男「年が明けないんだけど」友「はい?」 (42)

~部屋~

男「………今日は12月29日だよな」

男「昨日は12月31日だったよな…?」

男「おかしい、おかしいよ、おかしいよなコレ」

男「どう考えてもおかしいぞ、もうコレで3回目だぞ」

男「自分でも何言ってるのか分かんなくなってくる……アレか?アニメの見過ぎで遂に逝かれちまったのか俺」

男「昨日は確かに12月31日だった、何度も確認した。したのにコレだ」

男「………なぁ、どう思う?」

友「ど、どう思うって言われてもな」

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男「お前は違和感に気付かないのか?」

友「気付かないのかって言われてもなぁ」

友「昨日は昨日だろ?12月28日だろ」

男「違う違う違う、昨日は12月31日」

友「いやいや、今日は12月29日だろ?だったら28日で合ってるぞ」

男「違うんだって、今日は確かに12月31日だったんだよ」

友「違うのはお前だ馬鹿野郎」

男「!!?うわっ、馬鹿って言った?!人が相談してるのに馬鹿って言ったよな!?」

友「言ったよ、お前は馬鹿野郎だ馬鹿野郎」

男「だっづ!?」

友「はぁ……気持ち悪い声挙げんなよ、隣の部屋の姉ちゃんがおこ

ドン!!

友「………な?壁ドンが来たろ」

男「壁ドンって…」

友「まぁ、相談に来てくれたのは素直に嬉しいよ。それだけ頼られてるって事だし」

男「………(すまん、実はお前しか親しい仲の人間が居ないんだよ)」

友「麦茶、飲むか?」

男「あっ、いや、俺ウーロン茶か緑茶しか飲まないから」

友「………」

男「で、だ。友にもう一つ相談が有るんだよ」

友「喉、乾いてるだろ?」

男「正直、原因が分かんない以上ぶっちゃけ怖いんだよ。家族に聞いてもキチガイを見る様な目で適当に流すしさ」

男「だから頼む、3日で良い、ここに泊めてくれないか」

友「泊まるのは良いけどよ、俺ん家、麦茶だぞ」

男「うわぁ、無いわぁ」

友「おい、何サラっと麦茶馬鹿にしてんだよ」

友「………あのさ」

男「ん?麦茶なら要らないぞ」

友「仮にだ、万が一、億が一お前の言う事が真実だとするぞ」

男「俺、お前に嘘なんてついたこと

友「有り過ぎるわ馬鹿野郎………で、所謂アレだろ?何だっけな、あのアニメ」

男「俺たち高校生だぞ?あんな古いアニメ知らねーよ」

友「え~っと、つまりお前は何回も同じ時を過ごしてるんだろ?」

男「そそっ!だから困ってるんだよ、誰も信じてくれないし怖くなったから、お前に相談しに来たの」

友「で、それを証明する証拠とかって有るのか?」

男「………はい?」

友「いやいや、だから証拠だよ証拠」

男「しょ、証拠ってんな大袈裟な」

友「はぁ………例えば、29日、つまり今日から31日まで過ごすとするぞ?」

友「んで、お前は今日に戻ってくるんだったよな?」

男「うんうん、まさにその通り」

友「それを誰にも信じて貰えないっつーなら、信じて貰う何かを見せれば良いんじゃないのかね」

男「うんうん、、、んん??」

友「………お前、今から傷作ってみ」

男「んんん??」

友「身体の何処でも良いから、傷、作ってみ」

男「は、は??何でだよ馬鹿野郎」

友「よく有るだろ?こう言った意味不明な現象を他人に伝えると、その他人も巻き込まれるって」

友「こうやって謎に干渉しちまった俺は、お前の意味不明な現象を理解出来るかも知れない。その時、俺が今の俺で居られる保証は無いが0じゃない」

男「だ、だから?」

友「何かのキッカケで、今ここに居る俺の記憶が戻るかも知れないだろ?その為の傷だよ」

男「あ~~、うん、うん………分からん」

友「………」

友「なんつーかな……何て言ったら良いかな」

友「お前の目の前に居るのは誰だ?」

男「友しか居ないよ、霊感とか無いから」

友「その俺は31日の日、お前と会ってるのか?」

男「いや、つーか俺、家に引きこもってただけだし」

友「2回ともか?」

男「あぁ!!」

友「…………お前、部屋の掃除とか済んでるのかよ」

男「母親がね」

友「ま、まぁ、そんな事は良いんだ………あっ!だったらよ、親はどうなんだよ」

男「へ?母親がどうしたんだ」

友「いや、まだ信じた訳じゃ無いけどよ。29日目に戻るっつー事はお前の母親に変化は無いのかよ」

男「待って待って、ちょっと待って」

友「ん、何だよ」

男「さっきから頭の中に全く入ってこ無い……もう少し分かりやすく、な?」

友「あ、あ、あぁ……分かったよ」

友「ループに入るのが29日から31日、だよな?」

男「あぁ、そうだよ」

友「29日目のお前の母親、ループにはい………えっと、29日目をAとするぞ?」

男「おう、どんとこい」

友「31日目をBにして、AからBに行き、1月1日、つまりCに行けずAに戻るんだよな」

友「1度目のAと、2度目のAに変化は起きてるのか?」

男「^p^」

友「母親の服とか、言葉とかだよ」

男「服か………いや、変化は無いよ」

友「そっか、じゃあお前には?」

男「へ?俺?」

友「あぁ、例えばさっき言った身体の傷とかよ。31日目に傷が有って、29日目に戻った時、31日目の傷は治ってるのか否か」

男「引きこもりですまんな」

友「答えになってねーよ馬鹿野郎」

男「………そんなもん作って無いよ」

友「だろ?だから今から傷を付けて試して見るんだよ」

男「アナル」

友「その略し方は流行らんぞ」

友「…………」

男「ん?どしたよ、急に黙り込んで」

友「いや、ちょっとな」

男「そのちょっとが気になるんだよなぁ」

友「正直な?お前を信じる信じ無いじゃなくてな?」

男「俺が俺で居られるのか、だろ?」

友「急に利口になるのは止めようぜ、ちょっとビビる」

男「仮に、今居る自分が巻き込まれるとする。それで同じ様な現象を受け、戻って来るとする」

男「だったら今居る俺はどうなんだ?ループに巻き込まれる前の俺は何なんだ?男と言う中心に引き寄せられる前の自分は何なんだ?」

男「何度も造り直される人形なのか?いや、もし巻き込まれ無かったら?俺はどうなる?」

男「1月1日に行けるのか?行けなかったら?今の俺は消え、男の言う29日、つまり今日の

友「分かった、分かった!降参!白旗!」

男「ふふん、分かれば良いんだよワトソン君」

友「あ~……何で俺んとこに来るんだよ」

男「お前しか頼れる人が居ないからな!!」

ドン!!

友「………大声出すな、だってさ」

男「HAHAHA」

友「と、今はあまり深く考えないのが吉なのかね」

男「いやいやいや、かなり大事だぞ」

友「まぁ…うん、そうだけどよ」

友「逆に考えてみろよ?死ぬ迄冬休みなんだぜ、何も考えなくて毎日ゴロゴロ出来るなんて夢の様じゃないか」

男「………まぁ、そう、だな」

友「そうそう、第一、俺たち学生なんだぜ?将来の不安が向こうの方から居なくなってくれ………」

男「ん?どしたよ」

友「いや、ふと思った事が一つ」

友「………死んだらどうなるんだ?」

男「きゅ、急に物騒なこと言いなさんなや」

友「やっぱり終わりなのか?お前の言うループは。それとも、また29日に、今日に戻って来るのか」

男「し、知らねーよそんな事。死のうなんて思っても無いし」

友「今は、だろ?」

友「もしも、死ぬ事すら許されなかったらどうなるよ?永遠にお前の言うループから抜け出せれ無かったらどうなるんだよ」

男「い、今言ってくれたろ?毎日がエブリデイになるんだろ?ずっと休みだぞ休み」

友「そう言ってられるのも何時迄やら」

男「あーもう!とにかく、今は何も考えないの!」

友「ははは、違ぇねぇ。それに、俺が巻き込まれる保証なんざ何処にも無いんだしな」

男「いやいやいや、それは困るぞ。お前にも地獄を味わって貰いたいんだし」

友「お前、サラッと酷い事言うな」

男「当たり前よ!ささっ、晩飯だ晩飯。コンビニ行こうぜ」

友「あっ、そう言えばお前、手ぶらじゃんか。寝衣とかどうすんだよ」

男「you」

友「………は?」

男「you have フーク、please me」

友「ぜってー嫌だ、死んでも貸さねぇぞ」

男「はぁあぁ……ったく」

友「くっそムカつくんだが?つーかコンビニ行くついでに取りに行こうぜ」

男「やだ……友くんが私の家に…?」

友「………」

男「あ、はい、付いてきて下さいお願いします」

友「よろしい」

~男宅~

男「ただいま~」

友「お邪魔します」

男「………母さん?母さーん」

友「居ない、みたいだな。靴は有るのに」

男「う~ん、母さんは基本的に出しっぱにしてるからさ?違う靴履いて出たんだろ」

友「そうだったっけ?まぁ良いや、とっとと部屋に行って寝衣取ってこいよ」

男「ここまで来といて何なの!?普通ならこのまま Go to ベッドでしょ?!」

友「キモいから早く行ってこい、財布も忘れんなよ」

男「奢ってくれないの?」

友「馬鹿野郎、早く行ってこい、こん畜生」

男「へいへい、リビングで待ってて下さいね~っと」

友「…………」

友「脱ぎっぱなしの靴が4足ねぇ……人様の親をとやかく言える程、ウチの家族もしっかりはしてないけどコレはねぇ」

友「散らかってるし、揃えといてあげますかね」

~リビング~

友「………」

友「やっぱり、信じられるもんじゃ無いわな」

友「常識的に考えてよ、時間が戻る?あはは、笑わせんなっての」

友「アニメじゃあるまいし、嘘に決まってるってのに、何でここまであいつに構ってやってるのかねぇ」

友「まっ、悪い気分では無いよな。頼られてるし?こういうぶっ飛んだ嘘は寧ろ清々しささえ感じ

ゴト

友「ひゃい!!」

友「なななななな、っっんだよ今の。え?え?は?はぁ?」

友「台所からだろ?食器でも落ちたのか」

男「うーっす、待たせてすまんな」

友「えっ、あ、あ……お、おう」

男「ん~?どしたよ、早く行こうぜ」

友「あ、あぁ。そう、だな」

~コンビニ~

男「友、俺、思ったんだよ」

友「………つーかよ、買い過ぎだろお前」

友「弁当はまだ分かる。麦茶が嫌いだから緑茶を買うのも理解出来る」

友「何だよ、その尋常じゃ無い菓子の量は」

男「へへへ、気付いちゃったんだな~コレが」

友「底にある筈の弁当が見えねーじゃねぇか、それに、菓子買うなら俺ん家の近くのスーパーの方が安くつくぞ」

男「いやぁね?ループじゃん?AからBじゃんじゃん?」

友「………成る程」

男「そうそう、どうせ元に戻るんだろ?だったら全額使わなきゃ損だろう??ほら、お前も自分のカゴに菓子詰めろよ、奢るから」

友「あ~、うん、あんがと」

男「勿体無い事したなぁ俺。2回分、損してんじゃんかよ~。あー勿体無ぇなぁ」

女店員「えっと、こちらは全て?」

男「うん、一緒でお願いしま……あ、フランクフルト2つ」

~友の部屋~

男「はむっはむはむはむ」

友「きったねぇ喰い方すんなよおい、おい!あぁっ!!米粒を床に散らかすなよ馬鹿野郎」

男「あははは、一度やって見たかったんだよなこの喰い方。ほら、アニメや漫画でよく有るじゃん?弁当箱に顔をコレでもかと言うくらい近付けて、喉に掻き込む喰い方」

友「うるせぇよ馬鹿野郎、早く床にこぼした物を綺麗にしろ」

男「まぁまぁ友や、お前もやってみ?予想以上に食い辛いから」

友「やる訳無いだろうが、ここ俺の部屋だぞ」

男「げっふ」

友「………[ピーーー]ぞ」

男「すまん、流石にゲップはやり過ぎた」

友「ったく、お前はアニメや漫画の見過ぎなんだよ」

友「…………」

男「ん?何だよ、食わないの」

友「…………はむ」

友「はふっはっふはむはむはむ」

男「なはははははは!!」

友「これっ、思った以上に食えねーな、あははは」

ドン!!

男「…………片付けようか、ティッシュどこ」

友「すまん、空気読めない姉ですまん」

男「っと、風呂上がったよ」

友「ん、お前はそのコタツで寝てくれよな。流石に同じ布団は無理だ」

男「いやぁ、流石の俺もそれはキツイですわ」

友「………電気、消すぞ?」

男「なぁ友さんや、少し質問良いかの」

友「ん~?手短に頼んます、今日は凄く眠たいから」

男「友さんはアレですかな?好きな女の子とか居ちゃう系ですかな」

友「つーか、その口調気持ち悪いからやめてくれ。好きな人なら居るよ」

男「うお、ぉ、何の躊躇いも無く言いますか。普通なら照れて言わないだろ」

友「別に恥ずかしがる事でも無いしなぁ……アレだよ、同じ部の」

男「陸上部だよな?ホモなん?」

友「3年生の先輩、言わなくても分かると思うが女の先輩な」

男「へぇ~、で?告白とか、一緒に遊びに行ったりとかはしたのかね」

友「あはは、無理無理。最初から諦めてんだよ、俺とあの人じゃ釣り合わねーよ」

友「最初は憧れだったんだっけなぁ……気付いたら好きになってた。で?お前はどうなのよ」

男「俺かぁ~、うーん……まだ居ないかなぁ」

友「へぇ~、寂しい高校生活送ってんだな」

男「その一言居る?何かすんごい見下された感がヤバイんだけど」

友「お前はアレだな~、ちゃんと周りを見た方が良いと思う」

男「………そんな余裕無いんだよ俺には」

友「そんなにかねぇ、別に誰かに虐められてる訳じゃ無いんだろう?」

男「なんつーかさ、馴染めないんだよな今のクラスに」

男「こう……転校初日のあの感じに似てる、あの感覚だよ」

男「知らない町の知らない場所でさ?一人ぼっちの感じっつーか……味方のいない感じ」

友「………そうだよな、お前は県外からこっちに引っ越して来たんだったっけな」

男「そろそろ学年も変わるっつーのにさ?未だに馴染めて無いでやんのよ」

男「まっ、俺にはお前が居るから良いんだよ。これ以上は望んですら無いし」

友「うわぁ、俺が女の子だったら今の発言でお股大洪水だったわぁ」

男「だろだろ?」

友「まっ、俺くらいなもんだよなぁ。お前に話し掛ける物好きって」

男「い、言う程ブサイクじゃないだろ俺」

友「そんなんじゃ無いべ。お前は常に身構え過ぎなんだよ、ピリピリしてるっつーかさ」

男「………仕方ねーじゃん」

友「いや、最初の内は誰だってそうだろうけど、お前ずっとじゃんかよ。そんなんだから友達出来ねーんだよバーカ」

男「へいへい、悪うございましたよっと」

友「来年はお前と同じクラスに慣れたら良いよな、そしたら少しは楽になるだろ」

男「なになに?なに勝手に俺の理解者気取っ天皇?ちょっと気持ち悪過ぎんよ~」

友「あははは、悪い悪い、確かにキモかったな」

男「…………なぁ友」

友「うん?どしたべ」

男「信じてくれてんのかな……俺の事」

友「ループの事ですかな?」

男「………」

友「信じるも信じないも、31日になったら嫌でも理解出来んだろ」

男「疑って、るよな」

友「半分信じてるし半分信じてないってのが本音かな」

友「だってそうだろ?急に時間が元に戻るとかオカルト通り越して只のキチガイじゃんか」

男「ははっ、そう言われると言い返せないわ」

友「そんなん信じれる訳無いっつーの、お前だって信じれないだろう?」

男「半分は?残りの半分」

友「信じてる理由?それは、そうだな……」

友「え~っと、その、う~ん」

友「…………秘密だな」

男「うわっ、何それ、超キモいよ」

友「こう言ったら変かもだけど、ちょっとワクワクしてんだよね。万が一、億が一、お前の言ってる事が事実ならさ?こんな体験死ぬ迄、いや、死んでも出来ないっしょ」

男「ふ~ん、変わってんなお前」

友「アンタにゃ言われたくねーよ」

男「…………なぁ友、今の内に謝っとくわ」

友「ん?もしかしなくても、ループの下りは嘘だったとかですかい」

男「そうじゃなくてさ……この事を話した時、巻き込まれちまう云々の下りが有ったじゃん」

友「そうだったな~、で?それがどうしたんだよ」

男「恐く無いのかなってさ」

友「あははは、まだ半分しか信じてないっつったろ?それに……」

男「それに…?」

友「それが本当ならさ、死ぬ迄忘れられない想い出になるじゃん?コレを元に、小説でも書いて一攫千金ワンチャン!」

男「はははは、誰も信じねーよ」

友「誰がノンフィクションでやるっつったよ、フィクションにして色々と盛れば良いだけじゃんよ」

男「……………友」

友「ん~?もう寝たいんだが」

男「そっか、じゃあ、お休み」

友「は?は?いやいや、言えよ。そっか、じゃないだろ」

男「お休みなさい」

友「はぁああ?良いから言えよ馬鹿野郎」

男「はいはいお休みー」

友「………ったく…お休み」

取り敢えず今はここまでです。また書きに来ますのでよろしくです

友「…………ん」

男「おはよう(はぁと」

友「あぁ、朝から最悪な気分になったよ、おはよ」

男「最愛な気分になった?」

友「………朝飯どうするよ、俺ん家何も無いぞ」

男「ん~、朝は喰わない派なんだよね」

友「さいですか。で?今日は30日で合ってるよな」

男「ん、うん、今日は30日だな」

友「ははは、だよな、そうだよな。じゃあ俺、下に降りて何か持ってくるわ」

男「あっ、友ちん友ちん」

友「んだよその呼び方……何ですかい」

男「いや、隣の部屋?のお前の姉ちゃん居るの?物置一つ聞こえないんだけど」

友「気にすんなよ、どうせ寝てるだけだ」

男「さいですか」

~5分後~

友「な~んも無えべ」

男「なはは、期待して無かったからノープロブレム!」

友「よ、喜んで良いのか悪いのかよく分からない返事どうも」

男「そう言えばさ?友の姉ちゃんって確か23歳だったよな」

友「う~~ん、多分そうだと思う」

男「そ、そんな適当なもんなのか?」

友「そんなもんだろ、姉ちゃん大学中退してからずっと家に寄生虫だし」

男「あ~、パラサイト的な?」

友「おまけにバイトもしねーで部屋に篭りっぱなしだしよ?両親は特に何も言わないから俺も触れてないのよ」

男「………そ、それで壁ドンとかすんのか」

友「そそっ、だからあいつは屑だよ屑」

男「い、意外とドライっつーか、冷た過ぎっつーか」

友「そんなもんだよ、さっ、暇だしどっか行こうぜ」

~公園~

男「なぁ友、俺たち高校生だよな?」

友「あぁ、まだ高校生だよ。社会の仕組みや辛さを全く知らない真っ白な翼を持った高校生ですよ」

男「高校生が公園は無いんじゃね?」

友「仕方ないじゃんかよ、ゲーセンとか行きたいの?あんな五月蝿い場所に行く奴の気が知れねーよ」

男「じゃ、じゃあカラオケとか

友「却下。あんな糞みたいなとこ行きたく無い」

男「…………」

友「あっ、お前よく友達等と学校帰りに行ってるじゃねーかとか思ってるだろ?」

男「そうだよ、友って知り合い多いし、俺と違ってそういう系じゃんかよ」

友「猫被ってるだけだべ、本当は糞つまらんけどさ?家に居ても暇じゃんか」

友「………まっ、お前なら被りたくない猫を被らなくて済むからよ?感謝してる」

男「うわぁ、今キュンと来そうになった」

友「なはは、キモいから止めろ」

男「あっ!!」

友「お?なになに、どしたよ」

男「友、ちょっと付いてきて欲しい所が有る!大丈夫大丈夫、すっごく静かな所だからさ」

友「お、あ、あぁ……」

友「でさでさ、何処に向かってるんですかい?」

男「俺さ、このループに巻き込まれてて特に何のアクションも起こして無かったんだよ」

友「それは知ってるさ、だから俺に頼って来てくれたんだろ?」

男「うん、そのお陰で大分楽になった。その件に関しては非常に感謝してる」

男「けどさ、知らない者同士じゃ駄目なんだよ。きっとこのループから抜け出す事なんて出来ない」

友「………(急に真面目君になるのは何時もの事なんだけど、本当に急過ぎるから毎回焦るんだよな)」

男「だったら調べれば良い。こんな簡単な事に気付こうともしなかった自分に笑えてくるっつーの」

友「あ~、うん。つまり図書館とかだろ」

男「そっ!近くに有るじゃん私立図書館、そこで色々調べようぜ」

友「成る程ねぇ、急にやる気になったのは素晴らしいと思うよ」

男「まっ、それで何かのキッカケなんて得られる程甘いもんじゃないと思うんだけどよ、当たって砕けろだろ!」

友「すまん、別にワザワザ図書館なんかに行かなくてもスマホで調べれば良くね?」

男「…………お前、本当に空気読めないな」

友「いやいや、行くけどさ?普通ならそんな現象に巻き込まれてんなら調べるよな」

男「うっせー馬鹿野郎!!図書館に行くぞ!」

友「なはははは、マジギレすんなよ~」

~図書館~

男「え~っと、タイムリープ、タイムリープっと……た行だよな」

友「いやいやいや、そんなもん有るわけねーだろ」

男「大丈夫大丈夫、だいたいこういう流れの時は有るもんなんだよ」

友「ご都合展開求め過ぎだろお前……」

男「腐っても図書館だよ?それ関連の本なんざゴロゴロ有るっての」

友「そういう非科学的な本ってさぁ、どっかの教授とかが自分の思ってる事を並べてるだけの[田島「チ○コ破裂するっ!」]だろ」

男「いやぁ、まぁ、否定は出来ないよなぁ……た行た行っと」

友「タイムマシンとかもそうじゃね?作れる訳無いのに、さも作れるかの様な事を書いてるしよぉ」

男「なぁ友や、夢が無いって良く言われないかね」

友「俺は現実主義者なだけだよ」

男「じゃあ俺を信用してないって事だよな?」

友「ん~?それはそれ、コレはコレ」

男「それ、喜んで良いの?」

友「どうだかな~」

友「………そう言えばさ」

男「ちょっと待って今集中してる」

友「ははは、それっぽい本見つけて読むのは良いけど答えなんざ出ないと思うんだよね」

男「それで?要件は何さ」

友「いや、高校になって俺たち知り合ったじゃん?中学までは別の県に居たのは知ってる」

男「うんうん、それで?」

友「向こうには居なかったのか?いや、居たよな絶対」

男「そうだね~、居たね居たね~」

友「待って、本に集中しないで俺の話を聞いて欲しいの」

男「5分も聞かないよ?」

友「居たんだよな?向こうに」

男「うん、そりゃあまぁ、人並みには」

友「今でも連絡取ってる奴等とか居ないのかな~って思ってさ」

男「居ない居ない。携帯持ち出したのが高校からだし、引越し先の住所聞いてきた奴なんて一人たりとも………あっ」

友「ん?何か気になる項目でも見つけちゃったんですかい」

男「いや、そういや居たな~って」

友「居たなって……住所聞いてきた奴?」

男「うん、俺自身よく分からなかったから答えてやる事が出来なかったけどさ」

友「それってアレだろ?女の子だろ」

男「流れ的には女の子だろうけど、残念ながら女の子だ」

友「受け取り辛い言い方止めなよ」

男「あはは、すまんすまん」

友「へ~、それって彼女かよ」

男「そんなんじゃねーよとか言えば良いんですかい?残念ながら彼女だよ」

友「あ~、今お前の好感度がすんごい下がった」

男「ははは、やる事はやっててすまんな」

友「!!?」

男「んな訳無いだろ馬鹿野郎、心配しなくても俺はエンペラーだよエンペラー」

友「焦ったわぁ、まさか俺より早く卒業してたのかと思って焦ったわぁ」

男「………は?」

友「え?お前まだエンペラーなん?」

男「すんごい下がったわ、お前の好感度」

友「それでそれで?別れ際の台詞とか覚えてる系だろ」

男「う~~ん………忘れた」

友「いやいやいや、忘れちゃ駄目だろそれは」

男「忘れたもんはしゃーない、つーか思い出せない」

友「うっわぁ、冷たい奴。きっと彼女はお前の事を今でも思ってるんだろうな~」

男「無い無い、きっと今頃ズッコンバッコンだろ」

友「………女なんてそんなもんだよな」

男「あぁ、そんなもんだよ……」

友「え、えっと…その、で?何かそれっぽいこと書いて有る?」

男「友の言った通りかなぁ、引き込まれる文章なんだけど、コレと言って特に何も」

友「………昼喰いに行こうか、奢るよ」

男「なんかゴメン、付き合って貰って」

友「モーマンタイモーマンタイ。さっ、ジョイフルにでも行こうぜ」

男「ココスが良いなぁ」

友「ばっかやろう!ココス高ぇじゃねーか」

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