女「あれが、デネブ アルタイル ベガ」(31)


男「もう夏休みも終わりだなぁ」

友「ま、ほとんど部活だったし あんま変わらねえよ」

女「わたしは最後にみんなで遊べたから、満足だよ」

幼「……楽しかったね」

女「……うん」


男「……よし」

友「ん?」

男「今夜、皆で星を見に行こう!」

幼「ほ、星?」

男「そう! 星だよ
  今日で高校最後の夏休みが終わっちゃうんだぜ!
  最後に、もう一生の宝になるような思い出を作ろうぜ!」

女「…………ぷっ」

男「何笑ってんだよ!」

友「ぷぷっ、あははは 男! お前たまにはいいこと言うじゃねえか!」

幼「ふふふ、ほんといつもはくだらないことばっかなのに」

男「く、くだらないってお前らなぁ」

女「ふふっ、男君らしいね」

男「お前ら、いいか? 今夜0時に山のふもとだからな!」

女(……一番だ)

 (早く来すぎたかな……)

男「おーい、女ぁー」ブンブン

幼「ちょっと、男 大声出さないの! 近所迷惑でしょうが」

女(男君と幼馴染ちゃん、一緒に来た……)ズキッ
 
 (……いやいや、二人は家が隣同士だし)

男「ごめんな、待ったか?」

女「……ううん、私も今来たところ」

幼「ねえねえ、男」

男「なんだ?」

幼「こうして、誘ったからには星には詳しいんだよね? まさか雰囲気だけなんてことは」

男「失礼な! これでも理科の成績はトップランクなんだぞ!」

幼「他の教科はダメダメだけどねぇ」ニヤニヤ

男「バッ、あれは! そのちょっと、ミスったからで!」

幼「へーぇ、男は毎回毎回『ちょっと』ミスしてるんだねぇ」

男「――――っ!」

幼「――――っ」

女(男君……幼馴染ちゃんと話してると、すごく……楽しそう)
 「…………………」

友「お? もしかして俺最後? おくれちゃったぜ!」

男「おー友、おせーぞ」

友「ごめんごめん、てか二人ともまたイチャイチャして お熱いねぇ」

女「……っ!」ズキッ

男「バッ! そ、そんなんじゃねえよ!!」カァ

幼「……///」ボンッ

女「…………そ、そろそろいこうよ……早くいかないと遅くなっちゃうし」

男「そ、そうだな!」アセアセ

幼「い、いきましょう」アワアワ

女「………………」

友「ったく、この二人は」

女(男君……キミは……)

幼「キャッ!」ズルッ

男「幼馴染! 危ない!」ガシッ

女「……!」

友「大丈夫か? いやぁ、結構険しいなこの山」

女「……でも、なんだかワクワクしない? 冒険してるみたいで」

男「そうだな! 昔幼馴染とよく冒険ごっこしたなぁ」

女(……また……幼馴染ちゃんの話)

幼「あー、懐かしいなぁ あのころは……若かった」

友「若かったって、まだ18じゃねえかよ」

男「あはははは、ばあさんじゃないんだから」

女「…………ほらほら、皆! 早く行こう!」

幼「なんだか、女ちゃん すごいはしゃいでるね」

女(……そうしないと……この孤独に……不安に……押しつぶされてしまいそうだから)

男「楽しみにしてろよ、もうほんとすっごいからな!」

女「……うん、楽しみ」

 (男君のその笑顔が……その喜びが……輝いて)

 (……男君……私は)

男「もう、そろそろかな?」

幼「そうね、この坂を登り切れば」

女「……すごい、ドキドキする」

友「いやぁ とうとうか」

 テクテク

男「あ! そうだ!」

幼「なに? どうしたの」

男「ただ見るだけじゃ面白くないから、皆で下向いて行くのはどう?」

友「お! いいなそれ」

男「それで目をつぶって、寝っ転がって それからせーので見よう!」

幼「でも、目をつぶると危なそうじゃない?」

男「じゃあ、皆で手をつないでいこう」ギュ

幼「……///」ギュ

女(………………)ズキッ

男「ほら、女も!」スッ

女「え?…………うん」ギュ

男「じゃあ、下向いて! そこの草原に横になるぞ」

 テクテク


男「じゃあ、目つぶって!」

女(……男君と手をつないでる)

 (でも……男君は、きっと)

 (まぶたを閉じた真っ暗な世界)

 (いろんなことを考えて)

 (私には……この暗闇は、深すぎる)

男「準備はいいか?」

友「おう」

幼「うん」

女「……はい」

 (男君……私は!)

男「せーの」

こないだ、誰かが書いてたけど

個人的に納得できない締め方だったから

書いてみました

女「…………!!!」ドキ

友「……こいつは」

幼「……きれい、」

男「……だろ?」

女(満天の星空が光かがやいて……まるで……)


 「まるで……星が 降ってくるようで……」


男「……どうだ?」

女「すごく……きれい」

男「うん、ここは標高が高いからな! 明かりも少ないし
  星がはっきりと見えて……

女(……いつからだろう)

 (君のことを、探していた)

 (追いかけていた)

 (そんな、自分がいた)


 (男君)

 (男君)

 (……驚かないで)

 (……聞いて)

 (私の……この思いを)

女「………………」

男「ほら、あれだ!」

幼「え、なに?」

男「あれが『デネブ』『アルタイル』『ベガ』 有名な夏の大三角だ」

女(デネブ……アルタイル……ベガ)

友「おぉ! ほんとだ三角形にみえる!」

男「ちょっと七夕は過ぎちゃったけど、ほらあれがおり姫様」

女「……どれ?」

男「ほら、あそこの大きく光ってる奴」

女(……見つからない)

幼「あ! あった」

友「おれも! 見つけた!」

女(…………………………)

女(…………あっ)

 「……あった」

 (見つけた)

 (だけど)

 (彦星様……見つからない)


 (これじゃ……おり姫様は、一人ぼっち)


 (一人……ぼっち)

 (私も……)



 (男君)

男「~でさぁ!」

幼「~なんだ!」

男「はははは」

幼「ふふふっ」

女(男君……楽しそう)

 (私は……私は)

 「………………」


 (ほんとは、ずっと)

 (気がついていて)

 (君のことを、どこかで分かっていた)


 (私の気持ちは)

 (この気持ちは)

 (見つかっても)

 (届きは……しない)

女「…………っ」ポロッ

 (だめ)

 (涙があふれても)

 (どんなに、悲しくても)

 

 「……なかないで」

男「―――!」ワイワイ

幼「―――!」ニコニコ


女(強がって……)

 (強がる私は)

 (臆病で……)

 (興味が、無いような)

 (……ふりを していた)



 「だけど」


 (胸が痛い)

 (我慢すればするほど)

 (その痛みは……増していく)


 (男君)

女「あぁ……」

 (そうか)

 (これが……)

 (これが……)

 
 (好きになる……ってことなんだ)

男「~っ!」

幼「あははは!」


女(どうしたい?)

 「……………………」

 (言ってごらん)

 「……私は……」

 (心の声がする)


男「――――なんだ!」

幼「――そうなんだ!」


女(真実は……)


 「男君の……隣がいい」


 (残酷だ)

女(言わなかった)

 (私の気持ち)


 (言えなかった)

 (この気持ち)

 
 (男君……私は……あなたのことが)

 「…………」





女「もう戻れない……」

 「あの夏休みの夜……」

 「楽しかったよ?」

 「星がきらめいて」

 「男君」



 「今でも……思い出せるよ?」

女「笑った顔も」


男『――でさぁ!』ニコ

女『あはは、おもしろい!』ニコニコ

男『あっはっはっはっは!』

女「怒った顔も」


男『他の所に行きたいならちゃんと言えよな!』

女『……ごめんなさい』

男『友達なんだから、なんでも言っていいんだよ!』

女「大好きでした」



 (おかしいよね……)

 「君の……知らない」

 「私だけの……秘密」



 「男君……私は、あなたのことが好きです……」

女「きれいな星……」

 「やっぱりここは……すごい」

 (男君に教わった、この景色)


男『あれが……』


女「……デネブ……アルタイル……ベガ」


男『有名な……』


女「……夏の大三角」

女(今でも……)

 (遠い、思い出になっても)

 (あの時の君は 忘れない)

 (……君が)

 (……夜を越えて)

 (指をさしている)


男『あれが……』


 (無邪気な声で……)

まぁ、乙。
歌ネタは出尽くしてる感あるし、この歌自体が物語になってるしなぁ……
物足りない感がどうしても……

歌からどれだけ膨らませられるか、だな

偉そうなこと言ってゴメン

いや

それだけ>>29さんがしっかり読んでくれたってことで

アドバイスありがとう!!

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