男「・・・」カタカタ同僚1「アイツ誘う?」 (27)

同僚2「やめとけやめとけアイツ暗いし」

同僚1「まぁ、分かってんだけどよ。今日の合コン、女達の方が人数多いんだぜ?」

同僚3「つっても一人多いだけだろ?誰か二人連れてくってのもアリじゃね?」

同僚4「いいね!じゃあ俺が二人連れてくってことで」

同僚1.2.3「ねーよ」

アハハ、ソレジャアイコーゼ。


男「…」カタカタ


ーーーー二時間後。


男「…」チラッ

八時四十分

男「…」ピッ

「お疲れ様」

男「…?」

女「資料まとめてたんでしょ?」

男「それは残業時間前に終わってます」

女「うそっ!?あれって二人でも明日まで掛かるよ?」

男「プログラム作ればなんとかなりますよ」

女「ならないと思うんだけど…どうやるの?」

男「…」

女「ストップ難しそうだからやめとく」

男「懸命ですね、それでは僕は帰ります」スッ

女「この後は空いてる?」

男「せっかくですが、あいにく時間が無いので失礼します」タ、タ、タ

女「…」

女同僚「硬いねーせっかく誘ってやろうとしたのにねー」

女「…だよねー」

女同僚「ATM君が帰っちゃったし割り勘でどこか行こうか~」

女「結局いつもの感じだね」

女同僚「それな」



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ーーーーBAR。


男「…」

バーテンダー「…」キュッキュ、カシャカシャカシャ

男「…」

バーテンダー「…どうぞ、バラライカでございます」スッ

男「…」スッ

バーテンダー「何か嫌なことでも?」

男「特に無いよ」ニコッ

バーテンダー「そうですか」フフッ

カラン

女同僚「もう、無理。あのナンパ野郎ウザ過ぎ」

女「ちょっと、居酒屋じゃないんだから」

バーテンダー「…」ニコッ

女「ご、ごめんなさい」ドキッ

バーテンダー「いえ」フフ

女同僚「うっはー超イケメンじゃん」

女「だから居酒屋じゃな…」

男「…」

女「…(うわ~カウンターに居るのって、こっち見ないけど男君だよね?一人でこんなところにいるんだ)」

女同僚「カウンターに行くぞー」グイッ

女「ダメ、他の人に迷惑かかるから少し離れた席に行くよ(噂流すような人じゃないと思うけどこんな姿はあまり見せないほうが良いよね?)」

女同僚「え~」

ーーーー少し離れた席。

女「えーっと、ホワイトレディー」

女同僚「私はお兄さんにお任せする~」フヘヘ

バーテンダー「畏まりました」

男「…」

女「…(なんか気になるなぁ)」

女同僚「だけどアイツありえないホントありえない」

女「誰のこと?」

女同僚「ATM君」

女「…」

女同僚「きっと今頃さぁ、私達のこと馬鹿にしてるんだよ!」

女「ちょっと静かにしてよ」ボソッ

男「…」

女「…(聞こえちゃったかな?)」

女同僚「あによ~わらしの話はめんどーなろ?」

女「呂律が回ってないよ」

女同僚「ふふふ、ちょっと酔ってきちゃった」

バーテンダー「お待たせしました、どうぞ」スッ

女「はい」

女同僚「イケメンきたー!ってこれは?」

バーテンダー「バレンシアという名前で、アルコールが少なめですので美味しくいただけますよ」ニコッ

女同僚「は、はい。騒いでごめんなさい」

バーテンダー「ふふ、楽しく呑まれることは良いことです。私はそんな楽しみ方をする方は素敵だと思います」スッ、タ、タ、タ

女同僚「うぅ…」

女「怒られたわけじゃないんだから泣きそうにならないの」

女同僚「惚れそう」

女「あっそ!」

ーーーーカウンター。

バーテンダー「お知り合いですか?」

男「…」

バーテンダー「…そろそろ来られるお時間ですね」

カラン

?「遅れてしまいました」

バーテンダー「いえ、時間通りですよ」

男「お疲れ様」

?「はい、頑張りました」ニコニコ


ーーーー離れた席。

カラン

女「…(新しいお客さんか…ってどうして男君の隣に座るの?)」チラッ

美女「はい、今日は一緒に…」

女「…(お世辞抜きで美人さんだ…男君とどんな関係なんだろ?)」

女同様「うわーなにあれ」

女「…うん、凄いね」

女同僚「こんなところでカップルがイチャつくなよー」

女「…そっちなんだ(男君って気づいてないんだ)」


ーーーーカウンター。

美女「…あの」ギュッ

男「ん?」ニコッ

美女「私も一緒のが…」

男「これは強いお酒だからダメだよ」


ーーーー離れた席。

女「…!!(そんなに仲がいいんだあの二人!ってかなに?男君ってあんなに優しく笑うの!?)」

女同僚「んー?なにそんなに驚いてるのさ~」

女「べ、別に」ビシャッ

女同僚「ちょっとこぼれてるよ~」アセ

ーーーーカウンター。

バーテンダー「どうぞ、シンデレラでございます」

美女「…もー」

男「フフ、いいお酒だね」

美女「アルコール入っていないのはお酒といえませんよ!そうやってすぐ子供扱いするんですから」

男「実際には子供なんだからそれを飲んだら帰るよ」

美女「子供扱いするのでしたら、私だって考えがあります!」

男「親戚に頼むのもダメだからね」

美女「うぅ…それを言われると」

男「あはは、だから子供なんだよ」

美女「私だって成長してるんですよ?」

男「ちゃんと一人の女性として見てるからここに居るんだよ」ニコッ

美女「あうぅ…」カァ

男「冗談だけどね」

美女「もー!!」

バーテンダー「ふふ」ニコニコ


ーーーー離れた席。

女「…(ちゃんと用事はあったんだ、それなのに誘ってあげようなんて最低…)」

女同僚「なによ?せっかくのお酒なのにそんな顔したら台無しだよー?」

女「ごめんごめん、ちょっと思い出しちゃって」ニコッ

女同僚「…」


ーーーーカウンター。


男「それじゃあまた」

美女「今日は酔っちゃいました。送ってください」

男「そうだね、ちゃんと家にまで送るよ」

美女「本当ですか!」パァ

男「マンションまでね」

美女「それってどっちのですか?」ジトッ

男「お会計、お願いします」ニコッ

バーテンダー「はい、それでは…」

ーーーー離れた席。

女同僚「…違うお店に行く?」

女「呑む」

女同僚「じゃあお会計って…飲むの?」

女「呑んで呑んで呑みまくる」スッ

バーテンダー「ご注文ですか?」ニコッ

女「ここからここまで全部!」

バーテンダー「!?あ、あの…」

女「いいからお願い!」

バーテンダー「…畏まりました。ですが、お酒の種類でちょうど良い順番にこちらからさせて頂きます」ニコッ

女「お願いします!」

女同僚「ちょ、ちょっと!大丈夫なの?」

女「私の奢りだから大丈夫」

女同僚「いや、飲んでいいなら飲みまくるけど」

女「呑みまくっていいから!」

女同僚「わかった!付き合う!」

女「お願いします」

バーテンダー「はい」ニコッ


ーーーー数十分後。


女同僚「頭痛い、すごく美味しいけど数時間とか無理」

女「一時間も経ってないね」

バーテンダー「大丈夫ですか?」

女「は、はい」

女同僚「私はタクシー呼んでくるからちょっと席外すね」ヨロヨロ

女「うん、お願い」

バーテンダー「お会計ですが…」スッ

女「高っ!?」

バーテンダー「お支払いは終わっておりますので金額だけお伝えします」

女「え!どうしてですか!?」

バーテンダー「伝言を承ってますけどお伝えしますか?」

女「…はい」

バーテンダー「今日は一緒に呑めなくてごめんなさい。今度、こちらから誘わせて頂きます。と、男様から」

女「うぅ…」

女同僚「ただいま~ってなんで泣いてるのよ」

女「うぅ…」

女同僚「下戸だっけ?まぁいいや、タクシーすぐに来るって」

女「うん…うん…」ポロポロ

女同僚「…何があったのよ」

ーーーー女のアパート。

女「あーもー」

女同僚「どうしたの?」

女「女って最低」

女同僚「言えてるけどなに?性転換したいの?」

女「素敵なお嫁さんになりたいから無理」

女同僚「あー夢ね。だったら散らかってるこの部屋をなんとかしないとね」

女「引っ越したばっかりだから散らかってるの」

女同僚「そういえば急に引っ越したよね?」

女「い、いろいろあって」

女同僚「いつか話してくれればいいから」

女「優しさが痛い」

女同僚「じゃあ今話せ」コチョコチョ

女「あはは、やめてやめて漏れる」

女同僚「早く行ってきなよ」

女「女、発進しまーす!」

女同僚「結婚はまだまだ先かな~」


ーーーー男のマンション。

男「ちゃんと送りましたよ」

電話「送っただけか?」

男「はい」

電話「…」

男「…」

電話「送っただけか…」

男「なにもありませんから」

電話「なにかあって欲しかったんだが?」

男「普通は何もなかったことに安心するはずなんですけど」

電話「…」

男「…」

電話「気になる奴でも居るのか?」

男「…」

電話「それともそっち…なのか?」

男「切りますよ?」

電話「仮にも社長に対して無礼じゃないのか?」

男「切りますよ」

電話「申し訳ない。ただ娘が可愛くて親バカとしては君にと」

男「お気持ちは分かりますけど」

電話「なら貰ってくれるのか?」

男「今は考えてません」

電話「頑固だな」

男「お互いに」

電話「ふふ…」

男「…」

電話「気になる奴が居るなら教えてくれ」

男「何もしないのならきっと教えますけどね」

電話「フ…考えておこう」

男「…(何かする気だ。この人なら全力で何かする気だ)」アセッ

電話「また連絡する」

男「はい」

ピッ。

男「…余計なお世話だったかな、女さん」

ーーーー朝、会社。

課長「おい、男~、昨日の資料どうした?」

男「それなら課長の机に置いてあります」

課長「…ああ、これだな」

男「…」カタカタ

女「…」ジー

男「どうしました」カタカタ

女「え!いや、別になんでもない」アセ

男「…係長が見てますよ」

係長「…」ジー

女「…」ビクッ、タ、タ、タ

係長「おと…」

部長「男~、ここの資料で聞いておきたいことがあるんだが」

男「はい、今行きます」

係長「…チッ」

女同僚「うーわ」

女「…?」カタカタ

ーーーー休憩時間。

女同僚「ちょっとー見たよ」スーハー

女「なに?」ケホケホ

女同僚「ごめんごめん、係長の隅から隅まで舐めるように見る目線」ツー

女「ちょっと!変なところさわらないでよ」

女同僚「にひひ、気をつけなよーあれってストーカー体質だと思うから」

女「係長さんって結婚してるでしょ?ありえないから変なこと言わないの」

女同僚「女っていい子だよねー」

女「それ大学の時からずっと言ってるよね?」

女同僚「んふふ、いいこいいこ」ナデナデ

女「ちょっと子供扱いしないでよ」

女同僚「相変わらず突っ込むところがズレてるね~」

女「?」

女同僚「おっとー休み時間終わるから戻ろ」

女「う、うん」


ーーーーオフィス。


係長「女君、ちょっといいか?」

女「はい?」

係長「この資料を今日中にまとめてくれ」

女「…はい、わかりました」

女同僚「ちょっと量多くない?」

女「なんとかなると思うけど…この資料って担当は違う人だよね?」

女同僚「今日の残業申請って誰が出してたかなー」

女「残業申請?」

女同僚「ううん、こっちの話」

女「???」

ーーーー残業時間。

女「…」カタカタ

?「…」

女「…」カタカタ

?「…」ジー

女「…(見られてる?)」カタカタ

女「…」チラッ

係長「…」カタカタ

女「…(係長さんじゃないよね?)」…カタカタ

?「…」ジー

女「…」カタカタ


ーーーー二時間後。


係長「女君、そろそろ切り上げて帰りなさい」

女「え?…はい」

係長「…気を付けて(妻と子供に早く会いたい)」カタカタ、チラッ

女「…(あ、写真見てる)」ジー

係長「…(娘…かわえぇ)」フフッ

女「…!(男君と同じ笑顔だ)」

係長「ん?」

女「お、お先に失礼します」アセッ

係長「ああ」

?「…」ジー

ーーーーBAR。

カラン。

女「なんとなく来ちゃったけど…居ないよね」


ーーーーカウンター。

男「…」

ーーーー入り口。

女「…!(い、居た-!ど、どうしよう)」オロオロ

バーテンダー「どうかしましたか?」ニコッ

女「い、いいえ!」

バーテンダー「お一人様ですか?」

女「はい!」

バーテンダー「カウンターでもよろしいでしょうか?」

女「はい!」

バーテンダー「どうぞ」スッ、ニコニコ

女「…はい」カァ


ーーーーカウンター。

女「…し、失礼します!」

男「…?」

女「…(ど、どうして?す、すすすごく緊張する)」ガチガチ

男「…」



バーテンダー「…」ニコッ

女「あ、えーっとメニューは…」アセアセ

バーテンダー「今日はとても良い日ですね」

女「え?」

バーテンダー「いえ、探しものが見つかったような安心感を先ほど感じたので」ニコニコ

女「…は、はぁ……あ!」 「なんとなく来ちゃったけど…居ないよね」

女「…」カァ

バーテンダー「どうぞ、雪国になります」

女「…え?これって」

男「…」

バーテンダー「昨日、とても美味しそうに呑まれていたので」

女「はい!名前も可愛いし、私は強いお酒でも甘いのなら呑めちゃうほうなので…」チラッ

男「…」

女「…ごめんなさい、BARって静かに飲むんですよね」カァ

男「美味しそうだね、僕もお願いします」

バーテンダー「はい」ニコッ

女「…」パァ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月02日 (土) 02:32:12   ID: lr4xs_yp

な、なんかいいぞー?

2 :  SS好きの774さん   2016年01月08日 (金) 21:58:46   ID: 6-rC5HWN

良作の予感

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