映画「名探偵コナン 業火の向日葵」のネタバレを若干含みます。
また、少しマニアックなところもありますが悪しからず。
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(夏休みもそろそろ終わりそうな8月のある日、暇を持て余していた俺たち少年探偵団は博士が学会へ行くのに同行し、北海道は札幌へとやってきた。)
ホテルにて
阿笠「すまんのう。一緒に行ってやれなくて」
光彦「残念ですー。しかもホテルの部屋も違うなんて」
阿笠「すまんのう。予約が一杯でわしだけシングルになってしまったんじゃ」
歩美「ねー博士も一緒に行こうよ!」
コナン「しょーがねーだろ。博士は明日の発表の準備で忙しいんだからよ」
灰原「ま、準備したとこで出席者の反応は期待できないでしょうけど」
阿笠「これこれ哀くん」
元太「博士なんかほっといて早く行こーぜ!札幌の魚食い尽くしてやるぞ!」
光彦「北海道に来ても変わりませんねー、元太君は」
阿笠(バーーーローー、探偵団のことは頼んだぞ)
バーーーローー(わーってるよ。9時までには帰ってくるからよ)
阿笠(すまんのう)
元太「札幌観光へ、少年探偵団しゅっぱーつ!」
光彦・歩美「オー!」
光彦「コナン君もですよ!」
コナン「お、オー!」
歩美「哀ちゃんも!」
灰原「おー //」
阿笠「ふう、やっと行きおったわい」
阿笠「さて、札幌と言えばすすきの」
阿笠「早速一発ヌきに行きたいんじゃが、ばったりバーーーローーたちに会ってしまったらまずいからのう・・・」
阿笠「とりあえずデリヘルでも呼んでウォームアップじゃ」
阿笠「目暮警部にオススメの店を聞いておいて良かったわい」
プルルルプルルル
阿笠「もしもし・・・」
阿笠「どんな子が来るかのう」
阿笠「どうも新人の子が来るらしいが」
阿笠「ピチピチの若い子だったらいいのう」
30分後
ピンポーン
阿笠「お、来おったわい」
嬢「『淫偵ナイトバキューム』から来ました」
阿笠「よく来たのう。さあ上がって、上がって」
嬢(!)
嬢(阿笠博士・・・!?)
阿笠(ほー、ちょっと化粧が濃いが、若くて中々可愛いのう)
阿笠(ん?それにしてもどこかで見たことあるような顔じゃのう)
嬢「ナ、ナオコです・・・」
阿笠「ふむふむ、ナオコくんか」
阿笠「こんなおじさんで申し訳な・・・」
阿笠「ん!?君はもしや」
阿笠「園子くんじゃないか!?」
阿笠「園子くんか!?園子くんなのか!?」
嬢「ソ、ソノコ・・・?人違いじゃないでしょうか・・・」
阿笠「いや、化粧を濃くして髪も伸ばしているが、その顔その声・・・」
阿笠「園子くん・・・なんじゃろ・・・?」
嬢(シクシク)コクリ
阿笠「そうか。やっぱり園子くんじゃったか」
阿笠「しかしなんでまたデリヘルなん・・・」
園子「仕方ないでしょう!?例の『ひまわり展』開催の失敗や、レイクロック美術館倒壊の損害賠償、鈴木財閥と政界の癒着、黒い交際の発覚・・・」
園子「鈴木財閥は解体、破綻・・・」
園子「次郎吉おじ様は失脚し行方不明、パパも私たち家族を置いて何処かへ行ってしまったわ・・・」
阿笠「お母さんやお姉さんはどうしてるんじゃ?」
園子「ママはショックで入院、姉貴は雄三さんとの婚約を解消されて今どこにいるのか分からないわ・・・」
園子「ママの入院費を稼ぐために私・・・」
阿笠「そうじゃったのか・・・」
阿笠「しかし心配しとったんじゃぞ。鈴木財閥倒産のニュースが出る直前に急に転校すると言い出して、姿を消して。もう1ヶ月になるかのう」
園子「本当に申し訳なく思ってるわ。ただ、かっこ悪くみんなと別れたくなかったの」
阿笠「なぜ、なぜ蘭くんやわしらに頼らなかったんじゃ!?」
園子「頼れるわけないじゃない!天下の鈴木財閥の令嬢よ!?」
園子「それに、蘭には、みんなには心配かけたくなかった・・・」
阿笠「そんなの関係ないじゃろ!みんな園子くんという人間が好きなんじゃよ」
阿笠「強がるのはやめるんじゃ。わしらがおる」
園子「阿笠博士・・・」
阿笠「園子くん・・・」
阿笠「ん?もうこんな時間じゃ」ヌギヌギ
園子「?」
阿笠「さて、楽しませてもらおうかのう」ギンギン
阿笠「稼がないといけないんじゃろ?」
阿笠「入院費」
1時間後
阿笠「ふう」タバコスパー
阿笠「まあ、あれじゃ。何か困ったことがあったらワシの番号にかけてきなさい」
園子「あの、蘭には・・・」
阿笠「分かっとる。このことは誰にも言わんよ」
園子「・・・」
阿笠「じゃあの」
阿笠「園子くんはあんまり上手くないのう」
その頃ホテルに帰ってきた探偵団
コナン「なあ、頼むよー」
灰原「ダメよ」
コナン「せっかく札幌に来てるんだぞ?解毒剤の一個くらい良いじゃねーか」
灰原「どうせすすきのに繰り出すんでしょ?」
コナン「ったりめーだろ!バーロー!」
灰原「とにかくダメなものはダメ」
コナン「んだよー」
コナン「しょうがねえ。おーい!光彦ー!ペイチャンネル見ようぜー!」
光彦「良いですね!早速カードを買ってきます!」
光彦「実はおばあちゃんから貰ったお年玉を持ってきてるんです!」
コナン「気が利くじゃねーか!」
歩美「ペイチャンネルって何?」
光彦「男性しか見れないテレビ番組ですよ」
歩美「へー、光彦くん物知りー!」
阿笠「お、探偵団が帰ってきたようじゃな」
阿笠「そろそろ夜の街へ繰り出すぞい!」
(東京へ戻った俺たちは博士の家で夏休みの宿題をやっていた)
元太「なあー、もうサッカー行こうぜ?」
光彦「元太くん、宿題を始めてまだ10分ですよ」
歩美「もうちょっとだから頑張ろ?」
元太「ちぇー」
プルルルプルルル
阿笠「もしもし。おお、その・・・ナオコくんか」
阿笠「うむ。とりえず明日の夜、米花町の喫茶マープルに来るんじゃ」
阿笠「それじゃあの」
コナン「なんだ博士ー?ナオコって誰だ?」
阿笠「なっ!ナオコじゃなくて軟膏じゃよ」
阿笠「最近デリケートゾーンがすこぶる痒くてのー」
阿笠「フェミニーナ軟膏を箱買いしようとしてたんじゃ」
阿笠「喫茶マープルはコロンビア産のフェミニーナ軟膏をブレンドしたコーヒーで有名なんじゃぞー」
コナン「ふーん」
歩美「哀ちゃん、デリケートゾーンって何?」
灰原「物知りの円谷君に聞きなさい」
光彦「えっ!?えっ!?あっ!?そんなこと・・・いやー、デリケートな・・・えー・・・そのー・・・」
灰原「クスクス」
次の日の夜、喫茶マープル
阿笠「それで?もうお金がないんじゃな?」
園子「・・・はい」
阿笠「それは困ったのう」
園子「・・・」
阿笠「お母さんは入院できなくなってしまうのう」
園子「・・・」
阿笠「そこでじゃ。わしにある提案がある」
阿笠「園子くん。AV女優にならんか?」
園子「!」
阿笠「実はAVメーカーを立ち上げるのがわしの長年の夢でな」
阿笠「園子くんにはわしのAVメーカー創設の足がかりになって欲しいんじゃ」
阿笠「足がかりと言うからには売り上げは全て園子くんのものじゃ」
園子「!?」
阿笠「わしはこのために3歳の頃からしこたま貯金をしてきたからのう」
阿笠「園子くんには『阿笠のAVここにあり』ということを宣伝して欲しいんじゃ」
阿笠「最低でも5作は出てもらわんとのう」
阿笠「どうじゃ?もう捨てるものなんて無いじゃろ?」
園子「・・・」
阿笠「生まれ変わるんじゃ!園子くん!」
園子「・・・ります」
阿笠「新しい自分になるんじゃ!」
園子「やります!!」
阿笠博士はAVメーカー「WA☆SHI☆JA☆YO」を設立。
1ヶ月後、記念すべき第1作「元財閥令嬢は可憐な女子校生 “涼ここの(すずし ここの)”AVデビュー」が完成した。
全ての作業を阿笠がこなした。
阿笠監督初作品である。
喫茶マープル
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
阿笠「ブレンドホット。フェミニーナ軟膏抜きで」
園子「私も同じのを」
店員「かしこまりました」
阿笠「ついにできたぞい。わしらの第1作目じゃ」
園子「すごい。本当にできちゃった」
阿笠「いやー園子くんにはびっくりしたわい。まるで野・・・」
園子「やめて!恥ずかしいでしょ・・・」
阿笠「すまんのう。」
阿笠「実はこのAVには秘密があってのう、3,000枚に1枚『涼ここのにヌいてもらえる券』が入っているんじゃ」
園子「えっ!?」
阿笠「なーに心配無用じゃ。本当は1枚も入ってないんじゃがサクラを用意してある」
阿笠「ツイッターで当たったと呟かせるだけじゃ」
阿笠「いよいよ来週発売じゃぞい」
ついに「元財閥令嬢は可憐な女子校生 “涼ここの(すずし ここの)”AVデビュー」が発売された。
涼ここののデビュー作は空前絶後の大ヒット。
「涼ここのにヌいてもらえる券」を入手するために男たちは園子のAVを買いまくった。
AVメーカー「WA☆SHI☆JA☆YO」は一気に巨大メーカーになり、抱える女優数も爆発的に増えた。
目暮「ま~たハズレか」
高木「いやあ~、中々当たりませんねえ~」
高木「あ、警部聞きました?白鳥さん3,000枚買って1枚も当たらなかったらしいですよ」
目暮「何をやっておるんだ・・・」
松本警視正「わしは6,000枚買って0じゃ・・・」
目暮・高木「ま、松本警視正!」
安室「毛利先生、当たりました?」
小五郎「ダメだダメだ!ちーっとも当たりゃしねえ!」
安室「僕もです」
小五郎「あーあ!ヨーコちゃんがWA☆SHI☆JA☆YOからデビューしねえかなあー!」
服部「ダメや!これもハズレや!」
大滝「平ちゃん、またハズレですか」
服部「そういう大滝はんは当たったんか!?」
大滝「当たりまへん、平ちゃん」
光彦「おばあちゃんから貰ったお年玉を全部涼ここののAVに使ってしまいました」
光彦「1枚も当たりません」
光彦「そうだ!来年のお年玉も前借りしましょう!」
光彦「そうすれば必ず当たる・・・はず」
ウォッカ「兄貴、『涼ここの』って知ってますか?」
ジン「フン、知らんな」
ウォッカ「今人気のAV女優でして、そのAVには彼女にヌいてもらえるチケットが入ってるそうなんです」
ジン「当たったのか?」
ウォッカ「い、いえ。今のとこ1,000枚連続で外れてます」
ジン「そうか。くだらんことに現を抜かすなウォッカ」
ウォッカ「すいません兄貴」
心ウォッカ(待てよ。俺はチケットが入っていると言っただけで、確率があるということは言っていない。なのに兄貴は「当たったのか?」と聞いてきた。もし本当に涼ここののことを知らなければ、今の流れだと「買ったのか?」と聞くはず。つまり兄貴は涼ここののことを知っていたということになる。兄貴・・・。)
喫茶マープル
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
阿笠「アイスフェミニーナ軟膏」
園子「フェミニーナ軟膏ラテ、ホットで」
店員「かしこまりました」
阿笠「しかしすごい売れ行きじゃのー」
阿笠「『WA☆SHI☆JA☆YO』も軌道に乗ってきた」
阿笠「全部園子くんのおかげじゃ。本当にありがとう」
園子「そんなそんな・・・」
阿笠「今日は大事な話があってな」
阿笠「園子くん、いや涼ここのくん、君は今日でクビじゃ」
園子「えっ・・・?なんで・・・?何か私に問題がありましたか?」
阿笠「いやいや。君は本当に素晴らしいAV女優じゃ」
阿笠「しかしのう。君をクビにして欲しいという声が大きくてのう」
園子「そんな・・・。まだお母さんの入院費だってかかるし、誰がそんなことを・・・」
阿笠「すまんのう。彼の熱意に負けてしまってのう。」
園子「彼・・・?」
阿笠「今日はその男を呼んでおる。お、来たようじゃ」
園子「・・・真・・・さん?」
京極「園子さん!」
園子「真さん!」
京極「本当に申し訳ない!園子さんがこんなことになっていたとは知らずに!」
京極「園子さんを守れなかった・・・」
京極「私は一体何を・・・何を・・・」
園子「いいの真さん。謝らないで」
京極「言い訳をするのは大変男らしくないのですが、実は、ここ半年コロンビアに武者修行に行っていて、日本の情報が全く耳に入ってこなかったのです」
京極「そんな時、コロンビアにやってきて園子さんのことを教えてくれたのが」
阿笠「わしじゃよ」
阿笠「ちょっとフェミニーナ軟膏の工場見学にのう」
園子「そうだったの・・・」
京極「園子さん、私に何ができますか?何でも言って下さい!必ず園子さんの力になります!」
阿笠「・・・」
園子「・・・・ずっと、ずっとそばにいて」
京極「園子さん、この拳にかえても」
阿笠「さて、わしは次の撮影があるので失礼するかの」
園子・京極「博士!」
阿笠「わしは監督じゃ!」
阿笠「・・・強く、生きるんじゃぞ」
米花町の裏通り。
細い道を抜けると佇む赤レンガ。
喫茶マープル。
かつて伝説のAV女優がそこで生まれ、巣立った。
彼女が愛した味。
フェミニーナ軟膏。
そのカップに触れる唇に、
阿笠は何を見ていたのだろうか。
fin
終わりです。
だいぶ前に、ジン兄貴の同窓会のSSを書いた者です。
今回もまたグダグダでオチのない話になってしまいました。
大変申し訳ありません。
また時間があれば書きたいと思います。
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