須賀京太郎「旧校舎の鏡」 (229)
6月某日、清澄高校
優希「雨、やまないじぇ」
まこ「今年の梅雨は長続きするらしいからのぅ」
久「旧校舎の側溝って詰まりやすいから、雨が降ると水が溢れて大変なのよね」
京太郎「雨だと気分も晴れませんね」
久「あら?私は好きよ、雨。とても静かだし、落ち着くもの」
優希「……?雨の音がするのに静かなのは、おかしい気がするじぇ」
まこ「雨が他の音を吸収するけぇ、静かに感じるんじゃ」
久「それに「f分の1ゆらぎ」って言って、自然界の波長は、人間がリラックスしてる状態の脳波であるα波と同じなのよ」
優希「えふぶん……あるはーは……?」
京太郎「優希には難しすぎたな」
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和「(ガチャ)こんにちは」
優希「のどちゃん、雨がヘブンのウサギで脳がアルカパだじぇ!」
和「ああ。雨の音がf分の1の揺らぎで脳からα波がでる。って話ですね」
京太郎「よくわかったな……」
久「あら、和。咲は?一緒じゃないなんて珍しいじゃない」
和「え……?旧校舎の前まで一緒に来たけど、私は忘れ物を思い出して引き返したから、咲さんには先に行くように言っておいたんですけど……」
久「おかしいわね。どこかで道草食ってるのかしら」
優希「まさか、迷子になってるんじゃ……」
まこ「流石に自分の学校で迷子にはならんじゃろ……ならんよな?」
京太郎「……俺、探してきます!」
久「否定できないのね……」
バタン
和「そういえば、私も咲さんも旧校舎には部室にしか来たことがないから、他の廊下や部屋を知らないんです」
優希「そういえば私もだじぇ。旧校舎には何があるのか教えて欲しいじぇ」
まこ「確か、麻雀部の部室以外には何もないはずじゃ。ほとんどが空き部屋で、倉庫として使ってる部屋があったはずじゃが……」
久「まあ、旧校舎にはあまりいい噂もないからね」
和「いい噂を聞かない……?」
優希「七不思議的なものとか?」
久「それに近いわね。この旧校舎は……昔は、廃病院だったのよ」
和「廃病院……?」
久「50年くらい前に閉鎖してね。その後は取り壊されずに放置されていたんだけど、30年前に取り壊してこの清澄高校の旧校舎が建ったの」
まこ「初耳じゃ」
久「その閉鎖の原因ってのがいろいろ良くない噂があって、みんなあまり喋りたくなかったのよ」
久「けれど、椅子や机、棚とかベッドとかの病院の備品は、そのままこの学校で使われてるわ」
優希(まさか……この部室のベッドって、廃病院の……)
久「そんな事があって、今は忘れられたけどこの旧校舎では昔、七不思議のような話には事欠かなかったみたいよ」
久「廃病院の頃に作られた地下霊安室の入り口がどこかにあるだとか、屋上には不治の病を嘆いて身を投げた患者の幽霊がでるだとか」
和「そんなオカルト、ありえません」
久「まあ、私も2年半ここにいるけど一度も見たことはないわ」
久「一番有名な話は、『彼岸の鏡』ね」
優希「ひがんのかがみ……?」
久「さっき言った通りここの備品は病院のものを使ってるんだけど、同じく病院から持ってきた大きな鏡があるのよ」
久「その鏡は取り壊されたハズの廃病院に繋がっていて、夕方の4時44分から1分間」
久「その間に鏡の前に立つと、鏡の中に引きずり込まれてその廃病院に連れて行かれる。言う話よ」
和「そんな鏡、見たことありませんよ」
まこ「1階の倉庫にでかい鏡が置いてあった気がするけぇ、それのことかいの?」
久「私も見たことがあるけど、多分その鏡ね」
優希「そういえば……もうすぐ4時44分だじぇ」
その頃
京太郎「咲の奴、一体どこに行ったんだ……」
咲「うーん、こっちだったかな……(ガチャ)」
京太郎「あ、咲!」
京太郎「どう見ても部室の扉じゃないのに、なんで入って行ったんだ!」
京太郎「ここは……倉庫か?(ガチャ)」
咲「わあ、おっきな鏡……」
京太郎「おい、咲!」
咲「あ、京ちゃん!」
京太郎「まさかお前、自分の学校で迷子になるなんて……」
咲「うう……ごめんなさい。いっつも和ちゃんと一緒だったから、どう行けばいいかわからなくて……」
京太郎「とにかく、早く部室に戻……」
咲「……どうしたの京ちゃん?」
京太郎「咲、その鏡から離れろ!」
咲「え……?」
ガシッ
.
咲「ひっ……!」
咲「か、鏡から……腕が伸びてきて、私の腕を掴んで……」
京太郎(マズイ、咲が鏡の中に引き込まれようとしてる!)
京太郎「咲、掴まれ!」
咲「京ちゃん!(ガシッ)」
京太郎(ぐっ……なんて力だ……)
咲「京ちゃん、離して!このままじゃ京ちゃんまで……」
京太郎「離して……たまるか……!」
ズルッ
京太郎「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
咲「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
……
…
・
京太郎「うーん……」
京太郎「こ、ここは……?」
京太郎「確か俺は、咲を探して清澄高校の旧校舎の倉庫にいて……」
京太郎「鏡から腕が生えてきて咲の腕を掴んで、俺たち2人は鏡の中に引きずり込まれて……」
京太郎「そうだ、咲!」
咲「……」
京太郎「おい、咲!起きろ!」
咲「うーん……京ちゃん……?」
咲「京ちゃん!」ガバッ
咲「そ、そうだ……私たちは一緒に鏡の中に……」
京太郎「ああ。とりあえずは2人とも無事みたいけど……」
咲「京ちゃんのバカ!」
京太郎「さ、咲……?」
咲「手を離してって言ったのに……なのに、京ちゃんまで鏡の中に引きずり込まれて……」
京太郎「し、しょうがないだろ!」
京太郎「あの場で手を離してお前を見捨てたら……俺は一生後悔する事になる」
咲「でも……」
京太郎「とにかく、こうなっちまった事は仕方ない。ここがどこなのか確認しようぜ」
咲「うん……わかった」
京太郎「ところで、ここがどこだかわかるか?」
咲「ベッドが幾つかと仕切りがあるから保健室みたいだけど……先生が座る机がないよ」
咲「なんだか、病院の部屋みたい。あちこち傷んでるけど」
京太郎「床もリノリウムじゃなくて木だな……。随分と古そうだ」
京太郎「窓の外は……暗くて見えないな」
咲「携帯も圏外だし……どうしよう」
京太郎「とりあえず、ここから外に出よう。他に建物があるかもしれない」
咲「うん」
廊下
京太郎「電気は点いてるみたいだな」
咲「うん……。でも、怖い……」
京太郎「窓の外は真っ暗だからな」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
咲「……!」
京太郎「足音……?誰かいるのか?」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
咲「あ、あそこに誰かいる!」
咲「すいませー……」
京太郎「やめろ、咲!」
咲「?どうしたの京ちゃん」
京太郎「様子がおかしい。この部屋に隠れて様子を見るぞ」
咲「うん……京ちゃんが言うなら……」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
咲「足音が近づいてきてる……」
京太郎「部屋の前を通った時、戸の隙間から覗くぞ」
咲「うん」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
首の骨が折れたナース「あ"……あ"あ"……」
咲「……!」モガモガ
京太郎(あらかじめ咲の口を塞ぐ用意をしててよかった……)
ぺたん
ぺたん
ぺたん
京太郎(行ったか……)パッ
咲「ぷはっ……い、今のはなんなの……?」
京太郎「俺もわからない」
京太郎「首の骨は折れてるし、顎も砕けて血を流してた。どう考えてるも生きてはとは思えない」
咲「ま、まさか、ゾンビとか、幽霊とか……」
京太郎「和がいたら、なんて言うんだろうな……」
咲「ど、どうしよう京ちゃん……」
京太郎「とにかくここを出るしかない」
京太郎「あいつに見つかったらどうなるかわからないから、見つからないようにな」
咲「うぅ……でも、他にもいるかもしれないし……怖いよ……」
京太郎「大丈夫だ、咲」
ギュッ
咲「京ちゃん……?」
京太郎「俺がついてる。だから、行こう」
咲「……うん!」
玄関
京太郎「雨が降ってるな……それに、真っ暗で何も見えない」
咲「このまま外に出たら、どうなるんだろう……」
京太郎「アテもなく彷徨って遭難する可能性大だな……」
京太郎「暗いし道が舗装されてないから、方向もまったくわからない。それに、雨でどんどん体力を奪われて動けなくなるかもしれない」
咲「どうするの、京ちゃん」
京太郎「そうだな……」
1.一縷の望みにかけて外に出る
2.病院に戻って他の方法を探す
安価下
京太郎「……病院へ戻ろう」
咲「うん……わかった」
咲「あ」
京太郎「どうした、咲」
咲「ここの病院の名前が書いてある」
京太郎「ほんとうだ。えーっと」
『清澄病院』
.
京太郎「清澄病院……?俺たちの高校と同じ名前だな」
咲「てことは……ここは、清澄高校の近くにあるの?」
京太郎「でも、俺はこんな病院があるなんて話、聞いたことがないぞ?」
咲「うーん……」
咲「多分、昔あったんじゃないかな?」
京太郎「昔……?」
咲「うん」
咲「突拍子もない推理だけど、聞いてくれる?」
京太郎「すでに非現実的な出来事に巻き込まれてるんだから、今更何を聞いても驚かないよ」
咲「じゃあ……」コホン
咲「さっき見た限り、この病院は凄く古い感じだった」
咲「木造造りだし、電気も蛍光灯じゃなくてただの電球。つまり、もう取り壊された昔の建物なんじゃなか。って思うの」
京太郎「おいおい、取り壊されたって、現に俺たちの目の前にあるじゃないか」
咲「それは多分……私たちがあの鏡を通じて病院の記憶とか、過去の世界にやってきたから……」
京太郎「……文学少女は想像力が豊かだな」
京太郎「けど、もう取り壊された廃病院に来てしまった。ってのは信じられる話だ」
咲「ありがとう、京ちゃん。でも、どうやって元の世界に戻れるんだろう……」
京太郎「……俺たちは、鏡を通じてこの世界にやってきた」
京太郎「なら、鏡が元の世界に戻るキーワードになってるかもしれない」
咲「そっか……。そういえば、あの鏡も凄く古かったから、同じものがこの病院の頃からあったのかも」
京太郎「そうだ!その鏡を見つければ!」
咲「すごいよ京ちゃん!元の世界に戻れる方法を見つけるなんて!」
京太郎「まだあくまで可能性の話だよ」
京太郎「それに、咲がこの病院の事を推理してくれたお陰だよ」
咲「えへへ……」
京太郎「それじゃあ……病院の中に戻るか」
咲「うん」
ロビー
京太郎「あった、館内地図だ」
咲「どこに鏡があるんだろう」
京太郎「清澄高校では倉庫にしまってあったけど、病院でもしまってある可能性は低い」
咲「どこかに飾られてるって事?」
京太郎「ああ。あるとすれば、談話室か院長室だな」
咲「どっちから行く?」
京太郎「うーん……」
1.院長室に行く
2.談話室に行く
安価下
京太郎「いい鏡だから、やっぱ医院長が自分の元に飾ってる可能性が高い。医院長室に行こう」
咲「うん。わかった」
医院長室
京太郎「医院長室は最上階か……やっと着いた」
咲「ふう、疲れた……」
ガチャガチャ
京太郎「クソッ、鍵がかかってる」
咲「どうしよう……」
京太郎「仕方ない。一旦戻るか」
咲「うんら」
廊下
京太郎「とりあえず次に行く場所は……」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
咲「……!」
京太郎「この足音は……」
咲「ど、どうしよう」
京太郎「マズイ、隠れれる場所が……」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
ナース「うあ"……ああ"……!」
京太郎「咲、逃げ……!」
咲「京ちゃ……」
BAD END②
「行きはよいよい帰りは……」
.
>>23からコンティニュー
京太郎「談話室に行こう」
咲「どうして?」
京太郎「院長室ってくらいなんだし、鍵がかかってるかもしれないからな」
咲「なるほど。それじゃあ、談話室に行こっか」
談話室
京太郎「雑誌に長椅子……入院患者達の憩いの場所ってところか」
咲「けど、鏡はないね」
京太郎「……ん?これは新聞記事だな」
咲「日付は……50年ちょっと前だね」
【清澄病院で医療ミス】
本日、清澄病院で医療ミスが起こった事が明らかになった
患者への投薬を誤り、死なせてしまったとして担当看護婦の村木沙代子 氏(28)を、業務上過失致死罪の容疑で逮捕した
京太郎「この病院で医療ミスがあったのか」
咲「そのせいで閉鎖して、廃墟になったのかな」
京太郎「かもしれないな」
咲「この次はどうする?」
京太郎「院長室に行きたいけど……鍵とかかかってたら嫌だな」
咲「そうだね……。じゃあどうしよう」
京太郎「とりあえず鍵がありそうな場所か、仮になくても、扉を壊せるような道具を持っていった方がいいかもしれない」
咲「うーん。鍵がある場所っていうと、ナースステーションか玄関の横の警備員室で、扉を壊せそうな物の場所なら倉庫かな」
京太郎「どこに行こう」
1.警備員室
2.ナースステーション
3.倉庫
安価下
倉庫
京太郎「倉庫って言うけど、医療器具ばっかで薬とかは無いんだな」
咲「当たり前だよ。薬はちゃんとしたところで保管しないといけないもん」
京太郎「それもそうか……お、いいものがあった」
咲「これは、バールだね」
京太郎「扉を無理やり開けれるし、もしさっきのナースが襲ってきても、これで応戦できるかもしれない」
[バール]を手に入れた!
京太郎「次はどこに行こう」
1.警備員室
2.ナースステーション
3院長室
安価下
警備員室
京太郎「鍵は開いてるな」ガチャ
咲「あ、鍵の保管庫があるよ!」
京太郎「でかした咲!」
京太郎「院長室の鍵は……置いてないな」
咲「無駄足だったね……」
京太郎「他のところに行くか」
京太郎「ん?」
咲「どうしたの京ちゃん」
京太郎「扉の裏に、何か書いてある」
『彼岸のものを此岸に持ち込む事はできない』
『彼岸のものを持ちし者、此岸には帰れない』
京太郎「……?どういう意味だ?」
咲「確か、彼岸は死後のあの世の事で、此岸は生きてるこの世の事だったったと思うけど……」
京太郎「この文の意味はなんなんだろうな」
京太郎「次はどこに行こう」
1.ナースステーション
2.院長室
安価下
ナースステーション
京太郎「結構いろいろなものがあるな」
咲「うん……探すのも一苦労だよ」
京太郎「とりあえず全部の机の中を調べて、鍵が無かったら諦め……」
咲「?京ちゃん、どうしたの……」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
咲「こ、この足音……」
京太郎「まずい、どこかに隠れるぞ!」
咲「どこかってどこに!?」
京太郎「隠れられそうな場所は……」
1.机の下
2.ロッカーの中
安価下
京太郎「と、とにかくロッカーの中に隠れるぞ!」
咲「わ、わかった!」
ガシャン
ぺたん
ぺたん
ぺたん
京太郎(ロッカーに近づいてきてる……)
下のレスの末尾が奇数なら見つかる
ぺたん
ぺたん
ぺたん
京太郎(足音が離れていった)
京太郎「咲、もう大丈夫だぞ」
咲「こ、怖かった……」
京太郎「よく我慢したな、咲」
京太郎「とりあえず鍵のアテも無いし、院長室に行くか」
院長室
京太郎「このバールで……ぐぬぬぬ」
バキン
咲「やった、開いた!」
ゆるしてくれ……ゆるしてくれ……ゆるしてくれ……
咲「!?」
京太郎「な、なんだこの声……」
咲「へ、部屋の中から聞こえるよ……」
京太郎「とにかく、中に入ってみよう」
咲「中に入ったら声が消えた……」
京太郎「ここにあるのは机と本棚か……鏡は無いみたいだな」
咲「京ちゃん、この机に置いてあるの……」
京太郎「これは……本?」
咲「でも、タイトルも何も書かれてないよ」
京太郎「……とりあえず読んでみるか」
9月8日
渡辺さんが退院した
保険金目当てでワガママを言って入院していたが、どうやら保険会社に頼まれたそのスジの者達に脅されたらしい
京太郎「これは……日記か?」
咲「日記にしても表紙に何もないのはおかしいよ」
京太郎「とにかく読んでみよう。場所からして院長が書いたに違いない」
10月12日
新発見のウイルスを発見した。とりあえず医大の友人に分析を頼んでおいた
11月14日
村木看護婦が203号室の患者と恋仲になっているらしい
彼女もいい歳だから、彼と落ち着けるところに行くなら喜ばしい事だ
12月21日
水上医師が熱に侵されて欠勤した
医者の不養生とはまさにこの事だ
1月3日
村木看護婦が大きな鏡を持ってきた
岩手県の実家に帰省した際に貰ってきたらしい
デザインが気に入ったので、談話室に飾る事にした
京太郎「談話室に飾った……?けど、鏡は無かったぞ?」
咲「日記の続きを読んでみよっか」
1月28日
医大の友人から新型ウイルスの解析書と、ウイルスのアンプルが届いた
かなり危険なウイルスのようで、こちらでもウイルスの調査とワクチン開発をする事にした
2月19日
とんでもない医療ミスをしてしまった
村木看護婦への投薬指示を間違えてしまい、その結果、患者を死に至らしめてしまった
2月23日
医療ミスがバレてしまった
しかしそれを認めるわけにはいかない。私は家族と、医院長としてこの病院を守らなければならい
私は投薬ミスを、村木看護婦になすりつける事にした
京太郎「こいつ……!」
咲「あの新聞記事……冤罪だったんだね」
3月16日
仮釈放された村木看護婦が、この病院の屋上から投身自殺をした
申し訳ないと思うが、この病院と家族を守るためだ
4月8日
村木看護婦が持ってきた鏡に、血塗れの村木看護婦の姿が映るという噂を耳にした
他愛の無い噂だろうが、やはり死者の遺した鏡というのは気持ちのいいものでもないので、談話室から外す事にした
ひとまず倉庫に閉まっておこう
京太郎「今度は倉庫か……けど、倉庫にも無かったな」
咲「うん……」
4月15日
夜になると死んだはずの村木看護婦が、血塗れの姿で院内を徘徊しているという噂を耳にした
4月30日
ここ最近ずっと村木看護婦が夢に出てくる
屋上から飛び降り、首の骨が折れて顎が砕けた身体で、声を発する事ができないまま私を見つめ続けている
私を責め続けている
おかげでここ最近ロクに眠れない
5月8日
許して欲しい
5月13日
私が悪かった
5月21日
あの鏡だ。あの鏡が全ての元凶なのだ
6月1日
鏡を割ろうとしたが、そうすると呪われそうで怖い
私は倉庫から鏡を取り出し、埋める事にした
6月6日
鏡を処分したのに彼女は私を責め続けている
今も私の背後に立ってずっと見てくる
罪を認めろと責めてくる
もう私は終わりだ
だが、ただでは終わらせない。この病院も終わらせる
新種のウイルス。これを病院にばら撒こう。そうすれば私の医療ミスは、永遠に闇に閉ざされたままだ
咲「そんな事が……」
京太郎「それで、閉鎖されてこんな廃墟になったんだな」
京太郎「しかし……最終的に鏡は埋められたみたいだけど、どこに埋めららたかわからないな」
咲「うーん……」
京太郎「どうしたんだ咲」
咲「ちょっと思ったんだけど……埋められたっておかしくない?」
京太郎「どうして?」
咲「だって埋められたならーーーーーー」
『なぜ埋められたのならおかしくなる?』
正解のレスが出るとストーリーが進みます
咲達を引きずり込んだ鏡が部屋にあったから?
>>50
正解
咲「だって埋められたなら、それが清澄高校にあるはずがないもん」
京太郎「そうか……だとすると、この埋められた鏡と俺たちが引きずり込まれた鏡は別ものなのか?」
咲「ここまで鏡ってキーワードが共通してて、違う鏡ってのは無理があると思う。多分、清澄高校とこの病院は同じ鏡で繋がってるんだよ」
京太郎「じゃあ、埋めたってのが院長の妄言なのか、もしくは」
咲「誰かが掘り起こしたか、だね」
京太郎「倉庫にはなかったんだし、院長が埋めたってのは本当だろうな。じゃあ誰が掘り起こしたんだ?」
咲「うーん……。院長が埋めるとしたら、真夜中だよね」
京太郎「仮に誰かがそれを目撃したとして、掘り起こしたのも真夜中だろうな」
咲「患者さんが夜に外に出れるわけがないから……」
京太郎「夜勤のナースだな」
咲「手掛かりがあるとすれば、ナースステーションだね」
京太郎「ああ」
廊下
咲「ね、ねえ、京ちゃん」
京太郎「ん?どうした」
咲「その、私……トイレに行きたいなって」
京太郎「はぁ……わかった。そこにトイレがあるから行ってこい」
咲「うん。ごめんね。すぐに済ませてくるから」
トイレ
咲「ふーっ。スッキリした」
咲「この洗面台にも鏡がついてるけど、この鏡もどこかに繋がってたりするのかな」
ガタン
咲「ひっ……!」
咲「お、奥の個室から何か聞こえた気が……」
咲「だ、誰かいるんですかー?」ガチャ
シーン
咲「何もない……気のせいだったんだね」
咲「早く京ちゃんのところに戻ろうっと」クルッ
羨ましい……
咲「え?」
恨めしい……
その身体を……
長髪の女幽霊『ヨコ"セエ"ェェェェェェ!!!』
咲「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
廊下
京太郎「咲のやつ、遅いな」
きゃぁぁぁぁぁぁ!!
京太郎「咲!?」
トイレ
京太郎「咲、大丈夫か!?」
咲「く……苦しい……」
京太郎「な、なんだこれは……?」
京太郎「大量の髪の毛が、咲の身体に絡みついてる!?」
咲「うっ……ぐぅ……きょう……ちゃ……」
京太郎「ぐっ……駄目だ、すごい力で絡みついてる!」
京太郎「咲、待ってろ!何か探してすぐに戻ってくる!」
どこに探しに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナーススステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.どこにも行かない
倉庫
京太郎「これは……鉈だ!」
京太郎「これを使えば、あの髪の毛を全部切れる!」
京太郎「待ってろよ、咲!」
トイレ
京太郎「咲、今助けるかな!」
ブチブチ
京太郎「よし、全部切れた!」
京太郎「大丈夫か、咲!」
咲「」
京太郎「さ……き……?」
京太郎「あ……い、息が……」
京太郎「嘘だろ……?間に合わ……な……か……」
京太郎「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
その後、俺は気がついたら清澄高校にいた
自分でもどうやって悪夢の病院から脱出したのか覚えていない
あの日以来、俺は鏡を見る事ができなくなった
なぜなら
鏡に映る俺の後ろでは
俺の救えなかった幼馴染が、寂しそうに俺を見ているからーーーーーー
BAD END③
「京ちゃん」
>>56からコンティニュー
京太郎「咲、待ってろ!何か探してすぐに戻ってくる!」
どこに探しに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナーススステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.どこにも行かない
安価下
警備員室のアレがフリゲのマヨヒガで、今のこれはコープスパーティーが元ネタですかね?
京太郎「髪の毛は咲の首を絞めてる……どこか他の部屋に行ってる余裕はない」
京太郎「そうだ、この洗面台の鏡を割って、その破片を使えば……」ガシャン
京太郎「よし!咲、今助けるぞ!」
ブチブチ
咲「かはっ……けほっ、けほっ……!」
京太郎「咲、早くここから逃げるぞ!」
咲「う、うん……!」
廊下
京太郎「はぁ……はぁ……。追いかけてこないな……。なんとか、助かった……」
咲「ふぅ……。ありがとう、京ちゃ……」
咲「き、京ちゃん!その右手……」
京太郎「ん?……うわぁ!血だらけになってる!」
咲「素手で鏡を掴んだから……早く手当てしないと!」
京太郎「だ、大丈夫だよこのくらい……」
咲「ダメ!破傷風になるかもしれないんだよ!」
京太郎「でも、どうやって……」
咲「ここは病院だから、薬や包帯はあると思うの」
京太郎「……わかった。じゃあナースステーションに行こう」
京太郎「俺たちの目的地もそこだし、そこなら手当の道具もあるハズだ」
咲「うん、わかった」
>>62
コープスパーティーに似ないよう頑張ったけど、どうしても影響受けた色が出すぎてて辛い
ナースステーション
咲「消毒液をかけるよ」
京太郎「うおっ……しみる……」
咲「……ごめんなさい、京ちゃん。私のせいで、こんな怪我を……」
京太郎「気にするなよ。この怪我は、男の勲章だ」
咲「もう……カッコつけなんだから」
咲「カッコいいけど……」ボソッ
京太郎「ん?どうした」
咲「うんう、なんでもない。あとは包帯を巻いて」クルクル
咲「はい、終わり」
京太郎「……」
咲「どうしたの?京ちゃん」
京太郎「いや……咲は不器用なイメージがあったから、手際よく手当できた事に驚いてる」
咲「もー、失礼だよ!」
京太郎「すまんすまん」
京太郎「……俺たちさ」
咲「?」
京太郎「中学の頃からの付き合いだけど、咲がこうやって上手く包帯負けることとか、麻雀が強いこととか……」
京太郎「俺の知らない咲の凄いところに、今頃気づいたんだなって」
咲「えへへ」
咲「そんな京ちゃんに私の新情報を1つ」
京太郎「ほう」
咲「実は私、料理も得意なんだよ」
京太郎「そうなのか?」
咲「うん。家では私がご飯を作ってるから」
咲「きっと、京ちゃんがいつも食べてるレディースランチより美味しいよ」
京太郎「そうか……いつか食べてみいな」
咲「それなら今度、お弁当を作ってきてあげようか?」
き「本当か!?」
咲「うん。今日、助けて貰えたお礼」
京太郎「そうか……楽しみだな」
咲「期待して待っててね」
京太郎「ああ」
京太郎「それじゃーーーーーー咲の手作り弁当を食べるためにも、生きてここを出ないとな」
咲「うん!」
京太郎「とりあえず机の中を探そう。鏡の手掛かりがあるかもしれない」
咲「うん。わかった」
……
…
・
咲「京ちゃん、あったよ!」
京太郎「これは……手帳?」
咲「日付欄にその日の事が、日記みたいに書いてあるみたい」
咲「さっきの院長の日記に書かれてた、鏡を埋めた後の日付を見てみると……」
京太郎「どれどれ……」
『昨日の晩、医院長が村木さんの持ってきた鏡を埋めているところを見かけた
最近噂になっている村木さんの霊の事を気にしているのかもしれない
けれどさすがに埋めるのはかわいそうだから、私は鏡を掘り起こした
いつか、村木さんの実家へ持って行って家族に渡したい
とりあえずリネン室の隣の空き部屋に置いておく事にした
あそこなら誰も入らないハズだ』
京太郎「ついに見つけた……鏡の在り処!」
咲「これで……私たち、帰れるんだね!」
京太郎「ああ!行こう、咲!」
咲「うん!」
空き部屋
京太郎「ぐっぐぐぐ……」
京太郎「(バキン)よし、なんとか扉をバールでこじ開けれたな」
咲「中には……あった、清澄高校の倉庫にあったのと同じ鏡だ!」
咲「これで帰れるね、京ちゃん!」
1.元の世界に戻る
2.元の世界に戻らない
安価下
京太郎「よし、じゃあ戻……」
ぺたん
ぺたん
ぺたん
咲「ひっ……!」
サヨコ「あ"……か"……こ……」
.
京太郎「まずい、咲、早く鏡の中に入れ!」
咲「京ちゃんは!?」
サヨコ「う……おお"……」
京太郎「俺はこいつを食い止めるから、早く!」
咲「そんな、京ちゃんを置いていくなんて……」
京太郎「いいから行け!」
ドンッ
咲「きゃっ……」
咲「京ちゃぁぁぁぁぁぁん!!」
……
…
・
咲「う……うーん……」
和「あ、目が覚めたみたいですね」
咲「和ちゃん……?ここは、保健室?」
和「咲さんが全然戻らないから、麻雀部のみんなで咲さんを探したんですよ」
和「そした、倉庫に倒れていたから、保健室に運んだんです」
咲「倉庫……そうだ、京ちゃんは!?」
和「須賀くんですか?咲さんを探しに行ったきり見てませんよ。倉庫にいたのも咲さん1人ですし」
咲「そ……そんな……まだ、あの場所に……」
京ちゃんは行方不明になった
捜索願が出されたけど、見つかるわけが無い
京ちゃんは、あの病院に囚われてるのだから
咲「京ちゃん、早く帰ってきてよ……」
咲「私……毎日、京ちゃんのためにお弁当を作ってきてるんだよ?」
けれど、いつになっても京ちゃんは現れない
そして、私はあの鏡の前に立っていた
また、あの病院に行くために
京ちゃんを、助けに行くために
BAD END④
「再びあの場所へ」
.
あかん、バッドエンド凝ろうと思ったけど、なんか自分で書いてて心が痛くなってきた
>>71からコンティニュー
京太郎「……」
咲「……京ちゃん?」
京太郎「いや、まだ帰るのはよそう」
咲「どうして……?」
京太郎「このまま俺たちが向こうに帰ってハッピーエンドでは終わらない」
京太郎「この鏡がある限り、またこの病院に引きずり込まれる犠牲者がでるかもしれない」
京太郎「そして……村木沙代子は恨みを抱いてずっとここを彷徨い続ける」
京太郎「彼女も、犠牲者なのに」
咲「京ちゃん……もしかして」
京太郎「俺はこの病院と村木沙代子をなんとかする。だから咲、一足先にこの鏡で元の世界に帰ってくれ」
咲「京ちゃん……」
咲「もし、逆の立場でも……京ちゃんは、私を置いて元の世界に戻る?向こうで私が帰ってくるのを、一人で待ち続けられる?」
京太郎「咲……」
咲「それに、京ちゃん一人じゃ危なっかしくて置いていけないからね」
京太郎「ははっ。言うようになったじゃないか」
咲「えへへ」
京太郎「じゃあ、一緒に行こうか」
咲「うん!」
咲「それで、アテはあるの?」
京太郎「そうだな……」
どこに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナーススステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.空き部屋
安価下
ナースステーション
咲「そういえば、沙代子さんのデスクはないのかな」
京太郎「さっき俺も探してみたけど無かったぞ」
咲「そっか……」
京太郎「……まあ、亡くなった人の机をそのままにしておく理由もないからな」
京太郎「どこへ行こう」
どこに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナーススステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.空き部屋
安価下
京太郎「病院を調べてみよう」
咲「でも、病室って沢山あるよ?何号室に行く?」
京太郎「そうだな……」
100号室~130号室
200号室~230号室
300号室~330号室
の間でいく部屋を選ぶ。ただし「4」の数字が入る番号の部屋はない
安価下
203号室
さよこ……さよこ……
京太郎「声が聞こえるぞ」
咲「京ちゃん、気をつけて」
京太郎「ああ」
その扉の前にいるのは誰だい?
咲「!!」
京太郎「気付かれた!咲、逃げるぞ!」
ま、待ってくれ!僕は君たちに危害を与えるつもりはないんだ!
咲「……?」
京太郎「なんか……普通の人の声だな」
咲「とりあえず、入ってみる?」
京太郎「そうだな。咲、俺の後ろに隠れてろよ」
咲「うん」
ギィィィ
京太郎(これは……病院服を着た、普通の男の人だな)
京太郎(身体が透けてるけど)
男性『すまない。驚かせてしまったね』
咲「あなたは……?」
男性『僕の名前は桐谷康彦。この病院の元入院患者で……今は見ての通り、幽霊だよ』
咲「幽霊……」
京太郎「さっき呟いていた『さよこ』って言うのは、村木沙代子さんの事なんですか?」
康彦『彼女のこと、知ってるんだね』
咲「院長室に置いてあった日記で、ある程度」
京太郎「医療ミスを押し付けられて、ここの屋上から飛び降りたっていう……」
康彦『あれは日記というよりは医院長の告解みたいなものだよ』
康彦『医院長は沙代子の呪いで……ずっとあれを書いている』
咲「そっか……いくら日記っていっても、医療ミスなんて見られたら大変な事を書くわけないもんね」
京太郎「その、あなたは村木沙代子さんとどういう関係なんですか?」
康彦『僕は……沙代子の恋人なんだ』
康彦『沙代子の事が気になって、ずっとこの病院にいる』
咲「なら、あなたが説得すれば沙代子さんも成仏できるんじゃないですか?」
康彦『無理なんだよ』
康彦『今の彼女は恨みと憎しみの狂気にかられて……僕の言葉が届かないんだ』
京太郎「そんな……」
咲「あなたが沙代子さんを鎮める鍵のになると思うんです。なんとかできないんでしょうか?」
康彦『……』
康彦『リングだ』
京太郎「リング……?」
康彦『僕が指に嵌めているこの指輪……これは、沙代子とのペアリングなんだよ』
康彦『これがあれば、指輪を通じて僕の想いが彼女に届くかもしれない』
京太郎「……あれば?」
康彦『今、病院内を徘徊している沙代子……彼女は指輪をしていない』
康彦『彼女はいつも身につけていたハズなのに、彼女の死後……警察に沙代子の遺留品を見せてもらった時、指輪はなかった』
康彦『どこかで失ったんだ』
咲「なら、それを探せば……!」
康彦『あくまで可能性だけど……沙代子に僕の声が届くかもしれない
康彦『君たちに頼みたい』
康彦『彼女の指輪を探して欲しい』
康彦『もうこれ以上……狂気の沙代子を見たくはないんだ』
京太郎「わかりました。俺たちが必ず見つけ出します」
康彦『ありがとう』
咲「それで京ちゃん、どこを探すの?」
京太郎「うーん……」
どこに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナースステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.203号室
安価下
京太郎「なあ咲。もしお前が大切なものを無くしたらどうする?」
咲「探すよ、絶対」
京太郎「俺もだ。けれど、村木沙代子は無くしたままだ。それは多分……探せなかったんだ」
咲「それってつまり……」
京太郎「ああ。死ぬ直前に無くしたんだ」
京太郎「だから、彼女が死んだ屋上にあるかもしれない」
咲「えっ」
京太郎「えっ」
咲「ちょっと考え直したら?」
京太郎「あ、ああ……」
どこに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナースステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.203号室
安価下
京太郎「101号室、102号室、103号室……105号室?」
京太郎「あれ、104号室がないぞ?」
咲「ああ、それはね。「4」は「死」を連想して縁起が悪いからって、「4」を含む部屋番号を飛ばす病院や旅館、ホテルがあるんだよ」
京太郎「なるほど。知らなかったよ」
京太郎「そうだ。もしそれを知らない相手になら、204号室がない旅館とかでプレートを入れ替えて、204号室を追加して部屋をズラす。みたいなトリックができそうだな」
咲「そんなトリックに引っかかる人はいないよ」
京太郎「それもそうだな」
どこに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナースステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.203号室
安価下
院長室
京太郎「これは……ウイルスの解析書だな」
咲「院長がばら撒いたっていう?」
京太郎「ああ。どんなウイルスなんだろう」
【アルファフラット】の解析結果
このウイルスは、人の脳波と聴覚に影響を及ぼすウイルスである
これに感染した者は、聴覚が異常に敏感になり、また、脳波がにズレが生じる。私はこの新種のウイルスをアルファフラットと名付けた
具体的に言うと、人間はリラックスした状態にあるとアルファ波という脳波を継続できる
そしてそのアルファ波はf分の1といい、自然界の波長と同じであり、雨の音などが人の心を落ち着かせるのはこのアルファ波を感じるからである
しかしこのウイルスにより脳波を乱されると、自らが感じるアルファ波の波長にズレが生じる
すなわち、自然界の音が不協和音に感じてしまうのだ
その状態で過敏になった聴覚で雨音などを聞くと酷い不快感に襲われ、発狂してしまう可能性すらある
京太郎「そうか……多分、雨の降った日にこの病院でなんらかの惨劇が起きたから、今俺たちがいるこの病室では雨が降ってるんだ」
咲「私この内容がよくんかんないけど、京ちゃんはわかるの?」
京太郎「お前が道に迷ってる間に色々あったんだよ」
どこに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナースステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.203号室
安価下
倉庫
京太郎「もう必要ないし、バールは戻しておくか」
[バール]を元に戻した!
京太郎「さて、どこに行こう」
どこに行く?
1.談話室
2.院長室
3.ナースステーション
4.警備員室
5.玄関
6.倉庫
7.病室
8.203号室
安価下
玄関
咲「屋上で飛び降りたからって屋上で死んだわけじゃないよ」
京太郎「あ……」
咲「死んだ場所は、屋上から飛び降りた地面」
咲「多分、地面との衝突の衝撃で、指輪が抜けて無くなったんだと思う」
京太郎「そうか……なら、外の壁際を探せば」
咲「誰かに拾われてなければ、どこかにあると思う」
外
咲「あっ!」
京太郎「どうしたんだ、咲」
咲「今、携帯の明かりに反射して何かが光った!」
京太郎「本当か!?」
咲「うん。ここら辺に……あった!」
京太郎「これは……康彦さんが嵌めていたものと同じ指輪だ」
[沙代子の指輪]を手に入れた!
京太郎「よし、康彦さんの所に戻ろう」
咲「うん!」
203号室
康彦『これだ。これが、沙代子の指輪だ!』
京太郎「これがあれば……」
康彦『ああ。沙代子の所に行こう』
……
…
・
ぺたん
ぺたん
ぺたん
サヨコ「あ"……ああ"……」
.
京太郎「いた。あそこだ」
康彦『沙代子……』
ぺたん
ぺたん
サヨコ「あ"……」
ぺたん
ぺたん
京太郎「村木沙代子!」
サヨコ「!!」
咲「これは、あなたの指輪です!」
咲「あなたの……大切な人に贈って貰った、愛の証なんです!」
京太郎「受け取れ!」
サヨコ「……」
サヨコ「こ"……れ"……」
康彦『沙代子、もうやめよう』
サヨコ「あ"……あ……」
康彦『君の無念はよくわかる』
康彦『あの時……君を救えなかった僕にも、責任がある』
サヨコ「……」
康彦『けれど、他の人達を苦しめていい理由にはならない』
康彦『この2人は、君を救いたくてこの指輪を探し出してくれたんだよ』
康彦『思い出して欲しい。人の、優しさを』
沙代子「や"……す……ひこ"……さ"……」
パキパキ
.
咲「沙代子さんの顔がひび割れていく……」
沙代子『康彦さん!』
康彦『沙代子!元に、戻ったんだね!』
沙代子『ええ。あなたの……うんう。みんなの、おかげ』
京太郎「普通の女の人の姿になった……」
咲「これが……生きてた頃の、沙代子さんの姿なんだね」
沙代子『ごめんなさい……。私のせいで、あなた達を……』
咲「うんう。もういいの」
京太郎「あなたも……辛かったんですよね」
沙代子『本当に……ありがとう』
康彦『沙代子が元に戻った今……これで、もうこの病院に迷い込む人はいなくなるハズだ』
咲「成仏できるんですね」
康彦『ああ。2人のおかげだよ』
京太郎「よかった……」
沙代子『あなたたち2人は……ずっと、幸せになってね』
咲「そ、そんな……///」
京太郎「俺たちは、そんなんじゃ……」
沙代子『ふふっ』
康彦『それじゃあ、行こうか、沙代子』
沙代子『ええ。康彦さん』
パアアァァ
咲「消えた……」
京太郎「最期に……結ばれてよかったな」
咲「うん」
京太郎「それじゃあ、今度こそ帰ろうか」
京太郎「俺たちの、世界に」
空き部屋
京太郎「天気が晴れたな」
咲「うん。まるで……沙代子さんの心が晴れたみたい」
京太郎「そうだな」
咲「それじゃあ、今度こそ帰ろっか」
1.元の世界に戻る
2.元の世界に戻らない
安価下
咲「ねえ、京ちゃん」
京太郎「ん?」
咲「手、握ってもいいかな」
京太郎「ああ。お安い御用だ」
咲「えへへ」
ギュッ
京太郎「それじゃあ、帰るぞ」
咲「うん!」
……
…
・
咲「ここは……清澄高校の倉庫だ!」
咲「帰ってこれたんだよ!」
咲「やったね!きょう……」
咲「ちゃ……」
私が繋いでいた、京ちゃんの左手
その左手は
肘から先が、千切れていてーーーーーー
咲「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
咲「どうして……どうしてどうして……」
咲「どうしてこんな……事に……」
咲「あ……」
『彼岸のものを此岸に持ち込む事はできない』
『彼岸のものを持ちし者、此岸には帰れない』
咲『ここは病院だから、薬や包帯はあると思うの』
咲『うんう、なんでもない。あとは包帯を巻いて』クルクル
咲「そん……な……」
咲「私のせいで……京ちゃんが……」
咲「あ……ああ……」
咲「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
BAD END⑤
「握りしめた手の平の先は……」
.
あとトイレの呪いもさよこさんなのかな
>>124からコンティニュー
京太郎「あ、待ってくれ咲」
咲「どうしたの?」
京太郎「忘れてたけど、警備員室のメモ書き……この世界のものを持ってると、元の世界に帰れないってやつ」
咲「あ……そういえばあったね」
京太郎「あれの通りにいくなら、この包帯を外していかないと」スルスル
咲「あ、そっか。もう傷は大丈夫なの?」
京太郎「ああ。血は止まったしな。咲のおかげだよ」
咲「えへへ」
京太郎「それじゃあ、今度こそ戻ろうか」
咲「うん。……ねえ、京ちゃん」
京太郎「ん?」
咲「手、握ってもいいかな」
京太郎「ああ。お安い御用だ」
咲「えへへ」
ギュッ
京太郎「それじゃあ、帰るぞ」
咲「うん!」
>>132
あれはただの病院で死んだ悪霊です
(そういや結局ウィルスの件はなんも解決してないような……)
清澄高校
咲「うーん……」
咲「ここは……清澄高校だ!」
咲「やった、私たち戻ってこれたんだ!」
咲「京ちゃん!」
京太郎「……」
咲「京ちゃん……?」
咲「あ……そっか」
咲「京ちゃん、病院で頑張りっぱなしだったから……疲れててまだ目が覚めないんだね」
京太郎「……」
咲「よいしょっと」
咲「今日は私が特別に、膝枕してあげる」
>>137
政府がさっさと封鎖してワクチンが作られて、現代には残っていません
死んだ人たちの無念は晴れないけど……
京太郎「……」
咲「……」
咲「恥ずかしいから、京ちゃんが目を覚ます前に言うね」
咲「今日もそうだけど……中学校の頃から、京ちゃんはドンくさい私を助けてくれたよね」
咲「京ちゃんに沢山助けてもらえたし、京ちゃんが麻雀部に誘ってくれたおかげで、和ちゃんや優希ちゃん……沢山の友達ができた」
咲「それに、お姉ちゃんと仲直りできるかもしれない」
咲「私……京ちゃんに感謝してもしきれない」
咲「そして、いつの間にか……感謝の気持ちは」
咲「恋に変わってた」
咲「私、京ちゃんが好き。大好き」
咲「今は勇気が無いから直接言えないけど……いつかきっと、京ちゃんにこの想いを伝えるから」
ちゅっ
.
数日後
マホ「うぅ……和先輩の麻雀部に見学に来たのに、道に迷っちゃいました……」
マホ「ここは……倉庫?」
マホ「わあっ。おっきな鏡……」
ガシッ
.
マホ「ひっ……!?」
一太「えっと……確か、原村さんと高岡さんの中学の後輩の、夢乃マホさんですよね?」
マホ「あ、副会長さん……ビックリしちゃいました……」
一太「驚かせてすいません。ところで、ここで何をしているんですか?」
マホ「実は、和先輩のいる麻雀部室に行こうとして、道に迷っちゃったんです」
一太「そういうことですか。なら僕が案内しますよ」
マホ「わぁ、ありがとうございます!」
バタン
久「一太くん!」
一太「ひ、久さん!」
久「あなた……こんな人気のないところに中学生を連れ込んで何をしてるのよ!」
一太「いや、これは迷子のマホさんを……」
久「信じてたのに……まさかロリコンの噂が本当だったなんて!」
マホ「あ、あの……副会長さんは……」
久「一太くんのバカーッ!」
部室
京太郎「なんだか下の階が騒がしいな」
咲「きっと気のせいだよ」
咲「それより京ちゃん」
京太郎「うん?」
咲「はい、これ」
京太郎「これは……弁当?」
咲「この前に言った、私の手作りのお弁当」
京太郎「おお!作ってきてくれたのか!」
咲「うん。約束だからね」
京太郎「今ここで食べていいか?」
咲「うん。召し上がれ」
咲(こんな些細な事でしか、私の好意を伝えられないけど)
咲(いつかきっと……あの2人みたいに、愛し合えたらいいな)
HAPPY END
「これから続いていく2人の物語」
.
乙でした!
元凶岩手がなくなれば全て色々解決するんじゃないかな(暴論)
これで終わりです
数時間に渡り、お付き合いいただきありがとうごさいました
1年くらい前の作品で京咲を書こうとしたら悪ノリして京モモになってしまい、そのうちちゃんとした京咲を書くと宣言したものの、おざなりな感じのしか作れず、そのうち気合い入れて作ろうと思って一年経った今、今作を作ったけど……
どこかで方向性を間違えてしまいました
優希の苗字はうろ覚えのくせにマホのフルネームは覚えてやがる
あの縦読みの奴か
>>146
作中時間で4ヶ月後くらいに末原さんが解決してくれます
乙
副会長はなぜ旧校舎に来たんですかねぇ…
乙ー
包帯は気づいてたけどバール持ってたのすっかり忘れてた
バール持ちっぱなしで帰ろうとしたら京ちゃんの体はどんな感じになってたのかな
乙
いっくんェ…
乙
これ清澄以外にも各校に岩手縁のアイテムがあったりするんじゃね
揺杏「いっくん……」
>>148
素で間違えて死にたい
>>149
恐らくそれです
残る心残りは玄ちゃんか……
>>151
部長とお昼ご飯の約束してて旧校舎に来たら、倉庫に入るマホを見かけたみたいな感じです。今考えた
>>152
バールは倉庫に行かなければ、外で指輪を探すときに側溝の蓋を開け、折れてしまい廃棄する展開になってました
外
京太郎「ん……ぐぬぬぬ!」
バキン
京太郎「よし、側溝の蓋がとれた……けど」
咲「折れちゃったね……」
京太郎「仕方ない。ここに置いてくか」
[バール]を捨てた
咲「でも……もしこの側溝の中に指輪が入って行っちゃったら、雨で流されてるんじゃないの?」
京太郎「そうなったら終わりだけど……確か部長が、旧校舎の側溝は詰まりやすいって言ってたんだ」
京太郎「もしここが清澄高校と同じ場所なら、流れていない可能性がある」
咲「あ!今、携帯の光に何かが反射したよ!」
京太郎「本当だ!」
咲「これは……」
京太郎「康彦さんが嵌めていたものと同じ指輪だ」
>>153>>155
久『ねぇ。一太くんがロリコンって噂を聞いたんだけど……』
揺杏(あー、いっくんは昔から子供に好かれてたから、どっかで勘違いされてるのかな)
揺杏(けど面白そうだから黙っとこ)
揺杏「昔からそれっぽいとこはあったような……」
>>154
そのうち他校で作るかもしれません
ちなみに阿知賀には人形が松実旅館に置いてあります
そういや
BAD END①
って見てなかったな。
BAD END⑥
もあったりするのかな
行き当たりばったりで作ってきた作品群を、無理やり一つの年表に押し込めるとこんな感じになった
「数100年前」
桜実村が飢餓により廃村となる
当時の村木家の当主は土着神の力を得、狐鈴音村を開拓する
以後、村木家の血筋は呪いの力を手に入れる
「50数年前」
斑気義隆、兄の村木宗孝が経営する鹿金旅館に、鹿金の鏡を贈る
人形屋敷のエリカちゃん、不審者に襲われて死去。亡霊として彷徨う
斑気義隆、魔除けの像を造り人形屋敷に置き、エリカちゃんを封印する
村木沙代子、兄の斑気義隆から彼岸の鏡を貰う
清澄病院で医療ミス発生。罪をなすりつけられ村木沙代子は自殺。清澄病院は呪いに包まれ、発狂した医院長により廃墟となる
「40数年前」
鹿金の鏡は呪いの力を持ち死香々音ノ鏡となり、鹿金旅館から取り外され、真瀬由子の祖父の手に渡る
真瀬由子の祖父、死香々音の鏡に襲われる
「30数年前」
清澄病院が取り壊され、清澄高校となる
「20数年前」
民俗学者の好奇心により、鹿金旅館で生贄となった者たちの怨霊の封印が解かれ、旅館は廃墟となる
姫松小学校で村木綾子の手によりより6年間、毎年死者が出る
「5年前」
村木綾子、教師となり姫松小学校に赴任するも、自らが殺した怨霊たちに呪い殺され、七番目の怨霊と化す
「2年前」
内木一太、北海道から引っ越し岩館揺杏と離れ離れになる
竹井久、内木一太と出会う
「1年前」
内木一太、夏休みに北海道に行き岩館揺杏とデート
竹井久は夏休み中ひたすら花占いをして過ごす
「6月」
須賀京太郎と宮永咲、彼岸の鏡から清澄病院へと迷い込み、村木沙代子を成仏させる
「7月」
須賀京太郎、合宿で東横桃子に出会う
「8月」
須賀京太郎、妄想の中で豊音の村の病院に行きえらい目に遭う
須賀京太郎、インターハイの打ち上げで松実玄に出会う
弘世菫と松実宥が恋人同士になる
末原恭子と姉帯豊音が恋人同士になる
須賀京太郎と松実玄or東横桃子が恋人同士になる
末原恭子、鹿金旅館に迷い込む
「9月」
(松実玄とも東横桃子とも恋人同士でない場合)須賀京太郎と宮永咲が図書館デートの末、恋人同士になる
弘世菫、松実旅館で深山人形と遭遇
末原恭子、姫松小学校で七不思議と遭遇
「10月」
末原恭子、愛宕洋榎、真瀬由子が真瀬邸で死香々音ノ鏡と遭遇
末原恭子と姉帯豊音、桜実村で土着神を封印
村木家の呪いの力は失われ、斑気義隆の作品は力を失う
「11月」
土着神が封印されたことにより、斑気義隆の造った魔除けの像の力が無くなり、人形屋敷のエリカちゃんの封印が解ける
末原恭子、人形屋敷に行きエリカちゃんを除霊
年表にかかわってるのは、ホラーシリーズ+いっくん+京ちゃんをとるなんて許せない(安価で京ちゃんを手篭め) で全部?
>>174
そこが少し悩みどころです
バッドエンドが見たくて敢えてバッドエンド選択肢を選ぶのもアドベンチャーゲームの醍醐味なので、結局全部見せちゃうのはどうなのかな。という気持ちがあります
もちろん安価スレだから自分の思う選択肢を選べないのですが、それも含めて安価スレの醍醐味だと思っているので……
今回は特別に、前回のノーコンティニュー報酬として30末原ptを進呈して、それを消費して公開します
ちなみに前々回は怜ちゃんヒントを一回も使わずにクリアしたので、25怜ちゃんptが進呈されました。100pt貯まると清水谷竜華が操作キャラで選べるようになります
京太郎「この病院にいたら、さっきのナースみたいな奴と遭遇して何が起きるかわからない」
京太郎「だから、一縷の望みにかけて外に出よう」
咲「うん。わかった」
京太郎「外は暗いから、はぐれないように俺の手を離すなよ」
ギュッ
咲「うん!」
……
…
・
京太郎(くっ……。暗くて足場が悪いし、雨のせいでぬかるみになっててかなり歩き辛い)
咲「はぁ……はぁ……」
京太郎「咲、少し休むか?」
咲「ううん……大丈夫……」
京太郎「でも、だいぶ疲れてるじゃないか」
咲「平気……。それより早く……安全な場所に、行こう……」
京太郎「咲……」
京太郎(クソッ!まだ灯りも建物も見えない……)
咲「きょ……京ちゃん!」
京太郎「どうしたんだ?」
咲「あそこに灯りが見えるよ!」
京太郎「ほ、本当か!?」
咲「うん!ほら、あそこ!」
京太郎「……本当だ!あそこなら誰かいるかもしれない!」
咲「私たち、これで助かるんだね!」
京太郎「ああ!早く行こう!」
咲「うん!」
……
…
・
咲「そ……そんな……」
京太郎「ここはーーーーーーさっきの病院じゃないか!」
咲「私たち、結局一周して戻ってきただけなんて……」
悪夢は、まだまだ始まったばかり
BAD END①
「おかえりなさい」
.
乙&公開サンクス
そして誰もいない廃病院に明かりが灯ってることがまた怖いな
過去作の題名おしえてくだせい~
>>182
咲「シュガーギア……」
京太郎「未来デパート?」
咲「あの女……京ちゃんをとるなんて許せない……」
咲「安価で京ちゃんを手篭めにする」
京太郎「全国って可愛い女の子が多いよな」
須賀京太郎「旧校舎の鏡」
菫「松実旅館の怪」(pixiv)
末原恭子「宮守譚」
末原恭子「ようこそ廃校姫松小学校へ」
末原恭子「鏡の国の由子」
末原恭子「続・宮守譚」
末原恭子「終・宮守譚」
たしかこれだけです
末原さんシリーズは安価スレなので、あまりまとめられてません
あと
久「一太くん」揺杏「いっくん」
もです
>京太郎「そうだ。もしそれを知らない相手になら、204号室がない旅館とかでプレートを入れ替えて、204号室を追加して部屋をズラす。みたいなトリックができそうだな」
>咲「そんなトリックに引っかかる人はいないよ」
>京太郎「それもそうだな」
菫ちゃん……
12月
長野
咲「クリスマスももう少しかー」
咲(京ちゃんとのクリスマスデート、楽しみだなー)ニヘラ
京太郎「……」ペラペラ
咲「それにしても、京ちゃんが図書館で調べものって珍しいね」
京太郎「ん。まあな」
咲「何を調べてるの?」
京太郎「……半年前の事、覚えてるか?」
咲「……うん。あんな事、忘れようが無いよ」
京太郎「俺たちはあの時、鏡を通って50年前の廃病院に迷い込んだ」
京太郎「そこで村木沙代子を除霊してこっちの世界に帰ってきたわけだが……」
京太郎「その村木沙代子が怨霊となった原因の、医療ミスの罪を被せた医院長」
京太郎「その医院長の日記で気になる事が書いてあったのを思い出したんだよ」
咲「気になる事って……?」
京太郎「アイツには、家族がいるって書いてあった」
京太郎「そして医院長が亡霊となってあの世界に囚われているなら、残った家族にも何かがあったのかもしれない」
咲「そっか。じゃあ、京ちゃんが調べてるのは……」
京太郎「50年前の新聞だよ……あった」
咲「えーっと……『清澄病院で新型のウイルスがばら撒かれる……ばら撒いたのは、清澄病院の医院長、名前はーーーーーー』」
京太郎「『荒川重吾』」
.
大阪
由子「恭子ちゃん、聞きたい事ってー?」
恭子「……インターネットで気になる書き込みを見つけたんや」
恭子「ハンドルネームSSSの書き込み。内容は、恋人の実家が経営する旅館で、そこの主人が旅の商人から買った人形が襲いかかってきた。っていう話や」
由子「旅の商人から買った物が襲いかかる……それって」
恭子「……由子のお爺ちゃんが買った、死香々音ノ鏡」
恭子「その鏡も旅の商人から買ったって書いてあったはずや」
由子「うん……」
恭子「お爺ちゃんの部屋から、その相手の手掛かりが残されて無いか調べて欲しいんや」
恭子「多分、その人物こそがーーーーーー心霊道具を売りさばいとる、恐怖の商人や」
.
交差する、2人の主人公
京太郎「ここが……荒川病院の、伝染病患者隔離練か」
恭子「荒川憩の祖母は、発狂した主人の起こした事故のせいで村を追われ、関西まで逃げてきた」
全ての答えは、荒川病院に
京太郎「ぐっ……よし、扉をこじ開けれたぞ!」
道具を使い、扉を開く須賀京太郎
恭子「なあ、昔ここで何があったんや?」
幽霊と仲良くなり、情報を集める事ができる末原恭子
2人の主人公の操作を切り替えながら、謎を解き明かせ!
.
憩「いらっしゃいーーーーーーお客様1名。歓迎しますぅー」
憩「日常に帰ることのできない……悪夢の中へと」
.
ドリームキャスト専用ソフト
『荒川病院怪奇譚』
2015年13月32日発売!
.
マホ「あの、助けていただいてありがとうございました」
???「ここは怨霊が湧く。もう二度と近づかないことだ」
マホ「あの、お爺さん。お名前を教えてください」
???「私の名前か?私の名前はーーーーーー」
「斑気、義隆だ」
COMING SOON
>>180
半月以上経ったから白状するけど、病院内に明かりが灯ってないと暗いなか携帯のライトで探索することになって
そうなれば携帯の明かりでサヨコさんに速攻で見つかってしまうという理由があって病院内には明かりが灯ってる設定にしてる
ちなみに>>55で咲さんが、トイレの鏡がどこかに繋がってる云々言ってるけど、実は咲さんを縛ってる髪を切れるアイテムの鏡がトイレにある事を説明しただけで、深い意味はない
古びた病院のトイレに鏡があるとは限らないだろ。わかるか!ってならないように
さらに4の数字が入る病室がないのは、意味深だけど大した意味はなく松実旅館の怪での補足説明を兼ねてる
まあこんな感じに割と気を使ってるんですよ
こんなに頑張ってるんだから竜華に膝枕してもらいながら頭を撫でられて、いいこいいこしてもらって癒してもらいすね
村木 宗孝(むらき むねたか):長男。鹿金旅館の経営者。旅館の怨霊が解き放たれ事により、呪い殺される
村木 清貴(むらき きよたか):次男。岩手県議員。病気により死亡
村木義隆(むらき よしたか):三男。心霊芸術家<ホラークラエイター>。存命中
村木 沙代子(むらき さよこ):長女。看護婦。医療ミスをなすりつけられ病院の屋上から飛び降り死亡
村木 智之(むらき ともゆき):村木清貴の息子。大阪県議員。不正が発覚し逮捕される
村木 綾子(むらき あやこ):村木智之の娘。姫松小学校の教師。自らが手をかけた者たちの怨霊に呪い殺される
[死香々音ノ鏡]
斑気義隆が作り、兄の村木宗孝の経営する鹿金旅館に寄贈した鏡
当初は鹿金の鏡と呼ばれていたが、鹿金旅館で生贄にされた者の怨霊が鏡に宿った
その結果、鏡に映り込んだ人間を鏡の中に閉じ込め、自らがその人間に成り代わる呪いの鏡となった
鏡は死香々音ノ鏡と呼ばれるようになり、斑気義隆の元に返された
その後、真瀬由子の祖父の手に渡り、封印される
[彼岸の鏡]
斑気義隆が作り、妹の村木沙代子に贈られ、妹の勤める清澄病院に寄贈された鏡
村木沙代子の死により、サヨコの支配する彼岸(死者)の世界へと続く呪いの鏡となった
[四苦人形]
斑気義隆の作り出した、花柄の和服を着た四体の人形。それぞれ「生」「老」「病」「死」を表している
鹿金旅館で生贄にされた子供の霊が、怨霊となることなく宿っている
[桜模様の和服の人形]
「生」の人形。面倒見がいい長女
[菊模様の和服の人形]
「老」の人形。穏やかな次女
[百合模様の和服の人形]
「病」の人形。真面目な三女
[彼岸花模様の和服の人形]
「死」の人形。放浪癖のある末っ子
[双子人形]
斑気義隆の作り出した、花柄の和服を着た双子の人形
鹿金旅館で生贄にされた双子の子供の霊が、怨霊となることなく宿っている
[牡丹模様の和服の人形]
姉。気が強い。青色の瞳をしている
[蓮華模様の和服の人形]
妹。気が弱い。赤色の瞳をしている
[魔除けの像]
斑気義隆が人形屋敷のエリカちゃんの亡霊を封印するために作り出した、天使の姿をした像
神之芥三の作った天使のブローチを参考にしている
「あたがったどこさ。ひーごさ。ひーごどっこさ。せんばさ」
「すごーい。鞠つき上手だね」
「えへへ」
「あ、もう日が暮れる頃だよ」
「本当だ。家に帰らなきゃ」
「早く帰らないと、お母さんに叱られちゃう」
「それじゃあ、また明日」
「うん。また明日」
「明日もみんなで鞠つきしようね」
「うん」
「ばいばい」
「また明日、みんなで遊ぼうね」
……
…
・
「おとうさん、おかあさん。ただいま」
「……おかえりなさい」
「……ああ。おかえり」
「……どうしたの?お父さん。お母さん。暗い顔をしてるけれど」
「なんでもないよ……なんでも、ないから」
「そ、そうだ!今日の晩御飯はご馳走よ?」
「わあ。私の大好きなお赤飯。でも、急にどうしたの?」
「なんでも……ないから。だから、早く食べよう」
「うん。わかった!」
……
…
・
「起きなさい。早く、起きなさい」
「どうしたの?お父さん」
「お迎えがきてるから、早くこれに着替えるんだよ」
「お母さん……?でも、これって巫女さんが着る白装束……」
「準備はできているかね?」
「お、お役人様……!」
「さあ、もうすぐ儀式の時間だ。早く来なさい」
「お父さん……この人、誰?」
「は、早く着替えなさい!」
「う、うん……」
……
…
・
「それでは、人柱を捧げる儀式を始める」
「ひと……ばしら?」
「すまない……すまない!」
「ごめんね……私たちは、村を守るためにこうするしか……」
「お父さん……?お母さん……?」
「さあ、この者を……埋めなさい」
ガシッ
「え……嫌だ!離して!」
ドンッ
「きゃっ……なに、この穴……お父さん、お母さん!助けて!」
ザクッ
ザクッ
「わっ……ぷっ……。土が……。やめて!土をかけないで!」
「土地神様……。この者を生き埋めにして貴方に捧げます。今年こそどうか、我々に豊穣のご加護を……」
「や……やめ……」
(やめて……苦しい……)
(暗い……何も見えない……)
(助けて……早くここからでないと……)
(みんなと一緒に……遊ぶ約束をしてるんだもん……)
(今日も……みんなと……鞠つきして……遊ぶ……)
(嫌だ……みんなと遊びたい……)
(こんな、暗くて冷たい土の中で……一人は、嫌……!)
(誰か、傍にいて……約束したんだから……みんなで……鞠つきを……)
あんたがたどこさ
ひごさ、ひごどこさ
くまもとさ
「かような事情がございまして、その少女が人柱となり……その上に神木が生えたものの、近年では土壌汚染により根元が腐りかけているのです」
「……」
「このままではこの木は根元から崩れ落ち、倒れてしまいます」
「……」
「けれど、神木を斬り倒そうにも我が村には宮司はいなくて……先生。なんとか供養できないでしょうか」
「……この神木に、人柱の少女が宿っている。と言いたいのか」
「まあ、そのような非科学的なことをハッキリ言うのは憚られますが、心情的な問題がございまして……」
「……わかった」
ゴソゴソ
「この人形は、私が作った形代人形だ。報わねぬ魂を中に封じ込めることができる」
「ほう……」
「この人形を神木の傍に一晩置いておけば、その少女とやらも神木からこの人形に宿るだろう。それが私の行える供養だ」
「ありがとうございます。先生」
「その人形は、明日の早朝に私が回収する。……それでも気にやむのならば、切った神木で小さな祭壇でも作るがいい」
「わかりました」
「ところで……」
「はい?」
「その、人柱になった少女の名前は?」
「えっと……記録によると、『深山』という名の少女らしいですね」
「そうか……わかった」
「この人形の名前を……『深山人形』と名付けよう」
END
.
[深山人形]
旅の商人から買った人形。岩手県の芸術家が作ったらしい
詳しい事はわからないが、なんでも人を引き寄せる魔翌力があるらしいので、客寄せのお守りとして購入した
しかし夜中に動き出すという噂が旅館でたったため、新子家の神主に頼んで札を貼った箱の中に封印してもらった
現在、その箱は祭壇に祀り、物置の隠し部屋に安置している
しかし、誰かが誤って封印を解いてしまうかもしれない
もしも時のため、新子神主は『縫縛の書』という、初心者でも使える封印術の本を私に送ってくれた
その本を使うことで深山菊人形を再び封印できるだろう
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