洋榎「インハイ終わってから恭子の付き合いが悪い」 (132)
※関西弁変ですごめんなさい。
―――9月初旬 教室内―――
洋榎「夏休み中ずっと塞ぎ込んでてやっと出てきたー思うてたら麻雀部に入り浸り」
洋榎「元気になったのはええんやけど、二学期も始まってとっくに引き継ぎも終わったゆうのに後進の育成やとか言うて全然ウチらに付き合うてくれへん」
洋榎「なぁこれどう思う由子」
由子「まぁインハイ直後の恭子からしたら……回復しただけいいと思うのよー」
洋榎「あー、あん時は相当沈んでたなぁ……」
由子「本人なりに責任感じてて、その結果が今の恭子だと思うのよー」
洋榎「いやいやいや、ウチらが負けたんは恭子のせいやないやろ!」
由子「皆わかってるけど、ほら、恭子は責任感が強いから……」
洋榎「……しゃーないなー、そんならうちらも久しぶりに部活に顔だしたるか!」
由子「そうねー、洋榎が恭子のこと心配で仕方ないみたいだし、私も付き合うわー」
洋榎「ちゃうわ!う、うちはただ恭子がええと……そう、恭子が先輩風吹かせて新体制に悪影響与えてないかをやな!」
由子「はいはい、洋榎の気持ちはわかったからさっさと部室にいくのよー」(グイグイ
洋榎「いや、お前それ絶対わかっとらんわ!……わ、わかったから押すのやめぇや!」
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―――麻雀部 部室―――
(ガラガラ)
洋榎「邪魔するでー」由子「のよー」
恭子「邪魔するんやったら帰ってくださいー」
洋榎「そっか、邪魔したなー」(ピシャン)
(ガラガラ)
洋榎「ってなんでやねん!」
恭子「冗談ですって、それで今日はどないしたんです主sy……じゃなく、元主将にゆーこも」
洋榎「あー、いや、特になんもないんやけど、ちょっと麻雀部の事が気になってな?それにたまには牌触っとかなあかんし」
恭子「そうですか、それなら丁度漫ちゃんが終わるところですんで相手してあげてください、漫ちゃんも喜びますわ」
漫「……えっ?」
恭子「ということで漫ちゃん……聞いとったな? 次は先輩達が胸貸してくれるから、しっかり頑張りいな?」
漫「っ、いえ、打つのはええんですけど、それって罰ゲームとか絡んだりしませんよね?」
恭子「何言っとるん、元主将達も卒業するまではココに籍があるんや、勿論ラス引いたら油性やからな」
漫「そ、そんな殺生な!」
(キャッキャ)
洋榎(なんや恭子、楽しそうやないか、もう完全に吹っ切れてたみたいやな)
洋榎「まー、そういう事ならうちに任しとき! しっかりへこましたるからなー!」
由子「愛の鞭狙い撃ちなのよー」
漫「堪忍してくださいー!」
末モブじゃないよね?
モブ出すならやめてよ?
末原に擦り寄るの気持ち悪いから
>>3
モブキャラはなるべく出したくないので予定はないです
出たらごめんなさい
~~1時間後~~
洋榎「ま、うちが本気出せばこんなもんやな」
漫「うっ……うぅっ、何もほんまに狙い撃つことないやないですか……」
洋榎「何ゆーとんのや、漫が勝手にこっちの大物手に飛び込んできたんやないかい」
由子「防御がおろそかだったのよー」
漫「言っても、これで最近ずっと成績よかったんですよ? この前の部内ランキング一位でしたし」
洋榎「ふん、そんなうちらが引退した後のランキングなんてアテになるかい、格が違うわ」
漫「そ、そんなぁ」
恭子「はーい、じゃぁ覚悟はええなー漫ちゃん」
漫「す、末原先輩っ、ま、待ってください!ほら、主将も言ってたやないですか、格が違うって!」
漫「ノーカンでっ!今回だけノーカンでお願いします!」
恭子「甘えとったらアカン、来年は漫ちゃん達が姫松の看板背負って戦うんや、これは愛の鞭なんや」(キュポン)
漫「や、いや……!そ、そんならせめて水性で……いややああああああああああああ」
―――帰り道―――
洋榎「いやー、勝った勝った、……あいつ等来年大丈夫なんかいな」
恭子「まぁまだまだこれからですよ、今の段階で主将に並んでたらそれこそ驚きですわ」
洋榎「せやなー、うちがすごすぎるからしゃーないか」
恭子「もうプロに内定してるんですよね?流石です」
洋榎「おっ、なんやもう知っとったんか、インハイ終わってからあんま絡みなかったからてっきり……あっ」
恭子「…………そう、ですね」
洋榎「や、ちゃうねん! インハイの話したかったわけやなくてやな!」
洋榎「そ、そんな事よりなんでうちがプロに行くって知ってたん? せっかくやし驚かしたかったのに」
恭子「……あ、それは、主将がこの前教えてくれたんですよ」
洋榎「主将って……あー、絹の事か、しまったなぁちゃんと口止めしとくんやったわ」
恭子「口止めしても無駄やったと思いますよ、絹ちゃ…主将むっちゃ嬉しそうでしたから」
洋榎「そうなんか……ところで恭子、ずっと引っかかっとったんやけど主将やら絹ちゃんやら元主将やら、めんどくさい呼び方しとるなぁ」
恭子「そうですね、どうしても慣れんうちは前の呼び方がポロっと出てしまうんです」
洋榎「……あんな? 恭子の拘りは知っとる、絹が主将になったんやから絹の事をそう呼ぶのはわかる」
洋榎「でも、もうウチはええやろ、もう主将やないんや」
恭子「そう、ですね……」
洋榎「敬語ももういらんやろ、な、以前みたいに話してくれへん?」
恭子「……慣れないうちはたまに敬語出てまうかもしれんけど」
洋榎「それでええわ、いやー、恭子に敬語使われてるのずっとくすぐったかったんや」
恭子「そっか、うん、ありがとな、洋榎」(ニコッ
洋榎(ドキッ)
洋榎「そ、そや、それでええんやっ/// なんも気ぃ遣うことなんてないんやからな!」
恭子「? うん、ありがとうな」
洋榎「それでええと、何の話やったっけ」
恭子「洋榎がプロに行くーって話やなかったっけ」
洋榎「あぁ、そやったな、ま、うちはそんな感じや、恭子の方はどないなってんねん?」
恭子「うちか?」
洋榎「そや、まぁ恭子のことやしとっくに進路は決まっとるんやろうけど」
恭子「そやなぁ……地元の大学に行こかと思ってたんやけど、最近ちょっと考えることが多くてなぁ」
洋榎「そうなんか?」
恭子「まぁ、進学なんは変わらんから今は要勉強や……っとちょっとごめんな」(スマホイジイジ
洋榎(気付いたことがある)
洋榎(恭子は前より明らかに携帯弄る頻度があがっとる……それもたまに凄くあったかい顔で笑ってたり)
洋榎(もしかしたらインハイから立ち直らせてくれたのはその相手なんかな……なんやちょっと気になるわ)
(テクテク)
洋榎「なー、恭子ー?」
恭子「………(イジイジ)」
洋榎「おーい、聞こえとるかー?」
恭子「……あっ、すんません、まだあんまスマホに慣れてなくて」
洋榎「敬語戻ってんで、まぁそれよりさっきからLINEか何かで話してる相手って誰なん?」
恭子「あっええとそれは」
(スマホヒョイ)
洋榎「ちょいと貸してーな」
恭子「ちょっ!洋榎、それはアカンやろ!プライバシーの侵害や!」
洋榎「ええやんええやん、ちょっとだけやー……ええと、最新のメッセージはっと……」
1.宮永咲
2.上重漫
3.赤阪郁乃
4.園城寺怜
5.荒川憩
↓恭子と会話してた人(数字で選んでください)
恭子「やめっ、はよこっち渡し!」(腕ブンブン
(ヒョイヒョイ)
洋榎「ええと、最新の相手は宮永、咲……? 宮永咲言うたらあの大将戦の……」
恭子「っ……!!」
恭子「もっ、ええ加減にっ、せぇや!」(キャッチ
洋榎「履歴はっうわっ、危ないやん恭子」
恭子「…………(ジトー」
洋榎「あっ……いや、悪かったな」
恭子「サイテーですわ元主将」
洋榎「いや、ほんますまんて、どうしても気になってもうたんや、許してや恭子」
恭子「それやったらただ私に聞けばええんです、そしたら別に隠してるわけやないし教えとったんです(ジトメ」
洋榎「ああうん、すまんてっ…な?機嫌直してや?」
恭子「もう元主将なんて知らんです」(テクテク
洋榎「……ほんっと、すまんかった!!!」(マワリコミドゲザー
恭子「ちょ!主将!? やめてくださいこんな天下の往来で!」
洋榎「恭子が許してくれへんならやめへん!」(ドゲザー
恭子「……っ、仕方あらへんな、もう……」
恭子「ええよ、もう、はよ顔あげぇ、来年プロになるいう女がいらん恥さらすなや」
洋榎「いらん事やない」
恭子「わかった、わかったからもうええて、ちょっとうちも大人げなかったな」
恭子「でも、もうこういう事したらあかんで」
洋榎「うん、ごめんな恭子……」
恭子「せやからもうええって、な、そんならあっちの店でたこ焼き買ってくれや、それで手打ちってことにしよ」
今日はここまでにします
次から咲恭か洋恭になると思います、付き合ってくれてありがとうございました
―――公園―――
洋榎「恭子はまじめやなぁ、歩きながらでええのに」
恭子「何言うてんの、食べ歩きなんて危ないし、もう来年からプロになるんやろ?今からマナーも気にせなあかんわ」
洋榎「めんどくさいなぁ、そんな気取る気ぃないし、たこ焼きは歩き食いするのも風情のうちやん」
恭子「まぁそんな事言わんと……うん、この辺でええやろ、さ、食べよ?」(ベンチスワリポンポン)
洋榎「ん?うちも食べてええんか?」
恭子「一人で食べるなんて気分悪いわ、それに爪楊枝4本も貰っておいて何言うてんねん」
洋榎「あ、気付いとったか? そんなら遠慮なくー」(ヒョイ)
恭子「えー……ウチより先に食うんかいな、ま、ええけど……いただきます」(モグモグ)
恭子「ん……!」(首コクコク)
洋榎「んぐんぐ……うんっ、美味いなーココのたこ焼き」(ヒョイヒョイ)
恭子「そやな、ここは中々……要チェックやな、こんな美味いならえび焼きーいうのも買ってもらえばよかったな」
洋榎「えー、あんなん邪道やろ、なんや見た目も不気味やし」
恭子「あれはあれでかわええと思うけどなぁ」
洋榎「そか?まぁそんなら今度帰るときはまた寄って行こうや」
恭子「そやなぁ、洋榎が今度麻雀部に顔出した時の楽しみにするわ」
洋榎「全く恭子はほんま部活熱心やなぁ」(ハフハフ)
恭子「来年はうちらの分も背負って頑張ってもらわなあかんからな」
恭子「ほんまは洋榎やゆっこも顔だしてくれたらええんやけどな、格上と戦うんは大事やし」
洋榎「嬉しいこと言うてくれるやんか、まぁでも……うちらがいつまでも顔出してるとあいつらもやりにくいんちゃうかな」
恭子「え?」
洋榎「うちら引き継ぎも終わった身やし、たまに遊びに行くくらいで、後は絹と代行がまとめてくのが一番やないかと思うわ」
恭子「それは……確かにそうかもしれないですね」
洋榎「せやろー? 恭子は責任感が強すぎるんや、もううちら引退した身なんやしもっと自分の事やっていかな」
恭子「まぁ、善処しますわ……でも今自分の事っていうとやっぱり麻雀部の事が頭に浮かんでくるんです」
洋榎「ふーむ……まぁ、恭子がそれでええんならええわ、絹が恭子邪魔やーいうまでは静観したるし」
恭子「部の事に口出しする気とかはないけど……でもそれすごい助かるわ、絹ちゃ、新主将がうざいって思ってたら伝えてくれな」
恭子「嫌な先輩やー思われたないし」(アハハ
洋榎「おうおう、そこは洋榎さんに任しときー」
洋榎(恭子の機嫌ももう元通りやな、話切り出すなら今かもしれへん)
洋榎「ところでなぁ恭子」
恭子「ん、どしたん?」
洋榎「>>25」
1.なんでそこまで麻雀部に入れ込むんや?
2.さっきの話なんやけど、宮永咲とはいつ知り合ったんや?
3.ところで恭子は今好きな人とかおるん?
4.そろそろ寒くなってきたし帰ろうや
2
洋榎「さっきの話なんやけど、宮永咲とはいつ知り合ったんや?」
恭子「あ……気になっとったんか?」
洋榎「そらそうやわ、だって気になるやろ」
洋榎「恭子が凹んでたのって端的に言ってしまえば宮永が原因やろ?」
洋榎「うちらが何言うてもずーっと落ちとったのに、いつのまにか回復して」
洋榎「さらに何をどう間違えたら携帯でイチャイチャ会話する仲になるんやろなって」
恭子「い、イチャイチャなんてしとらんわ!」
洋榎「そうかー? さっき携帯弄りながら恭子ニヤけてたで?」
恭子「えっ、ほ、ほんまに……?」
洋榎「そうそう、これはもう心配かけさせた詫びも兼ねてとっくりと聞かせてもらわなあかんわ」
恭子「……そやな、心配かけてすまんかったわ」
洋榎「そんなら教えてくれるんやな?」
恭子「まぁ、面白い話やないけどな」
恭子「宮永…咲ちゃんとの出会いは三ヵ月前くらいに遡る」
――――――――――――――
―――――――――――
洋榎「あ、回想入る前にええか?」
恭子「なんや」
洋榎「お前宮永の事咲ちゃんって呼んどるんか!?あと三ヵ月前ってそれ地方大会前やないか!」
恭子「……そこも説明するから回想割り込むのやめぇ」
洋榎「いやすまん、ちょっと新情報が多くて口挟んでしもたわ」
恭子「まぁ今度こそいくで、……咲ちゃんとの出会いは三ヵ月前くらいに遡る」
――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
―――――
選択肢に絹ちゃんがなかった件について訴訟不可避
咲恭も洋恭も好きだから期待
>>34
よくよく考えたら怜よりは絹ちゃんを出すべきだったと反省してます(ペッコリン
~~~麻雀部部室 6月~~~
洋榎「流石にそれ通らへんわ、ロン、8000」
漫「うぇぇ!? ってことは……」
洋榎「そ、まくったで、お疲れさん」
恭子「お疲れさまです」
モブ子「お疲れさまでした」
漫「お、お疲れさまです……」
恭子「漫ちゃんはやっぱ詰めが甘いな、ちゃんと直撃躱してればトップ目やったんに」
漫「面目次第も……で、でも!ほら、団体戦は個人の収支やなくて最終的な総合点なわけですしオーラスでも積極的にですね」
恭子「それで振り込んでたら世話ないな?」
漫「う、うぅ……すんませんです……」
洋榎「まーまー恭子、あんま苛めてやんなや、結局まくられたとはいえ、うちのいる卓でオーラスまでトップやったんやで」
漫「しゅ、主将……!」(キラキラ
恭子「主将、あんまり漫ちゃんを甘やかしてもろたら困ります……漫ちゃんは今年先鋒なんですから」
恭子「対戦相手はその高校のエース……あんまり迂闊だとその防御の薄さを狙われるかもしれへんわけで……」
恭子「つまり、失う必要のない総合点とやらを8000点も失った漫ちゃんには罰ゲームが必要なんです」(ペントリダシ
漫「ぇっ、そ、そんな!? うち今の卓2位ですよ!末原先輩より上ですよ!?……ぁっ」
恭子「……振り込まんかったらトップやったなー、さ、デコ出しぃ、今おとなしく出すならまだ水性で許したる」
漫「うぅっ……理不尽や……お手柔らかにお願いします」(ウワメヅカイ
恭子「よしよし、素直な子は好きやでー」(キュポン)
郁乃「すっえはっらちゃーん♪ 調子はどーおー?」
恭子「……なんですか、代行」
郁乃「いやー、露骨にテンション下げるのやめてやー、いくのん傷つくー」
恭子「はいはい、それでなんです? 私に用事ですか? 今漫ちゃんの教育で忙しいんですけど」
郁乃「あらーそうなん? じゃぁ漫ちゃん、ちょっと末原ちゃん借りてええー?」
漫「っ! ええですええです! 大事な話なんですよね、うちに構わんで全然連れてったってください!」
恭子「ちょ! 漫ちゃん!?」
漫「やー、私残念です末原先輩! でも監督代行のご指名ですし仕方ないですね!ごゆっくり!」
恭子「………」(ギロッ
漫「」(メソラシー
恭子「っはー……」
漫「」(ビクビクッ
恭子「それもそやな、じゃぁついでに油性も取ってくるからそれまで主将と特打ちして待っとってな漫ちゃん」
洋榎「お、おぅ、うちに任しとき」
漫「は、はいぃ……」(カタカタ
恭子「ならそういう事で、行きましょうか代行」
郁乃「はーい、それじゃぁ隣の部屋行こかー」
(ガチャ パタン)
――――――
恭子「……それで、部屋まで変えてあらたまって、何かありましたか?」
郁乃「何かってほどでもないんやけどなー」
郁乃「末原ちゃん見てて思ってたんやけどー、なんか最近末原ちゃん調子悪くなってないー?」
恭子「……まぁ、麻雀やってれば勝つこともあれば負けることもありますよ」
郁乃「でも絶対調子悪いやろー、部内の収支みても、他校との練習試合でもな? 本当は自分でも気付いてんのやろー?」
恭子「確かに最近スコアは落としてますけど……って、もしかしてあれですか、私をレギュラーから外す話ですか?」
郁乃「違う違うー、末原ちゃんの地力の高さと安定感を私は買ってるんや、外すなんて考えてへんよー」
郁乃「ただ、末原ちゃんの最近の不調について何かあるんやろかってずっと考えてたんや」
恭子「はぁ……代行も暇ですね、そんな暇あるならもっと伸び代のある漫ちゃんや絹ちゃんについて考えてほしいところです」
郁乃「いやぁー、ちゃんと理由見つけたんやからそんな冷たい事言わんといてー」
恭子「理由? いや、ですから私は……」
郁乃「三箇牧高校」
恭子「……」(ビクッ)
郁乃「末原ちゃんの牌譜な? 気になってずっと遡ってみたんやけどー、こことの練習試合以降末原ちゃんの打ち筋が崩れてんねん」
郁乃「これまでは精度が高い打ち筋と分析力を駆使した、相手に自分の麻雀をさせないようにする打ち方やった」
恭子「…………」
郁乃「今はそうやね、言ってしまえば積極性がないんよ」
郁乃「相手を倒すなんてもってのほか、なんとか最小失点で逃げ切ろう、みたいな感じかな?攻めっ気がまるでない」
郁乃「さっきの卓なんて顕著やね、漫ちゃんが爆発してから末原ちゃん一度でも上がった?」
恭子「そ、それは……」
郁乃「末原ちゃんに自覚があるかどうかはわからへんけどー」
郁乃「今の末原ちゃんは異能持ちに極端に怯えてるように見えるんよー」
郁乃「先鋒程やなくても大将だって魔物の巣窟、能力に真っ向から立ち向かえない人に務まると思う?」
恭子「……すんません」
郁乃「あっ、責めてるわけではないんやで」
郁乃「うちの勝ちパターンは中堅でがっつり稼いでそのリードを最後まで持ってくこと、逃げる力も大事やしー」
郁乃「ただもしもそのリードがなくなった時、今の末原ちゃんは魔物相手に戦うことはできんのかなーって、荒川憩みたいな魔物に」
恭子「……」カタカタ
恭子(あ、あれ……なんで私震えてんのやろ……体が勝手に)
恭子(まさか、ほんまに荒川憩にコテンパンにされたアレがトラウマとしてまだ残って……)
郁乃「やっぱりなぁ、まぁでもここで気付けてよかったー、今ならまだ全然間に合うからー」
恭子「えっ、そ、そんなん……できるんですか?」
郁乃「昔の末原ちゃんの打ち方を取り戻せばええだけやからそんな難しいことやないんよ」
郁乃「まずな? 末原ちゃんデジ打ちすら最近は精度が下がっとるって気付いてる?」
恭子「はぁ……まぁ、ほんまに攻めっ気がまるでない言うなら、そうなんでしょうね」
郁乃「多分やけど、異能を必要以上に警戒してるのが裏目に出てるんやね」
郁乃「まずは完全デジタルからー、自分の打ち方は徐々に取り戻していけばええー」
郁乃「ということで末原ちゃん、ネット麻雀はやったことあるー?」
恭子「ネト麻ですか……? まぁ中学の時やってた時期もありますが今はやってないですね」
郁乃「そうなん? どうしてやめてもうたんー?」
恭子「そら、ネト麻じゃ限界があると思ったからですよ」
恭子「インハイやら国際大会の牌譜みればみるほど、ネト麻で練習するんは限度があるって思って辞めました」
郁乃「そうやねー、ネト麻やと支配とか能力の干渉受けることってほぼないからー、リアルな麻雀とは勝手が変わってくるなー」
郁乃「そこでいくのん考えました」
郁乃「末原ちゃん、あんた今日から一週間部室出入り禁止なー?」
恭子「……は?」
郁乃「重く考えんで、リハビリやと思うてー」
郁乃「うちは名門、異能持ちもおるし空気がピリピリしとるから病人の末原ちゃんには向いてへんのよー」
恭子「誰が病人ですか誰が」
郁乃「心の病気やんー、荒川憩にトラウマ抱えていつまでもくらーい麻雀人生送りたくないやろー?」
恭子「そんな大げさな……大体、大会前に麻雀部に顔出さんなんてそんなんようできませんて」
郁乃「大丈夫、麻雀部に顔出さんでも、麻雀の練習する方法はあるから心配しなくてもええよー」
恭子「……えっと、まさかとは思いますけど」
郁乃「察しがよくて助かるわー、これからとりあえず一週間は部活時間中家でネトマやってもらうからー」
恭子「え、いや、ネト麻なんてやっても無駄だって話さっきしたやないですか!」
郁乃「いくのん無駄やなんて言うてないでー、リアルな麻雀とは勝手が違うって言うたけどなー?」
恭子「同じことです、大会前なのにわざわざそんな事……っ」
郁乃「末原ちゃん、このままだと勝てへんよ」
恭子「っ!!」
郁乃「今の末原ちゃんはな、精神が折れ曲がってる」
郁乃「異能持ちに呑まれてる今のままではインハイもそこから先もどうにもならん」
郁乃「もどかしいかもしれんけど、まずは異能もなんもないデジタルに戻って、そこから少しづつ普段通りの末原ちゃんを取り戻していくんや」
恭子「代行……」
郁乃「私は末原ちゃんは強い子だってわかってる、だから少し寄り道してでも今のうちに治してもらいたいんや」
郁乃「な? いくのんの言う事ちゃんと聞いてくれるー?」
恭子「……わかりました、わざわざ不調の原因調べてくれてありがとうございます」
郁乃「まだまだこれからやからー、そんならこれなー」つ[紙片]
恭子「なんです? これ」
郁乃「最近のネト麻ってすごい流行ってるんやってねー、学生専用サイトっていうのもあるんやってー」
郁乃「うちも提携しとるみたいでー、そこのアドレスで高校名と学籍番号入れて登録したら使えるようになるみたいやから、使ってやー」
郁乃「同じネト麻やるんでも相手が中年のおっさんよりはうら若き学生のほうがええやろ、チャット機能とかあるしなー」
恭子「そうですか、何から何までありがとうございます、それなら私もう今日は帰りますわ」
郁乃「ええよー、もしなんか聞かれても私のほうでなんとかしておくから、あとはリラックスして楽しんで打ってきてなー」
恭子「まぁ必要な事だっていうならそうします、お疲れさまでした」
全然進めずもやもやしてますが今日はココまでで
もっとささっと終わらせたい
付き合ってくれてる方いつもありがとうございます
すいませんなんか凄いエタりそうな感じででも放置も辛いので、出来た分だけ投げます
―――――
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――
洋榎「そういやあの時恭子急に早退してったなぁ」
洋榎「あの監督代行『末原ちゃんなー、至高の油性ペンを探す旅に出るんやってー』とかなんとか言ってたで」
恭子「声真似やめぇ……、というか流石にもっとマシな言い訳あるやろ!?」
洋榎「うちらがいくら聞いても代行はそんなやし、恭子も恭子で」
洋榎「恭子『代行に聞いてください、すんません』としか言わんからほんま心配したで」
恭子「うちそんな声してないわ……麻雀部行かんでネト麻してるとなんか後ろめたくてなぁ」
洋榎「まぁ代行も恭子も考えあっての事やったし全然問題あらへん、ほんっまに心配したけどな」
恭子「うぅ……」
恭子「ま、まぁそういうわけで、ネト麻に行くくだりまで話とったな?確か」
洋榎「あ、恭子な? それなんやけど」
洋榎(じっくり聞く気やったけど長引きそうやし、どないしよ)トケイチラッ つ [19時40分]
恭子「?」
洋榎「うーん……」
>>48
1.(ある程度かいつまんで話してもらおうかな)
2.(9月やけどもう暗くなるわ、せっかくやし場所変えてじっくり聞こか)
3.(めんどいわ、結局恭子は宮永とどこまで言っとんねん)
自分の分計算してなかった、直下で
2.(9月やけどもう暗くなるわ、せっかくやし場所変えてじっくり聞こか)
洋榎(恭子とおるっちゅーんも久しぶりやしな)
恭子「どしたん? 洋榎?」
洋榎「あー、すまん、ちょっと考え事しとったわ、そんでな恭子」
洋榎「もうええ時間やし、続きはどこか違う場所で聞かせてもらおやないか」
恭子「……あっ、ほんまやな、もうこんな時間なんか」(スマホチラッ
洋榎「たこ焼きストックもとっくに切れてもうたしなー、どっかファミレスでもいかへん?」
恭子「んー……うち帰れば多分おかんが夕飯用意してるやろしなぁ」
洋榎「>>52」
1.電話すればええやろ、たまにはうちにもつきおうてや
2.そっか、んー……そんなら夕飯食べたらうちに泊まりにこいや!
3.そやな、そんならまた今度にするか
2
>2.そっか、んー……そんなら夕飯食べたらうちに泊まりにこいや!
洋榎「そっか、んー……そんなら夕飯食べたらうちに泊まりにこいや!」
恭子「えっ、……マジで言うてんの?」
洋榎「マジもマジも大マジや、だって恭子最近ずっと付き合い悪いやん、同学年の付き合いも大事やって!」
恭子「いや、でもうち明日も練習あるしなぁ」
洋榎「引退した部員が休日まで顔だすなや! いやまぁ、別に出てもええけどうちから通えばええやん!」
恭子「んー……ネト麻のほうにも顔ださんとやし……」
洋榎「えー、たーまーにーはーかーらーもーぉーやー」(カラダユラシ
恭子「……あのたこ焼き、酒入ってたんとちゃうやろな」
洋榎「なーぁー、きょーぉーこー」(ユサユサ
恭子「あー……もう、わかったから揺らさんといてーな」
洋榎「ホンマッ!?」(キラキラ
恭子「っ///」(ドキッ
恭子「わかったて、ほんまやから、一旦離して?洋榎」
洋榎「約束やで! そんならうちもメシ食べて待っとるわ、あ、迎えにいったほうがええか!?」
恭子「小学生やないんやから、平気やって」
洋榎「えーでも恭子より下手したら、最近の小学生は発育ええからなぁ……」
恭子「やっぱ夜は危ないし家でネト麻してるわ」
洋榎「冗談やって! ほな、うち待っとるからカカッとメシくって急いできてやー!」(ダッダッダ
恭子「あっ、……言ってもうた、洋榎は相変わらずやなぁ」
寝落ちてましたごめんなさい(ペッコリン
―――愛宕宅―――
(ピンポーン)
雅枝『はーい』
恭子「すんません、末原です、洋榎に呼ばれてお邪魔しにきました」
雅枝『ちょっと待ってなー』
(タッタッタッタ)
(ガチャ)
絹恵「あ、末原先輩お疲れさまですー」
恭子「きぬちゃ……主将、すんません、今日はお世話になりますね」
絹恵「今まで通り絹ちゃんでええですよ、なんか逆に落ち着きませんて、それにここ部室やあらへんですし」
恭子「うーん、それもそやな……もしかして今まで気使わせてた?」
絹恵「いえ、末原先輩がうちをたてようとしてくれてたのはわかってましたんで、でも気持ちだけで十分ですって」(アハハ
(ドアガチャ)
雅枝「久しぶりやなぁ末原ちゃん、まぁあがってあがって、洋榎がさっきからうざったくて困ってたんや」
(ドタドタドタ)
洋榎「い、いらん事いうなやオカン!」
雅枝「おーこわ、そんなら末原ちゃん、洋榎を頼むわ」
恭子「わかりました、あ、これうちの母親からです」つ【フクロ】
雅枝「別にそんなんええのに、わざわざありがとなぁ」
恭子「とんでもないです」
絹恵「うちは明日早いんで、すんませんけどお姉ちゃんのお世話お願いします」
洋榎「もー恭子ー、早くいこうやー!」
恭子「わかった、わかったて、そんならお邪魔します」
洋榎「おう、お邪魔されたる!」
―――洋榎自室―――
洋榎「まぁ入り入りっていうか、その前にやな……」
恭子「?」
洋榎「これだけは言わしてくれ……すーっ……、いくらなんでも遅すぎるわっ!」(クワッ
恭子「いや、いきなり泊まるゆうたかて色々あるやないか」
洋榎「……今何時か見てみぃ」(スマホミセ
恭子「? ……10時やな」
洋榎「おかしいやろ! なんでメシくってくるだけで2時間もかかっとんねん!」
恭子「えー、そらうちかて準備やら色々あるしなぁ」
洋榎「登山誘うてるわけやないんやぞ!?ただのお泊りやん!」
恭子「明日の支度とか、挨拶とか、手ぶらでくるわけにもいかへんし……あ、こちらつまらないものですが」つ【コンビニブクロ】
洋榎「社会人か! ……まぁ差し入れは嬉しいな、今日はこれからオールやし」
恭子「……え? いやいや、うち明日部活あるんやけど」
洋榎「却下や却下、もー知らん、2時間もうちを待たせた恭子が悪い」
洋榎「っていうかもう絹にはさっき根回し終わらせとるしな、明日は恭子お休みやって、もし来たら代行の世話任せてろって」
恭子「なんていうか、横暴やなぁ……」
洋榎「絹は喜んでたけどな? むしろそれなら絶対来てほしいわとか言うとったわ」
恭子「いや……えー……休日まで代行の相手とか、えー……」(ガクッ
洋榎「……ん? ってか恭子、お前まさか……?」(クンクン
恭子「!? なっ、なんやなんや?///」
洋榎「やっぱりや……恭子お前、風呂入ってきとるやないか!」
恭子「……は? ……え?なんて?」
洋榎「なんやねん! すぐ来るって言って待たしといて自分は入浴タイムか!ええ加減にせぇよ!」(クンクン
恭子「いや……そら風呂くらい入って来るやろ、それこそ何言うてるん……ってか嗅ぐなや!///」
洋榎「こっちで入ればええやん!普通お泊りってお風呂とか入ったりするもんやろ、必須イベントやん!」(クンクン
恭子「変態か!ええ加減離れぇ!」(バシッ
洋榎「あいたっ! たた……っ、もう、何するんや」
恭子「そっくりそのまま返すわ! いきなり人の臭い嗅ぐとか失礼極まりないやろ!///」
洋榎「それは恭子が石鹸の匂いさしとるからやん、お泊りでお風呂イベントなくしてどないすんねん」
洋榎「うち一人シャワー浴びるとかなんか気ぃ悪いわぁ……いややわぁ……」
恭子「えぇ……別にそんな気にせんでも、まぁそれに荷物も増えるし、よそ様ん家のお風呂借りるのもなぁ……」
洋榎「9月とはいえ湯冷めしてまうやろ、体にも悪いわ、もっかい入ろ?」
恭子「そんくらい大丈夫やろ、なんてったってほら、うちら夏の高校生やしな」(ドヤッ
洋榎「人の持ちネタパクんのやめぇ!」
恭子「アレってネタやったんか……」
恭子「あー、もう、わーったって、徹夜でもなんでも付き合ったるからほんまもう勘弁してや」
洋榎「全く……恭子がまさかここまでお泊り初心者だとは思わんかったわ……」
恭子「なんでうちが責められてるんやろか……」
洋榎「まぁすっきりしたしもうええわ、さー、何する? インハイ前だったからよう触らんかったゲームとかもあるでー」
恭子「別になんでもええよ、適当にだべって適当に遊んで適当に寝ればええんやない?」
洋榎「今夜は寝かせへんで」
恭子「わかったて、どうせ麻雀部くらいしか予定はいっとらんかったし、限界まで付き合うたる」
洋榎「それでこそ恭子や」
恭子「いや意味わからんて」
洋榎「まぁそういうことなら……>>64」
1.適当にゲームでもしながら話の続き聞かせてもらおかな
2.適当に十七歩でもしながら話の続き聞かせてもらおかな
3.よし、とりあえず絹も呼んでゲームするか
3
3.よし、とりあえず絹も呼んでゲームするか
洋榎「よし、とりあえず絹も呼んでゲームするか」
恭子「大丈夫なん? 絹ちゃん明日早い言うとったやろ」
洋榎「なんとかなるやろ、絹は眠くなったら部屋に帰せばええし」
洋榎「それにほら、重役出勤? 部長ともなれば全然問題ないやろ」
恭子「うちでは主将な、あとそんな慣習今までなかったやん」
洋榎「まぁちょっと呼んでくるわ」ガチャバタン……
キヌーチョットコッチコイヤー
ナンヤネンオネーチャン……ゲーム? ウチイマカラー……
恭子「なんや絹ちゃんも大変なんやな……うん」
洋榎「ということで連れてきたでー」
絹恵「お邪魔しますー、っとあらためて、こんばんわです末原先輩」
恭子「あー……なんていうか、ごめんな?抑えきれんかったわ」
絹恵「いえ、お姉ちゃん大分テンションおかしなってたんで、こういう事もあるかなぁとは」(アハハ
洋榎「ええやん、ちゃんと日付変わるくらいには寝かしたるし、絹は」
洋榎「あ、これ恭子の差し入れな、あけるでー」(フクロバリバリ
絹恵「末原先輩ありがとうございますー、あ、ジュースはこっちで持ってきましたんで、どうぞ」(コップサシダシ
恭子「なんかほんとすまんなぁ、うちの親友が迷惑かけてるみたいで」
絹恵「いえいえ、こちらこそうちの姉がほんとご迷惑を」
洋榎「なんやお前等、それ突っ込み待ちなんか? 突っ込んでええんか? 飛び込むで?」
全然進まなくてすごく申し訳ないですが終了です。
おやすみなさい、付き合ってくれてありがとうございました(ペッコリン
―――二時間後―――
絹恵「じゃぁキリもええしお姉ちゃん、うちそろそろ寝ることにするわ」
洋榎「あ、いつのまにか日付回っとったな、すまんなぁ絹」
絹恵「ええってええって、うちも楽しかったし、じゃぁ末原先輩もまた明日」
恭子「うん、また明……」洋榎「まぁ恭子は明日お休みやけどな」
恭子「」
絹恵「あはは、じゃぁ明後日ですね、お姉ちゃんの相手よろしくお願いします」
(ガチャ……バタン)
恭子「……いや、今のはないやろ」
洋榎「なんやなんや、まさかまだ明日に未練でもあったんか」
恭子「そこは社交辞令やん、それにもし行ければ行きたいと思っとるし」
洋榎「ほー……、なるほど、つまりアレか、恭子はうちと一晩付き合って、なお余力を残せると」
恭子「一体何さらす気や……」
洋榎「そーかそーか、恭子がそういうつもりならわかった、そんならもう足腰立たんようにして明日は休腰日にせんとな」
恭子「ほんまに何さらす気やねん!」
洋榎「……そらもう、足腰たたなくなるあんなことやこんなことや、それで明日は休腰日にせんとな」
恭子「? それはさっき聞いたわ」
洋榎「腰労れるように休腰日にせんとなー」
恭子「……なんなんさっきから?」
洋榎「アカンわ……腰のヨウと休養のヨウかけたのに恭子が突っ込んでくれん」
恭子「はー、なるほど……って字面みんとわかるかそんなん!」
洋榎「なんか話のコシを折ってしまったようやな、コシだけに」
恭子「突っ込まんぞー」
洋榎「そんなら恭子が突っ込み入れるまで待っとくわ……虎視眈々とな」
恭子「絶対突っ込まへんぞー」
洋榎「もうちょっと乗ってくれや……恭子しかし、少しいけずやないか?」
恭子「突っ込まんからなー」
洋榎「公私を使い分けて、ほら、今は部長とか関係なく突っ込む時や!ほら!」(コイコイ
恭子「なぁ、滑ったやつ数でせめるのやめよ?」
洋榎「それもそうであるな、よきにはからえー、である」
恭子「なんや今度は」
洋榎「越谷女子の王冠帽子、似とるやろ?」
恭子「うぅ、寒い寒い、そろそろ寝ようや、うちなんだかとっても眠いわ」
洋榎「寒い奴に突っ込みいれてくれんとほんまにただ寒い奴やん!」
恭子「知らん知らん、もー寝るで、毛布でも被ってないと凍えそうや」
洋榎「わかったって、悪かったって、ココアでも入れてくるから戻ってくるまで寝たらあかんで」
恭子「はいはい」
洋榎「あ、そや、ゲームでもなんでもええけど、なんかしたい事みつけといてな」
恭子「了解やー」
(ガチャ、バタン)
恭子「さーて、どうしよかな」
2つ↓ 自由安価
終わります。凄い期間あいたのですが色々落ち着いたので再開します
申し訳ないですがほんとよろしければ付き合ってやってください
恭子「(そういや今日泊まりにきたのって元々は咲ちゃんと知り合った経緯について聞きたいから言うてたよなぁ)」
恭子「(なんやこっから改まって話すのも恥ずいけど、どうしよかな)」
―――台所―――
(コポコポ ジャー)
洋榎「(なんやかんや遊んでもうたけど、よう考えたら今日は宮永の話聞きにきたんやったなぁ)」
洋榎「(そんな雰囲気やなかったけど、ここでワンクッションおけた事やし戻ったら聞いてみよか)」
―――
――
―
洋榎「戻ったでー……あ、すまん、ちょっとテーブルの上綺麗にしてくれへん?」
恭子「はいはい、適当に下置いとくで」
洋榎「助かるわ、はー……普段は物置き場みたいなもんやからなこれ、あ、砂糖使うか?」(ガチャガチャ)
恭子「一応もらっとこかなっと、すまんな」(ココアウケトリ)
洋榎「ええんやで」(クィッ ゴクゴク
恭子「ふー……なんか、落ち着いたなぁ」
洋榎「せやろー、やっぱり冬はこれやで」
恭子「洋榎の寒いフリも中和されてきた感じするわ」
洋榎「いや、あれはちゃうねん、あれは深夜のテンションやからしゃーないんや」
洋榎「っと、そんな事よりな恭子」
恭子「ん?」
洋榎「一段落ついたところでな、さっきの続き聞かせてもらおうかなってな」
恭子「あ、ちょうどええな、うちもそう思ってたところやってん」
恭子「確かうちがネト麻でリハビリ始めたとこまで話したんやったっけなぁ」
洋榎「代行の思い付きでな、そこまでは聞いたわ」
恭子「じゃぁそこ、代行の話の後からな……ええと、あの後は家に帰ってすぐネト麻に接続したんや」
洋榎「まぁ、早退させられた以上は妥当やろな」
恭子「うん、それで……二日くらいかなぁ、暫く適当にフリーで野良……あ、完全に知らない相手とずっと打ってたんや」
恭子「それこそ素人に毛の生えたような人から、強豪校のレギュラーに匹敵するようなのまで色々おってな」
洋榎「ほー、ネト麻なんて絵合わせみたいなもんやと思ってたけど、そうでもないんやな」
恭子「洋榎からしたらまた全然違うかもしれんけどな、まぁ……うちも最近までそんなもんやと思ってたわ」
恭子「最初のうちは半信半疑やったんやけどな、暫くやってたうちに気付いた、いや、気付けたんや」
恭子「なんていうか……うちがいかに自分を見失っていたか、っちゅーとこかな」
洋榎「代行の読み通りってわけか」
恭子「悔しいけどな、あの頃のうちは相手の事しか見れんくなって……今思うとほんと、相手に怯えてたんやわ」
恭子「そしてそれはうちを逃げる麻雀しかできんくしとった」
恭子「卓上を軽視してそれよりも相手の異能や顔色を伺って最悪だけは防ぐような打ち方やった、そら勝てるわけないなぁ」
洋榎「恭子………」
恭子「でもネト麻にきて、相手の顔も異能も見えなくなって、改めて卓上を見た時、なんていうか思ったんや」
恭子「うちの強みはここにあったんやってな」
恭子「そこからはもうスコアもどんどん伸びてな、逆にリアルな麻雀に戻った時、頭固いデジタルになってへんやろかって思うくらいやったわ」
恭子「それでまぁネト麻自体も好きになってた事もあったし、チャット部屋っていうやつに入ってみたんや」
洋榎「チャット部屋?」
恭子「会話ができる部屋やな、ラインのグループ会話みたいなもんや」
洋榎「へぇ、ほんならそこで宮永に出会ったわけか」
恭子「まぁうちがそこのチャットに入った少し後くらいかなぁ」
――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
―――――
鎖子:お疲れさまー
キンスラ:お疲れさまである
ゲドーちゃん:お疲れさまですよーぅ、なんとかまくれましたー
メゲ原:やっぱゲドーちゃん強いわ……お疲れさまでしたー
亜熱帯:終わったみたいだねーお疲れさまだよー、次卓立つかなー?
ゲドーちゃん:私は一旦夕食に行くので抜けですねー
メゲ原:私は付き合えますよ
キンスラ:こんな収支で終われるか!余はリベンジしたいのである!
鎖子:ボクもそろそろ夕食の支度があるから無理かな、22時くらいからはなんとか
亜熱帯:となると…一人足りないねー
メゲ原:そうですね、桃花子さんかアミバさんあたり来てくれたらええんですけど
ゲドーちゃん:それならやっぱうちが入ろうかな
亜熱帯:いいのー? ゲドーちゃんさん夕食って言ってなかったかなー?
ゲドーちゃん:まぁハンチャン一回くらいであれば問題ありませんよー
--------------------みやながさき さんが入室しました--------------------
亜熱帯:ありがとーございますーそれならお願いしますー
鎖子:おや、おはつかな? こんにちはー
亜熱帯:こんばんはだよー
メゲ原:初めましてこんばんはー
ゲドーちゃん:こんばんはですー……というかこれ実名なんじゃ?
キンスラ:実名っぽいな、誰かが騙ってる可能性もあるが
メゲ原:実名禁止なんです?ここって
ゲドーちゃん:そんな事はないですけど、実名だとするともし大会に出る麻雀部の子なら中身割れちゃいますよねー
鎖子:ここは学生専用サイトでもあるから余計に身バレのリスクは高いしね
メゲ原:なるほど
鎖子:あっ、ごめん、もう準備しなきゃ、それじゃまた夜に!
ゲドーちゃん:お疲れさまですよーぅ
みやながさき:はじめましてよろしくおねがいします
メゲ原:お疲れさまです
--------------------鎖子 さんが退室しました--------------------
亜熱帯:よろしくねーとお疲れさまー
メゲ原:えーと、みやながさきさん?
メゲ原:上のほうのログ読んでもらえばわかると思うんだけど……もし本名ならその名前変えたほうがええよ
ゲドーちゃん:パソコンなら右上のほうにある設定変更からニックネームってところ変えればいいですよー
亜熱帯:そうだねー、悪い事考える人がいるかもしれないし変えたほうがいいよねー
みやながさき:くさりこさんおつかれさまでした
ゲドーちゃん:ちらっと見てみたけどスマホなら上にタブがあるのでそちらのほうからー
キンスラ:ちくわ大明神
ゲドーちゃん:誰だ今の
メゲ原:ちくわ大明神?
亜熱帯:??
みやながさき:みなさんありがとうございますやってみます
--------------------みやながさき さんが退室しました--------------------
ゲドーちゃん:おっと、いってらっしゃいですよー
ゲドーちゃん:あ、麻雀どうします? もしさっきのあの子が入ってくれるなら私はおゆはんに行くんですけど
キンスラ:何やら時間かかりそうな感じだったし打ってていいと思うが?というかもう座っておる
亜熱帯:私はどちらでもー、でもみやながさきさんがこれから打てるかどうかわからないからー
メゲ原:それもそうですね、打ちにきたわけではなく雑談目当てかもしれませんし
ゲドーちゃん:あ、少し時間かかっちゃったし東風でいいです?
亜熱帯:はーい
メゲ原:全然大丈夫です
キンスラ:構わんぞ
ゲドーちゃん:それなら設定変更よろでーす、入りますねー
メゲ原:よろしくお願いします
ゲドーちゃん:よろでーす
亜熱帯:よろしくおねがいしまーす
キンスラ:よろである
キンスラ:ノーっ、である!余が親の時にハネツモやめっ
ゲドーちゃん:御馳走さまでーす
メゲ原:4巡目リーチでその手とか怖いわぁ
亜熱帯:まくられちゃったよー
ゲドーちゃん:運がよかっただけですってほんと
キンスラ:ぐぬぬ……まだ2局あるのである!
--------------------リリーブロッサム さんが入室しました--------------------
ゲドーちゃん:こんばんわですよーぅ
メゲ原:さっきの人かな? こんばんは
亜熱帯:こんばんはー
キンスラ:こん
リリーブロッサム:かえられましたありがとうございます
ゲドーちゃん:それはよかったわぁ、あとちょっとしたらうちの勝ちで終わるから少し待っててなー
メゲ原:ほんとにそうなりそうだから困る
亜熱帯:まだまだわからないよー
ゲドーちゃん:がんばれ♪がんばれ♪
キンスラ:絶対いつか泣かすわ…
リリーブロッサム:がんばってください
ゲドーちゃん:お疲れさまですよーぅ
メゲ原:お疲れさまです、二確ですまんな
ゲドーちゃん:ええんやで
亜熱帯:お疲れさまだよー、三位転落しちゃったよー
キンスラ:今日は調子悪いのである…三回やって3-3-4とか
ゲドーちゃん:それなら私はこれでー、また後でー
--------------------ゲドーちゃん さんが退室しました--------------------
メゲ原:お疲れさまです
亜熱帯:お疲れさまだよー
キンスラ:おつ
メゲ原:それで、どうします? リリーブロッサムさんもし麻雀打つならまだ入れますけど
亜熱帯:私も大丈夫だよー
リリーブロッサム:おつかれさまです
キンスラ:いけるのである
亜熱帯:リリーブロッサムさんがいけるなら4人揃うねー
リリーブロッサム:わたしはだいじょうぶです
メゲ原:お、揃いましたね、そんならもっかい立てますね
亜熱帯:よろしくおねがいしますー
キンスラ:よろである
メゲ原:よろしくお願いします
リリーブロッサム:よろしくおねがいします
恭子「と、まぁ咲ちゃんとのファーストコンタクトはこんな感じやったかなぁ」
洋榎「なんというか……ペンネームいうんか? わかるようなわからんような」
恭子「この場合はハンドルネームやな、ネット上の名前みたいなもんや」
洋榎「なんかピンとこんけど、これが初めてってことはようはそのみやながさきって言うんがそのまま宮永やったわけか」
恭子「そやな、咲ちゃんやってわかったのは地区大会が終わった後やけどな、確信したのはもっと後やし」
洋榎「恭子は牌譜ようみとったもんなぁ、名前と打ち筋で確信したって事か」
恭子「打ち筋はなんというか……逆に同姓同名の別人かと最初は思ったくらいやけど、片鱗はあったなぁ」
洋榎「そうなん? ってあぁ、宮永はガチのオカルトやからネト麻との相性はよくなさそうやしな」
恭子「やたらカン材抱えたがる素人やと思ったわ、最初は」
洋榎「なんちゅーか、それはそれで可哀想やな、なんでネト麻なんてやってたんやろ」
恭子「なんか部の方針やったみたいやな、それが実際インハイで生きたみたいやし大成功ってとこか」
洋榎「はー、なんちゅーか異能持ちっていうのも大変やなぁ」
恭子「羨ましい話ではあるけどな」
洋榎「ところで聞いてる感じ、なーんか他の面子もなんとなくやけどほとんど面識ある気がするんやけど」
恭子「まさか、偶然似てるだけやろ……まぁ学生用サイトやしそれこそ全国高校生一万人のうちの万が一はあるかもしれんけどな」
洋榎「ほーん、まぁええわ、そんで宮永と同じチャット部屋にいたっちゅーんはわかったけどその後どうなったんや?」
半端ですが終わります。重ね重ね関西弁変だったらすんません。
乙ありです
ゲドーちゃんは荒川憩をイメージしてます
恭子「その後なぁ、ええと、そのままハンチャンやってから皆夕食やらなんやらで落ちて……あ、チャットから退室してな?」
恭子「明らかにネットも麻雀も初心者っぽかったのもあってうちとさっきのゲドーちゃんって子で色々教えとったんよ」
洋榎「ふんふん、それでそれで?」
恭子「えー……後は、……いや、ないな、そのくらいかなぁ?」
洋榎「……は? え? 何、これで終わりなん?」
恭子「いやだから、知り合ったのはそのくらいやって、その後はインハイが絡んでくるからチャットはともかくネト麻はできんくなるし」
洋榎「いやいやいや、ちょっと待てや」
洋榎「それはネト麻でみやながさきと出会ったってだけの話やん、うちは宮永と知り合った経緯のほうを聞いてるんやって!」
恭子「あー、リアルで知り合った方か……いや、ちょっと恥ずいなぁそれは……」
洋榎「今更やろ、今まで心配かけさせた分もうちょい恥かいてくれや」
恭子「うぅ、それ言われると……まぁ、しゃーないな、うん」
恭子「一応な? 会う前から可能性はあると思ってたんや」
恭子「ただの初心者にしかみえんかったけど、地区大会の牌譜みて咲ちゃん、宮永咲の特性がカン、嶺上開花だと知った時な」
恭子「もしかしてネト麻のアレは本人で、本人の異能が邪魔でうまくいってなかったんやろかって」
洋榎「なるほどなぁ、ネト麻で通用する異能なんてあんま聞いたことないしな」
恭子「でもまさか同じチャット部屋にインハイに出てる選手が2人もいるかと思ってな、咲ちゃんに憧れた地元の生徒かなって思いなおしたんや」
洋榎「なんかその部屋はインハイ出てるやつやたらいそうやけどな」
恭子「確かに強い人が多い部屋やったけど、ネト麻で強いのとリアルで強いのは別物みたいなもんやしそんな偶然まずないやろ」
恭子「まぁそんなわけで、本人やとは思ってなかったんやけどな」
洋榎「インハイみてたらありゃ化け物やしな、間違っても素人と見間違うような事はあらへんやろうし」
恭子「本人やってわかったのはインハイ後になるかな……うん」
洋榎「あ……」
恭子「塞ぎ込んでた時……あれは大阪戻ってどのくらいやったかなぁ」
――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
―――――
恭子「…………」
恭子「……はぁ……」
ピコーン
恭子「」ビクッ
恭子「……メール、主将からや、漫ちゃんも………」
恭子「………っ」ジワッ
恭子「ご……、ごめ、ごめんなさい……ぐすっ」
―――――
恭子「……っ……」フラフラ
恭子「………」カタカタ ポチポチ
恭子「『姫松 インハイ ベスト8』……」
恭子「………や、やっぱり見れへん……」カタカタ
恭子「うぅ、ごめんなさい……ごめんなさい……」
―――――
コンコン
恭子母「恭子ー、お友達が遊びに来たわよー」
恭子「ひっ……!!? だ、誰きとるん……?」
恭子母「洋榎ちゃんと由子ちゃん、とりあえずあがってもらっていいわね?」
恭子「あっ、あかん、あかん! ちょっと今、気分悪いんや、風邪かもしれへんっ、ごほっごほっ!」
恭子母「恭子…………」
恭子「お母ちゃん、申し訳ないんやけど、帰ってもらってええか、ごほっごほっ」
恭子母「……わかったわ、今度恭子から謝っておきなさいよね」
恭子「うん、ありがとう……」
恭子「ごめんなさい……っ、ごめんなさい……ひっくっ……」
―――――
――――――――
―――――――――――
――――――――――――――
恭子「とまぁ暫くはこんな感じやったんやけど」
洋榎「重っ! ってかこんなん反応に困るわ!」
恭子「今やからなんとか立ち直ったけど、そらこうもなるわ……二回戦も準決勝もあんなでな」
洋榎「いや、あんなん恭子だけの責任やあるわけないってずっと皆いうとったやん……」
洋榎「それに、そんな思い詰めてたんやったらうちに相談してほしかったわ」
恭子「出来る訳ないわ……洋榎はスカウトからも期待されてる名門のエース、その洋榎のプロ行きの道をうちが断ったかもしれへんって思ったら……」ジワァ
洋榎「そんなん仕方ない事やろ、そもそもアピールなら個人戦だってあるんやし、それに今年のインハイは魔物揃いやったわ」
洋榎「うちかてもし大将にいたとしても、だからどうにかなったかもわからへん、恭子は全く悪くないわ」
恭子「洋榎……」
洋榎「ってこれあれからうち含めて皆ずっと言ってた事やし、メールにも送ったんやけどな」
恭子「うぅ、ごめんな心配かけて……」
洋榎「立ち直ってくれたんやし全く問題あらへん」
洋榎「そんじゃまぁ、あらためてあの時は届いてなかったみたいやし…………お疲れさま、恭子」
恭子「……っ!」ジワッ
恭子「ひ、ひろ……えぇ……っ……ぐすっ、うち……うちっ……」
洋榎「よしよし、今までよう頑張ったなぁ……恭子」ギュー
―――月曜日 放課後―――
洋榎「……というわけなんや!」
由子「なるほどなのよー、えっ、終わり?それで?その後はどうなったの?」
洋榎「なんか夜更かしする流れやのうなってしまったから寝て、起きたら恭子は既に練習にいってもうた後って感じやな」
由子「はー……なんか煮え切らないというか中途半端というか」
洋榎「? 何がや?」
由子「だって洋榎ってば、結局宮永咲ちゃんの話聞けてないのよー?」
洋榎「……あっ」
由子「それにせっかくいい雰囲気になったのに何もしないだなんてなんというか、悪いところどり?」
洋榎「なっ、何もしないってなにを言うてんねん! うちは別にやな!」
由子「先週もいったけど洋榎の気持ちはわかってるのよー」
洋榎「先週も言うたけどお前絶対うちの気持ちわかっとらんやんか!」
由子「洋榎が恭子を好きなことなんてばっちりご理解済みよー」
洋榎「はぁ!!? ぜ、全然違うわ! 何アホなこと言うてんねん!」
由子「はー……じゃぁ、私はそれでいいけど、洋榎もそれでいいのね?」
洋榎「そ、それでいいって何がや」
由子「だって今までの話を聞いてる限りだと、恭子は元々宮永咲ちゃんとネト麻のさきちゃんが違うって思ってたのよ?」
洋榎「そうなるな」
由子「それでインハイ後はずっと塞ぎ込んでたのが、いつの間にか立ち直って宮永咲ちゃんとラインで仲良く会話する関係になった」
洋榎「…………」
由子「つまり、インハイ後にネト麻かなんかで連絡取り合って、あらためてリアルで出会った可能性が高いわけなのよー」
由子「塞ぎこんでる恭子が心配で手を差し伸べる宮永咲ちゃん、そしてそれに縋る恭子、そこから生まれる燃え上がるような恋!」
洋榎「!!!!?????」
由子「洋榎はそれでいいのー? ずっと一緒だった恭子が今流行りのネトゲ婚同然の形でNTRれるのよー?」
洋榎「えっ、ちょっ、嘘やろ」
由子「話聞いてた感じ、私たちに負い目を感じてたみたいだし、宮永咲ちゃんに相談して慰めてもらったっていう可能性は高いと思うけど」
由子「まったく洋榎もいいとこまでいったのにそこに触れないし据え膳もくわずだしでへたれもいいとこなのよー」
洋榎「な、なるほど……なぁ」
由子「それで? 洋榎は結局これからどうしたいのよー?」
洋榎「え、ええっと、うちは……」
1.恭子の事は友達やし立ち直ってくれてよかったわ
2.立ち直ってくれたのはよかったけど、宮永に恭子を奪われるのは癪やな
3.わからへん……(なんやもうわからんわからん、他の誰かにも相談してみよう)
↓2
3.わからへん……(なんやもうわからんわからん、他の誰かにも相談してみよう)
洋榎「わからへん……」
由子「宮永咲ちゃんが恭子と付き合ってもいいっていうの?」
洋榎「わからんわ……それで恭子が幸せならええんちゃうか?」
由子「はー……ほんとにそう思ってるならいいけど」
由子「一旦しっかり自分でも考えたほうがいいと思うのよ、私は洋榎が出した選択を尊重するのよー」ガタッ
洋榎「え、由子どこいくん?」
由子「どこって、帰るのよー? もうこんな時間だし早く帰って私も受験勉強しなきゃだめなのよー」
洋榎「あ、おう、そうか、……付き合ってくれてありがとうな」
由子「いいってことなのよー、それよりも自分でこれからの事どうするか考えるほうがいいと思うのよー」
洋榎「はいはい、ありがとさん」
洋榎「んー……由子はああ言ってたものの、どうしたもんかな」
洋榎「宮永と恭子がくっつくかもってなるとなんやちょっと気分悪いけど、なぁ……」
洋榎「といっても恭子が幸せならそれがええんちゃうかな……うーん……」
洋榎「誰かこういう事相談できる頼りになるやつとか身内におらんかったかなぁ」
ドンッ
洋榎「!?」ベシャ
??「あいたたっ」
洋榎「ったぁ……すまんな、考え事してて前みてへんかったわ」
洋榎「って……」
↓?に入る人物(姫松勢限定で直下)
洋榎「由子やったか、すまんすまん」
由子「全く気を付けてほしいのよー」
洋榎「なんちゅーか、もう考え事で頭がいっぱいでなぁ」
由子「気持ちはわかるけど、お家に帰ってから悩んでほしいのよー」
由子「もし私じゃなくて大型トラックだったら洋榎ちゃんはゲームオーバーなのよー」
洋榎「そやなぁ、確かに上の空で歩くのは危ないなぁ、気ぃつけるわ」
由子「うん、それじゃまた明日なのよー、私は忘れ物を取ってから帰るのよー」
洋榎「(由子、うちでは貴重な頼れる部員やな、さっき相談に乗ってもらったばかりやけど改めて相談するべきやろか)」
1.由子に相談する
2.他の部員or教師に相談してみる(名前付きで指定)
↓2
2代行
洋榎「(なんかここですぐ相談するいうのも、さっき考えてみろ言われておいて恥ずかしいな)」
洋榎「ほんならまたなー」
由子「はーい、また明日なのよー」
洋榎「(さっき思いついたけど代行なんてええんやないやろか、一応あれでも大人やし色んな意味で経験豊富な気もするわ)」
洋榎「そうと決まったら代行に会いに……ってあぁ、そうか部室いく事になんのか……」
洋榎「うーん、まぁ問題ないやろ」
―――部室―――
洋榎「邪魔するでー」
絹恵「あ、お姉ちゃんやん、いらっしゃいー」
洋榎「なんや絹、暇してんのか」
絹恵「ちょっと卓の様子を見ながら色々なー、新人戦も間近やし代行に言われてんねん」
洋榎「そうなんか……あれ、その代行はどっか行ってるん?」(キョロキョロ
絹恵「お姉ちゃん代行に用事なん? 代行なら今隣でパソコンと睨めっこしとるけど」
洋榎「そうなんか、……あれ?ところで恭子は?」
絹恵「末原先輩は自由参加で来てるだけやから、今日はお休みみたいでな」
洋榎「そかそか、まぁ恭子にも色々あるんやろ、じゃぁちょっと代行のところいってくるわー」
絹恵「はーい、あんまり代行に空気入れんでな、大会前に唐突に思い付きとかされたら困るし」
洋榎「わかったわかった、そんならまたな、絹」
洋榎「お邪魔しますー」
郁乃「……あら、お姉ちゃんのほうやないの、どうしたんー?」
洋榎「ええと、少し相談したい事があってですね」
郁乃「あらー、お姉ちゃんがいくのんにご相談ー? 新人戦のオーダーやろかなー、それともプロに向けて調整がしたいとかやろかー」
洋榎「……まずその呼び方やめてもらってもええですか」
郁乃「主将ーいうのも違うしなぁ、妹ちゃんもいるしそれならじゃぁ洋榎ちゃんー」
洋榎「まぁそれでええです、ええと、用事の事なんですけど」
郁乃「なんやろなー? 洋榎ちゃんがいくのんに相談なんて珍しいわぁー、なんかおもろそうやわー」
洋榎「……えーと」
洋榎「(なんとなくここまで来たけどほんとにこの人に相談してええんやろか、なんか面白がったり変な事にならんかな)」
↓直下
1.相談する
2.相談しない
1.相談する
洋榎「(いや、でも由子を除いたらうちで相談できるっていったらやっぱこの人やわ)」
洋榎「ええと、笑わないで聞いてほしいんやけど……」
郁乃「まかしといてやー、いくのんも教師やから生徒のプライベートな相談事もばっちりおまかせやでー」ニコニコ
洋榎「その……、ええと、インハイ終わってからの話なんやけど」
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――――――――
―――――
郁乃「ふんふん、なるほどなー」
郁乃「つまり洋榎ちゃんは末原ちゃんを宮永咲ちゃんにとられるのが嫌ってことなんやねー」
洋榎「まぁえっと、あんまいい気分ではないというかそんな感じです」
郁乃「末原ちゃんの事……好きなん?」
洋榎「いやっ、好きとかそんなんはちょっと意味わからんっちゅーかっ」
郁乃「大事なことやでー、いくのんその回答次第ではお手伝いできるかもわからへんしー」
洋榎「お、お手伝いって……うちはただその」
郁乃「しおらしい洋榎ちゃんも中々希少でかわいいんやけど……そやなー整理してみようかー」
郁乃「まず洋榎ちゃんは宮永咲ちゃんが末原ちゃんと仲良くするのは嫌なんやなー?」
洋榎「いい気分ではないですね」
郁乃「はっきり2択で答えてやー」
洋榎「それでしたらまぁ……はい」
郁乃「洋榎ちゃんは末原ちゃんの事支えてあげたいー」
洋榎「はい」
郁乃「おー即答やんー、なら洋榎ちゃんは末原ちゃんの事好きー?」
洋榎「っ! そ、それはまぁ、親友やし、そうですよ」
郁乃「いえすやねー、じゃぁ次はー」
洋榎「(これいつまで続くんやろ)」
郁乃「じゃぁ次ー、洋榎ちゃんは末原ちゃんと付き合いたいー」
洋榎「ちょっ」
郁乃「2択で答えてやー」
↓
1.付き合いたい
2.そういうわけではない
2.そういうわけではない
洋榎「……そういうわけではないですわ」
郁乃「え、そうなん?」
洋榎「はい、恭子とそういう関係になりたいっていうのとは違うかなーって」
郁乃「そうなんや……うーん……」
郁乃「うーん……洋榎ちゃんな? もしそうならな、二人の気持ちっていうのも考えなあかんよ」
洋榎「二人の気持ち?」
郁乃「そや、洋榎ちゃんのそれはただの我儘なんやないかなー」
洋榎「っ……そ、それはまぁ、そうかもしれへんですけど」
郁乃「仮に末原ちゃんの事が好きで好きで付き合いたいけど気が付いたら宮永咲ちゃんにって話なら協力できるかなって思うとったけどー」
郁乃「そうやないっていうなら、洋榎ちゃんは二人の幸せの事も考えなあかんかなーって思うわー」
洋榎「二人の幸せ……ですか?」
郁乃「そうやー、末原ちゃんと洋榎ちゃんは仲良しさんみたいやけどー、これからもずっとって訳にはいかんやろー?」
郁乃「洋榎ちゃんはプロにいくし、末原ちゃんは大学進学するやろうしなー」
郁乃「さっき洋榎ちゃんは末原ちゃんの事支えてあげたいーっていうとったけど、それは末原ちゃんの傍におる人のお仕事や」
洋榎「…………」
郁乃「誰が一番末原ちゃんの傍にいれるか、それは末原ちゃんの事が好きな、まぁ有り体にいうと恋人やらダンナって事になるわけやなー」
郁乃「まぁ、別に恋人やなくても友人として末原ちゃんのサポートしてあげるっていうのは、ええと思うけどなー」
郁乃「その場合にしたって、二人の仲を邪魔する理由にはならない、むしろ邪魔したらあかんやろー」
洋榎「せ、せやけど……」
郁乃「洋榎ちゃんは友達をとられるように感じてるかもしれんけど、やっぱり友達なら末原ちゃんの幸せを考えるべきなんよ」
郁乃「それこそ宮永咲ちゃんがとんでもない悪女で末原ちゃんが不幸になるっていうなら話は別で、それならいくのんも協力を惜しまないけどなー」
洋榎「は、はぁ……」
郁乃「そういう事やから、悪いけどいくのんは力になれへんかなー」
洋榎「なるほど……すんません、でも、なんかすっきりしましたわ」
郁乃「うんうん、これからも末原ちゃんと仲良くなー」
――――数年後――――
洋榎「はー……やっぱり一軍の世界は厳しいなーっと、ただいま帰ったでー」ガチャ
絹恵「あ、お姉ちゃんお帰りなさーい」
雅枝「お帰り洋榎、恭子ちゃんから手紙とどいとったからそこ置いといたわ」
洋榎「おっ、サンキューおかん、にしてもわざわざ手紙なんて珍しいなー」
洋榎「ええと、宮永咲と連名で……恭子から?」パラッ
洋榎「何々、あー……そっか、やっと結婚するんやな」
絹恵「お姉ちゃんしっとったん?」
洋榎「ああ、宮永咲もプロの世界あがってきてるからな、恭子と付き合ってるのはしっとったし交流はあったんや」
絹恵「チームは違うけど同じリーグやから接触は多いんやろし、なるほどなぁ」
洋榎「ああ、そんでこの前相談受けたんや、宮永からも恭子からもな」
洋榎「なんでも生活が安定するまでは我慢しとったらしいわ、それで最近はもう一軍にも定着してきたらしくてな、恭子の事とか色々聞かれてたんや」
絹恵「そうだったんや……あれ、でもお姉ちゃん末原先輩の事好きだったんやなかったの?」
洋榎「うちが? そらうちと恭子は親友やからな、好きに決まっとるやん、好きだからこそ祝福せなあかんやろ」
洋榎「恭子を幸せにできるのはうちやなくて宮永やからな」
絹恵「……そっか、そうなんやね、じゃぁお姉ちゃんも結婚式出席するんや」
洋榎「あー、出席したいのは山々なんやけどな、その日はちょっと外せない試合が入ってんねん」
絹恵「そうやったんや」
洋榎「ああ、だから絹にはうちの分も祝福してきてもらわななー」
絹恵「うん、わかったで、でも末原先輩残念がるやろうなぁ」
洋榎「まぁ今度個人的に祝福しに行くから問題あらへん、その気になればいつでも会えるからなぁ」
洋榎「そんじゃ、うちは部屋にもどってるな、あ、おかん今日は夕食食べてきたからいらんわ」
雅枝「えぇー、食べてくるときは連絡いれろっていうたやんか!」
洋榎「いやごめんな、気ぃつけるわ、それじゃおやすみなー」
洋榎「はー…………宮永と恭子がついに、か」
洋榎「恭子があんな幸せそうな顔で笑ってるの、初めてみたわ」
洋榎「恭子が幸せなんや、宮永もプロで頑張ってる、祝福せなあかんよなぁ」
洋榎「でもなんか、……めげたいなあ、投げたいなぁ、つらいなぁ」
洋榎「あの時、自分でもよく考えてれば、こんな気持ちを味わんで済んだんやろか……」
洋榎「はぁ…………」
完
終わりです、お付き合いくださりありがとうございました
間隔あきすぎて着地点とか反省点が浮き彫りになったので今後の参考にしたいと思います
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