のび太「うわ~ん!また0点とっちゃったよ~!」 (205)

ジャイアン「のび太ー、お前まぁーた0点かよ!」

スネ夫「ヘヘッ、幼稚園からやり直した方がいーんじゃないの?」

しずか「のび太さんは本当に勉強がダメねぇ」

のび太「くう~・・・」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452686020

ジャイアン「今回、オレでも60点だったんだぞ?」

スネ夫「ヘヘッ、ボクは75点さ」

しずか「私は90点だったわ」

のび太「うう~・・・。けっこう勉強したんだけどな~・・・」

出木杉「まぁまぁ。人にはそれぞれ得意不得意な分野があるから」

しずか「そういう出木杉さんはテストどうだったの?」

出木杉「僕?僕は100点だったよ」

ジャイアン「うおお、すげぇな!」

スネ夫「相変わらず出来杉は頭いいなー」

しずか「さすが出木杉さん、凄いわ!」

ジャイアン「のび太、お前出木杉の爪のアカを煎じて飲めよ!」

スネ夫「フフ、そうすれば3点ぐらいは取れるかもな?」

のび太「う、うう~・・・」




ジャイアン「ガッハッハ。のび太の頭には脳ミソの代わりに
粘土でも詰ってるんじゃねーの?」

スネ夫「よくそんだけ0点とれるよな~」

のび太「うう~。おかしいなあちゃんと勉強してるのに・・・」

しずか「きっと、勉強の仕方が良くないのよ。出木杉さんに見てもらいましょうよ」

ジャイアン「いくら出木杉でものび太に勉強教えるのは苦労しそうだな」

スネ夫「ヘヘッ、チンパンジーの方がまだ覚えが良かったりして」

のび太「くう~・・・」




のび太「ドラえも~ん!」

ドラえもん「なに?『テストで100点取れる機』を出して欲しい?」

ドラえもん「機械で100点取ったって何も意味がないって、前にも言ったじゃないか」

ドラえもん「それでもいい?ダ~メ!」

ドラえもん「のび太くん、この頃勉強がんばってるじゃないか。勉強で大切なのは点数よりも
習慣をつける事だよ」

ドラえもん「それだけやって、0点しか取れないのは問題だけども」

ドラえもん「・・・なに?やる気がなくなった?」




ジャイアン「あ~あ。来週またテストかよ~」

スネ夫「まぁ、どうせのび太はまた0点だろうけどね。ヘヘッ」

のび太「くぅ~、言ったなー見てろよー!」

ジャイアン「どうする?また0点取ったら」

のび太「そ、その時は」

出木杉「しずか君、また一緒にテスト勉強しようよ」

しずか「え、ええ・・・」

のび太「しずかちゃんが出木杉と・・・そんなぁ~」




のび太「ドラえも~ん!」

ドラえもん「なに?『しずかちゃんと一緒に勉強できる機』出してくれだって?」

ドラえもん「そんなもの、あるわけないだろ!」

ドラえもん「大体、のび太くんはねぇ・・・」




出木杉「しずか君、わからない事があったら何でも聞いてよ」

しずか「ありがとう、出木杉さん」

出木杉「こことかは?」

しずか「ええ、大丈夫よ」

出木杉「・・・」

しずか「・・・」

出木杉「・・・しずか君」

しずか「・・・出木杉さん。前にも言ったけどこういう事は」

しずか「しないで欲しいの・・・」

出木杉「しずか君は、僕の事嫌い?」

しずか「嫌いじゃないけど、でも・・・」

出木杉「・・・わかったよ。ごめんねしずか君」

しずか「出木杉さんありがとう。わかってくれて・・・」

のび太「よーし、今日のテスト頑張るぞー」

ジャイアン「おうのび太。いつになく張り切ってるじゃねーの」

スネ夫「空回りしなきゃいいけどね。ヘヘッ」

しずか「のび太さん、今回は勉強した?」

のび太「うん!結構したよ」

しずか「じゃあ、目標は0点は脱出ね」

ジャイアン「のび太は目標が低くていいなー」

>>9ミスりました




のび太「よーし、今日のテスト頑張るぞー」

ジャイアン「おうのび太。いつになく張り切ってるじゃねーの」

スネ夫「空回りしなきゃいいけどね。ヘヘッ」

しずか「のび太さん、今回は勉強した?」

のび太「うん!結構したよ」

しずか「じゃあ、目標は0点は脱出ね」

ジャイアン「のび太は目標が低くていいなー」

のび太「しずかちゃんもジャイアンもひどいよ~」




のび太「・・・はぁ~今日のテスト難しかったよ~」

ジャイアン「そうかぁ?結構簡単だったぞ?のび太には難しかったと思うがな」

スネ夫「のび太はいいよな~。勉強してもしなくても結果が変わらなくて」

のび太「うるさいなぁ2人とも」

ジャイアン「これでまた0点だったら、のび太は本物のバカだな」

スネ夫「ある意味、天才だよね」

のび太「言ったなぁ~」

しずか「でも、今回はのび太さん頑張ったんでしょ」

のび太「うん!結構自信あるかも」

スネ夫「イシシ、どうせまた0点だろ」

ジャイアン「のび太は0点以外とった事ないもんな」




のび太「また0点だったよ~!」

ジャイアン「ガハハ、やっぱりな。のび太は本物のバカだった」

スネ夫「もうこれはある意味才能だよのび太」

しずか「のび太さん・・・。あきれたわ」

のび太「しずかちゃんまで~」

スネ夫「ちなみにみんな何点?ボク70点」

ジャイアン「おう、オレは50点だ」

しずか「私は90点」

スネ夫「出木杉は?」

出木杉「ああ。100点だった」

ジャイアン「やっぱ出木杉にはかなわねぇな」

スネ夫「のび太に脳ミソちょっと分けてあげなよ」

しずか「・・・さすがね、出木杉さん」

のび太「くぅ~・・・」

のび太「次はぜったいいい点取ってやる!」

スネ夫「いい点より、まず0点とらないようにしなくちゃな。ハハッ」

のび太「言ったな!ギャフンと言わせてやる」

ジャイアン「もしまた0点だったらどーする?のび太」

のび太「次0点だったら耳からジュース飲んでやる!」

ジャイアン「おお、言ったな?」

スネ夫「男に2言はないよな?」

のび太「当然だよ!見てろ!」




のび太「ドラえも~ん!」

ドラえもん「なに?次0点取ったら耳からジュース飲む約束したから」

ドラえもん「『耳からジュース飲み機』を出して欲しい?」

ドラえもん「あきれた。0点とらない様に勉強すればいいじゃないか!」

ドラえもん「大体キミはねぇ・・・」




出木杉「ここは、こう解くのが正しいんだよ」

しずか「ああ、そうなのね」

出木杉「他は大丈夫?」

しずか「ええ、ありがとう」

出木杉「・・・」

しずか「・・・」

出木杉「この前の事気にしてる?」

しずか「ううん・・・」

出木杉「僕が悪かったよ、しずか君」

しずか「ううん、本当に気にしてないから」

出木杉「嘘は良くないよ」

しずか「・・・ごめんなさい、今日は帰って」




のび太「よーし、今日こそは、今日こそは!」

ジャイアン「今日こそは何だ?」

スネ夫「耳からジュース飲むぞってか?ハハッ」

のび太「見てろよー、勉強いっぱいしたんだからな!」

しずか「なんだかのび太さん、今日は頑張れそうね」

のび太「ぜったいいい点とるからね。見ててよしずかちゃん」

ジャイアン「おー?今日は燃えてるなーのび太」

スネ夫「またいつもと同じだろうけどな」




のび太「はぁー、今日のテストも難しかったなぁー」

ジャイアン「お前、いつも同じ事言ってるな」

スネ夫「今回も別にそんなに難しくなかったしね」

しずか「のび太さん、手ごたえはどうだった?」

のび太「けっこう頑張れたと思うけどなぁ・・・」

ジャイアン「そう言っていつも0点取るのがお前なんだ」

スネ夫「毎回同じじゃないか」

のび太「何をー?今回は絶対0点じゃないよ!」

出来すぎが黒幕












出木杉「先生、今回もお願いします」

先生「またか。いつまで続ける気かね出木杉君」

出木杉「僕がいいというまでです。先生も」

出木杉「これがバレたら大問題だという事を忘れないでくださいね」

先生「うむむ・・・」

出木杉「不倫なんてしてる先生が悪いんですよ。バラされたくなかったら
大人しく従ってください」

出木杉「もし先生の家庭が壊れて、先生が教師の職を追われたとしても」

出木杉「僕には何の痛みもないんです」

先生「わかったわかった。ほら、のび太の答案用紙だ」

のび太君の答案用紙の解答欄を、消しゴムとエンピツで少しづつ修正する。

跡がバレないようにに。8を6へ、3を8に・・・。

一通り修正が済み、違和感がないか確認する。よし問題ない。




人は自分がどの様な解答を書いたかなんてしっかり記憶してはいない。

ましてや、解答を改ざんされているなんて思いもよらないだろう。

そこにこの細工が成立する余地がある。


改ざんを行ないながら、本来なら何点だったのか計算する。

――80点。



「先生、これでお願いします」


答えを書き変えられ、0点となったのび太君の解答用紙を渡す。

あとは採点してもらうだけだ。



「全く、のび太もかわいそうになぁ」


自分の身のかわいさがために、生徒を犠牲にしても構わない

あなたが言うべきセリフではないですよ。



自分と周りの人間が違うという事を自覚したのはいつぐらいの事だろうか。

物心ついた頃にはすでに周囲のクラスメイト達が子供に見えて仕方なかった。


最初は自分を多少誇らしく思ったものだったけれど、年月が進むにつれて

やがてそれは耐えられない退屈さへと変わっていった。



――野比のび太。

勉強もスポーツもダメなあいつが、なぜ周りから見捨てられない。

なぜ、あんなにいつも楽しそうにしていられるんだ?



ゴミみたいな連中の人望なんて欲しくも無いが、アイツの楽しそうな

様子が気にくわない。アイツからは全てを奪ってやらないと気がすまない。




出木杉「のび太君は?」

スネ夫「ちょっとトイレだってさ」

出木杉「そう・・・。丁度いい。この前のび太君がね」

ジャイアン「のび太がどうした?」

出木杉「猫を・・・川につき落としてたんだ」

スネ夫「え・・・」

ジャイアン「本当か・・・?」

しずか「本当なの出木杉さん?」

出木杉「ニヤニヤしながら・・・。僕も、この目が信じられなかったけど」

しずか「あののび太さんが・・・」

のび太「やぁ、みんな何の話?」



スネ夫「の、のび太・・・!」

ジャイアン「お、おう・・・」

しずか「・・・何でもないわ」

のび太「・・・?変なのー」

これでいい。下手にジャイアンの悪口を言っていた何て言っても

頭をポカリとやられて終わりだ。

確認できない類の悪い噂を流し、周りから孤立させてやる。




ジャイアン「・・・のび太。お前最近何か悩んでないか?」

のび太「え・・・?どうしたのジャイアン急に」

スネ夫「何でも言ってみろよ、のび太。相談に乗るからさ」

のび太「悩みったって、別に・・・テストの成績ぐらいかなぁ」

しずか「遠慮しないで。私達友達でしょ?」

のび太「み、みんなどうしたの?」

ジャイアン「どうしたもこうしたも・・・のび太、お前最低だぞ!」

のび太「ジャイアン?」

ジャイアン「ドジでノロマでバカだけど・・・生き物を平気で殺すなんて
思わなかったぞ!」

のび太「な、何の話?」

スネ夫「そうだぞのび太!お前は最低だ!」

のび太「ど、どうしたのさ?ねぇ、しずかちゃん?」

しずか「・・・」

ジャイアン「おまけに、しらばっくれるのか!」

スネ夫「見損なったぞのび太!」

のび太「み、みんな本当にどうしたの?>>22に展開読まれて悔しかったの?」

ジャイアン「何ワケのわからない事言ってんだ!とにかく」

ジャイアン「お前とは絶交だからな!」

スネ夫「じゃあな、のび太」

しずか「・・・さよなら」


のび太「・・・そんなぁ~」

ちとメシ食ってきます

展開予想が当たってたからって、本当に何わけのわからないこと言ってるんだ
後書きでこぼすならともかく作中で喋らせるって…

>>47
失礼、ちょっと調子に乗りすぎました・・・




のび太「ドラえも~ん!」

ドラえもん「なに?みんな急に冷たくなった?」

ドラえもん「全く身に覚えのない事で?」

ドラえもん「みんなを説得したい?」

ドラえもん「しょうがないなぁ、のび太くんは」

ドラえもん『何でも信じるコ・缶入り!』




のび太「みんな、何かわからないけどごめんね・・・」

ジャイアン「・・・フン」

スネ夫「いいわけなんて聞きたくないね」

しずか「・・・」

のび太「おわびの印に、ジュース持ってきたんだ。飲んでくれる?」

ジャイアン「・・・のび太を許したワケじゃないけど、貰ってやる」

スネ夫「これで買収しようなんて思うなよ」

しずか「・・・一応、もらっておくわ」


全員「ゴクゴク・・・」

のび太「・・・みんな、聞いてくれる?」

ジャイアン「・・・何だよ」

スネ夫「何か言いたい事あるのか?」

しずか「何?のび太さん」

のび太「昨日、みんなが言ってた事だけど・・・」

のび太「本当に、何の心当たりもないんだ」

ジャイアン「・・・」

スネ夫「・・・」

しずか「・・・」

のび太「誤解だよ。ぼくが生き物を平気で殺すような人間じゃないって事は」

のび太「みんな、よく知ってると思うんだ」

ジャイアン「・・・」

スネ夫「・・・まぁ」

しずか「そうね・・・」

のび太「みんな、信じてくれるの?」

ジャイアン「・・・しょーがねーなー」

スネ夫「今回だけだからな」

しずか「そうね。のび太さんはそんな人じゃないものね」

のび太「みんな、ありがとう!」




のび太「今度、みんなでどこか遊びに行こうよ!」

ジャイアン「そうだな。どこでもドアでどっか行こうぜー」

スネ夫「そうだなぁ。ボクは行き飽きてるけどパリとかは?」

しずか「まぁ、ステキ」

出木杉(・・・?)

出木杉「みんな、昨日の話・・・」

しずか「あ、出木杉さん。どうやらあれは誤解だったみたいなの」

出木杉「誤解・・・?いや、」

スネ夫「出木杉でも勘違いすることあるんだなぁ~」

しずか「そうね、のび太さんはそんな人じゃないもの」

出木杉「・・・」

のび太「ねぇみんな、何の話?」

スネ夫「いやこっちの話。それでさ~・・・」




何かがおかしい。昨日までは間違いなく全員のび太君を疑っていた。

たった1日でこうも変わるものだろうか。

それとも、この程度では足りなかったのだろうか?




ジャイアン「ふ~んふ~ん♪」


通販で購入したスリングショット、リングロケット・スパイダー。

足がつかないよう偽名を使い私書箱止めで購入した。



ジャイアン「オ~レはジャイア~ン♪」


こんなもの、扱った事はなかったが・・・。

深夜、人目につかない裏山で何日か練習すれば十分だ。



ジャイアン「ガ~キ大~将~♪」

それにしても、あの耳障りな歌は何とかならないだろうか。

死なない程度に手加減はするけど・・・。


歌のせいで力加減を間違うかもね。ごめんね剛君・・・フフッ





ビュッ













しずか「みんな聞いた?たけしさんが・・・」

スネ夫「ああ。何者かに撃たれたんだってな」

しずか「幸い、大したことじゃなかったみたいだけど・・・」

出木杉「僕も聞いたよ。その事で話が・・・」

しずか「話って何?出木杉さん」

出木杉「今、のび太君はいないよね?」

出木杉「実は、ジャイアンが撃たれた所を通りかかったら・・・」

スネ夫「どうしたんだ?」

出木杉「走り去っていくのび太君を見たんだ」

しずか「うそ・・・」

スネ夫「本当か出木杉!?」

出木杉「もちろん、犯人はのび太君と決まったわけじゃないよ」

しずか「そ、そうよね」

スネ夫「あののび太がなぁ~」

出木杉「・・・けど。のび太くんは射撃が得意だったよね」

しずか「・・・」

スネ夫「確かに・・・」

出木杉「みんな、友達を疑いたくない気持ちはわかるけど」

出木杉「のび太君には、気をつけた方がいいよ・・・」

しずか「・・・」

スネ夫「・・・」




のび太「ねえみんな、ジャイアンのお見舞い行こうよ!」

しずか「え、ええ・・・」

スネ夫「今度な・・・」

のび太「どうしたのみんな?」

しずか「い、いえ・・・」

スネ夫「・・・お前とは行かない」

のび太「え?どういう事?」

スネ夫「自分の胸に聞いてみろのび太!」

しずか「・・・」

のび太「ど、どうしたのスネ夫?」

しずか「・・・ごめんなさい、のび太さん」

のび太「しずかちゃんまで・・・」




のび太「ドラえも~ん!」

ドラえもん「なに?急に友情が壊れた気がする?」

ドラえもん「またかのび太くんは。日ごろの行ないが悪いからそうなるんだよ」

ドラえもん「本当にしょうがないなぁ」

ドラえもん『友情カプセルとコントローラー!』




のび太「今日、ジャイアンのお見舞いに行こうよ!」

しずか「ええ、そうね。昨日結局行けなかったから・・・」

スネ夫「もう大丈夫らしいけど、まだ少し入院するらしいからね」

のび太「お見舞いなにがいいかなぁ」

スネ夫「ボクはもらい物の高級チョコレートがあるんだ」

しずか「私は何にしようかしら・・・」

のび太「みんなの顔を見るだけで、ジャイアンもきっと元気が出るよ」



出木杉「・・・」

大体理解した。ドラえもんだ。彼の存在を計算に入れてなかった。

これではいくらのび太を追い詰めたとしても、彼のお陰で全て台無しになってしまう。

危険を冒してあえて剛君を狙ったのも、半分は様子見のためだった。

これで、真に誰を狙えばいいのかはっきりした。それに・・・。

こんな事ができるのなら自分の身も危険になる可能性がある。

幸い、あまり頭の切れる相手ではないらしい。

つけ込むスキはいくらでもあるだろう。

ともかく、君の犠牲は無駄にはしないよ。剛君・・・。

今日はここまでにします。

明日7時くらいから再開予定です。

明日でたぶん完結の予定です。







スネ夫「そう言えばさぁ、ジャイアンを襲った犯人ってまだ捕まってないよね」

のび太「そうだね・・・」

スネ夫「ボク達で犯人を探そうよ!」

しずか「危なくない?警察の人に任せましょうよ」

スネ夫「ヘン、警察なんてアテにならないね!」

のび太「だけどぼく達だけじゃなぁ~・・・そうだ」

のび太「ドラえもんにお願いしてみよう!」

出木杉「のび太くん、ちょっといい?」

のび太「なに?出木杉」

出木杉「今日、放課後少し残って欲しいんだ」

のび太「なんで?」

出木杉「ちょっと、話があってね」

のび太「みんなも一緒でいい?」

出木杉「もちろんだよ」




放課後残るように言ったのは、僕がドラえもんと一対一で接触するための口実だ。

僕は放課後残らずに、のび太の家へと向かう。

不思議な道具を使うアイツさえ始末できれば、僕の悪事は明るみに出る事はない。




ドラえもん「どうしたんだい?珍しいね出木杉くんが尋ねてくるなんて」

出木杉「ジャイアンの件を聞いてる?」

ドラえもん「ああ、あのジャイアンが大ケガした事件か。
のび太くんから聞いたよ」

出木杉「ここじゃちょっと話しづらい事があって・・・町外れの廃スクラップ工場に
行けないかな?」

ドラえもん「お安いご用さ。『どこでもドアー!』」




のび太「出木杉のヤツ、遅いなぁ」

スネ夫「もう帰ったんじゃないの?」

しずか「まさか、出木杉さんに限ってそんな・・・」

先生「何だ、お前達まだいたのか。もう帰りなさい」

のび太「え、でも・・・」

先生「校内にはもう君たち以外誰も残っとらんぞ」

のび太「ええー?」




ドラえもん「それで、話って?」

出木杉「・・・実は、犯人の心当たりがあるんだ」

ドラえもん「え?本当かい?」

出木杉「僕は、のび太君が犯人だと思ってる」

ドラえもん「のび太くんが?まさかぁ」

出木杉「その場にいたわけじゃないから、確信はないんだけれども・・・。
ただいつもジャイアンにいじめられてたし、射撃の得意な彼なら・・・」

ドラえもん「それだけで・・・ねぇ」

出木杉「・・・このまま彼を放置はできないよ。彼は狡猾で危険な性格だ。
のび太君を、洗脳してしまえるような方法ってないかな?」

ドラえもん「洗脳って・・・出木杉くん、君は何を言ってるんだ。
第一、証拠がないじゃないか」




出木杉「証拠?証拠ならあるさ」

出木杉「僕ははっきりと見たんだ。現場から走り去るのび太君の姿をね」





ドラえもん「・・・出木杉君。君はうそをついているね」

出木杉「嘘?嘘なんてついてないよ」

ドラえもん「誓って言えるのかい?」

出木杉「本当さ」



ドラえもん「じゃあ、どうして」

ドラえもん「『その場にいたわけじゃない』のに・・・」

ドラえもん「『現場から走り去るのび太くん』を、はっきりと見たんだい?」




出木杉「そ、それは・・・違う、言葉のアヤで・・・」

ドラえもん「出木杉くん。悪いけど試させてもらうよ」

ドラえもん『ショージキデンパー!』

出木杉「・・・それは、何をする機械・・・?」

ドラえもん「この機械の電波を浴びた人は、何でも本当の事を言ってしまうんだ」



あたり前だが、そんな機械を出してくるなんて想像もしていない。

そういう非常識な道具を平気で持ち歩いているコイツこそ本当の厄介者だ。

出木杉「ど、ドラえもん。そんなに僕の事が信用できない?」

ドラえもん「本当の事を言ってるのなら、何も問題はないはずだよ?」

出木杉「わ、わかったよ。さっき言った事は取り消す。
それを撃つのはやめてくれ」

ドラえもん「ダメだよ、出木杉君。のび太君を犯人に仕立て上げようとする
君の本当の目的はなんだい?」

出木杉「・・・」

ドラえもん「・・・じゃあ仕方ない。使わせてもらうよ」ホヨヨヨー・・・




ただ、この事態は・・・。


ドラえもん「さて、出木杉くん。正直に話してもらうよ」

出木杉「うん・・・」

ドラえもん「どうして、君はのび太くんを犯人にしようとしたんだい?」

出木杉「それは―――」




・・・十分に想定していた。


ドラえもん「・・・なるほどね。のび太君を孤立させるためにぜんぶ、
君が仕組んだ事だったんだね」

出木杉「・・・うん。のび太君なんか」

出木杉「死んじゃえばいいんだ」(ニヤ)

ドラえもん「・・・出木杉くん。君は歪み過ぎている。どうやら
狡猾で危険な性格は、君のほうだったようだね」

出木杉「だったらどうする?警察にいう?ちょっとお説教されて終わりさ。
・・・それともまさか僕を殺す?ドラえもんはそんな事しないよねぇ」

ドラえもん「殺しも、警察にも言ったりしないさ」

ドラえもん『ウラオモテックスー!』




のび太「出木杉の奴、話って何だったんだろうな?」

のび太「まぁいいか。帰ったらドラえもんに犯人探しの道具を出してもらおっと」

のび太「ジャイアン・・・。必ず犯人は捕まえるからね」

のび太「そして、しずかちゃんがステキ、のび太さんとか・・・」

のび太「ムフフ・・・」




出木杉「・・・ウラオモテックス?それは何だい?」

ドラえもん「これを張れば、普段裏でこそこそやっている事を堂々と
やり出す様になるんだ」

出木杉「へぇ・・・面白いね。けど、僕だって張られっぱなしでいると思う?」

ドラえもん「う・・・確かに・・・じゃ、じゃあ」

ドラえもん『さいみんグラスー!』

出木杉「今度のは?」

ドラえもん「これをこうしてかけてねぇ・・・言った言葉で催眠術を
かけることができるんだ」



・・・やっと。面白そうな道具を出してくれたじゃないかこのポンコツダヌキ。

ドラえもん「じゃあ出木杉君。素直な性格になって、今までの悪事をみんなに謝・・・」

出木杉「・・・ドラえもん。これ何だ?」

ドラえもん「そ、そ、それは、ネ、ネ・・・!」




「ネズミぃぃぃぃ~!」




オモチャのネズミで十分。ドラえもんはパニックを起こしてドタバタと走り周る。

やがては部屋の片隅でうずくまり、ぶるぶると震えだした。

ドラえもん「ど、どうしてぼくがネズミが苦手だって事を・・・!」

出木杉「君の『友人』が、前に言ってたよ・・・そして」

ドラえもん「ああ、ネズミ怖い、ネズミ嫌い・・・」




部屋の隅でうずくまるドラえもんに近づくと、しっぽを引っ張る。



出木杉「ここがスイッチだって事もね」






のび太「ドラえも~ん!あれ?居ないや」

のび太「どこに行っちゃったんだよぉ~」

のび太「・・・そうだ!スペアポケットで・・・」

のび太『あっちこっちテレビ!』



置物みたいに動かなくなったドラえもんを見下ろし、そばに投げ出されていた

「さいみんグラス」とやらを手にとる。ドラえもんの説明によれば、相手に

催眠術をかける事ができるらしい。



僕を何とかしようと出すだろう道具を狙っていた。だからあんな臭い三文芝居を打ったのだ。

僕があんな簡単にボロを出すもんか。

・・・とにかくこれがあれば、使い方次第では僕に逆らうことのできる奴はいなくなるだろう。



・・・ドラえもんで試してみるか?いや、危険か。もっと安全な相手がいい。

例えば、しずか君とか・・・。



・・・それから、四次元ポケット。・・・ただ、これは扱いに困る。今までのび太君がさんざん

道具で自滅するところを見てきた。それに出てくる道具の使い方もわからない。

これはどこかで始末するとして、本来の目的はドラえもんだ。




僕は、配電盤を細工し電源を回復させておいたプレス機のスイッチを入れた。



プレス機が、不気味な音を立てて稼動できる状態になる・・・。


(ちと休憩します)

(コイツ直接脳内に・・・!)




のび太「ああ、こんな所に居たドラえもん」

のび太「・・あれ?出木杉も一緒?」

のび太「・・・出木杉、ドラえもんに何をしてるの?何をしているの!?」

のび太「た・・・大変だ大変だ!ど、ドラえもん!今行くよ!」

のび太「ええっと、えっと・・・タケコプター!」



スペアポケット「・・・」(置き去り)



・・・クソッ!想定外だ。何だってこんなに重いんだこのポンコツは。

僕一人の力じゃどうにも動かせない。



プレス機でぺしゃんこにしてやる予定だったが・・・。

何か他の方法を考えなくては。ここは工場だ。工具なんていくらでも。

例えば、このハンマーで・・・。



ガッ



がッ



ガッ








のび太「ドラえもん、ドラえもん、ドラえもん・・・」




のび太「ドラえもーん!」



・・・ふぅ。さんざんハンマーで叩いてみたが、どうにも手ごたえを感じない。

今はあきらめて、先ほど手に入れた「さいみんグラス」とやらで、誰か

大人の手を借りよう。



工場をあとにしようとした時に・・・。






のび太「うわぁぁぁー!」





工場の中に何かが飛び込んで来た。

・・・野比のび太!?




のび太「出木杉!ドラえもんに一体何をしてるんだ!」




・・想定外だ。四次元ポケットはここにある。

コイツは一体どうやって道具を持ち出したんだ?それになぜ僕の居場所がわかったんだ?




のび太「これ以上ドラえもんにひどい事して見ろ、許さないぞ!」




・・・落ち着くんだ。何かできる事を考えるんだ。そうだ、さっきの道具だ。
「さいみんグラス」で操ってしまえばいい。

出木杉「・・・やぁ、のび太君。どうしたんだい血相を変えて」

のび太「しらばっくれるな!全部見てたんだぞ!」

出木杉「・・・そうか。じゃあ・・・」

グラスを装着し、のび太の目を見つめる。



のび太「それは・・・!」

出木杉「僕のいう事に、全部従うんだ!」



・・・?
のび太は何をしているんだ。耳を塞いで・・・?



のび太「・・・その道具のことをよく知らなかったみたいだね」

のび太「言ってることを聞かなければ平気なんだ!」



・・・そうか。道具の使い方はコイツの方が熟知しているんだ。

この事態は想定外だよ全く。全くね・・・。フフ・・・アハハ・・・

出木杉「アハハハ・・・」

のび太「何がおかしいんだ、出木杉!」

出木杉「いや、君みたいなバカでマヌケな人間に」

出木杉「こうも見事に全て台無しにされるとはね。
おかしくってさ・・・アハハハ」

のび太「出木杉・・・?」



そう。全て台無しだ。

ドラえもんを破壊しようとしている所をのび太君に見られた。

見られたからどうする?まさか殺すわけにも行かない。

殺人の証拠を完全に消し去るなんて、たかか小学生には不可能だ。

出木杉「だいたい、のび太君。僕は前から君の事なんて
大っキライだったんだ」

のび太「出木杉・・・」

出木杉「勉強も、スポーツも・・・何も出来ないクセに
周りからチヤホヤされてさ」

のび太「・・・」

出木杉「僕のほうが!君より!」

出木杉「何倍も!何十倍も!」

出木杉「ずっと!ずっと!優れてるのに!」



出木杉「なんで!なんで!みんなお前ばっかり!」

のび太「・・・」

のび太「・・・出木杉君。聞いて」

のび太「さっき、君はぼくの事大キライだって言ったけど・・・」

のび太「・・・ぼくは、君のことずっと友達だと思ってたよ。」

のび太「ぼくが、ちゃんと君のことわかってあげてなかったから・・・」

のび太「・・・さみしかったんだね」

出木杉「・・・うるさい、のび太」

のび太「みんなも、出木杉君のことは大切な友達だと思ってる」

出木杉「・・・うるさい、うるさい・・・」

のび太「だから・・・」

出木杉「うるさいって、言ってるんだよぉ!」

ドカッ


のび太に殴りかかる。くり出されたパンチは彼のほほにヒットし、

のび太は尻もちをついた。

出木杉「ハァっ、ハァッ・・・」



のび太「・・・出木杉君の、わからずやー!」




のび太が立ち上がり、見え見えのパンチをくり出す。

こんなもの、運動神経のいい僕にかかれば・・・。


ドカッ



ほほにまともにパンチが入り、僕はしりもちをついた。

当然だ。ケンカなんてした事がないんだから。



出木杉「・・・やったなぁ!」


ドカッ


のび太「・・・そっちこそ!」


ドカッ


出木杉「のび太君のクセに!」


ドカッ


のび太「出木杉君こそ!」



ドカッ ドカッ ドカッ・・・



何十発、お互い殴りあったかわからない。

やがて、どちらともなく床に横たわり荒い息をする。

出木杉「ハァッ、ハァッ・・・」



のび太「で、出木杉も、やるね・・・・」



出木杉「・・・のび太君」



のび太「なぁに?・・・イテテ・・・」




「・・・僕の、負けだよ」




のび太はその言葉を聞くと、照れ臭そうな、何とも言えないような表情をし、

そして・・・。



のび太「・・・そうだ、ドラえもん!」



部屋の隅で機能を停止しているドラえもんの元へと駆け寄っていった。



のび太「ドラえもん、ドラえもん・・・!」



スイッチになっているしっぽを引っ張る。すると・・・。



ドラえもん「・・・のび太くん?」






「ドラえもーん!」






ドラえもん「うう、のび太君、怖かったよぉ~」ポロポロ・・・

のび太「ドラえもん、ドラえもん・・・」ポロポロ・・・




泣きながら抱きしめあう2人を見ている内に、

疲労と心労の蓄積によって僕の意識は少しづつ掠れていった。

ひとまず終わりです。
明日昼ころにエピローグ書いて本当に終わりです。

(エピローグ)










あれから数日が経った。

あの後、ドラえもんとのび太は僕の傷を、未来のよくわからない道具で治療すると

そのまま廃工場を去っていった。



次の日の登校時、僕はのび太が周りに全ての事を話し

結果僕は激しい叱責を受け周囲から孤立するだろう事を覚悟した。



…しかし。





スネ夫「おはよう、出木杉」

しずか「おはよう出木杉さん」

のび太「…やぁ、おはよう」

出木杉「…おはよう」

スネ夫「ん?何か疲れてないか?」

しずか「そうね。元気がないわ」

のび太「きき、きっと勉強疲れだよ!」



周りの人間はいつも通り僕に接してくる。

まさか、のび太の奴誰にも喋ってないのか?

のび太「そうだ、今日またジャイアンのお見舞い行こうよ」

しずか「ええ、そうね。そろそろ退院だし」

スネ夫「この前でも十分元気だったよなぁ」


のび太「…出木杉も」

のび太「一緒に行こうよ」



恩を売ったつもりなのだろうか?だとしたら大きな勘違いだ。

そんな事で情にほだされるなどと…

のび太「出木杉。ジャイアンに…」

のび太「…謝ろうよ」


出木杉「…」

出木杉「…ああ」



スネ夫「謝る?何の話?」

のび太「ううん、何でもない」

しずか「変なのび太さん」



考えてもみれば、ドラえもんの未来道具を持ってすれば

僕の記憶を無くしたり、人格を全く変えてしまう事も不可能ではないはずだ。



それをあえてしないという事は…。

これは彼らなりの罰なのだろうか。




のび太「ジャイアン!調子はどう?」

ジャイアン「おう、もうピンピンしてらぁ」

スネ夫「もう大丈夫そうだね」

しずか「ええ。すっかり元気そうね」

のび太「今日はねぇ、出木杉もお見舞いに来てくれたんだよ」

ジャイアン「おお出木杉!わざわざ悪いなぁ」

のび太「でさぁ、出木杉から言いたい事があるんだって」

出木杉「…」



物心ついてから、今まで人に謝罪などしたことがあっただろうか?

赤面し、手に汗がにじんでしまう。



出木杉「あの、たけし君…」

出木杉「…ごめんな」

ジャイアン「ごめん?何の話だ?」

のび太「ううん、何でもないよ」

しずか「変な出木杉さん」

のび太「そうだ、ジャイアンが退院したらみんなでどっか行こうよ!」

スネ夫「そうだね。パーっとハワイは?」

しずか「いいわね!」

のび太「もちろん、出木杉も一緒だよ」

出木杉「…いや、僕は」

スネ夫「遠慮すんなって」

ジャイアン「オレら、友達だろ?」




病院から家までの帰り道、方向が一緒なので同じ道を歩いて帰る。

のび太「…後悔してる?」

のび太がそう聞いてきた。

出木杉「…。少し」

そう答える。

のび太「じゃあ、ぼくの家へ来てよ!」




ドラえもん「やぁ、よく来てくれたね出木杉くん」

のび太「じゃさっそく行こう?」

出木杉「…行くって、どこへ?」

のび太「ちょっと、過去にさ」




…通販で購入したスリングショット、リングロケット・スパイダー。

足がつかないよう偽名を使い私書箱止めで購入した。

こんなもの、扱った事はなかったが・・・。

深夜、人目につかない裏山で



出木杉「そこまでだ。過去の僕」




こうして、僕の悪だくみはそのほとんどが阻止されてしまった。

テストを0点に改ざんする事も、もはや何の興味もなくなってしまった。



以前の僕は、何にあんなに突き動かされていたのだろう?

考えても、よくわからない。



のび太「うわ~ん!また0点とっちゃったよ~!」





…そう言えば前に改ざんしたのがそのままだった。

ジャイアン「ガハハ、バッカでー!」

スネ夫「結局また0点だったじゃないか」

しずか「もう、のび太さんたら恥ずかしいわ」

ジャイアン「おう、そう言や耳次0点取ったら
耳からジュース飲むって言ってたよな?」

スネ夫「言ってた言ってた」

ジャイアン「さっそく飲んでもらおうじゃねーの」

スネ夫「忘れたとは言わせないぞ!」




のび太「う~、う~、う~…」










「ドラえも~ん!」













オワリ

以上になります。出木杉ファンの方申し訳ないです。あと色々な矛盾とかにも
目をつぶってもらえたら幸いです。
のび太はなんでいつも0点とるのか?という疑問からそれに出木杉が絡んでたら、
という発想で書きました。

読んでくれた方ありがとうございます。そして途中色々コメントくれた方本当に嬉しかったです。
ではこの辺で。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年03月16日 (金) 21:24:08   ID: V9rA1nBb

    ……… 、

  く ず す ぎ る ゎ ょ 、 、


    nobi さ ん 哀 れ だ ゎ 、 笑笑

    っ か 、 dekisugi の せ ぃ ょ ね - - !!

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