由比ヶ浜「厨二アレルギーになった」 (11)

奉仕部室

八幡「材木座が近くにいると、アレルギーが起きる?」

由比ヶ浜「…うん、実はそうなの」

八幡「確かにアイツの肩にふけがよく落ちていることはある。

あれを吸い込むと死にたくなるよな」

由比ヶ浜「ち、ちがうもん。そういうのじゃなくて」

八幡「お、おう」

由比ヶ浜「なんか皮膚がざらざらするの」

八幡(もしかするとそれは鳥肌では?)

由比ヶ浜「あと厨二が喋るたびに、頭がくらくらするんだよ」

八幡「材木座に言葉遣いを直すように伝えておく、早急に」

由比ヶ浜「ありがとう、直接は言いづらいんだ。あっべつに厨二が嫌いとかじゃないからね勘違いしないでよね!」

八幡「はい」


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八幡(やれやれ、メールを打つか)

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To 材木座義輝

あのしゃべり方はやめたほうが良い

由比ヶ浜がちゃんと話したいそうだ

あと風呂にはちゃんと入れ

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八幡(というか最後のはなんだ。お兄ちゃんスキルが暴発してしまった感があるぞ)

八幡(小町、こんな浮気性の兄を許してくれ)

八幡(ぽちっとな)

次の日

奉仕部部室

由比ヶ浜「ゆきのーん、あとで一緒にアイス食べに行こう。新しいメニューできたんだって」

雪乃「今は冬なのだけれど、とても寒いのだけれど」ガチガチ

八幡「おい唇が紫だぞ、大丈夫か」

雪乃「比企谷君こそ、その真っ赤になった耳を揉むのをやめたらどうかしら」

由比ヶ浜「もー寒いならわたしがストーブの灯油をもらいに行ってくるよ」

雪乃・八幡「「それなら私・俺が行く…はっ」」

雪乃「あら、ありがたくお願いするわ。それに比企谷君は主夫希望なのでしょう。

これくらいの雑務をこなせないで何が主夫かしら」

八幡「誰がお前の主夫になると言った。

だいたい雪ノ下は灯油の入れ方を知っているのか?あのポンプの使い方分かるか?」

雪乃「石油燃焼機器用注油ポンプの扱い方なら心得てるわ。本で読んだことがあるもの」

八幡「なにそれこわい」

由比ヶ浜「うーじゃあ行ってくるね」

八幡「頼む。次は俺が行くから。雪ノ下には石油燃焼機器用注油ポンプの使い方をしっかり教えておく」

雪乃「私なら大丈夫だから、一緒に行くわ」

由比ヶ浜「ううん、一人で行くよ。廊下寒いし…あ!」ガラッ

雪乃「え」

八幡「あ?」

材木座「あっすいません」

由比ヶ浜「あっ…ぁ…ごめん」

八幡(由比ヶ浜の顔が真っ赤だ。

なんだこれ…なんだこれ…無性に材木座を殴りたくなってきた)

材木座「あの、お話があると伺ったのですが」

雪乃「話し?私は聞いてないわ」

八幡「俺も…あっ!」

八幡(もしかしてあのメールを勘違いして、きたのか)

材木座「その…由比ヶ浜さんから…」

由比ヶ浜「ふぇ…?」

雪乃「どういうこと?」

八幡「さあ」

八幡(なるようになーれ)

材木座「その…」

由比ヶ浜「????」

材木座「…」

由比ヶ浜「????」

材木座「…」





材木座「なんでもないです」ガラッ

由比ヶ浜「えぇ…」

八幡(さすがだ、信じていたぞ。我が同胞よ)

雪乃「訳が分からないのだけれど」

八幡「かくかくしかじかと、いう次第だ」

雪乃「由比ヶ浜さんが材木座君アレルギーで、困ってるのね」

由比ヶ浜「う、うん」

雪乃「ついさっき会ったときはどうだったの?」

由比ヶ浜「顔を見たときは平気だったんだけど、あの指なし手袋を見た瞬間

恥ずかしくなっちゃって」

雪乃「それはなぜかしら?」

由比ヶ浜「良く見たら指先だけじゃなくて、手のひらもあな空いてたの。

しかも、肌に直接ぐるぐる巻きの渦がマジックで書かれてたのを発見したんだ。

そしたら、顔があつくなっちゃった」

八幡「ちなみにその渦はどちらの手に書かれてた?」

由比ヶ浜「右手だよ」

八幡(材木座、螺旋丸の練習してるんだな…ここは黙っといてやろう。

男の名誉は守ってやるべきだ)

雪乃「おそらく螺旋丸の練習をしているのね」

由比ヶ浜「らせん…がん???」

八幡(すまん、男の名誉は守れそうもない)

八幡「螺旋丸とは世界的にも有名な漫画作品 NARUTOの主人公であるうずまきナルトの必殺技だ。

手のひらにチャクラを乱回転させ球状に圧縮し、その球体を相手にぶつけることで

相手に螺旋状の傷を負わせながら高速で吹っ飛ばす。

強力な技である反面、会得難易度は高くそのための修行が必要だった。

その修行の一環として掌に渦を描き、技の習得に役立てたんだ」

由比ヶ浜「…そうなんだ」

雪乃「その詳しすぎる説明には若干引いたのだけれど、貴方まさか」

八幡「おいやめろ、俺はもうしてない。千鳥も雷切も諦めたんだ」

雪乃「その動揺ぶりが気持ち悪いのだけれど」

八幡(先週、写輪眼の模様が入ったのコンタクトレンズを購入したことだけは知られてはいけない。

小町だけにしか伝えていないから大丈夫だとは思うが)

由比ヶ浜「でもそれって漫画の中の設定なんだよね」

八幡「ああ」

由比ヶ浜「ここはリアルだよね。修行しても必殺技は使えないんだよね」

八幡「ああ」

由比ヶ浜「分からない…。分からないよ。厨二が何を考えてるか全く分からない」

八幡(もう由比ヶ浜と材木座を引き離したほうが楽かこれ)

八幡「なんだ、そんなに苦手だったら、これから材木座の依頼は雪ノ下と俺が引き受けるから大丈夫だ」

雪乃「でもそれは根本的な解決ではないわ。問題を遠ざけただけよ」

八幡「気に入らない相手と仲良くする必要はないはずだ」

八幡(特に由比ヶ浜はいろいろと無理をしている気がする。あの八方美人の完成形ともいえるスタイルは見ているほうが辛い)

雪乃「貴方は、人と関わらないから言えるのでしょう。

…そうやって逃げていたら、いつか人を見損なうわ、きっと」

八幡(お互いに完全に理解し合うなんて、土台無理な話だ。だが俺はそこで口を噤んだ。

声にしてしまえば、それが認められてしまいそうで怖かったのだ)

由比ヶ浜「―――私ね、ゆきのんとヒッキーの言うことはどっちも正しいと思う。

ゆきのんの言う通り、私は厨二をそんなふうに理解できないって諦めたくない。

でも、ヒッキーの言った通り、無理に仲良くなろうとして傷ついたこともあるんだ。

だから、私…わたしは…」

八幡「…」

雪乃「…」

由比ヶ浜「もう少し、頑張ってみようとおもう。

厨二ってよく分かんないけど

よく気持ち悪かったりするけど

でも、「キライ」じゃないとおもう」

八幡「…そうか」

由比ヶ浜は言うなれば、挑戦し続ける人間だ。

傷ついても、拒否されても、次の一歩を踏み出せる。

材木座もある意味ではそうだ。

他人と違うことを恐れていない。

厨二病を隠そうともせず、周りに示している

俺とは、違う。

写輪眼レンズを家でしか嵌められない、弱虫とは違うのだ。

くそ。

なんで俺は材木座を羨ましいだなんて思ってるんだ?

八幡「なら、好きにしてくれ。俺は止めない」

由比ヶ浜「…怒ってる?」

八幡「ぇ?」

雪乃「自分では気づけないものね。今の比企谷君、とってもこわいわ」

八幡「…」

由比ヶ浜「…」

雪乃「…」

八幡「帰る」

由比ヶ浜「ヒッキー!」

雪乃「そう、さよなら。比企谷君」ピロリン♪

雪ノ下のスマホが鳴った。

それを見た雪ノ下がピシリと固まった。

雪乃「…待ちなさい比企谷君」

八幡「なんだよ」

雪乃「明日大事な話をしましょう。貴方の事についてよ」

八幡「は?」

雪乃「それと、ちょっと安心したわ。比企谷君にも人間的な部分があるのね」

八幡「俺ほど人間的な奴はそういない。他人の仲を切り離したりするのも大好きだしな」

雪乃「そうやって自罰的になるのを止めなさい。見苦しいだけよ」

八幡「…」バタン

雪乃「呆れたわ。あそこまで不器用だと思わなかった」

由比ヶ浜「ゆきのん、大事な話って?」

雪乃「そうね…きっと由比ヶ浜さんにも関わる話よ」

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