おそ松「え、十四松死んじゃったの?」 (42)

十四松「うん! 死んじゃった!! いやーうっかりうっかり!!」

おそ松「そっかー死んじゃったかー、じゃあしょうがないなー」

チョロ松「何普通に霊体と話してるの!?」

トド松「十四松兄さん、なんで死んじゃったの? 交通事故?」

カラ松「それだけじゃこいつが死ぬとは思えないが……」

十四松「殺されたんだ!! あの人に!!」ビシッ

おそ松「『あの人』……?」チラッ

じぐ蔵「だって……なかなかトド松捕まえられなくてイライラしてたんだもん……ううっ」

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十四松「ねえねえ! 僕生き返るかな!?」

おそ松「ギャグアニメ補正で生き返ることはできるけど……3日かかるんだよな」

十四松「嘘!? それはまずいよ!!」

トド松「何かあるの?」

十四松「今日は子ども達と野球をする約束をしていたんだ!!」

チョロ松「ええっ!? お前一人で野球やってたんじゃないの!?」

カラ松「ふっ……俺には分かるぜ……子ども達と言っておきながら……本当は女がいるんだろ?」

一松「……」イラッ

ドゴッ!!

カラ松「うっ!!」バタッ

おそ松「あれ一松、今日はバズーカじゃないの?」

一松「弾切れ」

子ども「十四松兄ちゃーーーーん!! あーーーーそーーーーぼーーーーー!!」

子ども「あーーーそーーーーぼーーーーー!!!」

十四松「来た!!」

チョロ松「霊体姿を見て子ども達がびっくりするかもしれないから俺が行くよ」






ガラッ

チョロ松「ごめんね君達。 実は十四松は……」

子ども「十四松兄ちゃんだーーーー!!!」

チョロ松「えっ」

子ども「十四松兄ちゃん!! 今日は試合だよ!! 一緒に頑張ろうね!!」

チョロ松「……いや、僕は十四松じゃ……」

子ども「十四松兄ちゃんがいれば百人力だよ!!」

チョロ松「……あのさ、話をちゃんと聞いて……」

子ども「早く行こう十四松兄ちゃん!!」

チョロ松「だから十四松じゃないって!! チョロ松!!」

子ども「えっ……」

チョロ松「十四松は今日は……あれだよ、体調不良でさ……これないんだって」

子ども「じゃあ……今日は十四松兄ちゃんとは野球できないの?」

チョロ松「うん、そうなんだよねー……悪いけど今日は無理かな……」

子ども「う……う……」

子ども「うわーーーーーーん!!」

チョロ松「な、泣かないで!! 本当にごめん!! でもしょうがな……」

バタン!!

子ども「あれ、扉閉めちゃった」

??「ちょ、ちょっと待っててね!! 準備するから!!」

子ども「準備……?」

子ども「もしかして十四松兄ちゃん!?」

??「うん、そうだよ!! 体調不良は嘘!! 待っててね!!」

子ども「わーーーい!!」

チョロ松「ちょっと!! 何いきなり扉閉めて適当なことぬかしてんの!?」

おそ松「これだから童貞は……」

チョロ松「お前もだろ!!」

おそ松「お前の所為で子ども達が泣いちゃったじゃん」

チョロ松「じゃあどうすればよかったっていうんだよ」

おそ松「これから俺達が……十四松になる!!」

チョロ松「……は?」

トド松「ちょ、ちょっと待っておそ松兄さん。 『俺達』ってことは……」

おそ松「もちろんお前らも!!」

一松「えっ」

カラ松「詳しく話を聞かせてもらえるか」

おそ松「チョロ松が出てきた時に十四松って間違えたじゃん?」

トド松「……そっか!! なりきるってことか!!」

おそ松「俺達の誰かが十四松って偽れば子ども達が悲しむことはない!!」

一松「無理でしょ」

おそ松「……一松?」

一松「十四松みたいに常にハイテンションでいけんの? 十四松みたいに腕とか足とかぐにゃぐにゃできるの?」

トド松「た、確かに……」

カラ松「男にはな……やらなきゃいけない時があるんだ」

パリーン!!

ネコ「ニャー」

一松「偉いぞ、よくサングラスを割った」

カラ松「」

チョロ松「確かに十四松並に常にハイテンションを維持するのは難しいな……」

トド松「じゃあおそ松兄さんでいいんじゃない? 十四松兄さん並に馬鹿だし」

おそ松「うーん……でも腕ぐにゃぐにゃできないしなー」

十四松「心配ご無用コンドー無用ーーーー!!!」

カラ松「……何か秘策でもあるのか?」

十四松「みんな!! この薬使って!!」

おそ松「十四松、何これ?」

十四松「腕がぐにゃぐにゃになる薬!! 五つあるよ!!」

十四松「僕みたいにぐにゃぐにゃってできるよ!!」

チョロ松「何それ!? 危ない薬じゃない!? 副作用とかは!?」

十四松「ノーノー!! ノーアウト満塁!!」

おそ松「ていうかよくこんなの持ってたね」

十四松「これ使えば一松兄さんも明るくなると思ってデカパン博士にもらった!!」

一松「えっ」

おそ松「いやいや十四松、こんなの一松が使ったらそのまま勢いで人殺しちゃうって」

トド松「あり得る」

チョロ松「確かに……」

カラ松「……」

カラ松(ここでフォローするといつもやられるからな……すまないがフォローはしないぞ一松)

一松「……」

ドゴォ!!

カラ松「はうっ!?」

チョロ松「ええっ!? なんで!? 何も言ってなかったよねカラ松!?」

一松「顔がうざい」

子ども「十四松兄ちゃーーーん!! まだーーー!?」

トド松「兄さん達!! 早く出よう!! 子ども達が待ってる!!」

おそ松「……よしお前達!! 交代制だ!!」

カラ松「交代制……?」

おそ松「流石に十四松のテンションを維持するのは辛い!! だから限界だと思ったら子ども達の隙を見て俺達から視線を逸らしてる間に誰かと入れ替わるんだ!!」

トド松「なるほど!! 僕達顔そっくりだしきっとバレないよね!!」

一松「服は?」

おそ松「へ?」

一松「服どうすんの、同じじゃないと」

カラ松「そうか……じゃあいつものスーツを……」

チョロ松「野球行くのにスーツ着るの!?」

トド松「……ねえ十四松兄さん、練習着は?」

十四松「あるよ!!」

おそ松「でかした! くれ!」

十四松「ムエエエリクリスムアアアアス!!!」オエーッ

五人「」

チョロ松「どうやったら口の中に練習着を入れられるの!?」

おそ松「もうツッコんでる暇ないぞチョロ松!! 早く着ようぜ!!」

一松「ゴミにはゴミがお似合いか……」

トド松「臭そう……」

おそ松「おいトッティ!! アレンジして着るな!!」

トド松「えー……分かったよー……」

カラ松「全員準備が整ったか……長い旅路に出かけるとするか」

おそ松「十四松、お前は家で待ってろよ。 お前の姿を見たら子ども達が悲しむからな」

十四松「分かった!! 行ってらっしゃい!!」

おそ松「じゃあまずは俺が十四松役やるから四人は距離を置いて来てね」

カラ松「ああ」

ガラガラガラ

子ども「!!」

おそ松「待たせたなお前ら!! さあ、野球しに行こう!!」

子ども「わーい十四松兄ちゃんだーーーーー!!!」

子ども「早く行こーーーー!!」

おそ松「ハッスルハッスル!!」

子ども「マッスルマッスル!!」

おそ松「ハッスルハッスル!!」

子ども「マッスルマッスル!!」

おそ松「わーーーはっはっはっはっ!!!」










トド松「流石兄弟一の馬鹿だけあるね、馬鹿ナンバー2に完全になりきってるよ」

カラ松「ああ、流石俺達の兄貴だ……」

一松「そのうちボロ出そう」

チョロ松「おい一松!! 不吉なこと言うなよ!」

おそ松「ハッ……ハッスルハッスル……」

子ども「あれ? どうしたの十四松兄ちゃん? なんでそんなに疲れてるの?」

子ども「いつもなら僕達が先にバテる筈なのに……」

おそ松「な、なんでもないぞぉ!! 気にするな!!」

おそ松「……」ビシッ









カラ松「……!! あの『シェーッ』のポーズは……」

トド松「『交代してくれ』のポーズ!!」

一松「誰が行くの?」

カラ松「……俺が行こう」

トド松「カラ松兄さんが!? なんか不安なんだけど!?」

カラ松「子どもたちの心を掴めないようじゃ……女の心も掴めない」

チョロ松「何わけ分かんないこと言ってんの」

一松「早く行けよクソ松」

おそ松「……あっーーーー!! デカパンマン!!」

子ども「ええっ!? どこどこ!?」キョロキョロ

おそ松(今のうちに……)ダッ

カラ松「任せろ」ボソッ

おそ松「頼んだ」ボソッ

子ども「……ねえ十四松兄ちゃん、デカパンマンいないよー」クルッ

カラ松「……すまない、俺の視線がまぶしくて逃げてしまったようだ」

子ども達「イタタタタ!!」

カラ松「……?」











おそ松・チョロ松・一松・トド松「イタタタタ!!」

その後も五人はなんとか乗り切った。








チョロ松「ハッスルハッスル!!」

子ども「……あれ。十四松兄ちゃん、さっきとハッスルのポーズ違うね。 気持ち悪いドルオタくさい」

チョロ松(なんでそんな的確なんだよ!!)









トド松「ハッスルハッスル〜」

子ども「あれ、なんか急に女々しくなったよ十四松兄ちゃん」

おそ松「おいトッティ!! ちゃんとやんないと今度の合コン乱入するぞ!!」ボソッ

トド松「!!」ビクッ

子ども「……十四松兄ちゃん?」

トド松「ハッスルハッスルウウウウ!!」

子ども「わーい! いつものに戻ったーーー!!」











一松「ハッスルウウウウウウウウウウウア!!! ハッスルウウウウウウウウウウウア!!!」

子ども「マッスルマッスルーーーーー!!!」

トド松「すごい勢いだね一松兄さん」

おそ松「まさかカラ松のサングラスを沢山割らせてあげるって言っただけであんなやる気でるなんてなー」

カラ松「俺……泣いていいか?」

チョロ松「いいんじゃない?」

子ども「グラウンドについたーーー!!」

おそ松「はぁ……はぁ……」

子ども「……あれ、息切れなんて珍しいね十四松兄ちゃん」

子ども「もしかして……実は十四松兄ちゃんの偽物……」

おそ松「そ、そんなわけないぞーーーーー!! これは息切れじゃない!! 興奮だ!! 昨日夜中に見たAVを思い出したのだ!!」

チョロ松「子ども達の前で何言ってんだよ!!」

子ども「なんだそっかー」

チョロ松「引けよ!! そこはドン引きしろよ!!」

カラ松「しかし……グラウンドに向かうだけでこんなに疲れるとはな……」

トド松「十四松兄さん、一体どれだけ体力あるの……」

子ども「あ!! 対戦相手もちょうど来たよ!!」

おそ松「対戦相手……?」

ハタ坊「試合をやるジョー」

おそ松「ミ、ミスターフラッグ!?」

チョロ松「ええ!? 対戦相手ってハタ坊だったの!?」

トド松「野球できなさそうだなぁ」

一松「あのさ」

トド松「?」

一松「俺らって十四松みたいに野球できなくね?」

カラ松・チョロ松・トド松「!!!」

一松「野球下手くそだと十四松じゃないってバレるし失望されると思うんだけど」

エスパーニャンコ「期待を裏切っちゃうかも、自分が」

チョロ松「いたのこいつ!? 薬の効果切れたんじゃ!?」

一松「また薬をもらった」

カラ松「何……心配いらない。 不可能を可能にする……それが松野カラ松だ」

トド松「じゃあ全部カラ松兄さんに任せよっか」

チョロ松「そうだね、僕らにはそんな力ないし」

一松「頑張れよクソ松」

カラ松「」

試合開始

おそ松「最初は俺達の攻撃かー」

子ども「十四松兄ちゃん!! 今日も四番バッターお願いね!!」

おそ松「お、おう!! 任しとけ!!」

おそ松(うっわ〜……四番バッターとか一番重要な打順じゃん)

おそ松「そういえばハタ坊チームのピッチャーは……」

ハタ坊「投げるジョー」

おそ松「ハタ坊!?」











トド松「ハタ坊がピッチャーって……誰でも簡単にホームランが打てそうだよね」

カラ松「だ、誰でも!? ……ということはやっぱりバッターは俺じゃなくても……」

一松「お前一人でやれよ」

チョロ松「まーまー一松。 カラ松だとボロ出そうだし……とりあえず四番に打順が回ったら考えよう」

ハタ坊「投げるジョー」

子ども「こい!!」

ハタ坊「ふぉ〜い」ポワーン







チョロ松「遅っ!! 何あのスローボール!?」

トド松「しかも思いっきりボール球だよ……」










審判「ストライク!!」

一同「!!!!?」

チョロ松「いやいやいやいやいや!!! おかしいでしょ今の!! どう見てもボールでしょ!!」

カラ松「驚いた……今世紀最大の誤審だ」

トド松「おそ松兄さん、ここは抗議にいった方が……」チラッ











おそ松「へーあそこでもストライクになるんだー」

チョロ松「納得してんじゃねえよ!!」

この後、子どもが抗議したが判定は覆らなかった。

ハタ坊「スリーアウトだジョー」

おそ松「くっそー……よーし! 次は守るぞーーー!」

子ども「ピッチャーよろしくね十四松兄ちゃん!!」

おそ松「!!?」

子ども「……十四松兄ちゃん?」

おそ松「ごめんトイレ!!!」ダッ







カラ松「どうした兄貴」

おそ松「ピッチャーとかマジめんどくさいんだけど!! 誰か変わってくんない!?」

一松「クソ松がやるって」

カラ松「い、いや……俺は……」

おそ松「お前じゃダメだって!! バッターが打ったボールが顔面にぶつかるのがオチ!!」

トド松「ありえそうなのが怖いよねぇ……」

おそ松「よし! ここはジャンケン!!」

チョロ松「ええっ!? ジャンケン!?」

おそ松「大人しくお兄ちゃんの言うことを聞け!! じゃーんけーーん……」

「「「「「ポン!!」」」」」

おそ松「一松が負けた!! じゃあ一松頼んだ!!」

一松「……」

おそ松「十四松再現したらカラ松殴打券100枚あげるから!!」

一松「任せろ」ダッ

カラ松「俺……泣いていいか?」

チョロ松「勝手に泣けばいいと思うよ」

審判「ストラーーーーイク!! バッターアウト!!!」

一松「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

おそ松「すげーや一松!! あっという間にツーアウト!! しかもまだ6球!!」

トド松「あんな一松兄さん初めて見たよ……」

ハタ坊「打つジョー」

カラ松「次のバッターはハタ坊か……」

おそ松「まああいつのことだし打つことはないでしょ」

トド松「かましちゃえ一松兄さん!!」

一松「終わらせる……」ブン!!

パシィン!!

ハタ坊「……」ボーッ

チョロ松「ど真ん中豪速球!?」

カラ松「まずはワンストライクか……」

審判「ボール!!」

一同「!!!?」

ハタ坊「やったジョーボールだジョー」

一松「審判……今のはストライクじゃ……」

審判「私がボールと言ってるんだ!! ボール!!」

一松「……」イラッ

おそ松「まずい!! このままだと一松が審判を殺しちゃう!!」

トド松「耐えて一松兄さん!! カラ松兄さんを殴れなくなるよ!!」

一松「……」ピタッ

おそ松「お、おお……どうやら暴力を振るわずにすんだみたいだ」

チョロ松「あいつはどんだけカラ松殴りたいの……」

一松「どうせこれでストライクとりゃいいし……」

ハタ坊「早く投げてほしいジョー」

一松「……」ブン

パシィン!!

トド松「やった! 今度こそストライクだ!!」

カラ松「流石だ一松……」

審判「ボール!!」

一同「!!!!!?」

パシィン!!

審判「……ボール!! フォアボール!!!」

ハタ坊「やったジョー」

一松「クソが……」

トド松「そんな……あえてボール球投げてもボールだなんて……」

おそ松「おかしいぞ審判!!」

チョロ松「声がでかい!! ばれたらどうすんの!!」

カラ松「……だが見ろ、次のバッターは三球三振で仕留めたみたいだ」

審判「チェンジ!!」

子ども「十四松兄ちゃんが最初だよ!!」

一松「!!」

トド松「そっか……一回の表は全員三振スリーアウトだったっけ」

チョロ松「まあどう見てもボールだったけどね」

おそ松「あれ全部ストライクゾーンじゃなかったの!?」

チョロ松「まだ言ってんのかよ!!」

一松「……トイレ」ダッ








カラ松「どうした一松」

一松「うるせえ」

カラ松「」

一松「限界……誰か交代して」

おそ松「しょーがないなー……じゃあまたジャンケンねー」

おそ松「ジャーンケーン」

「「「「「ポン!!!」」」」」

おそ松「……あ!! 負けた!!」

トド松「おそ松兄さん……ホームラン打てる自信は?」

おそ松「だーいじょうぶだって!! なんとかなるでしょ!!」

チョロ松「秘策とかあるの?」

おそ松「ないよ」

チョロ松「ないのかよ!! どっからそんな自信が来るんだよ!!」

子ども「十四松兄ちゃんまだかなー」

カラ松「早く行った方がいいんじゃないのか?」

おそ松「そうだな……おっし!! やってやる!!」

おそ松「待たせたなお前ら!! うんこ思いっきり漏らして気分は快調だーーー!!」

子ども「わーーーい!!」

子ども「今日も特大ホームランお願いね!!」

おそ松「任せとけ!!」

おそ松(相手はヘナチョコボールしか投げないハタ坊だ、ホームランぐらいわけないよな)

おそ松「おーーーし!! かかってこいハタ坊!!!」

ハタ坊「投げるジョー」

おそ松「!!!!!?」












トド松「あ、あのハタ坊が持ってるのって……」

カラ松「尻用の旗……!!」

チョロ松「ボールでもなんでもねーよ!!」

ハタ坊「第一球投げるジョー」ドドドド

おそ松「待ってハタ坊!! それボールじゃないから!! ていうか投げてないよねそれ!? 旗持って俺に突っ込もうとしてるよね!?」

ハタ坊「ストレートだジョー」

グサッ!!

おそ松「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!」

審判「ストライイイイイイイク!!!」

チョロ松「ストライクじゃねーよ!! やっぱりあの審判変だって!!」

おそ松「あ、あう……」ピクピク

審判「早く立ち上がりなさい、ワンストライクだぞ」

おそ松「!?」

トド松「今のストライクって冗談じゃなかったの!?」

おそ松「おい審判!! 流石の俺でも怒るぞ!!」

審判「!!」

おそ松「こんなん野球じゃないって!! ちゃんと審判しろよ!!」

トド松「おそ松兄さんが審判の胸ぐらを掴んでる!!」

チョロ松「まずいよ!! 退場させられる!!」

おそ松「ちゃんと審判しろーーーーー!!!」ユッサユッサ

審判「や、やめろ!!!」

ボトボトボトボト……

カラ松「!! 審判のポケットから何か落ちたぞ」

一松「あれは……」

おそ松「えっ!! なんでそんなに札束持ってんの!?」

チョロ松「そうか分かったぞ!! ……ていうか対戦相手がハタ坊の時点で気づくべきだった!!」

チョロ松「審判は……ハタ坊によって買収されてたんだ!!」

子ども「十四松兄ちゃん!! この人買収されてたんだ!!」

おそ松「何ぃ!? お前よくも……」

審判「ゆ、許してくれ!! 私にだって家族がいるんだ!!」

ハタ坊「……」ボーッ

審判「ハ、ハタ坊さん……このお金は返します……」

審判「……そしてこの試合を一回の表から再開させていただきます!!」

ハタ坊「!!!」

おそ松「……ハタ坊?」

ハタ坊「こ、これじゃあ……これじゃあ試合に勝てないジョーーーーー!!!」

ハタ坊「うわーーーーーーん!! 」

おそ松「……あのさぁハタ坊」

ハタ坊「……?」

おそ松「確かに勝てない試合なんて全然楽しくないよね」

おそ松「でもズルしてまで自分の思い通りに行くような試合をしちゃったら周りの人達はもっと楽しくないと思うよ?」

おそ松「男だったら実力で勝負しねーと!! な?」

ハタ坊「……」

おそ松「……」

ハタ坊「……分かったジョ!! ガチンコで勝負するジョー!!」

おそ松「分かってくれた? よかったよかった」

子ども「あーーーー!!」

おそ松「どうした!?」

子ども「あ、あそこに……十四松兄ちゃんそっくりの人達がいる!!」

カラ松「!!!」

チョロ松「やばい、ばれた!!」

おそ松「お、お前ら!! ちゃんと隠れてろって言ったのに……」

トド松「おそ松兄さんの説得をボーッと見てて隠れるのを忘れてた……」

子ども「……あっ!!」

子ども「どうしたの?」

子ども「もしかして……雰囲気がコロコロ変わるのは……実は……」

おそ松「!! ち、違うぞお前達!! 実はだな!!」

子ども「……?」

おそ松「俺は分身を作れる技を編み出したのだ!!!」

子ども「!! そっか、だからあんなにいるんだね!!」

おそ松「ああそうさ!! なぁお前達!!」

チョロ松「お、おう!!」

トド松「勿論!!」

カラ松「ふっ……」

一松「……」

おそ松「よーーし!! このまま分身を出したまま試合するぞーーー!!!」

子ども「わーーーい!!」

おそ松「そんで俺と一松はハタ坊のチームになろう!!」

一松「えっ、なんで」

おそ松「俺らがそっちで戦えばちょうどバランスよくなると思って!! そしたらハタ坊も勝てるかも!!」

ハタ坊「わーーーい!! 勝てるかもしれないジョーーーーー!!」

カラ松「悪いがハタ坊……俺が勝利へと導く限りお前に勝ち目はない」

チョロ松「あ、これ負けフラグだ」

トド松「みんな頑張ろうねー」

子ども「おーーーーーー!!!」

その日はめちゃくちゃ野球をしまくった。

おそ松「ただいまー……あー疲れたー」

十四松「お帰りーーーーーーー!!!! ありがとう兄さん達!!」

チョロ松「ちょ……こっちは帰ってクタクタなのにそんな大声出されたら……」

カラ松「しかし……我ながら一回もアウトにならなかったのは凄いな」

トド松「素直に全打席デッドボールっていいなよ……」

一松「……」ニヤア

おそ松「十四松、今度また子ども達と野球やることになったよ」

十四松「本当!?」

おそ松「でも次にやる時は生き返ってると思うから安心して」

十四松「分かったーーーーーーー!!!!」

当日

子ども「十四松兄ちゃーーーーーーーん!! 野球しよーーー!!」

ガラガラ

十四松「よーーし!! 野球やるぞーーーー!!!」

十四松「ワンアウト!! ツーアウト!! グランドスラム!!」ブンブン

子ども「……あれ、なんかいつもの十四松兄ちゃんと違う」

十四松「!!?」

子ども「僕達の知ってる十四松兄ちゃんは馬鹿っぽいけどリーダーシップがあったり……」

子ども「ナルシストだったり……」

子ども「ダサくて童貞くさかったり……」

子ども「捻くれた感じだったり……」

子ども「甘えん坊っぽかっりしたけど……」

十四松「……」

子ども「……」

十四松「……」

子ども「……」

十四松「……馬券だーーーー!!!」

子ども「!!?」

十四松「馬券です!! 馬券馬券!!!」

十四松「俺を……養わないか!?」

十四松「ニャーちゃん!! すっげーー可愛いよニャーちゃん!!」

十四松「クズです! ゴミです!! 燃えないゴミです!!!」

十四松「今日は甘えるぞーーーー!!」

子ども「わーーーい!! いつもの十四松兄ちゃんだーーーー!!」

子ども「十四松兄ちゃん!! この間みたいに分身してーーー!!!」

十四松「よーーーし!! 分身するぞーーー!!!」シュンシュンシュンシュン

子ども「すげーーー!!」











十四松「ハァハァゼェゼェハァハァゼェゼェ」

チョロ松「うわっ!? なんでそんな汗びっしょりなの!?」

トド松「十四松兄さん、あれから子ども達を傷つけたくないから一人五役やってるんだって」

おそ松「なんかごめん」

〜終わり〜

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