律子「お弁当」 (18)


765プロ


P「……」カタカタ

律子「……」カタカタ

P「……なぁ、律子」

律子「なんですか?」

P「そろそろ出前を頼むけど、律子はどうする?」

律子「私は今度からお弁当を持参するようにしたので大丈夫です」

P「そうだったのか。じゃあ今日は音無さんもいないし、俺と社長の分だけかな」






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律子「……」

P「どうした?」

律子「いえ、実は慣れないせいか作りすぎてしまって……良かったらプロデューサー殿もいかがですか?」

P「そうなのか? それじゃあ頂いちゃおうかな」

律子「では準備しちゃいますね」

P「俺はその間にお茶でも淹れてくるよ」

律子「はい、ありがとうございます」




───




P「おお! 美味そうだな!」

律子「褒めても何も出ませんよ?」

P「こうして律子の手料理が食べれるじゃないか」

律子「……なら味の感想を聞かせてくださいよ」

P「それもそうだな! それじゃあいただきます!」

律子「はい、どうぞ」





P「うん! むちゃくちゃ美味いぞ!」

律子「本当ですか?」

P「ああ! 律子は良いお嫁さんになれるな!」

律子「なに馬鹿な事を言ってるんですか。それにレシピ通りに作れば誰でも作れますよ」

P「この卵焼きなんて実に俺好みだよ! やっぱり卵焼きはしょっぱい方が良いな!」

律子「それは前にプロデューサーが言ってたんじゃないですか」

P「あれ? 俺そんな事言ったっけ?」

律子「言ってましたよ。確か亜美が……って、ああ!!」

P「亜美?」

律子「なんでもないです! 今すぐ忘れてください!」

P「ん~? 亜美って……あっ! わかった! あの時か!」

律子「わー! わー!」





───
─────



律子「……」カタカタ



P「え? 調理実習?」

亜美「うん! それで作るものは自分たちで決めないといけないんだよね~」

P「なるほどな。なら日本の一般的な朝食とかどうだ?」

亜美「パンとかコーンフレーク? それじゃあ調理実習にならないよ!」




P「そういうのじゃなくて、納豆とか鮭とかさ」

亜美「あんまり食べないかな~! やっぱり朝はトーストにハム、スクランブルエッグっしょ! 甘いやつ!」

P「卵はしょっぱい奴だろ。スクランブルエッグ然り、卵焼き然り」

亜美「そんなんどっちでもいいから、早く考えてよ!」

P「じゃあ中華とか?」

亜美「おお! ティンと来た! なかなかナイスなアイディアですな~!」



律子「……」カタカタ







─────
───




P「あの時に言ってたことを覚えててくれたのか」

律子「な、なんとなく覚えてただけですよ! なんとなく!」

P「そ、そうか。あれ? でも今日はたまたま作り過ぎただけって──」

律子「わー! は、早く食べないと休憩時間が終わっちゃいますよ!」

P「それもそうだな。食べよう食べよう!」

律子「ほっ」

P「うん! これも美味い! これも俺好み、最高だよ律子!」






───




P「ふぅ……ご馳走様でした」

律子「お粗末さまでした」

P「これなら毎日食べたいくらいだよ」

律子「……なら作って来ましょうか?」

P「え?」






律子「外食ばかりだとお金もかかるでしょう」

P「確かに」

律子「あと、どうせいつも外食やコンビニ弁当なんでしょう? 身体にも良くないですよ。我々も体が資本なんですから」

P「うっ……!」

律子「それに……一人分も二人分も変わらないですしね!」

P「なら、お言葉に甘えちゃおうかな!」

律子「はい! 任せてください!」





高木「私の出前はどうなったのかね……」





終わり




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