新人プロデューサー武内 (21)

注意
・デレアニ本編前の過去編になります
・オリキャラ注意
・作者の妄想、独自解釈が入っています
では、よろしくお願いします。

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「昔々、ある所に、とてもまっすぐな男がいてね
男はいつもまっすぐ道を示した。

シンデレラ達が正しく進めるように。 でも、正しい道も時には息苦しく感じてしまうもんだ…

結果、何人かのシンデレラが男の元を去って行った
男はとても憶病になり、

男は自分を、シンデレラを城へ送る無口な車輪に変えてしまった」

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「プロデューサーさん、シンデレラプロジェクトを担当する前はどんなアイドルをプロデュースされてたんですか?」

「以前の担当ですか。苦い思い出ですので、あまり楽しい話にはなりませんが……」

「それでも聞きたいです!私、誰にも言いませんから!ダメですか?」

「そうですね……。わかりました。お話しましょう。あれは346プロにアイドル部署が発足した年、私が入社一年目の春のことでした」

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武内P「おはようございます。皆さんは346プロのアイドル一期生になります。これから私達でアイドル部門を盛り上げていきましょう。
皆さんの担当プロデューサーは私になります。それでは皆さん、まずは自己紹介から始めましょう」

高垣楓「はい、じゃあ1番年上の私から自己紹介しますね。高垣楓23才、モデル部署から移ってきました。アイドルも出るとこ勝負で頑張りますっ、フフッ」

城ケ崎美嘉「次はアタシね、やっほ~★城ケ崎美嘉、読モ出身の15さいだよー。みんなよろしくねっ!」

白坂小梅「わ、私は……白坂小梅です。よ、よろしくお願い……します……」

A「私はAです。可愛いアイドルになりたいです。よろしくお願いします!」

B「私の名前はB。まぁ、これからよろしく」

C「はーい!Cだよ!仲良くやっていけたらいいな!これからよろしくね~!」

武内P「皆さん、ありがとうございます。アイドル部門は他にもいくつかの部署がありますが、私はここにいる皆さんで346プロのアイドル部門を引っ張って行けたら、と考えています。
私も新人ですが頑張って仕事を取ってきますので、皆さんも頑張りましょう。これからよろしくお願いします。」

武内P(高垣さんと、城ケ崎さんはモデルとしての知名度を活かしてファッション誌でアイドルとしての活動をアピールしていきましょう。
白坂さんは独特のキャラと可愛らしさを活かした仕事を取って来れればいいのですが。そういえば心霊スポット巡りの企画は人が集まらないとタレント部門の先輩が言っていました。
白坂さんならオカルトが得意なので向いているかもしれません、問い合わせてみましょうか。
Aさん、Bさん、Cさんはオーディションの組が一緒で仲が良い様ですね。3人でいるところは凄く楽しそうで魅力的です。
ユニットを組む方向で話を進めていきましょうか。社内の新企画でラジオ番組をやることになっていましたね。パーソナリティに推してみましょう。)

武内P「千川さん、昨日の企画会議で出ていたラジオ番組なのですが……。
あ、それからタレント部門の……。
モデル部門との連携は……」

千川ちひろ「あらあら、頑張っていますね」フフッ

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武内P「皆さん、忙しい中集まっていただきありがとうございます。実は皆さんに大事な発表がありましたのでわざわざ集まっていただきました」

楓「発表ですか、何でしょう?みんな頑張ってるからご褒美に温泉でも連れていってくれるのかしら?」

美嘉「温泉かー、アタシも温泉いきたーい★」

小梅「お、温泉……かー……。萎びた温泉宿で……ゾンビが出たり……しないかな?」

A「温泉いいですねー。私、みなさんの背中お流ししますね!」

B「みんな、温泉って決まったわけじゃないんだから。」

C「んー、温泉じゃないならなんだろ?ハワイとか?!」

武内P「いえ……残念ながら温泉でもハワイでもありませんが、皆さんにとってとてもいい知らせです。
実は、皆さんのCDデビューが決定しました。」

楓「あら、CDデビューでビューって人気も急上昇ですね、フフッ」

美嘉「ついにアタシもCDデビューかー。あ、ねぇねぇ、デビューはソロになるの?それともユニット?」

武内P「はい、それにつきましては、高垣さん、城ケ崎さん、白坂さんはソロで。
Aさん、Bさん、Cさんはユニットでのデビューを考えています。」

武内P「また、CDデビュー後にはお披露目ライブを予定しています。そして秋には346プロのアイドル部門全体での大規模なライブを予定しています。
全体ライブは今回を第一回の定例ライブとして今後は季節毎に、年4回の定例ライブを行っていくことを企画しています。
ライブでは私達の部署6人の全体曲も企画しておりますので今後はレッスンも忙しくなると思いますが、頑張って行きましょう!」

6人「はい!!」

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『あのクールビューティな美人モデル、高垣楓がアイドルデビュー!!
歌声もクールビューティだった!!』

『カリスマJKモデルがカリスマJKアイドルに変身★
TOKIMEKIラブソングで男子の心をわしづかみっ★』

『噂の霊感アイドルがついにCDデビュー?!
あの子の歌声は収録されているのか?
音源を徹底検証!!』

『ラジオのパーソナリティでお馴染みの仲良し3人娘がついにCDデビュー!
気になるユニット名は何とラジオで大募集!!』

ちひろ「プロデューサーさん、みんなのCDデビュー、話題になってますよ!売れるといいですねー」

武内P「はい、皆さん初めてCD発売ですので気合いが入っています。レッスンも頑張っていますし良いものが出来ると思います。
インストアイベントも決まってミニライブとお渡し会も出来ることになりました。きっと売れてくれると信じています」

今西部長「そうだね、他の部署も結果を出し始めている。秋のライブも楽しみだね。」

武内P「はい、川島さん、十時さん、高森さん、佐久間さん、他にも人気が出て来たアイドルが大勢いるのでアイドル部門への期待の高まりを感じます」

今西部長「まゆP君は同期だし、君も負けられないだろう、頑張りなさい」

武内P「はい、他の部署に負けないよう、 私もアイドル部門の一員として頑張ります」

一旦ここまでです。
完結はさせてあるのであと1、2回の投下で完了予定。短いです。

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それから1年が過ぎたころ、アイドルという仕事柄、どうしても仕方のないことではあったが人気の差が出てきてしまっていた。

武内Pは元々持っているものを大事にしたプロデュース戦略を取っていた。そのため元々人気の高かったアイドル、強烈な個性を持ったアイドルの人気は飛躍的に向上したが、
地道にファンを集めていたアイドル達は一部の人気は非常に高かったが世間の認知度は低く、小さな箱でのライブやラジオしか仕事がなくなっていた。

武内P(このままではいけません。ラジオやライブでの人気を見てもAさん達のポテンシャルは非常に高い。
彼女達の人気が伸び悩んでいるのは私のプロデュースの仕方に問題があるからに違いない。どうにかして彼女達をトップアイドルに近づけなければ。
まずは露出を増やして彼女達の顔を覚えてもらうことにしましょう)

武内P「Aさん、Bさん、Cさん、クイズ番組の仕事を取ってきたので出てみませんか?」

武内P「バラエティーの仕事があるのですが……」

武内P「特番のゲスト枠がうちの部署に回って来まして……」

武内P「アニメの声優をやってみませんか?」

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『346プロのごり押し酷いな
クイズに全く答えられないクイズ回答者ww
ひな壇に座ってるだけならバラエティーに出すなよ!
特番にもやっぱり346のアイドル出てるよ、あいつら必要か?
原作好きだったのにアニメの声優が棒で萎えた、アイドルが声優とか無理すんなよ』

武内P(ネットの評判を中心に彼女達が叩かれている……。週刊誌でも取り上げられはじめている。ラジオでも疲れからかトークに以前のキレがない。
まずは彼女達に休みを取ってもらおう、ライブの回数を減らしてその分、休みを増やして……。
テレビ出演も番組を絞ろう。やはり歌番組がいいのですが、枠が少ないために中々彼女達を出すことが出来ない。
仕方がありません、高垣さん達の枠をAさん達に割り振って露出を増やしましょう。彼女達の歌声を聞いてもらえれば良さをわかってもらえるはずです!
そうだ、色々な企業を回ってタイアップ曲として彼女達の曲を使ってもらおいましょう。歌番組での話題としても話しやすいはずです)

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『346はいつまでごり押すつもり?
もうあの曲聞き飽きたよ
路線変えても結局やってることはごり押しなんだよなー
ずっとファンでライブ通ってたのにライブ減って悲しい
今まで応援してたけどメジャーになってなんか冷めた、しかも評判悪いし』

武内P(なんで……何をしても裏目にでる。悪いのは私なんです、アイドルではなく、私を責めてくれればどれだけ楽か……)

今西部長「君、ちょっと話をしないか?どうやらずいぶん悩んでる様だ。少し話してすっきりしてみてはどうだい」

武内P「はい、Aさん達のユニットの今後の方向性について煮詰まっておりまして……良からぬ噂まで出回ってしまいどうすればよいかと」

今西部長「ふむ、確かに他の子達に比べて伸び悩んでいるようだね。一度立った悪い噂を消すのは難しい。どうしたものかな」

武内P「……非常に難しいです。このままでは彼女達は今後、テレビに出るのも難しい状況となってしまいます」

今西部長「そうだね……たくさん悩みなさい。まだアイドル部門は出来たばかりだ。
これから新しいアイドル達も次々とデビューして行くだろう。その子達をプロデュースするときにも今悩んだことは必ず役立つはずだよ」

武内P「新しいアイドル達……
!!今西部長、新しい企画を提出したいのですがよろしいでしょうか?」

今西部長「何か思いついたんだね?わかった。君の思うままに動いてみなさい。」

武内P「ありがとうございます!」

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A、B、C「「「シンデレラプロジェクト?!」」」

武内P「はい、あなた達を中心とした新しいプロジェクトです。春に間に合うように新人アイドル達を集めて一つの大きいユニットとして活動していきます。
もちろんシンデレラプロジェクト内では個別のユニットやソロでも活動していく予定です。
皆さんには新人アイドルの導き手としてこのプロジェクトに参加していただきたいのです。いかがでしょうか?」

B「それじゃあ、今の……」

C「Bちゃん!」

B「……わかった。今後の詳しい活動について、決まったら教えて?」

武内P「わかりました、必ずお伝えします」

A「プロデューサーさん……私、私達は信じていますから!」

武内P「できる限り努力します」

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武内P「皆さん、秋の定例ライブお疲れ様でした」

6人「お疲れ様でした!」

武内P「皆さんには大事なお話があります。今進めているシンデレラプロジェクトについてですが、今後、私はシンデレラプロジェクト専属の担当プロデューサーになります。
Aさん、Bさん、Cさんは今まで通り私が担当しますが高垣さん、城ケ崎さん、白坂さんは今後、別のプロデューサーが付くことになります」

楓「……」

美嘉「え……」

小梅「そ、そんな……」

武内P「申し訳ありません。私が最後まで皆さんをトップアイドルに連れていきたかったのですが……
今度のシンデレラプロジェクトは10人以上の大型プロジェクトになります。どうしても私一人では難しいのです」

楓「わかりました。大丈夫です、今までプロデューサーに育ててもらったこと、私は忘れませんから、お互い頑張りましょう」

美嘉「アタシも……ちょくちょく様子見に行くからね!」

小梅「私も……あの子と一緒に頑張るね……
たまには……様子、見に来てね……?」

武内P「皆さん、ありがとうございます。今後の皆さんの活躍を変わらず祈っています。頑張って下さい!
では、Aさん、Bさん、Cさん、皆さんへは新曲を考えています。今後の活動はシンデレラプロジェクト中心になりますので現在のユニットは一度白紙に戻しますので最後の曲ということになりますね」

A「」ビクッ

B「やっぱり、そうなるんだね」

C「……プロデューサー、私達、やっぱりユニットは解散になるんだね」

武内P「はい、申し訳ありませんが、今はユニット名があなた達の足を引っ張ってしまっています。
ですので、今後はシンデレラプロジェクトとして……」

B「私達は!!私達はライブとラジオの仕事だけでもよかった!ファンのみんなと少しずつ歩んでいけたらそれでよかったのに!!
楓さん達が先を進んでても私達は自分のペースで進んで行ければよかったのに……
なんで解散しなきゃいけないのさ……」

A「Bちゃん……。
プロデューサーさん、私達はプロデューサーさんに感謝してるんです。私達がトップアイドルになれるように、一生懸命悩んでたのも知ってるんです。
でも、なんで私達に相談してくれなかったんですか?私達はアイドルとしてそんなにだめだったんですか?
プロデューサーさんはライブに来てるお客さんの顔をしっかり見てましたか?みんな笑顔なんです。
数は少なくてもみんな笑顔で楽しんでくれて。だから私も、私達も笑顔でアイドルを続けていられたんです」

C「プロデューサー、もっと早く言うべきだったね。もう遅いよね。ごめんね。
もう、私達、笑顔でアイドル出来ないよ。ファンのみんなにまで嫌われ始めちゃってるんだよ?こんな状況じゃあ笑えないよ……」

武内P「……」

B「ごめん、プロデューサー、私達はここでアイドルを卒業するよ。
きっと新しいプロジェクトに行ってももう前みたいに楽しい気持ちでアイドルは出来ないから。
今までありがとね。じゃあ」

C「短い間だったけど私、アイドルだったこと、忘れないから。
ありがとう、プロデューサー」

A「プロデューサーさん、ごめんなさい。
私達に夢を見せてくれてありがとうございました」

武内P「私は……。私は……」

美嘉「プロデューサー………」

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武内P「今西部長、少しお時間よろしいでしょうか?」

今西部長「君か、わかった。今日は何の話だい?」

武内P「はい、本日はこれを受け取って頂きたく参りました」

今西部長「ふむ、辞表かね……。君は辞めてどうするつもりなんだ?」

武内P「今は何も……。ただ、彼女達の夢を奪った私がプロデューサーを続けることはもう……」

今西部長「彼女達に思い止まるように話はしたのかい?」

武内P「はい、何度も説得しましたがやはり聞き入れていただけませんでした。私は取り返しの付かないことをしてしまいました」

今西部長「確かに君は失敗したかも知れない、でも君の失敗は私の失敗でもある。
私は君にやりたいようにやる裁量を与えていたからね。君が辞表を出すなら私も出そう」

武内P「な、何をおっしゃってるんですか!今西部長はこの会社に必要な方です。あなたが辞めては困ります!」

今西部長「なーに、君も辞めるんだろう?なら関係のない話じゃないか」

武内P「いや、しかし……」

今西部長「なら、私を助けると思ってその辞表は取下げてくれないか?君もこの会社に必要な人材なのだよ。
シンデレラプロジェクトはどうする?」

武内P「彼女達のいない今、プロジェクトを進める意味など……」

今西部長「あるさ、彼女達はもう戻って来ない。ならその穴を何が埋める?君のシンデレラプロジェクト以外にありえるかね?
それに、もし彼女達がやはり戻りたいと言ってきた時に居場所がないと困らないかね?

武内P「……わかりました。今西部長、ありがとうございます」

今西部長「ふむ、じゃあ頼んだよ」

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今西部長「シンデレラプロジェクトのオーディションももう終盤かな?
彼女達は戻って来そうかね?」

武内P「彼女達は今、恋に部活に忙しいそうです。自由に恋が出来ないアイドルに同情している、とのことでした。
オーディションは戻って来そうにない彼女達の分、あと3人だけ残っています」

今西部長「そうかそうか、そんな強がりが言えるならもう大丈夫なのかもしれんな。
で、彼女達の枠を埋める人材はいそうかね?」

武内P「とりあえず1名は。緊張のあまりにアピールがうまく出来ていなかったので前回は通らなかったのですが、笑顔が素敵な方がいまして、これから養成所にスカウトに行くところです」

今西部長「そうか、頑張ってくれたまえ。私は君に期待しているんだ」

武内P「はい、本当に自分に出来るのかは、まだわかりませんが、出来る限りのことはしたいと思っています」

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「そのあとに養成所に来てくださったんですね!辞めてしまわれた皆さん、今はどうされてるんでしょうか?」

「はい、元気にされてるみたいです。今はニュージェネレーションズの仕事ファンになっていただけたようです」

「そうなんですか?何だかそれは嬉しいですけど緊張します!もっともっと頑張らないといけないですね!頑張りますっ!
その……先輩達はどんなアイドルだったんですか?」

「彼女達は……ニュージェネレーションズの皆さんに似ていたかもしれません。可愛いAさん、格好良いBさん、元気なCさんの3人ユニットでしたから。
ただ、途中から彼女達の笑顔を見ることは少なくなっていたと、思います」

「プロデューサーさん、話してくださり、ありがとうございます!
私達は今、笑顔で頑張っています!だからプロデューサーさんも、笑顔でお願いします!」

「はい、みんなが笑顔になれるように、今後もできる限りのことをやっていくつもりです」

以上になります。

お目汚し失礼しました。

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