千早「最後の日」 (31)


P「……」

千早「プロデューサー、コーヒーです」

P「お、ありがとう」

千早「どうしたんですか?」

P「ああ、いや……」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453059501


P「もう、今日で終わりなんだなって」

千早「……そうですね。それで、今日は営業に行かないんですか?」

P「この雪だからなあ。下手に帰ってこれなくなると困るし」

千早「そうですか。ちょっと意外です」


P「意外?」

千早「ええ、今まで散々出かけてきたプロデューサーが今日出かけないなんて」

P「そうだな……」

千早「……」

P「……」


千早「……」

P「……ふふふ」

千早「プロデューサー?」

P「はははははは!」

千早「ど、どうしたんですか!? 私コーヒーに何も入れてないですよ?」


P「……なあ、千早」

千早「は、はい?」

P「ちょっと散歩しないか?」

千早「この雪の中、ですか?」

P「ああ、たまには悪くないだろ。どうせここにいても食事もないし」

千早「わかりました」




P「とりあえず駅まで来たが、いやあ寒いな」

千早「そう言ってる割には何だか楽しそうですね」

P「俺が千早くらいの歳なら遊んでただろうな」


千早「仕事はしっかりしてください」

P「はい、気をつけます」

千早「……」

P「……」


千早「……それで、どうするんですか?」

P「うーん ……なあ、千早」

千早「何ですか?」

P「なんか、食べたくないか?」

千早「え?」


P「そうだな、どうせなら…… ――の○○でもどうだ?」

千早「……ふふ。食べたいかもしれませんね」

P「そうだろう? よしきた」

P「すみません、――まで大人2枚」

千早「何だか久々ですね。このやり取り」





P「おー、寒かった」ガチャッ

千早「帰ってこれましたね」

P「ああ。いやあ、今日の営業も上手くいったな。雪の中出て正解だった」

千早「そうですね。食事とどっちがメインかわかりませんでしたが」


P「それはもちろん営業だよ。ははっ」

千早「プロデューサー、目が泳いでます」

P「……」

千早「……」


P「……ははは」

千早「どうかしました?」

P「今日まで色々あったなって思ってさ」

千早「そうですね。振り回された思い出ばかりですが」

P「それは認めるよ」


千早「でも、おかげで日本の色々な場所を見ることが出来ました」

P「本当は全部見せてやりたかったけどな」

千早「それは…… 思うように行かないこともあると思います」

千早「でも、ここまで来れたのはプロデューサーのおかげです」

千早「ありがとうございました」


P「いやいや、こちらこそありがとう。千早がいなかったらここまで日本中を回ることもなかったよ」

千早「あんなに旅行へ行きたがってたのにですか?」

P「目的がないと、意外と行かないもんだよ」

千早「そうですか……」

P「……」


千早「……」

P「……なんか、違和感があるな」

千早「違和感、ですか?」

P「ああ、明日からはもうこの事務所に来ることもないし、営業しに遠出することもないんだなって思ってさ。それに……」

千早「それに?」


P「明日から千早に会うことも、こうして話すこともないんだなって」

千早「……そうですね」

P「……」

千早「……」


P「結局、千早の浴衣姿は見れなかったな」

千早「そ、そういえばそんな話しましたね」

P「割と期待していたんだがな……」


千早「ごめんなさい」

P「いいよ、いつかどこかで機会があったら見せてくれ」

千早「はい……」

P「……」


千早「……あのっ」

P「どうした?」

千早「プロデューサーは、これで遠出をやめますか?」

P「まさか。この先も気が向いた時にどこか行くさ。ずっとね」


千早「……ふふ、プロデューサーならそう言うと思いました。安心しました」

P「なんでそこで安心するんだよ」

千早「いつも通りだなって思って……」

P「そうか、まあ千早を安心させられたなら良かった。……そろそろ時間だから帰るよ」


千早「あ、はい。あのっ」

P「ん?」

千早「……」

P「……」

千早「……この先も、気をつけてください」

P「ああ、ありがとう」


千早「……」

P「千早」

千早「はい」

P「今日までのこと、俺は忘れないからな」


千早「……私も、忘れません」

P「そうか。……今日まで本当にありがとう」

千早「こちらこそありがとうございました」


P「また、機会があったら会おう」

千早「はい、必ず!」

P「だから、今はこう言っておくよ」

 
P「またね」

     おわり

アイモバiの最終日ですね。放浪癖持ちにはピッタリなゲームでした。
アイモバをプレイした方は「――」には思い出の地、「○○」にはそこの名物料理を入れてもらえると話がそれっぽくなるかと思います。
ここまで見ていただいてありがとうございました。

最後に夢のない話をすると、書いた人間はガラケーでアイモバをやっています。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom