魔王「よくぞたどり着いたな勇者よ」勇者「ふん」 (74)

━魔王城━

勇者「お前を倒せば、世界は平和になる」

魔王「ほう」

勇者「俺の戦いも今日で最後だ」

魔王「ふ、それはどうかな?」

勇者「なに?」

魔王「私を倒したところで、この戦乱は収まらない」

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勇者「なぜだ?」

勇者「お前を倒せば魔物がいなくなる」

勇者「それは平和な世界と呼べるんじゃないのか?」

魔王「私を倒せば、魔物がいなくなる……か」

魔王「一つ聞きたい」

勇者「なんだ?」

魔王「勇者よ、貴様が死ぬと人間共は全滅するのか?」

勇者「するわけない」

魔王「そうだろうな」

勇者「?」

勇者「魔王よ、お前は何が言いたい?」

魔王「まだわからぬのか?」

魔王「私を倒したところで、魔物はいなくならない」

魔王「私は、貴様らの言うところの王様の役割に過ぎない」

勇者「…」

魔王「私を倒せば、確かに魔物共の統率力がなくなり、その数は減っていくことだろう」

魔王「だが、時が経てばまた新たな魔王が生まれ、貴様らと会いまみえる」

魔王「結局は無限のループなのだよ」

勇者「しかし、お前を倒せば一時でも平和がやってくる」

勇者「平和な世界で、魔物を全滅させて行けばいいさ」

勇者「だから、俺がお前を倒すことに変わりはない」

魔王「つまらぬ」

魔王「実につまらぬ」

勇者「なんだと?」

魔王「私は長きの間、私の元にたどり着く゛勇者゛とやらを待っていた」

魔王「この世界の理に縛られ、世界の示す道をただ歩み続ける、勇気有る者として、私の前に立ちはだかること」

魔王「それゆえに、疑問を持ったことはないかね?勇者よ」

勇者「疑問だと……?」

勇者「俺はお前を倒すことに人生を掛けてきた」

勇者「先代の勇者様のような立派な勇者になり、再び魔王、お前を倒すことを目標に生きてきたんだ」

勇者「そのことに疑問を持ったことなどない」

魔王「ふ、ふふ…」

魔王「ふははははははははははははははははははは!!!」

勇者「な、なにがおかしい!!」

魔王「ふふ、貴様は若いな小僧」

魔王「若いゆえに、この世界の理にはまだ気付けぬか……いや、これこそが勇者とやらなのかな?」

勇者「な、なんなんだよ!さっきからこの世界の理とか、わけわかんないこと言いやがって!」

魔王「……勇者よ、この世界の真実を知りたくないか?」

勇者「この世界の真実……?」

魔王「そうだ、私を倒すのは真実を知ったあとでも充分ではないかな?」

勇者「ば、ばかを言うな!魔王を目の前にしてこのまま引き下がれって言うのかよ!?」

魔王「なあに、せっかく私の元に勇者が現れたのだ、私もただ待つつもりはない」

魔王「私もお前の旅に同行しようじゃないか」

魔王「私は貴様から逃げるつもりはない……どうだろうか勇者よ、この世界の真実を知る旅、興味はないかね?」

勇者「……興味はある。だが、お前と旅をすることは出来ない」

勇者「人間の敵、魔王を倒すことは俺の勇者としての誇りだ」

勇者「お前を倒した後で、ゆっくりこの世界の真実とやらを見定めてやる」

魔王「ふむ、中々強情だな勇者よ」

魔王「では、一つ話をしようじゃないか」

勇者「話?」

魔王「そうだ、先ほど貴様の口から先代の勇者と言う言葉が出てきているが、その先代の勇者とやらは結局どうなったのかな?」

勇者「……先代の勇者様は魔王、お前を倒し姿を消された」

魔王「そうだ、私の先代の魔王は先代の勇者に殺された」

魔王「さて、魔王が去った世界はどうなった?」

勇者「……?」

勇者「それはもちろん、平和な世界が来るだろ」

魔王「そうだな、だが平和な世界が来たはずのこの世界には、勇者の貴様と魔王の私がいる、それはなぜだろうか?」

勇者「それは新たな魔王として、お前が生まれたからだろ?」

魔王「その通り、どれだけの時を経ても、この世界には魔王と勇者がいるのだよ」

勇者「お前はこの戦いには意味がないと言いたいのか?」

魔王「意味はあるさ、私を倒せばつかの間の平和が来る」

魔王「それは、お前が待ち望んでいたことだろ?だが、よく考えて欲しい。なぜ、この世界には魔王と勇者が必ずいるのかをな」

勇者「なるほど、その真実を知る旅をすることが今の俺には必要なんだな?」

魔王「そういうことだ」

魔王「それに、私は貴様のことを高く評価しているつもりだ。真実を知った暁には必ず貴様の助けになることを誓おう」

勇者「魔王に誓われてもな……この戦いは一旦お預けにしても、お前と一緒に旅をするのは無理だろ、お前の格好目立ちすぎ」

魔王「見た目のことか、それなら問題ない。私は見た目を変えることが出来る、このようにな」

勇者「よ、幼女の姿だと!?なぜお前俺の趣味を……!」

魔王「この格好なら人目につかんだろう。それより貴様、幼女趣味とか若干引くぞ」

勇者「いやいや、お前こそなんでよりによって幼女なんだよ!」

魔王「……これが私の本当の姿だ」

勇者「……マジかよ」

魔王「ちなみにこの姿の私は、見た目通り非力だが殺してくれるなよ」

勇者「お前の元の姿、非力なのかよ……」

魔王「それより、この格好であれば同行しても問題ないな?」

勇者「問題しかないがまあいいか。お前がいれば疑問に思ったこととか聞けるしな」

魔王「そうだ、私のことはお菓子に釣られてほいほい付いてきた子供だとでも思ってくれればいい」

勇者「やっぱお前連れてくのやめるわ」

魔王「ふふ、冗談だ」

勇者(なにこいつ、魔王の癖に可愛いじゃねえかよ)

魔王「手始めにまずは、貴様の住んでた街に行ってみたい!」

勇者「おいおい、行ってみたいって俺の旅じゃねえのかよ。それに俺の住んでるところは街ってより村だ」

魔王「細かいことは気にするな、善は急げだ行くぞ!」

勇者「魔王が善を急ぐって……まあいいけどさ」

━勇者の住んでた村━

魔王「ほう、ここが貴様の住んでた村か。なにもないな」

勇者「なにもないとか言うな。あと、お前村で変なことしたら速攻で殺すからな」

魔王「わかってるわかってる。変なことはしないからそう疑うな」

勇者「……ほんとかよ」

「……?その声はお兄ちゃん?」

「あっ!やっぱりお兄ちゃんだ!おーい!」

魔王「ほう」

勇者「妹か、久しぶりだな」

妹「お兄ちゃんこそ久しぶり!」

妹「どう?元気にしてる?」

勇者「ん、まあな」

妹「そかそか、元気ならよかった!それより隣にいる子は誰かな?」

妹「まさか、お兄ちゃんの子供とか~?」

勇者「んなわけないだろ、こいつはな……」

魔王「お父さん。この人だぁれ?」

勇者「んな!てめ、誰がお父さんだこら!」

魔王「ひっ!お父さん怖いよ……」

妹「こら!お兄ちゃん子供を怖がらせないの!」

勇者「だから、こいつは子供じゃなくてまお……」

魔王(おいおい、勇者よ。まさか私の正体をばらすつもりではないよな?)

勇者(ん?声が直接脳内に)

魔王(これは私のテレパシーだ、それより頼むから私の正体をばらさないでくれよ)

勇者(いやお前が俺で遊ぶからだろ、とりあえずは気を付ける)

魔王(ふふ、悪かった。まあ今の私を見て魔王だと信じはしないだろうが頼むぞ)

妹「……お兄ちゃん?」

勇者「ん、いや悪い。こいつは迷子なんだ」

勇者「帰ってくる途中で拾ったんだが、記憶がないようで俺のことをお父さんだと思い込んでるみたいなんだよ」

妹「そうだったんだね!でも、お兄ちゃん幼女好きだからちょっと心配かも」

勇者「は?」

妹「ねえ君、この人になにかされなかった?」

魔王「ううん、お父さんすごく優しいよ。身体のどこにも傷がついてないか確かめてくれたの!」

妹「……お兄ちゃん?」

魔王「お外で裸になるのちょっと恥ずかしかったけど、お父さんならいいかなって///」

勇者「落ち着け妹よ、俺はそんなことしてない」

妹「…」

勇者「こら君~、そんな嘘付いちゃダメだろ~?」

魔王「あっ!ごめんなさいお父さん、このことは二人だけの秘密って言ってたね……ごめんなさい」

バチコーン

妹「お兄ちゃんのばか!!死ね!!このロリコン!!行こ君、このばかといたら病気が移る!!」

魔王「あ、いやまて、それは困る」

妹「お兄ちゃんのばーか!」

>>22ミス


勇者「こら君~、そんな嘘付いちゃダメだろ~?」

魔王「あっ!ごめんなさいお父さん、このことは二人だけの秘密って言ってたね……ごめんなさい」

バチコーン

妹「お兄ちゃんのばか!!死ね!!このロリコン!!行こ君、このばかといたら病気が移る!!」

魔王「あ、いやまて、それは困る」

妹「お兄ちゃんのばーか!」

勇者「待てっておい!誤解だしそいつを連れていくな!」

━勇者宅━

妹「もうっお兄ちゃんのばか……」

魔王「ふむ、この家には貴様しか居らんのか?」

妹「へ?そうだよ、この家は私とお兄ちゃんの家なの、ていうか喋り方変わったね」

魔王「すまぬな、先ほどのは冗談というやつだ、私は幼女でも迷子でもない」

魔王「年齢で言えば勇者よりはるかに年上だ」

妹「へ?いやいや、君って見た目丸々幼女なんだけど?」

魔王「見た目で人を判断すると痛い目を見るぞ。先ほどのようにな」

妹(ふーむ、大人になりたい年頃なのかな?)

魔王「それより貴様らの親はどうした?」

妹「……私達の両親はいない」

妹「私達兄妹は森に捨てられてたの、そこを拾って貰って私達は育てられた」

妹「育ててくれた人はとても良い人だったけど、私達が大きくなる頃には魔物に殺されてしまったの……」

妹「っていやいや!こんなこと小さい君に話すことじゃなかったね!ごめん!」

魔王「いやだから、私は幼女ではないんだが……そうか、魔物に殺されてしまったか。すまない」

妹「ん?なんで君が謝るの?」

魔王「気にしないでくれ。それより他の住人はどうした?ここに来るまでの間、誰とも会わなかったが」

妹「ああ、この村はね、今私しか住んでないの」

魔王(住人がいないか……大方予想は付くが)

妹「ちょっと前に魔物に襲われて滅んだんだよ、そのときにさっき言った育ての親も殺された」

妹「ま、でもその事件のおかげでお兄ちゃん勇者に目覚めたんだけどね」

妹「だからさ、君もここに住んでいいんだよ?行くとこないでしょ?私と一緒に暮らそ」

魔王「貴様達の不運はわかった。だが私もあとには引けぬ用事があるゆえ、勇者と離れるわけにはいかぬのだ」

妹「引けぬ用事……?」

ドンガラガッシャーン!

妹「へ?なに!?」

勇者「おいこら魔王!!魔物の大群が来てるぞなんとかしろ!!」

魔王「やれやれ……これは困った」

妹(魔王……?)


━家の外━

魔物の大群【ぼええええええええ!!】

魔王「おおっ、たくさん来てるのう」

勇者「たくさん来てるのう、じゃねえよ!こいつらなんとかしろ!俺だけじゃなんともならん!」

魔王「ふむ、なんとかしたいのは山々だが、こやつら私の言うことを果たして聞くだろうか……?」

勇者「なに言ってんだよ!お前魔王なんだからこいつら止められるだろ?」

魔王「勇者よ、貴様に一つ聞きたいことがある」

勇者「あん、なんだ?」

魔王「貴様は人間の軍隊全てを指揮できるか?」

勇者「そりゃ無理だろ、まず俺の軍隊じゃないしそんな権限俺にはない」

魔王「それと同じことだ、私が全ての魔物を指揮してるわけではないし、第一この見た目だと普通に殺されかねん」

勇者「そういや、お前その姿だと非力なんだっけな。妹のことはなんとかするから元の姿に戻って止めろ」

魔王「残念だが、それも無理だ」

勇者「なんでだよ!」

魔王「この姿に戻ると、変身するためにまた魔力を溜めなければならない、その魔力は一年を必要とする」

勇者「はあ??じゃあなんで元の姿に戻ったんだよ!」

魔王「それは……貴様と冒険に出たかったから……」

勇者「なんだって!?」

魔王「貴様を信用させるためにはこれしかなかった!やむ終えない措置だ!」

勇者「おいこら!開き直るな!」

魔王「まあよい、私がひとまず話を付けてくる、勇者はそこで待っておれ」

勇者「大丈夫なのか?」

魔王「問題ない」

魔王「仮にも私は魔王なのだからな」

勇者「……わかった任せる。だが、死ぬなよ」

魔王「承知した」

とりあえずここまで

魔王「さて、任されたはいいがどうしたものか……」

魔物の大群【ぼええええええええ!!】

魔王「ええい!うるさい!」

魔王「こうなったら一か八かだ」

魔王「貴様ら止まれ!」

魔物の大群【???】

魔王「私は魔王だ」

魔王「貴様らの主であり、絶対の権力者だ」

魔王「ここを襲う必要はない、即刻立ち去れ!」

魔王の大群【???】

魔物の大群【ぼええええええええ!!】

魔王「くそう、止まらぬか……こうなったら……」



「雑魚共止まれ!」



魔物の大群【!!!】

魔王「ぐっ、この声は…」

天使「どうも、お久しぶりですね魔王様」

魔王「なにをしに来た天使よ…」

天使「いやなあに、魔王様のピンチということで助けに来ました」

魔王「……余計なお世話だ」

天使「そうは行きません、なにしろ我らが主、大天使様はこの余興を大変気に入っておられる」

天使「魔王と勇者が手を組むなど今までなかったこと」

天使「私も実は少し興味があるのです。なので、このようなところで死なれるのは少々興ざめ」

天使「ですが、力なきものを生かしておくのもまた詰まらない、なのでこう言うのはどうでしょうか?」

天使「この雑魚共を一纏めにし、その一体を勇者と協力して倒してください」

魔王「まて、まだあの勇者では勝てる相手ではない」

天使「そのために、貴方がいるのでしょう?」

天使「期待していますよ、またお会いしましょう」

ヒュイン

魔王「ふん……貴様の顔など二度と見たくないわ」

タッタッタ

勇者「魔王ここにいたか!」

魔王「うむ」

勇者「なあ、これは一体どういうことだ?魔物が合体して巨大になったぞ」

魔王「そうだ、的が大きくなったのだ勇者よ、あの怪物を倒すぞ」

勇者「おま!倒すってあんな巨大なのどうやって倒すんだよ!」

魔王「……ふーむ、困った。勇者よ、あやつを頑張って倒せぬかの?」

勇者「それは冗談で言っているのか?」

魔王「むろん本気だ」

勇者「え…無理、あんなの勝てない」

魔王「……貴様、本当に勇者か?」

勇者「うるせえ!お前こそ魔王ならなんとかしろよ!」



妹「お、お兄ちゃん!!」



勇者「妹!?ばかお前なんで逃げてないんだよ!」

妹「ばかってなにさ!お兄ちゃんこそこんな怪物どうやって倒すつもりなのよ!」

勇者「そ、それはほら、勇者補整ということでなんとか……」



怪物【ぼええええええええ!!】



勇者「するのは難しいよなぁ……」

妹「ねえお兄ちゃん逃げよ!こいつ倒せなくても、そこにいるの魔王なんだよね?魔王がなんとかしてくれるんでしょ?ね?」

勇者「いや、こいつは魔王だけど今は弱くなってるんだ。こいつに任せても死ぬだけだ」

妹「は?そもそも、なんでお兄ちゃんは魔王といっしょにいるの!?」

妹「魔王倒しに言ったんじゃないの!?」

魔王「落ち着け妹よ、確かにこの問題は私の責任だ」

魔王「よって、私がこやつに後始末をつける。貴様らは早く逃げるのだ」

勇者「ばかにするな、魔王と言えど、他人に守ってもらって逃げるやつなんて勇者でもなんでもない!」

勇者「一緒に倒すぞ」

魔王「後悔しても知らぬぞ?」

勇者「お前と一緒に冒険始めたときから後悔しっぱなしだっての!」

魔王「ふふ、それもそうだな」

魔王(私も腹を括るか……)

魔王「勇者よ、相談がある」

勇者「なんだ?やつに勝てる手立てでもあるのか?」

魔王「そうだ、まず貴様にこの剣をやろう」

勇者「剣……?俺はすでに勇者の剣を持ってるぞ?」

魔王「それは人の手によって生み出された剣だ」

魔王「この剣は来る日のために私自らが作ったものなのだ」

魔王「まあ俗に言う魔剣と言う奴だな」

勇者「魔剣?そんなものを俺に使わせる気か!?」

魔王「そうだ、本来ならもう少し貴様が強くなってから持たせるつもりだったのだが、そうも言ってられないのでな」

魔王「……やはり、魔剣など嫌か?」

勇者「いや、これを使えばあの怪物に勝てるんだな?」

魔王「うむ!それと、その魔剣にはまだ魔力が宿っていないのだ」

魔王「魔力をもって始めて最強の剣となる」

勇者「その魔力ってのは?」



魔王「私だ」




魔王「その剣で私を斬るのだ、勇者よ」

勇者「は?お前なに言ってんの、それじゃお前が死ぬじゃん!」

魔王「問題ない、確かに死ぬほどの苦痛は伴うが私の肉体、精神は魔剣に宿り、その役目を終えると元の身体に戻れる」

勇者「信じていいんだな?」

魔王「私を信じてくれ」

勇者「わかった」

妹「ねえ、お兄ちゃん……やっぱり戦うの……?」

勇者「戦うさ、俺は勇者だからな」

妹(やっぱりお兄ちゃんは勇者だ)

妹(昔、村が魔物に襲われた時もこうして身体を張って私を守ってくれた)

妹(何時からか世界を救うと言い出し、旅に出たけど、お兄ちゃんの心はあの時からなにも変わってないんだね)

妹「お兄ちゃん、もう止めない!あの怪物をやっつけて!」

勇者「任せろ!!」

勇者「行くぞ魔王!」

スパーン

魔王「ぐふっ!」

シュウウウゥゥゥゥ

勇者「凄い……剣に魔力がみなぎってきて身体も軽くなっていく!」

魔王(そうだ、貴様には私の魔力が宿っている)

勇者「魔王か!」

魔王( だが、今のお前では私の魔力に耐えられない、身体が持つのは一分間だけだ、それまでに決着をつけろ!)

勇者「一分間もあれば余裕だ!くたばれ怪物うぅぅぅぅぅ!!」

ザシュ

怪物【ぐぎゃあああああああああああああ!!】

妹「あの怪物を一発で倒した……」

勇者「はあっはあっ」

バタン

妹「お兄ちゃん!」

魔王(落ち着け妹よ、こやつは疲れて眠っただけだ)

妹「へ?声が直接脳内に」

魔王(妹よ、こやつをベッドで寝かせてやれ)

妹「言われなくてもやるっての!」

━勇者宅━

勇者「んっ……ここは一体」

勇者「そうか、俺は疲れて倒れてしまったのか……そう言えば魔王と妹は……」



妹「だから!お兄ちゃんはお肉が好きなんだってば!」

魔王「ばかか貴様!病人はお粥と決まってるんだ!」

妹「はあ??ぽっと出のあんたにお兄ちゃんのなにがわかるの?」

魔王「それぐらい一般常識としてわかるわ!」

魔王「貴様は風邪で倒れたときに肉を食いたいのか?」

妹「わ、私はお肉好きじゃないもん!」

勇者「お前たちはなにをやってるんだ……」

魔王「おおっ起きたか勇者よ」

妹「もう!心配したんだから~!!」

勇者「すまない、あのあとなにが起きた?」

魔王「ふむ……貴様はあの怪物を倒し、疲れて眠っていただけだ、寝てたのも半日程度だな」

勇者「そ、そうか……なあ魔王」

魔王「なんだ?」

勇者「あの怪物はなんだったんだ?急に合体して大きくなった」

勇者「魔王はなにか知ってるんじゃないか?」

魔王「今はまだ話せぬ、許せ」

勇者「そうなんだな……まだまだこの世界には俺が知らないことだらけだ」

魔王「なあに、これから一緒に知っていくのだろ?」

勇者「ははっそうだな」

魔王「ふふ、これからもよろしく頼むぞ勇者よ」

勇者「ええ~どうしようかな~?」

魔王「も、もしかして、もう私と一緒にいるのは嫌か……?」

勇者「ばーか!これからも頼んだぞ魔王!」

魔王「う、うむ!!」

勇者(ったく、なんでこうも可愛いかなぁ……)



妹「お兄ちゃーん!お肉盛り合わせ出来たよ!食べて!食べて!」

勇者「食えるわけねえだろ!!」

魔王・妹「はははははは」


続く

RPG書くの難しい……
見てくれた方ありがとうございます
続くか止めるかは今日中に決めたいと思います

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