提督「金庫って十回言わせてから」 (86)
提督「股間を指さしてここは? って聞いてみようと思う」
大淀「……なぜ?」
提督「楽しそうだから」
大淀「子供ですかあなたは……」
提督「いいじゃねぇか少しくらい。日々多くの艦娘に囲まれて逆セクハラされてるんだし、
たまにはやり返しても」
多摩「なんで多摩限定にゃ」
提督「……いや、違くて。つかどっからでてきてんのお前」
大淀「さっきから机の下に居ましたよ」
提督「まーじでー」
多摩「おかげさまで下品ないたずらの被害者になる可能性がなくなって万々歳にゃ」
大淀「ちなみに、誰にやるつもりなんです?」
提督「とりあえずは曙」
大淀「…………なぜ?」
提督「紅くなって何言わせようとしてんのよクソ提督! ってなるだろ?」
大淀「まぁ大体そんな感じのイメージですね」
多摩「目に浮かぶにゃ」
提督「で、股間だけどプークスクスってしたい」
大淀「趣味悪いですね」
多摩「というか股間も大概アカンワードにゃ」
提督「まーじでー?」
大淀「お互いの外見年齢で考えると……微妙な所ですね。年の離れた従妹的な感じならギリ……」
提督「ま、とりあえず行ってくる」
多摩「提督は怖いもの知らずにゃ」
提督「なぁに、最悪の事態になっても練度30程度の駆逐艦相手なら艤装つけてても負けん」
大淀「いや、そうでしょうけど……。はぁ、いってらっしゃい」
提督「おう」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452085609
提督「俺の曙ー」
曙「……」
提督「可愛い可愛い俺のあけぼのー」
曙「……はぁ」
提督「どこだー俺のあけぼのー」
曙「ったく、はいはい。あんたの曙はここよ」
提督「おぉ、そこにいたのか曙。もっと早く声をかけてくれればよかったのに」
曙「できればスルーしたかったんだけどね。人の名前呼びながらうろうろしないでくれる?」
提督「ははは、すまないすまない。お前に少し用があってな」
曙「でしょうね。用もないのにあんな風に呼ばれたらたまったもんじゃないわ」
提督「流石。話が早い」
曙「で、なによ? 別に忙しいわけじゃないけどあんたに使う時間はないの」
提督「わーお、辛辣ー。じゃあ手っ取り早く、金庫って十回言って」
曙「……え、なにそれ。ピザ的な奴? そんなのの為に呼んで回ってたの?」
提督「いいから、早く」:
曙「金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫」
提督「ここは?」
曙「? ちんぽでしょ?」
提督「……ん?」
曙「あんたなんか間違ってない? それじゃピザって言わせて膝指さしてるようなものじゃない」
提督「いや……え?」
曙「あ、それとも私がチンコって言ったらよかったの?
でもそれじゃことぽの違いだし……」
提督「ちょっとまって、もう一回言ってくれるか?」
曙「なにを? ちんぽ?」
提督「……」
曙「え、……あっ! も、もしかしてあんた実は女……」
提督「いやいやいや、ちげーよ! こんな無精髭生えた女が居るかよ!?」
曙「あーびっくりした。そうよね、流石にそんな訳ないわよね」
提督「ていうか、えっ、は? ……えぇぇぇ?」
曙「……? なんなのよ」
提督「なんなのって……こっちの台詞だよ。なんでそんなあっけらかんと」
曙「……あー、あーあー。なるほど、あんた私を恥ずかしがらせたかった訳ね?
でも残念でした。ちんぽ程度いくらでも言えるわよ。ちんぽちんぽちんぽ」
提督(得意げな顔して連呼する曙……なんだろう、逆にエロい気がする)
曙「ふふん」どやっ
提督「……と、とりあえず俺はこれで帰るけど。あんまり連呼すんなよな!」
曙「んべーっだ」
―――
提督「という結果になった」
大淀「……それは……なんといいますか。え? マジですか?」
多摩「インターネットが発展した今の社会が生んだ性知識の低年齢化にゃ」
大淀(そっちよりも問題は羞恥心等の意識面なのでは……?)
提督「一体曙にどんなパラダイムシフトが……あっ」
多摩「どうしたにゃ?」
提督「多摩、ここは?」
多摩「言う訳ねーにゃ」
大淀「私も言いませんからね」
提督「だよな。一瞬自分の常識が火星までかっとんでいった気がして」
大淀「まあいいんじゃないですか? 結果は予想外でしたけどトラブルにならず終わったんですから」
提督「ある意味とんでもねぇトラブルだよ!」
多摩「気にしたら負けにゃ。仕事しろにゃ」
提督「……いや、ちょっとまた行ってくる」
大淀「は? どこにですか?」
提督「電と雷ならきっと俺の望む反応をくれるはずだ」
多摩「仕事しろにゃ」
提督「もう終わってる。じゃ」
多摩「……え、終わってるにゃ?」
大淀「えぇ、仕事はできるのであの人」
多摩「にゃーん」
提督「……さて、あの二人は遠征ローテに入れてないし多分六駆揃って部屋かな?」
暁「あ、司令官。珍しいわねこんなところで」
提督「ありゃ、予想外れたか。よぉ暁、散歩か?」
暁「ううん、熊野さんに誘われて最上型の人達とお茶会するの」
提督「ほぅ、それはそれは。またぞろレディのあり方講座か?」
暁「違うわ。今日は単純にお話しましょって。他にも軽巡とか軽空からも参加してる人も居るのよ?
司令官も一緒に参加する? きっとみんな喜ぶと思うわ!」
提督「いや、悪いけど今はちょいと立て込んでいてな。また誘ってくれ」
暁「なんだ、残念」
提督「それじゃ……っと、暁。雷と電はいま部屋に居るか?」
暁「うん。二人ともいまは部屋で手品の練習してると思う」
提督「そっか、ありがと……あぁ、あと最後に……金庫って十回言ってみてくれ」
暁「? 金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫」
提督「ここは?」
暁「? おちんちんでしょ?」
提督「oh……」
暁「どうしたの司令官?」
提督「いや、なんでもない……。じゃあな」
提督「あっるぇー……? ウチの駆逐艦もしかしておかしい……?」
(第六の部屋の前)
提督「……いやいや、きっと曙は強がってただけで、実はあの後顔真っ赤だったんだ……。
暁はいつものレディ(笑)のなにがしかでバグってただけで……そう、そうに違いない……」
提督「……よしっ! ノックしてもしもーし!」
(扉の開く音)
雷「はぁーい、ってあら。司令官、どうしたの?」
電「え、司令官さん?」
提督「おう、悪いな二人とも急にやってきて」
電「司令官さんがお部屋にやってくるなんて珍しいのです」
雷「私達になにかよう? お仕事かしら? えぇえぇいいのよ! たっくさん私に頼ってね!」
電「い、電も司令官さんの為にがんばるのです!」
提督「いや、意気込みはありがたいが今回はそんな大層な用事じゃないんだ」
雷「そうなの? でも、どんなに小さなことでもいいから、なにかあったらちゃんと頼ってね?」
提督「あぁありがとう雷。じゃあ早速で悪いんだが、二人とも金庫って十回言ってみてくれるか?」
雷「金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫」
電「金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫」
提督「ここは?」
電「え……?」
雷「それは……」
提督(おっ、やっぱりこの二人なら……!)
雷「……もしかして、司令官溜まってるの?」
電「はわわ、雷ちゃんストレートすぎなのです!」
提督「え」
雷「もうっ! そうならそうと言ってくれればいいのに!」
提督「……え?」
雷「いいのよ? 別にそんな遠回りに言わなくても!
ほら、私がおちんちん気持ちよくぴゅっぴゅっさせてあげるから!」
電「雷ちゃんはもう少し遠回りに言うべきなのです!」
提督「ちょ、ちょっと待っ」
雷「大丈夫、任せて! いつ司令官に求められても良いように練習してたんだから!
お口でする? それとも……こっち? もちろんお尻も大丈夫よ!」
電「……せいっ!」
雷「はうぁっ!」
(倒れる音)
電「雷ちゃん、暴走しすぎなのです」
提督「い、いったいなにが……」
電「司令官さんごめんなさいなのです。この通り雷ちゃんは気を失ってしまったのです」
提督「お、おう」
電「だから司令官さんのおちんぽは電が代わりに気持ちよくしてあげるのです! 電の本気をみるのです!」
提督「……お疲れ!」
(扉の閉まる音)
電「あっ、司令官さん!? 司令官さーん!?」
―――
多摩「……」
大淀「……」
提督「……」
多摩「なんというか、言葉もないにゃ」
大淀「私は未だに信じられません。まさかそこまで駆逐艦の風紀が乱れていたなんて」
提督「風紀っていうか……なんだろう、なんか……えぇぇ、こわっ」
多摩「もうあきらめるにゃ」
提督「っていうかさ、俺って溜まってるように見える?」
大淀「なんですかその質問……。いえ、意味はわかるんですけど」
多摩「まぁ誰よりも遅く寝て誰よりも早く起きてるし、
起きてるときは大体誰か傍にいるから発散はしてないイメージはあるにゃ」
大淀「確かにそうですね。……ただ駆逐艦にそんな風に思われるというのはどうかと思いますけど」
提督「俺にどうしろと?」
多摩「週一くらいで夜遊びに街にでてみたらいいにゃ」
提督「俺この一帯で会える友達いねぇし。そもそも俺もお前らと同じで外でるのに認可が必要なんだぞ?
知らないだろうけど、俺が許可するお前らより大本営に申請しないといけない俺の方が外出られないんだからな」
大淀「あぁ、そういえばそうですね。けれど、それならそれで対策を考えないといけませんね」
多摩「もう面倒にゃ。もうそのまま雷でも電でも抱いたらいいにゃ」
提督「……んーそれもなぁ、なんか。いや、んー……」
大淀「あら、どちらへ?」
提督「ちょっとこうなったら他の連中の確認を、具体的には龍田に会いに行く」
多摩「まーじかにゃー」
提督「大丈夫だ、練度50超えといえど旧式の軽巡洋艦程度艤装ありでも負けん」
大淀「勝ち負けではなくて信頼という面でどうかと思いますけど、嫌われますよ?」
提督「それでもいい。普通の反応がみたいんだ!」
多摩「……逆に龍田が雷電姉妹みたいだったらどうするにゃ?」
提督「……行ってくる!」
(扉の閉まる音)
多摩「……ちなみに大淀と仲のいい明石とかはどうにゃ?」
大淀「さぁ、あまり下の話ってしませんから……球磨型のみなさんは?」
多摩「球磨姉と北上あたりは微妙だにゃ。木曾は大丈夫だと思うけど」
大淀「……龍田さんはどうでしょうね?」
多摩「わからんにゃ」
―――
提督「龍田龍田……んー、あいつは出撃、遠征共になし。
時間的に食堂にもいないだろうしドックも違う、
天龍が遠征行ってるから……どこだろう」
陸奥「あら。あらあら。難しい顔してどうしたのかしら?」
提督「んあ? 陸奥か。……陸奥か!」
陸奥「そ、そうだけど……。なによ急に大声だして、驚くじゃないの」
提督「艦種多く人数揃い、様々な個性の強い艦娘が跳梁跋扈するなかで
大人のお姉さん的立ち位置を不動の物としたレディ陸奥じゃないか!」
陸奥「え、えぇ? どうしたのよ急に」
提督「陸奥、俺はお前に期待してるからな! お前なら、お前は違うって信じてる!」
陸奥「あらあら、よくわからないけど期待されるのは嬉しいわね」
提督「陸奥、金庫って十回いってみてくれ」
陸奥「? きんこきんこきんこきんこきんこきんこきんこきんこきんこきんこ」
提督「……なんか言い方可愛いな」
陸奥「そ、そうかしら?」
提督「うん」
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「……え? それで終わりなの?」
提督「あ、違う違う。えぇっと。じゃあここは?」
陸奥「ここ? ……え、あー……ちょっと待ってもらえる?」
提督「おう」
陸奥(え、期待してるとか信じてるとか言ってたわよね? ……私はなんて答えればいいのかしら)
提督「……」
陸奥(というかなんで提督はあんなに真剣な目なの? この問答に深い意味があるの?)
提督「……」
陸奥(考えなさい陸奥。ビッグセブンとして、提督が言った大人のお姉さんとしてここでの正解はなに?)
提督「…………」
陸奥「……提督、ちょっと耳貸してもらえるかしら?」
提督「おう」
陸奥「……優しくしてくれなくちゃいやよ? 今日だけ、私と火遊びしましょ?」 ぼそっ
提督「……もか……」
陸奥「え?」
提督「お前もかー!」
(走り去る音)
陸奥「え、て、提督!? そんな、なにを間違えたの!? お願い提督! ちょっと待ってー!」
提督「くそっ……英霊達を乗せ大戦を乗り越えた艦の魂を持つ艦娘ともあろうものが、
ここまで性に奔放になるとは誰が予想できたか……」
提督「いや、むしろ元は男所帯の海軍、彼等を乗せてたからこそ
反動で、ということなのだろうか……」
提督「……いやいやいや。落ち着け多摩や大淀は普通だったじゃないか!
全員を確認した訳じゃないんだし、悲観的になるのはまだ早い。と、言うわけで龍田だ!」
龍田「私がなにか~?」
提督「おうっ!?」
龍田「あら~、不思議な動き。提督ったら楽しそうねぇ」
提督「い、居たのか」
龍田「えぇ、ずっと……」
提督「全く、そうならそうともう少し普通に声をかけられないのか?」
龍田「だって、面白そうな事をしているから。
それで提督がおイタしたらお仕置きしないといけないじゃない?
だったら、こっそりと見てた方がいいかな~っと思ったの」
提督「……お前。いや、まぁいい。だったら俺がお前になにを言いたいかもわかってるよな?」
龍田「もちろんわかってますよ~? 提督ったら遅いんですもの、
もう少しで本当にお仕置きしちゃうところだったわ~」
提督「……遅い?」
龍田「だってそうじゃない? 普通ならいの一番に私の所に来るのが道理でしょ?
なのに曙ちゃんだの暁ちゃんだの雷ちゃんだの電ちゃんだの陸奥さんだの」
提督「お、おい」
龍田「おかしいわよね~? なんで私が一番じゃないのかしら~?
私はあなたを一番に想ってずっと……ずぅっと見てたのに……いつまで経っても
私を呼んでくれないんだもの。もちろんわかってるですよ~? 貴方が一番愛して
くれてるのは私だって、あの子達は、まぁ言ってしまえばただのお遊び、予行演習
みたいなものなのよね?だから提督も誘いに乗らないでいたんでしょ? だってそ
うよね、私達相思相愛なんだもの。え? 天龍ちゃん? 勿論好きよ、貴方の次に。
姉として、同性として、仲間として、家族として、でもそれとこれとはべつじゃない?
やっぱり愛といっても種類が違うっていうか、あ、もしかして天龍ちゃんに嫉妬しち
ゃったかしら? 大丈夫よ、提督が私を一番に想ってくれてるのと同じように私も貴方
をこの世の誰よりも愛しているから。だからこそわからないの、なんで私の元に一番
に来てくれなかったのか。それが例え軽い気持ちでも他の子を先に、なんて許せな
いじゃない。私だってできるだけ束縛したりしたくないのよ?でもやっぱり浮気って人
によってラインが違うじゃない? 貴方が大丈夫と思っても私は、ね?あぁもう、こういう
事はやっぱりお互いちゃんと正面から話し合わないとダメね、だから今回は我慢してあ
げる、ちゃんと予め話をしなかった私にも非があるから、だから明日からはちゃんと私を
優先してね? じゃあ行きましょうか、溜まってるなら私が処理してあげる。疲れたなら
私が癒してあげる。わからないなら私が教えてあげる。だから私を見て、見続けて?」
提督「……」
提督(問答以前にやべぇのでたー!!!!)
(どうしたものか……まさか龍田がこんなことになってるなんて思いもしなかった……)
鉛筆でぐりぐりと塗りつぶしたような瞳。
深く濁ったそれは闇というよりも沼を想起させる。
ずぶずぶと、足元から喰らい尽くす。深い、不快な沼を。
(逃げ――)
よう。と思うが早いか。龍田の瞳が一層濁りを増して。
『艤装展開』
悪霊の怨嗟の声をよりもなお昏い呟きがその艶やかな唇から漏れ、
龍田の身体の周囲にナノマテリアルが光の粒子となって瞬く間に艤装が構築される。
『ぎ』の一文字が出ると同時に展開が始まり。
『い』といい終わるまでに展開が終わるその作業は原理を知らぬ俺には魔法にしか見えない。
そうして出来上がった艤装を纏う龍田。
リノリウムの床は急激に増加した重量でずどんとわかりやすい音を立てて
クレーターを作りだす。いくら小さくても船は船。その重量は大戦期の頃とは比べ物にならないとはいえ、
床くらいは容易にこの有様だ。だから鎮守府内での艤装展開を禁止しているというのに。
「……なんのつもりだ龍田」
空気を切る。というよりは裂く音がして、
薙刀のような彼女の獲物が俺の横に鋭く降ろされる。
「だって、提督逃げようとするんですもの。私、悲しいわ~」
ちらりとその振り降ろされた刃に目をやって、
ため息を一つ。龍田を正面から見つめれば、
不安そうな、困ったような、興奮したような、戸惑ったような。
「逃げる? 俺がなんで龍田から逃げるんだ?」
心臓が早鐘の様に鳴っている。
ここで選択肢を間違えてはいけないと脳幹辺りがテールランプみてぇに真っ赤に染まってる。
「むしろ聞きたい。龍田、どうして俺が逃げるなんて発想がでたんだ?
それこそお前が俺を信じてない、疑ってるという事の証左じゃないのか」
いいながら一歩近づく。瞳が揺れる。
重ねて一歩。龍田が後ずさる、それを許さずさらに一歩。
「て、提督……もしかして、怒ってます?」
瞳と共に揺れる声。俺はなにも言わずにその肩を掴む。
「ていとくぅ……?」
小柄な彼女の事。近づき向かいあえば自然彼女は上目遣いになる。
潤んだ瞳を見下ろして……俺は、なにかを言わないとと思って。
「金庫って十回言ってみてくれ」
「え?」
なにを言ってるんだ俺は。そんな場合じゃないだろ。
っていうか龍田は知ってるんだから……。
「え、えぇっと……金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫」
きょとんとした顔で俺を見つめてから素直に言いだした。
……あれ? 知ってるんじゃないのか?
「……ここは?」
先述の通り近い距離に居るため、俺がどこを指しているのかまだわかっていない様で、
少し首を傾げてからゆっくりと視線を下へ、下へやっていって。
「……ふぇ!?」
ボンと顔が紅くなった。頭の上のよくわからない円盤がぎゅんぎゅんと回り出して
両手で口元を覆い隠して言葉にならないなにかをもごもご喋っている。
同時に後方で薙刀が放り投げられて甲高い音がした。
……あれ? あれれれ?
「……龍田?」
「え、あの……な、なにをいわせようとしてるんですか~?」
もしかして、やり取りは全部聞こえてた訳じゃない……のか?
「いいから、ほら言ってみて」
「あぅあぅ……」
今にも湯気が上がる勢いで紅くなってしどろもどろになっている。
元が色白だからか紅潮するとよくわかる。
「さぁさぁ」
「うぅ……ち……うぅ、て、提督のおたんこなすー!」
胸の前で人差し指をもじもじさせた後、龍田はそういって駆けだしてしまった。
おぉ……まじか。まさかこんな展開になるとは誰が予想できたか……。
「龍田ー! 愛してるー!」
なんかさっきまでの雰囲気はどこへやら、テンションがあがった俺は遠くになった龍田の背中についそういった。
「んもぅ!」
立ち止まって少し振りむいてから床を踏んでそうぷんすかする龍田は打って変わって異様に可愛かった。
―――
提督「龍田は天使と悪魔の女の子だった」
大淀「はぁ……?」
提督「あれ、くるっと回ってあっかんべーって、知らない?」
多摩「知らんにゃ」
提督「まぁそうか。当時の事と最近の情報は知ってても間の事とか知らないもんなお前ら」
多摩「知識に空白期間があるのは否定せんにゃ」
提督「ジュリアナ東京とか言っても通じないんだもんな」
大淀「はい、なんのことかさっぱりですね」
多摩「で、どうするにゃ?」
提督「なにが?」
多摩「龍田がやべーって事はわかったにゃ。その癖初心というか擦れてないというか。
そういう反応を返してくれてご満悦なのもわかったにゃ。で、もうやめるにゃ?」
提督「あー、どうしようか。個人的には潮とか夕雲とか如月とか綾波とかやりたい相手はいっぱいいるけど」
大淀「なぜ駆逐艦ばかりなんですか?」
提督「駆逐艦以上で異常な艦が見つかってないからな」
多摩「どうかにゃ? 空母勢とか潜水艦とかノータッチなのはまだいるにゃ」
提督「……え、やれって事?」
大淀「隼鷹さんとか下ネタ強そうですけど飛鷹さんはどうですかね?」
多摩「案外祥鳳とかがばっしばしきたりするかもしれんにゃ」
大淀「蒼龍さんとかには恥じらってほしいですね」
提督「君ら楽しみ始めてない?」
――― そして
提督「まさか隼鷹が意外と純情だったのは驚きだったなぁ……」
提督「……」
提督「それにプリンツ。あんな顔して……まったくけしからんな」
提督「……」
提督「で、大淀も多摩も帰ったのになんでお前いるの?」
龍田「……あら~、気づかれちゃいましたか~」
提督「いや、身体は隠れてたけど頭のソレが丸見えなんだよなぁ」
龍田「あ、あらら……私としたことが」
提督「で、なんのようだ。俺は今日一日の心労が祟って寝込む一歩前なんだが」
龍田「あっ、そ、そうよ。提督ったらあの後私が居なくなったのを良いことに
他の子にちょっかいかけてたって聞いたんですけど……嘘よねぇ? もしそ
れが本当なら私悲しくて悲しくて、もうどうしていいかわからないわ~。つい
うっかり手が滑ってしまうかも……。あ、心配しないで大丈夫よ~、勿論あな
たにはなにもしないから。悪いのは貴方じゃなくて私の提督を誘惑する頭の
わるぅ~いおば艦達ですもの。それに、疲れてるなら尚の事、お昼にもいった
じゃないですか。私が癒して差し上げますよ~って。だからそうね、やっぱり
他の子のお仕置きは後回しにしておきますねぇ。やっぱり思うところはあり
ますけど一番の優先事項は提督ですから。え、天龍ちゃん? 大丈夫よ、
天龍ちゃんだってだってもう大人なんだから一人でも平気。それよりも、ね。
とりあえずお風呂に行きましょう? 今日は色んな子と触れ合ったみたいだから
提督の身体、とっても嫌な匂いがしてますし、隅から隅まで私が洗ってあげますね。
それからそれから――」
提督「そういえば龍田昼の件だけどお前結局答えないままどっか行ったじゃないか」
龍田「……あぅ。そ、それは心の準備が……。で、でもあれからしっかり心の準備してきましたから大丈夫よ~!」
提督「ちなみに答えは股間な。位置的には鼠蹊部とか下腹部でも可」
龍田「え?」
提督「ひっかけだからなぁ」
龍田「……んぅ~! もぅっ!」
なんかよくわからないけど龍田が可愛いから終わろう。
こんな感じになるとは思ってなかったけど龍田が可愛いからいいや
じゃあの
那珂ちゃんとか加賀さんの見てみたかったな
>>68
おまけ
提督「なーかーちゃん!」
那珂「はーあーいー」
提督「今日もアイドル活動略してアイカツ頑張ってるか?」
那珂「モチのロンだよ! 那珂ちゃんのスケジュールは分刻みでチョッパヤでこなさないとケツカッチンなんだから!
今日だってこの後外タレ(ビス子)の子とカメリハしてブッキングのバーターでテレコテレコなんだよ!」
提督「へぇ、後半無茶苦茶なのはよくわかったよ。じゃあそんな忙しい那珂ちゃんの時間をもらうなんて
俺にはできないな、呼び込めてすまなかった」
那珂「だいじょーぶい! 那珂ちゃんのファン一号の提督には多少の無理も通しちゃう!
那珂ちゃんはファンサービスができる子なんだよー!」
提督「ありがとう那珂ちゃん! じゃあ一つ言ってほしい事があるんだ?」
那珂「なになにー?」
提督「金庫って十回言ってくれるか?」
那珂「金庫?」
提督「おう」
那珂「んー……金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫金庫」
提督「じゃあここは?」
那珂「……え」
提督「ここ」
那珂「……っ! わ、わかりました……」
提督「え?」
那珂「那珂ちゃんも……大人だもん、この世界がキラキラしてるだけじゃないって……し、知ってるし……。
でも……でも、提督だけは、そんな汚い大人とは違うって……し、信じてたのに……」
提督「お、おい那珂?」
那珂「提督、提督まで……うぅっ……ぐすっ」
提督「ち、違うんだ! 那珂、それは誤解で俺はただ!」
那珂「なぁーんちゃってー! 那珂ちゃんは演技派アイドルなんだよー? これで女優の道を目指してもいいかも! キャハ☆」
提督「……」
那珂「ねぇねぇ提督。焦った? ふふーん、でも仕方ないよね。アイドル那珂ちゃんにそんなセクハラしてくるなんて
提督じゃなかったら――
提督「那珂。工廠、な」
那珂「え」
かーんかーん
―――
提督「龍驤は可愛かったぞ」
大淀「そーですか」
提督「前回もこの辺を選べばよかったのかな。それともあれか?
言葉にするのはいいけどボディタッチはダメみたいな子が多いのか?」
大淀「どーでしょうねー」
提督「確認のためにちょっと前回のアカン艦に接触しようかと思うんだがどうだろうか?」
大淀「いーんじゃないでしょーか」
提督「……なんで大淀こんな拗ねてんの?」
多摩「提督が意地悪するからにゃ」
提督「意地悪ぅ~? 覚えてないなぁ」
多摩「めんどくせぇからさっさと抱きしめてやれにゃ。提督出て行ったあと二人で気まずいにゃ」
提督「……はぁ、大淀」
大淀「はいっ!」
提督「こい!」
大淀「行きます!」
提督「はい、ぎゅー」
大淀「んぅぅ~!」
提督「はっはっは! この寂しがり屋さんめ!」
多摩「なんにゃこの茶番は」
大淀「ふぅ……満足しました!」
提督「そうか、そりゃよかった。じゃあ――」
大淀「あ、でも相手はやっぱり選んだ方がいいですよ? そのまま今夜帰ってこない感じになりそうです」
多摩「一応聞いてたのかにゃ」
提督「大丈夫だろ。広い場所なら」
ミスった
このSSまとめへのコメント
>>日々多くの艦娘に囲まれて逆セクハラされてるんだし
ソコんトコロくやしく
金剛「ペニス!!(ネイティブ)」
帰国子女の友人曰く発音はペニスよりピーナスに近いらしい
CockとかDickじゃね?