チノ「ラビットハウスの売上がヤバイです (28)
ココア「最近、全然お客さん来ないもんねー」
チノ「おかげで食費も光熱費もかつかつです。生活できないレベルまできています」
チノ「もう消費者金融でお金を借りるしかありません」
リゼ「私も時給が300円を切ってしまった…」
チノ「そういうわけで今日は対策会議をします。皆さん、ラビットハウスの売り上げを何とかしましょう」
ココア「でも、どうして急にお客さんこなくなっちゃったのかなー?」
リゼ「何かうちの店の評判が悪くなるようなことがあったのか?」
チノ「いえ…原因は既にわかっています」
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ココア「えっ!?」
リゼ「なんだよ、わかってたのなら最初から教えてくれよ」
チノ「お客さんが減ったのはわたしたちに落ち度があったからじゃないんです」
チノ「最近、チヤさんが遊びに来なくなったとは思いませんか?」
ココア「そういえば最近遊びに誘っても来てくれないねー」
リゼ「なにか忙しいみたいだな」
チノ「その理由はこれです」ドン
ココア「ぐるなびだ!!」
リゼ「ぐるなびがどうかしたのか?」
チノ「このページを見てください」ペラペラ
ココア「あっ!!甘兎庵が特集されてる!!」
リゼ「しかも見開きだ。これはいい宣伝だな」
チノ「そのとおりです。この特集が組まれてから甘兎庵の評判はうなぎ上り、客足は倍増…おのずと甘兎庵近隣の飲食店からお客さんは流れてしまいました」
ココア「ラビットハウスが経営難になっちゃったのは…」
リゼ「私の時給が255円なのは…」
チノ「そう…すべてはチヤさんのせいなんです!!」
リゼ「くそっ!!チヤめ!!」
ココア「絶対に許さない!!」
チノ「そこで提案があります。ラビットハウスのお客さんを取り戻し、チヤさんへの復讐を果たすために…甘兎庵に営業妨害を仕掛けます!!」
チノ「甘兎庵の評判を落とせば、お客さんも戻ってきて、同時にチヤさんへの復讐も果たせます」
リゼ「でも営業妨害ってどうやって?」
ココア「チンピラを使って暴力に訴えるようなことはできないよ。チンピラを雇うお金なんてないし…」
チノ「ココアさん、吉本新喜劇の見すぎです。なにも、暴力だけが営業妨害の手段じゃありません」
チノ「既に私の中で、営業妨害の策をいくつか練っておきました」
リゼ「さすがチノだな!!それでその策っていうのは…」
チノ「はい、まずは最初の妨害工作です。手始めにリゼさん…」
リゼ「おっ!私に指令か!?なんでも言ってくれ。どんな命令でもこなしてみせる!!」
チノ「甘兎庵でうんこ漏らしてきてください」
リゼ「…」
リゼ「…うんこ?」
チノ「そうです。衛生面の信用を失うことは飲食店にとっては致命的です。リゼさんが一発ひねり出してくれれば、甘兎庵はうんこまみれの店として知れ渡ることになるでしょう」
チノ「そうなれば、甘兎庵から客足は遠のき、ラビットハウスにお客さんが戻ってくるはずです」
リゼ「い、いくらなんでもうんこを漏らすなんて…それも人前で…」
チノ「リゼさん、そんなこと言ってる場合じゃないんです。このままじゃラビットハウスはおしまいです」
ココア「お願い…頑張ってリゼちゃん!!」
リゼ「い、嫌だっ、私はそんなことしない!!こ、ココアがやればいいだろ!!」
ココア「えっ…」
リゼ「ほらっ!ココアだってうんこ漏らしたくないんだろ!?自分が嫌がることを人にやらでちゃいけないんだぞ!!」
ココア「でっ、でも…」
チノ「いえ、ココアさんはうんこ漏らさなくていいです」
ココア「チノちゃん…」
リゼ「そんなっ!?ココアばっかりずるいっ!!」
チノ「ココアさんにも別命がありますので、それまで待機です」
ココア「…」
チノ「とにかくリゼさん、うんこ漏らしてきてください!!このままじゃ時給がもっと下がります!!」
リゼ「それは困る!!」
チノ「だったらこれを飲んではやくうんこ漏らしてきてください!!」グイグイ
リゼ「うぇっ!!なんだこれ!!げほっげほっ…無理やり飲ますな!!上戸を使うな!!」ゴキュッゴキュッ
ココア「ち、チノちゃん、それ何なの?」
チノ「10:1で割ったフルーチェです。これを飲めば快腸間違いなしです」
リゼ「うう…お腹が水っ腹だ」
ピ―ゴロゴロ
リゼ「う、うんこしたい…」
チノ「ほら、うんこしたかったら甘兎庵に行ってください。店のトイレは貸しませんよ」
リゼ「わ、わかったから…と、とりあえず行くよ」
カランカラン
チノ「よし…行ってくれましたね」
ココア「…ねえ、チノちゃん別命って」
チノ「リゼさんの報告を待ちましょう」
ココア「…」
―――甘兎庵
ガヤガヤ
リゼ「うわぁ…すごく賑わってるな。ラビットハウスとは大違いだ」
キュルルル…
リゼ「うっ…お腹が。うんこしたい」
チヤ「あら、リゼちゃん。来てたのね、いらっしゃい」
リゼ「や、やあチヤ。すごい賑わいだな」
チヤ「そうなの~雑誌の影響ってすごいわね。でも忙しすぎるのも考えものね」ニコ
リゼ「はは…」
チヤ「じゃあ、あんまりお構いできないけどゆっくりしていってね」
リゼ「ああ…」
チヤ「じゃあね」
ピーゴロゴロ
リゼ「くそっ…チヤめ。余裕かましやがって…誰のせいでこんな目にあってると思ってるんだ」
キュルルル
リゼ「あー…うんこしたい」
リゼ「トイレだけ借りて帰ろうと思ってたけど、なんだかイライラしてきたぞ」
グルルルル…
リゼ「…」
リゼ「やるか…」
リゼ「わたしの席はボックス席、周囲に客はいない。この席でわたしがうんこ漏らして営業妨害になるような騒ぎを起こすには、周囲の人間がすぐに気づくような音と臭いが欠かせないだろう」
リゼ「今日食べたものはチョコデニッシュと魚肉ハンバーク、芋けんぴ、そしてさっきのフルーチェ…おそらく臭いは問題ない。強烈なのが放てるはずだ」
リゼ「でも問題は音…排便と同時に大音量を出すにはうんこにある程度の硬さが必要」
リゼ「しかしっ…さっき飲んだフルーチェのせいで、いつでも発射できる状態にはなったが硬さが失われてしまった…」
リゼ「できるのか…この状態で…大きな音をだすことが…」
リゼ「いや…うんこと同時にガスも溜め込みっ…同時に放つことができれば…」
グゥーキュルキュル…
リゼ「が、我慢だ…まだこれじゃ…」
ピーゴロゴロ
リゼ「あ…あと…少し…」
キュルキュルルル
リゼ「!?」
リゼ「今だ!!」
ブチュブチュブチュピュビュブルブリブリグッピャグッピャブリュンブリュンブブチュンビチャビチャブリンブリュンブベェッ
ガヤガヤ…
ナ、ナンダ、イマノオト…
ソレニクッセーゾ
オエエー
チヤ「り、リゼちゃん!?どうしたの!?」
リゼ「や、やったよ…」
・
・
・
・
・
・
チヤ「…どうやらリゼさんがやってくれたみたいですね」
ココア「わ、わかるの?チノちゃん!?」
チノ「ええ…では、ココアさん第2フェイズに移ります」
ココア「もしかして…私もうんこを…」
チノ「いえ…ココアさんにはそんなことさせません」ゴソゴソ
ココア「ほっ…よかったぁ~」
チノ「ココアさんにはこの三色団子を使ってもらいます」
ココア「お団子?ずいぶん大きいね。ソフトボールぐらいある」
チノ「もってみてください」
ココア「うん。黒に緑に白…これ何でできてるの?餡子?」ネチョネチョ
チノ「いえ、黒は体の垢、緑は目ヤニ、白は足の裏の角質をそれぞれ集めて丸めたものです」
ココア「…」
チノ「それだけの量を集めるのにずいぶんと苦労しました」
ココア「な、なんでこんなもの持ってるの?」
チノ「私は自分の代謝物を集めて瓶の保存しておくのが趣味なんです。今回その三色団子を製造するにあたって貴重な2年分のコレクションを消費しました」
ココア「に、二年分…」
チノ「だから大切に使ってください」
ココア「これを…どうするの?」
チノ「うんこ漏らすより簡単です。それを甘兎庵のドアノブやテーブル…いろんなところに塗りたくってきてください」
ココア「塗りたくるって…」
チノ「塗る前はよくこねてください。接着力があがりますので」
チノ「それではよろしくお願いします」
ココア「う、うん…」
カランコロン
ココア「こ、こんにちは~」
オッエー
コイツウンコモラシテルゾ
クセークセェヨッ
アンコカトオモッタラウンコジャネーカッ
ココア「す、すごい騒ぎ…今のうちにドアノブに…」
ネッチョ…クッチョ…
ココア「うえぇ…すごい粘り…目ヤニってこんなになるものなの…」
ベッチョベッチョ
ココア「足裏の角質もなんでこんななってるの。それにくっさ…」
ココア「あと…すこし…」
チヤ「ココアちゃん!?」
ココア「!?」ビクッ
ココア「ち、チヤちゃん…あの…これは…」
チヤ「よかった、リゼちゃんを迎えにきてくれたのね」
ココア「えっ、ああそうだよ」
チヤ「たすかるわ。リゼちゃん…そのなんだか漏らしてから…気絶しちゃってみたいで…」
リゼ「」プ~ン
ココア「くっさ…」
チヤ「とにかく連れ帰って…申し訳ないけどこれじゃ商売にならないの」
リゼ「」ブリュッ…ブリュ…
ココア「わ、わかった…ほら…リゼちゃん起きて、わたしリゼちゃん背負って歩きたくなんかないよ」
リゼ「こ、こ…あ…」プーン
ココア「ほら立って…」
リゼ「あ…あ…」ヨボヨボ
ココア「じゃあ…チヤちゃん、あっ…これお詫びに…」つ●
チヤ「あら?なにかしら餡子?」
ココア「そ、そんなところ。じ、じゃあね、チヤちゃん」
リゼ「あ…あ…」
チヤ「お、お大事にね」
バタンッ
チヤ「ふー、リゼちゃんには悪いけどこれで騒ぎは…」
オイッ!!ナンカコノドアベチョベチョダゾッ
ソレニナンカクッセーゾ
オエーーーーー
チヤ「もうっ…いったい何なの…」
・
・
・
・
・
・
チノ「二人共よくやってくれました」
ココア「うん…」
リゼ「」
チノ「リゼさん!!しっかりしてください!!」
リゼ「はっ…わたしは何を」
チノ「気がつきましたね。よくやってくれました。それでは作戦は最終フェイズに移ります」
ココア「最終フェイズ…」
リゼ「いったいどんな作戦が…」
チノ「二人共…粉塵爆発って知ってますか?」
ココア「粉塵爆発?」
リゼ「空気中に蔓延する微粒子に連続的に発火させることで起こる爆発のことだ」
チノ「さすがですねリゼさん。そうです、最終フェイズでは粉塵爆発で甘兎庵を吹っ飛ばします」
ココア「結局、暴力に訴えるんだね」
リゼ「たしかに粉塵爆発はお手軽な爆破手段だけど…そのためには甘兎庵の店内に小麦粉とか粉のような微粒子を飛ばさないと」
ココア「小麦粉なんか撒き散らしたらさすがに怪しすぎるよ」
チノ「心配ありません。怪しまれずに粉を撒き散らす方法は既に考えています。これです」ワシャワシャ
ココア「チノちゃん?頭なんかかきむしってどうしたの?」
リゼ「まさか…」
チノ「そのまさかです」ワシャワシャ
チノ「二人は再び甘兎庵に潜入し、店内にフケを撒き散らしてください」ワシャワシャ
リゼ「うんこの次はフケか…」
ココア「さっきよりはマシかな」
チノ「二人はフケを撒き散らしたら速やかに脱出してください。二人が離脱したあと、私が火種を持って飛び込みます」
ココア「そんな!?チノちゃん!?」
リゼ「それじゃお前はタダじゃすまないぞ!?」
チノ「…いいんです。わたしはラビットハウスが救われれば。私がいなくなった後のラビットハウスを頼みます」
ココア「チノちゃん…」
リゼ「チノ…」
チノ「さぁっ!!行ってください!!」
ココア「うん!!」
リゼ「お前のその意思、無駄にはしない!!」
―――甘兎庵
チヤ「あら、また来たの二人共」
ココア「…」ワシャワシャ
リゼ「…」ワシャワシャ
チヤ「どうしたの?ふたりとも?さっきからずっと頭をかきむしって…」
ココア「…」ワシャワシャ
リゼ「…」ワシャワシャ
チヤ「女の子がそんなことしちゃだめよ」
ココア「…」ワシャワシャ
リゼ「…」ワシャワシャ
チヤ「ふたりとも?」
ココア「…リゼちゃん」ワシャワシャ
リゼ「…ああ」ワシャワシャ
ココア「いまだっ…」ワシャワシャ
ダッ!!
チヤ「き、急にどこ行くの!?」
リゼ「わ、私たちは離脱したぞっ!!」
ココア「チノちゃん!!今だよ!!」
チノ「二人がやってくれたみたいです。おじいちゃ…いえ、ティッピー…次は私たちの出番です」
ティッピー「そのようじゃのう」
チノ「ココアさん…リゼさん…ありがとうごさいました。あとは私に任せてくださいっ…」
チノ「わたしはっ…逃げない!!」
ティッピー「チノの勇気がワシの身体に…力がみなぎってくるっ!!」
ギャオギャオーンッ!!
ティッピー!!!!超進化ぁっ!!!!!!メタルグレイモン!!!!!
(♪逃げたり諦めるコトは誰も 一瞬あればできるから歩き続けよう♪)
チノ「これがティッピーの正しい進化…」
(♪君にしかできないコトがある青い星に光がなくせぬように♪)
メタルグレイモン!!バトルのための己の体を武器と防具に変えた完全体デジモンだ!!
必殺技のギガデストロイヤーは他を寄せ付けない破壊力を持つ!!!!
チノ「いけぇっー!!メタルグレイモン!!」
(♪つかめ!描いた夢を まもれ!大事な友を たくましい自分になれるさ♪)
メタルグレイモン「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
(♪知らないパワーが宿る ハートに火が付いたら どんな願いも嘘じゃない♪)
メタルグレイモン「ギガデストロイヤー!!!!!!」
ドゴォーン ドゴォーン
(♪きっと叶うから…show me your brave heart♪)
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―――あの夏の冒険から15年編 ‐完‐
このSSまとめへのコメント
クッソwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
カオスすぎて笑ったわ
どういうことなの…