北条加蓮「今月のカバーガール?」 (22)

※北条加蓮→安部菜々の呼称を変更させてもらっています。
※単発作品だよー


――17歳?

北条加蓮「…………」ポチポチ

お題は「17歳×冬の似合うアイドル」!

エントリーアイドル
島村卯月
三村かな子
小日向美穂



安部菜々



諸星きらり
北川真尋
難波笑美


安部菜々


\安部菜々/


加蓮「なんでやねん」


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――想像してみよう

加蓮「いや、そりゃもう半ばネタみたく温かい目で見てきたけどさ、最近ちょっと酷くない?」

加蓮「JKテーマの仕事にしれっと混ざりこんだりしてさ」

高森藍子「でも、それだけ菜々さんも頑張っているってことですよ」

加蓮「いやいや藍子。美談に持ち込もうとしてもこれは無理だって」

加蓮「じゃあちょっと想像してみてよ。ほら私たちって年齢的に高校2年生でもおかしくはないじゃん?」

加蓮「クラスメイトに菜々がいるかもしれないんだよ?」

加蓮「クラスメイトに××歳がいるかもしれないんだよ?」

加蓮「どう?」

藍子「うーん…………」

藍子「………………」ゲッソリ

加蓮「でしょ?」

――ホントに何ででしょうね?

藍子「そういえば……菜々さんってどうして、永遠の17歳って言っちゃってるんでしょうか?」

加蓮「言われてみれば聞いたことなかったっけ。もう当たり前みたいに扱われてきたけど……」

藍子「うーん……」

藍子「……17歳に戻りたかった?」

加蓮「実はウサミン星人の設定を隠す為のカモフラージュ」

藍子「ホントは制服が大好きでずっと着ていたかったっ」

加蓮「実は二重人格で相手を忘れないようにいられるっていうドラマ的なの」

藍子「ホントはホントに17歳っ!」

加蓮「年齢が増えないゲームに対するメタ」

藍子「めた?」

加蓮「気にしない気にしない」

――この事務所って……

加蓮「そうだ。他の17歳にも聞いてみようよ。絶対おかしいって思ってる人いるハズだよ」

藍子「そうでしょうか……? でも、菜々さんをどう思ってるのかはちょっと気になるかも?」

加蓮「じゃ行ってみよっか」


「はいっ! 私、今回のお仕事も頑張ります1」

「……えー、いいんじゃないのー? ねぇ、それより飴ない? 飴~」

「お、お正月と言えばこの歌鈴にお任せ! ……え? お正月じゃなくて冬……? そそ、そうでしたっ! はわわっ」

「加蓮! またPさんに変なこと言っただろっ! なんかずっと追い回してくるんだよアイツ! バニースーツ持って!」

「年齢詐称? それは……すごくロックだね!」

「はぁ……ぴにゃこら太……」

「あら加蓮。ふふっ、子供みたいに拗ねちゃって。それならあなたも17歳って言って参加してみたらどうかしら? ……違うの? そう……」

「ボンバー!!! 藍子ちゃん、これ差し入れですっ!! お腹いっぱいですか? 気合で入れましょう! 加蓮ちゃんも!!! 2人とも、もっとお肉を食べるべきです!!!」


加蓮「…………」ボロボロ

藍子「…………」アハハ

加蓮「……今さらだけどさ、この事務所って大丈夫なの……?」

藍子「こ、個性派揃いですからっ、個性派揃いっ」

――ありだと思うんです

加蓮「私たち16歳じゃん」

藍子「ですね」

加蓮「もし17歳になったら」

藍子「……でもそれ、あまり変わらないような」

加蓮「あ、そっか。うーん……なら、高校1年生から高校2年生になったら」

藍子「そうしたら……後輩ができますねっ」

加蓮「後輩」

藍子「加蓮ちゃん加蓮ちゃん。ちょっと先輩って呼んでみてください♪」

加蓮「えー私の方が先輩キャラっぽくない? ま、いっか……藍子先輩っ♪」

藍子「…………!」

加蓮「……何?」

藍子「もっと!」キラキラ

加蓮「え、えぇ?」

――高校11年生

加蓮「っていうかそもそも菜々って高校何年生って設定なんだろ」

藍子「せ、設定って言うのやめてあげてくださいっ」

加蓮「ま、17歳ってことは少なくとも高校2年生よりは上だよね。2年生か3年生」

藍子「そうですね……なんとなく、高校2年生ってイメージが」

加蓮「2年生」

加蓮「……菜々先輩」ボソ

加蓮「あ、駄目だこれ。しっくり来すぎてヤバイ」

藍子「菜々先輩っ」

藍子「ホントですっ。まるで、本当に面倒見のいい先輩ができたような、そんな感じが……」

加蓮「面倒見がいい(ただしウサミン星人)」

藍子「うくっ」

加蓮「面倒見がいい(ただし永遠の17歳)」

藍子「うくくっ…………や、やっぱり、なしで……」プルプル

加蓮「もういっそ高校11年生とかそんなんで行こう。ほら、17歳と1ヶ月ならぬ、17歳と10年、みたいな」

藍子「11年生……!?」

――訂正です

加蓮「>>7、いや菜々は17歳なんだから高校1年生じゃないし、11年生っていうのはおかしいよね。ごめんごめん。やるなら高校12年生とか13年生だよね」

藍子「そ、それはそれで……」


――逆転の発想

藍子「加蓮ちゃんは菜々さんをいじめすぎですっ」

加蓮「え、どしたの急に?」

藍子「もし菜々さんに何か隠し事があったり、事情があっても、17歳ってことでエントリーしているのは間違いないんですから」

藍子「だから、それをどうこうって言うんじゃなくて……どうしたら菜々さんが雑誌の表紙に選ばれるか、考えましょう!」

藍子「ほらっ、アイドルですから。前向きに、前向きにっ」

加蓮「藍子……そっか。私、ネタにすることばっか考えててちょっと後ろ向きだったかもね」

加蓮「さすがポジティブパッション。ポジティブって名前に入れてるだけはあるね!」

藍子「はいっ。でも、加蓮ちゃんだってトライアドプリムスじゃないですか!」

加蓮「うんうん……」

藍子「…………」ニコニコ

加蓮「……いやトラプリは関係なくない?」

藍子「あれっ」

――安部菜々さんじゅうななさいをプロデュースっ!

加蓮「じゃあ、どうしたら菜々が17歳っぽくなるか考えよう」

藍子「17歳……17歳と言えば……」

加蓮「制服」

藍子「オシャレっ」

加蓮「ポテト」

藍子「スクールバッグ!」

加蓮「宿題」

藍子「部活!」

加蓮「ダイエット」

藍子「他には……体操服っ」

加蓮「おしゃべり」

藍子「進路相談っ」

加蓮「――」

藍子「――」

加蓮「――!」

藍子「――!」

――かおす

加蓮「ってことで菜々。これ、私たちからのプレゼントだよ。今回のキャンペーン、頑張ってね」

・ポテト(しなびている)
・入部届(手書き。表題は「アイドル部」)
・1kgのダンベル
・スマホの店頭サンプル
・進路調査票(もちろん手書き)
・謎ストラップ
・ガムの包み
・お祓い棒
・マニキュア
・たこ焼き




安部菜々「なんでやねん」

――きめらてぃっくアイドル!

加蓮「えー、これでも真剣に考えたのに」

菜々「いや意味分かりませんから加蓮ちゃん。それに藍子ちゃん! その格好はなんなんですか!?」

藍子「え……えへっ」

藍子の格好
上半身……ぴにゃこら太シャツ&制服(ブレザー)の上からメイド服
下半身……ブルマ
右手……スクールバッグ
左手……ストリートアート用のスプレー
腕……なんかやたら安光りしているブレスレット
口……ペロペロキャンディー

加蓮「そうだよ藍子!」

加蓮「菜々を17歳に見せようって企画なのになんでメイド服を着てるの! それじゃいつもの自爆芸搭載ウサミン星人じゃん!」

菜々「そこ!? あと誰が自爆芸搭載だ!」

――17歳を勉強……?

(とりあえずペロペロキャンディーはなめました)

藍子「あはは……加蓮ちゃんとお話してたらいろんな案が出たから、とりあえずぜんぶ見てもらおうかなって」

加蓮「実際に着てる方が分かりやすいかも? って思ったんだ」

菜々「は、はあ。……ナナこの2人ってこんなんだっけと軽く混乱してきましたよ」

加蓮「??」

菜々「ご、ごほんっ。しかし藍子ちゃん。そのブルマはおかしくありませんかね?」

加蓮「……まあ冷静に考えてみたらブルマだけがおかしい訳じゃないとは思うけどね」

菜々「ブルマはもうとっくに廃止されてるんですよね! ナナに同じネタは通用しませんから!」

加蓮「あ、そっち」

菜々「ちっちっち。これでも17歳についてしっかり勉強してるんですよ? 今回はもう! 自爆芸なんて言わせませんからね!」

加蓮「…………」

藍子「…………17歳について勉強……?」

菜々「ハッ!」

――はずかしいっ

藍子「あの……そろそろ、着替えて来てもいいですか? ちょっぴり恥ずかしくて……」アハハ

加蓮「ん、ありがとね藍子。まさかいっぺんに着てくるとは思わなかったけど」

菜々「まーそんな格好を他の人に見られでもしたらびっくりしちゃいますからね! 藍子ちゃんに変な風評がついちゃう前に!」

藍子「それもですけれど……その、これが……」(メイド服をつまむ)

菜々「え?」

藍子「わ、私にはちょっぴり……その……え、えへへ」

菜々「メイド服が恥ずかしいと!? ナナ全否定ですか!?」

菜々「そこになおれーっ! 藍子ちゃんにはメイドというメイドを叩き込んでやります!!」

藍子「ひゃーっ」

――藍子は着替えてきました

藍子「…………」ブルブル

加蓮「あーあ、私にしがみついちゃって……どうすんの菜々。藍子が怖がってるんだけど」

菜々「メンボクナイ」

藍子「そ、その、菜々さんがお恥ずかしいとかでは絶対になくて……メイド服の菜々さんは、すっごく魅力的ですっ」

藍子「でも、自分で着てみたら……着てみたいって思ったことはあったけれど、ホントに着てみたら、その……ご、ごめんなさいっ」

菜々「……ふうっ。しょうがないですね! メイドへの道は、また今度にしましょっか」

藍子「はいっ」

菜々「いつか藍子ちゃんがメイドになりたいって言うの、楽しみに待ってますよ!」

藍子「はいっ!」

加蓮「……まぁ、私もウサミミつけて街を歩けって言われたら恥ずかしくて恥ずかしくて死ねるね」

菜々「加蓮ちゃん!? せっかくのいい話を!」

――アイドル安部菜々の根性

菜々「さて! ナナはお仕事の時間です! 全国のご主人様とお嬢様に癒やしをお届けしてきますよ~!」

藍子「行ってらっしゃい……♪」フリフリ

加蓮「頑張ってね」

菜々「ええ! 2人のプレゼントは……き、気持ちだけ受け取っておきますから!」

菜々「よいしょ、よいしょ」

加蓮「……ん? 飲み物の数、多くない?」

藍子「もしかして、長くなるお仕事とか?」

菜々「ああいえ! この時期は乾燥が怖いですし、今日はいっぱい叫ぶことになりそうですからね!」

菜々「いろんなところで、いっぱいアピールしなきゃ! せっかくエントリーしたんですから!」

加蓮「…………」

藍子「…………」

菜々「それでは行ってきます! 2人も、もしエントリーすることがあったらナナが応援しますね!」


<ナナをよろしくお願いします~!
<にょわっ!? 菜々ちゃん気合いっぱいだにぃ☆
<アタシも応援しますね! フレーフレー☆

――またいらんことを思いつく

加蓮「…………やっぱりなんだかんだ、すごいとこはすごいよね、菜々」

藍子「はいっ。菜々さん……雑誌撮影のお仕事、選ばれるといいですね」

加蓮「うん。私たちも、できることがあったらやりたいよね」

藍子「アイドルとしてお手伝いできることですか? じゃあ、また考えてみましょうっ」

加蓮「うんうん。アイドルって言ったら……やっぱり名プロデューサー?」

藍子「あと、一緒に頑張れる仲間ですっ」

加蓮「仲間……仲間っていうか、ライバル!」

藍子「それもいいですねっ。加蓮ちゃんも菜々さんも、勝負事がお好きですから」

加蓮「でも菜々は強敵だよ。釣り合うだけのライバルなんて、なかなか用意するのは……」

藍子「プロデューサーさんも、ずっと菜々さんについている訳にはいきませんから……」

加蓮「…………」

藍子「…………」

――どうしてこうなった

菜々「おはようございま――」

加蓮「おはようございますっ! “高森”加蓮、17歳ですっ☆ ギャハっ☆ あなたには負けませんからね、菜々さんっ☆」

菜々「………………………………………………は?」

藍子「あ、菜々さん……ごほんっ、菜々さん……君。今日から短期だけ、あなた……ええと、君の担当をすることになりました……なった、プロデューサーさん……プロデューサー、です……だ。き、き、君には期待していますっ……期待、しているぞ……」

菜々「……………………………………………………………………は?」


ちなみにこの後、2人とも恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして頭を抱えていたとかなんとか。



おしまい。読んでくださり、ありがとうございます。クリスマスメモリーズばんざーい!!

……いやもう永遠の17歳ってホント何なんだろう……(遠い目)

あ、ごめんなさい、>>5に誤植があったので訂正を……。

誤:「はいっ! 私、今回のお仕事も頑張ります1」
正:「はいっ! 私、今回のお仕事も頑張ります!」

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