映画大好き!速水さん【モバマス】 (39)

速水奏は事務所内で、日記帳を拾った。


奏「誰の日記帳かしら……名前はないわね」


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ペラッ……


○月×日
ついにプロデューサーさんの自宅を特定した。ここに記す。
東京都B区8-492モバ・ハイツ103号室


奏「プロデューサーの住所?この日記帳は一体、誰のかしら……」

ペラッ……


○月◆日
プロデューサーさんの自宅の間取りを確認した。
鍵穴と鍵は特定した。完成が待ち遠しい。


奏「こ、これは…犯罪の臭いがするわね」

ペラッ……


○月※日
プロデューサーさんの自宅のスペアキーが完成した。
プロデューサーさんの部屋を見たい視たい観たい見たい視たい観たい見たい視たい観たいいいいいい
見たい視たい観たい部屋の臭いを嗅ぎたい。
鼻孔を膨らませ、鼻腔に空気という空気を取り入れ堪能し
肺で全ての酸素を取り込みたいが、我慢する。


奏「寒気がする…気のせいかしら」

ペラッ……


○月β日
ベランダから覗くことは、合法だと気づく。いつかは自分も住むことになるのだから、問題はない。
早速、プロデューサーさんの自宅を見学する。
本棚がDVDで埋め尽くされていた。映画のコクレションだろうか?詳細は不明。


奏「映画の……コクレション?」


ドクン ドクン

…速水は胸の高鳴りを覚えた。

速水は映画好きとして、古今東西ありとあらゆる映画を鑑賞してきた。

不朽の名作の黒沢映画、ヒッチコック。有名なアクション映画ダイハード、007。

ドキュメンタリー映画のレーサー/光と影から、実写デビルマンまで…見つけた全ての映画を鑑賞してきた。

奏「もしかしたら、私が鑑賞していない映画があるかもしれない」

プロデューサーの自宅には、未知の作品が存在するかもしれないのだ。


奏「未知の可能性を秘めた…そんな場所」


未知の映画を鑑賞したいという衝動に駆られた速水は、日記帳を放り投げ

事務所から走り出し、タクシーをとめて乗り込んだ。


奏「ハァハァ…東京都B区8-492モバ・ハイツまで!!」

タクシー運転手「はい」

奏「映画…映画……映画…」

タクシー運転手「………(こわい)」

速水の去った事務所では……

まゆ「あら?事務所の床にまゆの日記帳が…?しまっておいた筈なのに、おかしいですねぇ…」


ペロッ……

まゆ「まゆの日記帳から……女の味がします」

まゆ「今日…事務所に居たのは…えーっと」


佐久間はスケジュールの書かれたホワイトボードを確認すると

速水奏の文字を見つけ、ほくそ笑んだ。

モバP「フンフンフーン♪良いお天気だ。お日様のお陰で、洗濯物が乾きそう」

奏「プロデューサー、おはよう」

モバP「おや?速水…どうしてここに?どうして私の家に?」

奏「よっこらせっと」

モバP「え?ち、ちょっと…」

奏「お邪魔します」

モバP「ん?んんっ!?ベランダから入るのか?意味がわからないぞ」

奏「それより映画、映画っと」

モバP「電撃的にやって来て、ベランダから家に上がり込むとは……」

奏「さぁ、私の知らない映画。この私に未知の世界を」

モバP「好きな物のことになると話を聞かない。まったく、マニアの悪い癖だ」

奏「新しい世界を開闢してちょうだい」

奏「な…っ!?これは……映画じゃあ……ない」

モバP「残念ながら、君が手にしたDVDは映画ではなく、アダルトビデオと言われるものだ」

モバP「別名をポルノとも言うがね」

奏「何ですって?そんな!そんなぁ………あ、あの日記帳に書かれた内容は……」

奏「ま、まさか…この本棚全てが…エロDVD?」

モバP「ああ、そうだよポルノだよ。正真正銘、全てが卑猥なエロDVD、アダルトビデオだ」

奏「明日○キララ S1ギリモザ……Sports Acky !吉○明歩……くっ!どういうこと!!」

奏「全て、アダルトビデオというの!?」

奏「私の期待が……知らない新しい世界が開闢するはずだったと言うのに……!」

モバP「はぁ…君が何故泣いているのか知らないが」

奏「………」

モバP「君は他人様のコレクションを勝手に物色し、勝手に落胆し」

奏「うっ、うっ……ぐすっ…こんなはずじゃあああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」

モバP「ハラハラと涙まで流して、何をしているのかね」

奏「狂っているわ。ただの狂った変態よ、失望したわ」

モバP「狂っている?変態?速水よ、君はいつから私が正気であると思ったのかね?」

モバ「目に映る者は、名前を知らぬ金髪の少女から、公僕である警察官。喧嘩っ早いヤンキーにまで声をかけ」

モバP「アイドルのオーディション会場で、ギャグ、エスパー、ゾンビの真似事を披露した娘をスカウトした私が…」

モバP「狂っている?何を今更、4年ほど言うのが遅いぞ」

奏「確かにそうね。そう言われれば、変わったアイドルが多いわ……」

モバP「まぁ、いい。せっかく狂った変態のプロデューサーの自宅で、狂った変態コレクションを見つけたのだ」

モバP「堪能していくと良い。どれもおもしろいぞー」

奏「……」

モバP「とってもおもしろいぞ」

奏「…で、でも……その…」

モバP「おや?顔が赤いぞ?震えているようだが、どうした?」

モバP「まるで、初めてステージに立ったアイドルのように怯えているじゃないか」

モバP「これぐらいで震えるなんて、速水よ。君はどこにでも居る、ただの初心な女子高生」

モバP「極々普通の処女で、男の尻を舐めたこともない、背伸びして」

モバP「大人のフリがお上手な素人(アマチュア)だったのかね?」

奏「…くっ……で、でも…」

モバP「”でも”とは速水?」

奏「そ、そういうポルノDVDの視聴は御法度でしょう?プロデューサーとしてマズんじゃないかしら」

モバP「安心したまえよ。誰も君に、男優の性器を口に咥え、性器をしゃぶる女優の作品を見せる心算はない」

モバP「しかし、ポルノDVDの”パッケージ”ならグレーだ」

奏「パッケージ?」

モバP「そうだとも。ポルノDVDのパッケージには”18歳未満の方には不適切な表現内容が含まれています”という警告文が明記されている」

モバP「この警告文を読んだ少年少女達は、ポルノDVDを視聴するかどうか判断する」

モバP「つまり、未成年の少年少女達がパッケージを見る前提になっている」

奏「私もポルノDVDのパッケージを鑑賞するのは問題ない、というわけね」

モバP「そうさ。さぁ、どうする?ポルノDVDのパッケージは、君の目の前にあるぞ」

奏「………」

モバP「キスをするフリは出来ても、ポルノDVDのパッケージに臆したかね?」

奏「………」

モバP「仕方ない。君はクリーンだった。速水はポルノDVDに怯えて緊張するような、純粋な心を持つ清廉な処女」

奏「くっ……」

モバP「大人のフリをした背伸びした小娘。駅前のファーストフード店から郊外のショッピングセンターイオン」

モバP「スタバ、コメダ珈琲、高校の校舎、アイドル事務所、ウサミン星、千葉県、ありとあらゆる場所」

モバP「どこにでも存在する、特にコレと言った希少価値のない、極々普通なお嬢さん」

奏「……ギリッ」

モバP「アッハハッハハハ!アマチュアだった、というわけだ」

奏「いいえ、私は読む!ポルノDVDのパッケージぐらい、何も問題ないわ」

モバP「ハッハハハ!そうかい。それでは私のポルノコレクションを紹介しようか」

奏「何でも持ってくるといいわ」

モバP「さぁ、作品のタイトルを読みたまえ」

奏「……わかったわよ…読めば良いんでしょ」

モバP「いいぞー最高の出し物の開幕だ。心が躍るなぁ、股座がいきり立つなぁ」

奏「まったく、どうしようもない狂人よね」

モバP「君のお陰で、私の体内では成長ホルモンと男性ホルモンが大量に分泌され、アドレナリンもマシマシ、大盤振る舞いだ」

モバP「それでは素敵な出し物。速水奏のポルノDVDパッケージ朗読会の始まり、始まり」

奏「お、お……鬼フェラ地…獄 XXV」

モバP「これはシリーズものなので”XXV”だ。出演は?」

奏「佳○るか 阿部○みく」

モバP「前川みく……を思い浮かべた?」

奏「………ギッ」

モバP「ハッハハ、そう睨むなよお嬢さん。さて、続きは?さぁ、早く読み上げたまえよ」

モバP「卑猥なポルノDVDの表パッケージに書かれた文字を、君のそのクリーンで清廉な処女の口で、音読したらどうだね」

奏「エ、エロフェラリスト……2人が夢の競演で魅せる狂気!」

モバP「ハッハハハ!素晴らしいじゃないか。次は裏パッケージだ」

奏「……あ、あの…もうやめ…」

モバP「やめる?どうした?顔が赤いぞぉ?早く、早く、早く」

奏「くっ…オホン……まるで餌を貪るハイエ…ナ」

奏「可愛い顔して、超一級品のフェラを披露…ッ」

モバP「擬音も省くな。全て読み上げろ、一字一句省くことは許さん」

奏「ジュボボボ」

奏「ジュル……ルジュル」

奏「……ご、っくん」

モバP「ハハハッ!いいぞぉ~アマチュアの割に、順調じゃないか」

奏「極バキューム……でザーメン直吸…い」

奏「本能で肉……棒を…欲する……」

モバP「続きはどうした?文字が見えないのか?日本語が読めないのか?」

モバP「もしかして発音が苦手なのかな?教育が必要かね?」

モバP「それとも、恥ずかしくて読まないのかね?」

奏「そ、そ…そういうわけじゃあ…ないわ」

モバP「マ●コ、だ。マ・ン・コ、マ・ン・コ、マ・ン・コ、マ・ン・コ、マ●コだ。」

奏「…っっく」

モバP「マミムメモのマに、ワヲンのン、カキクケコのコ、だ」

モバP「高校生の速水なら、読めるし、書けるし、発音もできるはすだが…?学校教育の授業を放棄していたのか?」

奏「くっぅ………き、究極の…口マ………コ」

モバP「途切れ途切れで、わからないじゃないか。やれやれ、まったく……最初から読み直してくれたまえ」

奏「ええっ!そんな……もう無理。無理よ……!」

モバP「”本能で~”から。そこから読み直しだ」

奏「くっ!……本能で肉棒をほ、欲する……き、究極の………」

モバP「さぁ言え、言え、言え!」

奏「き…究極……く…くち…」

モバP「イっちゃえ、言っちゃえ!さぁ言ってしまえ!」

奏「究極の口マ●コ!究極の口マ●コ!!」

モバP「ハァッ―――――!言った!イっちゃった!もっとイえよ!言え!イえよおおおお!」

奏「口マ●コ口マ●コ口マ●コ!口マ●コォオオオオオオオオオオオオ!!!」

モバP「速水が言った!イった!遂に言ったぞ!読んでしまった!口に出してしまった――――!」

奏「ハァハァハァ……ぐすっ」

モバP「アハッハハハ!息が切れているじゃないか!」

奏「ぐすっ…ひぐっ……ぐぎぎ………ぃぃい」

モバP「なかなか素晴らしい出来だ。心が躍るエロDVDパッケージ朗読会だったよ」

奏「私がこんな……卑猥な……グスッ……ハァハァ」

モバP「心配するな。君は立派な変態だ、私と同類。狂った変態だよ。どうしようもない、狂った変態さ」

奏「…ハァハァ……わ、私がこんな、こんな…変態じゃあない……!」

モバP「君も私も、同じ狂った変態だ。改めて自己紹介をしようか、お嬢さん」

モバP「私は変態のプロデューサーです。ヨロシク、変態の速水奏さん。変態同士仲良くしましょうね~アッハハハハ」

奏「違う…!違う…わ、私がこんな…こ、こんな……変態なんかじゃあぁ……」

モバP「さぁ、まだ私のコレクションはまだまだまだまだあるが…どうするかね?」

奏「…っ!」

モバP「速水よ、尻尾を巻いて逃げるかね?それもいいだろう」

奏「………」

モバP「三十六計逃げるに如かずという言葉もある。帰りたければ、帰りたまえよ」

奏「………ぐっ」

モバP「アマチュア」

奏「私は……逃げない!私を侮らないで欲しいわ。私は、全てのポルノDVDコレクションを音読し」

奏「この命ある限り、卑猥で下劣なポルノDVDのパッケージを全身全霊で読み尽し」

奏「虱潰しに読み上げ、一字も逃すことなく、丹念に一文字一文字、朗読してみせるわ」

モバP「素晴らしい。それでこそ、私が見出したアイドル!私が認めたアイドル!私と同じ変態だ!」

『話は聞かせてもらいましたよぉ』


モバP「おや~?この声は佐久間か」

奏「この建物の外から、彼女は拡声器を使って話しているようね」

モバP「おや?窓の外に見えるのは戦車じゃないか」

奏「あの戦車はどこかで見たわ。確か…2015年1月までに北米興行成績で2億1700万ドルを記録して」

奏「プライベート・ライアンの2億1650万ドルを超え」

奏「アメリカで公開された戦争映画史上最高の興行収入額になった戦争映画」

奏「アメリカン・スナイパーに登場したM1エイブラムス…ね」

モバP「流石、映画には詳しいなぁ、良いじゃないか速水!素晴らしいぞ!」

奏「褒めても何も出ないわ」

モバP「それにしても佐久間め、とんでもないものを持ち出したな」

奏「逃げましょうプロデューサー!」

『汚されたプロデューサーさんも、プロデューサーさんを汚した奏ちゃんも』


『汚れた卑猥なポルノも、全て全て全て……まゆが焼却します』


ドンッ!!


……

モバP「そんなわけで、狂った佐久間が私の住んでいるアパートを吹き飛ばしたのです」

ちひろ「はぁ…だから、プロデューサーさんが女子寮で暮らすんですか」

モバP「私の引っ越し先が見つかるまでの間だけですよ」

ちひろ「とにかく、女子寮でポルノDVD禁止ですからね」

モバP「ヘッドホンしますから大丈夫ですよ」

ちひろ「ダメです」

モバP「えーそんなぁ……鬼!悪魔!鬼畜!」

おわり

ありがとうございました
速水のステマをしたので、これでデレステの速水SSRは出ますね

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