まゆ「という訳で、まゆ達の分だけでも今年の仕事について整理しとこうと思いまして」

泰葉「うん盗聴ってアウトだからね？」

まゆ「この国では半分くらいセーフみたいなものですよ」

智絵里「えっ…！？」

まゆ「一アイドルとしては早く法律を何とかしてほしいですねぇ」

泰葉「どの口が言ってるの……」

まゆ「まあ今年の仕事といったら……」

智絵里「私とまゆちゃんは…アニメかなあ？」

まゆ「と言ってもまゆはあんまり」

智絵里「私もそんなには……」

泰葉「でもレギュラーでしょう？」

智絵里「うん。一応、だけど……」

まゆ「あのバンジーって本当にやったんですかぁ？」

智絵里「うん…。台本見た時は本当にクラクラしちゃった」

まゆ「珍しいですよねぇ。これまでPさんって智絵里ちゃんには絶対にそんなことさせなかったんですけど」

智絵里「あの後からバラエティのお仕事の話が来るようになったって……」

まゆ「じゃあ、『そういうお仕事はNG』っていうイメージがこれまで付いていたのが覆された、っていう感じなんですかねえ」ﾑﾑﾑ

泰葉「ああそうそう、そのことなんだけどね」

まゆ「？」

泰葉「アニメってPさんはほとんど関わってないみたい」

智絵里「あ、そうなんだ」

泰葉「うん。ちひろさんが主導で企画して進めてたみたいだね」

まゆ「どうりでいつもと路線が違うなと……」

泰葉「今じゃ皆さん売れっ子で忙しいから、多少負担を減らす意味合いもあったのかも」

まゆ「なるほど…まゆのPさんがまゆに本人役で恋する乙女の役なんてやらせる訳がありませんもんねぇ」

泰葉「『まゆの』Pさん？」

まゆ「ふぐぅ……」

まゆ「じゃぁアニメの話は置いときましょうか」ﾎﾟｲｯ

泰葉(露骨に興味失った……)

智絵里(せっかくの大きい仕事なのに……)

まゆ「ではまずまゆのお仕事から……」ｺﾞｿｺﾞｿ

ﾊﾞｰﾝ
http://i.imgur.com/kjbKEJJ.jpg


まゆ「愛妻弁当と夜伽ですよぉ♪」ﾌﾌｰﾝ

泰葉「夜伽て」

智絵里「お弁当、すごいね」

まゆ「愛の力ですから」

泰葉「ん、あれ、ちょっと待って……」

まゆ「なんですかぁ？」

泰葉「んー……やっぱりこれ……」

まゆ「…はっ、まゆのあまりの良妻っぷりで遂にあの泰葉ちゃんを……」ﾌﾌﾌ

泰葉「盛ってない？」

まゆ「え？」

泰葉「盛ってない？」B79

まゆ「え？」B78

泰葉「今年のまゆさんのお仕事って言ったら、もう一つあったよね」

まゆ「あ、はい。今出そうとしてたんですが……」


ｼﾞｬｰﾝ
http://i.imgur.com/TT2meUR.jpg


まゆ「あーんだけじゃなくちょっぴり切ないビターな雰囲気まで。これがまゆの本気ですよぉ」ｼﾞｬｼﾞｬｰﾝ

泰葉「そうそう、こっちの胸元」

まゆ「え？」

泰葉「谷間」

まゆ「え？」

泰葉「思えばおへそを出す衣装ってあまりまゆさんやってなかったし……」

まゆ「泰葉ちゃん」

泰葉「バスタオルのショットは前にやってたけどあの時はたしか後ろから……」

まゆ「泰葉ちゃん」

泰葉「ねえ、まゆさん」

まゆ「……分かりましたよう、白状しますよぉ」

まゆ「…………」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

泰葉「うん、うん……」

智絵里「……こくこくっ」

まゆ「…………」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

泰葉「……そういえば私達はあまりそういう衣装ないのにね」

智絵里「これからそういうのも増えたりするのかなあ……」

まゆ「と、とにかく準備が遅れるとこういうことになるので……」

智絵里「気をつけなきゃ……」

泰葉「ね」

まゆ「はい、という訳でまゆのお仕事はこの二つですね」

まゆ「セクシーめの仕事が増えたっていうことはPさんも意識的に…うふふっ♪」

泰葉「次は智絵里さんのお仕事を見ていこうか」

智絵里「うん。えっと、このファイルかなあ…？」

まゆ「ちょっと」

ﾘﾝｺﾞｰﾝ
http://i.imgur.com/4SKi7hH.jpg


まゆ「突然の結婚」ｶﾞｰﾝ

智絵里「プロデューサーさんの用意してくれたドレス…♪」

まゆ「ふぐぅ…まゆの方が先にドレス来てますからね……！」ｸﾞｷﾞｷﾞ

泰葉「……」

智絵里(あっ…そういえば泰葉ちゃんはまだ……)

まゆ「！」

まゆ「そういえば泰葉ちゃんってまだ――」ﾌﾌｰﾝ

泰葉「結婚前にドレスを着ると婚期が…って話知ってる？」

まゆ「ひどい」ｶﾞｰﾝ

智絵里(よかった、そんなに気にしてないみたい……)

まゆ「ふぐぅぅぅ…そんなジンクス愛の力の前には…！」ｸﾞｷﾞｷﾞ

泰葉「どうだか。この業界にいて、ジンクスがどれだけ大事か知らない訳じゃあ……」

智絵里「あ、あのっ、喧嘩はやめて…ね？」

まゆ「ち、智絵里ちゃんに免じてまゆが退いてあげますよぉ」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

泰葉「ふふっ、いつもの仕返し」

まゆ「ふぐぅぅ……」

泰葉「さてと、あと智絵里ちゃんのお仕事っていったら……」

まゆ「なんだかんだアニメ絡みのお仕事がほとんどでしたからねぇ」

智絵里「かな子ちゃんと組むのって、なんだか懐かしかったな」

泰葉「ああ、たしか同期で衣装ユニットを……」

智絵里「うん…ピンクドットバルーンっていうんだけど」

泰葉「亜里沙さんや美由紀さんとも一緒のユニットだよね？」

智絵里「うん。せっかくだからまた集まってみたかったけど……」

まゆ「美由紀ちゃんは舞台の主演が入っちゃってたんですよねぇ」

泰葉「あれ凄かったよね。全国ツアーの公演なのに海鮮が登場するんだもん」

まゆ「カニどうしてたんでしょうねぇ」

まゆ「ええと、他のお仕事だと……」

智絵里「あ、そうそうこれ」


ﾄﾞﾄﾞﾝ
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智絵里「太鼓のゲームとコラボしたんだ」

泰葉「あれ凄かったね」

まゆ「普段の智絵里ちゃんからは想像も出来ない動きでフルコンボを……」

泰葉「んふっ、ちょっと…！」

まゆ「うふっ、す、すいません……」

智絵里「も、もう……」ｶｱｱ

智絵里「で、でもっ、慣れてくるとだんだんコツが掴めてきてねっ…！」ﾜﾀﾜﾀ

まゆ「いやもう、凄いことになってましたよスナップが」

智絵里「だからあれは…チョップと同じで…！」ﾜﾀﾜﾀ

泰葉「いや、ふふっ、そんな誰でもチョップができるみたいな話持ち出されても…」

智絵里「もー…！」ｶｱｱ

智絵里「も、もう私はいいから泰葉ちゃんのお仕事、ねっ…？」

泰葉「ふふっ、ごめんなさい」

まゆ「智絵里ちゃんがかわいいのでつい」

智絵里「うう…泰葉ちゃんのファイルは……」ｶﾞｻｺﾞｿ

まゆ「泰葉ちゃんは今年のお正月を飾りましたからねえ」

智絵里「かくし芸アイチャレだよね？　あれ、すごかったなあ……」

泰葉「ふふっ、あんなに緊張したのはいつ以来だったかな」

まゆ「……あ、写真ありましたぁ。これですね」




ﾃﾝﾃﾃﾃﾝ
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まゆ「うわぁ眩しい」

泰葉「お正月だからね」

まゆ「いや色合いもですけどそれだけじゃなく」

智絵里「このコマどうなってるんだろう……」

泰葉「そう言ってもらえてよかった。一生懸命練習した甲斐があったよ」

まゆ「泰葉ちゃんの努力家っぷりときたらまゆでも少々危機感を覚えますからねえ」

泰葉「うん、それもだけど……」

智絵里「？」

泰葉「やっぱり、馴染みのあるメンバーだったからっていうのもあるかな。葵さんも悠貴さんも前に共演してるから」

まゆ「悠貴さんのことはまゆも少し知ってましたけど…お知り合いなんでしたっけ？」

泰葉「うん、アイドルになる以前にちょっと」

まゆ「とっても好かれてますよねぇ。ちっちゃい先輩とおっきい後輩って素敵です」

泰葉「まゆさん」

まゆ「はい」

泰葉「私とまゆさん、身長、一緒」

まゆ「はい」

泰葉「ね？」

まゆ「はい」

まゆ「そ、そんなことより次行きましょうか」

智絵里「次は…体育祭の」

まゆ「ああ、アレですね」


ﾜｧｰｵ
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まゆ「えっちなやつ」

泰葉「ちょっと」

まゆ「正月にあんな顔見せたと思ったら次はこれですよ！　どういうつもりですかぁ！？」

泰葉「知らないよ……」

まゆ「ブルマでポンポン持ってますよぉ！？　こんな格好で『がんばれ♡』ってどういうつもりですかぁ！？」

泰葉「そんな言い方してない！」

智絵里「でも、こんな格好…わぁ……」

泰葉「智絵里さんまで！？」

まゆ「分かってますよね！？　あのあとPさんがどれほどの間前屈みで仕事していたか！」

泰葉「谷間の件は謝るから！！」

まゆ「レオタードって…平成の世だからこそのレオタードだなんて……」

泰葉「ねえ菜々さんに何か吹き込まれたの？　怒らないから言って」

智絵里「え、えっと…次行こうか？」

泰葉「あー…次のお仕事って言ったら……」

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まゆ「ブルマからのこうですからね。緩急で堕とす気マンマンじゃないですかぁ」

泰葉「あのね……」

智絵里「体育祭のあと、すぐに仕事が入ったんだよね？」

泰葉「うん。番組で短期の新体操レッスンを終えたと思ったら、すぐPさんが『ソロライブ決まったぞ』って」

まゆ「目ぇキラッキラですよ。まゆの知ってる泰葉ちゃんじゃない」

泰葉「ひどい」

智絵里「でもやっぱり、さっきのとはまた違う色っぽさっていうか……」

まゆ「これ！　髪かきあげるやつ！　男を堕とすテクニックの代名詞の！」

泰葉「いや、そんなつもりじゃあ……」

まゆ「まゆの目は欺けませんよぉ！　年内に勝負賭けにきてるじゃないですかぁ！」

泰葉「知らないよ」

智絵里「あ、この衣装ってたしか…泰葉ちゃんが最初に着た」

泰葉「うん、それを新しく作り直してもらったの。大切な衣装だからって」

まゆ「ほらー！　もうPさんの気合いが違う！」

泰葉「まあ、大事にしてくれてるっていうことは…伝わったかな、なんて」

まゆ「危険です！　これは一歩手前まで来てますよぉ！」

泰葉「智絵里さん」

智絵里「あ、うん」ﾁｮｯﾌﾟ

まゆ「ふぐぅ」ｺﾞｽｯ

泰葉「一歩手前って何…いや、いいけど」

まゆ「すいません、取り乱しましたぁ……」ｻｽｻｽ

智絵里「ごめんなさい…ちょっと強くしちゃったかも」ｻｽｻｽ

まゆ「いえ、いいんですよぉ…。しかし、今年も色々ありましたねぇ」

泰葉「ふふっ…何、突然？」

まゆ「アニメにみんなが出られる訳じゃないって知った時はどうなるかと思いました……」

まゆ「でも、その一方でまゆ達はこうしてちゃんと本来のお仕事を頑張れているんですね。……Pさんと一緒に」

泰葉「……」

智絵里「……」

まゆ「な、なんですかぁ」

智絵里「い、いや……」

泰葉「急に真面目になったからどうしたのかなって」

まゆ「ま、まゆはいつでも大真面目ですよう」

まゆ「というわけで、来年こそ三人でユニットを組めるようにPさんに……あ」

智絵里「？」

まゆ「そういえば泰葉ちゃんってやけにお知り合いが多いですよねぇ？」

泰葉「え、急に何……」

まゆ「リトルチェリーブロッサムに、StudyS、趣味の合うアヤさんとユニットを組んだりもしていましたねぇ？」

泰葉「え？　ま、まあそうだけど」

まゆ「それだけじゃありません！　悠貴ちゃんに葵ちゃんに乃々ちゃんに！　共演を重ねているアイドルが多いですよねぇ！？」

まゆ「まゆも智絵里ちゃんもイベントで組んだ子とのユニット以外あまりないんですよぉ！　ちょっとずるくないですか！」

泰葉「ずるいて」

まゆ「智絵里ちゃんのユニットと言えば！？」

智絵里「えっと、ピンクドットバルーンと…397cherry？」

まゆ「まゆはアンダーザデスクくらいしか……」

泰葉「え、私てっきり美玲さんの代理で参加してたのかとばかり」

まゆ「ッッ！！！」ｽﾞｶﾞｰﾝ

泰葉「えっと…ごめんなさい？」

まゆ「うわあああああん！　なんかまゆがユニット寝取ったみたいじゃないですかぁ！」

泰葉「寝取りて」

まゆ「ええもういいですよぉ！　何もかもかなぐり捨てて三人で組んでしまいましょうよぉ！」

智絵里「ユニットかあ……」

泰葉「うーん…Pさんに相談してみないことには……」

まゆ「昔の泰葉ちゃんを取り戻しましょうよぉ……一緒にハイライト消しましょうよぉ……」ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞ

泰葉「多分この事務所に来てなきゃそんな文章一生聞くことなかっただろうね」

智絵里「えへへ、楽しいユニットになるかな？」



完