緒方智絵里「愛が重いと言われているので」 (32)
とある夜
智絵里「………」←ネット掲示板閲覧中
『智絵里ちゃんってデビューから時間経つのにいまだにオドオドしてるよな』
『もう少しはきはきしゃべってほしい時あるよな』
『だがそこがいい』
『ちえりんって愛が重そう。めっちゃ依存してきそう』
『いやいやあの子は将来良妻賢母まったなしだって』
『智絵里に四肢を縛られて一日中監視されたい』
『だがそこがいい』
智絵里「………」
智絵里「やっぱりわたし、おどおどしてると思われてるんだ……だいぶマシになってきたと自分では感じてるんだけど、まだまだなのかな」
智絵里「愛、重そうに見えるんだ……」
智絵里「……うーん、こうなったら」
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翌朝
P「なるほど。ネットで自分に対する意見を読んで、頑張ろうと思ったと」
智絵里「はい」
P「そこまではわかった。だが」
P「その頭につけているものはなんだ」
智絵里「ちょんまげ付きのカツラです。珠美ちゃんから借りてきました」
P「その顔一面につけているものはなんだ」
智絵里「おしろいです。紗枝ちゃんにもらいました」
P「………」
智絵里「………」
P「なんでバカ殿様なんだ」
智絵里「軽くて偉い人の真似をしようかと」
P「すごい発想だな」
智絵里「えへへ、一晩かけて思いつきました」
P「照れなくていいぞ。別に褒めてないから」
P「で、成果はあったのか」
智絵里「はいっ」
智絵里「アイーン!」
P「美しい角度で腕が出ているが、それが目的の達成につながるとは思えない」
智絵里「そうですわたしが変なちえりんです」
智絵里「変なちーえりん、だから変なちーえりん♪」ソイヤソイヤ
P「それバカ殿様じゃないぞ」
智絵里「……はっ!」
P「お前、実はたいして詳しくないな?」
智絵里「う……実はちらっと特番で見たことがあるだけで。ネタは蓮実ちゃんに少し教えてもらっただけです」
P「やっぱりな」
智絵里「最近バラエティのお仕事が多いので、少しでもお笑いについて勉強しようかと思って……」
P「そうか。智絵里は勤勉だな、なでなでしてやろう」
智絵里「えへへ」
びょいん、びょいん
P「ちょんまげが邪魔でなでられないな」
智絵里「じゃ、じゃあ外します」ヒョイッ
P「一瞬で殿様やめたな」
智絵里「くるしゅうないです」
智絵里「わたしに殿様はできないみたいです……」
P「今のでできるかできないか判断するのは尚早な気がするが……まあ、切り替える意味でも他の役をやってみるか」
智絵里「他の役、ですか?」
P「ああ。たとえば……ほら、女王様とかいいんじゃないか? かわいい智絵里には似合いそうだ」
智絵里「女王様……わかりました。おしろい落とすついでに準備してきますっ」タタッ
ガチャ、バタン
P「あ、帰ってきた」
智絵里「女王様とお呼びっ!」ビシッ!
P「王族じゃなくて怖いお姉さんが出てきた」
P「そのボンテージと鞭はどこから調達してきた」
智絵里「ボンテージはちひろさんから、鞭は時子さんからです」
P「なんでそんな物がパッと用意できるんだろう」
智絵里「女王様の真似ならできるかもしれません」
P「ほう」
智絵里「何度か見たことがあるので……がんばりますっ」
P「ではどうぞ」
智絵里「こほんっ」
智絵里「おがた~、ちえりだよ~」
P「知ってるけど」
智絵里「気の弱い女の子をスカウトして、アイドルに仕立て上げたのはどこのどいつだ~い?」
智絵里「お前かっ!」
P「だからなんでさっきから芸人のネタばかりなんだ」
智絵里「バラエティの勉強をしているうちに覚えてしまって」
P「そうかそうか、智絵里は偉いなぁ」ナデナデ
智絵里「えへへ」
菜々「(あま~~~い!)」
菜々「……このネタも世代を疑われちゃうのかなぁ。いやいやそんなことないですよね」
智絵里「女王様も駄目でした……時子さんに弟子入りしようかな」
P「それは俺が止める。事務所の癒しがひとつ消滅してしまう」
P「……そうだ。智絵里は太鼓を叩いているときはガチだという話を聞いたことがあるぞ」
智絵里「はい?」
P「ゲーセンでバチを持たせると人が変わったようになると」
智絵里「そ、そんなことないと思いますけど……」
P「まあまあ、とりあえず持ってみて」パス
智絵里「わっ」キャッチ
智絵里「………」
智絵里「おらっ、フルコン上等! 鬼でもなんでもかかってこいやーっ」
P「おお、ほんとに変わった」
智絵里「おらおらおらおら」
智絵里「……って、なるわけないじゃないですかっ!」
P「ずいぶんノリツッコミが上手くなったな。えらいぞ」ナデナデ
智絵里「えへへ」
智絵里「やっぱり、わたしはいつまでもおどおどしていて愛が重そうに見えるままなんでしょうか……」
P「……智絵里、よく聞くんだ」
P「今朝だけで、智絵里はしょーもない物まねをするために、何人に物を借りてきた?」
智絵里「しょ、しょーもない……」
P「似てたのアイーンの腕の角度だけだし」
智絵里「あうぅ」
P「それで、どうだ」
智絵里「えっと……カツラとおしろい、鞭にボンテージ。4人です」
P「そうだ。智絵里はこの短時間に4人にお願いして必要な物を集めることができた」
P「以前のお前なら、物怖じしてできなかったことだ。特に時子さん相手なんて縮み上がっていただろう」
智絵里「た、確かに……」
P「それだけできるんだ。おどおどしているとか愛が重そうに見えるとか、じきに言われなくなるさ」
P「智絵里は、日々成長しているからな。俺達はそれを知っている」
智絵里「Pさん……」
智絵里「……あの。さっきのネタの続きですけど」
P「ん?」
智絵里「おがたー、ちえりだよー」
智絵里「気弱でおどおどしていた子をアイドルにしたプロデューサー。そんな人に感謝していて、好きになっちゃったのはどこのどいつだい?」
智絵里「……わたしだよっ♪」
P「智絵里……智絵里っ!」
智絵里「Pさん!」
ひしっ
ヘレン「Yes, fall in love!」
菜々「綺麗にオチました~♪」
幸子「言うほど綺麗ですか、これ?」
おしまい
終わりです。お付き合いいただきありがとうございます。初めて書き溜めなしでやったけど難しいっす
個人的かっとビングさせたいアイドルナンバーワン、緒方智絵里
今まで書いた智絵里SS
緒方智絵里「で、弟子にしてくださいっ」 佐久間まゆ「はい?」
ヘレン「ヘーイ!」 智絵里「へ、へーい……?」
モバP「やんでれちえりん」
モバP「つんでれちえりん」
島村卯月「頑張ります禁止令?」モバP「そうだ」
緒方智絵里「働きたくない」 双葉杏「ど、どうしよう……」
モバP「モンスターちえりん」
モバP「こたつの四天王」
棟方愛海「今日もみんなのお山に登ろーっと♪」
関係ない過去作宣伝
モバP「アイドルと仮面の戦士達、の休息」
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