雪穂「涙で雪は穴だらけ」 (25)

倉橋ヨエコさんの『涙で雪は穴だらけ』を聞いていて突然思いついたのでやっつけで書きました。

後悔も反省もしている。

あとすごい短いです。



窓の外を覗くと真っ白な雪がはらはらと舞い降りてきていた。

道理で寒いはずだ、と私は納得した。

空から降ってきた雪は地面に着くと溶けることはなく積もっていく。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453483418

そして外を歩く人たちがそれを踏み固めて氷へと変えていく。

あぁ、また誰かが転んだ。

本当に、雪って邪魔。

転んで怪我はするし、たくさん積もったら除雪車も動かなきゃいけない。

私と一緒、みんなに迷惑かけてばっかり。

本当に雪なんて……

「全部融けちゃえばいいのに」

何となく朝早く目がさめちゃったから散歩に出てみた。

まだまだ太陽は地平線の向こうで眠っている時間。

誰もいない街を歩いているとまるでみんながいなくなって私一人になってしまったみたい。

逆なのかな、私がいなくなったのかもしれない。

河川敷のほうへ歩いて行くとうっすらと空が白んでくる。

ぼーっと川の向こう側から昇ってくる光を眺める。

差し込んでくる光が私を包んで私の中の気持ちを洗い流してくれるような気がしてとても気分がいい。

そんな風に思ってぼうっと昇る朝日を眺めていると向こうから誰かがランニングをしてるのか走ってくる。

でもそのとき私は気付いていなくて、横を通り過ぎて行った時にようやく気付きました。

その人は私を避けるために舗装された道ではなく雪の下りている芝生の上を走っていく。

「……ごめんなさい」

きっと聞こえていないとわかっていても、私はそう謝ってしまう。

あぁ、本当に私って。

今日はお仕事で移動中、普段ならプロデューサーが車で送ってくれるのだけど、今日はどうしても行かなくてはいけない会議があるらしくて電車での移動。

ガタンゴトンと揺れる電車の中で吊革につかまってぼうっと流れていく景色を見送っていく。

プロデューサーが居ないのに、今日の仕事どうしよう。

きっとスタッフさんは男の人ばっかりだ。

あぁ、また迷惑をかけてしまう。

「……ごめんなさい」

気が早くもうここで謝ってしまう、迷惑はこれからかけるのに。

あぁ、本当に私って。

やっぱりたくさん迷惑かけちゃったな……

とぼとぼとテレビスタジオから駅に向けて歩いて行く。

昼間なのに街中は人でにぎわっていて、私の心とは正反対。

すっかり気分が落ち込んでいた私は下を向いて足元だけ見て歩いていました。

そうなればもちろん前なんか見えていなくて。

トン

軽く、肩が誰かとぶつかってしまった。

「あっ……ごめんなさい」

急いで後ろを振り向いて謝る。

でもそこには誰も立ち止まってなどいなくて、誰とぶつかったのかもわからない。

まるで誰も私に気づいていないみたい。

あぁ、本当に私って。

それからも今日は散々だった。

道を歩けば(違法駐輪だったけど)自転車にぶつかって倒してしまう。

事務所に戻ってプロデューサーにお茶を淹れようとしたら落ち込んでいてうっかり溢してしまった。

本当に、こんな私があなたの担当アイドルでごめんなさい……

迷惑ばかりかけているのに、貴方を慕ってしまってごめんなさい……

私の話なんてつまらないですよね……

いつもいつも、あなたを見つめていてごめんなさい……

こんなに謝ってばかりいるとまるで謝るために生まれてきたみたい。

あぁ、できるのなら本当に雪と一緒に消えてしまいたい。

春になれば融けてしまえる雪が少し羨ましい。

もしいつか、私にも春が訪れてこの弱い私を融かしてしまえたなら。

その時はあなたにいわせてください。

あなたを愛していますと。

P「ふむふむ」

雪穂「さっきからニヤニヤして何読んでるんですか?」

P「ん、雪穂も読むか?」

雪穂「んー、じゃあ読みます……って、それ私の昔書いてたノートじゃないですか!」

P「いやぁ、押し入れ整理してたら出てきてなぁ」

雪穂「か、返してください!そ、それは私の黒歴史なんですぅ!」

P「いやいや、黒歴史も立派な歴史、雪穂のかわいい歴史は俺もちゃんと知っておおきたいからな!」

雪穂「そんな歴史知らなくていいですぅ!返してくださいぃ!」ピョンピョン

P「ふはは!こうすれば届くまい!」ノビー

雪穂「い、意地悪なあなたにはこうですぅー!」ドン

P「うおっ!?」ドサッ

雪穂「えへへ、取り返しました」

P「ショルダー・ブロックからのマウント……さては真の入れ知恵だな?」

雪穂「はい!もしあなたにいじめられたらこうしなさいって」

P「あぁ、効いたよ……でもよく雪穂もこんなことできるようになったな、昔は近づくことすらままならなかったのに」

雪穂「こ、こんなことできるのはあなただけですぅ……」

P「はは、男性恐怖症は相変わらずだったな、そうだ雪穂」

雪穂「ご、ごめんなさい……なんですか?」

P「今でも謝るために生まれてきたと思うか?」

雪穂「いいえ、もうそんな風には思ってないです」

雪穂「私はきっと、あなたと出会うために生まれてきたんだと思います♪」

雪穂?雪歩?

くぅ~疲w
初めてSS書きましたがなかなか難しいものですね。
なにはともあれこれにて完結となります。
ヨエコさんの曲が気になる方は 涙で雪は穴だらけ で検索するか みんなのうつ で検索してみよう!
HTML化依頼出してきます。

変換ミスってることに今気づいた
寝ぼけて書くもんやないね……

ミスってもうたね……内容は良かったよ

書き上げてすぐにそのまま勢いでやってしもうたな……

穴掘って埋まってついでに冬眠してきます……

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