爽「あの日見た夢」 (47)
私は夢を見た
お父さんとお母さんと一緒に手をつないで水族館に行った夢
けどお父さんの顔もお母さんの顔も映っていない
顔の所だけクレヨンで塗りつぶしたかのように真っ黒だった
それは私が覚えていないからだろう
いや、覚える以前に連れて行ってもらったのかすら怪しい
というか連れて行ってもらってはない
妄想だ
なぜなら私は孤児だからだ
※初ssなんでそこのところよろしくお願いします
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私が通ってる有珠山高校ってのはどっかの神様信仰してる高校で学校のほとんどが孤児である
んでどっかの政治家とかお偉いがたの寄付金で成り立っている高校だ
爽「おーっす 皆の衆 今日も元気に麻雀やってるか?」
私は麻雀部の扉を開ける
揺杏「ちーっす 皆まだ来てないですよ 成香からは委員会で送れるって連絡来たんですけどね 」
爽「ふーん そっか 」
揺杏は私と同じで最初から捨て子
親の顔なんて最初から分からない子
爽「うーむ 皆が来るまで暇だなぁ」
揺杏「そーっすね けど私は雑誌よんでるんでヘーキですね 最近ユキに何着せるか楽しみで楽しみで」
爽「ふむ とびっきり可愛いのがいいな 最終的にはポストはやりんだからな
今のうちから練習させとくのも失敗ではないだろう」
揺杏「へへへ けど成香は恥ずかしがってなんも着てくんないんですよね~」
爽「成香は恥ずかしがり屋だからな さてと皆が来たら……いや麻雀打てる人数になったら起こしてくれ 私は打倒はやりんのための策を練る」
揺杏「さすっがす 姉貴! じゃあもちろん四麻できるようになったら呼びますね 」
揺杏はモノ心ついたころから一緒だった
麻雀部のなかでも揺杏が私と付き合いが一番長い
そして一番最初の子分だった
爽「うむ 頼んだぞ!!」
私はベットに横になる
頭が痛い
最近大シスターがうるさいのだ
理事長もうるさくて困る
私が作った麻雀部なんだ
皆の居場所なんだ
誰にも邪魔させるものか
夢を見た
初めて皆に会った時のことだ
揺杏は最初から私と一緒だった
いっつも私の後をついてくる可愛い可愛い子分だった
けど中学あたりで生意気なことに私の背を抜いてしまって……
悔しくなんかはないぞ
それは神様に誓ってもいい
言葉には出さないけど
誓子と成香と出会ったのは中学の時だ
あの二人は別の孤児院から来た
あの二人は最初から二人っきりの世界を作っていて
誰とも交流しようとしなかった
私にはそれが嫌だった
私のいない世界で物語を進められるのが嫌だった
私の手にかかっていないやつが私の縄張りにいるのが嫌だった
だから手下にした
噂によると前の孤児院では成香は苛められており
そのとき味方してくれた誓子とべったりなんだったかな?
まぁ私の手にかかれば関係ないんだけどな
成香は揺杏に
誓子は私と
交流を持たせることにした
思っていたより簡単だった
成香は苛められっ子というよりは
イジられっこだったし幼いときはそれを勘違いしてしまったようなものだろう
一週間もたたずに揺杏から成香を紹介されたし
誓子に関しては成香の姉役ってだけで簡単に仲間にすることはできた
それから私たち四人はいっつも一緒にいることになった
私には他に子分が何人もいたけど
どいつもこいつも私に脅えて下に付いてるような奴だから一緒にいても面白くなかった
揺杏は友達いたみたいだけど私の方を優先してくれたし
誓子と成香に関しては2人が4人になっただけだ
私たちはたくさん遊んだ
中学生にしては子供っぽい遊びだってしたかくれんぼに鬼ごっこ
成香がおままごとしたいといえばおままごとしたし
誓子が宿題したいといえば宿題だってした
揺杏がファッションショーしたいといえば皆で慣れないお洒落して遊んだ
私が麻雀したいといえば麻雀してくれた
楽しかった
小学生のときには感じれないほど楽しかった
学校の先生を勝手に敵視したり
同級生をいかに手駒にするか
お使い頼まれたときに見られる近隣住民からの憐みの目
そういうの全部気にしなくて
心から楽しめた
今振り返るとそう思う
まぁけど当時は当時なりに悩みあった気がするけど
覚えてないから関係ない
けど麻雀するのが多かったと思う
テレビでは連日のように小鍛冶プロの連戦連勝記録を取り上げられてたし
ピッチピチの牌のお姉さんことはやりんも取り上げられてたし
……ってか今までやるとか誰が予想できたんだろ
そろそろガチで誰かに譲った方がいい
一ファンとしてそう思う
うん マジで
まぁそんなことで私たちの中では麻雀ブームだった
私たちというか孤児院ではブームだった
麻雀にはオカルトが存在する
いつ手に入るかは知らねーけどオカルト持ちの人は存在する
私もいつの間にか持っていたし
皆プロ目指して頑張ってた
まぁ理由は孤児院の皆は口に出して言わなかったけど
やっぱりお世話になった人への恩返しがしやすいってことなんだろう
プロになればそれは簡単にこんなボロッちい部屋なんかじゃなくなるだろうし
シスターたちが偉い人に頭下げてるの見なくて済むだろうしね
野球とかサッカーと違って麻雀は才能はあるだろうけど
能力ってのは先天的後天的と両方あるから夢が叶いやすいってのがあると思う
私も将来の夢なんか決まってなかったけど小学校の文集にはプロ麻雀選手なんて書いてたし
今も密かになりたいと思ってる
爽「……ふぅ」
そう後は由輝子か
思い出すと長くなりそうだなぁ
ってか部活の皆はまだ来てないんだろうか
私は寝ながら言う
爽「おーい! 揺杏まだ皆来てないのか?」
揺杏「おおっす!! 先輩起きてたんすか うーん今来てるのは誓ちゃん先輩だけっすね」
誓子「うーん 私しか来てないし起こしても三麻しかできないと思って……」
爽「うーん」
私は腰をあげて卓のほうへ向かう
爽「まぁ 三麻でもいいぞ やろう!」
揺杏「分かりましたー 」
揺杏が準備してくれるみたいだ
爽「誓子 今なにしてたんだ?」
誓子「うーんとね 成香の服選んでたのー 後あの子前の罰ゲーム残ってるでしょ? それのお願い決めてたの」
爽「おお そうか まぁ泣かない程度にほどほどにな」
誓子「分かってるって そういえば爽 昼に大シスターに呼ばれてたみたいだけどどうしたの?」
爽「うーん ちょっとな」
と私は笑う
心配かけるわけにはいかないのだ
私の子分は私が守る
誓子「そっか あっ 準備できたみたいだよ 」
揺杏「よっしゃぁ! 負けませんよー あ……爽先輩はもちろん能力使うの無しですから」
爽「なにをー 私のは常時発動型だからな 止めるのは不可能だ
あとこんくらい慣れとかないと地区大会で痛い目あっても知らんぞ
助けられないからな 大会では」
揺杏「あっはっは わかってますよー まぁけど……そういうの含めて取り返してくれるのが爽さんでしょ?」
爽「分かってるじゃないか まぁけど私に来る前に飛んだらおしまいだけどな」
誓子「ふふ」
揺杏「酷いっすよ まぁ飛ばないように言うのは誓ちゃんに成香もですからね 」
爽「えーと あれだな 私は弱い時こそどうちゃらってやつでさ あの聖書にのってるやつだよ」
揺杏「あぁ ユキなら一発で分かりそうなやつですか なんか私には難しくてわからないんすよねー」
誓子「まぁ後で由輝子ちゃん来たら聞いてみよっか?」
爽「そうだな まずははやりんを倒す前に倒せる距離に行かなければならない!!
つまり全国出場だ! 初参加初優勝なんてカッコよすぎるぞ!」
揺杏「そうですね ヤバいほどカッケーですよね 」
誓子「うんうん じゃあ練習しよっか 三麻で」
爽「かかってきなさい 二人で通し使っても構わんぞ 」
揺杏「まーたそんなこと言って 前それで負けたじゃないですか 」
爽「あれは私が能力使ってないからであってだな 」
誓子「さっき常時どうちゃらって言ってたのにねー」
爽「もういいだろ さぁ始めよう!」
私はサイコロ回して決められた山から牌を取る
何回この面子で牌を取ったことだろう
何回卓を囲んだことだろう
そして
あと何回囲めるのだろうか
今日はここまでです
口調がおかしかったりするのはまだ情報が足りないってことでお願いします
あと呼び方が違ったりするのは過去の付き合いが長いからってことでお願いします
爽「ロン 12000 これで揺杏飛びじゃないか?」
揺杏「うっわー また私が飛びかー もー 爽先輩強すぎっすわ
ってか誓子さんには合図したじゃないですかぁ 」
誓子「えー 私気づかなかったよ 」
揺杏「え……」
爽「ふははは これは私の圧勝ってことだな 」
私の勝ち
また私の勝ち
いつかテレビで見た小鍛冶プロみたいに国内無敗ってほどじゃないが
ちゃんと本気で打った麻雀は部活内一位だ
二位は由輝子で
三位以下はどんぐりの背比べだ
まぁけど成香は確実にビリだから決まるかも
誓子「ホントになんで爽は去年や一昨年にも個人戦でいいから出なかったの?」
爽「ん?」
揺杏「あぁそれは思ってました いつも聞いてもはぐらかされちゃうし」
爽「いや別に理由なんかないぞ というか私が参加して三年連続全国優勝してきたら
テレビ局わんさか来て困るだろ?」
嘘だ
揺杏「えーけどそれって 打倒はやりんに近づくんじゃあ」
爽「はっ! そうだった 私はなんてことに気付かなかったー」
誓子「うんうん まぁホントは寂しかったんだよね
皆で一丸になった気しないもんね 個人戦だと」
爽「ま、まぁそうだな」
誓子はいっつも勘が良い
当たるかどうかは置いといて
揺杏「えーそんなことないですって 爽ちゃん先輩は感情とか全く無いタイプの人ですって」
爽「なんだとー もう一回卓につけ もう一回地獄見せてやる!」
揺杏「えー ってかそろそろ由輝子来ますし 四人でやりましょうよ ね?」
爽「……そうだな それまでは 雑談でもするか」
さて何話そうかと考えていたとき
成香「あのー 遅れてすいません!! 委員会がありまして……」
爽「なんだ 成香か 遅いじゃないか」
成香「えぇ! すいません けど遅れるって揺杏ちゃんに言ったんですけど……」
揺杏「聞いたし爽先輩に言ったけど 今は由輝子待ちだったんだよねー
だって成香麻雀弱いじゃん」
成香「ふぇぇ すいません 麻雀弱くて! けどけどこれから強くなりますね! 頑張ります!!」
誓子「揺杏ちゃん 苛めちゃ駄目よ ね! 四人そろったし皆で麻雀しましょうか」
爽「よし!! やろう 成香と揺杏は特訓だからな! 県大会は来週だからな」
爽「よしっ! いくぞ 有珠山ファイトー!!
皆で! エイ! エイ!」
成香「おーっ!」
爽誓子揺杏「……」
成香「えぇ!? なんで皆さん言わないんですか ってか爽ちゃんまでー」
誓子「成香は可愛いなぁ 」
揺杏「何回このネタやるんだよ 成香 もうそろそろ慣れようよ」
爽「うむ やはり成香は弄られキャラが似合うな
成香はアラフォーになってからデビューしよう!」
成香「もー 」
さてさてそんな冗談を交わしながら
来週はホントに県大会なのだ
今年初めての出場
5人そろっての出場
負けるわけにはいかない
扉が開く音がして我が有珠山麻雀部5人目がやってきた
由輝子「あれ? 私が最後ですか 遅れてすいません
先ほどシスターから頼まれごとしてまして」
爽「別に気にすることはないぞ ただ遅れた罰として今日は揺杏特性メイド服着て麻雀を打って貰おう もちろん成香と二人でだ 」
成香「ふぇ! 私もなんですか?」
爽「当たり前だろ ほら準備しろ」
由輝子「はい でその服はどこにあるのですか?」
揺杏「おぉー やっぱりユキはいいね いっつも乗り気で
それに比べて成香は…… いつ慣れるのさ」
成香「ってこんなに露出高いんですか! 恥ずかしいですよ」
由輝子「まぁまぁってところですかね さて成香先輩着替えましょう 」
誓子「由輝子ちゃんは平気なんだよね さて四麻だとするなら誰抜ける?
私でいいけど」
爽「いや駄目だ 大会も近い 私が抜けよう それに少し呼ばれてるんでね」
揺杏「あれ? 誰にですか?」
爽「大シスターと理事長だよ 麻雀部のことで色々とな」
誓子「えぇー 私が部長なのに 全く連絡来なかったよ 」
爽「なに心配するな 誓子が出てくるまでもない そっこーで片づけてくる」
私は部室を出てここからは時間がかかる理事長室へ向かう
はぁ……
めんどくさい
今日はここまでです
あと大将って爽ですよね?
多分
そうじゃないと展開間違っちゃうんですけど…(泣)
もし由輝子ちゃんが大将でも爽が大将ってことでお願いします!!
チョコレのころから大将予想してるんで頼みます本当に
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