[今より少し未来]
長い一日が終わる
窓から、夜空を見上げる1人の男
ビル街に急を告げるサイレンが、大きく鳴り響き
室内のラジオからは、投票を呼び掛けるアナウンス
どこにでもありそうで、ここしかない街の片隅で
湯気立つブラックコーヒーを片手に、
柔らかなソファーに腰掛けながら
男は、今日の出来事を思い出していた
彼は、若き探偵である
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[昼間・とある公園]
女「おーい、こっちこっち」
ヒゲ探偵「いやいや。待たせてゴメン」
女「いいのいいの。昔からそうだしね。私たちは」
ヒゲ探偵「面目ない」
女「…………ソレ、変装?」
ヒゲ探偵「ちょっと、念のためにね。問題なさそうだから、取るよ」ペリペリ
女「……おぉ。変装とか、本格的に探偵ホームズっぽい」
ペリッ
探偵「まぁ、本職はこれでも探偵なので」
女「ところで遅れちゃったのって、お仕事とか?」
探偵「まぁね。ペットが逃げたから一緒に探してくれって依頼が急に来ちゃって」
女「へー、それでどうなったの? どんなペット?」ワクワク
探偵「うん。長い蛇が倉庫の奥に隠れててさ、しっかり捕まえたよ」
女「へ、へび!?」カタカタカタカタ
探偵「似た色の、まだらの紐に紛れてたから、見つけるの大変だったよ」
女「あわわわわわわ」ガクガクブルブル
探偵「ちょ、大丈夫かい?」
女「うぅ……私、探偵って職業は憧れあるけど、ヘビは想像するだけでダメぇ……」
探偵「……まぁたぶん、そこまで来る様な依頼じゃないけどね。探偵のヘビ探し」
女「……あのギョロっとした目で、イキナリ音もなく這い寄る様子がなんだか恐いの」
女「それに首をこう、ギュゥっと締め付けてきそうで……」
女「……ツチノコだったらかわいいから、まだ探せるんだけどなぁ。昔みたいに」
探偵「中学の時、夏休みの自由研究も兼ねて、みんなで一緒に探しに行ったっけ。なつかしいなぁ」
女「そ。推理同好会のメンバーと、一攫千金を目論んでね。もう10年も前になるかな」
探偵「あぁ、そっか。あれからもう10年かぁ……」
女「ふふっ。長かったような、あっという間だったような」
探偵「……」
探偵「それじゃ、依頼の相談ってことだけど……」
女「うん。とりあえず、あのカフェでお話しいいかな」
探偵「あぁ、そうしようか」
女「……私、この辺りに来るの、久しぶり。」
探偵「……」
探偵「うん、そうだね」
[カフェ]
カランコロン♪
マスター「いらっしゃいませー」
マスター「ってアレ?!」
探偵「どうもー」
女「お久しぶり、マスター。」
マスター「おお、これはこれは」
マスター「なんて懐かしい組合せなんだ」
女「マスターもお元気そうで何より」
マスター「うんうん。君も素敵なレディになったねぇ」
探偵「この前の事件、情報提供ありがとうマスター」
マスター「あぁ。無事に解決したみたいで良かったよ」
マスター「それじゃぁ、注文はどうするかね?」
探偵「いつもどおりコーヒーで」
女「特製ハーブ茶ってまだある? あとテラス席もいいかな?」
マスター「あぁ、すぐに用意するよ。席もお好きな所へどうぞ」
女「それじゃぁ、行こっか」
探偵「あぁ」
マスター「お待たせしました。コーヒーとハーブ茶になります」
女「ありがとー」
マスター「それではごゆっくり……」
トントン
マスター(なぁ!)
探偵(?)
マスター(うまくやりなよ)
探偵(…………)
女「いやー、それにしても変わってないね。」
探偵「えっ?」
女「この辺りの街並み。高校卒業して、東京の大学に進学した時から、ほとんど同じまま。」
探偵「まぁそう、かな。だいぶコンビニと防犯カメラが増えたけど」
女「このカフェとか、好きだったハーブ茶も残ってて、ほんとに良かった!」
探偵「うん」
女「ねぇ、このカフェでさ……覚えてる?」
探偵「覚えてるって、何を?」
女「ほら、私たちの初デートで来たでしょv」
探偵「……あぁ、そうだったね」
女「ホントに覚えてる~? じゃぁ問題です!」
探偵「んー」
女「私たちが初デートしたのは何月何日で、この店で注文した飲み物は!?」
探偵「…………」
探偵「忘れてないよ。『2016年の2月11日』」
探偵「注文したのは、僕はコーヒーで、君はハーブ茶」
女「おー、大正解!!!」
探偵「まぁ忘れられないよ。君はハーブティが好物だし」
女「ふふふ、キミは初コーヒーをブラックで飲もうとして、噎せてたねw」
探偵「……昔の話さ。今では徹夜の張り込みじゃ必須アイテムだよ」
女「えへへへへ///」
女「……えと」
女「えと、お仕事の方は、最近どう?」
探偵「可となく不可となく、って所かな」
女「へー、ねぇねぇ。どんな依頼が来るものなの?」
探偵「……話せる範囲でなら」
探偵「まぁオーソドックスに人探しや物探し、身辺調査や交渉のコンサルタント」
探偵「他にもさっきみたいなペット探しや、ご老人たちの話し相手に、買い物の代行とかもする」
女「おー」
探偵「大きなところだと、政治家の『秘書給与ピンはね』や、内部告発者の『練炭自殺』って司法解剖を覆す証拠集めとか」
女「あっ。あの事件、『西宮』だって聞いてたけどキミが関わってたんだ」
探偵「自分で言うのもあれだけど、まぁチームで色々とやってて、事務所も軌道に乗ってきたかな」
女「いいなー。やっぱ私も憧れちゃう。こう、ザ・探偵って感じだよねー」
探偵「……そんないいものでもないよ。話せないような事件にも、向き合わざる得なくなるから」
女「でもさ、やっぱキミには板に付いてると思うな」
探偵「そっか、ありがとう」
女「えへへ」
探偵「君の方は、どう?」
女「私?」
女「そーだね。可となく不可となくってカンジかな」
探偵「ははは」
女「東京の大学に進学して、就職もあっちでしたけど……人並みな生活を送れてると思うな」
探偵「へぇー」
女「いい友達にも恵まれてるし、色んな娯楽もあるし……まぁお仕事は退屈な割りに大変だけど」
女「有給休暇とか、なかなか取れないし」
探偵「とりあえず上手くやれてるなら、いいことだよ」
探偵「あ、あの…… 女「えっとね!」
二人「「!?」」
探偵「……か、被っちゃったね」
女「や、こっちこそ」
探偵「えと、君からどうぞ」
女「う、うん。えっとね……」
女「えっと、その……」
探偵「うん?」
女「うー、どーしよーかなぁ……」
探偵「……?」
女「うぅ、やっぱり失礼かなぁ……」
探偵「…………」
探偵「探偵なのに、君を推理できなくて、すみません……」
女「いやいや、謝らないでよ。私こそ!」
女「じゃ、じゃあね、聞くけどさ!」
探偵「うん」
女「……お値段って、いくら?」
探偵「……お、おねだん?」
女「えっと、や。だから、そのね……」
探偵「あぁ、探偵依頼の料金ってこと?」
女「そ、そうそう! それそれ!!」
女「あのね。お願いがあるの」
女「…………探し物をして欲しいんだ。」
探偵「……どんなものを」
女「それは、えーっと……」
探偵「……」
女「……ずばり、何でしょう?!」
探偵「……クイズになっちゃった!?」
女「そ。私からのクイズゲームです。ふふふ~」
女「キミは正解できるかなー? なーんて」
探偵「あはは。面白そうだね」
探偵「よーし、受けて立つよ!」
女「いいの!?」
探偵「そのかわり……探偵料金は探し物の相場。ただし、友達割引も適用するけどね」
女「ありがとう。キミに決めてもらえると助かっちゃう」
女「えっとね」
女「今から一緒に、いくつかの場所に行きます!」
探偵「ふむふむ」
女「それでこう、何というか……私の仕草からとか」
探偵「しぐさ!?」
女「そういうのから、私の欲しいモノを当ててみて」
探偵「……うん、分かった」
探偵「……あ、だったらさ。いくつかの場所を巡るのなら、」
女「?」
探偵「依頼カテゴリは探し物じゃなく、その、レンタル彼氏みたいなのにしとこうか」
女「へー、そういうのもあるんだ」
探偵「こっちの方がお得だし、良いと思う」
女「うん、じゃぁそっちで御願い」
女「ねぇねぇ?」
探偵「どしたの?」
女「キミもさ、そういう……レンタル彼氏とかで、他の女性とデートとかしたことあるの?」
探偵「レンタル彼氏とかは、僕はない。そればっかり依頼受ける同業者は居るけど」
女「へぇー、キミはないんだ。へー」
探偵「……」
探偵「レンタル彼氏はないけど、結婚式に……」
女「」ピクッ
探偵「…………依頼者のレンタル友人として、盛り上げ役で出たとかならあるかな」
女「……」
女「わぁ、色んなことするんだね。探偵さんって」
探偵「便利屋みたいなものだけど、誰かの助けになれるなら、何でもいいかなって」
女「……ホントに優しいよね。キミって」
女「えっと、あの……えっと、じゃあね!」
女「次のバスまで時間があるから、11時になったら出発、依頼開始でいいかな?」
探偵「……分かった。大丈夫だよ」
女「うん、ありがとね」
女「今日はヨロシク!」
探偵「こちらこそ」
そうして、二人は喫茶店を出発した。
予定通りバスに乗り
近所の図書館、CDショップにライブハウス
レストラン、映画館に遊園地……
いくつかの場所を巡って行った
[夕方]
女「ふぃー、満足まんぞく」
探偵「だいぶ早足で巡ったけど、大丈夫? 疲れてない??」
女「うん、元気ゲンキ! むしろこんなに楽しいの久しぶり!」
探偵「あぁ、そう言って貰えて本当に良かった。僕も楽しかったよ」
女「エスコート感謝します!」
探偵「いえいえ、勝手知ったる地元ですので」
女「ふふふv」
探偵「……というより、前にも来てるからさ」
女「……うん」
女「あ、なんだか顔色悪そうだけど……」
探偵「…………」
女「……具合、悪い?」
探偵「大丈夫だよ、ただ……」
探偵「この後起こるであろう問答に、怖じ気づいてるだけさ」
女「……ごめんね」
探偵「とりあえず、どうしよう。夕方だけど」
女「もうせっかくだし、ロープウェイで展望台に登って、そこから街の夜景を見たいです!」
探偵「…………いいね。行こうか」
女「……わがままばっかで、しんどくない?」
探偵「ううん。全然」
女「長い時間、連れ回しちゃってるけど」
探偵「いいさ。もうこの先、こんな時間は2度と来ないかもしれないから……」
女「めんどくさい女で、ごめんね」
探偵「いいのいいの。昔からそうだしね。僕たちは」
[展望台]
わぁ
女「凄いよねー。流石は100万ドルの夜景!!!」
男「いいよね。この展望台にも時々来るけれど、こんな落ち着いて、景色を見たことはなかった」
女「私と来て、よかった?」
男「あぁ、とっても!」
女「えへへ。うれし!」
女「あー、それにしても素敵な夜景」
女「キラキラ輝いてて、キレイだなー」
女「私は大好きだけど、ねっ、キミはどう思う?」
探偵「……」
探偵「僕は、僕は君と過ごした思い出の方が」
探偵「……今もキラキラ輝いてて、好きだな」
女「……はは、こやつめぇ~♪」
女「だめかな、こんなの……」
探偵「?」
女「こんな時間に、会話してたら、何だか本当の恋人みたい」
探偵「……」
女「キミと付き合ってる彼女さんに、悪いことしちゃったな」
探偵「……今は仕事が忙しくて、そういう人は居ないから、心配しないで」
女「う、余計なこと言っちゃったね。おこったら許して」
探偵「いいよ……ところで、君は?」
女「……。」
探偵「……」
探偵「僕らこんなに長く、一緒に居るのは、いつぶりだろう?」
女「……付き合ってた時、以来だよね?」
探偵「うん。そういう時代もあったね」
女「今は、探偵と依頼者。レンタル彼氏とウソの彼女だけど」
探偵「……」
女「たまには、こういう関係でいるのも、いいかな。」
探偵「……」
探偵「……そろそろ、答え合わせをしようか」
女「えっ」
探偵「君の探し物が何なのかって、クイズゲームの」
女「あっ、そうだね。元々そういう依頼だったよね」
女「うん。君の推理を、聞かせて欲しいな。」
女「もう、こんな時間で……答えを出さなきゃ、いけないと思うから。」
探偵「今日、一緒に行ったところは……」
探偵「僕らが付き合ってた時に、デートで行った場所だよね」
女「……うん」
探偵「最初のカフェにせよ、図書館にせよ、CDショップにせよ」
女「……私なんかのこと、覚えててくれてるんだ」
探偵「なんかって言うなよ! 僕にとっては大切な人なのに!!」
女「……ぅ」
探偵「あっ……ど、どなってごめん。話を戻そうか」
探偵「僕は、君のことを覚えてる。君は、コレを確かめたかったんだよね?」
女「……うん」
探偵「……東京で、向こうの方で、何かあったの?」
探偵「こっちに、逃げて来たくなるような、事件が」
女「……。」
探偵「君が今付き合ってる彼氏さんがとんでもない人で、暴力振るうとか?」
女「ううん。今は私もフリーだから……」
探偵「じゃぁ仕事で失敗したり、パワハラに受けてるとか」
女「ううん。そんなこと、ないよ……」
探偵「本当はお金に困ってて、どうしようもないとか」
女「ううん」
探偵「……ツライ目に遭ってる訳じゃぁ、ないんだね」
女「うん。心配してくれて、アリガト」
探偵「よかった。君を酷い目に遭わせるヤツがいれば、」
探偵「じごくでもえてしまえばいい」
女「……ふふっ」
探偵「……相談ごとがあったりするの?」
女「うん。そう」
探偵「……うぬぼれかも知れないのだけれど、」
探偵「ぼ、僕なんかと復縁したい、とか///」
女「……49%、正解かな」
女「でも、僕なんかなんて、言わないでね」
探偵「……ぁ」
女「たぶんもう、分っちゃったよね」
探偵「……うん。今までの会話から推理すると、」
探偵「君に何があって、僕に何を相談したいか、分ってる」
探偵「聞いちゃうのが、怖いけれど……」
女「……」
探偵「でも、言うね」
女「うん、お願い。」
探偵「プロポーズ、かな?」
女「……うん」
探偵「あんまり知らない男性から、突然のプロポーズ」
女「……」
女「流石は、名探偵シャーロック・ホームズくん」
女「突然って訳でもないけど、婚約しようって言われたの」
探偵「…………それは、めでたい」
女「ん、ありがと。」
探偵「どんな人なの?」
女「大手取引先の、若手のエースって呼ばれてる人」
探偵「へぇ」
女「しかも、大手企業さんの社長の息子、次期社長候補!」
探偵「……御曹司じゃないか、すごい人に見染められたんだね」
女「私も、なんだか信じられないよ」
探偵「それで、どういう状況になってるの?」
女「最初は、仕事じゃなくプライベートでお話がしたいってなって」
女「ホテルの、高級レストランでお食事したんだ……」
探偵「せ、セレブだ」
女「あまりの高級感にビックリしちゃってさ、あの時の私は、キョドりまくりだった」
女「で、そこで、お互いの趣味とか、これまでの人生とか、」
女「どういう人がタイプとか、これからどう生きてきたいかとか、」
女「いろんな事を、お話したんだ♪」
探偵「けっこう、いい感じに会話が弾んだみたいだね」
女「うん。私が会った人で、一番コミュ力のある、本物の陽キャラ人だと思うよ」
探偵「……それで、その後は?」
女「その後は何もなくて、ホントに何も無くて」
探偵「……」ホッ
女「けど後日、ポルシェに乗って執事さんと一緒に、私の実家に挨拶に来て」
探偵「ポルシェ!? 執事!?? 実家に挨拶!??」
女「う、うん。行動力すごいよね……」
女「それで、両親に挨拶して、私と交際を許して欲しいって頼んだそうなの」
探偵「ぉ、おおお……」
女「お父さんもお母さんも、彼がメッチャ気に入ったらしくて……」
女「こんなチャンス二度とないから、早く結婚決めちゃいなさい、って」
女「そう、言われちゃった……」
探偵「……」
女「こんなことあるなんて、今でもチョット信じられないよ」
女「それで、両親も賛成してるし、いい人そうだし」
女「彼のツイイッターとかも見てみたら、ヨットやスキーの写真とか」
女「友達同士でBBQとか、大物政治家と握手してるのとか、スゴイ画像が沢山あって!」
探偵「」
女「この人と結婚したら、眩しいくらいのリア充ライフを送れそうって、思った」
探偵「……」グスッ
女「でもね、私にはね、忘れられない人がいるんだ」
探偵「……」
女「キミだよ」
探偵「!」
女「えへへへ///」
女「ねぇ、“ヒイロ”って、覚えてる……よね?」
探偵「本当に懐かしいなぁ、僕らが小学校のころ」
探偵「クラスで飼ってた、緋色の目をしたハムスターだよね」
女「うん。あぁ、やっぱり覚えててくれたんだ。良かった」
女「私が飼育当番のとき、うっかりゲージから逃がしちゃって」
女「探したけど、どこにも姿が見えなくて、見つからなくて」
女「クラスの皆で探したけど、それでもダメで……」
女「私のせいでクラスの皆に迷惑かけてしまって、」
女「ヒイロも踏まれたり、ネコやヘビに食べられるんじゃないかって、悲しくて」
探偵「……」
女「どうしようもなくて、泣くしかできなかった私に、キミはこう言ってくれたよね」
探偵「……最後の最後まで諦めちゃダメだ」
探偵「悩むとか悔やむとか、自暴自棄になるんじゃなく」
探偵「慎重に状況を読んで、何ができるかを、考えて考えて考えてみよう」
女「そう、それ。キミのその言葉に、すっかり勇気づけられてさ!」
探偵「ハムスターの生態研究とか調べて、夜行性だと知って」
女「2人して夜の小学校に忍び込んで、自作捕獲器をあちこちに仕込んで」
探偵「先生に見つかって、2人でしこたま叱られたけれど」
女「うん、でも無事捕まえられて、事件は見事に解決した……」
探偵「あれは僕も、驚いたよ。本当は、僕も半分諦めてたけど」
女「私にとっては、本当にいい思い出」
女「信頼できる人と出会えたのも、私の人生のいい財産」
女「それから、一緒に東中に進学してからも、色んな事件があったよね」
探偵「ただの人間事件、宇宙人侵略事件、暗黒の未来人事件、」
探偵「異世界勇者人質事件、偽・ニセ超能力者事件に聖地巡礼事件……あと何があったっけ?」
女「探偵同好会のキミが、片っ端から解決して、それを新聞部でもある私が記事にして、」
探偵「2人して、東中のホームズとワトスンって言われてたよね」
探偵「コナン・ドイル好きだから、そう呼ばれるのは誇らしかった」
女「私も、キミとの名コンビ、名バディって言われたの、」
女「ちょっと恥ずかしいとこあったけど、嬉しかったな///」
探偵「でも、その名コンビも、高校進学と共に消滅」
女「そ、2人の冒険は終わって……めでたくカレシカノジョに、なりました!」
探偵「……」
女「今までのジンセイで、一番幸せだったよ。告白してくれたの」
探偵「……」
女「謎を解き明かす、冒険の日々は終わったけれど」
女「大切な人と過ごす日々と、大切な人が傍にいてくれるコト、それを教えてくれた」
探偵「どういたしまして、こちらこそ」
女「えへへ♪」
女「そうして、高校生活が終わって」
女「私は東京へ、キミはあの街で、別々の人生を歩んでいった」
探偵「……」
女「だけど転機が訪れて、キミと私はまた、再会することに」
女「……ホームズ、キミの考えを聞きたいな」
探偵「……んん。どうしたんだい、ワトスンくん?」
女「もし、ここに、1人の女性がいて」
探偵「フムフム」
女「お金持ちで爽やかな御曹司からのプロポーズを受け、」
女「彼と共に、眩しいくらいの人生を歩むのと」
探偵「……」
女「小さな頃から一緒にいた、心の支えである探偵さん」
女「彼と共に、キラキラ輝く素敵な日々を送るのと」
探偵「……」
女「どちらが、正解なんだと思う?」
探偵「君のこと、だね」
女「……自分のことだけど、勇気がなくて決められない」
女「私は強くないから、責任を負うのが恐いんだ」
探偵「……」
女「どちらも違うタイプのいい人で、比べられないって思ってる」
女「どっちがより好きだとかも、自分では分からない。」
探偵「……」
女「だからお願い、教えてよ」
女「私は、この先のジンセイ。誰と共に生きていったらいいのか」
探偵「……」
女「御曹司さんか、それともキミなのか」
女「どうすればいいか分からない、私の代わりに……」
女「私の行く末を、これからを、」
女「私の人生を、キミに決めて欲しいの」
探偵「……」
ここで一旦SSを終わります。
伏線や仕掛けも色々仕込んでるので、まだ続けたいですが。
この後の展開的にR板の方で続編を投下するかも?
できるなら早く再開させますので、良かったらお待ちくださいm(_ _)m
R板で好きなだけ好きなように書いて
まってるよ
探偵=サイハラくん、女=赤松ちゃんを意識してる?
続きキボン
すげえ虫酸が走るわこの女
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません