八幡「返せよ■■。俺の人生を返せ……」 (21)


――



八幡「そしてお前の人生、俺にくれよ」



――

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「だーかーらァー、さっきから言ってるだろォ!!?」

「この店の対応は、一体どうなってるんだ・ってよォ!!」くわっ


八幡「お、仰る通りでございます」びくびく

八幡「以後気を付けて参ります……」

八幡「この度は大変、申し訳ありませんでした」ぺこぺこ

「ちぃ! こんな店、もう二度と行かん。口コミで自然と潰れるだろうな!!」ずかずか

八幡(……行ったか)

八幡(ほんと二度と来ないでくれ……トラウマになったわ。マジ怖ぇ)ぶるぶる


――


「大変だったね、比企谷クン。あのクレーマー」

八幡「そうっすね。でもまあ、店の落ち度なんで何とも……」

「ははは、真面目だな君も。アルバイトなのに。さあもうすぐアガリの時間だろう。ゆっくりしてな」

八幡「……はい」


――



「お」


「もうこんな時間か。君もアガリだね」

「比企谷クン、これ、序でに事務所まで運んでおいてくれるかい?」ひゅっ

八幡「……うす」ぱしっ


八幡(何だよ……もうアガリの時間だってのに)

八幡(まあ……こんくらいなら全然構わんが。どーせタイムカード切るついでだしな)

 すたすた

八幡「ふう……」ごとん

八幡「さて、ようやくアガリだな。タイムカード。切って帰るか……」


 [8月8日 AM02:02]

八幡「!」


八幡「そういや今日、だったな」

八幡「俺の、誕生日……」

八幡(ま、だからって特別、何があるってワケでもないんだが……)

八幡(……やれやれ。ゴミみたいな人生だな。いや、別にいいんだけどね)

八幡(コンビニでも寄って、ウマいモン買って帰るか。頑張ってる俺へのご褒美だ)



 ぶろろ… ききぃ がちゃ


ウィーン…


「ぃらっしゃいませぇー」ふぁぁ


八幡(……オイオイ。あの店員って、まさか)

八幡(嘘だろ?)

八幡(ウマいモンは明日買おう。奴に気付かれん内に引き返す)くるり


「あぁっ!!」


八幡「!!」びくぅ

八幡(しまった――!)


「あの人って、もしかしてぇ……!?」


八幡(何大きな声で言ってんだよ、恥ずかしい奴。いや、ワザと聞かせてんのか)

八幡(全く。久しぶりだっていうのに、妙に甘ったるい声は変わっちゃいないな……)


「せんぱーいっ!」


八幡「……」すたすた


ウィーン…


「ちょっと先輩! 待って下さいよ~!」たたた


八幡「……ってオイオイ。店の外にまで出てきてんじゃねーよ」

八幡「勤務中なんだろ?」


八幡「一色」


いろは「……じゃあ中で話さないといけませんね?」

いろは「先・輩!」にやり


八幡「嫌だ、と言ったら?」

いろは「ショックで大泣きしちゃいます」

八幡「……はぁ。くだらねえ嘘吐くなよ」

八幡「まあいい。じゃあ入るぞ」

いろは「お……おぉ?」

八幡「何だよ……不思議そうな顔して」

いろは「いえいえ……何でもないですよ? ただ、ちょっと――」

八幡「ふむ。チラッと見たところワンオペじゃないみたいだな。もう一人の店員に悪いしさっさと入るぞ」すたすた

いろは「……ほぇ~」



ウィーン…


いろは「もうちょっと前の時間帯だとお客さんもいたんですけどね……この時間帯になるともう全然」

八幡「……ふーん」

いろは「先輩! 久しぶりに会ったんですからもっと何かないんですか?」

八幡「何か、って何だよ」

いろは「かわいくなったな、いろは。とか、大人びたな、いろは。とか……」

八幡「ねーよ」

いろは「むぅ……! どうやら相変わらず挨拶の一つもまともに出来ないみたいですね!」

いろは「先輩が高校卒業して以来の再会だっていうのに!」ぷぅ~

八幡「俺にそういった期待をするな。まあ強いて言うなら」


八幡「変わってないな、お前は……」


いろは「はぁぁ?」ぴく

いろは「なんかムカつきます。成長してないって言いたいんですかぁ?」

八幡「違う。そんなの再会して数分でわかる事でもねえし」

八幡「俺が言いたいのは、なんて言うか、その……」

八幡「ノリが昔と変わってなくて、安心したっつーか……」ぼそり

いろは「??? なんて言いました?」

八幡「何でもねーよ。見た目が変わってないな、ってハナシだ」

いろは「結局成長してないって言ってるのと同じじゃないですか? ソレ」つーん


いろは「っていうか、先輩は何でこんな夜中にこんな錆びれたコンビニなんかに寄ったんですか?」

八幡「バイト帰り。このコンビニ、道中にあるから何か買って帰ろうか・とな」

いろは「ふぅん」

いろは「ま、そんなの何でもいいですけど」

八幡「何だそりゃ。そっちからフっかけといて」

いろは「そんなことより、先輩! 明日……っていうか今日、暇ですか? もし良かったら――…」


八幡「……!」ど く ん


八幡「一色!!」

いろは「は、はい?」びく


八幡「……バイト、いつアガるんだ」ずい


いろは「え? 朝方になりますけど……朝の6時くらいです」

八幡「……そうか」


八幡「わかった」

いろは「え、何がわかったんですか?」



 ――8月8日 AM 06:12 コンビニ外


いろは「わぁ……ほんとにいたんですね、先輩!」たたっ

八幡「ちょっと胸にクる言い方はやめろ」

八幡「まあ、約束したのは俺の方だしな」

八幡「バイトお疲れさん」

いろは「……あ、ど、どうも。えっと……ほんとびっくりしましたよ。まさか先輩の方から」

いろは「『いろは……バイト終わったら、ちょっと付き合えよ』とか言ってくるなんて……」

いろは「何が起こったのかわからなくて、バイト中ずぅーっと呆けてましたよ……」

八幡「……まさか今の俺の真似? そんな言い方じゃなかったよね俺」

八幡「まあ、乗れよ」すたすた

いろは「え?」


八幡「ほら」がちゃ


いろは「く、くるま……???」ぽかん

いろは「え。コレって先輩の車ですか?」

八幡「そうだが」

いろは「……」

八幡「カッコいいだろ? 俺の愛車、bBだ。カスタマイズには全財産をつぎ込んだ」

いろは「それは訊いてませんから。っていうか全財産って……軽くヒキます」


いろは「っていうか、先輩が助手席の扉開けてくれてるなんて……」

八幡「感心してないで乗れよ」

いろは「か、感心なんてしてませんよ!」たたっ

いろは「先輩がまた私を口説いてるのかなぁ、再会していきなりはちょっと無理なのに、とか考えてただけです!」ぽすん

八幡「またって何だよまたって。今までそんな計らいした事なんかねーよ」がちゃ

八幡「……取り敢えず、腹減ってるだろ。どっか食いに行こうぜ」

八幡「この時間だとサイゼは開いてないな。ロイホでいいか?」

いろは「い、いーですよ。どこでも」


 ぶろろ…


いろは「先輩。ほんとどうしたんですか?」

八幡「何がだ」

いろは「だって、高校時代の先輩なら、自分からヒトをどっかに誘うとか、ありえなかったですよね?」

八幡「そうか? まあ、そうかもな」

いろは「さっきコンビニで再会した時は、見た目も全然変わってないし、私見て逃げようとしたし、先輩昔とあんまり変わってないのかな・と思ったのに」

いろは「私が中で話したいって頼んだら素直に聞いてくれるし、いつの間にか車持ってて、バイト帰りに誘ってきちゃうし……」

いろは「いや、この二年で変わり過ぎですよ、先輩!」

八幡「お前の中の俺の印象はどうなってるんだ?」

八幡「別にそんな変わってないと思うが……まあ……今日はいつもと気分が違う、ってのは確かだ」

いろは「???」


八幡「今日、何の日か知ってるか? 一色」

いろは「? 知りませんけど……なんかありましたっけ」

八幡「俺の誕生日だ」

いろは「!」

いろは「そうだったんですか! ああ、そういえばそうだったかも……?」

いろは「とにかく、おめでとうございます!!」

八幡「……あ、ありが」


いろは「……!」ぴく


八幡「……な、何だよ。急に表情変えて」

いろは「はっはーん。わかりましたよ先輩。当ててみましょう。つまりこういう事ですね?」

いろは「大学でも淋しく友達のいない生活を送っていた先輩は、誕生日を祝ってくれる人も誰もいなくて」

いろは「淋しくて淋しくてたまらなくて、久しぶりに会った愛しの後輩に祝ってもらおうと、勇気を出して誘ってみたワケですね?」

いろは「なーんちゃって。先輩がそんな事考えるワケありませんね。えへへ……」

八幡「……当たりだ」

いろは「ええっ!?」

いろは「そ、そうなんですか。せ、せんぱい……」もじもじ

八幡「だが惜しいな。間違いが一つある」

いろは(きますか!? 『愛しの後輩だと? んなワケあるか。あざといぞ』『ええー、じゃあ私の――…)



八幡「大学は辞めた」


いろは「え……!?」
 

 ぶろろろ…


いろは「え……あ、そうですか」

八幡「……からかわないのか? 意外だな。気を遣ってくれてるのか?」

いろは「そんなんじゃないですよ……」

いろは(愛しの後輩ってところは間違いじゃないんですか? とかって、軽口叩ける雰囲気じゃないじゃないですか、先輩……)

いろは(……大学辞めたって、何があったんだろ、先輩……)そろ…

八幡「ほんと表情がコロコロ変わる奴だよな、お前」

八幡「そんな暗い顔しなくても、単に大学は馴染めないし遠いしで、サボってたら単位取れなくて退学するハメになった、ってだけだ。俺の場合」

八幡「むしろ大いに嘲笑ってくれて構わん」

いろは「は……はは。まあ、そんなところだろうと思ってましたよ! 先輩! 親不孝ですね~」

八幡「……」

いろは「……」

いろは「ご、ごめんなさい! 失言しました……親不孝だなんて知った口……」

八幡「だからそんな顔するなよ。間違ってないから」

いろは(だって先輩の顔見たら……)

八幡「――まぁ」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月13日 (金) 04:55:01   ID: q2adts8t

良いね
続きはよ

2 :  SS好きの774さん   2015年11月28日 (土) 03:22:28   ID: HawFthSt

つづきはよ

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