千早「予定は未定」 ライラ「すぺしゃるですか?」 (103)
・アイマス×モバマス
・街から飛び出した模様
・これまでよりも長い
・ヤマ、オチ特になし
・のんびり更新予定
よろしければお付き合いください
なお前回↓
千早「未定よね?」 ライラ「はいです」 - SSまとめ速報
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千早「皆さんこんばんは、如月千早です」
ライラ「ライラさんですよー」
千早「四回目の放送を迎えられて、嬉しく思います」
ライラ「いつものように、ちはライでお送りしますよー」
千早「……ちはライ?」
ライラ「千早さんとライラさんで『ちはライ』、だそうでございます」
千早「なんだか不思議な響きね」
ライラ「二人組、っていう感じでお気に入りなのです」
千早「この番組も少しずつ認知されてきているのね」
ライラ「嬉しいことでございます」
千早「さて、今回の放送は枠を拡大してお送りする、とのことですが」
ライラ「いつも通りこの次は未定なのです」
千早「……慣れてきた自分に戸惑いを隠せない」
ライラ「あんまり考えても仕方ないのですよ」
千早「そうね、いつも通りのんびり行きましょう」
ライラ「それでは行きますです」
千早「如月千早と」
ライラ「ライラさんのー」
「「予定は未定」」
ライラ「今回はなんとスペシャルなのでございます」
千早「ライラさんたっての希望により、キャンプに行くことになりました」
ライラ「以前イベントでキャンプしたのが楽しかったのですよー」
千早「私は初めてだからちょっと不安もあるのだけれど」
ライラ「おお、そうなのですか。では今日はライラさんにお任せください」
千早「頼りにさせてもらうわね」
ライラ「……ごめんなさいです」
千早「え?」
ライラ「ライラさんだけではわからないこともございますので、助っ人をお呼びしましたです」
千早「そんな申し訳なさそうな顔をしなくても……」
ライラ「ライラさん見栄を張ってしまったのです」
千早「気にしなくてもいいのよ?」
ライラ「あ、頭を撫でるのは反則でございますよー」
千早「(かわいい)」
ライラ「あらためまして、インストラクターさんを紹介しますです」
――Pと申します。よろしくお願いします
千早「(プ、プロデューサー!?)」
ライラ「Pさんは野外活動の経験が豊富なのだそうですよ」
千早「そ、そうなの」
ライラ「今回は色々とお助け頂けるとのことですので、安心でございますねー」
――基本的にはお二人に挑戦して頂きたいので、あまり手は出しませんよ?
ライラ「おー、それではライラさん頑張らないとですねー」
――楽しむためには自分で経験するのが一番です
ライラ「楽しむのは得意でございます」
――それは頼もしい
ライラ「それではよろしくお願いしますですよー」
千早「よ、よろしくお願いします」
千早「(プロデューサーって、外向けだとこういう感じなのね)」
【まずは寝床】
ライラ「到着でございますー」
千早「静かで、いい雰囲気ね」
ライラ「まさに山の中、という趣ですよ」
――まずお二人にはテントを立てていただきますね
千早「あ、そこからなのね」
――私は向こうで別のを立ててますので、頑張ってください
千早「え?」
ライラ「わかりましたですー」
千早「…………」
ライラ「どうかしましたですか?」
千早「本当に手を出さないのね」
ライラ「これくらいならライラさんも教えられるのですよ」
千早「そうなの? じゃあお願いしますね、ライラ先生」
ライラ「先生はくすぐったいですよー」
千早「ふふっ」
ライラ「では、この説明書通りにやっていきましょう」
千早「説明書?」
ライラ「この絵の順番通りにすれば問題ないのです」
千早「べ、便利なのね」
ライラ「では早速取り掛かりましょー」
千早「なんだかテントっぽいものが二つあるのだけれど」
ライラ「えーと、袋になっているのがテント本体ですねー」
千早「テントじゃないものもあるの?」
ライラ「もう一つは雨除けカバーのようなものなのですよ」
千早「鉄の棒とか紐とか、釘みたいなものまであるのだけれど」
ライラ「棒はテントの骨組みですねー」
千早「え、これでテントが立つの?」
ライラ「組み立ててテントに通せばいいのですよ」
千早「そう聞くと簡単そうね」
ライラ「あぁ、千早さん通し方が違うのです」
千早「え、本当?」
ライラ「ここを……こう、なのです」
千早「ありがとう、助かったわ」
ライラ「いえいえですよ」
千早「それで、残りの部品はどう使うのかしら」
ライラ「テントを地面に固定するためのものなのです」
千早「成程……」
ライラ「それでは、テントを起こしましょー」
千早「わかったわ……せーのっ」
千早「……ああ、なんだか見たことあるテントの形になってきたわ」
――順調のようですね
ライラ「おー、Pさん。ライラさんたち頑張ってますですよ」
千早「Pさんの方は………もうテントが立ってるわ」
ライラ「ライラさんたちと違って家っぽい形ですねー」
――ベースとしても使うのでA型テントなんですよ
千早「(よくわからない)」
ライラ「あれをお一人で?」
――ええ。慣れれば簡単ですよ
千早「何をどうしたらそんなことができるのかしら」
ライラ「すごいですねー」
――では、フライシートをかけるくらいは手伝いましょうか
千早「フライシート?」
ライラ「先ほどの雨除けカバーなのです」
千早「ああ、あれフライシートっていうのね」
ライラ「ライラさんでは身長が足りないので助かりますですよ」
千早「(背伸びしてピョンピョンしてるライラさん……見たかったかも)」
本日はここまで
Pが本編登場中ですが、基本映らないテロップ的なものと解釈して頂ければ
今回はこんな感じになりますが、お付き合いいただければ幸いです
【腹が減っては】
千早「テント、やっと立ったわね」
ライラ「ちょっとだけ疲れたのですよ」
――自分たちの手でやると達成感が違うでしょう?
千早「それはまぁ、確かに。やり遂げったって感じです」
ライラ「千早さんとても頑張っておいででした」
千早「ライラさんが教えてくれたお陰ね」
ライラ「えへへー、照れますですね」
――それでは、お昼にしましょうか
千早「……いつの間にか食事のスペースが出来てるわ」
ライラ「もしや、こちらのタープもPさんが?」
――ええ、慣れです
千早「(慣れってなんなのかしら)」
ライラ「ちょっとお昼ご飯取ってきますのでお待ちくださいですよ」
千早「私も手伝うわ」
ライラ「ここはライラさんにお任せくださいー」
千早「そう?」
ライラ「では、行ってくるですよ」
千早「ありがとう。よろしくお願いするわね」
――――――
――――
――
千早「あの、Pさんは何でこんなに手際がいいんですか?」
千早「(名前で呼ぶの、なんだかこそばゆいわ)」
――小さい時からこんなことばかりしてましたからね
千早「何というか、楽しそうですね」
――それはもう
ライラ「ただいまですー」
千早「お帰りなさい……それは?」
ライラ「えへへー。この前のサンドイッチのお礼でございます」
千早「気にしなくてよかったのに。でも、ありがとう」
ライラ「ライラさんの故郷の料理ですよ。お口に合えばよろしいのですが」
千早「楽しみね。では、あらためて」
「「いただきます」」
千早「ライラさん、この料理は?」
ライラ「ファラフェルというのです。野菜と一緒にピタパンに挟んで、ソースをかけて食べるのですよ」
千早「ファラフェル?」
ライラ「えーと、簡単に言うとヒヨコ豆で作ったコロッケなのです」
千早「どんな味なのかしら」
ライラ「どうぞ召し上がってくださいですよ」
千早「……美味しい。すごくしっかりした味ね。鶏肉っぽいというか」
ライラ「良かったですー。実は自分で作ったのは初めてなのですよ」
千早「え?」
ライラ「どうしたですか?」
千早「い、いえ何でもないわ」
千早「(私より料理の才能あるんじゃないかしら)」
ライラ「どんどん召し上がってくださいましー」
短いですが今日はここまで
今月中には終わると思います、多分
【夜は暗いので】
――ちょっとした工作をしてみましょうか
ライラ「工作でございますか?」
千早「いったい何を?」
――お手軽にできるランタンです
ライラ「おー、照明でございますか」
千早「全然お手軽そうに聞こえないのだけれど」
――大きめのペットボトルと釘、ロウソクで出来ますよ
千早「それだけ?」
ライラ「簡単そうですねー」
――刃物を使いますので、手袋をしてくださいね
千早「まずは何をすればいいんでしょうか」
――ペットボトルを半分くらいに切ってください
ライラ「……なかなかまっすぐに切れないのです」
千早「結構力もいるのね」
ライラ「……っ」
千早「(ライラさんプルプルしてる)」
――線を引いておくと、真っ直ぐに切りやすいですよ
千早「そういうことは先に言って欲しかったのですが」
ライラ「おー、そうなのですか。さっそく試してみるでございます」
千早「(私が細かいことを気にし過ぎなのかしら)」
ライラ「千早さん、ギコギコすると切りやすいのですよ」
千早「き、気を付けてね」
ライラ「今度は上手くできましたー」
――次はペットボトルの蓋に釘を打ちましょう
千早「釘?」
――ロウソク立てに使います
ライラ「なかなか難しいですねー」
千早「ライラさん、もうちょっと慎重に……」
ライラ「……っ!! 指を打ってしまいました」
千早「だ、大丈夫!? ちょっと見せてみて」
ライラ「ちょっと痛いですが大丈夫なのですよー」
千早「(涙目のライラさん可愛い……じゃなくて)」
千早「腫れてたりしたら大変よ?」
ライラ「わかりましたですよ」
千早「……大丈夫そうね。でも、念のためちょっと冷やしておきましょうか」
ライラ「ありがとうございますですよー」
千早「どういたしまして。次は気を付けましょうね」
ライラ「はいですー」
――大事なくて何よりです
千早「……その割にはものすごく冷静だった気がするのですが」
――ちゃんと見てましたから
千早「ということは、未然に防ぐことができたと?」
ライラ「(千早さんがちょっと怖いモードですねー)」
――小さな失敗、小さな怪我は成長の糧ですからね
千早「なっ!?」
ライラ「千早さん、もう大丈夫なのですよー」
千早「そ、そう?」
ライラ「ライラさんがちょっと不注意だったのですよ」
千早「それならまあ、いいのだけれど」
ライラ「ではPさん、次は何をすればよろしいのでしょうか」
――下半分に水を入れて、蓋をつけた上半分を逆さに差し込めば完成です
千早「え、それで終わりなんですか?」
ライラ「お手軽でございますねー」
千早「ちなみに、水というのは……」
――重り兼消火用ですので、多めにお願いします
ライラ「これくらいでしょうかー」
千早「いいんじゃないかしら」
ライラ「……これをこうして、完成ですー。早く使ってみたいですねー」
千早「ふふっ、夜のお楽しみね」
ライラ「楽しみですねー」
千早「ところでPさんは空き缶で何を?」
――手持ちのランタンです。お二人の分もありますよ
千早「いったいいつの間に……」
――切り口の処理もあるので、不慣れな人にやらせるわけにもいかないんですよ
ライラ「おー、お気遣いもばっちりでございますねー」
千早「(ちゃんと考えてはくれてるのね)」
【炊事は早めに取り掛かるべし】
――それでは夕食の準備に取り掛かりましょう
千早「え、こんなに早くからですか?」
――暗くなってからの後片付けは、思っている以上にしんどいですよ?
ライラ「あー、前のキャンプの時も夜はとても暗かったですねー」
千早「……ああ、野外だと十分な照明がないのね」
ライラ「では早速取り掛かりましょー」
千早「ちなみに、献立はどうなっているんでしょうか」
――キャンプの定番、カレーです
ライラ「おお、前の時と一緒でございますねー」
千早「カレーなら私も何とかなりそうだわ」
ライラ「頑張りますよー」
――では、火の回り以外はお任せしますね
千早「そ、それはそれで心細いというか……」
ライラ「時々アドバイスが欲しいでございますね」
――注意点をまとめたメモをお渡ししておきます
千早「(あくまで手を出す気はないのね)」
ライラ「おー、これならライラさんでもばっちりでございますね」
千早「そうね。一緒に頑張りましょう」
ライラ「はいですよー」
ライラ「えーと、『具材は火が通りやすいように小さめに』だそうですよ」
千早「じゃあ、まずは具材を切りましょうか」
ライラ「ライラさん何を切りましょう?」
千早「具材は玉ねぎ、人参、ジャガイモに鶏肉と。チキンカレーなのね」
ライラ「お肉!! ライラさんお肉切るです!!」
千早「ふふっ、じゃあお願いね。私は野菜を切っておくわ」
ライラ「頑張りますよー」
千早「(この前我那覇さんに料理を教わっておいてよかったわ)」
ライラ「うーん、うまく切れないですねー」
千早「……ああっ、ライラさんそれじゃ危ないわ」
ライラ「ライラさん何か間違ったでしょうか?」
千早「そのままじゃ指を切っちゃうから、猫の手で、ね」
ライラ「おおー、にゃん、でございますね」
千早「ぶっ」
千早「(……不意打ちで猫のポーズは反則だわ)」
ライラ「おや、こちらも違いましたですか」
千早「あのね、猫の手というのはね…………」
ライラ「……おお、みくにゃんさんではございませんでしたか」
千早「……みくにゃんさん?」
ライラ「事務所の先輩さんでございます。猫が大好きで、ご自分も猫さんな方なのですよー」
千早「え? みくにゃんさんも猫なの?」
ライラ「はいです」
千早「(どういう人なんだろう?)」
ライラ「ライラさんは猫の手をマスターしましたので、もう怖いものはないですねー」
千早「そうね。でも、十分気を付けてね」
ライラ「わかりましたですー」
ライラ「お肉切れましたー」
千早「じゃあ、次はお米の準備をお願いしてもいいかしら」
ライラ「おまかせでございますよ」
ライラ「……で、どうすればいいのですか?」
千早「使うのは無洗米だから、お米を飯盒に入れて水を張るだけよ」
ライラ「むせんまい?」
千早「研ぎ洗いが必要ないお米ね」
ライラ「普通のお米は洗わないといけないのですか?」
千早「えっと、ライラさんが想像している洗うのとは違うと思うけれど……」
ライラ「んー、難しいですねー」
千早「また今度、一緒に勉強しましょうか」
ライラ「はいです。では準備してきますねー」
千早「よろしくお願いするわね」
ライラ「えーと、メモによると水の量は『手の甲が浸かるくらい』ございますか」
ライラ「……このくらいでいいのでしょうか。なんだかドキドキしますねー」
――では火をおこしますので、調理頑張ってくださいね
千早「まずは手順を確認しましょうか」
ライラ「ライラさんもー」
千早「まずは玉ねぎを炒めるのね」
ライラ「ライラさんがやってもいいですか?」
千早「じゃあ、お願いしようかしら。代わって欲しくなったら言ってね」
ライラ「頑張りますよー」
千早「ふふっ」
ライラ「おー、色が変わってきましたねー」
千早「じゃあ、残りの具材を炒めましょう」
ライラ「それにしても熱いでございます」
千早「火を目の前にする機会なんてそうないものね」
ライラ「……代わってもらってもよろしいでしょうか?」
千早「わかったわ」
ライラ「ありがとうございますー」
千早「ある程度火が通ったら水とコンソメを入れればいいのね」
ライラ「それにしてもPさんは火の扱いが上手いですねー」
千早「こっちの様子を見ながらこっそり調整してくれてるものね」
ライラ「何かコツとかあるのですか?」
――火遊びは男の子のたしなみです
千早「(あ、本気で言ってるわこの人)」
千早「具材も十分火が通ったみたいね」
ライラ「カレールーを入れるのですか?」
千早「ええ。あとは煮込むだけね」
ライラ「千早さん千早さん、飯盒から水がこぼれているのですが」
千早「えっ!?」
ライラ「Pさん、どうしたらよいのでしょうか?」
――そのままで。ジュウジュウ吹いたら火を引いて、赤子泣いても蓋とるなってやつですね
ライラ「ライラさん初めて聞く言葉ですねー」
――始めチョロチョロ中パッパ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて、赤子泣いても蓋とるな、最後にワラを一握りパッと燃え立ちゃ出来上がり
千早「何かの歌ですか?」
――火でご飯を炊くときのの鉄則です。今は炊飯器を使いますから知らなくて当然ですが
ライラ「なんだかおもしろい歌ですねー」
千早「そんな歌があったのね」
ライラ「ライラさんまた一つ賢くなりましたよー」
千早「カレーもそろそろ良さそうよ」
ライラ「ライラさん食器の準備をして来ますですよ」
千早「ありがとう、ライラさん」
ライラ「お任せくださいー」
千早「それでは」
「「いただきます」」
ライラ「おなかペコペコでございます」
千早「慣れないことをしたから余計にそう感じるわね」
――どうですか、野外で作った料理は
ライラ「カレーが水っぽいですねー」
千早「お米はちょっと硬いわ」
ライラ「でも、美味しいですよ」
千早「本当に。なんでかしら?」
ライラ「一生懸命頑張ったからですよ」
千早「……そういうものかもしれないわね」
――今の時代、薪の火で料理をする機会はそうありませんからね
ライラ「そうですねー。とても熱かったのですよ」
千早「確かにね。普段の当り前がどれだけ便利だったのか痛感したわ」
ライラ「……おかわりしてもよろしいでしょうか?」
千早「(早い)」
ライラ「いつもよりいっぱい食べられますねー」
千早「それはそうかも」
ライラ「幸せでございますー」
千早「ふふっ」
【汗をかいたら ※オフレコ】
――この時間はシャワーが使えますので、汗を流してきてはどうですか?
千早「え、良いんですか?」
ライラ「まだちょっと後片付けが残っていますですが」
――お疲れでしょうし、残りはこちらでやっておきますよ
千早「あ、ありがとうございます」
ライラ「ではお言葉に甘えさせていただきますですよー」
千早「(個室にシャワーだけ……まぁ、汗を流せるだけでもありがたいわ)」
ライラ「この大きさなら一緒に入っても大丈夫でございますね」
千早「え、ちょっとライラさん?」
ライラ「ダメでしょうか」
千早「いえ、ダメというわけではないけれど……」
ライラ「ありがとうございますですよー」
千早「(ああ、これ多分言っても無駄なパターンね)」
ライラ「おー、やっぱり千早さんはキレイですねー」
千早「………ライラさんも、その、素敵……だと思うわよ? エキゾチックって、こういうことなんだなって」
ライラ「えへへー」
千早「(……無性に恥ずかしい)」
ライラ「千早さん、ちょっとよろしいでしょうか」
千早「どうしたの、ライラさん?」
ライラ「プロデューサー殿には止められたのですが、やっぱりお聞きしたいことがあるのですよ」
千早「何かしら?」
ライラ「失礼なことをお聞きするのですが、千早さんは体型のことでお悩みなのでしょうか?」
千早「…………へ?」
ライラ「ライラさんが『ペタンコンビ』って言った時、浮かない顔をしておいででしたので」
千早「(誤魔化せてなかったってことなのね)」
千早「……気にしていないって言うとウソになっちゃうかしら」
千早「あからさまに指摘されたり、からかったりされると……ね」
ライラ「やっぱり、ライラさんは悪いことをしてしまったのですね」
千早「ああ、違うの。ライラさんは悪くないの」
ライラ「?」
千早「あの時はちょっと自己嫌悪しちゃって」
千早「そういうことを気にしてるって、ライラさんに気付かれたくなくてウソついちゃったから」
ライラ「そうだったのですかー」
千早「女性的な魅力に欠ける体型だっていうのは分かってるんだけれど」
ライラ「そんなことはないのでございます!」
千早「……ライラさん?」
ライラ「えっと、なんでございましたでしょうか……そう、『ヒンニュウはステータス』なのでございます!!」
千早「あの……いったい何を………」
ライラ「愛海ちゃんも言っていたのです、『大きさじゃないんだよ』と。」
千早「……えっと、その」
ライラ「ああ、愛海ちゃんというのは同じ事務所のアイドルの棟方愛海ちゃんのことなのですよ」
千早「いえ、そういうことじゃなくてね……」
千早「(棟方さん……? 確か真がそんな名前のアイドルと共演したとか言っていたような)」
ライラ「『女性の胸には、大小はあってもキセンはない』のですよ」
千早「(所々言葉の意味が分かってなさそうなんだけれど……励ましてくれてる、のよね?)」
ライラ「つまりでございますね」
千早「……ふふっ」
ライラ「千早さん、どうかしましたですか?」
千早「いえね、なんだかどうでもよくなっちゃったというか」
ライラ「? よくわかりませんですよ」
千早「こっちのことだからいいのよ。ありがとう、ライラさん」
ライラ「あー、どういたしまして? ですよ」
ライラ「(……元気になっていただけたようなので良しなのです)」
本日はこんなところで
海とかプールとかお風呂とかのリクエストが多かったのはなぜなのでしょうか
私にはよくわかりません(目をそむけながら
オフレコ部分がバレたら765事務所は大変なことになりそうです
一乙です
もちろんシャワーシーンも書いてくれるんですよね(迫真)
【キャンプの夜と言えば】
千早「山の夜って、こんなにも暗いのね」
ライラ「お月様が綺麗ですよ?」
千早「そうね。それに夜空がこんなにも大きい」
ライラ「素敵ですねー」
――さて、キャンプの夜のお楽しみと言えば?
千早「……えっと、どういうことをするのかしら」
ライラ「うーん、肝試しやキャンプファイヤーでしょうか」
千早「き、きもっ……」
ライラ「おや、千早さんは怖いのはダメでございますか?」
千早「い、いえ、決してダメというわけでは……進んでやりたいわけでもないけれど」
――肝試しにすればよかったですね
千早「ちょ、Pさん!?」
ライラ「(慌てる千早さん、可愛らしいですねー)」
――残念ながらキャンプファイヤーの準備しかしていないんですよね
千早「え? でも私たちしかいないのですが……」
ライラ「あー、歌ったり踊ったりしてもちょっと寂しいかもしれませんねー」
――今回は火を囲んでお話をする、そういう集まりです
千早「そういうものもあるんですか」
ライラ「お話ですかー。なんだか面白そうでございますね」
――では、会場はあちらです
ライラ「おー、道に灯りがともっていますよ」
千早「あれ、お昼に私たちが作ったランタンじゃないかしら」
ライラ「本当でございますね。なんだか嬉しいですよ」
千早「こんな風に使うつもりだったのね」
ライラ「とてもキレイですねー」
千早「ええ」
――足元が暗いので、こっちのランタンもどうぞ
ライラ「おー、Pさんお手製の手持ちランタンですねー」
千早「提灯を持ってるみたいね」
ライラ「提灯でございますか?」
千早「本物とはだいぶ違うけれど」
ライラ「そうなのですか。ライラさん本物の方にも興味津々ですねー」
千早「それじゃ、行きましょうか」
ライラ「はいですー」
千早「で、どういう話をするものなんですか?」
――今日のこと、昨日のこと、明日のこと。夢、悩み、なんでも結構です
千早「何でもって、そういうのが一番困るんですが」
――そうですね。では、今日一日どうでしたか?
ライラ「とても面白かったですよー」
千早「私も。何もかもが新鮮で、とてもいい経験ができました」
ライラ「失敗もしてしまいましたが、千早さんと一緒に頑張れて楽しかったです」
千早「そういえばPさん、意図的にアドバイスを少なくしてませんでしたか?」
――お気づきでしたか
千早「危険さえなければ、失敗するまで放置していたような気がします」
ライラ「ほー、そうだったのですか」
千早「インストラクターとして、それはどうかとも思うのですが」
ライラ「でもライラさんは、千早さんと色々考えて頑張るの楽しかったですよ?」
千早「それはまあ、確かにそうなのだけれど」
――私としては、もっと失敗して欲しかったのですが
千早「へ?」
ライラ「もしかしてイジワルでございますか?」
――とんでもない。人というのは失敗を経験して、考えて工夫するようになるものですから
千早「考えて、工夫する……」
――それに、最初から答えがわかっていたらつまらないでしょう?
ライラ「なるほどー」
千早「……協力して、試行錯誤したからこその達成感だったのかしら」
ライラ「ライラさんも千早さんも頑張りましたからねー」
千早「…………で、本音は?」
――ハプニングがないとTV的にマズいので
千早「……そんなことだろうと思いました」
ライラ「でも、それだけでも無さそうなお顔ですよ?」
――……ライラさんなかなか鋭いですね
ライラ「えへへー」
千早「では、実際のところは?」
――お二人に色々な経験をして欲しかった、ということで
千早「なんだかちょっと誤魔化された感じね」
ライラ「でも、楽しいのでいいのですよ」
千早「……それもそうかしらね」
ライラ「ライラさんはPさんのお話も聞いてみたいですねー」
千早「どういうこと?」
ライラ「Pさんはライラさんの知らない色んなことを知っておいでですので」
千早「そういえば、どこでこういうことを覚えたのか、気になるわね」
ライラ「というわけでお願いしますー」
――では、今のお二人の年頃に無人島に行った話でもしましょうか
千早「無人島!?」
――――――
――――
――
【眠りに就く、その前に ※オフレコ】
――それでは、おやすみなさい
ライラ「おやすみですよー」
千早「おやすみなさい」
ライラ「千早さん、明日は何時からですか?」
千早「えーと、そんなに早くないみたいね」
千早「(相変わらず細かい予定は知らせてくれないのよね)」
ライラ「では、もう少しお話しできるのですね」
千早「あんまり遅くならないように、ね」
ライラ「はいですー」
千早「寝袋で寝るのって、なんだかワクワクするわね」
ライラ「あー、わかりますです。何ででしょうか?」
千早「何というかこう、キャンプをしている、って感じになるわ」
ライラ「えへへー、いつもと違う感じでございますね」
千早「ふふ、そうね」
ライラ「……千早さん、ちょっとお聞きしたいことがあるのですが」
千早「何かしら」
ライラ「千早さんには、お慕いする男性はいらっしゃるのでしょうか?」
千早「…………えーと、それはつまり、そういう?」
ライラ「はいです」
千早「……私がアイドルでいる間はいない、というのが答えかしら」
ライラ「おー、大人なお答えでございますね」
ライラ「ライラさんはてっきり、プロデューサーさんがそういう人なのかと」
千早「…………えー、ノ、ノーコメントでいいかしら」
ライラ「では、そういうことでー」
千早「でも、急にどうしたの?」
ライラ「ライラさんは男性をお慕いするという気持ちがよくわからないのですよ」
千早「そうなの?」
ライラ「お友達や家族の好きは分かるのですが、それとは違うのですよね?」
千早「そうね、違うと思うわ」
ライラ「それで、どんな風なのかを聞いてみたかったのです」
千早「うーん……多分、理屈ではなくて、その時になったら自然にわかるものなんじゃないかしら」
ライラ「そうなのですかー」
千早「私も、自信はないのだけれど」
ライラ「では、家出をして正解だったのですねー」
千早「……どういうこと?」
ライラ「ライラさん、家ではパパから結婚しろとうるさく言われていたのですよ」
千早「へ? 結婚?」
ライラ「相手の方は写真でしか見たことがないのですが」
ライラ「お金持ちだったり昔から有名だったり、そういう家の方でしたねー」
千早「(え? ライラさんってひょっとしてすごいお嬢様なの?)」
ライラ「その話を聞くたびに胸のあたりがモヤモヤーっとして、嫌な感じだったのです」
ライラ「でも、パパはライラさんの話を聞いてくれませんでしたので、家出することにしたのですよ」
千早「……何かの物語みたい」
ライラ「男の人をお慕いする気持ちがわかれば、パパともちゃんとお話しできるかなーと思ったのですが」
千早「難しい問題ね。人の気持ちって、思うようにはならないものだから」
ライラ「人に聞いても分からないということが分かったので、良いのでございます」
千早「そう?」
ライラ「ですので、ライラさんはアイドルをもっと頑張ることに決めたのです」
千早「そういえば、お母様はどうしているの?」
ライラ「ママはライラさんのことを応援してくれているのでございますよ」
千早「(お母様とはうまくいっているのね、よかった)」
ライラ「ママは言っていました。『パパが口出しできないくらいのアイドルになっちゃいなさい』と」
ライラ「そうすればパパの言うままに結婚しなくてもいいのだそうですよ」
千早「ふふっ、素敵なお母様ね」
ライラ「はい! 世界一のママですー」
千早「(ちょっと羨ましい、かな)」
ライラ「なので、ライラさんは千早さんを目標にこれからも頑張っていくのですよ」
千早「責任重大ね」
ライラ「いつかきっと、追い抜いて見せるのです」
千早「あら、そう簡単にはいかないわよ?」
ライラ「……えへへー」
千早「……ふふ」
本日はここまで
蛇足な話ですが、Pの話は実体験に基づいています
>>51
ありがとうございます
もっと赤裸々なシーンに関してはまた別n...
乙
実体験ってお前無人島行ったのかよぉ!?
【日課、人によっては特訓】
~~~~♪
ライラ「…………?」
ライラ「……ふわぁ、……あれ、千早さんがいないのですよ」
~~♪
ライラ「……千早さんの、声? 外から聞こえますねー」
千早「おはようライラさん」
ライラ「おはようございますですよー」
千早「ひょっとして起こしちゃった?」
ライラ「いえー、大丈夫なのです。千早さんはトレーニングでございますか?」
千早「そんなにかしこまったものでもないわ。日課みたいなものね」
千早「あとは発声練習をして、それでおしまい」
ライラ「ライラさんもー」
千早「ふふ、一緒にする?」
ライラ「はいです」
千早「じゃあ、私の後に続いて、ね」
千早「ラ―――――――」
ライラ「ラ――ーー―――」
千早「途中で音がぶれたわね。もう一度行きましょうか」
ライラ「ラ―――――」
千早「今度は音を意識し過ぎで伸びが足りないわね。はい、もう一度」
ライラ「ラ――――――--」
千早「惜しいわ。最後まで気を抜かずに、はい」
ライラ「ラ―――――――」
千早「そう、その感じ。じゃあ次は……」
ライラ「(……これが日課、でございますか)」
――――――
――――
――
千早「ライラさん、大丈夫?」
ライラ「……ちょっと疲れたのですよ」
千早「ごめんなさい。思わず力が入っちゃって……」
ライラ「大丈夫でございます。ライラさん、頑張ると決めましたので」
千早「そう?」
――おはようございます。もうよろしいのですか?
ライラ「あ、おはようございますです」
千早「おはようございます……って、まさか」
――ばっちり撮ったようですよ?
ライラ「おー、ちょっと恥ずかしいですねー」
千早「……不意打ちは卑怯だと思います」
ライラ「ライラさんは気にしませんですよ?」
千早「いや、あの…………ふぅ、まあいいわ」
――では、朝食にしましょう
ライラ「えーと、カートンドッグ、でございますか?」
千早「材料を見る限りホットドッグとあまり変わらないみたいね」
ライラ「お腹空きましたので早速作りましょー」
千早「好きな具材をパンに挟むということだけど」
ライラ「ライラさんはウインナーとツナマヨでございますー」
千早「私は普通にウインナーとキャベツにしようかしら」
ライラ「これをアルミホイルで包んで牛乳パックに入れるのですか」
千早「Pさん、この後どうするんですか?」
――これを使ってください
千早「……ライター?」
ライラ「もしかして燃やしてしまうのです?」
千早「えっと、それ、大丈夫なんですか?」
――まあ、やっちゃってください
ライラ「わかりましたー」
千早「(こういう時ライラさんは躊躇わないわね。ちょっと見習ったほうがいいのかしら)」
ライラ「おー、すごい勢いで燃えますねー」
千早「本当に大丈夫なのかしら……」
ライラ「美味しそうな匂いでございます」
千早「冷めないうちにいただきましょうか」
ライラ「はいですー」
「「いただきます」」
ライラ「おー、温かくて美味しいですねー」
千早「本当。よくあるホットドッグとあまり変わらない筈なのにね」
ライラ「きっと目の前で燃やしたからですよー」
千早「そ、そうなのかしら」
ライラ「……Pさん、おかわりはあるのでしょうか」
千早「(相変わらず早いわ)」
――お好きなように作ってもらって結構ですよ
ライラ「ちなみにPさんはどんな具なのですか?」
――キャベツ、チーズ、その上にウインナーです
ライラ「おー、ではライラさん次はそれを作ってみますですよ」
千早「あ、それ美味しそうかも……」
【ほんの偶然】
ライラ「美味しかったですねー」
千早「まさかライラさん、四つも食べるとは思わなかったわ」
ライラ「えへへー、さすがにお腹いっぱいでございます」
千早「この後はちょっとゆっくりできるみたいだし、広場でのんびりする?」
ライラ「それは素敵ですねー」
千早「じゃあ、行きましょうか」
ライラ「おや、先客がいらっしゃるようですね」
千早「家族連れ、かしら」
ライラ「ちょっとご挨拶してくるですよ」
千早「あの、ライラさん?」
――おはようございますですー
千早「相変わらず自由ね」
千早「(さて、私も行こうかしら)」
ライラ「あ、千早さん」
――え? 如月千早!?
千早「初めまして。少しお邪魔してもよろしいでしょうか」
ライラ「なんと、ご家族でバーベキューだそうでございますよ」
――ちょっとあなた、如月千早よ!
千早「実はこれ、テレビなんですが大丈夫でしょうか?」
――え、ええ、大丈夫です
ライラ「おー、可愛いお子さんでございますねー」
――おねーちゃんだれー?
ライラ「ライラさんはライラさんですよー」
――らいらさんー?
ライラ「はいですー。ライラさんはアイドルなのですよー」
――あいどるー?
ライラ「ライラさんと一緒に遊びませんですか?」
――うん、いくー
――千早ちゃんが目の前に……
――いや、お前ちょっと落ち着け
――何言ってるの!! あの千早ちゃんなのよ!?
千早「あのー……」
――すみません、こいつのことは無視しちゃってください
千早「はぁ。……皆さんはどうしてここに?」
――結婚記念日なんですよ。毎年どこか連れてけってうるさくて
――何言ってるの、あなたがプロポーズの時に約束したんじゃない
千早「ふふっ、仲がよろしいんですね」
――こんな言い合いは絶えませんけどね
千早「でも、約束守っていらっしゃるんでしょう?」
――それがこの人のいいところなんですよ
――お前、そういうことを臆面もなく……
千早「素敵なご主人ですね」
――――――
――――
――
――おかーさんただいまー
――遊んでもらったの? よかったわね
――うんっ
ライラ「えへへー、ただいまですよ」
千早「お帰りなさい、ライラさん」
ライラ「すっごく可愛かったのですよー」
千早「お二人は今日、結婚記念日なんですって」
ライラ「おー、それはおめでたいでございますねー」
千早「でね、ちょっと提案があるのだけど……」
ライラ「……それならライラさんも大丈夫ですよー」
千早「じゃあ、行きましょうか」
千早「こうやって記念日に出会えたのも何かの縁ですし、プレゼントをしたいのですが」
――そんな気を遣って頂かなくても
――私は千早ちゃんに会えただけでもう何もいりません!!
ライラ「今日も、来年も、その先も皆さんが幸せならいいなーと思ったのです」
千早「今私たちにできるのは歌を歌うくらいなので」
――おうた?
ライラ「はいですー」
――そそそ、そんなもったいない!
――だからお前は落ち着け
千早「気に入っていただけると嬉しいのですが」
ライラ「一生懸命歌いますねー」
https://www.youtube.com/watch?v=QSC5Qk7eWlE
千早「いかがでしたでしょうか」
――人生で一番の宝物です!!
――いや、俺の立場は?
――じゃあ同率一位にしておいてあげる
――おうたとってもじょうずだったー
ライラ「ありがとうですよー」
――同率一位……お、おう、ありがと
――まったく、こんなこと言わせないでよね
千早「ふふっ、皆さんこれからも末永くお幸せに」
ライラ「さよならですー」
――ばいばーい
***************************
千早「というわけで、予定は未定、キャンプ編をお送りしました」
ライラ「後片付けはいいのですか?」
――いい場面が撮れたので、もういらないそうです
千早「……いつも通りのアバウトさね」
ライラ「でも、素敵な出会いでございましたねー」
千早「本当に幸せそうだったものね」
ライラ「ライラさんも皆さんに幸せをお届けしたいですねー」
千早「きっと大丈夫よ」
ライラ「千早さんが言うなら大丈夫でございますね」
千早「それでは『予定は未定』、今回も如月千早と」
ライラ「ライラさんでお送りしましたー」
千早「時間を拡大してのスペシャル、お付き合いいただきましてありがとうございました」
ライラ「なお、次回の予定はまたもや未定でございますよー」
千早「もう、動揺しなくなってきたわ」
ライラ「またどこかに行きたいですねー」
千早「行けるといいわね」
ライラ「それでは、またお会いしましょー」
千早「……大丈夫、きっと大丈夫」
一旦ここで
おまけ書いてきます
夜には投下できると思います
>>68
最低限の米と水、あとは現地調達なサバイバル
よゐこ濱口の何年か前にやりました
***************************
【765プロ事務所】
真「おっはよーございまーす」
千早「おはよう、真」
真「あれ、千早今日は早いんだね」
千早「レッスンの前にプロデューサーと打ち合わせなの」
真「ああ、そういうこと」
千早「お茶淹れるけれど、真も飲む?」
真「うん、ありがと……へへっ」
千早「どうかしたの?」
真「いやぁ、千早がお茶を淹れてくれる姿も見慣れてきたなぁって」
千早「まだまだ萩原さんには遠く及ばないけれどね」
真「雪歩の場合、事務所に着いたらもうお茶用意されてるもんね」
千早「その上、温度管理も完璧」
真「まぁ、あれは雪歩だからこそというか」
千早「私も精進しないとね」
真「でもボク、千早のお茶も好きだよ?」
千早「光栄だわ……はい」
真「ありがと……うん、美味しい」
千早「そう言ってもらえると、淹れた甲斐があるわね」
千早「そういえば真、以前CGプロの棟方さんって子と共演したって言ってなかった?」
真「……ああ、愛海ちゃんか。それがどうかしたの?」
千早「どういう子なのかなって」
真「女の子ーって感じの、すっごく可愛い子だったよ。写真見る?」
千早「ありがとう。本当、可愛らしい感じの子ね」
真「えーっと、確か14歳だからやよいと同い年だね」
千早「……あの、真? 次の写真はいったい何があったの?」
真「あー、見ちゃったかー」
千早「棟方さん、男の人に羽交い絞めにされているのだけど」
真「楽屋で挨拶した後にさ、悪寒を感じて振り返ったらそうなってた」
千早「どういうことなの……」
真「愛海ちゃんのプロデューサーさんによると、女の人のお山を見ると登らずにはいられないんだって」
真「ちなみに、羽交い絞めにしてるのがプロデューサーさんね」
千早「お山? 登る?」
真「早い話が、女の人の胸が大好きなんだって」
千早「…………へ?」
真「その時の話、聞く?」
千早「……え、ええ」
モバP『愛海ぃぃ、お前今日は我慢するって言ってたよなぁぁ!!』
愛海『だってプロデューサー、真さんだよ? 菊地真さんのお山なんだよ!?』
モバP『尚更悪いわっ! 相手見ろっていつも言ってんだろうがぁ!!』
愛海『こんな素敵な人のお山、登らないほうが失礼だよ!?』
モバP『アホかっ!!』
愛海『アホでいいから放して、プロデューサー!!』
真「大体こんな感じ」
千早「……理解が追い付かないのだけれど」
真「で、ウチのプロデューサーが間に入ったんだけど」
P『手を放してもらって大丈夫ですよ』
モバP『い、いやしかし……』
P『ウチの菊地なら問題ありませんので』
真『プロデューサー!?』
愛海『菊地さんのお山、登ってもいいんですか!?』
P『登れるものなら、ですが』
愛海『へ?』
P『真、本気出していいぞ。ただし防御だけな』
真『プロデューサーがそう言うなら……』
モバP『その、本当に……?』
愛海『ほら、何も問題ないじゃん。真さん、覚悟ーっ!!』
千早「……で、どうなったの?」
真「10分くらい捌き続けてたら諦めてくれた」
千早「本気の真相手に10分保つって凄いわね」
真「並々ならぬ熱意を感じたよ」
千早「問題は熱意の方向性よね」
愛海『ゼェ、ゼェ……も、もう無理…』
真『大丈夫、愛海ちゃん?』
愛海『……は、はい、大丈夫です……』
真『うーん、ボクみたいな小さい胸、触っても面白くないと思うんだけどなぁ』
愛海『それは違います!!』
真『ふぇ?』
愛海『大きさじゃないんです! お山はただそれだけで尊いんです!!』
真『そ、そうなんだ。あはは……』
真「それからしばらく愛海ちゃんの語りを聞いてたんだけど……」
千早「……言葉を失うって、こういう時に使うのね」
真「でも、ちょっと嬉しかったりもしたんだよね」
千早「どういうこと?」
真「だって、愛海ちゃんは最初からボクを女の子として見ててくれたわけだし」
千早「あら、真は十分以上に可愛い女の子だと思うわよ?」
真「へ?」
千早「ふふ」
真「あー、千早にからかわれる時が来るなんてね」
千早「心外ね。私は本当にそう思ってるのに」
真「……へへっ」
千早「……ふふっ」
<終わった?>
今回のお話はここまで
お付き合いいただきましてありがとうございました
少々自分の趣味に偏ってしまった感はありますが、お楽しみいただけたなら幸いです
なお、愛海の担当Pとライラさんの担当Pは別人設定です
次は……イベント合わせで書けたらなぁ、と
あくまで未定ですが
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