リゼ「ん？ 親父の姿が見えないけど」

ですかい「ああ、ボスならご友人のところへ出かけられましたが」

リゼ「そうか、なら私はこのまま部屋に行ってくつろぐか」ﾃｸﾃｸ

リゼ「ふぅ〜〜、バイトしてないときはなんだか暇だな」

リゼ「そうだ、たまのはテレビでも観ようかな」ﾎﾟﾁ

アナウンサー『続いてのニュースです。本日、"ラブライバー処刑法案"が参議院を通過し、先ほど可決されました』

リゼ「何、ラブライバー処刑法案だと！？」

アナウンサー『ラブライバー処刑法案が可決されたことにより、先ほど総理大臣が会見を開きました』

総理大臣『えぇ〜〜、ラブライバーというのはダサくてキモい社会不適合者の群れで、万引きや器物損壊などの犯罪行為を平気で繰り返す社会のクズであります。ですからして、そんなラブライバーをこの国から一人でも減らすためにこの法案が可決された事は大変意味のあることなのです』

リゼ「なんだと、ラブライバーとはあまり聞き馴染みのない連中だが、そんなに有害なものなのか！？」

アナウンサー『この法案が可決された事により、街中でラブライバーを見かけた場合その場で射殺しても罪に問われることはありません』

リゼ「なにぃぃーー！？」

アナウンサー『この法案の理解を深めるため、政府は射殺用のラブライバーを密かに捕獲する計画を立てているとよ情報もあり、さらにラブライバー処刑法案に基づき銃の所持許可も視野に入れた軍人を求めており……』

リゼ「軍人を求めているだとッ！？ これは一大事だぁーーーー！！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

ですかい「お嬢、そんなに慌てて一体どうきたんですかい？」

その頃、ラビットハウスにて

チノ「ラブライバー処刑法案ですか…」

ココア「へぇ〜、そんなすごい法律が出来たんだね。ところでチノちゃんん」

チノ「なんですか？」

ココア「ラブライバーって何？」

チノ「え、ココアさん知らないんですか！ ラブライバーというのは、簡単に言えば気持ち悪い人達のことですよ」

ココア「へぇ〜〜そうなんだね！つまり、キモい人はみんなラブライバーなんだね」

チノ「まあ、あながち間違ってはいないですけど」

同時刻、バータイムの店では、

リゼパパ「おいタカヒロ、とんでもない事になったぞ！」

タカヒロ「何だ？」

リゼパパ「ラブライバー処刑法案が成立しちまったようだ！！」

タカヒロ「ああ、そのことか。確かに面倒な事になったな。隠れラブライバーである俺達にとってますます生きづらい世の中になってしまうな」

リゼパパ「ああ、全く冗談じゃねえぜ。俺達だった元々軍人なんだ、俺らを撃ち殺そうとする奴がいたら、どんな奴でも返り討ちにしてやるぜ！」

タカヒロ「そう熱くなるな、ラブライバーはただでさえ一般世間からすれば悪趣味な連中に見えるからな。遅かれ早かれ、ラブライバーは淘汰されるべき存在だったのかもしれないな」

リゼパパ「まあ、俺達のような中学生と高校生の娘がいるいい歳した大人が萌えアニメにはまっちまうこと自体キモいと言えばそれまでだがな……」

ティッピー「まったく、いい歳してないをしてるんじゃ」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

ティッピー「お、他の客が来たわい」

タカヒロ「いらっしゃいませ」

リゼ「親父、ラビットハウスにいたのか！！」

リゼパパ「リゼッ！？どうしてこんなところに」

リゼ「ったく、こんな一大事に酒なんか飲んでくつろいでいる場合じゃないぞッ！ 親父、今こそ私達の力を世のため人のために…………」

リゼ「親父、その手に持ってる如何わしいアニメのグッズはなんだ？」

リゼパパ「い、如何わしいなんかないぞ！これはラブライブと言ったれっきとしたコンテンツであり」

タカヒロ「おい、ラブライバーであることがバレる発言はよせッ！！」

リゼパパ「し、しまったぁーーー！」

リゼ「二人が……ラブライバーだとッ！？」
ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

リゼパパ「おいリゼ、落ち着くんだ！」

リゼ「し…………死ねェェェェェーーーーーーー！！！！」

チノ「ココアさん、いつまでもテレビばかり観てないでそろそろ寝ますよ。明日も学校あるんだし」

ココア「もうちょっと待ってチノちゃん、今すごくいいとこなの」


ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞｰｰｰｰｰﾝｯ！！！！

ティッピー「ｷﾞｬｱｱｧｧｧｧｧｧｰｰｰｰｰｰｰ！！！」


ココア「うわッ、銃声が聞こえたよ！」

チノ「ティッピーの悲鳴も聞こえました、お店で一体何が！？」

ティッピー「うう、撃たないでぇーーー！！」

リゼ「お前で最後だ、観念しろ毛玉め！」ｶﾁｬｯ



ココア「うわ、リゼちゃんが銃を構えてティッピーを泣かせてるぅぅ！！」

チノ「リゼさん、これは一体どういうことですか？」

リゼ「どうもこうも、私はラブライバーを始末していただけだ」

チノ「始末していた？」

リゼ「見ろ、これがラブライバーに待ち受ける哀れな末路だ！！」っ


タカヒロだったもの「……………」
リゼパパだったもの「……………」

ﾁｰｰｰｰﾝ

チノ「キャァァーーーーーーー！！！！」

ココア「し、死んでるッ！！」

リゼちゃんはラブライバーの処刑だとして自分の行いを正当化し二人を射殺したようですが、後にこのラブライバー処刑法案は廃案に追い込まれた。
あの後、国会前にラブライバー達が押し寄せ毎日のように抗議のデモを繰り返していたようで、政府は対応に追われた。
押し寄せるラブライバーを射殺するにもその数が思いの外多く多額の費用を必要とし、さらに毎日のようにやってくるラブライバー達の体臭がひどく公害問題にまで発展し、総理大臣は辞職にまで追い込まれた。

しかしリゼちゃんはその結果に納得出来ず、法律が廃止後もラブライバーを問答無用に射殺し続け、逮捕された。

ラビットハウスはなんとか私のチノちゃんの二人で切り盛りしている。
でも、あの時お父さんを失ったショックからか、チノちゃんは話せなくなってしまいました。でも腹話術だけは出来るようで、お店はティッピーが指揮しています。
ティッピーの声がチノちゃんの腹話術だとは知らないお客さん達からしゃべるウサギがいると話題になり、ラビットハウスは前よりお客さんが増えました。


ココア「ふぅ〜〜、今日もお仕事疲れたな」

ティッピー「今日もご苦労じゃったの、ココア」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

ココア「あれ、ティッピー一体何してんの？ゲームか何か？」

ティッピー「いやぁ〜〜、卯月は可愛いの///」


ココア「え？」


その後、木組みの街ではラブライブに代わりに、アイドルマスターというアニメが流行りましたとさ！



END