結衣「せんぱぁーい♪」八幡「……は?」 (101)
結衣「やっはろーです」
八幡「……」
結衣「ん?どうしたんですか?」
八幡「いや、先輩ってなんだよ。いつからお前は俺の後輩になったんだ」
結衣「えへへ」
八幡「笑って誤魔化すな」
結衣「……」
八幡「あっ、もしかしてお前……留年するのか?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448433502
結衣「なっ!?ち、違うし!」
八幡「じゃあなんで先輩なんて呼ぶんだよ」
結衣「だって……」
八幡「ん?」
結衣「最近、いろはちゃんのことばっかり構ってあたしのことは構ってくれないから」
八幡「なんだそれ」
結衣「それに!いろはちゃんには甘いのにあたしには冷たい!」
八幡「そうか?」
結衣「そうだよ!昨日だって……」
結衣『ヒッキー、一緒に部室行こ』
八幡『悪い、ちょっと用事があるから遅れていく』
結衣『そうなの?』
八幡『ああ、雪ノ下にはもう言ってあるから』
結衣『そっか』
いろは『せんぱぁーい♪』
八幡『なんだ一色、わざわざ迎えに来なくてもちゃんと行くぞ』
いろは『他にも用事があって来たんですよ。別に先輩の為だけにここに来た訳じゃないです。まったく、勘違いしちゃって恥ずかしい人ですね』
八幡『くっ、ならその用事を済ませてさっさと行くぞ』
いろは『もう用事は済ませてますから大丈夫です』
八幡『なら行くぞ』
いろは『はぁーい、それじゃあ先輩、借りてきますね』
結衣『え?あ、ああ、うん』
いろは『さよなら、結衣先輩』
結衣『ば、ばいばぁーい』
結衣『……』
結衣『用事っていろはちゃんの手伝いだったんだ』
結衣『また、いろはちゃんと……』
結衣『いいなぁ、いろはちゃん。ヒッキーにお願い聞いてもらえて』
結衣『前にあたしが勉強を教えてってお願いしたら嫌だって断られちゃったのに……』
結衣『あたしもいろはちゃんみたくなったらヒッキーにお願い聞いてもらえるのかな』
結衣『……先輩』
結衣「って事がありました!」
八幡「お、おう」
結衣「……」
八幡「まぁ、理由はわかったけど、その一色の物真似はやめろ」
結衣「……」
八幡「わかったか?」
結衣「……うん」
八幡「確かに一色にはちょっと甘いとこもあったな。気を付ける」
結衣「うん」
八幡「それとお前のことだけど、俺としては冷たくしたつもりは無かったんだ。勉強の件もいつもは雪ノ下に頼んでるし、本気じゃないと思ってた。悪かったよ」
結衣「えっ、い、いいよ。あたしもヒッキーのことも考えずにお願いしちゃったし」
八幡「勉強」
結衣「へ?」
八幡「勉強、教えてやるよ」
結衣「いいの?」
八幡「ああ、今までのお詫びってことでな」
結衣「やった♪」
八幡「言っとくが俺が教えられるのは国語くらいだからな」
結衣「うん!いいよ。あたし漢字とか超苦手だから」
八幡「漢字って、それ俺が教える必要ある?まぁいいけど」
結衣「やった♪やった♪」
八幡「くっ……」
結衣「どうしたの?なんか震えてるけど」
八幡「なんでもない、それより早く教室に行くぞ」
結衣「えっ!?」
八幡「なんだ?その顔は」
結衣「だって、いつもはそんなこと言わないから」
八幡「構って欲しいんだろ?」
結衣「うっ」
八幡「嫌なら別にいいけど、いつも通り一人で行くだけだ」
結衣「行く、行くよ」
八幡「おう」
結衣「思ってたのとは違ったけど、結果オーライだね♪いろはちゃん変身作戦大成功!」
八幡「なにやってんだ、置いてくぞ」
結衣「あっ、待ってよー♪」
おわり
結衣「比企谷くん、部活の時間よ」
八幡「あぁ、えっ!?」
結衣「そんなに驚いてどうしたの?まるで鳩が幽霊を見たような顔をしてるわよ?」
八幡「おい、なんか微妙に間違えてるぞ」
結衣「細かい男ね」
八幡「大事なところだろ」
結衣「はぁ……まぁいいわ」
八幡「なんで俺が呆れられてるんだよ」
結衣「今日は雪ノ下さんは休みだそうよ。さっき、メールが来たわ」
八幡「雪ノ下さんって、ならお前は誰なんだ?」
結衣「誰って由比ヶ浜結衣に決まってるじゃない。目が腐りすぎてそんなことも分からなくなってしまったのね」
八幡「そこは由比ヶ浜なんだな」
結衣「もういいから、早く部室に行きましょう」
八幡「はいはい」
優美子「ねぇ、ユイ」
結衣「なにかしら?」
優美子「今からカラオケ行くんだけど一緒に行かない?雪ノ下さんいないから部活ないんでしょ?」
結衣「三浦さん、ゆきの……雪ノ下さんはいないけど、部活は普通にあるわ」
優美子「え?え?三浦さん?」
結衣「だからカラオケには行けないのごめんなさい」
優美子「う、うん」
結衣「また、誘って貰えると嬉しいわ。それじゃさようなら」
優美子「さ、さよなら」
結衣「行くわよ比企谷くん」
八幡「……」
優美子「な、なんで三浦さん呼びなの?いつもは名前で呼ぶのに……それになんかよそよそしかったし。……あーし嫌われちゃたの?」
八幡「おい」
結衣「なに?」
八幡「いいのかよ」
結衣「何が?」
八幡「三浦だよ。三浦」
結衣「三浦さんがどうかしたの?」
八幡「お前の態度が変だったせいであいつ混乱してたぞ」
結衣「大丈夫よ。私と三浦さんの友情はそんなことくらいで揺らいだりしないわ」
八幡「ならいいけど」
結衣「優しいのね」
八幡「何がだよ?」
結衣「私達のこと心配してくれたでしょ」
八幡「別に……てかいつまで続ける気だよ」
結衣「……」
八幡「今度はなんだ?」
結衣「……」
八幡「黙ってちゃ分かんないだろ」
結衣「ヒッキー、あたしとハニトー行ってくれるって言ったのに全然行ってくれないし。遊びに誘っても断るのに……ゆきのんとはデートしてたから」
八幡「は!?」
結衣「だからあたしもゆきのんみたいになったらヒッキーとデート出来るかもって思って」
八幡「俺がいつ雪ノ下とデートしたんだよ」
結衣「したよ!先週の日曜日……」
結衣『ふぅ、美容院に行ってスッキリ爽快!』
結衣『美容師さんにやって貰ったからお団子も綺麗なまん丸♪』
結衣『なんか今日はいいことありそうだな』
結衣『ん?あれは……ヒッキーとゆきのん?なんで二人が一緒に』
八幡『おい、なにやってんだ。そっちはワンコ祭りフェアコーナーだぞ。ニャンコ祭りフェアコーナーはあっちだ』
雪乃『まったく、もう少し分かりやすくしてほしいわね』
八幡『あんなにでかでかと看板下げてるのに間違うお前が悪いだろ』
雪乃『ふん!』
八幡『おい、そっちはラビットハウス祭りフェアコーナーだぞ』
雪乃『いつになったら猫に会えるの……辛いわ』
八幡『だったら黙って俺について来い』
雪乃『あら、ずいぶんと男らしいことを言うのね。その言葉は私ではなくて由比ヶ浜さんに言ってあげなさい』
八幡『なんであいつが出てくるんだよ』
雪乃『分かってるくせに……』
八幡『……』
雪乃『私が彼女にアドバイスしてあげたから色々と忙しくなるわよ』
八幡『あれはお前の入れ知恵かよ。先輩呼びとか反則だろ』
雪乃『なんのこと?私はただ胸を押し付けなさいと言っただけよ?』
八幡『なんてアドバイスしてんだよ。……あれは由比ヶ浜本人の案だったのか』
雪乃『とにかく、今月中には結果を出すように』
八幡『お前は俺の上司か……上司だったな』
雪乃『さぁ、行くわよ。猫が私を待ってるわ』
八幡『おい、そっちはモーモー祭りフェアコーナーだぞ』
結衣『二人が何を話してるのかは聞こえなかったけど、楽しそうだったな』
結衣『あたしもゆきのんみたいに落ち着いてて清楚で可憐な女の子になったらデートしてもらえるのかな』
結衣『……比企谷くん』
結衣「って事がありました!」
八幡「お、おう」
結衣「……」
八幡「お前は誤解してる」
結衣「誤解?」
八幡「あの日は小町とニャンコ祭りフェアに行ったんだけど、途中で迷子になってる雪ノ下を発見して一緒に行くことにしたんだ」
結衣「で、でも小町ちゃんはいなかったよ?」
八幡「多分その時、小町はラビットハウス祭りフェアコーナーの方に行ってたんだと思う」
結衣「そう、だったんだ……」
八幡「わかったか?」
結衣「……うん、勘違いしてた、ごめんなさい」
八幡「いや、実際にハニトーに行ってないし、誘いも断ってた俺にも非はある」
結衣「ヒッキー」
八幡「それに一色とも依頼とはいえ……その……デートしちまったし」
結衣「……」
八幡「悪かった」
結衣「ううん!あたしも少しわがままだったよ。ヒッキーが外に出掛けるのあんまり好きじゃないの知ってたのに」
八幡「今度の土曜か日曜にハニトー食べに行かないか?」
結衣「いいの?」
八幡「お前さえよければな」
結衣「うん!いいよ!」
八幡「予定とかは大丈夫か?三浦とかと」
結衣「大丈夫!大丈夫!その日は空いてるから!」
八幡「なら、行くか」
結衣「デート♪デート♪」
八幡「くっ……」
結衣「どうしたの?なんか顔赤いけど」
八幡「なんでもない、寒いから早く部室に入るぞ」
結衣「うん……あれ?」
八幡「どうした?」
結衣「えへへ……鍵、貰ってくるの忘れてた」
八幡「やれやれだぜ」
おわり
八幡「今日は久し振りに小町の手作り弁当……冷凍食品を詰めただけだけど」
八幡「これは果たして手作り弁当と言っていいんだろうか?……疑問だ」
八幡「まぁ、卵焼きは手作りだから、ぎりぎりセーフか」
八幡「はむっ、はむっ」
八幡「そういえば昨日、由比ヶ浜に昼飯一緒に食べようって誘われたけど、あいつ俺の返事を聞く前に帰りやがったんだよな」
八幡「昼になっても何も言ってこなかったし、きっと忘れてるんだろう。本当にアホな奴だ」
八幡「……今日も俺はボッチ飯か」
八幡「べ、別に寂しくなんかないんだからねっ!」
八幡「……キモいな」
八幡「はむっ」
結衣「あっ、は、はちまーん」
八幡「ぶっ!?」
結衣「だ、大丈夫?」
八幡「ごほっ、ごほっ」
結衣「これ飲んで」
八幡「わ、悪い」
結衣「……僕の飲みかけだけど」
八幡「ぶっ!?」
結衣「わわ!?」
八幡「ごほっ、ごほっ」
結衣「大丈夫?」
八幡「……」
結衣「八幡?」
八幡「くっ」
結衣「顔真っ赤だけど大丈夫?」
八幡「……戸塚か」
結衣「え?」
八幡「今度は戸塚の真似か?」
結衣「な、なんのことかな?僕は別に真似なんて……」
八幡「僕っ子やべぇ……」
結衣「ん?なんか言った?」
八幡「いや何も」
結衣「そっか」
八幡「それよりもその真似だ。惚けたってダメだぞ」
結衣「うっ」
八幡「昨日までヒッキー呼びで一人称があたしだった奴がいきなり八幡とか僕とか言い出したら誰でも気付く」
結衣「……」
八幡「アホの子のお前なら気付かないかもしれないが」
結衣「ア、アホの子ってなんだし!?」
八幡「アホだろ、そんなことしてんだから」
結衣「そんなことって……これでもあたしは一生懸命」
八幡「はぁ……取り合えず理由を聞かせろ」
結衣「……」
八幡「おい、ムスッとしてないで早く言え」
結衣「……」
八幡「言わなきゃ怒るぞ」
結衣「えっ、お、怒るの?」
八幡「言わなきゃな」
結衣「分かった、言うよ。言えばいいんでしょ」
八幡「ああ」
結衣「ヒッキー、さいちゃんと話すときすっごくデレデレしてるのにあたしと話すときは普通だから」
八幡「……」
結衣「だからさいちゃんみたくなったらデレデレしてくれるかなって思って」
八幡「俺がいつ戸塚にデレデレしたよ」
結衣「いつもじゃん!」
八幡「記憶にないな」
結衣「してた!今朝だって」
結衣『あっ、ヒッキーやっはろー』
八幡『おう』
結衣『ねぇ、ねぇ。聞いてよ』
八幡『なんだ?』
結衣『昨日、夕ご飯の手伝いしたんだけどね』
八幡『えっ、大丈夫だったか?』
結衣『な、に?』
八幡『いや別に』
結衣『……それでね。パパの分のハンバーグをあたしが作ることになったんだ』
八幡『……可哀想』
結衣『な、に?』
八幡『い、いえ』
結衣『で、パパがあたしが作ったハンバーグを美味しいって言ってくれたの』
八幡『マジか』
結衣『うん、マジ』
八幡『成長したんだな』
結衣『えへへ、頑張った』
八幡『よく頑張った』
結衣『でも凄く不安だったよ。ちょっと焦げちゃってたし』
八幡『多少の焦げくらい大丈夫だろ。俺はちょっと焦げてるくらいが香ばしくて好きだぞ』
結衣『……それにママに内緒で隠し味入れてたから』
八幡『えっ……隠し味?』
結衣『うん、隠し味』
八幡『それってマヨネーズか』
結衣『違うよ』
八幡『味噌?』
結衣『ううん、違う。一般的にハンバーグの隠し味に使われるものじゃないよ』
八幡『じゃあなんだ?』
結衣『それを言ったら隠し味にならないじゃん』
八幡『……まさか、桃缶じゃないだろうな?』
結衣『な、なんのことかな?』
八幡『嘘だろ……』
結衣『だ、だって!パパも、もう若くないからさっぱりした物の方がいいかなって……』
八幡『なら、大根おろしでも添えてやれよ』
結衣『うう、やっぱりダメかな?』
八幡『だめだ』
結衣『だめかぁ……』
八幡『なぁ、隠し味って桃缶だけなのか?』
結衣『も、もう、別にいいじゃん!パパは美味しいって言って全部食べてくれたんだから!』
八幡『……』
結衣『ヒッキーの意地悪!』
八幡『悪かったよ。確かに全部食べたんならそこまで酷くなかったのかもしれないな』
結衣『……』
八幡『どうした?』
結衣『今日、パパ腹痛で会社お休みしたんだよね』
八幡『やっぱり、ダメじゃねえか』
結衣『でも、パパは道端に落ちてたゴミを食べたせいだって……』
八幡『どう考えても嘘だろ。普通、道端に落ちてるゴミなんて食わねぇよ』
結衣『確かに』
八幡『親子揃って気遣い下手くそすぎだろ』
結衣『パパごめんね』
八幡『これに懲りたらレシピ通り作ることだな』
結衣『反省します』
八幡『なんだ、そのポーズは?』
結衣『反省のポーズ』
八幡『反省する気ないだろ』
結衣『へへ』
八幡『たく、いつからそんなにあざとくなったんだよ。お前は一色か』
結衣『いろはちゃんがこうすればヒッキーを思いのままに出来るって教えてくれたんだ』
八幡『あいつ、俺をなんだと思ってんだ』
結衣『効果はなかったみたいだね』
八幡『ないから、もうすんなよ』
結衣『はい』
八幡『はぁ……朝から疲れた』
彩加『あっ、由比ヶ浜さーん、はちまーん!』
結衣『さいちゃんやっはろー』
八幡『おう』
彩加『おはよう』
八幡『朝から元気いいな、何かいいことでもあったのか?』
彩加『うん、朝から八幡に会えたことかな』
結衣『なっ!?』
八幡『戸塚……俺もお前に会えて嬉しいよ』
彩加『えへへ』
八幡『戸塚を見てるだけでさっきの疲れが一瞬でなくなった』
彩加『八幡の役に立てて嬉しい』
八幡『戸塚さえいてくれたらもう何もいらないな』
結衣『むぅ』
彩加『もう、また変なこと言う。僕、テニス部の先輩に用事があるからさきに行くね』
八幡『ああ』
結衣『バイバイ』
八幡『なぁ』
結衣『なに?』
八幡『戸塚って俺だけ下の名前で呼んで他の奴は苗字で呼ぶよな』
結衣『あっ、確かに』
八幡『……これってキマシタワーってやつ?戸塚ルート待ったなしか』
結衣『……』
八幡『由比ヶ浜?』
結衣『アホ、バカ、マヌケ、はちまん!』
八幡『い、いきなりなんだよ。あと、八幡を悪口として使うな』
結衣『知らない!あたし先に行くから!』
八幡『お、おい』
結衣『ふん!』
結衣『さいちゃんにばっかりデレデレしちゃって』
結衣『ヒッキーはあたしルート以外は選んじゃダメなの!』
結衣『……八幡のバカ』
結衣「って事がありました!」
八幡「……」
結衣「どうなの?ヒッキー」
八幡「やっぱりアホだ」
結衣「え?」
八幡「アホって言ったんだアホ」
結衣「な!?」
八幡「どうしようもないアホだ」
結衣「酷い、そこまで言わなくてもいいじゃん」
八幡「いくない。誰かの真似するとかすげぇアホだろ」
結衣「うぅ」
八幡「……」
結衣「あたしはただヒッキーに好かれたくて……」
八幡「ま、真似なんてしなくてもお前は可愛いし俺はありのままのお前が好きだ」
結衣「えっ……」
八幡「だからもうするな」
結衣「……」
八幡「……」
結衣「い、今のは愛の告白と受け取ってもいいのかな?」
八幡「な、なんでそうなるんだ」
結衣「だって可愛いって好きって言ったし」
八幡「それは……その……」
結衣「まさかヒッキーの口からそんな言葉が出てくるなんて……はっ!」
八幡「どうした?」
結衣「あのね。あたし、ヒッキーに可愛いって好きって言ってもらえるのは凄く嬉しいよ」
八幡「お、おう」
結衣「でもそれはヒッキーに言われたから嬉しいんであって、他の誰かに言われたのじゃ意味がないの」
八幡「……」
結衣「今のって隼人くんの真似だよね」
八幡「……は?」
結衣「だってヒッキーがあんなこと言うはずないもん、隼人くんなら普通に言ってそうだし」
八幡「いや、違うんですけど」
結衣「え?違うの!?」
八幡「ああ」
結衣「でも普段はあんなこと言わないじゃん」
八幡「当たり前だ。普段からあんなこと言うやつなんっていねぇよ。あれは今回みたいな特別な時だから言ったんだ」
結衣「確かに」
八幡「納得したか?」
結衣「うーん、でもなぁ……」
八幡「俺だって言うときは言うんだよ。だてに何回も告白して振られてない」
結衣「そういえば普通に告白とかするんだもんね」
八幡「分かったか?」
結衣「うん」
八幡「ってことで好きです。俺と付き合ってください」
結衣「うえぇ!?ここで告白!?しかもちょっと不貞腐れてるし」
八幡「俺が高校に入ってから貯めた勇気を使って言った言葉を葉山の真似だとか言うからちょっとムカついたんだよ」
結衣「ご、ごめん」
八幡「それより返事を聞かせてくれないか?」
結衣「うん、あたしもヒッキーが好きです。これからよろしくお願いします」
八幡「……」
結衣「……」
八幡「……」
結衣「えっと……」
八幡「ここからどうすればいいんだ?」
結衣「あ、あたしに聞かれても分かんないよ。彼氏出来たの初めてなんだから」
八幡「そうか。……初めてか」
結衣「うん、初めて。ヒッキーが初めての相手だよ」
八幡「その言い方だとちょっと嫌らしく聞こえるな」
結衣「え?なんで?」
八幡「いや、なんでもない、忘れてくれ」
結衣「う、うん」
八幡「それはそれとして腹が減ったな。昼飯にしようぜ」
結衣「そうだね」
――
八幡「卵焼き、うまっ」
結衣「ヒッキーのお弁当って小町ちゃんが作ったやつなんだっけ?」
八幡「ああ、でも卵焼き以外は冷凍食品を詰めただけの手抜き弁当だけどな」
結衣「それでもえらいよ。あたしなんか卵焼きすらちゃんと作れないから」
八幡「今は作れなくてもこれから練習して作れるようにしていけばいい。俺も手伝うから」
結衣「ありがとうヒッキー」
――
八幡「ふう、ごちそうさま」
結衣「ごちそうさま」
八幡「ん?なんだそれ?」
結衣「あっ、これは……」
八幡「弁当?」
結衣「えっと……その……」
八幡「由比ヶ浜って弁当二つも食べちゃうような食いしん坊キャラだっけ?」
結衣「ち、違うし!これは……ヒッキーの分だし」
八幡「えっ」
結衣「昨日、パパのハンバーグ作った時にヒッキーの分も作ったの」
八幡「そうだったのか」
結衣「あっ、でも食べなくていいから!……失敗しちゃってたみたいだし」
八幡「食うよ」
結衣「えっ、でも……」
八幡「俺のために作ってくれたんだろ?」
結衣「うん」
八幡「だから食うよ」
結衣「ありがとう」
八幡「はむっ……うっ」
結衣「む、無理しなくていいよ。あたしはもう十分だから」
八幡「はむっ、はむっ、はむっ」
結衣「全部食べちゃった」
八幡「ふう、まぁまぁだな。今後の成長に期待する」
結衣「……」
八幡「由比ヶ浜?」
結衣「……やば、超格好いい」
八幡「も、もうそろそろ昼休み終わるし、教室戻ろうぜ」
結衣「うん!」
――
静「では授業を始める」
結衣「平塚先生、ヒッキーがいません」
静「比企谷なら腹痛で早退した」
結衣「え!?」
姫菜「何か悪いものでも食べたのかな」
優美子「これは彼女のユイがお見舞いに行って慰めてあげないとね」
姫菜「いったいナニを慰めるんですかねぇ」
結衣「……」
優美子「ユイ?」
結衣「飯まずオチなんてサイテー!」
これで本当におわり
このSSまとめへのコメント
ガハマさんはアホ可愛い時が一番可愛い
結衣「って事がありました!」
ってところがすごくいい。
乙。きれいにまとめたね
できれば小町の真似もやってほしかったが