後輩「いきなりこんな事してごめんなさい」
男「……」
後輩「でも大好きなんです…本当に好きなんです」
男「……」
後輩「どうしようもない程好きなんです」
男「……」
後輩「今すぐにでもめちゃくちゃにしてあげたい位…かまいませんかね?」
男「…ちょっと構うかな」
後輩「そうですか残念です…」
男「うーんとりあえず」
男「この手錠と鎖と首輪と足枷を外してはもらえないかな?大至急で」
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後輩「でもそうしたら先輩逃げちゃいますよね…?」
男「逆に逃げないと思うのかい?」
後輩「そんな!ここ私の部屋ですよ!?」
男「とてもかわいらしい部屋だね」
後輩「JKの!乙女の部屋で拘束ですよ!?」
男「だからなんだよ…」
後輩「おかしいです…こんな絶好のエロシチュはそうそうないはず…」
男「あいにくそんな性癖はない」
後輩「帰納法で先輩は男ではない可能性が…」
男「それ絶対使い方違うからね」
後輩「とにかくだめです」
男「えぇ…」
後輩「せっかく苦労して拘束したのに逃がすわけないじゃないですか」
男「その…君の気持ちは嬉しいんだけどさ」
後輩「え?」
男「こういう事はいけないと思うんだ…だからもっとお互いに段階を踏んで」
後輩「何を言ってるんですか?」
男「え…俺の事が好きでやったんだよね?」
後輩「何言ってるんです?」
男「え?」
後輩「え?」
男「…少し確認してもいいかな」
後輩「はい」
男「君には好きな人が居るんだよね?」
後輩「はい居ますよ?」
男「俺のことが好きだったり…」
後輩「するわけないじゃないですか気持ち悪い」
男「え?」
後輩「え?」
男「はぁ…つまり俺の姉の事が好きだと」
後輩「心酔の域に入っていると自負しています」
男「けれど自分で告白する勇気はないと」
後輩「はいそうですね」
男「だから俺を拘束したと」
後輩「はい」
男「うんおかしいよね」
後輩「どこからですか?」
男「なにもかもがだよ」
男「だいたい俺を拘束してどうするつもりだったんだよ」
後輩「そりゃもちろん全身の皮膚を剥いで」
男「え?」
後輩「加工して着ぐるみの様に着ようかと」
男「なにそれこわい」
後輩「あぁ…ちゃんと下処理はしますよ?」
男「その配慮は要らない」
後輩「うふふ大好きなお姉様とずっと一緒に居られます」
男「なにこの子怖い」
後輩「私自身が弟になる事だ」
男「何……だと………」
後輩「冗談ですよ安心してください」
男「できねーよ」
後輩「まぁ現実的に無理なこと位理解してますよ」
男「あぁよかった…最低限の常識は
後輩「お姉様の下着で我慢します」
男「兼ね備えてなかったかー」
後輩「え?だめですか…」
男「無理ですあきらめて下さい」
後輩「物理的に?」
男「いや倫理的に」
後輩「いやですぅーお姉様とチョメチョメしたいですー!」ジタバタ
男「ついに本音が出たか…」
後輩「姉妹丼って素敵だと思いません?」
男「同意しかねるなぁ」
後輩「海鮮丼みたいな」
男「その二つはかけ離れてるからね?」
後輩「カツ丼・天丼・ウナギ丼!」
男「すごくおいしそう」
後輩「もういっかい遊べるドン!」
男「だれか達人を呼んでくれ、会話の」
男「んーちょっと待とうか」
後輩「大丈夫ですか?」
男「主に君が元凶なんだけどなぁ…」
後輩「具合でも悪く…?」
男「頭が痛いよ、君のせいでね」
後輩「あたま大丈夫ですか?」
男「なぜだろう、あおりに聞こえる」
男「…むぅ」
後輩「どうかしました」
男「ごめんちょっとトイレに…」
後輩「あぁなるほど」
男「拘束を外してはもらえないかな」
後輩「おまるもって来ますね」
男「ちょっと待つんだ」
後輩「おもらしプレイをご所望です?」
男「あいにくそんな性癖はないかな」
後輩「拘束されて喜ぶ趣味はあるのにですか?」
男「拘束したのは誰だと思ってんだコラ」
男「御馳走様でしたー」
後輩「お粗末さまでしたー」
男「まさか昼食に天丼もってくるとは思わなかった」
後輩「さっきの話をしてたらつい食べたくなって…」
男「なにこの子かわいい」
後輩「姉妹丼って素敵だと思いません?」
男「その話もう一回するの!?」
後輩「海鮮丼みたいな」
男「かぶせネタはもういいんだよ!」
後輩「もういっぱい食べれるドン!」
男「お腹いっぱいだよ…二つの意味で」
男「あー暇だなぁ…」
後輩「拘束されているとは思えない台詞ですね」
男「だってお前何もしてこないじゃん」
後輩「…人の事をまるで意気地なしみたいに」
男「いや実際ヘタレだよね」
後輩「ヘタレじゃありませんってば!ちょっと奥手なだけの乙女です!」
男「奥手な乙女はこんな事しないぞ」
後輩「…私だって告白したいですよぉ」
後輩「お姉様と一緒にお出かけとかデートとかしてみたいです」
男「してみたいよねわかるよ」
後輩「けどお姉様のそばによると…胸が苦しくなるんです」
男「うんうんなるほど」
後輩「半径20mより近づくだけで…」
男「それ最早病気じゃないかな?」
後輩「あとなぜか興奮もします」
男「それは病気じゃないな」
後輩「性的な興奮の方ですよ!」
男「それは病気だなある意味」
男「そろそろテレビつけていい?」
後輩「シリアスな雰囲気全否定ですか!?」
男「だってシリアスの欠片もないじゃん…」
後輩「まって下さい!これからがいい所ですから!」
男「だってヤンデレズっ娘の初恋トークとか…」
後輩「もっと興味を持ってくださいよ!あと略さないで下さい!」
男「分かった分かった」
後輩「待ってください!これからお姉様とのなれそめとかエピソードが色々」
男「あーうんうんその話TVのあとでいい?」
後輩「私の初恋はTV以下ですか!?」
男「あーおなか一杯になったら眠くなってきた」
後輩「食べてすぐ横になると牛になりますよ」
男「誰かさんのせいで横にもなれないんですが」
後輩「なんて酷い!どこのどいつの仕業ですかね」
男「この部屋に鏡がないのが残念だよ」
男「ふむ…うーん」キョロキョロ
後輩「何人の部屋じろじろ見まわしてるんですか気持ち悪い」
男「いやさぁ…うすうす感じてたけど」
後輩「いきなりなんです?」
男「お前家事できないだろ」
後輩「」
男「おぉ図星か?」
後輩「突然にゃにを!」
男「落ち着け噛んでるぞ」
男「だって部屋掃除できてないし」
後輩「忙しかっただけですそれだけです」
男「洗濯物も隅に放置してるし」
後輩「女性の洗濯物を覗くだなんて…っ!」
男「覗かれる場所におくな女子高生」
後輩「下着の覗き見は犯罪です!すけべ!」
男「下着をくれと言ってたやつの台詞じゃないね」
男「まぁいいや……で?」
後輩「は…はい?」
男「そろそろ夕方だが晩御飯はどうするんだ?」
後輩「…また私が作って」
男「ほほう店屋物をまた頼むと」
後輩「ばれてたんですか!?」
男「逆になぜばれないと…ドジっ子か」
後輩「うぅ…馬鹿にされました」
男「馬鹿にはしてないぞ無碍にはしてるが」
後輩「女性の尊厳を踏みにじられてます…」
男「俺は人の尊厳を踏みにじられてる訳だが」
後輩「先輩は勘違いをしています」
男「勘違い?」
後輩「実は私は家事が上手なんです」
男「ほほう」
後輩「その腕前はプロ級なのです」
男「ふむ」
後輩「だから家事も得意分野なんです」
男「鍛冶は得意分野です?」
後輩「言ってませんけど!?」
男「そいつは凄いな包丁依頼してもいい?」
後輩「刃物の話はしてません!」
後輩「とにかく私は成績優秀な優等生です」
男「自分で言うのか」
後輩「優等生は料理も上手なのです」
男「ほほうなるほど」
後輩「当然私も
男「じゃあ作ってみろよ」
後輩「…はい?」
男「洋食でも和食でもなんでもいいぜ、それを一緒に食べようか」
後輩「……」
男「………」
後輩「………」
~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~
男「結局一緒に買い物に来たな」
後輩「し、仕方ないじゃないですか!材料がなければ作れないですもん!」
男「はいはいわかってるよ」
後輩「あくまで先輩は私のサポートですからね…分かってますよね?」
男「今日は豚肉が安いな」
後輩「聞いてください!」
後輩「だいたいさっきから何してるんですか」
男「そりゃスーパーに来たらまずは特売チェックだろ?」
後輩「……」
男「おいなんだその冷たい目は」
後輩「大丈夫ですこれは生温かい目です」
男「何が大丈夫なんだそれ」
後輩「特売チェックする男子高校生とか…」
男「家庭的でかっこいいだろ?」
後輩「気持ち悪いですね」
男「頼むから包んでくれ、オブラートに」
男「家には両親あんまり居ないしな」
後輩「普段から料理とか作ってるんですか?」
男「まぁね」
後輩「お姉様は作らないんですか?」
男「そりゃ家では姉さんはだらしな…」
後輩「だらしな…?」
男「…いやなんでもないよ」
後輩「よく分かりませんが?」
男「世の中知らなくてもいいことがあるって事さ」
男「えーとなすが220円にピーマンが…っと」
後輩「先輩って無駄に女子力高いですね」
男「無駄には余計だ」
後輩「先輩って女子ですね」
男「はぶきすぎだろ!?」
後輩「先輩が女性なら良かったのに」
男「それを聞いてどう反応すればいいのかな?」
後輩「本当に残念です」
男「まぁお前レズだもんな」
後輩「失礼な!男より女の子の方が好みなだけですよ!」
男「人はそれをレズと呼ぶんじゃないのかな?」
男「だいたいお前考えなさすぎじゃないか?」
後輩「はい?」
男「今おれ手錠とか着けてないよな」
後輩「私が外しましたしね」
男「その気になれば逃げられるとか考えなかったのか?」
後輩「え?……あっ!」
男「今気が付いたのか…」
後輩「に、逃げちゃだめですからね!?」
男「急に腕に抱き付くな苦しいぞ」
後輩「もしも逃げたら私怒りますよ!」
男「それは困るな気を付けよう」
後輩「具体的には襲われたと言います!大声で!」
男「それは本当に困るからやめろ」
男「大体お前手錠や首輪がどれだけ苦しいか知らないだろ」
後輩「まぁ着けられたことないですし…」
男「そんなものをなぜ所持…まぁいい目をつぶれ」
後輩「はい?わかりました」
男「とりあえず大好きなお姉様を想像してみろ」
後輩「はい」
男「今目の前にはお姉様がいる」
後輩「お姉様が…」
男「微笑みながらお前に近づいてくる」
後輩「ふむふむ」
男「何をされるかと思いきやいきなり手錠と首輪を嵌められるわけだ」
後輩「手錠と首輪…」
男「息苦しい…とても痛い」
後輩「息苦しい…とても…痛い」
男「目を開けろ、どう思う?」
後輩「最高ですね」
男「だめだこいつ手遅れか」
後輩「うぅ…さっきから私のクールキャラが台無しになってる気がします」
男「クールなつもりだったのか…」
後輩「いけません少し落ち着きましょう」
男「落ち着くのは良い事だな」
後輩「人……人……人」ゴクリ
男「あぁそれよくやるよな」
後輩「お姉様…お姉様…お姉様」ゴクリ
男「それは飲んで落ち着けるのか?」
後輩「だめです興奮してきました」
男「だめだこいつ手遅れか…手遅れだったな」
男「あー重い……」
後輩「随分買いましたものね」
男「ちょっと休んで行こうぜ」
後輩「ちょっと休んで逝こうぜ?」
男「………どこへいく気だよ」
後輩「…ツッコみにキレがないとは本当に疲れてるんですね」
男「どんな判断基準を…あぁもうツッコむ気力も…」
後輩「だらしないですねぇ」
男「ほっとけ…」
後輩「それじゃあ公園でも寄っていきます?」
男「あー重かった」
後輩「お疲れ様です」
男「お前が持ってくれたら少しは楽になったんだがな」
後輩「女の子に荷物を持たせるだなんて恥知らずですね」
男「先輩に持たせるお前は礼儀知らずだな」
男「ほら…何飲む?」
後輩「い、いきなり何です?」
男「飲み物だよ」
後輩「え?」
男「おごってやるよ、丁度よく自販機もある事だしな」
後輩「……」
男「なんだよ黙って」
後輩「…先輩って優しいですよね」
男「なんだよいきなり?」
後輩「荷物持ってくれたり物をおごってくれたり」
男「…まぁそれくらいはな」
後輩「なんでそんなに優しいんですか?」
男「え?」
後輩「普通監禁とかされたら怒ると思うんですけど」
男「自覚はあったんだな…」
後輩「…なんだか調子がくるいます」ボソッ
男「ぼそっとしゃべるなよ、何だって?」
後輩「なんでもないですよーだ」
後輩「もう私のどカラカラですよ」
男「へーそうかい」
後輩「サハラ砂漠並にカラカラです」
男「よく分かんねーよ」
後輩「カラオケ5時間後位カラカラです」
男「それは分かるわ」
後輩「まぁ普通に喉乾いているのは事実です」
男「ほーん」
男「んで何飲む?」
後輩「飲むコーヒーゼリー(大)で」
男「のど潤おす気ゼロか馬鹿」
後輩「冗談ですよ」
男「こんな所までボケていくな」
後輩「え?でも先輩突っ込んでくれたじゃないですか」
男「あれ字がちがくね?」
後輩「街中の往来で、嬉々として」
男「ちょっと待て」
後輩「嫌がる私を抑えて無理やりだなんて…」
男「待つんだ声がでかい」
後輩「こんな真昼間から女の子に突っ込むだなんて…大胆です」
男「頼むから黙ってくれ、周囲の方々の視線が痛すぎる」
後輩「冗談ですよ」
男「冗談で不審者になりかけたんですけど?」
後輩「つい会話が楽しくなっちゃって…」
男「頼むから普通にしてくれ、心臓に悪い」
後輩「ドキドキします?」
男「ハラハラします」
男「お前って本当に良いキャラしてるよな」
後輩「褒め言葉と受け取ります」
男「ボジティブすぎませんかねぇ」
後輩「それほどでもありますよ」
男「あるんかい」
後輩「それじゃ緑茶でお願いしますね」
男「…あぁ、一瞬何言ってんだこの娘って思っちまったわ」
レスありがとうございます
やっぱりレスが貰えるとすごくうれしいですね!
更新ペースが少し遅いかもしれませんが…他の方々のSSを読む片手間にでも読んで貰えたら幸いです
…あとやっぱり酉とかもつけたほうがいいですかね?
後輩「ただいまー」
男「ただいまー」
後輩「それじゃはい」
男「そこでさらっと首輪を勧めるのか…」
後輩「だってまだ監禁途中じゃないですか」
男「監禁した相手を外に連れ出すバカがどこにいる」
後輩「ここにいます」ドヤァ
男「……」
後輩「さっさと這いつくばってくれません?犬のように」
男「断る」
後輩「おやおや…まだ自分の立場が分かっていないようですねぇ」
男「鏡見てこい、全力でな」
男「結局拘束されるのか…」
後輩「という訳で仕切り直しと行きましょう」
男「直せる気がしないんですがそれは」
後輩「お姉さまとのなれそめの話をしてあげます」
男「……」
後輩「もっと興味と関心を持ってくださいよ!」
男「ごめんなさい無理です」
後輩「断言ですか!?」
男「ちょっと色んな意味で厳しいですわ…」
後輩「大丈夫です時間ならたっぷりあります」
男「だから嫌なんだよ」
後輩「とりあえず3時間ほど」
男「無駄に長い!?」
後輩「甘いですね先輩、これはまだ序章です」
男「序章だけで胸焼け起こしそう」
後輩「全12章からなる壮大なラブストーリー!」
男「その説明だけで既にお腹いっぱいです」
後輩「私はお姉さまへの愛で胸がいっぱいです」
男「誰がうまいこと言えと」
男「頼むから勘弁してくれ」
後輩「では別の機会に」
男「ぜひそうしてくれ」
後輩「それでは本題に入りましょうか」
男「…なんだっけ?」
後輩「お姉さまの下着か先輩の生皮を剥ぐ件ですよ」
男「そこだけ聞くと猟奇的事件だな」
後輩「まぁどうしても私は下着が欲しいので」
男「君にとって俺は下着以下の存在なの?」
後輩「今のところ3対7で生皮ですかね」
男「お願いだから10対0にしてくれ」
後輩「大丈夫ですあなたの意志は私が引き継ぎます」
男「俺が下着を盗む意志をいつ見せた」
後輩「盗むだけでなくクンクンprprもしますよ」
男「僕にメリットが無さすぎませんかね」
後輩「……もしよかったら私の下着をあげましょうか?」
男「とんでもない等価交換だなおい」
後輩「もう…わがまま過ぎですよ」
男「ブーメランが突き刺さってるぞ」
後輩「可愛い後輩の頼みも聞けないだなんて」
男「常識の範囲でならいいぞ」
後輩「下着は世界の常識じゃないんですか!?」
男「うんごめんね、異世界の常識には詳しくないんだ」
男「そもそもなんで下着にこだわるんだ?」
後輩「……正気ですか?」
男「なぜそこまで驚いた表情が出来るのか」
後輩「お姉様が直接身に着けた物ですよ?」
男「うん」
後輩「あの絹のような柔肌で…だぜ?」
男「だからなんだ」
後輩「個人的にはブラじゃない方が興奮します」
男「随分と捻じ曲がった性癖だ」
後輩「そう褒めないで下さいよ」
男「褒めてないからな」
男「そこまでしてパンツが欲しいのか…」
後輩「パンツじゃありませんパンティーです!」
男「そこ重要?」
後輩「もしくはパンツァーです!」
男「戦車出ちゃったよ」
後輩「パンティー…なんて淫猥な響きでしょう」
男「こんな同意しかねる会話は初めてだよ」
後輩「JKの下着は秘宝と同価値です」
男「君もJKだろ」
後輩「つまり私も秘宝レベルだと?」
男「その頭の残念さはな」
後輩「おなか空きましたね」
男「そろそろ夕飯にしようぜ」
後輩「はいお願いしますね」
男「…俺が作るの?」
後輩「ほかに誰がいるんです?」
男「可愛らしく首をかしげられてもなぁ」
男「自分で作るといっただろう?」
後輩「もう見栄張るのはいいかなって」
男「認めちゃうのか…」
後輩「どうせ家事では敵わないですし」
男「諦めるなよ」
男「何が食べたい?」
後輩「リクエストしてもいいんですか?」
男「簡単な物ならね」
後輩「じゃあ姉妹丼を」
男「もうそのネタはいいって言ってるだろ!?」
後輩「甘いですね先輩、同じネタは三度繰り返すものです」
男「これぞほんとの天丼…ってやかましいわ!!」
後輩「…」
男「…」
後輩「まさかのりつっこみとは…」
男「謝るから触れないでくれ」
後輩「ふぅおなかいっぱいです」
男「よく食べたな」
後輩「だって美味しかったんですもん」
男「少しは俺の腕も見直したかな?」
後輩「もう十分見直しましたよ」
男「正直だな…デザートも作ったけど食べる?」
後輩「ほんとですか!?」
男「作ったけど…食べられるか?」
後輩「甘いものは別腹です」
男「ははっなら大丈夫かな」
後輩「あとおいしい物と好物のごま団子も別腹です」
男「君の腹はなん個あるんだい?」
後輩「ごちそうさまでした」
男「お粗末様でした」
後輩「ほんとに美味しくてびっくりです」
男「そう言って貰えたなら作った甲斐もあるな」
後輩「先輩ってほんとに男ですか?」
男「失礼な奴だ」
後輩「おっと洗い物をしなければ」
男「あぁ…俺も手伝うよ」
後輩「はい先輩」ゴシゴシ
男「おう」キュッキュッ
後輩「うん…よいしょっと」ゴシゴシ
男「洗い物は手馴れてるんだな」
後輩「いつもお母さんの手伝いをしてましたから」
男「へー偉いんだな」
後輩「お父さんはいつも仕事が遅かったんですよ」
男「働き者だったんだな」
後輩「えぇ自慢の両親です」
男「そういや君のご両親はどこにいるんだ?」
後輩「………え?」ゴシッ
男「い、いきなりどうしたんだよ」
後輩「両親は…今は……その」
男「え?……あっ」
後輩「……」
男「…もしかして」
後輩「……もうずっといないんです」
男「……悪かった」
後輩「謝らないでくださいよ」
男「それでも…ごめん」
後輩「その気持ちだけで嬉しいですよ」
男「……やっぱりご両親はもう」
後輩「えへへ…もうこの一人ぼっちの生活にも慣れちゃいました」
男「……」
後輩「でもさみしくはないんですよ?」
男「…え?」
後輩「きっと両親も向こうで元気に暮らしてますから」
男「……そっか」
後輩「えぇ…きっと元気に楽しく過ごしてますよ」
男「…そうだといいね」
後輩「向こうで…海外でもきっと」
男「………」
男「…は?」
男「ご両親生きてるの?」
後輩「…はい?ピンピンしてますよ」
男「さっきの寂しい云々って…」
後輩「正直一人暮らしは少し…ねぇ」
男「……お亡くなりになった訳では?」
後輩「普通に生きてますけど…」
後輩「どうしたんですか先輩!?いきなり頭を壁に打ち付けないでください!!」
後輩「…もう変な誤解しないで下さいよ」
男「素直に申し訳なくなってくる」
後輩「まったくもう…」
男「つまりはただの単身赴任か」
後輩「単身不妊?」
男「それは正しいけれど間違ってるぞ」
後輩「一人じゃ赤ちゃん産めませんもんね」
男「ボケの解説はしなくていい」
後輩「あとうちの場合母も一緒に赴任ですよ」
男「ふつう父親だけじゃないの?」
後輩「母は父の事が好きすぎるので一緒に海外へ…」
男「お、おぉ…」
後輩「父もまた母の事が好きすぎるという」
男「仲がいいんだな」
後輩「良すぎですよ、気持ち悪い」
男「そこまで言うの!?」
後輩「事あるごとに仲の良さをアピールしてきて…」
男「ど、どんな風に?」
後輩「三日に一度は写真付きラブメールを」
男「…いろんな意味でキツイな」
後輩「『お前も早く彼氏の一人でも作ったら~ww』って」
男「おうふ…」
後輩「思わず殺意の波動に目覚めそうになりました」
男「どこのファイターだ」
後輩「こないだなんて夜中の2時に…」
男「時差があるからね、仕方ないね」
後輩「思わずスマホをたたき折りそうになりました」
男「お父さん自重してあげて!」
後輩「いいかげん…我慢の限界です」
男「つ、つまりは夫妻赴任なんだな」
後輩「えぇ夫妻不妊です」
男「どんだけ不妊にこだわってんだ!」
後輩「……」
男「…あの後輩さん?」
後輩「……」
男「…もしかして?」
後輩「……毎晩励んでいるのに産まれないとメールされる娘の立場を…考えてください」
男「……」
後輩「……」
男「………」
後輩「牛乳パックはきちんと開いて下さいね」
男「細かいな」
後輩「だてに主婦やってませんから」
男「やってないだろ」
後輩「地球がもたん時が来ているのだ!」
男「エコだよそれは!」
男「ん?なんだこれ」
後輩「どうかしました?」
男「いやなんか紙のような物が」
後輩「抜け毛ですか?」
男「かみ違いだ」
後輩「…あっ!それはだめです!」
男「だめって…おぉ」
後輩「あぅう…」
男「姉さんの写真…かな?」
後輩「それは…うぅ…」
男「いや別にいいんじゃないかな」
後輩「は、恥ずかしいです…」
男「好きな人の写真を収めるだなんて乙女らしくて可愛いじゃないか」
後輩「そ、そうですかね」
男「でもこれ本当に姉さん?」
後輩「なんでそんな事聞くんです?」
男「こんなぶれぶれの被写体で分かるか」
男「驚くほどの手ぶれだな」
後輩「いやぁそれほどでも…」
男「褒めてないから」
後輩「だって仕方ないじゃないですか!緊張しちゃうんですもん!」
男「限度があるだろ…」
後輩「愛が詰まっていればいいんです!」
男「技術は詰まっていないけどな」
後輩「だって…写真を撮ろうとすると手が震えちゃって…」
男「言えば写真の一枚位くれると思うぞ」
後輩「い、言えるわけないじゃないですか!」
男「どうして?」
後輩「…私は女ですし…その」
男「…はぁ分かったよ」
男「何枚欲しいんだ?」
後輩「え?」
男「弟公認であげるっていう事だ」
後輩「いいんですか!?」
男「写真位ならまぁいいさ」
後輩「先輩…ありがとうございます!!」
男「どれくらい欲しいんだ?」
後輩「1GBでお願いします!」
男「枚数を尋ねたんだけどなぁ…」
後輩「あれもうこんな時間ですね」
男「あっというまだな」
後輩「お風呂にでも入りましょうか」
男「入ってもいいのか?」
後輩「なんでです?」
男「監禁はどうした?」
後輩「あぁそんな物もありましたね」
男「おい設案者」
後輩「別にお風呂位いいですよ」
男「ぐだぐだだなぁ」
後輩「先輩もだいぶお疲れでしょうし」
男「君のせいなんだが」
後輩「突っ込むのは疲れますものね」
男「……」
後輩「無視はよくないと思います!」
男「早く風呂に入ってくれ」
後輩「えーもっと絡みましょうよー」
男「今は虫の居所が悪いんだ」
後輩「むしだけにですか?」
男「……」
後輩「ボケておいて無視はもっと良くないと思います!」
後輩(男「あの扉の向こう側では裸の女がぐへへ」)
男「心の声をねつ造するな」
後輩「でも女子高生のお風呂ですよ?」
男「まるでそれだけで付加価値が付くとでも言いたげだな」
後輩「ラノベならお風呂イベント発生ですね」
男「鉄板だな」
後輩「JKの裸体ですよ!なんで覗かないんですか!?」
男「なぜ覗く前提なんだ…?」
後輩「なるほど湯浴み後の私を見て欲情と」
男「しないから」
後輩「浴場で欲情」
男「よくじょうだけにってか?」
後輩「濡れた艶やかな黒髪、ほのかに染まる白い肌、そんなお風呂上がりの私を押し倒したり」
男「しないから」
後輩「でもそれがきっかけで恋愛がはじまったり」
男「しないからって言ってるだろ」
後輩「お風呂から始まる純愛ラブストーリー!」
男「覗いてる時点で不純だろ」
後輩「これってまさか……恋?」
男「いいえ故意です」
後輩「…結局覗いてきませんでしたね」
男「どうされたいんだ君は」
後輩「覗かれたくないけど覗かれたいんです!!」
男「いやどっちだよ」
後輩「そんなまるっきり興味ないみたいな反応されたらなんか女としての価値がないよ君の裸はって言われてるような物じゃないですか!?」
男「長々と何を言ってるんだ」
後輩「もっと女心を察して下さい」
男「難しいなぁ」
後輩「女心は秋の空、ですよ」
男「微妙に間違ってるぞ」
後輩「つまりこの空のように広い心で接してあげなさいという」
男「意味ではないからな」
後輩「細かい事にうるさいですね」
男「細かくないからねそれ」
男「だいたいさ」
後輩「はい?」
男「俺がいつ裸に興味が無いなんていったんだ」
後輩「え?」
男「普通に興味はあるんだが」
後輩「……えぇ」
男「露骨に引くな傷つくぞ」
男「まぁ俺も男だしな」
後輩「てっきり先輩は不能さんなんだと」
男「EDではない」
後輩「じゃあなんで覗かないんです?」
男「今日会ったばかりの女に失礼な事できるか」
後輩「おぉ意外と紳士的ですね」
男「意外とってなんだ」
男「それにお前みたいな美少女に言われても…からかわれてるとしか思えないだろ」
後輩「……」
男「どうかしたか?」
後輩「…不意打ちは卑怯です」ボソッ
男「なんか顔赤いぞ」
後輩「お風呂上がりだからです」
男「ふーいい湯だった」
後輩「飲み物ありますよ」
男「おーサンキュ」
後輩「何飲みます?」
男「何があるんだ?」
後輩「緑茶と麦茶と…」
男「うんうん」
後輩「ビシソワーズが」
男「ちょっと待とうか」
後輩「お風呂上りはさっぱりと」
男「飲めないからね、明らかにそれ」
後輩「うーん…あれぇ?」
男「どうかしたか」
後輩「先輩ここにあったお菓子知りません?」
男「お菓子?」
後輩「えぇ取っておいた物なんですけど…」
男「あぁごめん食べちゃった」
後輩「は?」
後輩「は?」
後輩「どちらがいいですか、先輩」
男「なにが?」
後輩「富士の樹海か東京湾」
男「なにそのデスorダイな選択肢」
後輩「何勝手に食べてるんですか!馬鹿なんです!?」
男「たかがごま団子だろ…」
後輩「されどごま団子です!!」
後輩「信じられない暴挙です」
男「だって皿の上に一個だけ…食べ残したのかと」
後輩「とっておいたに決まってるでしょ!」
男「決まっているのか…」
後輩「惜しいことをしましたねぇ先輩!ちょっとだけ上がってた先輩への好感度もだだ下がりですよ!」
男「好感度上がってたんだな」
後輩「もう後輩√も消滅です!」
男「ギャルゲ脳め」
男「悪かったって」
後輩「先輩なんて嫌いです顔も見たくありません」
男「代わりに作ってやるからさ」
後輩「え?」
男「美味しいごま団子を、代わりに」
後輩「…ほほう」
男「機会があったら何個でも作ってやるから」
後輩「そんな浅はかな言葉で私が懐柔されるとでも?」
男「にやけながら言っても説得力無いぞ」
後輩「仕方ないですねぇ」
男「許してくれるみたいだな」
後輩「私は心が広いので」
男「ごま団子一個でいっぱいになる広さなんだな」
後輩「あ、数はこれ位でお願いしますね」スッ
男「指三本…毎回三個って事?」
後輩「36個で」
男「3ダース!?」
男「もうこんな時間か」
後輩「本当ですねびっくりです」
男「そろそろ寝ようぜ」
後輩「寝ましょうか」
後輩「じゃあ私が布団を出すので」
男「頼むわ」
後輩「先輩は外に出ましょうか」
男「まてまてまて」
男「まさかとは思うが俺を外に?」
後輩「だって…先輩は男じゃないですか」
男「突然の正論とは」
後輩「襲われたらたまらないです」
男「この寒空の下放り出される方がたまらないわ」
後輩「年頃の女性の家で一緒に寝られるとでも?」
男「連れ込んだのは君だ」
後輩「男女7歳にして席を同じうせずとも言いますし」
男「首輪拘束はするんだな」
後輩「全く仕方ないですね」
男「悪いが正当な主張だ」
後輩「そんなに私の布団に入りたいと」
男「まぁ布団には入りたいかな」
後輩「私の布団に入って乙女の体臭をクンクンしたいと」
男「言ってないから」
後輩「そこまで言うなら仕方ない」
男「言ってないから」
後輩「答えてあげるが世の情け、です」
男「どこの団員だ」
男「じゃあソファで寝る」
後輩「いけません!ソファで寝たら体を壊しますよ!」
男「君は俺は気遣ってるのか壊したいのかどっちなんだ」
後輩「両者は両立し得るはずです!」
男「おそらく水と油だ」
男「じゃあ別の布団で…」
後輩「布団は一組しか在りませんよ」
男「スペアがあるだろ?」
後輩「スペアなんかありませんよ」
男「じゃあご両親のとか」
後輩「両親の布団をクンクン!?」
男「しないから」
後輩「とんでもない性癖と図々しさに私ドン引きです」
男「頼むから寝かせてくれ、休ませてくれ」
後輩「結局布団を二組出しましたね…」
男「流石に一緒にはまずいだろ」
後輩「……そうですよね」
男「もう随分時間も経ったな」
後輩「それじゃ寝ましょうか」
男「そうだな寝ようか」
後輩「結局布団を二組出しましたね…」
男「流石に一緒にはまずいだろ」
後輩「……そうですよね」
男「もう随分時間も経ったな」
後輩「それじゃ寝ましょうか」
男「そうだな寝ようか」
男「よいしょっと」
後輩「よいしょっと」
男「ちょっとまて」
後輩「どうかしました?」
男「ナチュラルに布団に入ってくるなよ」
後輩「ひと肌が恋しくなったり」
男「しないから」
後輩「もち肌を堪能したくなったり」
男「しないから」
男「なぜそこまで驚愕した表情ができるのか」
男「なんで一緒に寝たがるんだ?」
後輩「それは…その…」
男「とにかく常識的にだめだからな」
後輩「だ、だめ……ですか…?」
男「………」
後輩「………」
男「…布団を二つくっ付けろ」
後輩「え?」
男「これが最大限の譲歩だからな」
後輩「…えへへありがとうございます」
男(あんな顔されたら断れないだろ…)
男「まったく…追い出したいのか一緒に寝たいのかどっちなんだ…」
後輩「今は、一緒に寝たい気分なんです」
男「なんだそりゃ」
後輩「先輩ってあったかいですね…ふふ」
男「電気消すぞー」
後輩「はーい」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「……うーん…」ゴソゴソ
「………」
「………」
後輩「……先輩?」ボソッ
男「………」
後輩「……せんぱーい」
後輩「……先輩ってば、おーい」
後輩「………」
後輩「……先輩は被虐願望者」ボソッ
男「聞こえてるぞ」
後輩「…寝たふりしないで下さいよ」
男「いきなり修学旅行みたいなノリをするなよ」
後輩「…えへへすみません」
男「…まったく」
後輩「……」
男「……」
後輩「……」
男「……」
後輩「……」
男「……」
後輩「先輩」
男「何だー?」
後輩「私ずっと友達が居なかったんです」
男「……」
後輩「とある事情で…あんまり学校にも行けなくって」
後輩「休み時間はずーっと一人でした」
後輩「内気で…社交的じゃなくって」
男「……そっか」
後輩「人と話したりするのちょっと苦手だったんです」
後輩「いえ、凄く苦手…ですかね」
男(あれで苦手なのか…?)
「そんな時お姉様に逢ったんです」
「図書館でずっと本ばかり読んでた私に初めて声をかけてくれたんです」
「初めて見たときはなんて綺麗で優しい人なんだろうって」
「それからちょっとずつ話もするようになって」
「気が付いたら…あの人の事ばかり考えてました」
男「…惹かれていったのか」
後輩「そう…なんでしょうね」
男「…というかさ」
後輩「な、なんです?」
男「恋心で誰かを監禁するな」
後輩「うぅ…すみません」
男「だいたい人見知りならなんで俺とあんなに話せてたんだよ」
後輩「…分かりませんよ」
後輩「どうしてだか…先輩には話せたんです」
男「……」
後輩「…先輩って不思議な人です」
後輩「だからその…凄く新鮮だったんです」
男「新鮮?」
後輩「誰かとお買い物したり…一緒にテレビ見たり…」
男「……」
後輩「誰かと一緒に…こんなに楽しくおしゃべりできるだなんて」
後輩「今日先輩と話せて…凄く楽しかったです」
男「…そっか」
後輩「その…ありがとうございました」
男「…なんか照れるな」
後輩「本当に…ありがとうございました」
男「……」
「……」
「……」
「……」
「先輩」
「なんだ?」
「女が女を好きになるって…変な事なんですかね」
「…そんなことないさ」
「……」
「いまどき同性愛者なんてたくさんいる」
「…でも」
「少なくとも俺はいいと思うよ」
「…え?」
「人が人を好きになるのに理由なんかないさ」
「誰かと一緒に居ると楽しい、そばにいたい」
「そういう気持ちはきっと何よりも尊いんだと思う」
「年齢も、性別も、立場も関係ない」
「大切なのは好きだと胸を張って言える事」
「でないとさ…好きっていう気持ちに失礼じゃないか」
後輩「……」
男「…なんてな」
後輩「…先輩」
後輩「参考にはなったかな?」
後輩「よくそんな恥ずかしい事言えますね」
男「急に素に戻るなよ!?」
後輩「冗談ですよ」
男「…まったく」
後輩「……」
男「……」
後輩「変じゃ…ないんですよね」
男「…あぁ」
後輩「………えへへ」
男「…俺でよければ力になるからさ」
後輩「先輩…ありがとうございます」
男「おう気にするな」
後輩「私…頑張ります」
後輩「少しでもお姉様に近づけるように…」
男「…あぁその意気だ!」
後輩「せめて半径10m位には…っ!」
男「先は長いな」
<<朝>>
「…ふぅ」
「まだ眠いな……後輩は?」チラッ
後輩「……」スースー
「…まだ眠ってるか」
「……」
「……」
「…どうして女の子って良い匂いがするんだろうな」
「……」
「…料理でも作るか」
後輩「あれぇ…先輩は…?」
男「朝ごはんできたぞー」
後輩「……はぁーい」
男「元気がないな」
後輩「私……朝は苦手で…」
男「大丈夫なのか?」
後輩「朝ごはん…作ってくれたです?」
男「あぁ…まぁこれくらいはな」
後輩「うぅ…うーん」
男「すごく眠そうだぞ」
後輩「うぅ…あと三年」
男「寝太郎か」
男「ごはん食べられるか?」
後輩「大丈夫です」
男「大丈夫に見えないのだが」
後輩「…私低血圧なんです」
男「おいおい大丈夫か」
後輩「なので少し血を分けてもらえませんか」
男「吸血鬼かな?」
後輩「3リットルもあれば大丈夫なので」
男「俺が大丈夫じゃないからね?」
男「ごちそう様でした」
後輩「お粗末さまでした」
男「それ君がいう言葉じゃないよね」
後輩「先輩の寝顔的な意味で」
男「朝から喧嘩を売ってるのか?ん?」
後輩「冗談ですよ」
男「冗談と言えば全て許すとでも」
後輩「先輩はかっこいいですからね」
男「お、おぉ…?」
後輩「先輩はイケメンです、かっこいいです」
男「おいおい冗談だろ」
後輩「いいえタレントかと見間違えるくらいには」
男「そ、そうかな?」
後輩「そうです自信をもってください」
男「いやーなんか照れるな」
男「それで俺の寝顔は?」
後輩「お粗末さまでした」
男「期待させるな!ボケをかますな!」
後輩「ハッ!女子高生と男子高校生の寝顔のどちらが価値があるとお思いで?」
男「そういう問題なのか!?」
後輩「JKとDKだったら世の方々はJKに重きをおきます!」
男「くっ…悲しいが正論だ」
後輩「自分の無価値さと幸運さにむせび泣くがいいです!」
男「くぅ…貴様」
後輩「…あれ?幸運さ?」
男「どうした」
後輩「先輩…朝ごはんは?」
男「お粗末さまでした」
後輩「自分の寝顔は?」
男「お粗末さまでした」
後輩「……私の寝顔は?」
男「ごちそう様でした」
後輩「どういう意味です!?」
男「さーて学校行くか」
後輩「ちょっとまって下さい!」
男「いきなりどうした?」
後輩「先輩…まさか私の寝顔をじっくりと見たり…なんて?」
男「さーて学校行くか」
後輩「ごまかさないでください!」
男「一緒に寝た仲じゃないか」
後輩「それとこれとは話が別です!」
男「別なのか…?」
後輩「寝起きの顔を見られるだなんて…恥ずかしすぎます…」
男「想定してなかったって顔だな」
後輩「あぅ…」
男「…安心しろ」
後輩「え?」
男「惚れてしまいそうになる位可愛かったよ」
後輩「……」
後輩「…どうして無自覚にそういう言葉を」
男「え、なんだって?」
後輩「ラノベ主人公特有の難聴はやめてください」
男「辛辣だなぁ」
後輩「全くもう」
後輩「…普通にかっこいいのが尚更たちが悪いんですから」ボソッ
男「だからボソッと喋るなよ」
後輩「この二日を通してよく分かりました」
男「なにが?」
後輩「先輩は女の敵です」
男「どういう意味!?」
後輩「ガスの元栓良し」
後輩「窓の開け閉め…良し」
男「こっちも大丈夫そうだ」
後輩「えぇ…それじゃ」
「「学校にいきますか」」
後輩「さぁ行きますよ先輩」
男「お、おい急にひっぱるな」
後輩「約束してくれたでしょう?」
男「約束?」
後輩「私の初恋を手伝ってくれるって」
男「…あぁ分かってるさ」
後輩「いきますよ!」
男「よし行くか!」
後輩「私達の冒険はこれからです!」
男「それは打ち切り臭がするからやめておけ」
【第一部完】
読んで下さった方々ありがとうございました
更新頻度が遅かったのは本当に申し訳ないです…
次投稿する時はもっと書き溜めておきます
コメいつも読ませて頂きました
本当に嬉しくありがたかったです
続きに関しては…
書きたくなった時に書きます
SSって気軽に書いて気軽に読む物ですしね
暇なときにでもまた読んでいただけたら嬉しいです
>>140
後輩「……」
男「…なんてな」
後輩「…先輩」
男「参考にはなったかな?」
後輩「よくそんな恥ずかしい事言えますね」
男「急に素に戻るなよ!?」
最後にここだけ訂正を…
これは恥ずかしい…
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