晶葉「出来たぞ助手。時間を止めるスイッチだ」 (192)

P「な、なんだって!? 時間を止めるスイッチってよく漫画とかアニメとかに出てくる……アレか!?」

晶葉「その通りだ。そのアレだ」

P「具体的に例をあげるなら、ドラ○もんに出てくるタンマウォッチ的な……あれか!?」

晶葉「そうだ。そのあれだ」

P「時間停止系のAVとかに出てくる……あの!?」

晶葉「いや、それは知らんが……というか助手よ。私は大人びてはいるが、まだ14なんだ。その私に対してその例えは……」カァァ

P「すげぇ……すげぇよ晶葉! 天才だな! ジーニアス! 晶葉ちゃんマジジーニアス!」

晶葉「聞け」


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晶葉「まあ、例によってこのスイッチは助手に託す」

晶葉「出来るだけたくさんのアイドルに使って、データを取ってきてくれ」

P「分かった。晶葉がドン引きするくらい使いまくってくる」

晶葉「期待してるぞ」

晶葉「使い方は至って簡単だ。アンテナを対象に向けて、そのボタンを押すだけ。それだけで相手の時間は完全に停止する」

晶葉「もう1度相手に向かって押すか、10分ほど経つと時間停止は解除される」

P「しかしボタンを押すだけで時間を止めるなんて……どんな仕組みなんだ?」

晶葉「ふむ。簡単に説明すると、そのスイッチは空間内に満ちるタキオン粒子を観測し同時に収集することができる。収集したタキオン粒子はを仮想的にだが――」

P「聞いておいてなんだが、全然分かる気がしねぇ! ヒャア我慢できねえ! 限界だ押すね!」ポチリ

晶葉「こら、まだ説明の途中――」

シュイィィィィィン

晶葉「――」

P「晶葉が俺に手を伸ばした状態で止まった……」

晶葉「――」

P「ほ、本当に止まってるのか? おーい晶葉ー」フリフリ

P「瞬きもしない……」

P「ちっぱい眼鏡ツインテール白衣ロリサイエンティスト……」ボソ

晶葉「――」

P「普段だったら明らかに健康を害しそうな光線銃を向けてくるような悪口に対しても……不動!」

P「ほ、本物だ! この時間停止スイッチは……本物だッ」ニヤリ

P「と、ということは……今なら何をしてもバレないってことか」

P「……ククク……フフフフ」

晶葉「――」

晶葉(ふむ、躊躇なく私に対してもスイッチを押したな)

晶葉(流石は助手というべきか)

晶葉(ちなみに助手に渡したスイッチは何の変哲もないただのスイッチだ。当然のことながら、時間を止めることなんてできない)

晶葉(私は今、時間を止められたかのように演技をしている)

晶葉(まさかアイドルとして培ってきた演技力が、こんな場面で役立つとはな)

晶葉(さて、騙されたれてくれた助手には悪いが……実験台になってもらう)

晶葉(人は相手が無防備かつ、何をしても記憶に残らない状態になった時、どんなリアクションを起こすのか)

晶葉(実に興味深い実験だ)

晶葉(今後の実験にも大いに役立つだろうデータを期待している)

晶葉(……)

晶葉(まあ、実験云々はあくまで私の目的だ。もう一つの目的は他のアイドル達に希望を叶えること)

晶葉(何故だか分からんが、私の元に『プロデューサーが全くセクハラをしてくれない。何とかしてくれ』という要望が多々届いている)

晶葉(私を一体何だと思っているか色々と問い質したいところだが……まあ、アイドルのモチベーション向上に繋がるのなら、別に構わないだろう)

晶葉(それに私も……ほんの少しだが、どんなセクハラをされるか……気になる部分もある)

晶葉(さて助手よ。キミは無防備な私に何をするつもりだ?)

P「……」ゴクリ

P「くそ、ふざけんなよ晶葉……こんなの我慢できるわけないだろうが!」

P「今までお前を前にしても、必死でこの欲望を抑え付けてきたのに……」ギリギリ

P「俺の目の前でこんな風に無防備な姿を晒しやがって……!」

P「はぁ……はぁ……晶葉……お前が悪いんだぞ……」ツカツカ

晶葉(じょ、助手のこんな顔、初めて見たぞ)

晶葉(わ、私はそんなにも助手を我慢させていたのか……?)

晶葉(い、一体何をされるんだ?)ドキドキ

P「晶葉ァ!」バサッ

晶葉(白衣を脱がされた!?)

晶葉(マ、マズイぞ! 助手のこの様子と白衣を脱がしたということ……ま、まさか私を!?)

晶葉(せいぜい軽いセクハラくらいだと思っていたが、これは想定外だ!)ドキドキ

晶葉(い、今なら冗談だったと無かったことにできる……!)

P「あきは……あきは……」ハァハァ

晶葉(……)

晶葉(し、仕方が無い! 私も科学者の端くれだ! 科学の為に体を差し出す覚悟はできている!)

晶葉(さあ、助手よ! 来い!)

晶葉(ただ、できれば……その……優しくして欲しい)モジモジ

P「これも必要ない」スッ

晶葉(あっ……眼鏡が)

P「これもな」パチン

晶葉(髪留めが……)ファサ

P「さて。行くぞ晶葉」

晶葉(か、科学万歳……!)

パシャッ

晶葉(ん?)

パシャッ
パシャッツパシャッ

晶葉(何故……写真を撮るのだ助手よ?)

晶葉(それともよく分からないが、行為の及ぶ前に写真を撮る趣味でもあるのか……?)

P「いい。やっぱりいい」

P「俺の思った通りだ。いつもの眼鏡ツインテール白衣もいいけど……眼鏡無しのストレートヘアー正統派美少女晶葉もいい!」

P「いやぁ、時間停止スイッチ様様だな。普段だったら、眼鏡外してストレートヘアーにしてくれ、なんてとても頼めないしな」

P「この機に撮れるだけ撮っとかないと」

パシャッ
パシャパシャッ

晶葉(……)

晶葉(……)カァァ

P「ふぅ。満足した」

P「さてと。髪型を戻して、眼鏡を付けて白衣を着せて……と」

P「じゃ、お疲れ晶葉。次行ってくるわ」スタスタスタ

晶葉(……)

晶葉「……ふっ」

晶葉「想像していたのと少し違ったが……少し! ほんの少し違ったが!」カァァ

晶葉「……こほん。まあ、アレだ。助手がちゃんとスイッチを使用することも分かったし、内に秘めた欲望を発露させるのも確認できた」

晶葉「後は全アイドルにメールをして、と」メルメル

晶葉「私は部屋に帰って、助手がデータを持ち帰るまで待つだけ、と」

晶葉「……」

晶葉「たまにストレートヘアーにするのもいいかもしれんな」

晶葉「コンタクトレンズの購入も検討しておくか……」

晶葉「……まあ、気が向いたらだが」

こんな感じでアイドル達にセクハラしていく感じです。
安価はありません。

P「おっ、あそこにいるのは」

雪美「……」トテトテ

P「おーい雪美!」

雪美「……っ! P……見つけた……」テッテッテ

P「見つけたって、俺を探してたのか?」

雪美「……うん。早くPに……セク……」

P「セク?」

雪美「……間違えた。何でもない……」

ペロ「ミャア」

P「おっ、ペロも一緒か」

P「さて、雪美。最初に謝っておく。すまん」スッ

雪美「なに……それ……? スイッチ……? よくわからないけど……いいよ? Pの……好きにして……」

P「ちょっとした罪悪感はあるが……押す!」ポチ

シュイィィィィン

雪見「――」

ペロ「――」

P「雪美、そしてペロ……お前達の時間は止まった」

P「正直もう我慢の限界だったんだ」

P「いつもいつも無防備に俺の膝に乗ってきて……俺が自制心を保つのがどれだけ辛かったのか分かるか?」

雪美(ごめんね……P……でも、今なら好きにしてもいいから……)

P「今なら何をしても絶対にばれない。社会的制裁を恐れる必要もない」ジリジリ

P「すまない雪美……本当にすまない……駄目な大人ですまない」

P「もうこの欲望を抑えることはできないんだ」

雪美(うれしい……Pが私のことを……そんな風に思っててくれて……すごくうれしい)

雪美(私も……ずっとPと……深く繋がりたかったから……やっと……これで……)

P「はぁ……はぁ……」

P「お前を抱きしめて、その艶やかな毛並みを……思う存分撫で回してやるよ……」

P「いやだって言っても、絶対に離さないからな……」

雪美(うん……きて……P……)ドキドキ

P「うおおおお!」ガバァッ

雪美(来た……♪)

P「ペロ! ペロオオオオオ!」ガシッ

ペロ「!?」

P「クソ! 相変わらずいい毛並みだなおい! 撫でまくってやる! オラオラ!」ナデナデ

ペロ「――」

P「オラ喉出せ! こうか!? これがいいのか!?」クシクシ

ペロ「――」

P「よっしゃ真正面から見つめてやる! 普段だったら逃げちゃうからな! 嫌ってほど見つめてやる!」ジー

ペロ「――」

P「ああ、もうカワイイな! キスしてやる!」チュッチュ

ペロ「――」

P「……ふぅ」

P「いやぁ、堪能したなぁ……堪能したなぁ!」

P「すまんな雪美。ペロにこんな事しちゃって。もっとも時間の止まっている雪美には見えもせず聞こえもしないだろうがな」

P「じゃあ俺は行くよ」スタスタスタ



雪美「……」

ペロ「……フミャァ」グッタリ

雪美「ペロ」

ペロ「……ミャ?」

雪美「正座」

ペロ「!?」

雪美「正座……して……」

ペロ「……ミャ、ミャア」セイザ

雪美「ペロ……私……怒ってる……どうしてか……分かる?」

ペロ「ミャ、ミャア?」フルフル

雪美「ペロ……いっぱい……Pに可愛がってもらった……ずるい……ご主人様を差しておいて……」

ペロ「ミャア……」

雪美「今日……勝負下着……履いてきたのに…………恥ずかしいの我慢して……履いてきたのに……」

ペロ「はぁ……」

雪美「……」

雪美「……あ」ピコーン

雪美「ペロ……Pに……いっぱいキスされてた……」

雪美「ペロが……キスされた所に……私がキスしたら……Pとキスしたことに……なる……?」

ペロ「!?」

雪美「ペロ……動かないで……ね」ジリジリ

ペロ「……ミャア」ガクリ

乃々(どうも、もりくぼです……。例によって机の下から失礼します)

乃々(どうしてもりくぼが机の下にいるか、それは……い、いや、いつもの事なんですけど、今日に限っては少し理由が違うんですけど……)

乃々(今日は隠れているんです……プロデューサーさんから)

乃々(ついさっき、もりくぼのスマホに一通のメールが届きました。晶葉さんからです)

乃々(内容は『諸君、時は来た』ただそれだけでした)

乃々(ちょっと意味が分からなかったんですけど……)

乃々(お隣のキノコさんが事情を知っているらしく、同じメールを受けてハイテンションで今にもシャウトしそうでした)

乃々(キノコさんが騒がしくなる前に、詳しいお話を聞いてみると……)

乃々(プロデューサーさんにセクハラされたいアイドルの希望を叶える為の作戦が始まったとか……)

乃々(あ、あの皆さん。もりくぼに言われたくないとは思うんですけど……アイドルとしての自覚はあるんですか?)

乃々(セクハラされたいって……間違ってもアイドルが思っちゃいけないと思うんですけど)

乃々(もりくぼは当然、いぢめられるのもセクハラされるのも嫌なので……)

乃々(相手がプロデューサーさんだったとしても)

乃々(……)

乃々(嫌なことには違いないので。こうやってプロデューサーさんに遭遇しないように、隠れているんです)

乃々(説明は終わりなんですけど……)

乃々(もりくぼは頑張って隠れていました)

乃々(そのはずなんですけど……)

P「ヒアーズノーノー!」ニョキリ

P「見つけたぞ森久保ォ!」

乃々「ひぃ!?」

乃々「み、見つかっちゃったんですけど……!?」ガタガタ

乃々(大変です。もりくぼの完璧だったはずのステルスが破られてしまいました)

乃々(このままでは他の皆さんと同じく、セクハラされちゃうんですけど……)

乃々(……あ、でも、もしかしたら他の用事かもしれません)

乃々(急に入ったお仕事の話とか。もりくぼ、今日はお休みですけど、今日に限っては喜んでお仕事させてもらうんですけど)

乃々「プ、プロデューサーさん……そ、その……もりくぼに何か用事ですか?」ビクビク

P「ん? 実は相手の時間を止めるスイッチがゲフンゲフン。早速乃々を捕まえてゲフンゲフン。これを使えばついに乃々のアレをゲフンゲフン」

乃々「……」

P「……」

P「いや、まあ……ちょっとな」テヘ

乃々(セクハラする気満々なんですけど!?)

乃々(に、逃げなきゃ……!)

乃々「プ、プロデューサーさん。もりくぼ今日はこれから塾があるので……」

P「今日は休め」

乃々「う、うぅ……」ナミダメ

P「悪いが乃々よ。逃がすわけにはいかない。といっても、出口を俺が塞いでるから、どうやっても逃げられんけどな!

P「残 念 だ っ た な」

P「今のお前は袋の鼠……いや、袋の子リスか……ククク」

乃々「ぜ、全然上手くないんですけど……」

P「ええい黙れ! 泣け、喚け、そして止まれぃ!」ポチ

シュイィィィィィン

乃々「――」

P「この瞬間、森久保の時は静止した」

P「ふふふ……上手く行ったぞ。これで今まで出来なかったアレが……ふふふ……」

乃々(う、うぅ……思わず時間が止まった演技をしちゃったんですけど……)

乃々(あんな期待の眼差しでスイッチを押されたら、アイドルとしての本能で期待に応えないといけない気がして……)

乃々(もりくぼの馬鹿……)

乃々(こ、このままじゃ、もりくぼもプロデューサーさんのセクハラの餌食になってしまいます……!)

乃々(なんとかしてこの窮地を乗り越えないと……! プロデューサーさんにセクハラされるなんて絶対に嫌なんですけど……!)

?『――本当にそうなんですか?』

乃々(だ、誰です……!?)

?『ふふふ……』

乃々?『あたしなんですけど』

乃々(も、もりくぼがもう1人!?)

乃々?『あたしはあなたの内に秘められた本音が具現化した存在なんですけど』

乃々?『普段あなたが隠し通してる闇の部分があたしです。もう1人の自分的なアレです。呼ぶならそう……もりくろとでも呼んで欲しいんですけど』

乃々(なんか変なのが出てきたんですけど……)

もりくろ『ふふふ……。あなたはセクハラをされたくない、そう言いましたね?』

乃々(い、言いましたけど……?)

もりくろ『それ、嘘だと思うんですけど』

乃々(う、嘘じゃないんですけど?)

もりくろ『だったら、どうしてメールが来てからすぐにおウチに帰らなかったんですか? さっさと帰ればよかったんです』

乃々(そ、それは……その……)

もりくろ『それに隠れる場所にしたってそうです。いつももりくぼが隠れる場所。こんな所にいたら、見つけてくれって言ってるようなものです』

乃々(いや、その……うぅ……)

もりくろ『入り口のコート掛けにいつも着てるダッフルコートを掛けてますし』

もりくろ『机の上には鞄も置いてます』

もりくろ『机のすぐ近くに靴を片方置いて』

もりくろ『見つけてくれってアピールが見え見えなんですけど……』

乃々(うぅ……)

もりくろ『大体、メールが来てすぐに可愛い服に着替えるとか準備万端……』

乃々(いぢめですかっ!? 何ゆえ、もりくぼは自分にいぢめられないといけないんですか!?)ナミダメ

もりくろ『ただ素直になって欲しいだけなんですけど?』

もりくろ『自分もプロデューサーにセクハラされたい、むっつりアイドルだってことを認めて欲しいだけなんですけど』

乃々(それを認めるのは人としてかなりどうかと思うんですけど……)

もりくろ『まだ認めないんですか。なら認めるまで、追い詰めるつもりですけど』

もりくろ『メールが来てから、これ幸いと昨日勝ったばっかりの勝負下――』

乃々(認めるんですけど! もりくぼはプロデューサーさんにセクハラされたいむっつりアイドルってことを認めます!)

もりくろ『最初からそう言えばよかったんですけど』

乃々(うぅ……いぢめです。いぢめ以外の何物でもないですこれ。しかも誰にも相談できないタイプのいぢめです……)

もりくろ『じゃあ、もりくろはもう行きます。素直になったあなたには、もうもりくろは必要ないですから。安心して、心の中に帰れます』

もりくろ『心の中からあなたの幸せを願ってるんですけど』ニコリ

乃々(いい話風にオチをつけようと思っても無駄なんですけど。二度ともりくぼの前に出てこないで欲しいんですけど)

もりくろ『さ、よ、な、ら……』

乃々(自分の心の奥にあんなのがいるなんて思いたくないんですけど……)

P「ハァ……ハァ……無防備な乃々が目の前に……」

乃々(うぅ……凄いギラついた目なんですけど……)

乃々(もりくぼは一体何をされるんでしょうか……)

乃々(もりくぼ胸も小さいし、出るところ出てないし、触っても楽しくないと思うんですけど)

乃々(こんなのでいいなら、別に好きにしてもらってもいいんですけど……)

P「乃々……ごめんな……もう、俺我慢できないんだ」

P「乃々。乃々の大切な場所に入らせてもらうよ」

乃々(思っていた以上にハードなんですけど!? た、大切な場所に入るって……言い回しが少女の漫画のそれですけど、完全にアレなんですけど!?)

乃々(もりくぼの純潔が散らされちゃうんですけど!?)

乃々(も、もりくぼ、まだ14歳なのに……いくら何でも早すぎるんですけどっ)

乃々(こんな誰も居ない事務所でアイドルなのに無理やりされちゃうなんて、絶対にむーりぃ……)

乃々(断固むーりぃー)

乃々(……)

乃々(……うぅ、正直エッチめな少女漫画の展開みたいで、ちょっとイイなって思ってしまったもりくぼ自身がむーりぃー)カァァ

P「じゃ、行くぞ乃々」スッ

乃々(あっ……お姫様抱っこ)

P「膝抱えてる状態で止まってるから、抱えやすいな」スタスタ、ポスン

乃々(ソファに座らされたんですけど。うぅ……事務所のソファでとか……むーりぃー……)

乃々(……ちょっとだけ、あーりぃー……かも)

P「よし、乃々。今からお前の大切な場所に入らせてもらうな。出来るだけ優しくするから」

乃々(……つ、ついにもりくぼは……大人になってしまうんですね……)

乃々(優しくなくても、少しくらい乱暴でも痛くしてもいいので……)

乃々(これからずっと、もりくぼの側にいてくれたら……それだけでいいんですけど)

P「行くぞ乃々!」

乃々(……っ)

P「くっ……! やっぱり想像してた通り……狭い!」

P「すまん乃々。ちょっと強引に行くぞ……! ぐっ……入った! 入ったぞ乃々!」

P「一旦中に入ってしまえば……よし、後はスムーズに全部入った」

P「……ふぅ、中は結構広いんだな」

P「それに……不思議と落ち着く。思っていた通りだ……乃々と大切な場所は俺にとっても快適だ」

乃々「――」

乃々「――」

乃々(今、もりくぼの目の前で、プロデューサーさんが息を荒げながら、もりくぼの大切な場所に入っています)

乃々(それはそれはとても幸せそうな顔で)

乃々(もりくぼの大切な場所――机の下に潜り込んでいます)

乃々(……)

P「いやぁ、乃々がすっごい居心地よさそうにしてたから、俺もずっと入りたかったんだよな」

P「乃々はずっと潜り込んでるから、入りたくても入れないし。夢が叶ったよ。時間停止スイッチ様様だな」

P「それにしても落ち着くわ。こりゃ乃々が夢中になるわけだ」

P「ん? 引き出しの裏に何か貼り付けられてるな……」

乃々(ちょ、ちょっとそれは駄目なんですけど!?)

P「これは……ポエムノートか。どれどれ……『恋。それはきっといくら舐めても溶けない飴玉みたいだと思うんですけど――もりくぼ』。乃々のノートか」

乃々(あぁぁぁぁぁ!? )

P「ふむふむ。他にもあるな、どれどれ――」

乃々(あああ……あぁぁ……な、なんですかこれ。何のいぢめですか?)

乃々(大人になる覚悟を決めたと思ったら勘違いで大恥かいて、しかも自分が作ったポエムを目の前で朗読される……それに対してノーリアクションを貫かなきゃいけない……)

乃々(地獄ですか? 地獄はここにあったんですか?)

乃々(もりくぼ、辱められてしまいました……もういっそ殺して欲しいんですけど……)

乃々(うぅ……おウチに帰りたいんですけど……)

もりくろ『でも正直、いぢめられるの結構好きですよね?』

乃々(出てこないで欲しいって言ったんですけど!?)



森久保乃々編 おしまい

P「いや、しかし机の下は落ち着くなぁ」ダラダラ

P「おっ、漫画もあるじゃないか。少女漫画か……乃々のだな」ペラペラ

P「へー、ほー……最近の少女漫画ってかなり過激なんだな」ペラリ

P「おいおい……ちょっと過激過ぎやしませんかね」ペラペラ

P「そしてその過激なページに折り目が。乃々め……色を知る年齢かッ!」

P「……ちょっと喉が渇いたな。お、こんな所に飲みかけのヤクルトが……いただきまーす」グビグビ

P「美味い! やっぱ定期的に乳酸菌取っとかないとな!」

P「……おいおいおい」

P「今気づいたけど、この机の下とソファと向かい合ってるから……ソファに座ってる人のパンツ見放題じゃないか……」

P「乃々が膝抱えて座ってるから、丸見えだな……」

P「漫画もある、飲み物もあって、パンチラスポットも完備してる」

P「理想郷だ……アヴァロンはここにあったんだ……!」

ガタガタッ

輝子「フ、フヒヒ……ボノノさん、きょ、今日は随分とお喋りだな……」ズルズル

輝子「それに……な、何だかちょっと見ない内に体が大きくなったな」

P「む、輝子か」

輝子「こ、声も何だか……親友の声とそっくりに……」

輝子「……フヒ?」

P「やあ輝子。乃々なら留守だ。用件なら俺が代わりに承るぞ?」

輝子「ど、どうしてプロデューサーがここに……?」

輝子「え、えっと……えっと……」オロオロ

輝子「と、とりあえず……ヒィヤッハァ――」

P「シャウトなどさせるものか」ポチ

シュイィィィン

P「時は止まった――俺だけの時間だぜ」

輝子(……こ、これでいいのかな?)ピタァ

輝子(う、上手く演技出来てるかな……?)

輝子(こ、こうしていれば……親友にセクハラされるんだよな……フヒヒ)

輝子(それにしてもビックリした……。ちょっとフレンズの様子を見てから、親友を探しに行こうと思ってたら……まさか親友の方から私の方に来るなんて……)

輝子(フ、フヒヒ……さ、流石親友。私と親友はふ、深いところで繋がってるな……)

輝子(親友のセクハラ、た、楽しみだ……)

輝子(なにされるか分からんけど……し、しっかり準備はしたぞ)フンス

輝子(ちょうどボノノさん達と昨日買いに行った下着も着けて来たし……む、剥かれても……大丈夫、フヒヒ)

輝子(漫画とかでも親友同士は胸触りあったり、下着見せ合ったりしてるから……お、おかしいことじゃない、フ、フヒヒ……)

輝子(きっと、もっと親友同士の絆が深まって……仲良くなれるはず)

輝子(た、楽しみだ……)ドキドキ

P「……」

P「反射的にスイッチ押してしまったけど……どうしようか」

P「別に、時間を止めてまで輝子にやりたいこととかないんだよな……」

輝子(え……そ、そうなのか? ざ、残念だ……)

輝子(で、でもこうやって暗くてジメジメした狭い場所で、親友と顔を突き合わせるのも……楽しい……フヒヒ)

P「ふむ」ジー

P「しかし改めてみると……やっぱ美少女だよなぁ」

輝子(フヒッ!?)ドキーン

P「いや、アイドルだから当然なんだけどな。でも、容姿の可愛さだけで言ったら……アイドルの中でもかなり上位に入るよな」

P「見た目だけで言ったら、透明感のある儚い美少女って感じだし」

P「肌も白くて……凄いしっとりしてるな」プニ

輝子(ほ、ほっぺたを触られた……フ、フヒヒ、親友の手、あったかい……)

P「凄い潤いある肌だな。あれか? いつも暗くてジメジメした場所にいるからか?」

P「もしかしたら、この机の下は肌がしっとりする特殊な環境下にあるのかもしれないな」

P「キノコスキンケア……か」

P「菜々や川島さんに教えて……いや、やめとこう。連中がこぞって机の下に潜りこむ光景は幾らなんでもシュール過ぎる」

輝子(そ、そうして欲しい。最近は唯でさえ住人が増えてきたから……ぞ、増築もそろそろ限界だし、そろそろちひろさんの机まで開通しそうだからな……)


P「髪も……艶があって、普通に手入れされてるな」サラァ

P「無頓着に見えるけど、ちゃんとやってるみたいだな」

輝子(フ、フヒヒ……親友に『女の子だしせっかく綺麗な髪なんだから』って言われたからな……頑張ってやってるぞ。ほ、褒めてもいいぞ……)

P「ただなぁ」

P「この辺はちょっと成長不良だな」フニ

輝子(うひっ!? い、いま私の胸、さ、触った……?)

P「やっぱアレか。あんまり日の光を浴びてないからか? 15歳にしては小柄過ぎるしなぁ、これはこれでいいんだけど、ちょっと心配になる」フニフニ

輝子(さ、触られてる……触られちゃってるぞ……! フ、フヒヒ……!)

輝子(セ、セクハラ……親友からのセクハラ……た、楽しい……!)

輝子(思っていた以上に、ド、ドキドキするな……)

輝子(そ、それに何だか……さ、触られたところが熱くなってきた。い、今にも叫びだしたい……! で、でも今の状態じゃ叫べない……ジ、ジレンマだ)

P「うーん」フニフニ

P「この間身体測定したのって3ヵ月前くらいだよな?」

P「成長期だし、全く成長してなかったら、ちょっと生活環境を変えるように勧めるべきだな」

P「いい機会だ。輝子の時間も止まってるし――直接身体測定するか」

輝子(フヒ? え、えっと……よく分からんけど……お、お願いします、はい)

輝子(親友になら……何されても、いいぞ……フヒヒ)




この後、滅茶苦茶身体測定した。

身体測定終了

P「ふむふむ……なるほど。やっぱり成長期なんだな。前回の測定からしっかりと成長してる」

輝子(フヒ、フヒヒ……い、いっぱいセクハラされた……。た、楽しかった……えへへ)

P「まあ、たまにはお日様に当たれよ。そのウチ、体からキノコが生えても知らないぞ」ポンポン

輝子(体にキノコ……そ、それはそれで……いいかもしれない)

輝子(ても……うん。プロデューサーが言うなら、そうする。あ、あんまり日差しに当たるのは好きじゃないけど、ちょっと頑張る)

P「さて、机の下も堪能したし、そろそろ行くか」ゴソゴソ

乃々「――」

P「じゃあな乃々も。あと正直、その下着は……いや、何も言うまい」ツカツカ

ガチャン

輝子「――」

輝子「ふ、ふぅ……ずっと動かないのも、結構疲れるな……」モソモソ

輝子「頑張って汗止めてたけど……気が抜けた瞬間にたっぷり出てきた……フヒヒ」ダラダラ

輝子「汗とかで体中がびしょびしょだ。フ、フヒヒ……こ、このままじゃ本当にキノコが生えるかもしれんな」モソモソ

ジー……

輝子「フ、フヒ?」

乃々「……」ジー

輝子「あ、ボノノさん……さ、さっきぶりだな」

乃々「随分と楽しそうでしたね?」ジトー

輝子「え? ああ、うん。親友にいっぱい触られてしまった……フヒヒ」ニヤニヤ

乃々「知ってるんですけど。もりくぼソファの上から動けなかったので、正面から嫌でも目に入ってきたんですけど」

輝子「お、おう……」

乃々「目の前のイチャイチャしてるる光景から、目を逸らすこともできずにただジッと見続けることしかできなかったんですけど」

乃々「これはあれですか? 新手の拷問ですか?」

乃々「よかったですねキノコさん。プロデューサーさんにいっぱいセクハラされて。まさかあんな所をあんな風にするなんて、もりくぼ思いもしなかったですけど」

乃々「多分、この目撃証言を然るべき所で告発すれば、プロデューサーさん、30年は臭いご飯食べることになると思うんですけど」

乃々「……まあ、しないですけど」

輝子(気のせいかな? な、なんだかボノノさんが黒いオーラを纏ってる気がする)

乃々「キノコさんはいいですね。もりくぼなんか、心地のいい机の下から引きずり出されたあげくに、自作のポエムを朗読されただけなんですけど」

乃々「その後は、ひたすら他人にセクハラされる様子を見せ付けられる」

乃々「ふふふ……地獄です。この世はやっぱりぢごくなんですけど」

輝子「ど、どんまい……でいいのかな?」

乃々「……」ジー

輝子「な、なんだ?」

乃々「もりくぼ思ったんですけど……」

乃々「キノコさんはプロデューサーさんにいっぱい身体測定して貰ったんですよね」

乃々「逆に考えれば、もりくぼはキノコさんに身体測定すれば、間接的にもりくぼがプロデューサーさんに身体測定して貰ったことになると思うんですけど」

輝子「……え、ご、ごめん。ちょっと意味が分からないな……フヒヒ」アトズサリ

乃々「絶対そうです。そうに違いないんですけど。キノコさん、逃げようとしないで、ちょっとそこに正座して欲しいんですけど」

輝子「え、えっと……ちょっとキノコの様子を見に行きたい……」

乃々「正座、して、欲しいんですけど」

輝子「……はい」

乃々「ふふふ……それでいいんですけど。じゃあちょっとの間大人しくしてくださいね」

乃々「すぐに済むんですけど……」ワキワキ


フヒー!
ウゴカナイデホシインデスケド!

もりくろ『……』

もりくろ『ふふふ……それでいい。それでいいんですよ』

もりくろ『欲望に素直になるといいんですけど』

もりくろ『純粋な欲望は人を成長させます』

もりくろ『いつの日か、プロデューサーさんを手に入れることも……ふふふ』

ガチャ

幸子「フフーン! 何だかここにプロデューサーさんがいるような気がしますよ!」

幸子「ボクの可愛いセンサーがビンビン反応してますね」

幸子「ん?」


乃々「じっとしていて下さい。天井の染みでも数えてれば、すぐに終わると思うんですけど!」ジアバタ

輝子「だ、誰か助け……むぐっ」ジタバタ

乃々「これでも咥えて静かにして欲しいんですけど!」

輝子「ムグー!? むぐふむぅぅぅぅぐ!?」


幸子「え……なにこれ」



星輝子編 おしまい

みく「……むぅ」ピコピコ

みく「こっち……じゃないにゃ」ピコピコ

みく「ということは、こっち?」ピコピコ

みく「……っ!」ピコーン

みく「こっちにゃ! みくの猫耳センサーがビンビン反応してるにゃ!」ダダッ

P「ん? 誰か走ってくるな」

みく「Pチャーン! 見つけたにゃー!」タッタッタ

P「お、みく」ポチッ

みく「え、ちょ――」

シュイィィィィィン

みく「――」ピタァ

みく(え? 酷くない?)

P「よしよし、いい所に来てくれたなみくよ」

P「ふふふ……飛んで火に入る夏の猫とはまさにこのことだな……」

みく(よ、よく分かんないけど……Pチャンもみくを探してたみたいだにゃ)

P「今までずっと我慢してたからな……」

P「みくの時間が止まっている間に、目一杯積もり積もった欲望を発散させてもらうぜ」

みく(な、なにをされるのかにゃ……?)ドキドキ

みく(でもヘタレのPチャンの事だから、どうせ大したことはされないにゃ)

みく(みく的には色々してくれても構わないんだけど……)

P「では早速」スッ

みく(Pチャンがみくの後ろに回りこんだにゃ)

みく(一体なにを――にゃっ!?)ビクッ

みく(い、いいい今……Pチャン、みくのお尻に触ったにゃ!)

P「どれどれ……ほうほう、こうなってるのか」サワサワ

みく(ガッツリにゃ! 思ってた以上にガッツリ触ってきてるにゃ!?)

みく(まさかPチャンがこんなにガツガツセクハラしてくるなんて……)

みく(溜まってるってやつなのかにゃ?)

みく(そうだよね。Pチャンも男の人なんだし……しょうがないにゃあ)

みく(いいよ。みくが好きなだけ付き合ってあげるにゃ!)

みく(その代わり、他の子にこんなことしちゃ駄目だよ?)

みく(て言っても、こんな事されても許しちゃう女の子はみくくらいだと思うけどにゃ……えへへ)

P「よし、次だ」スタスタ

みく(あれ? もういいの?)

みく(今度はみくの正面に来て……ああ、そういうこと。もー、仕方ないにゃあ)

みく(Pチャンってばエッチなんだから……にゃふふ)

P「では失礼してっと」スポッ

みく(……あれ?)

みく(ど、どうしてみくの猫耳を取るの?)

P「よし、猫耳ゲット! そしてさっき外した猫尻尾を持って、と」

みく(今気づいたけど、Pチャン、みくの猫尻尾も持ってるにゃ)

前川さん(え……みくの猫耳と尻尾外して何がしたいのPチャン?)

P「……」

P「……よし」

P「行くぞ!」ザッ

スポッ
スチャッ

P「――はぁぁぁぁ……装着完了」

みく「――」

みく(え……意味分かんない。何でみくの猫耳と尻尾付けてるの?)

P「後はスーツを脱いで、と」ゴソゴソ

みく(え、ええええ!? ここで脱ぐの!? ちょ、ちょっと待ってにゃ!? つまりそういうこと!? 今からみく、猫耳と猫尻尾を付けたPチャンに襲われるの!?)

みく(シチュが特殊すぎるにゃ!?)

みく(あ、あれ……スーツの下から出てきたのって……アレ、みく達のライブの衣装?)

P「……ふぅ」

みく(猫耳と猫尻尾付けたPチャンが衣装を着てみくの目の前に……)

みく(え、なんなんこれ?)

P「最後に菜々さんから借りたラジカセをセットして、と」ガタッ

P「……」

P「いける……俺ならいける……」

P「……」

P「――前川みくの気持ちになるですよ」ボソッ

みく(今何て?)

P「行ける!」ポチッ

P「――」ポーズ

ラジカセ<ココニアルー キットコノオモイーガマホウー

みく(ラジカセからM@GICが流れてきたにゃ)

ラジカセ<キボウガミライヲヒライテクー

P「……っ」バッ

P「……ふっ」ババッ

みく(音楽に合わせて踊り始めた……)

みく(しかも……上手っ! 完コピにゃ! 気持ち悪っ!)

みく(あ、あれ……この立ち回りと、微妙に変わった振り付け……)

P「ここっ……!」ニャンッ

みく(みくの振り付けだこれー!?)

みく(なんなん……いや、にゃんにゃんこれ?)

みく(みくは一体何を見せられてるの?)

みく(新手の拷問?)


■■■


P「――」ババッ

P「……ふぅ」

みく(け、結局最後まで踊りきったにゃ……)

P「できた……のか? 俺はやり終えたのだろうか……」

みく(Pチャンは一体何がしたかったのにゃ……全然意味が分からんにゃ)

P「みく」ツカツカ

P「俺はあの輝くステージで踊るお前を見て思ったんだ」

P「この子の輝きをいつも側で見ていたいって」

P「叶うなら、彼女が輝くステージを下りるその時まで、寄り添い続けたいって」

みく(Pチャン……)

P「そしていつの日か、みくの目の前でみくに成りきって踊りたいって」

みく(ごめん、何言ってるか分からんにゃ)

P「その夢が叶ったよ。ありがとうみく」

みく(お礼を言われる意味も分からんにゃ)

みく(でも……)

みく(Pチャンのやりたかったことは一切理解できなかったけど)

みく(ダンスは完璧だったにゃ。振り付けも表情も、猫耳系アイドルっぽさも……完璧だったにゃ)

みく(あんなの普通じゃないにゃ。みくの事を一生懸命に観察して、ずっとみくの事だけを考えていないとできないにゃ)

みく(……)

みく(みくの事だけ……えへへ)

P「さて」

P「踊りきって満足したことだし……」

みく(ん?)

P「次はAsterisk行くか」

みく(え……ま、まだ続くの!?)

P「大丈夫。いつかこんな日が来ると思って、しっかり練習してたし」

P「ライブ前の小芝居も完コピしてる」

P「李衣菜とみく、2人の掛け合いも再現できる自信はある」

みく(い、嫌だ……)

みく(こ、これ以上は心が持たないにゃ……)

P「だから……最後まで付き合ってくれよ、みく」

みく(あ、あああ……)

みく(だ、誰か……助けて……)



前川みく編 おしまい

幸子「むむむむーん……ボクのカワイイレーダーによれば、この辺りにプロデューサーがいるはずです!」ミョインミョイン

P「……」ツカツカ

幸子「あ、見つけましたよプロデューサーさん! カワイイボクが来ましたよ! さあ普段ボクにできない事や言えないことをやれるチャンス到来ですよ!」タッタッタ

P(ん? 誰かが走ってくるな。アレは……幸子か)

P(おや……幸子の進行上にあるのは……バナナの皮か?)

P(マズイ! 幸子にバナナの皮はマズイ!)

P「幸子! 危ない!」

幸子「はい? 何ですかプロデューサーさん、聞こえないです――よぉ!?」ツルーン

P(ああ……当然のようにバナナの足を踏んで足を滑らせた……)

P(いや、見ている場合じゃない。このままじゃカワイイ幸子の頭にカワイイたんこぶが出来てしまう!)

P(だが助けようにも距離が――そうだ!)

P「止まれぇぇぇぇぇぇ!」ポチッ

幸子「えっ――」

シュイィィィィン

幸子「――」

P「成功だ。マトリックスの例のポーズの様な体勢で幸子の時間は静止した」

P「やったぜ」

幸子(な、なんてタイミングでボタンを押すんですか!?)

幸子(なんとか足を滑らせて転ぶ寸前のポーズで無理やり体を固定しましたけど……)

幸子(ハンパじゃなく辛いんですけど!?)

幸子(自分でもこの体勢を何故維持できてるか不思議でしょうがないです!)

幸子(それはそれとして、こんなポーズで固まっていてもやっぱりボクはカワイイですね!)フフーン

P「しかし幸子……足を滑らせて転ぶ寸前のこのテンパった顔でさえもカワイイな」

幸子(ええ、そうでしょうそうでしょう! ボクはどんな時だってカワイイですからね!)

P「逆に可愛くない瞬間を捉えてみたいもんだ」

幸子(残念ながらその希望は叶いませんよ! ボクはいつだってどんな状況でもどの角度から見ても――カワイイんですから!)

P「さて、せっかく幸子の時間が止まってることだしな。目一杯可愛いさを伝えておくか」

P「普段幸子を前にしたら、中々可愛いって言えないしな。なんか恥ずかしいし」

幸子(なるほど……今まで全然ボクの可愛さを伝えてくれなかったのは恥ずかしかったからなんですか……)

幸子(プロデューサーさんも結構カワイイところがありますね! ボクほどではありませんけど!)

幸子(ええ、いいでしょう。本来ならボクへの賛辞はリアルタイムで受付していますけど、今回に限って特別です!)

幸子(さあプロデューサーさん! 時間の止まっているボクに好きなだけカワイイと言ってください!)

幸子(多少のスキンシップならおまけで許可しますよ! ボクは寛大ですからね!)

P「では早速……」スッ

幸子(ん? 何ですかそのA4用紙の束は?)

P「幸子の可愛さを作文にしてきたので、読み上げるぞ」

幸子(えっ)

P「――輿水幸子の可愛さについて」

P「3年4組6番モバP」

P「僕の担当アイドル、輿水幸子は可愛いです」

P「目はちょっと垂れ目で愛嬌があって、頬は休憩時間の度に突きたくなる柔らかさです」

P「専門家の間で寝癖かセットしているのか未だに論議されている独特な横跳ねは――」

P「特に涙を浮かべて強がる表情が――」

P「暫く放置していると構って欲しそうな目を浮かべつつもそっけない言葉を紡ぐところも――」

P「――」

P「――」

P「――」

幸子(……)

幸子(……は、恥ずかしい……)

幸子(何なんですかこれは!)

幸子(こ、言葉でカワイイって言われるのには慣れてるのに……文章にされるとすっごい恥ずかしい!)

幸子(というか! プロデューサーさん! アナタ、ボクのことどれだけ好きなんですか!)

幸子(こんな聞いていて思わず顔が熱くなって枕に顔を埋めたくなるような文章を書き上げて平気な顔で読み上げるなんて……)

幸子(ボクLOVE勢ですか!)

幸子(輿水幸子が好きすぎて仕方が無いファンクラブに所属しているんですか!)

幸子(……)

幸子(やれやれ……ボクの可愛さと来たら罪ですね! 1人の男性をここまで虜にしてしまうなんて……)

幸子(仕方ありません! ボクはカワイイ上に慈悲深いですから、プロデューサーさんのこの想い……受け入れてあげます!)



P「可愛さを具体的な数値をかの有名なHA(ハイエース)値で表すなら――」

P「おっとすまん。作文は未完成でここまでなんだ。幸子の可愛さは知れば知るほど奥が深くて、底が見えない」

P「すまんな。完成した暁には……まあ、俺の墓まで持っていくことにするよ。見せられたもんじゃないしな」

幸子(それはつまり、ボクと一緒のお墓に入ってそこで見せてくれるってことですか? やれやれ……気が早いですね!)

幸子(ふむ……『カワイイ輿水幸子とその夫、ここに眠る――』なかなかいいですね!)

P「さて作文は以上だ」

P「次は……」

幸子(まだあるんですか! 楽しみですね! さあボクの可愛さをどんな方法で伝えてくれるんですか?)

P「幸子の可愛さを創作ダンスで表現するぞ」

幸子(えっ)

P「じゃあ菜々さんから借りたラジカセをセットして、と」

P「スイッチオン」

<カワイイナンテ ソンナコト イッチャダメデスー

P「見ててくれよ幸子……俺のダンスを……!」

<ダダダン

P「……ふっ」タケフジポーズ

P「はぁ……はぁ……踊りきった……」

幸子(……お、終わった。正直この体勢が辛すぎて、踊りなんて見ていられなかったです……)

幸子(ええ、分かりましたプロデューサーさん。アナタのボクに対するカワイイ――確かに伝わりました!)

幸子(だからそろそろ――)

P「次。ショートコント『幸子が可愛すぎて3浪に突入した学生』」

幸子(ま、まだやるんですか!?)



P「小説も書いたんだ。『幸子が可愛すぎて異世界で最強な俺!?』」

P「比奈に漫画の描き方を教わって、漫画も描いたんだ。比奈からは『最近のクソみたいな日常系漫画を更に水で薄めたみたいな吐き気のする作品でスね』って酷評されたけど、俺は幸子の可愛さが伝わっていいと思う。今度の会議で無理やりアニメ化まで持っていくつもりだ」

P「あとはポエムにRPGツクールで作ったゲーム……と色々あるが、流石にもう時間切れか」

P「時間が切れる前に俺は行くよ。何かこんだけ可愛さを伝えた手前、顔を合わせるの恥ずかしいしな」

P「じゃあな幸子! カワイイぞ!」タッタッタ

幸子(……)

幸子(…………)

幸子(プロデューサーさんは本当に、馬鹿ですねぇ)

幸子(どれだけ時間をかけて作ったものよりも……あなたが最後に言った言葉が……一番嬉しかったんですよ)

幸子(ふふ、ふふふ……)

幸子「……はぅ」ベシャリ

幸子「う、うぐ、うぐぐ……」ズリズリ

幸子「……だ、誰でもいいので、体の限界を超えてしまったボクを医務室に連れて行ってください……」

P「さてさて、次の獲物はどこかねぇ」ツカツカ

小梅「あ……」バッタリ

P「あ、小梅」バッタリ

小梅「あ、よかった……ほ、本当にここに来たらPさんに会えた……」

小梅「あの子の言う通り……え、えへへ、ありがとうね」ニコリ

P(小梅が何も居ない方向に向かって微笑みかけた)

P(いつものことだ)

P(俺には何も見えず、何の気配も感じないが……そこには確かに『あの子』がいるらしい)

P(芳乃や茄子、あと何かみくもその存在を感じ取っているとのこと)

P(フフフ……)

小梅「え、えへへPさん……」

P「おうどうした小梅」

小梅「えっとね、あのね……」ワクワク

小梅「いつでも……いいよ」

P「え、何が?」

小梅「準備、できてるから……!」グッ

小梅「私、頑張る、ね……!」ググッ

小梅「あ、でも痛いのは少し我慢できるけど、くすぐったいのとかは、ちょっと……難しいかも」

P(と、そこで再び小梅が何もない方向を向いた)

小梅「……え、どうしたの?」ボソボソ

小梅「うん、うん……あ、そっか。Pさんには内緒なんだっけ……」

小梅「あ、あのねPさん。さっきのなんでもないよ。えっと……私、たまたまここでPさんを見かけただけで、用事とかは……ないよ」

P「そ、そうか……」

P(その割には、明らかに俺を見つけた駆け寄ってきた気がするが……)

P(まあいい! 小梅に用は無くても、俺にはある)

P「……」スッ

P(俺はおもむろにスイッチを取り出し、小梅に向けた)

P(もうここまで何人もこの手にかけてきたのだ。今更罪悪感もない)

小梅「あっ」

小梅「え、えっと……こうかな?」バッ

P(何故か俺がスイッチを向けた瞬間、両手を突き出しキョンシーのようなポーズをとる小梅)

P(その表情からは期待感が見て取れた)

P「……色々気になるがまあいい。オッスオッス!」ポチリ

シュイィィィン

小梅「――」

P「止まったな。キョンシーのようなポーズで」

小梅(えへ、えへへ……可愛いポーズとれてよかった……)

小梅(Pさん、時間の止まった私に何してくれるのかな……?)

小梅(ホラー映画のベッドシーンみたいなこと……き、期待してもいいのかな?)

小梅(あ、でも……ちょっとスプラッタなことされても……いいかも)ワクワク

小梅(む、むしろ、そのどっちも……エッチなことでスプラッタ……血、血まみれ……えへへ)

小梅(Pさんになら……なにされても、いいよ……ふふふ)

P「ええ、はい。ということで……目の前には時間が止まった小梅がいるわけですが」

P「まあ……小梅にすることはないよな」

小梅(えっ)

P「明らかに秘密がありそうな髪で隠れた目を捲ってみたり、萌え袖を捲り上げてノースリーブみたいにしたいという欲望はあるが……」

P「そんなのいつだってできる」

P「せっかく時間が止まってるんだ。普段絶対にできないことをしたい」

P「ずばり……『あの子』だ」

あの子『!?』

P「フフフ……いつかこんな日が来ると思って準備を進めていてよかった」

P「『あの子』の存在を確かめるなら今しかない」

P「この日の為に、歌鈴の神社に通いみっちりと精神修行をしてきた」

P「文香には霊的な存在の知識をが詰まった文献を読んでもらった」

P「そして志希に頼んで、霊的な物が寄ってきやすくなるお香を調合してもらった」ボワァァァ

P「ちひろさんには持っているだけで霊感が上がるパワーストーンを売ってもらった」キラリ

P「芳乃には事前にこの場所に、霊的な場を作ってもらっておいた」

P「そして最後にお馴染みのエナドリとスタドリを混ぜたこの液体を――体に注入する」ブスリ

P「……きた……きたきたきた!」

P「完璧だ!」

P「フィールド、装備、バフ――『あの子』に触れる全ての因子が揃った……フフフ……因子が揃ったぞ……ヒヒヒ」

P「おっといけない。最後に目隠しをして五感を遮断」

P「何も見えなくなったが……これでいい。もともと目で捉えようなんて思っていない」

師匠『そうじゃ……それでいいのじゃ』

P「師匠! この声は……師匠ですね!」

師匠『今の極限まで高まったお主なら――できる』

師匠『さあ……感じるのじゃ。すぐそこにある――2つのお山を』

P「はい……この小さいお山の気配は……小梅ですね!」

師匠『そうじゃ。決して高くはないが、そのお山からは未来に対する無限の可能性を感じ取れるじゃろう』

P「はい! と、いうことはもう1つのお山が……」

師匠『お主の求めていたあの子のお山じゃ』

師匠『もうお主に教えることはない。私の教えを忘れるんじゃないぞ? お山があるのなら大統領だって揉んで見せる――ゆめゆめその心を忘れてはならぬぞ』

師匠『さらばじゃ……』スー

P「師匠……」

P「師匠……俺、行きます!」

P「ズェア!」ピョイーン

あの子『!?』ビクン

ガシッ

P「掴んだ……掴んだぞ! あの子に触れた! とうとう触れたぞ!」ギュッ

P「凄い……凄いぞ! へー、ほー、あの子の体ってこんな感じなのかぁ!」

P「幽霊って冷たいもんだと思ってたけど……結構暖かいな! ていうか……熱い!」

P「そして結構でかいな色々と! きらりとタメ張るんじゃないか!?」ベタベタ

P「服もアレだな。かなりヒラヒラしたの着てるな。幽霊の流行か?」

P「よし、この勢いで身体測定しよう! いつかデビューする可能性もなくはないからな!」ベタベタベタリ

小梅(ど、どうしよう……)

小梅(Pさんが何かブツブツ言ったと思ったら……急に飛び出して……)

小梅(たまたま通りがかった……きらりさんに飛びついちゃった……)

小梅(きらりさん、いきなりのことでびっくりして、完全に体が固まってる……あ、でもちょっと嬉しそう……)

あの子『……』ムスー

小梅(そしてあの子は……ちょっと不満そう……?)

あの子『……っ』フルフル

小梅(ほんとに?)

あの子『……』モジモジ

小梅(あ、やっぱりちょっと残念だったんだ……)

小梅(私もPさんに色々されると思ってたのに……残念……)

小梅(しょうがないね。じゃあ……今度2人で一緒にPさんに色々しよう)

あの子『……っ』コクコク

小梅(ふふふ……楽しみ……)


白坂小梅編 おしまい

P「その後も俺は事務所を練り歩き、ひたすら時間を止めては普段叶わなかった願望を叶え続けた……」


・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・

P「止まれ!」ポチッ

シュイィィィィン

凛(ふーん。まあいいけど)

凛(あ、そういえば私、今日うっかり下着着けて来なかったんだよね)

凛(だから何だって話だけど)

P「……」

P「凛……お前はアイドルとしてかなり高いレベルにある。ポテンシャルの高さでは、かなり上位に入るだろう」

P「そんなお前のレベルを更に上げたい俺は、1つの手段を思いついた」

P「他のアイドルの要素を凛に足していけば、究極の凛――アルティメット凛が誕生するんじゃないか、と」

凛(そういうのいいから。ほら、早く触りなよ)ウズウズ

P「最近のライダーとか戦隊物でも最終兵器は全員の武器を1つに合わせたものだろ? それを見習ってな」



P「まあ、とりあえず眼鏡だよな」スチャ

P「で、大きなリボン、と」ポン

P「髪型は……ツインテールにしとくか」アミアミ

P「ポーズはダブルピースにして、と」グググ

P「表情は……豚を見るような目だな」グニグニ

P「ロリ要素もいるな」

P「ランドセル背負わせて、服に『働いたら負け』って紙を貼る。うん、ロリが高まった」

P「あとはそうだな……羽だな、堕天使の羽装着」スチャ

P「変身ヒーロー要素も欲しいな。ベルト、と」カチャ

P「楽器も持たせておこう。ギター……はないから、ほら貝だな」

P「靴は……長靴だな」

P「病弱要素も欲しいな。冷えピタを貼っておこう」ピタリ

P「……」

P「ダジャレだ。ダジャレが足りない。吹き出しを使って、ダジャレを書いておこう」

P「……」

P「何かが足りない。……そうか。マスコットだ。花子は……いないか」

P「あ! おーい七海!」

七海「なんれす~?」ペタペタ

P「そのマグロをくれ」

七海「え~……釣り上げたばっかりの新鮮なマグロをれすか~」

七海「どうぞれす!」

P「よし、マグロの……グロ吉でいいか」

P「グロ吉を脇に抱えさせて……と」

P「……」

P「完成だ」

アルティメット凛(……)

アメ凛(……)

P「……」

アメ凛(……)

P「……やっぱ盛ればいいってもんじゃないな」

アメ凛(途中で気づいてよ!? 明らかに途中から『あれ? これなんか違うんじゃ……』みたいな顔してたでしょ!?)

アメ凛(何なら最初に表情を変えた時点で薄々感じてたでしょ!?)

アメ凛(今の自分を鏡で見たくないけど……絶対恐ろしいことになってるよ!)

七海「……」ブクブク

アメ凛(七海泡吹いて気絶してるし!)

アメ凛(どうすんの? ねえどうすんの?)

P「と、とりあえず……」パシャッ

アメ凛(撮ってる場合か!)

P「ドエライ物が出来てしまったぞ……。海外の怪しげなお土産を彷彿とさせるなこれ……SAN値下がりそう」

アメ凛(そこまで!?)

P「まあ……うん。勉強にはなった。アイドルに他のアイドルの要素を足しても、いい結果にはならない、と」

P「同じような犠牲者を出さない為に、これはレポートにして上に提出しておこうか」

P「……ごめんな凛。そうだよな。凛は凛なんだよな」

P「凛にとっての輝き、個性を伸ばさないといけないんだよな。他の個性を足せばいいってわけじゃないんだ」

P「クールだけど仲間想い、そして誰よりも一生懸命――それが凛なんだよな。俺が好きな凛だ」

凛(プロデューサー……)キュン

P「ん? あ、やっば。人が来る!」

凛(えっ)

P「この状況を見られるのはマズイ。邪神象に生贄の少女(七海)を捧げようと思われてしまう……!」

P「逃げなければ……」ズリズリ

凛(いや、待って待って。……私は?)

P「凛のことは気がかりだが……普段の凛とはかけ離れているから、凛だと思われないだろう」

P「……『渋谷凛』って書いたゼッケンを胸元に貼ってるけど……まあ、同姓同名の誰かだと……うん」

凛(剥がして……! せめてこれだけは剥がして行って……!)

P「あ、来た!」ズリズリズリ

凛(い、行っちゃった……)

凛(せめてあんまり私のこと知らない人であって欲しい……)

ツカツカツカ

奈緒「それで凛のやつがさー」

加連「ほんとに、それ?」

卯月「えへへっ、凛ちゃん可愛いですっ」

未央「しぶりんってそういう所可愛いよねー」


凛(あ、終わった……)


奈緒「本当だって」チラッ

可憐「ちょっと盛りすぎじゃないその話?」チラッ

卯月「でも凛ちゃんならありそうですよ!」チラッ

未央「分かる分かる!」チラッ


ツカツカツカ

凛(一瞬こっち見たけど……通り過ぎて言った)

凛「よ、よかった……やっぱりあんまりにもアレ過ぎて、趣味の悪い飾りとでも思ってくれたのかな」フゥ

凛「安心した……」


ツカツカツカ


奈緒(凛がいた……)

加憐(変なコスプレ?してたけど、アレ凛だ……間違いない……)

未央(見ないことにした方がいいよね? 皆も明らかに目を逸らしてたし……しぶりんも『気づかれないで……!』って必死の顔してたし)

卯月「今のってもしかして凛ちゃんじゃないですか!? 私、行って確かめて見ますね!」

3人「やめたげて!」


渋谷凛編 おしまい

P(その後も色々なアイドルの時間を止め続けた)

P(そして俺は……とうとう一番会いたかったアイドルに会うことができた)


・・・・・・
・・・・
・・・

菜々「あ、プロデューサーさん」

P「菜々さん」

菜々「前から言ってますけど、菜々はリアルJKですから! さん付けはよしてくださいよ、もうっ」プンスコ

P「菜々さん……レッスン帰りですね?」

菜々「いや、だから……え? あ、ああ、はい。そうですよ。厳しいレッスンを元気に乗り越えちゃいました! えへっ☆」

P「そうか……」スッ

P「なら今がチャンス!」ポチッ

菜々「あ、それ――」

シュイィィィン

菜々「――」

P「よし。これでいい」

P「俺が最初このスイッチを手に入れた時、一番使いたいと思ったのが――菜々、お前だ」

菜々(あ、それですそれ! そうやって呼び捨てにして下さいよもー)

菜々(って、菜々が一番?)

菜々(それはつまり……どういうことでしょうか?)

菜々(まさか菜々にセクハラをしたかった……とか? い、いやいやそんなわけないですよね……)

菜々(この事務所には菜々より若い……い、いや菜々も若いですけど! もっと可愛かったり綺麗な子がいっぱいいるのに……)

P「菜々……」

菜々(あ……神妙な面持ちでプロデューサーさんが近づいて来ました)

菜々(も、もしかして本当にセクハラされちゃうんですかっ?)

菜々(べ、別にプロデューサーさんにならいいんですけど……)

菜々(あー、でも手を出されるなら、どうせだったらこう……行くところまで行って欲しいというか……)

菜々(パパミンもママミンもいい加減結婚結婚うるさいんですよねぇ……)

菜々(プロデューサーさんが菜々に手を出して、責任とってくれたらいいんですけど……)

菜々(まあ……それは無いですよね。プロデューサーさんのことですから、かるーくお触りをする程度、ですよねぇ)

P「菜々ァ!」バッ

菜々(へ?)

菜々(あ、あれ……えっと……菜々……服、脱がされちゃいました?)

菜々(ちょ、ちょちょっと……えぇ!? まさかの展開ですか!?)

菜々(い、いや待って……ああああああ!? きょ、今日の下着……ベージュ! そ、そこそこ着古したベージュの下着! しかも上下ベージュだけど、微妙に色違いの!)

P「ベージュか……まあ、うん」

菜々(ち、違うんです違うんです! い、いつもはもっとこう、フリフリの可愛いの履いてるんですよぉ! 今日はたまたま! たまたまなんですっ!)

菜々(あ、あわわ……まさか菜々のところになんか来ると思って無くて、油断してました……!)

菜々(ロード! 今日の朝からロードさせてください! ちゃんとしたのはいてきますから!)

P「……ふむふむ」サワサワ

菜々(ひゃっ、あ、ふっ……プ、プロデューサーさんが、菜々の体を触ってます……)

菜々(ま、まるで壊れ物でも扱うみたいに、優しく……)

菜々(う、うぅ……わ、分かりました! 菜々、覚悟決めました!)

菜々(プロデューサーさんがそこまで菜々の……その、えっと……か、体が欲しいなら! あげちゃいます!)

菜々(そ、その代わりちゃんと責任とってもらいますからね! ウサミン星の王子になってもらいます!)

菜々(パパミンとママミンにもしっかり挨拶お願いします!)

P「うん、鍛え上げられたしなやかな肩だな……」サワサワ

菜々(ず、随分上から行きますね……じ、焦らしプレイってやつですか! いや、よく分かりませんけど!)

P「足も……ほどよい肉付きだな」ムニムニ

菜々(と思っていたら下! つ、次はどこを触るんですか……? な、菜々翻弄されちゃってますっ)

P「じゃあ早速本番行こうか」

菜々(ほ、本番……つ、ついに菜々……この歳にして大人の階段をやっと登っちゃうんですね!)ドキドキ

P「志希に作ってもらった例のアレを取り出して、と」

菜々(いきなりお薬使っちゃうんですか!? そ、そんなの漫画の中だけだと思ってました! て、ていうか菜々、今時間止まってることになってるから、そんな媚薬的なアレを使っても意味がないような……)

P「よっと」ペタリ

菜々(ひゃわぁ!? ちべたい!)

菜々(え、なに? 何なんですか!? なにか肩に冷たい物が……)

P「次は腰、と」ペタリ

菜々(またしてもちべたい!)

菜々(な、菜々の背中で一体何をしてるんですか!? どういうプレイなんですか! 菜々ガチガチの初心者なので、できればイージーなのをお願いしたいんですけど!)

P「太もも、ふくらはぎ、肩甲骨…」ペタペタペタ

菜々(んっ、ひゃっ、ひうっ……!)

P「次は前だな」

菜々(うぅ……あ、あれ、プロデューサーさんが手に持ってるのって――湿布?)

P「じゃあ続けて貼っていくぞ」ペタペタペタ

P「いやぁ、こういう機会でもないと、菜々に湿布を貼ることなんでできないしな」

P「ちなみにこの湿布は貼ってすぐに体に溶け込むらしく、見えなくなる」

P「そして効果は抜群だ。溜まり溜まった疲労を中から癒し、湿布独特の臭いもない」

P「これで菜々は湿布を貼られたことなんて気づかないだろう」

P「前から心配だったんだよな。レッスン後、フラフラになってる菜々見てて」

P「普通の湿布渡しても『リアルJKは湿布なんて使いません!』って断固拒否されるし」

P「みんなに見えない所で腰やら肩やら揉んでる菜々を見るのはもう限界だったからな」

P「このスイッチさえあれば、菜々にバレずにこれから継続して湿布を貼ることができる」

P「晶葉様様だな……」

P「よし、貼り終わったぞ。あとは服を着せて……と」イソイソ

P「完璧だ。ん? 菜々……こんな顔で止まってたっけ? 何か恥ずかしくて今にも枕に顔を埋めたそうな顔してるけど……まあいいか」

P「これでよし。じゃあ帰るか」

P「もともと菜々の所に来て湿布を貼るのが一番の目的だったからな。後のはついでだ」

P「いやぁ、一番の懸念事項も解決したし……今日はよく眠れそうだな」

P「はっはっは……」ツカツカツカ

菜々「……」

菜々「……」

菜々「何か腹が立つので、明日は下着つけないで来て、菜々を剥いたプロデューサーさんを驚かせてやりたいです……

菜々「それで驚いたプロデューサーさんにこっちから襲い掛かって既成事実を……」

菜々「ふ、ふふふっ……乙女の裸を見ておいて何もしなかったプロデューサーさんには当然の報いですよね……」

菜々「ふふふふふ……今に見ていてくださいよ、プロデューサーさん……」

菜々「兎だって狩猟本能があるんですからね……」

菜々「……」

菜々「あ、この湿布すっごい効いて来ました」



おしまい

これで終わりです。
そこそこ菜々さんオチにすることだけを考えて、後は思いついたネタを書いてました。
何番煎じか分からないネタですが、少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

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