美城常務「アイドルの名前が思い出せない」 (18)

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専務以下の取締役及び執行役員を集めた略式の会議は

346プロダクションの会議室で十四時から行われる。

美城常務はそのしゃぶりつきたくなるようなすらりとした美脚でもって

フロアを足早に歩き、目的地を目指していた。

常務
(む、しまった……今回の会議で議題にするはずなのに、名前が思い出せない……)

疲れているのかもしれない、と思いながら、美城はポケットを探りスマホを取り出そうとする。

しかしそもそも名前を知らないからには調べようがない。

常務
(うん、あのアイドルの名前は何だったかな……

まあ、特徴的なフレ―ズの曲だからすぐに思い出すだろう)


――会議室。

役員A
「え―、では、美城常務。今回新たに立ち上げる新プロジェクトについてご説明お願いいたします」

常務
(まずいな……思い出せないまま会議に突入してしまった。

しかし、会議のメインに関わるアイドルの名前を忘れたなどと言えるはずがない。

書類を用いない簡単な会議とはいえ、こんな事を言っては私の沽券に係わる

……思い出せ、確か歌のフレ―ズは……コンチ……)

常務
「え―、今日皆さんに集まっていたのは他でもなく

え―……346プロダクションにおいて有益なプロジェクトになり得る

え―……大規模なプロジェクトについて

え―……広く皆さんの見解を拝聴したいという次第でありまして

え―……屈託のない意見を述べていただきたいと思ったからであります。

え―……その、中心となる……」

いつもと比べて突きたての餅のような常務の歯切れの悪さに

役員たちは少し妙だなと思いながら

まだまだ若々しい彼女の熟れた肢体をじっくりと視姦しつつ耳を傾けていた。

常務「チ……チンコについてです」

役員A「!?」

役員B「!?!?」

役員C「!?!?!?!」

常務
「! いやっ、違っ……違います! 失礼しましたっ!

私が申し上げたいのはチンコではなくコチコチの……!」

役員A「コチコチの?」

常務
「いやっ! コチコチではない! 私が申し上げたいのはチンココキコキ……!」

役員C「コキコキ……!?」

役員B「コチコチでないチンコをコキコキッッ!?」

常務「あっ! えっ! あっ! 違いますッッ! チンコは関係ありませんッッ!

言いたいのは、コチコチチンココキコキで……ああ――っ!!!!」

常務はとうとうどう話して言いたいのか分からず

耳朶まで真っ赤に染まった顔を両手で隠し床に座り込んでしまった。

部長
「なるほど……。会議に出すはずのアイドルの名前を忘れてしまった、という訳ですか……」

常務「も……申し訳、ありません……」

役員A
「いやぁ、いきなりチンコだのコチコチだのおっしゃられたので度肝を抜かれました」

役員B
「うんうん、確かにお堅い美城君が硬く屹立した男根を

しごき抜くなどと口走るのはまず考えられないからね」

常務「専務! 私はそのような単語を……!」

専務
「まあまあ、意味合いとしては一緒ではないか。

とにかくはやくそのアイドルを思い出すように皆で手助けしよう。

そうしなければ折角集まったこの時間が無駄になってしまうからね」

常務「あ……ありがとうございます」

専務「では……チンコの話から始めようか」

常務「いや、何故ですっ!?」

専務
「何でって、チンコの話をした方が解答にもっとも近いと思うからだよ。

君はさっきひたすらチンコチンコああチンコそれいけチンコやれチンコ

と我―男たちに等しく生えているチンコを連呼していたではないか。

それは君が女性に生命を植え付けるチンコというものに酷くこだわっている証拠だろう。

そういう時はとことんその考えや連想されるものを膨らませた方がいいのだ。

勘違いしないでもらいたいが、チンコだけに膨らませるという事を私は言いたいのではない。

つまりここはチンコについてチンコの流れで議論する事が大事なんだ。

くれぐれも言っておくがチンコだから大事と言っているのではないぞ」

役員A「では、チンコと関連するアイドルと言えば誰ですかな」

役員C
「やはり秋月涼でしょう。

あの美少女然とした容姿に我―と同じチンコが生えていると考えただけで

私は毎晩いたずらに迸ってもう枯れそうになります」

専務「枯れるかどうかはともかく、彼は876プロの秘蔵っ子だよ」

役員D「となると、男性アイドルに注力している315プロも駄目ですな」

役員E
「男性アイドルとは限らないでしょう。

チンコの存在を疑われているだけならば、東郷あいや木場真奈美がいますよ」

役員C
「先に申し上げておきますと輿水幸子には生えてません。

誤解されている方がいらっしゃるかもしれませんので、一応」

役員A「うん、それは自然の理だ。カワイイ彼女に余計なものは要らない」

専務「美城君、さっきから黙っているけれどどうかね?

東郷あいや木場真奈美の名前が出ているが……」

常務「……いえ、東郷あいや木場真奈美ではありません」

専務「そうか、では別の観点から攻めてみましょう」

常務「別の観点?」

専務「ああ。ではマンコについて次は議論しよう」

常務「ちょっと待て! あっ、いえ、どうしてそのような流れになるんですかっ!」

専務
「言うまでもなく、美城君が女性だからだ。

生命誕生以来、チンコとマンコの間に著しい類似性があるのは改めて説明するまでもない。

チンコでない、そして君と類似性のあるものと言ったらやはりマンコになるだろう。

346プロダクションではチンコよりもマンコの方が存在数が多いのだから

私はむしろマンコ的に考えてこちらからのアプロ―チを支持したいね」

役員A
「しかし専務、在籍しているマンコ……いや、女性アイドルはかなり多いですよ。

彼女の中に常務のおっしゃるマンコ……いや、女性アイドルがいるのは間違いありませんが

それではマンコ……いや、女性アイドルを特定する事は容易ではないでしょう。

常務の求めているマンコ……いや、女性アイドルを探し出すにしても

もっとマンコ……いや、手掛かりが必要だと思いますね」

常務
「いい加減にして下さいっ!

先程からそのっ……という卑猥な言葉ばかり並び立てて

これはれっきとしたセクハラ……!」

役員C
「滅相もない、我々は常務のアイデアを知りたい一心で助力しているだけです」

役員D
「組織の抜本的な見直しと革新的プロジェクトを進めている常務の事ですから

さぞかし常識に囚われない自由な着眼点だと想像しています」

常務「む、無論だ……」

専務
「それに我々は真剣に話し合っているのだ。君のために、ね。

むしろ略式とはいえ役員たちの意見を調整するこの場に臨んでおきながら

肝心のアイドルの名前を忘れて無駄に時間を取らせる君こそ

私はいい加減にしろと言いたい。そうではないか、美城君?」

常務「も、申し訳ございません……」

役員A「しかし、ふうむ……マンコですか……」

役員C「何かマンコを限定する情報はおありか?」

役員D
「所属アイドルの中で最もセクシャルな娘を選べば良いのではないですか

例えば高橋礼子とか、柊志乃とか……」

常務「いや、その二人は違う……」

役員E
「そうですか。では及川雫、片桐早苗、堀裕子はいかがです?

セクシ―ギルティというユニット名で世間での知名度も最近急上昇していますが」

常務「いや、その三人の誰でもない……」

役員一同「う―む……」

役員A
「皆さん、どうもマンコからの視点は行き詰まりを見せているようですので

やはりここは別の観点から探ってみましょう」

役員C「別の観点?」

役員A「ええ、私は競馬からアプロ―チをかけるのがよろしいかと」

常務「待て。一体競馬がアイドルと何の関係があるんだ!」

役員A「常務、とにかくここは連想ゲ―ムで色々と考えるに越した事はありません。

いいですか、私が競馬を持ち出したのには理由があります。

一つ一つ説明いたしますと北海道の日高地方には待兼(マチカネ)牧場という城が存在していて

そこにはマチカネという名前を競走馬の冠につける馬主がいるのです。

作者の競走馬の知識については姫野かのん君のチン毛並に存在が疑わしいので省略しますが

その中には『マチカネコンチキチ』という名前の競走馬がいるそうです」

専務「ほお、『チ』『ン』『コ』、それに『キ』の文字が全て入ってるね」

役員E「しかし常務は競馬に興味はないのでは?」

常務「そのはずだが……その名前は何かピンと来る」

役員A「やはり! どうです、何か思い出しませんか?」

常務「いや、でもここまで来ている」

美城常務は、子供を産めばさぞかし乳を迸らせるであろうと想像できる豊かな麗乳から

顎の間にその美指を水平に伸ばして示した。

役員E「意外ですな。まさかこんな切り口で真実に近づけるとは」

常務「コンチキ……コンチキ……」

役員D
「馬でしたら浜川愛結奈はどうです?

乗馬は得意らしいですし、本人の容姿も極めてセクシ―ですよ」

常務「いや、浜川ではない……」

役員C
「なら別の馬ではないですか?

マチカネシリ―ズならマチカネタンホイザが実力知名度共にダントツでしょう」

常務「あまりピンと来ないが……」

役員A
「他にはマチカネワラウカド、マチカネフクキタル、マチカネコンニチワ

マチカネホレルナヨ、マチカネイワシミズ、マチカネオイデヤス……」

常務「!? 待ってくれ、何か近くなったっ!」

役員A「! ……やはりマチカネ関連で間違いはなさそうですね」

役員D「それならばここは一つ『うまんが』という漫画からも切りこんでみましょうか」

常務「何だその漫画は? 私は漫画など一切読まないが……」

役員D「この漫画は小学館から出たカルト的人気のある新井理恵先生の作品で
作中ではSMオペラオ―や宝塚菊花など競馬用語や競走馬にちなんだ人物や馬のような生物が登場します。
その中でコンチキチ・マチカ―ナという人物がいて、更に彼は下ネタのスペシャリストなのです」

役員E「下ネタ、つまり常務がやたら言っていたチンコとかマンコとかですな」

役員D
「そう、常務があれだけ言っていたチンコとマンコネタが

少女マンガでありながら生々しくふんだんに盛り込まれているのです!」

常務「私は……そんな事を言っていないっ!」

専務「んっ? そんな事とは何だ、美城君?」

常務「さ……さっきのような事です……!」

専務
「ふぅ……全く、物事ははっきり言ってもらわないと困るな。

さあ、はっきりと聞かせてくれ、一体そんな事とは何なのだ?」

常務「それは、……ンコとか、……とか……」

役員A「常務、はっきりおっしゃって下さい。全く聞こえませんよ」

常務
「~~っ! だからっ、その、そっちの言うチンコやマンコの事だっ!
これで分かっただろうっ!」

役員C「あっ、すいません。スマホで『ろまんが』見てたんでもう一度お願いします」

常務
「~~~~~~っっ! ああっ、分かったっ!

私が言ったんだ。この口で、チンコだのっ!

マンコだのっ!! コチコチだのっっっ!!! 分かったかぁっっっ!!!!」

役員E
「……うんうん、新井理恵先生の作品なら『X-ペケ-』は絶対外せませんね―」

役員D「『脳髄ジャングル』も全二巻と短いながら、しっかり新井節が聞いていて傑作ですよ」

役員C
「私は『LOVELESS』の方が好きですな。最初告白相手だった後藤が

どんどん強烈な変態スト―カ―になっていくのが全く爆笑もので!」

常務「ひ、人の話を聞け――ッッッ!!!」

美城常務の口淫映えしそうな艶やかな朱唇から

キャラに似合わぬ叫びが飛び出したその時、役員Aのスマホの着信が鳴り響いた。

それは祭囃子の雰囲気漂う耳心地の良い曲だった。

常務「それだっ! その曲だっ!」

役員A「これですか? 小早川紗枝の『花簪』ですが」

専務「ああ、確かに歌詞にこんちきちんとあるな!」

役員D「なるほどなるほど。これで万事解決ですね。良かった、良かった」

常務
「良くない! 私はこのためにどんだけ辱しめを受けたかっ……て、おい! まだ帰るな!」

役員C「帰るなって、もう会議に使う時間はありませんよ?」

役員E「冗長な会議にかける時間を見直して短くしたのは常務ですよ。

あっ、次の仕事がありますのでこれで失礼」

常務「……! ……! ……!」

役員D「いやぁ~~実に有意義な一時でしたな!」

専務「君、今度『机上意思マスタ―』と『M -エム-』というのを貸してはくれんか?」

役員A「いいですとも。専務、『タカハシくん優柔不断』や『ケイゾク』もありますがいかがされますか?」

役員C「ああ……『豆しばばばっ!』も単行本化しないかなぁ」

常務「お、覚えていろ……! 必ず……必ず、今回の件を……は、白紙に……ッッ!!」

誰もいない会議室の床に、雄たちの欲望の的に成り得るその柔らかな蜜尻を座らせたまま

美城常務は唇を噛んで床に爪を立てながら羞恥と怒りとを堪え忍んでいた。

訂正

>>5
我ー → 我々

それでは失礼しました

追加訂正

×部長 → ○役員A

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