ジオン残党「あぁ…戦いたくねぇな…」 (9)

整備兵「!!」

整備兵「男少尉…そんなことこんな所で言わないでください、また中隊長にぶん殴られますよ?」ヒソヒソ

男「だってよ公国はもうないしデラーズのだってただのテロ組織だったし、もう戦う義理なんてないだろ?」

整備兵「中隊長は我々を宇宙に上げるために作戦を計画してるんですから…」


男「にしても終戦してもう6年になるぜ?連邦軍の情勢やMSだって変わってきてるってのにさぁ」

整備兵「ですがこうやって水中型のMSを使って局地的なゲリラ戦闘をやってるんです」

男「連邦軍だって対策を備えて新しいMSを次々と作ってんだよ、お前も見たろ?戦闘機に変形するMSをさ」


整備兵「ですけど…」

???「おい…」

整備兵「!?…大尉殿!」ビシッ

大尉「まだ世迷言を言っているのか?」

男「いや?今日の晩飯を現地民の連中で食おうって話をしてたんですよ」

大尉「そんなにジオンに忠義を尽くすのが嫌か?」

男「もう存在しないものを何時までも女の腐ったように、ねちねち思い続けるのは正当なるジオン軍人様としてどうかなと思いまして…」

大尉「そうか…」

ドガッ!!

男「がぁ!!」

大尉「貴様は!!」

ベキッ!

男「うぅ…」

大尉「文句をいていれば晴れるのかえぇ!?」

大尉「ジオンの魂はどうした!!誇りは!!」

ドスッ! ドスッ!

男「ゲホッ…ゲホッ…」

整備兵「大尉殿…もうその辺に…」

ギロッ

整備兵「ヒッ…」

大尉「コイツの言葉にもう耳を貸すな…引き続きヅゴックの整備を続けろ」

整備兵「…了解」

海沿い


男「畜生…あの石頭め」ッペ!

男「口の中血だらけじゃないか…」

???「男!!」

男「ん?あぁ前か…」

幼女「わぁ、どうしたのその顔…また叩かれたの?」

男「あぁそんな所だ」

幼女「ズッキー(ズゴックの事)でやっちゃいなよ!」

男「へへ、ズッキーは人は潰したくないって言うからよ」

幼女「そうなの?」



幼女「私アイツ嫌い!」

男「はっはっは…俺も嫌いだな」

幼女「だってズッキーはもうお爺ちゃんなのに戦わされてさ…可哀想だよ」

男「そうだなぁ……」

幼女「そうだ!」

男「?」


幼女「これ!みんなでズッキーに作ったの!」

男「おぉ…花飾りか」

幼女「うん!」

男「ズゴックには少し…小さいかな…」

幼女「えー…みんなで作ったのに…」

男「あぁでも喜ぶさ、明日の演習でつけてやるよ」

幼女「本当?やった!」

廃墟になったホテルを使った即席の兵舎

???「よう…また殴られたって?」

男「あぁ…お前か」

少尉「お前もいい加減にしないと殺されちまうぞ?」

男「最近口が滑っちまうのさ」

少尉「まったく…そういや明日の演習地なんだが変更があるみたいだ」

男「変更?なんの?」

少尉「大西洋の大陸近くで俺たちの仲間が残した補給物資の回収…ってかサルベージか」

男「いまさらサルベージしてまでの補給品なんて」

少尉「水中用のMAだそうだ。グラブロだったかな」

男「海中に沈んだMAを回収……誰が行く?」

少尉「俺と大尉と……お前だ…」

男「俺はごめんだ」

少尉「おいおいあのつぎはぎのズゴック動かせるのお前だけだぜ?」

少尉「いまさら何を言って…」

男「明日は約束があるんだ」


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