりあえず今はこのままでいいようだ。良かったな、ヒム」
ヒム「おうよ!ありがとな!」
クロコダイン「では失礼します。アバン殿」
アバン「あっと!ちょっと待ってください!」
クロコダイン「?」
ヒム「んん?」
アバン「暫くデルムリン島にいるのですよね?」
ヒム「まあな」
クロコダイン「ああ…あの島はいい島だ。それに…いつかダイが戻ってくるかもしれん」
アバン「近々レオナ姫からの使者がそちらに向かうと思いますよ」
クロコダイン「姫から…?」
アバン「何か大きな事をしようとしているようです。ブラスさんにもお伝えください」
クロコダイン「うむ、承知いたした」
ヒム「なんかよくわかんねえが手伝えることがあるなら言ってくれ!」
アバン「では、よろしくお願いいたします」
クロコダイン「ハッハッハ!王から頭を下げられるのもおかしなもんだ!では失礼!」
ヒム「またな!」
〜プロローグ 獣王遊撃隊ナンバー12ヒムちゃんのとある1日 おしまい〜
とりあえずここまで。本編はまた今度
ヒムはハゲ期待の星
本編は小ネタスレに投下したものを肉付けしたSSとなります
ポップ「まつりぃ!?」
レオナ「そ、1年に一度各国持ち回りでね!」
ポップ「そりゃ祭りはきらいじゃねえけどよーなんで突然」
マァム「私達をわざわざ探して呼んだってことは何か考えがあるのね?」
レオナ「まあね。おまつりの日にちは毎年バーンを倒した日を予定してるわ」
マァム「…バーンを…?平和を祈る、みたいなお祭りなの?」
レオナ「それもあるけど…」
ポップ「けど?」
レオナ「…ねえ、ダイ君の寿命の話、覚えてる?」
ポップ「ああ…忘れるわけないだろ」
レオナ「あたし、考えたの。もしかしたらダイ君はあたし達が生きてるうちに帰ってくるとは限らないんじゃないかって」
ポップ「……まあな。何百年かかっても必ずアイツは帰ってくるだろ。そういうヤツだ」
レオナ「その時にダイ君の事をどれ位の人が覚えてるんだろうって」
マァム「それは…」
レオナ「だからお祭りとして勇者の成し遂げたこと…ダイ君のことを忘れないようにできないかって」
マァム「そう…そうね!私達に出来ることは全部やるべきだもの!」
レオナ「アバンの書に習ってダイ君の歴史書を書こうって案もあったんだけど…」
ポップ「あ〜そんなん残したってダメダメ!一番ダイにゃ向いてねえよ」
レオナ「肝心の本人が読めないんじゃあねえ」
マァム「ふふふっ!」
レオナ「ところでメルルは?一緒じゃないの?」
ポップ「…ああ」
レオナ「なぁに?喧嘩でもしたの!?ポップ君の取り合いで!?」
マァム「ちっ違うわよ!……おばあさまに何かあったかもって急に言い出して…一緒にテランに行ったんだけど」
ポップ「ばあさん寝込んでてさ。今メルルは看病してるんだ」
レオナ「そう…ご高齢だしね…」
マァム「…テランの王様も…あまり体調は良くないみたい」
レオナ「…そのことについてあなたたちにも頼みがあるんだけど…」
マァム「頼み?」
ポップ「おれたちに出ることなら協力するぜ!」
ーーー
アバン「ふむふむ」
フローラ「ロモスからの書簡ですか?」
アバン「ええ、やはり一回目はパプニカ、ロモス、テラン、カールのいずれかに決まりそうです」
フローラ「どこも勇者ダイにとってゆかりのある場所や人がいますものね」
アバン「発起国のパプニカがいいんじゃないかと私は思うのですが…な〜んかレオナ姫が乗り気じゃない気がするんですよねえ」
フローラ「レオナが?」
アバン「姫の性格上、いの一番に引き受けようとしそうじゃありませんか?」
フローラ「確かに…」
アバン「…何かあるんでしょうかね…むっ!」
フローラ「どうしました?」
アバン「これは…!!!」
ポップ「……お出迎え早かったっすね」
マァム「着地とほぼ同時だったわね」
アバン「もしダイがここにやって来てもすぐわかるようにカールには魔法陣を張ってみたんですが…ポップも魔法力が大きすぎて引っかかっちゃうみたいですねえ」
ポップ「へ?魔法陣?」
アバン「マホカトールとトヘロスの応用で作ってみたんですが…う〜ん」
マァム「先生!それ、ポップやレオナにも出来ますか?」
アバン「二人なら輝聖石の補助があれば作れます…が、オススメはできませんね〜」
ポップ「なんでです?」
フローラ「アバンのようにダイ!と叫びながら毎回飛び出すのも大変でしょう?」
ポップ「す、すんません…ぬかよろこびさせちゃいました?」
アバン「いえ、私の認識が甘すぎたようです。ダイのみ引っかかるようなんとか考えてみますか」
マァム「そんなことできるんですか!?」
アバン「ど〜でしょうねえ?ただドラゴニックオーラは特殊ですからね。そちらのほうからアプローチ出来ないか考えてみます」
フローラ「二人がカールに用があるとは珍しいですね。どうぞおかけなさい」
ポップ「ああ、はい、おれたちは今回は使いですよ」
マァム「レオナから用事を頼まれたんです。交渉ごとをしてもらいたいって」
フローラ「なにかあったのですか」
ポップ「まつりのことで話をしてきて欲しいって言われたんです」
アバン「レオナ姫から聞きましたか?なかなか大々的になりそうでわくわくしちゃいますね!」
マァム「先生もお祭り好きなんですか?」
アバン「国をあげてのイベントですからね。沢山の人と話ができるだろうというのは楽しみですねえ」
フローラ「それで、要件は?」
ポップ「開催国にテランを推すと伝えてくれって」
フローラ「テラン…」
アバン「…やはり、パプニカではなかったですか」
マァム「…私たちも個人的にテランを勧めたいと思っています」
フローラ「…メルルが居ないのと関係があるようですね」
ポップ「さっすがフローラ様、話がはええや」
マァム「…竜の騎士ゆかりの地というのは勿論、テランの国王やテランに多い高齢者に旅をさせる体力を使わせたくないというのがレオナの意見です。ルーラや船旅も身体にさわるのではと」
ポップ「たしか人口減少を食い止め国の活性化を促す目的もあるってのも言ってました」
アバン「きっとテランからの出資を土地を貸すということで相殺という話も出たのですね?」
マァム「はい」
フローラ「そうですか…テランは小さな王国。お祭りによって国は一時的に潤うかもしれませんね」
アバン「美しいところですし争いもなくなった今、落ち着いた暮らしを好むものが移住を考えるきっかけになるかもしれません」
ポップ「姫さんの話を聞いた分にはちょうどいいんじゃないかっておもったんですけど」
アバン「…気になりますか」
マァム「…はい」
マァム「この話を聞いた時、レオナのことだから最初はパプニカでやると思ったんです」
ポップ「そもそも…なーんかしっくりこないんだよな。あの姫さんの考えにしちゃまつりの理由が後ろ向きっつーか」
アバン「レオナ姫らしくない…と?」
マァム「先生たちもそう思いますか?」
フローラ「ええ、何か私たちに隠し事があるのかもしれません」
ポップ「でもよお、あの性格じゃ隠すと決めたら絶対に言わねえぜ?」
マァム「そうなのよね…」
フローラ「…でも信頼はしているのでしょう?」
マァム「もちろん!!」
ポップ「ま、お互い命を預けれるくらいはね」
フローラ「それならば私たちに出来ることはないですね」
マァム「はい、レオナが話してくれるのを待とうってポップと決めました」
アバン「そうですね。さてさて、二人ともこのあとのご予定は?」
ポップ「あとはロモスの王様に話をするだけ…だったよな?」
マァム「そうよ。テランはレオナが直接行くし、他の国は明日から回るって話だったもの」
アバン「そうですか。それなら今夜はカールに泊まりなさい。旅の話も聞きたいですしね!」
マァム「いいんですか!?」
フローラ「ええ、夕食と客室を用意しておきます」
ポップ「ひゃっほーーい!!うまいもん頼んます!んじゃマァム行くぞ!」
マァム「もう!ポップったら…じゃあ先生、フローラ様行ってきます!」
ドタドタ…
フローラ「……まるで嵐のようね」
アバン「仲良くやっているようで何よりですよ。テランの了解を得たら正式に国民におふれを出さないとなりませんね」
フローラ「あと半年でどこまでできるかわかりませんが、カールも人をできるだけ派遣しましょう」
アバン「我々も忙しくなりそうです」
ーーーーーー
ーーー
クロコダイン「アバン殿の言っていたことはこれか」
チウ「これは獣王遊撃員勧誘のチャーンスっ!」
ブラス「各国をあげてとは珍しい」
ヒム「オレ、祭りっていうの知らねえな」
ーーー
メルル「お婆様!起きても大丈夫なのですか!?」
ナラバ「この国に人がやってくるのに寝込んではいられん!商売の準備じゃ!」
ーーー
ロンベルク「…ダイの剣の様子を見たいしな、ノヴァと共に経由して祭りにも邪魔させてもらうか」
ノヴァ「へえ、父さんも来るのか。会うのは久々だな」
ーーー
マトリフ「まつり…ねえ。ま、アバンの顔でも見に出向くかねえ」
ーーー
ブロキーナ「たまにはこういうのもいいもんだよね」
ーーー
ーー
ー
レオナ「あとの二人は使者を送るにも…どこにいるかもわからないし、どう考えてもお祭りを楽しむタイプじゃないわよねえ」
ポップ「先生のリリルーラで行って直接話すってのはどうだ?」
レオナ「それも考えたんだけど…それってちょっと無理矢理っぽくない?」
ポップ「無理矢理かあ?」
マァム「…ヒュンケルはもし嫌でも先生の頼みは断れないと思うわ」
ポップ「かあー!…アイツめんどくせえ奴だからなあ。もう少しシンプルに物事考えられないのかね」
マァム「ラーハルトもポップの話を聞く限り人間の多い場所は好きではなさそうなのも気になるわ」
レオナ「ま、おふれはこれだけ出してれば見てるだろうし期待せずに待ちましょ」
とりあえずここまで
>>15【悲報】ヒムの髪の毛は元々付いていたってヒムは言ってる
ーーーー
ーーー
ーー
ー
バダック「よおし!完成じゃ!なんとか明日の祭りまでに間に合いましたな!」
レオナ「…うん!よく出来てるわよ!」
バダック「力作ですぞ!あとは気球に運ぶだけじゃ」
レオナ「くれぐれもバレ無いようにね?私とバダックとテランの国王しか知らないんだから!」
ーーー
ーーー
ーーー
ーー
レオナ「さ、準備もできたし行くわよ!」
マァム「レオナ…やっぱり私着替えたい…」
レオナ「どうして?」
マァム「レオナはお姫様だからいいかもしれないけど、こういうヒラヒラした服、苦手なのよ」
レオナ「んもうっ!1日だけだから我慢して!一応、お祭りの主賓なんだから」
マァム「でも」
レオナ「ね、それによく似合ってると思わない?」
マァム「なんでポップにふるのよっ!」
レオナ「…ちょっとお、聞いてる?」
ポップ「…あ、ああ、よく似合ってる…と思うぜ?」
マァム「…そう…かな…」
「………」
レオナ「…ハイハイ、ごちそーさまっ!!ほらほら、悪いけどテランのお城までルーラお願いねっ」
ーーー
ドサササ…
ポップ「うわっ!!」
レオナ「あいたた…」
マァム「ひっさびさね。コレ」
レオナ「もうっ!ポップ君!雑念が入ったでしょ!ってここ…お城じゃないわ…」
マァム「竜の騎士の神殿ね…」
ポップ「……ダイ…」
マァム「…ポップ」
ポップ「あ、わりぃわりぃ!着地のイメージ間違えちまったみたいだ!城だったよな!」
レオナ「…ここからならそう遠くないわ。歩いて行きましょ」
マァム「時間は大丈夫?」
レオナ「平気平気!ほらっ行くわよー!」
ポップ「このあたりは何にも変わってねえなあ」
レオナ「本当ね」
ポップ「…バーンパレスに乗り込む前にダイがいなくなったの覚えてるか?」
マァム「どうしたの?突然」
ポップ「あんときあいつ、ここに居たんだぜ」
レオナ「そう…ここはバラン、お父さんとの思い出の場所だったものね」
マァム「バラン…立派な最期だったわ」
ポップ「ああ。ダイが帰ってきたらよ、もうイヤってほど平和を満喫してもらおうぜ!」
レオナ「そうね…」
メルル「ポップさーん!」
ポップ「メルル!」
メルル「皆さんも!予感がして迎えに来たんです」
レオナ「久しぶりね!メルル」
メルル「レオナ姫…おげんきそうでなによりです」
マァム「お婆様の体調は大丈夫なの?」
メルル「ええ…まあ…」
3人「?」
メルル「会っていただければわかります」
ーーー
マァム「凄い人の数ね…!」
メルル「はい…不思議ですね。沢山の国からの人が増えたらテランの国民も元気になった気がします」
レオナ「国は人が活性化させるものだもの」
ポップ「でもよぉ〜アレはちーっと元気になりすぎじゃねえ?」
ナバラ「さあ〜占いはいかがかね!そこのお兄さん、何でも占うよ。ホラこの水晶…」
メルル「お婆様ったら!!!」
ナバラ「おやメルル、そうそう、この孫娘の占いは百発百中!今なら150Gにまけるよ」
レオナ「ふふっ以前よりお元気になったみたい」
マァム「レオナも発起人として嬉しいわね?」
レオナ「まあ…ねっ!」
ポップ「ありゃ当分捕まったままだな…メルルー!!おれたち先に城に向かってるからなーー!!」
メルル「はぁーい!」
レオナ「なんだかメルルも明るくなったみたい」
マァム「旅の間にメルルと結構はなしをしたんだけど、意外と占い師って肝が据わってて面白いわよ」
レオナ「そっか。未来を見通すんだものね。気弱じゃ務まらない…か」
ポップ「おーい置いてくぞー!」
ーーーー
レオナ「とうちゃーく!!結構いい運動になったわねっ!この後2人はどうする?」
マァム「どうって?」
レオナ「私は各国の人に挨拶回りがあるし、フォルケン王の開催の号令のときには壇上にいるのよ。2人も来る?」
ポップ「挨拶回りって王様とかばっかりだろ?」
レオナ「ええ、主賓は一応席を設けてあるけど…2人ともそこでジッと座ってるなんて性に合わないかなって」
マァム「それより見て回りたいわ。出店も随分出ているし」
ポップ「だな。どーせおっさん達もそこいらにいるんじゃねえの?」
レオナ「多分ね。アバン先生は多分席にいらっしゃるけど…」
ポップ「先生はこの前たっぷり話したからな。おれらはウロついてるぜ」
レオナ「そっ!私も隙を見て抜け出すから待っててね!」
ポップ「抜け出すって…いいのかよお…?」
マァム「レオナったら…相変わらずね」
ーーー
マァム「ポップ!こっち!」
ポップ「とっ、とっ、こう人が多いと歩くだけで体力が持って行かれちまうぜ」
マァム「だらしないわね!」
チウ「ふっふっふっ…マァムさんの言う通り」
ヒム「なんだよ。お前まだ尻に敷かれてんのかあ?」
ポップ「ヒム!」
マァム「チウ!」
チウ「マァムさーん!お元気でしたか!?素敵なドレスですね!」
マァム「チウも元気そうね!」
ポップ「クロコダインのおっさんは?一緒に来たんだろ?」
ヒム「魔族の男とあっちで飲み比べしてらあ」
マァム「もう飲んでるの?相手はロンベルクかしら?」
チウ「そうですよ!あいつもなかなか強いですからね。スカウトしてやってもいいかなーなんて」
ポップ「お前らは今なにしてんだ?」
ヒム「普段はデルムリン島にいてたまに街の復興の手伝いとかだな」
チウ「マァムさんは?旅の調子はどうです?ポップ!貴様、マァムさんに迷惑かけてないだろうな!」
ポップ「うるせえぞ」
マァム「順調よ!ちょっと拍子抜けしちゃうくらいね」
ポップ「ダイは見つけられてねえけど…結構楽しくやってるぜ?」
クロコダイン「おお!来たか!」
マァム「久しぶり!もう2人ともこんなに飲んだの?」
ロン「ふっ…なかなか酒が進む話が聞けてな」
ポップ「へえ、どんな話だ?」
ブラス「デルムリンに魔物が人間との共存の研修に来てるという話じゃ」
ポップ「おっ!ブラスのじいさんも来てたのか!」
ブラス「うむ。姫さまから招待を頂いたのじゃ」
マァム「お元気そうで何よりです…研修?魔物の?」
クロコダイン「ああ、あそこは人と魔物が共に暮らしていた実績が長かったからな。トラブルの相談役にブラスどのが選ばれたんだ」
ブラス「今は忙しく暮らしておるぞ」
ポップ「そっか…ダイもそれ聞いたら喜ぶだろうな」
ロン「くだらない争いは減り、純粋な強さと武器は残る…こんな酒の進む話はない」
ポップ「そういやノヴァは?今日は来なかったのか?」
ロン「いや、父親と話をしているはずだ」
クロコダイン「親孝行もたまには必要だな」
ポップ「親孝行ねえ…」
ロン「ジャンクも午後から来るそうだぞ」
ポップ「でえ!オヤジもくんのかよお!」
ブラス「親孝行はできるときにしとくもんじゃぞ」
ポップ「そうは言ってもなぁ…」
ファ-ンファファファファ-ン
さ
マァム「しっ!挨拶が始まるわ!」
………
↑しくじった。すまん
ポップ「そういやノヴァは?今日は来なかったのか?」
ロン「いや、父親と話をしているはずだ」
クロコダイン「親孝行もたまには必要だな」
ポップ「親孝行ねえ…」
ロン「ジャンクも午後から来るそうだぞ」
ポップ「でえ!オヤジもくんのかよお!」
ブラス「親孝行はできるときにしとくもんじゃぞ」
ポップ「そうは言ってもなぁ…」
ファ-ンファファファファ-ン
マァム「しっ!挨拶が始まるわ!」
………
カナル『静粛に!!テラン国フォルケン王から開催の挨拶を致します!』
フォルケン『……今日という日を迎えられたこと、皆が戦い得た平和がやってきたことを祝し勇者ダイの祭りをここに開催する』
フォルケン『存分に楽しみ、平和を噛み締めて1日を過ごして欲しい。先頭に立ち我らを勇気付けて下さった勇者ダイ、並びアバンの使徒に敬意を!』
カナル『敬意を!』
「「「敬意を!!!」」」
ワアアア…
………
ポップ「たは…敬意だってよ」
マァム「照れるわね」
クロコダイン「グワッハッハッ!目出度い!さあ!飲め!」
ポップ「いや、おれ酒は」
ロン「なんだ、お前も酒瓶を開けられないクチか?」
クロコダイン「まだ姫の方がいけるクチだぞ!」
ポップ「うわわわ…カップから溢れ出させるほど飲めるか!」
マァム「ふふっ!私、お母さんたちを探してくるわね!ごゆっくり!」
ポップ「マァム!た、助けてくれ〜!」
ブラス「うむ、変わらず平和じゃな」
ーーー
ブロキーナ「おやマァムだけかい?」
マァム「老師!来てくださったんですね」
ブロキーナ「たまには山から下りるのもいいもんだよね」
マァム「はい」
ブロキーナ「せっかくだし、うまい飯屋はどこにあるかしらん?」
マァム「美味しいかはわかりませんが…向こうのお店にポップやチウがいます…けど、皆お酒が入っていて…」
ブロキーナ「ふむふむ、たまにはお酒もいいね」
マァム「…あの、病気にお酒はよくないんじゃ」
ブロキーナ「ゴホッゴホッ…みみたぶモチモチ病にはお酒は関係ないんじゃよ〜ん」
マァム「そ、そうですか…」
ブロキーナ「じゃあまたね」
マァム「はい!またチウと遊びに行きますね」
ーーーー
ーーー
ーー
マァム「珍しいお店がいっぱい…」
レオナ「マァムー!ひとり?」
マァム「今はね。レオナ!抜け出して本当に大丈夫なの?」
レオナ「まあね!あたしは最後に挨拶する予定なの。だからこの時間にいなくても問題ないわ!…多分」
マァム「多分なのね」
レオナ「あっそういえばマァムのお母様も来てるはずよ。招待してるわ」
マァム「さっき会ったわ。先生の所へ行ってるはずよ」
レオナ「そっか、勇者アバンのパーティーメンバーだったわね」
マァム「そうよ」
レオナ「お祭り楽しんでる?このお店見てたの?」
マァム「スパイスのお店みたい。あまり見かけない物が多いわ。どこの国のものなのかしら?」
レオナ「辛いスパイスはオーザムね。国の復興は進んでいないけれど生き残った人々が新しく仕事をできるきっかけにもなってよかったわ」
マァム「本当…レオナはこんなお祭りを考えちゃうなんて凄いわ!」
レオナ「自分の使命と力量…今でもあたしの大切な言葉よ」
ーーーー
ーー
マァム「あちこち見てるうちに結構時間経っちゃったけど、挨拶はまだ大丈夫なの?」
レオナ「まだ夕暮れには時間はあるわ。平気よ!」
マァム「そう。お姫様も大変ね」
レオナ「あら、最後はあなたたちも一緒よ?」
マァム「ええっ!?聞いてないわよ!」
レオナ「ごめーん、そうだっけ?挨拶はしなくていいから一緒にいて欲しいの!お願いっ!」
マァム「……私はいいけどポップは大丈夫かしら…」
レオナ「?」
マァム「実はね…」
………
レオナ「キャハハハッ!ポップ君も災難ねー」
マァム「クロコダインたちにも挨拶するんでしょ?」
レオナ「勿論!最近忙しくてなかなか会えなかったしね」
メルル「レオナ姫!マァムさん!やっと見つけました…!」
レオナ「来た来た!」
マァム「お店は大丈夫なの?」
メルル「はい…ポップさんは…?」
レオナ「あなたはいつもポップポップねー」
メルル「いえ、そんな…」
レオナ「ね、メルルお願いがあるの」
メルル「お願い…ですか?」
ーーー
ポップ「もうかんへんひてくへええ〜」
ヒム「コイツこんなにベロンベロンで大丈夫なのかよ?」
ロン「天下のバーンを倒したやつにも弱点があるとはな…」
ブロキーナ「これは酔拳に応用できるかもしれないね」
クロコダイン「少々飲ませすぎたかもしれんな」
ブラス「この席だけですでに酒樽8つ分はあいとるわいっ!」
チウ「クロコダインさん達のお酒のペースに合うのはこのボクくらいですからね!」
マトリフ「…何しとるんだそのアホ弟子は」
ブロキーナ「マトリフ、久しぶりじゃの〜」
マトリフ「よお、生きてたか大将」
ポップ「ひっひひょ〜」
マトリフ「ハナッタレのガキのくせにベロンベロンになっちまってまあ…コイツ借りとくぞ」
ブラス「おお、ポップ君気を付けていくんじゃぞ」
ポップ「ひゃあい」
ーーー
マァム「さっきも思ったけどこの辺りは静かね…」
レオナ「夕刻からの神殿周辺は一般人の立ち入りは禁止されてるしね」
マァム「なぜ?」
レオナ「閉会の儀はここでやるから準備があるの」
マァム「準備って布で覆ってあるコレ?随分大きいわね」
レオナ「まだ触っちゃダメよ!」
メルル「あの…それでお願いというのは…」
レオナ「そうそう、占って欲しいのよ」
メルル「構いませんが何を占いますか?」
レオナ「探し物…もしくは探し人ってとこね」
マァム「レオナ…ダイの居場所はどんなにメルルが占ってもダメだったわ。旅の途中でも何回かチャレンジしたんだけど」
メルル「すみません、私の力及ばず…」
レオナ「違う違うっダイ君じゃないの」
メルル「では何を…?」
レオナ「それ…言わなきゃダメ…?存在するかすらわからないものなんだけど」
メルル「??具体性があったほうが結果もハッキリとわかります。存在するかしないかなら占えますが…」
レオナ「じゃあ、これからすることが成功するかどうかってういうのはどう?」
マァム「…?お祭りは成功してると思うわ」
レオナ「それは占わなくてもわかってたこ・と!」
メルル「それなら、今持っているタロットで占えます」
レオナ「マァムも…いい結果を祈っててね」
マァム「…わかったわ」
メルル「では、始めます。リラックスしてください…」
ーーーー
マトリフ「おぉい」
ポップ「…うぁい」
マトリフ「しょーがねぇなぁ…ホレ、ヒャダルコ」
ポップ「…メラァ!」
マトリフ「魔法力は錆びちゃいねえみてえだな…酔いは覚めたか?」
ポップ「あちちっ…酷えや、師匠〜」
マトリフ「ちょっと聞きてえことがある」
ポップ「なんだよ?」
マトリフ「パプニカの姫さんいってえ何を調べてんだ?」
ポップ「へ?」
マトリフ「その調子じゃなんも知らねえ…か」
ポップ「…師匠、なんか知ってるんすか?」
マトリフ「知り合いの魔法使いがな、パプニカからの使いとやらに秘術だなんだっつううさんくせえ話をされたってのを小耳にはさんだだけだ」
ポップ「そりゃ〜詐欺じゃないっすか?」
マトリフ「いや、話を聞くにあの三賢者の男と特徴がおなじだったぞ」
ポップ「…秘術…」
マトリフ「ま、すぐに俺やお前に聞いてこないってことはなんかたくらんでんじゃねえの」
ポップ「…多分、ダイについてです」
マトリフ「まあ…大方そんなところだろうな」
ポップ「姫さんもよお、みずくせえよなぁ…」
ノヴァ「いたいた!ポップさん!」
ポップ「お、ノヴァじゃねえか!元気だったか!?ロンベルクならまだ飲んでんじゃねえかな」
ノヴァ「いえ、探してるのはレオナ姫なんです。どこにも見当たらなくって」
マトリフ「ケッケッケッ、あの姫さんいなくなっちまったのかよ」
ノヴァ「はい、ちょっと目を離したらいなくなってたそうで…バダックさんと探してるんです」
ポップ「あーそのうち戻ると思うぜ?」
ノヴァ「それが…閉会の儀はレオナ姫の言葉で締める手筈になっているんです。打ち合わせをしたいらしいんですが…」
ポップ「しょーがねぇーなぁ…おれちょっくら向こう探してくるわ」
ノヴァ「お願いします!僕はこっちを探しに行きます!」
ポップ「じゃあな、師匠!また遊びに行くからよ!」
マトリフ「おう」
ポップ「ん…?姫さん探すならうってつけの人がいるじゃねえか!」
………
メルル「…そうですね。行っていることはこのままいけば成功します」
レオナ「やったあ!」
メルル「けれど、それは今まで積み上げてきたものの上に成り立つ成功です。逆に言えば他者との信頼をなくしたり迷って立ち止まっては成し遂げられません」
マァム「信念と信頼を忘れるなってことかしら?」
メルル「はい、あと失われた国…というのも一つの暗示として出ています。何か関係はありそうですか?」
レオナ「ええ、とても有益な情報よ!」
メルル「…ふう、お役に立てたでしょうか」
レオナ「ありがとう、メルル」
マァム「…ねえ、レオナ」
レオナ「うん。わかってる、ちゃんと話すわ。でもポップ君たちにも話したいし」
ポップ「…何をだ?」
レオナ「きゃあっっ!!」
メルル「ポップさん!」
アバン「私もいますよ」
マァム「先生」
レオナ「ちょっとお!二人とも脅かさないでよね!」
ポップ「いや、挨拶する姫さんがいないってんで先生のリリルーラで飛んできたんだけどよ。なんか取り込んでたみたいでさ」
レオナ「ええっ!もうそんな時間!?」
アバン「そうですねえ。あと一刻と半刻の間ってところでしょうか」
レオナ「余裕はないけど…話くらいは出来そうね」
メルル「あの、私…」
レオナ「大丈夫よ。メルルもいて頂戴」
メルル「は、はい…」
レオナ「そうね…何から話そうかしら?」
ポップ「どうせダイに関係してんだろ?」
レオナ「まあね…先生、破邪の秘法は破邪力を最高まで高めるためのものなんですよね?」
アバン「ええ、きっと悪しき力に対抗する目的で作られたものだと思います」
レオナ「単刀直入に聞きます。破邪の洞窟意外にもまだ未開の…不思議な力が宿る洞窟や塔、砦などはあると思いますか?」
アバン「…あるでしょうね。とりわけ死の大地や海に沈んだアルキードは手付かずの状態です」
レオナ「そうですか!良かった…」
ポップ「旅の途中にも奥まで入ったことはないって洞窟とかあったな」
マァム「ええ」
レオナ「まだあたしの勝手な想像なんだけど…単純に魔法力を高める秘術がある可能性は考えられないかしら」
アバン「!…なるほどそういうことですか」
マァム「そんなこと可能なの?」
ポップ「そういや、おれが昔使ってた杖の魔法石はその性質に近いな」
メルル「でも魔法石はあまりとれる鉱物ではないと聞きます」
アバン「いえ、魔法石ではなくレオナ姫は鉱物に含まれている魔力を増幅させる力そのものを求めているのですね?」
レオナ「はい」
マァム「魔法力を増幅させる…実在すればまさに破邪の秘法に匹敵するような力だわ」
レオナ「もしそれが見つかればダイ君を探す手がかりになると思うの」
ポップ「おれがリリルーラの契約をしてその力でダイのところに行くことも可能かもしれねえ!」
レオナ「あともう一つ。こっちは多分、先生も探してますよね?文献の貸し出しをテランに申し込んだと聞きました」
アバン「レオナも探してましたか」
マァム「まだ何かあるの?」
レオナ「インパスは知ってるわよね?」
ポップ「透視呪文だろ?」
マァム「レオナは契約してるけど」
メルル「使いませんでしたよね…」
マァム「レオナにこそ使う意味がある呪文なのにね」
ポップ「?」
レオナ「宝箱は開け開けてこそ、よ!」
アバン「ではレミラーマは知っていますか?」
ポップ「いや、知らねえな」
マァム「聞いた感じ魔法よね?」
アバン「こちらはアイテムなどの探索呪文です。洞窟などで使用すると便利ですよ」
メルル「占いに近いですね」
アバン「そうです。この二つの呪文に共通点を感じませんか?」
マァム「確かに似ているわ」
ポップ「アイテムの探索と透視だもんな」
レオナ「ね?それなら…人を探索したり、特定のアイテムを透視できる呪文があってもおかしくないと思うの」
ポップ「!上位魔法の可能性かあ!」
アバン「いえ〜す!!その通りですっ!」
メルル「占いでは予感は感じても宝箱の中身まではわかりませんが、魔法なら…」
マァム「ダイやダイの持ち物から居場所くらいはつかめるかも!」
レオナ「可能性がある限り、あたしはやるわよ!お祭りが最後の国のパプニカにくるまでに探す予定」
メルル「…パプニカにくるまで?」
ポップ「なんでだよ?」
アバン「……国政から引退するつもりですか」
レオナ「……はい。その発表はお祭りの時にするつもりです」
ポップ「おい!姫さんやめちまうのかよ!」
メルル「そんな…」
レオナ「もうこの世界は安全だわ。後継者にはアポロとマリンを据えるつもり。知ってる?あの二人最近なんかいい感じなのよ!」
メルル「レオナ姫はどうするんです?」
レオナ「決まってるじゃない!ダイ君を探しに行くのよっ!」
マァム「…本気なのね」
レオナ「もちろん!おばあちゃんになる前に絶対に見つけるんだから!シワシワの姫と勇者じゃ絵にならないでしょ?」
ポップ「は…はは…姫さんらしいや」
アバン「そうですか…カールも全面的な協力をしますよ」
マァム「レオナが決めたことだもの。応援するわ」
メルル「私になにかお手伝いできることがあれば言ってくださいね」
ポップ「ま、ダイが先に帰って来ちまうかもしれねえけどな」
レオナ「皆…ありがとう…」
レオナ「……あたし、一度着替えてこなくちゃ。マァム、手伝ってくれる?」
マァム「えーまた着替えるの?」
レオナ「あったりまえよお。この日のためにドレス新調したんだもの、あとその布の下はまだ見ないでね?覗きやさん!」
ポップ「だ、誰が覗き屋だーー!」
ーーーー
マァム「これは…腕輪ね。はい」
レオナ「ありがと」
マァム「……なんでこんなに布があるのかしら?」
レオナ「パプニカの名産だから宣伝も兼ねてるのよ」
マァム「確かに綺麗ね」
レオナ「……マァム」
マァム「?」
レオナ「………あのね…ダイ君っ…」
マァム「ど、どうしたの!?」
レオナ「…っ!話を聞いてくれる…?」
レオナ「バーンがね、ダイ君に言ったの」
マァム「…バーンが?」
レオナ「人間は平和を手にしたらいつか必ず竜の騎士に対して迫害をするって」
マァム「…強さへの畏怖ね……」
レオナ「ダイ君は…人間が自分の存在を疎ましくなった時は…人間が好きだから」
レオナ「地上を去るっ…て」
マァム「そんな!」
レオナ「この話はあたししか知らないわ。ねえ、ダイ君は帰ってきたいと本当に思っていてくれてるのかしら…?」
マァム「レオナ!」
レオナ「いたーいいたいっ!強く抱きしめすぎよっ!」
マァム「ごめん、そんなこと知らなくて…ずっと一人で悩んできたのね…ごめんね…」
レオナ「マァム…」
マァム「もしかしてこのお祭りも…?」
レオナ「…ダイ君がこのお祭りを見て地上に留まって欲しいってあたしのただのワガママ」
マァム「……そうだったの」
レオナ「ダイ君はもう帰ってくる気は無いのかもしれないわ。でも…会いたいの…」
レオナ「ダイ君は…どう思ってるのかなっ…て…」
マァム「…ダイはいつだってレオナのことを心配していたわ。フレイザードに凍らされたレオナを見た時や破邪の洞窟に入る時…あの時のダイを見た私にはわかるの」
マァム「レオナがいる以上、必ず帰ってくるわ!レオナに会うことがダイの望みでもあるのよ!安心して!」
レオナ「…………ん。ありがと、マァム」
マァム「ふふ、さ、早く着替えないとっ!…って、これどこの布よ?余ってるけど」
レオナ「…?どこかしら」
マァム「ちょっとお〜」
アハハ…
ーーー
とりあえずここまで。もうあと少しなんだけどタイムアウトだ。
感想支援ありがとう
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ーーー
ーー
ー
カナル『では最後にパプニカ王国のレオナ姫からのお言葉です』
レオナ『その前に、一ついいかしら』
カナル『はい…?』
レオナ『パプニカからこの神殿に贈り物をさせてもらいます』
アバン「?何か聞いてますか?」
フローラ「いいえ」
マァム「あれ贈り物だったのね」
メルル「あんなおおきなもの…なんでしょう…?
ポップ「さっきちらっとみたんだけどよ、どうも石像ぽかったぞ」
マァム「覗くなって言われたでしょっ!!」
ポップ「ど、土台だけだ!土台しかみてねぇって!」
メルル「マァムさん落ち着いて…!」
バダック「姫!布を外しますぞ!」
レオナ『お願い』
バサッ!!!
クロコダイン「お…おおっ!あれは!」
ポップ「ゴメっ!!」
マァム「ゴメちゃん…っ!」
チウ「2号!!」
レオナ『…勇者ダイの友であり、私たちの仲間であるゴールデンスライムの石像です』
レオナ『彼は…共に戦い最後に世界を結びつける奇跡を起こしてくれました』
レオナ『感謝を込めて、竜の魂が眠るというこの場所へ寄贈させていただきます』
さ
アバン「これが姫の本当の隠し事でしたか…」
ブラス「ゴメよ…よかったなあ…年をとると涙もろくなるわい…」
レオナ『各国のかたがた、今回のお祭りを楽しんでいただけたでしょうか』
ポップ「こういうの見ると本物の姫さんって感じだな」
メルル「失礼ですよ!ポップさん」
マァム「でも本当に…立派だわ」
レオナ『このお祭りは平和の象徴として勇者たちの働きを後世に伝える為に開催されました』
アバン「レオナはよく頑張りました」
フローラ「ええ」
レオナ『大魔王バーンの脅威は世界から消え魔物も共に暮らして行ける世界になりました』
ヒム「俺たち普通に暮らしてるもんなあ」
クロコダイン「人間と共に暮らす未来が来るとは思っておらんかったわい」
チウ「ボクは昔からわかっていたぞ!」
ブラス「もう邪悪な力に支配されることもないんじゃな」
レオナ『…残念ながら今日ここに勇者はいません』
エイミ「会わなくて本当にいいのですか!?」
レオナ『けれど』
ヒュンケル「ああ、皆が元気なのがわかればそれでいい」
ラーハルト「ダイ様の帰りを待つものが世界中にいる…俺もそれを知れれば十分だ」
レオナ『この平和は彼が一番望んだものです』
マトリフ「くっくっ…あの姫さんもいうねえ」
ブロキーナ「この世界は安泰だね。国の指導者がコレだもの」
レオナ『人間、魔物、魔族…この地上に生きるものがこれからも幸せで平和な日々を過ごせるよう』
ロン「…お前も飲め。祝杯だ』
ノヴァ「…はいっ!」
レオナ『心から祈っています』
おしまい
スティーヌ「ポップ」
ジャンク「おう」
ポップ「母さん!親父…」
ジャンク「おれらはもう帰るからな」
ポップ「もう帰んのかよ!午後に来たばっかなりなんだろ?」
ジャンク「明日も店があるしな」
スティーヌ「私たちは十分楽しめたわ。ね?」
ジャンク「…たまにはオマエも帰ってこいよ」
ポップ「……帰りはなんで帰るんだ?」
スティーヌ「馬車を拾うわ」
ポップ「……ルーラなら一瞬だぜ?」
スティーヌ「でも」
ポップ「いいから、ちゃんとつかまっとけよ?…親父も」
ジャンク「…へっ、失敗すんなよ?」
ポップ「まかせとけって!」
………
マァム「ポップったら」
レオナ「素直じゃない似た者親子ね!」
メルル「でも、嬉しそうでしたね」
レオナ「さーってと!行くわよ二人とも!」
メルル「どこへですか?」
レオナ「どこって買い物よ?そのあとはお城でパーティね。折角のお祭りなのにみんな手ぶらじゃない」
マァム「お祭りは終わりでしょ?」
レオナ「閉会の挨拶の後も出店は暫くやってるわよ」
メルル「特に必要なものも無いですけど…」
レオナ「いいの!買い物するわよ!!パーっとね!」
マァム「仕方ないお姫さまね…メルル、付き合ってあげましょ」
メルル「…はいっ!」
レオナ「はーやーくー!」
マァム「はいはいっ!」
〜エピローグ 後夜祭 おしまい〜
ありがとうございました!
冒険王ビィト再開決定記念!みんな見てくれよな!
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