両津勘吉「奉仕部だと!?」 (31)
平塚「両津、君には日頃の態度と日頃の問題行動の罰として部活動に参加してもらう。」
両津「部活?冗談じゃねぇぞ!ワシはこれからプラモ作りをしなければならん。」
平塚「君は授業中だってプラモを作っているじゃないか。」
両津「仕方ねぇだろう!この学校の勉強は難しすぎんだよ!文句があるならワシにわかる様に教えるんだな。」
平塚「全く、君は本当に困った奴だ。今まで君が起こしてきた問題行動を幾つ内密にしてきたと思っているんだ?もしも私が口外がすれば君は間違いなく退学だぞ?」
両津「クソォ!教師が生徒を脅す何て酷いことしやがる!」
平塚「君にはそれだけ更生して欲しいと思っているのさ」
両津「フンッ、更生なんて必要がねぇ!今の若者はちっとも個性がねぇ!ワシみたいに個性がある人間がいた方が面白いに決まってる!それを変えようってのか!?」
平塚「とにかく、ついてきたまえ。話はそれからだ。」
両津「けぇっ ついていくだけだぞ!」
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平塚「雪ノ下入るぞ。」
雪乃「平塚先生、前から何度もノックをと言っているじゃないですか」
平塚「すまんすまん。つい忘れてしまってな。」
雪乃「これで何度目ですか?」
両津(何だ…このときメモに出てきそうな絵に描いた様な美少女は!もしかしたら儲けられるかもしれん!)
雪乃「誰ですか?そのゴリラか原始人の様な男は?」
両津「初対面の人間に対して失礼な奴だな!ワシは両津勘吉だ!ゴリラでも原始人でもない!」
雪乃「それで平塚先生、この両津くんが奉仕部に対して依頼があるという認識でよろしいでしょうか?」
平塚「いやっ違う。今日は私から君に依頼があるんだ。」
雪乃「と言いますと?」
平塚「君には両津の更生の手伝いをして欲しいんだ。両津は見たまんまの人間でな、私たち教師だけでは手に負えない。」
両津「人を見た目で判断するなって習わなかったのか!教師のいうセリフだとは思えねぇぞ!」
雪乃「お断りします。この男はとても私に手が終える相手ではありません。戸塚ヨットスクールにでも預けてみてはいかがでしょうか?」
両津「ちょっと待て!こっちから部活動なんて御免だ!それに何だこの女は!さっきから言いたい放題言いやがって!」
平塚「両津、それは残念だったな。もしも君がこの部活で成果を出す度に君にはご褒美を与えようと思っていたんだけどな。」
両津「ご褒美!?それは一体!?」
平塚「私はこう見えてもゲームやプラモデルが結構好きでね。不要になるものがあれば君にあげようと思ったんだがね。それもどうやら…」
両津「両津勘吉!部活動に参加して更生します!」
平塚「決まりだな!」
雪乃「待ってください。私はまだ許可を出していません。」
平塚「ほぉさしもの雪ノ下雪乃も怖いんだな?」
雪乃「いいでしょう!私がこのゴリラの面倒を責任持ってみます。その安い挑発に乗るのはあれですが…」
平塚「じゃっ、あとは若い者同士で頑張りたまえ!」
ガラガラガラ
両津「雪ノ下と言ったか?部活と言ってもこの部活は一体何をするんだ?」
雪乃「当ててみたらどうかしら?」
両津「まずこの部屋からして運動部ではなさそうだな。ひょっとして演劇部か?だがそれにしては部員が少ないな。」
雪乃「ハズレ」
両津「クソォ全く分からんぞ。そういえばさっき奉仕部とか言っていたな。つまりボランティアという事か?」
雪乃「その解釈でも間違いがないわ。貴方みたいな人間でもわかる様に言えば悩みを持っている人たちの力になる部活動よ。」
両津「そんな部活動があるとは初耳だな。」
雪乃「ようこそ、両津くん、奉仕部へ歓迎するわ。」
両津(ボランティアや人助けなどワシの性質には合わん。何としてでもこの部活を辞めなければ!)
両津「雪ノ下、歓迎して貰って悪いがワシは実は他にやりたい部活があるんだ。」
雪乃「他にやりたい部活?」
両津「そうだ…ワシ実はテニス部に入りたくてな。」
雪乃「おかしいわね。1年生の時に何故入らなかったのかしら?それに本気でやりたいと思っていたならば何故今まで行動に移さなかったのかしら?」
両津「ワシにも色々と事情があるんだよ!イチイチ教える方がおかしいだろう!」
雪乃「貴方みたいな人間の考える事はお見通しよ。この部室に来て10分も経たないうちに面倒臭いと感じたから理由をつけて逃げたいだけでしょう?」
両津(クソ!全て読まれてやがる!こうなったら問題行動を起こして部活にいれなくなってやる!)
結衣「し、失礼しまーす。奉仕部ってここだよね?」
雪乃「2年F組の由比ヶ浜結衣さんね。」
結衣「私のこと知ってるんだ!」
両津「全員のことを知っているんじゃないのか?」
雪乃「いいえ…貴方のことなんて今日の今日まで知らなかったわ。」
両津「だとしてもだ。そこは普通は遠慮するだろう!」
雪乃「あら?貴方は遠慮って言葉を知っているのかしら?驚いたわ。」
両津「バカにしやがって!人を何だと思ってやがる!」
雪乃「ゴリラかしら?」
両津「本当に口の減らない奴だ!お前が男だったら間違いなくぶん殴っていたぞ!」
結衣「何か…楽しそうな部活だね!」
結衣「それに両ちゃん、この部活だったんだね!」
両津「何だお前…ワシのこと知っているのか?」
結衣「知ってるも何も同じクラスじゃん!でも両ちゃん、いつも机で寝てるかゲームしてるかプラモ作ってるかだから会話するのは始めてだよ!」
雪乃「貴方って本当に問題児なのね…」
両津「それで由比ヶ浜?だったか お前はここに何の用があってきたんだ?」
結衣「実はちょっと相談事があって…」
両津(よし!この相談事を利用して奉仕部を辞めるぞ!)
両津「よし!相談事なら下町育ちの人情味あふれるワシに任せろ!」
雪乃「そんなに張り切って大丈夫なのかしら?」
両津「ワシに不可能という文字はない!」
両津「なるほどな…お前の相談事というのはクッキーの作り方を教えて欲しいということか。」
結衣「うん、私あんまり料理とか得意じゃなくてさ。」
雪乃「両津くん、家庭科室の鍵を借りてきてちょうだい。」
両津「は?お前料理できるのか?ワシは出来んぞ?」
雪乃「大抵のものなら作れるつもりよ。クッキーぐらいなら問題なく教えられるわ。」
結衣「やった!」
1時間後
結衣「全然うまく出来ない…」
雪乃「どう教えればいいのかしら…」
両津「お前ら何故、上手いクッキーを作ろうとしているんだ?」
雪乃「どういう事かしら?」
両津「10分後ここへ来い ワシが本当のクッキーというものを教えてやる!」
両津「よし出来た!これで奉仕部をやめられる事は間違いなしだ!」
結衣「10分経ったよ?」
雪乃「出来たのかしら?」
両津「由比ヶ浜、お前はひとつ大きな勘違いをしている。」
結衣「勘違いって?」
両津「正直な話、今のお前にはクッキーが作れるとは思えん。」
結衣「そんなの自分が一番よくわかってるよ…私才能ないし それに今の若い子ってあんまりこういうのやらないし。」
雪乃「由比ヶ浜さん、貴方のそういう周りに合わせようとする所や才能がないせいにする所、物凄く腹ただしいわ。努力もしてない人間が才能とか語る資格がないわ。」
両津(ナイスフォローだ雪ノ下!)
結衣「雪ノ下さんって…言葉は悪いけどかっこいい!」
両津「こいつマゾヒストか!?」
両津「ともあれ、雪ノ下の言うとおりだ。だがいきなり大きい事に挑戦しようとしても失敗するのは目に見えている。まずは自分ができる事から始めるんだ。」
結衣「なにこれ?」
両津「ワシが作ったクッキーの生地だ。」
結衣「それじゃ意味ないじゃん!」
両津「お前は生地をまともに作る事すら出来なかった。だからワシが手伝ったまでだ。あとは雪ノ下と一緒にここで形を整えろ。」
(この生地には唐辛子5個とハバネロパウダーが入っている。これで貰った男は胃痛になるに間違いない。あとはワシが責任を取るという形でやめるだけだ!)
結衣「でも一から作らないと手作りって言わないじゃん。」
両津「確かに生地を作ったのはワシだ。だがクッキーそのものを作るのはお前がやるということだ。それで問題はないだろう?それともまた一からやって失敗を続けるか?」
雪乃「この男の言う通りよ。貴方なりの形でクッキーを作ってみればいいじゃない。」
両津「それに男というのは単純な生き物だ。女の手作りってだけで心が躍るものだ。」
結衣「両ちゃんも踊るの?」
両津「当然だ!手作りを貰って喜ばない男なんてこの世に存在するものか!」
1時間後
結衣「出来た!形は少しダサいけど。」
両津「ハート型か?好きな男にでも渡すのか?」
結衣「別にそういうのじゃないよ…お礼というか何というか…」
両津「そうかじゃあさっそく渡してこい!」
結衣「今日は渡さない。帰ってからラッピングして渡すよ。」
両津「そうか、まぁ精々頑張るんだな。」
結衣「両ちゃん!ゆきのん!本当にありがとう!」
雪乃「ゆきのんって私のことかしら?」
結衣「ほかにいないでしょ?」
翌日
雪乃「由比ヶ浜さんの件、本当にあれで良かったのかしら?」
両津「良いに決まってるだろう。ワシは何も間違えたことはしとらん。」
下校時
結衣「両ちゃん!待って!はい!これ!」
両津「由比ヶ浜じゃないか…このクッキーはどうしたんだ?」
結衣「クッキーをあげる前にまずは両ちゃんに味見して欲しいんだ!」
両津「い、いや…ワシは今日腹を壊していてな…」
雪乃「あら?さっきあんなにスナック菓子を食べていたじゃない?お腹を壊している人間が食べるかしら?」
結衣「その…両ちゃんに一番に感想もらいたいかなぁなんて…思ったり」
平塚「よかったじゃないか!両津!女の子から手作りクッキーを貰えるなんて」
結衣「やっぱり私の作った下手なクッキーは嫌かな?…」
両津(何て悲しい顔をしているんだ!クソ!こうなったら食べてやる!)パクパク
両津「ゲホゲホゲホゲホ」
平塚「雪ノ下、あのクッキーには何が入っているんだ?」
雪乃「生地を作った張本人に聞いてみるといいでしょう。それにあの生地の色を見て気づかない由比ヶ浜さんも凄いわね。」
両津「もう!手作りクッキーなんて懲り懲りだぁーーーー!」
両津「なんだ今日は雨じゃないか…プラモ作りながら屋上で飯を食えないじゃないか。」
結衣「ごめん優美子!今日は約束があるから他の所で食べるわ!」
三浦「はぁ?なにそれ?弁当はあーしらみんなで食べるって約束じゃん?」
結衣「ごめん…でも今日は他の約束があるんだぁ明日は一緒に食べるから。」
三浦「あんさー結衣、こういう事あんまり言いたくないんだけどさ、最近付き合い悪くない?」
結衣「ごめん…」
三浦「ごめんじゃなくてさ言いたい事あるならあーしらに言えばいいじゃん?あーしらと友達やめたいならそう言えばいいじゃん。」
結衣「別にそういうつもりじゃないんだけどなぁ…ほら今日は約束があるってだけの話だし!」
三浦「じゃあさハッキリ言いなよ?あーし結衣のために言うけどそういうハッキリしないのはムカつくんだよね。」
結衣「ごめん…」
三浦「またそれ?あーしが言ってる言葉の意味が分からないの?」
両津「おいお前、さっきからやかましいぞ。気が散ってプラモ作りが出来ん。もう少し静かにしてくれ。」
三浦「はぁ!?なんなのアンタ?あーしらの話に混ざってくんなし!」
両津「周りを見てもまだ分からんのか。お前の威圧的な言動で何人の人間が不快になってると思うんだ。」
三浦「はぁ?マジで何なの?アンタチョームカつくんですけど。ゴリラみたいな顔してさぁ。」
両津「やかましい!ワシの顔と今の話は関係ないだろう!とにかくこれ以上、騒がしくするんだったらよそでやってくれ。」
三浦「だからあーしらの会話に…」
雪乃「今のが会話のつもりなのかしら?由比ヶ浜さん、自分から誘っておいて待たせるなんて人としてどうかと思うわ。」
結衣「ごめん…でもゆきのんの番号知らなかったし!」
雪乃「なら貴方だけが悪いとは言えないわね。」
三浦「ちょっと今あーしらが話してるんだけど?アンタも何なの?」
葉山「まぁ…優美子その辺で」
結衣「ふ、不審者がいる!」
雪乃「由比ヶ浜さん、ゴリ男くんが来るまで待っていた方がいいわよ。決して近づいてはダメよ!」
両津「誰がゴリ男だって?相変わらず、言葉遣いの悪い女だ。」
雪乃「両津くん、あそこに不審者がいるから男としてどうかしなさい。」
結衣「勝手に部室に入ってるし!」
両津「おい、そこの男?お前、この部活に何か用か?」
材木座「両津ではないか!お主もこの部活の一員だったのか?」
両津「お前は確か?材木座と言ったか?」
材木座「我を覚えていた様だな!ならば話が早い!」
雪乃「知り合いなのかしら?」
結衣「ちょっと怖いかも」
両津「体育の時間にペアを組んだ事があるだけだ。」
材木座「奉仕部とは我の頼みを聞いてくれる部活とはまことか?」
両津「お前の頼みとはなんだ?」
両津「口で奉仕すればいいんですね?」
部長「うむ」
みたいなスレかと思った
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わろた
続き、待ってます。
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