三村かな子「犬を飼ってみたい?」 (34)
前作
拓海「命乞いの練習?」
向井拓海「隣人がうるさい?」
本田未央「万引きを目撃した?」
前川みく「街頭アンケート?」
特に読んでなくても問題ありません
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―――――事務所―――――
ガチャ
三村かな子「おはようございま~す」
渋谷凛「ん、おはよ」
かな子「あ、凛ちゃん!ちょうどよかった!」
凛「?」
かな子「ちょっと話したいことがあって……」
凛「どうしたの?えっと……平均体重底上げ担当大臣さん?」
かな子「どんな役職!?」
かな子「いきなりひどいよ!?どうしたの凛ちゃん!」
凛「就任おめでとう」
かな子「就いてないよ……」
凛「ちょっと話を戻すけどさ、食べ放題で元を取るにはもうレジの金を抜くしかないよね」
かな子「そんな話してないよね!?」
凛「やっぱり原価ってものがあるからさ」
かな子「凛ちゃんなんかおかしいよ……!?」
凛「怒ってる?てへぺろでごぜーます」
かな子「ええ……」
凛「で、どうしたの?」
かな子「うん、私、この前動物と触れ合うロケをしたんだけど、その時のワンちゃんが可愛くて……」
凛「うんうん」
かな子「それから犬を飼ってみたいなって思ってるの」
凛「なるほど、それで犬を飼ってる私ってことなんだ。いいよ、何でも聞いて」
かな子「ありがとう!」
凛「意外とみんな知らないんだけどさ、犬を飼ってるってちゃんと自治体に届け出れば、例えば私の区なら……確か毎月3460円まで飼育代として支給されるんだよ」
かな子「へぇ~!知らなかった!」
凛「これは、この前フランス人ハーフの友達から本当に聞いた作り話なんだ」
かな子「ウソなの!?本当っぽいウソやめて!」
かな子「あとその友達も誰だかわかっちゃうよ……」
凛「私コンビニ行ってくるけど何かいる?」テクテク
かな子「凛ちゃん!?ちょ、ちょっと待って!?」ガシッ
凛「あ、そこのホワイトボードの裏にたくさんお札が貼ってある」クスクス
かな子「いきなり怖いこと言わないで!!!」
かな子「たぶんそれ貼ったの小梅ちゃんだと思うし……!」
凛「で?なんの話だっけ?」
かな子「いやいや……犬を飼いたいって話だよ……」
凛「ああ、犬の話か……しつこいな」
かな子「しつこくはないよ!?1回しか言ってないのに……!」
凛「やっぱ犬を飼うならアレが大事だよ、エサ」
かな子「あー、なるほど……凛ちゃんの家はハナコにいつも何をあげてるの?」
凛「ウチ?ウチはね……お湯の煮込みかな」
かな子「それお湯じゃない!?」
凛「そうとも言うね」
かな子「ガリガリになっちゃうよ!?」
凛「確かに」
かな子「『確かに』って……」
凛「あと、犬には食べさせちゃいけないものがあるんだよ」
かな子「え、例えば?」
凛「例えばね、チョコレート、アボカド、あと玉ねぎもダメだね」
かな子「ええ?美味しいのになんで?」
凛「犬がお腹を壊しちゃうんだって」
かな子「へぇ~!そういうのを聞きたかったんだよ~」
凛「そう?」
かな子「じゃあ他に『これには気を付けた方がいいよ』っていうもの、何かある?」
凛「あー、765のアイドルの方が芸歴にうるさい」
かな子「関係ないよね!?」
凛「すぐ怒るから」
かな子「聞いたことないし……」
かな子「犬のことを聞いてるんだよ……!?」
凛「ああ、犬?犬の話をよくもまあ引っ張るね」
かな子「引っ張ってないのに……!」
凛「大した犬好きだねぇ!」
かな子「言葉に棘があるよぉ……」
凛「じゃあ大切なのはしつけ、芸を仕込んだ方がいいよ」
かな子「ああ、お手、お座りとかかな?」
凛「違う違う、もっとちゃんとした芸を仕込んだほうがいいよ」
かな子「ええ……?……あ!フリスビー投げてキャッチさせるとか?」
凛「違うんだよね……もっとハナコみたいに『すごい!!!』って言われるような芸を仕込まなきゃいけないんだよ」
かな子「???……じゃあ、ハナコちゃんができる1番すごいことってなに?」
凛「確定申告」
かな子「すごっっっ!!!!」
かな子「人間で手こずってるのに!?」
凛「まあね、ちなみにアッキーもできるらしいよ」
かな子「ええ……」
凛「だから我が家はもう、税金関係は頭を下げてハナコにやってもらってるね」
かな子「えええ……!?」
かな子「飼い主が犬に頭を下げるって……凛ちゃんは恥ずかしくないの!?」
凛「いやいや……“恥ずかしい”なんて感情があったら、全国ネットでチャイルドスモックは着れないよ」
かな子「多方面を敵に回すのはやめよう!?」
凛「子供の頃見たテレビの芸人に、まさか自分がなるとはね」
かな子「アイドルだから!!!!!」
かな子「もう!なんなのこの時間は!」
かな子「凛ちゃんになんて相談しなければよかったよ!」
凛「まあまあ、話の通じる相手じゃないんだから」
かな子「それを自分で言うの!?」
凛「落ち着いて、ね?」
かな子「よく言えるね……」
凛「ちょっと話を戻すんだけど、私がまだ駆け出しのプリキュアだった頃に」
かな子「だからそんな話はしてなかったよ!?」
凛「ゴホッ……」
かな子「さっきからそのウソはなんなの!?」
凛「ゴホッゴホッ……ゲホッ……」
かな子「って……あれ?どうしたの?」
凛「ここWi-Fi飛んでるね」ゴホッ
かな子「わかるの!?」
凛「この事務所は電波が強いね……」
かな子「知らないよ!?」
かな子「凛ちゃん!ふざけてるの!!??」
凛「ま、まあ、そんな怒んないでよ」
かな子「怒るにきまってるでしょ!こっちは真剣なのに!」
凛「ちょっと、その態度はなに?ケンカ売ってるの?」
かな子「私だってたまには怒るよ!」
凛「ふーん、おもしろいね、果たしてかな子ひとりでニュージェネの3人を倒せるかな?」
かな子「何でニュージェネ巻き込んだの!?凛ちゃんだけに怒ってるの!!!」
凛「もう、気分悪いな……」
かな子「こっちのセリフだよ!」
凛「もう顔覚えたからね」
かな子「……え!?今!?」
かな子「ずっとCPでやってきたのに!?」
かな子「そんな適当なこと言ってると、ファンがいなくなっちゃうよ!」
凛「それなら新しいファンを獲得するだけだよ!」
かな子「そんなこと言って……!アテはあるの!?」
凛「当たり前でしょ!」
凛『りんりんりん!りんりんりん!しーぶりん!』キャハ☆
かな子「……」
凛「……」
かな子「……」
凛「まあこれは賛否両論あるということで」
かな子「もういいよ」
おわり
元ネタはメイプル超合金のM-1決勝ネタです
https://www.youtube.com/watch?v=vyYuEZ9myXY
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