爽「揺杏に軟禁された」 (21)
爽「…はっ」ムニャ
爽(もう日が暮れてる!揺杏の部屋に遊びに来ていつの間にか寝てたんだな)
爽(!?何だこれ手足が縛られてるぞ)
爽「…………」
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ガチャリ
揺杏「爽、起きた?」
爽「あー、うん」
爽「そろそろ帰りたいんだけどなんで私縛られてんの?」
揺杏「爽はもう帰る必要無いよ」
爽「え?」
揺杏「今からこの部屋が爽の部屋になるって事」
揺杏「必要なものあったら言ってくれれば用意するし家の中も好きに使っていいからね~」
爽「え、何何何どういうこと?」
爽「家に帰りたいって言ってんだけど」
揺杏「…」
~遡ること数時間前~
爽「折角の日曜なのに暇だなぁー」
爽「なんか刺激的な事無い?揺杏」
揺杏「私なんかよりよっぽど刺激的な日々送ってんだろー爽は」
爽「また赤い海水でも浴びてくるかな」ハハ
揺杏「いや笑えねーよ!」
…
揺杏「やっぱりユキの踊りの下手さは変に矯正するよりも持ち味として売り出していった方がいいな」
爽「うんうん、あと基本無表情なのもたまに笑ったときの破壊力を高める為そのままに…って」
爽「このやりとりこの間もした!」
爽「確かに採用されたのが嬉しくてもう10回以上見てるけども…何か新たな発見とか無いわけ」
揺杏「ええ~~」
揺杏「う~~ん…なんもかんも暇すぎるのが悪い!昼寝しよう!それで頭を切り替える!」
爽「ええ~~」
…
爽「zzz…」
揺杏(不満そうだったのに寝るんかい!しかも早い)
揺杏(赤ちゃんかよ)
揺杏(…そうだ……!)ピコーン
―――
――
―
揺杏(というわけで爽が寝てる間にお望み通り刺激的なシチュエーションを用意してみたんだけど)
揺杏(ネタ明かしのタイミングがわかんねー)
爽「よくわかんないけどまずこれを解いてくれない?」
揺杏「あぁ…はいはい」
揺杏(あれ?こんなあっさり解いちゃっていいのか?でもずっと縛りっぱなしってのも可哀想だしなぁ)
揺杏(監禁なんてしたこと無いからどんな感じでいけばいいかわかんねーよ!)
爽「それで今日からここが私の部屋とかなんとかって話だけど」
爽「どういうつもりだ?何かのドッキリ…って感じでも無さそうだな」
揺杏(ドッキリで合ってるよ!!最後の一言で余計言い出しづらくなっちゃったよー)
揺杏「今日から私たち一緒に生活するんだ」
揺杏「驚いたかもしれないけど酷いことはしないし不自由も無いよ」
揺杏「だからいいよね?爽も喜んでくれるだろ?」
揺杏(うぉー!ヤンデレっぽい台詞楽しっ!)
爽「どうしてこうしようと思った?」
揺杏「そりゃ、爽とずっと一緒に居たいからだよ」
揺杏(私、女優の素質あるんじゃね?)
揺杏「じゃ、じゃあちょっと出掛けてくるけど、大人しくしてるんだよ」
爽「は?出掛けるってどこに…」
ガチャ パタン
爽「行ってしまった…」
揺杏(家にいると質問攻めにされてこれからの計画が立てられないからな)
揺杏(一旦外に出たけど…私何やってんだ?バカじゃね?私バカじゃね??)
揺杏(なんか急に冷静になってきた)
爽(ぶっちゃけカムイに助けてもらえばどうにか出来るし危機感はあまり無いんだが)
爽(揺杏が何故こんな事したのか…そこが一番の問題だ)
爽(今まで私たち一緒に楽しくやってきたと思ってたけど…)
爽(揺杏はずっと私を閉じ込めて束縛したいと思ってたって事だよな)
爽(あの時も……あの時もあの時も………笑顔の裏では…)
~回想~
爽・揺杏小学生の頃
揺杏「爽ー!」タタタッ
揺杏「なんで最近先に一人で帰っちゃうんだよ」
爽「あぁ…えーと今日はちょっと急いでて…」
揺杏「…」ジトーッ
爽「っていうのは嘘で…」アセアセ
…
揺杏「なんだそんな事気にしてたのか、らしくない」
爽「まぁだから…私が気味悪がられてるのもちゃんと理由があるから仕方ないんだけど」
爽「こればかりは人に理解してもらうのも難しいし」
爽「私と居るとおまえの友達も揺杏に声かけづらそうなのが見てて分かるんだよ。だから悪いかなって」
揺杏「全然気にしなくていいのに…」
揺杏「これからも普通に遊んだり下校したりしよう!どうせ家も近いんだから」
揺杏「それに中学に上がれば、先輩である爽とのコネがあればいろいろ有利だし?」
爽「そっちが本音か!」
―――
――
―
爽(…揺杏はあんな調子だったけど私を元気づける為に言ってくれた事だって分かるよ)
爽(今までどれだけ支えられてきたか)
爽(こんな事しなくたって……)
爽(もう戻れないのかな…)グスン
ガチャ
揺杏「ただいま」
爽「…!」
揺杏(爽の目が潤んでる…)
揺杏「ゴメン、今までの全部ウソ」
揺杏「ちょっとしたイタズラのつもりだったんだけどネタ明かしするタイミング見失っちゃってさー」
揺杏「でも少しは刺激的な体験になったかなー?」アハハ…
爽「…なんだ…」
爽「なんだぁ~~!!」
爽「よかったぁぁぁ~~~!!!」
爽「ヤンデレっぽい事言いまくるからマジ怖かったよ」
揺杏「ビビらせちゃってゴメン…」
爽「あの演技何だよ!?」
揺杏「そんな上手かった?女優目指そっかな」
爽「いや揺杏の演技がすごいんじゃなくて動揺してて見抜けなかっただけだから」
爽「冷静な私なら3秒で見破ってたね」
揺杏「マジかー」
揺杏「でもその…」
揺杏「…」
揺杏「ずっと一緒に居たいってのはホント」テレッ
爽「なーに照れてんだよ!」パコーン
揺杏「痛っ?!」
爽「わ…私もだよ!」
爽「本当に怖かったんだからな」
揺杏「ゴメン…」
揺杏「でもその割にはあんまり抵抗しなかったじゃん」
爽「怖かったっていうのは揺杏が私の知ってる揺杏じゃなくなったように感じた事だ」
爽「部屋に一人になった時いろいろ考えてたらなんか泣けてきたしよー」
揺杏「うわぁ、申し訳なさでいっぱいだよ。死にてぇ」
爽「じゃあそんな揺杏にお詫びを命ずる」
揺杏「何?なんでもします爽様」
爽「今日の晩メシ、ハンバーグ作って!あと今晩泊めろ!はやりんライブBD鑑賞オールナイト開催だ!」
揺杏「ははーーっ!!!」
―――
――
―
揺杏「やっぱはやりんの歌声ブレなさはすげーわ」
爽「生歌でもCD音源並…いやそれ以上だ!」
爽「ユキにも歌唱力を鍛えさせた方がいいかな」
揺杏「それもいいかも…けどはやりんと同じ事をしていてもダメだ。ユキにしかない魅力を押し出していかないと」
爽「つまり若さだな」
爽「よし、次ははやりんのデビューライブ映像を見るぞ!」
揺杏「おー」
こうして夜は更け…
次の日二人は仲良く遅刻しましたとさ
おしまい
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