その日、ラビットハウス前でチョコのサービスが行われる予定であった。
チノ・ココア・リゼの手作りという事で頒布2時間以上前から長だの列となっていた。
当初の予想を多いに上回る人数に驚くチノたちであったが、途中で千夜とシャロ、そしてマヤとメグも助っ人として駆けつけてくれたため、何とか間に合いそうだとチノとココアは胸を撫で下ろす。
そして外ではリゼとシャロが列の整理を行っていた。
リゼ「それではこれよりチョコの配給を行う。」
リゼ「皆、係の者の指示に従い、他人に迷惑をかけないようにするように」
そして今まさに頒布が始まろうとした時
――キラリン!!
――ヒュルルルルル
――ドグチャーガシャーン!!
まるで爆撃を受けたような轟音と共に積まれていたチョコは砕け散り宙に舞い、地へと転がる。
そして今までチョコが置かれていた場所には代わりに一羽の黒いウサギが居た。
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お前ら「――――――!!!!」
ほどなく声にならない絶叫が響き渡る。
そしてリゼとシャロが制止するよりも早く、前列の数名がそのウサギへと飛び掛る。
――ピョン!!
だが、そのウサギは軽快に飛び跳ね男たちを避わし、あろう事か唯一チノの手に残っていたチョコを奪い取ってしまう。
そして文字通り脱兎の如く、その場を走り去っていった。
お前ら「ブルァアアア」
ココア「ちょっとみんな落ち着いて――」
お前ら「くわァッ!!」
ココア「ひぃっ!!」
お前ら「怒怒怒怒怒!!!!」
チノ「コ、ココアさん………怖いです。鬼です。鬼がいます。」
――地響きを轟かせ走りさるお前ら――
シャロ「あわわわ。ど、どうしましょぉリゼ先輩ぃぃ」
リゼ「ど、どうしようって……」
マヤ&メグ「はわわわわ」
千夜「あらあら。まったくあんこったらしょうがないわね。」
シャロ「ちょっ……なに落ち着いてるのよ。千夜っ!!」
ココア「そうだよ。このままじゃあんこが………」
千夜「大丈夫よ」
周囲の心配を余所に笑顔を浮かべながら千夜は壊れた机の残骸を片しだす。
チノ「ずいぶん落ち着いていますが、何か手があるんですか?」
千夜「ん?だって………」
全員「ゴクリ」
千夜「あんこですもの」
ズコー
ティッピー「さすがあのババァの孫じゃわい」
かくしてあんこと「お前ら」の壮絶な鬼ごっこは開始されるのであった。
鬼1「あのウサギ捕まえたら↓1してやる」
鬼2「待ちやがれ!! ↓2のコンマが10以下ならあんこ捕縛」
あんこ「・・・」(シュタタタタ)
鬼1「捕まえたら死ぬまでジュースとお菓子でおもてなしだ」
鬼2「ブラァ」
あんこ「・・・」(ヒョイ)
あんこ「・・・」(糞ふんボンバー」
鬼1&2「ぎゃあ」
あんこ「・・・」
ココア「ねえ……本当にあんこ追いかけなくていいのかな?」
チノ「そうですよ」
千夜「大丈夫よ」
シャロ「そうね。千夜がそう言うなら大丈夫よ(行ったらなんか酷い目にあいそうだし)」
リゼ「しかし酷いな」
鬼3「待ててめー」
・あんこの行動を選択してください(3票先取)
1.おちょくりだす(内容記載)
2.全力疾走を続ける
3.命乞いをする
4.鬼(総数不明……最低二桁後半)に立ち向かう
鬼4「へへへ。追い詰めたぜ?」
鬼5「覚悟しろ」
あんこ「・・・」(パクッ)
鬼6「ああココアちゃんのチョコがっ!!」
あんこは咥えていたチョコを勢いよくパクパクモグモグと食べ出した。
――ボクのキュートな姿を見て落ち着いて欲しいものだね。
まったくこんな汚らしいオスどもにボクの愛人たちのチョコなんて勿体無すぎるよ。
鬼たち「絶許」
一斉にあんこ目掛けて飛び掛る「お前ら」
それに対しあんこは―――。
――よし、そろそろ王者の力を見せてやろう!!
その瞬間、どこからとも無く チ○をもげ の曲が聞こえてきた―――。
↓1のコンマで判定されます。
0~51、現実は非常である。
52~99、あんこ無双
――ふんふんふんふんふん!!
ボクはバックに聞こえる曲にあわせ腰を振る。
鬼たち「ぐああああ」
――ふんふんふんふんふんふん!!
それに合わせてキモオスたちは吹き飛んでいく。
――見たか!!
お前たちなんてボクの御眼鏡に適わないような残り物で満足すべき存在なんだ!!
それを分不相応にもボクのモノに手を出そうとするからこうなるんだぞっ!!
鬼7「へへ。馬鹿なウサギだぜ」
鬼8「何を思ったか襲ってくるなんてよw」
鬼9「チョコにでも酔ったんじゃねーか?www」
鬼たちは足元に転がる小さな黒い物体を嘲笑う。
鬼10「ははは。コイツこんなになっても腰を振ってやがるぜwww」
鬼11「写メとろ!!」(パシャパシャ)
~ラビットハウス店内~
一同「リゼちゃんお誕生日おめでとー」
少女たちの祝福の声と共に店内に盛大なクラッカー音が鳴り響く。
リゼ「あ、ありがとう。みんな。」
シャロ「さぁ先輩、一気にどうぞ」
そこにはロウソクの立てられたチョコケーキが置かれていた。
リゼ「よしいくぞ。ふー」
一同「わー」
その火が吹き消されると同時に再び歓声がわき、拍手が鳴り響くのであった。
鬼12「よいしょ」
鬼13「おい。本当にいいのかよ?」
鬼14「証拠は消すんだよ」
「お前ら」はダンボールにあんこを石と共に詰め込んでゆく。
―――そして
鬼15「ヘドロに沈んじまえw」
ボッチャン!!
――そしてそれはブクブクと泡を立てながら、ゆっくりと冬の冷たい川底へと沈んで行った………。
チノ「にがっ!?」
チノ「ココアさん。何ですか?このチョコは?」
ココア「へ?ビターチョコだよ?」
ココア「素材の味を引き立たせるためにカカオ95%にしてみました」
シャロ「……凄い味ね」
リゼ「ああ」
チノ「ココアさんはこれを配るつもりだったんですか?」
千夜「あら?でも健康にいいのよ?」(ポリポリ)
シャロ「よく平気で食べれるわね?」
千夜「あら美味しいじゃない?」
千夜「そうだ、あんこが帰ってきたらあんこにも食べさせてあげましょう!!」
リゼ「いや、ウサギにそれはマズイだろ。食中毒で死ぬぞ?」
ココア&千夜「へ?そうなの(んですか?)」
シャロ「……本当によくそれで今日まで問題を起こさなかったわね」
千夜「うふふ」
――リゼ・・・お誕生日おめでとう。
ボクからのプレゼントはボク自身だよ。
リゼ「あんこ。お前……ありがとうな」
――うわ。苦しいよリゼ。
でもボクを一人占めできるんだから仕方ないか
リゼ「ん?どうしたんだお前?」
リゼ「かわいそうに……こんな冷たくなって」
リゼ「よし。これから一緒にお風呂に入ろうか?」
――周囲からリゼちゃんばっかりズルいという声が聞こえてくる。
――だけどしょうがないよね。今日のボクはリゼだけの者なんだから。
――冷たい!!
冷たいよ。リゼ。
これは水じゃないか。
――まったくリゼはおっちょこちょいだな。
お湯が沸くまでリゼで暖めてね。
ボクはリゼの豊満なお胸にダイブする。
ゴツン。
――あれ?なんでこんなに硬いんだ?
それにリゼ・・・そんなに力を込めたら苦しくて息が。
川底へと到達した箱。
その箱に寄ってきていた魚たちは突如ガタガタと動き出した事に驚き散ってゆく。
その後も箱は小刻みに震え続けるのであった。
~END~
もう片方の方を本来は進めようと思っていたのにバレンタインとリゼの誕生日ネタをやろうとしたらこうなった。
反省はしていない。
ちなみにウサギにチョコは毒でしかないので絶対にあげないでください。
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