夜・ラビットハウス
ココア「きっとすごーく美味しいよ!」
チノ「こ、これは……確かに美味しそうです。でも、突然どうしたんですか」
ココア「すっごく美味しいって評判のお店で、今日はたまたまそばを通ったから買ってみたんだ~」
チノ「そうですか。……ところで、このケーキお酒の香りがするんですが」
ココア「ギクッ ……お、お店でお酒を使うケーキを売ってるからじゃないかな?」
チノ「…………」ジーッ
ココア「…………」
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チノ「ココアさん」
ココア「なーに?」
チノ「世の中には信用というものがあります」
ココア「えっ」
チノ「仕事の上でも人間関係の上でも信用というものはとても大事です」
チノ「一つを間違うだけで全てを失ってしまうことも多々あります」
チノ「いいですねココアさん? 今からこのケーキを食べても大丈夫なんですね?」
ココア「…………お酒使ってます……!!」
チノ「まったく」
ココア「で、でもでも、ものすっごく美味しいってうわさになってるのは本当なんだよ?」
チノ「食べませんよ」
ココア「本当にいいの……?」
チノ「ココアさんは私を酔わせたいだけですよね?」
ココア「酔わせたいんじゃないよ! お姉ちゃんって呼ばれたいんだよ!」
チノ「同じです」
ココア「美味しさも分かち合いたいのーっ!!」モフモフ
チノ「……た、食べませんから」
ココア「うう……それなら私一人で食べちゃうもん」モグモグ
ココア「うわっ、美味しっ!!」
ココア「な、何これ……しっとりして、口の中でとろけて……」モグモグ
チノ「…………」
ココア「ほ、ほんとすごいんだよ! あ、チノちゃん食べないならお姉ちゃんが二つとも食べちゃって良い?」
チノ「えっ、そ、それは……」
ココア「……なんて、意地悪をいったらいけないわね」
チノ「ホッ…………えっ」
ココア「ごめんなさい。今度はお酒の入ってないのを買ってくるわ」ポヤー
ココア「私の大切な妹だもの。悲しませたりしないわ」モフモフ
チノ「ココアさん……酔ってますね」
ココア「あら、タイが曲がっていてよ」
チノ「ついてないですが」
ココア「身だしなみはいつもきちんとね。マリア様が見ていらっしゃるわ」
チノ「……最近、何か読みましたか?」
ココア「ごめんねチノちゃん、なんか女子校に行ってる夢を見たよ」
チノ「もう……私の分は、ココアさんが寝てから食べますから」
ココア「えぇー! 太っちゃうよ!?」
チノ「今日だけですから。それにココアさんばかりそんなに美味しいものを食べるなんてずるいです」
ココア「……今食べても一緒だよ?」
チノ「ココアさんに醜態を晒したくないから言ってるんです」
ココア「ううぅ……お休み、チノちゃん」
チノ「お休みなさい、ココアさん」
ココア「……やっぱりもうちょっと起きて」
チノ「早く寝てください」グイグイ
二階・ダイニング
カッチ コッチ カッチ コッチ
チノ「……もう、いいでしょうか」
チノ「まったく、ココアさんは……あんなに美味しそうな顔されたら、気になるに決まってるじゃないですか」
チノ「ココアさんは寝てますし、食べてすぐ歯を磨いて、寝てしまえば何も問題ないはずです」
チノ「いざ!!」
チノ「お、美味しい……!」モグモグ
チノ「こんなに美味しいケーキ初めて食べました。ほっぺが落ちそうなくらい美味しいです」モグモグ
チノ「これは、ゆっくり味わって食べませんと」モグモグ
チノ「すごいです、口の中が幸せで満たされて、とっても美味しくて……」モグ
チノ「………………」ヒック
ココアの部屋
ココア「眠れない」
ココア「うぅー、チノちゃん今頃ケーキ食べてるのかな……」
ココア「……普段のチノちゃんは勿論可愛いけど、酔ったチノちゃんは別腹だと思うんだ」
ココア「……こっそり見に行ったら怒られるかな? でも、酔ったチノちゃんなら甘えてくれる……?」
ココア「これは行くっきゃないね!!」
バァン
チノ「ココアさぁ~ん?」フラフラ
ココア(寝たふり寝たふり……)
ココア(な、なんでチノちゃんが私の部屋に……)
ココア(まさか、酔って私に甘えたくなった!? うぇるかむかもーん!!)
チノ「お姉ちゃん、寝ちゃったの?」プニプニ
ココア(チノちゃん可愛すぎるよ! 抱きしめたい、この気持ち!!)
チノ「お姉ちゃーん」
チノ「んーっ」チュー
ココア「」
チノ「えへへ、お姉ちゃ~ん」ポヤヤン
ココア(チノちゃんにちゅーされた!? うぇへへへ)
ココア(これはもうしばらく様子を見るしかないですなぁ)
チノ「お姉ちゃん、大好きぃ」ペロペロ
チノ「ずっとこうしてみたかった……」ハムッ
チノ「お姉ちゃんに触ってると、体が熱くなるの……」チュウッ
ココア(くすぐったい……というか、なんか、変な気分になってくるよ……)
チノ「…………」スルスル
ココア(あれ? チノちゃん服脱いでる?)
チノ「お姉ちゃんも……」プチプチ
チノ「……肌、すべすべ……」ペロペロ
チノ「お姉ちゃん、大好き、大好きだよ……」ハァハァ
ココア(わ、私、ひょっとしてチノちゃんに襲われてる!?)
ココア(ま、待って、さすがに心の準備が……)
ココア(……でも、嫌ではない、かな……)
チノ「お姉ちゃん……」
チノ「……ごめんね、お姉ちゃん。私、素直になれないから」
チノ「一緒にケーキ、食べたかったよね……ごめんね、ごめんね……」グスッ
ココア(チノちゃん……)
チノ「お姉ちゃんのこと、大好きだよ……」
チノ「…………!」
ココア(? チノちゃん?)
チノ「…………」
チノ「…………」チュッ
チノ「お姉ちゃんの、匂いも、声も、柔らかいモフモフも、優しいところも、みんな大好きです」
チノ「お姉ちゃんと一緒だと、安心します……でも、胸がドキドキするんです」
チノ「ずっと、ずっと一緒にいたいです……お姉ちゃん……」
ココア「」
チノ「…………すぅ……すぅ……」
ココア「私も、大好きだよ……チノちゃん」
翌朝
チノ「……んー」
チノ「…………」
チノ「…………」カアァァ
チノ「何も、無かったことにしましょう。ええ」
チノ「全てはそう、酔っていたことによる気の迷いなのですから……」
ココア「んー……チノちゃーん……んにゃむにゃ」
チノ「…………」ジーッ
チノ「……」プニッ
ココア「うへへぇ……すやぁ……」
チノ「…………ふふっ」プニプニ
チノ「…………」チュッ
ティッピー「あっ」
チノ「えっ!? あっ」
チノ「…………」
チノ「……どうしているんですか」
ティッピー「そろそろ起きる時間じゃし……最初から扉、開いておった」
チノ「…………」
ティッピー「…………ナ、ナニモミテナイヨ」
チノ「……そうですか」
ティッピー「ほ、ほら、朝食の支度があるんじゃろ」
チノ「ええ、行きましょう」
ココア「……むにゃ?」
ココア「あれ、チノちゃん……」
ココア「……昨日のは、夢だったのかな」
放課後・ラビットハウス
ココア「聞いて聞いてリゼちゃん! 今日、すっごい良い夢見たんだよ!!」キラキラ
リゼ「お、おう。そんなに良い夢だったのか」
ココア「うんっ!!」
チノ「…………」
ココア「あのね、酔ったチノちゃんが私の部屋に来て、ちゅーしてくれてー」
ココア「お姉ちゃん大好きーっ、って」
リゼ「ああ、夢だな。さっさと現実に帰って来い」
ココア「えへへー」
チノ「…………」
ティッピー「チノや」
チノ「何も言わないで下さい」
しばらく後・夕飯後
ココア「チノちゃん! ケーキ焼いてみたよ!!」
チノ「す、すごいです! どうしたんですか、こんな本格的な」
ココア「この間、私のせいでチノちゃんと一緒に食べられなかったし……」
ココア「やっぱり、チノちゃんと一緒に食べたかったから」
チノ「……ココアさん」
チノ(ココアさんのそういうところ、大好きです)
おしまい
やっぱりココチノが最高だなと思う今日この頃。
>>2の台詞は某漫画のやつです。
あああぁぁぁ!!
明日チノちゃん誕生日じゃん!! ケーキとか出してんのに何してんの!?
すっかり忘れてました……最後のケーキは誕生日記念とか、そういう感じに脳内補完しといてください……
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