あずさ「ふたば幼稚園ですか?」 (154)


埼○県 春○部市



美希『次の中継は、やよい~!』

やよい「はーい! 皆さん、こんにちは~!」

千早『今日の中継はどこからなの?』



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444751602


やよい「えっと、わたしは今、“ふたば幼稚園”さんに来ているんです~!」

やよい「みんなー! こんにちはーっ!」

コンニチワー! コンニチワー! ウホホーイ!

やよい「みんな元気いっぱいですー!!」




やよい「今週のお助けパートナーは、あずささんと伊織ちゃんですー!」

伊織「今日も元気にいくわよー!」



???「おねいさんは玉ねぎ食べれる~?」

あずさ「あ、あらあら~」




伊織「なんなのよ、この子は?」

???「オラみさえの子」

伊織「そういう事を言ってるんじゃないわよ!」




あずさ「ボクのお名前は?」

しんのすけ「ボクは野原しんのすけ! 5才です!」

あずさ「それじゃあ、しんのすけ君。お姉さん達と一緒に踊りましょうね~」

しんのすけ「は~い」テレテレ

伊織「なんだか釈然としないわね……」








やよい「今週も皆さんに笑顔とハッピーをお届けしちゃいますよーっ!!」

やよい「みんなー! 集まってー! スマイル体操、いっくよー!!」



───
──





やよい「それじゃあ、皆さん、まったね~!!」

バイバイー! バイバーイ!



伊織「なんだか少し疲れたわね……」

しんのすけ「まったくですな~」

伊織「誰のせいよ! 誰の!」

あずさ「ふふっ」




園長「なにやら向こうが騒がしいですね」

よしなが先生「もしかして、しんのすけ君が何かやらかしたのかも」

園長「ちょっと行ってきますね。おーい!」

よしなが先生「あっ、ダメですよ!」



伊織「ひいいーっ! ごめんなさい! 売り飛ばさないでーっ!」

しんのすけ「おお! 組長!」

あずさ「く、組長さん?」

園長「誤解です! 園長です!」



よしなが先生「だから急に顔を見せちゃダメなのに……」




伊織「す、すみませんでした」

園長「慣れてますので……」

しんのすけ「まったく困った人たちだな~」

伊織&園長「キミが言うな!!」





やよい「あんまり迷惑かけちゃダメだよ?」

しんのすけ「は~い」

あずさ「良い子ね~」



伊織「そろそろ事務所に戻りましょうか」

やよい「うん!」



やよい「みなさん、今日はありがとうございましたー!」ガルーン

伊織「またねー!」

あずさ「みんな良い子にするのよ~」



園児「はーい!」


園長「なんとか撮影も無事に終わりましたね」

よしなが先生「アイドルの子達、みんな可愛かったですね!」

まつざか先生「アンタと比べるのが大間違いなのよ」

よしなが先生「なんですって! この厚化粧!」

まつざか先生「負け惜しみかしら? この平面顔!」



園長「まあまあ落ち着いて……って、あれ? しんのすけ君は?」

まつざか先生「え?」

よしなが先生「まさか!」



───
──






765プロ



小鳥「あら、お帰りなさい!」



やよい「ただいま戻りましたー!」

あずさ「今日はみんなから元気をいっぱい貰っちゃったわね~」

伊織「貰いすぎた気もするけどね」

しんのすけ「お・か・え・り~」

伊織「それを言うなら“ただいま”でしょ?」

しんのすけ「そうとも言う~」



伊織「でえぇぇぇーっ!!」

やよい「し、しんのすけ君?」

あずさ「あらあら~」


伊織「なんでアンタがここにいるのよ!」

しんのすけ「いやぁ、ついぽっかり」

伊織「それを言うなら、うっかりでしょ!」



小鳥「この子はさっきテレビに映ってた……」

あずさ「ついてきちゃったのね……」





しんのすけ「じー」

小鳥「どうしたの?」

しんのすけ「おねいさん若く見えるけど、母ちゃんくらいだね」

小鳥「」ガーン

やよい「こ、小鳥さん!」



ガチャ

P「戻りましたー!」

律子「どうしたのみんな? ってその子は中継先の子じゃない!」

P「本当だ」

律子「どうしてここに?」




カクカクジカジカ

マルマルウマウマ



律子「なるほど……ついてきちゃってたのね」

あずさ「はい……」

P「俺は幼稚園に連絡を取ってくるよ」



小鳥「どうせ私は2X才ですよ……」ブツブツ

伊織「げ、元気出しなさいよ」

しんのすけ「オ、オラの母ちゃんよりずっとキレイだゾ!」

小鳥「そうね。お世辞でも嬉しいわ……」



しんのすけ「この人いつもこうなの?」

伊織「年齢の話をすると割とね……」


しんのすけ「そういえば、高のぞみして婚期を逃したおケイおばさんがいるゾ」

小鳥「」グサッ

伊織「ちょっと!」

しんのすけ「でも年下の男と上手いこと結婚したよ」

小鳥「しんのすけ君! その話もっと詳しく聞かせてちょうだい!!」





あずさ「しんのすけ君のことはどうしましょうか?」

律子「とりあえずプロデューサーさんの連絡待ちですけど」



小鳥「ぴよっしゃあああ!」



律子「何事!?」ビクッ

P「おーい! 親御さんに連絡ついたぞー! ってどうしたんだ?」

あずさ「なんでしょう?」




律子「ところで、しんのすけ君の事はどうなったんですか?」

P「今日は時間も遅いので、こちらで預かる事にしました」

しんのすけ「おおっ」

P「幼稚園も春休みらしいしな」

しんのすけ「わーいわーい、おとまり~」



伊織「こういう所を見ると、やっぱりお子様なのね」



しんのすけ「あずさおねいさんの家におとまり~」シュシュポッポーッ



P「ちょっと待て!」

伊織「前言撤回するわ……」











あずさ「私は別に構いませんよ?」

しんのすけ「そうだそうだ!」

伊織「あずさ、悪いことは言わないから止めておきなさい」



P「しんのすけ君は俺の家で預かりますよ」

しんのすけ「え~? なんでこんな男の家にとまらないといけないんだ……」

P「中々言うね、キミも……」







やよい「しんのすけ君、ちゃんとプロデューサーの言う事を聞くんだよ?」

しんのすけ「は~い!」

伊織「やよいがお姉さんモードね」

律子「しんのすけ君も、いい子じゃないですか」




しんのすけ「プロデューサーのお兄さん」

P「どうした?」

しんのすけ「りっちゃんって、かなりのナイスバディだね」

律子「な!?」

P「お? わかってるじゃないか!」




律子「くだらない事を言ってないで早く連れて行ってください!」ゴゴゴゴゴッ

しんのすけ「ス、スーパーりっちゃん」

P「い、行こうか! しんのすけ君!」

しんのすけ「ブ・ラジャー!」



律子「もう!」

やよい「またね~!」

あずさ「気を付けるのよ~」



小鳥「年下の男と結婚……プロデューサーさんと結婚……」ブツブツ

伊織「アンタもいつまでやってんのよ!」




───
──




次の日



P「おはようございますー!」

しんのすけ「こんちわざいますぅ」

律子「おはようございます! しんのすけ君はいい子にしてましたか?」

P「まぁ、なんとかな」



しんのすけ「オラ、お兄さんと一緒におふろに入ったぞ」

律子「しんのすけ君! 高級オレンジジュース飲む!?」

小鳥「お菓子もあるわよ! p……じゃなくて、おふろの事を少し詳しく聞いてもいいかしら!?」



ワイワイガヤガヤ



高木「おはよう諸君!」

高木「ん? あれは確か昨日の……うむ! ティンと来た!」



高木「──という事で諸君! 新しくプロデューサーになった、野原しんのすけ君だ!」

しんのすけ「びんびんプロデューサーの野原ですぅ」

律子「それを言うなら敏腕でしょ!」

しんのすけ「そうともいう~」



伊織「なんでこんな事に……」

春香「随分小さいプロデューサーさんだね」

真「なんだかんだ社長の見る目は確かだからなぁ」

雪歩「ち、小さい男の子なら……大丈夫かな?」




しんのすけ「課長さん」

高木「はっはっはっ。私は課長じゃなくて社長なんだよ」

しんのすけ「おお、オラのしりあいに似たような人がいたから間違えちゃったぞ」

高木「それは是非、会ってみたいものだね」

しんのすけ「あと社長さんは松崎し○る?」

高木「彼ほど黒くはないだろう」



小鳥(いい勝負だと思うけど)


P「しんのすけ君。まずは俺と一緒に行動だな」

しんのすけ「え~オラりっちゃんと一緒がいいぞ」

P「……チョコビあげるから」

しんのすけ「しょうがないな~ひとはだ脱ぎますか」

P「ありがとう」シクシク




テレビあ○ひ



P「今日は局の人に挨拶回りの営業をしよう」

しんのすけ「ほーい」

P「えーっと、まずはと……」

しんのすけ「お?」

P「って、しんのすけ君! どこに行くんだ!」


しんのすけ「アクション仮面!」

剛太郎「おや? しんのすけ君じゃないか。しばらくだね」

しんのすけ「おひさしぶりぶり~!」



P「しんのすけ君! 勝手に動き回っちゃ駄目だよ!」

P(あれ? しんのすけ君と話しているのは、アクション仮面の郷剛太郎!?)




剛太郎「どうしてここに?」

しんのすけ「オラ、このお兄さんといっしょのお仕事をしているんだぞ」

P「あっ! 765プロのプロデューサーと申します! これ名刺です!」 

しんのすけ「あっ! オラもそれ欲しい~!」

剛太郎「これはご丁寧にどうも」



剛太郎「丁度良かった! なら今度の映画のヒロイン役は是非765プロさんにお願いしましょう!」

P「本当ですか!?」

剛太郎「ええ! これも何かの縁ですし。っとそろそろ時間なのでこれで失礼しますよ」

P「ありがとうございます!」

剛太郎「ではまた後日に改めて連絡を。ではまたね、しんのすけ君」

しんのすけ「じゃ!」



P「しんのすけ君! いきなり仕事を取るなんて凄いじゃないか!」

しんのすけ「えっへん!」←よくわかってない

P「これはとんでもない逸材だぞ!」






765プロ



春香「へぇ~! 凄いじゃないですか!」

P「ああ! 俺もびっくりだよ!」



春香「そうだ! しんのすけ君、クッキー焼いてきたけど食べる?」

しんのすけ「わーい! おつやおつや!」

春香「どうかな?」

しんのすけ「見た目はふつうだけど、味はぐんぱつですな~!」

春香「普通は余計だよ~!」


都内 カフェ



P「今度は雪歩の雑誌の取材だな」

しんのすけ「ほうほう」

雪歩「が、頑張りますぅ」



戸津加「双葉出版の戸津加です」

増尾「同じく増尾です」



雪歩(ひぃ! 男の人~!)


しんのすけ「お?」

雪歩「え?」

戸津加「おお君か。偶然だね!」

しんのすけ「やぁ」

P「お知り合いなんですか?」

戸津加「まぁ、ちょっとしたね」



しんのすけ「雪歩ちゃん」

雪歩「ど、どうしたの?」

しんのすけ「この人は顔は怖いけど優しいから大丈夫だぞ」

戸津加「ははっ、この顔の所為でよく怖がられちゃいますからね」

増尾「ボクも顔はくどいけどけど、性格はさっぱりしてます!」



雪歩(そ、そうだよね……園児のしんのすけ君が言うなら大丈夫なのかも……)

雪歩「は、はい! よろしくお願いしますぅ!」



P(凄い……凄いぞ! しんのすけ君!)


765プロ



雪歩「真ちゃん、しんのすけ君。お茶が入ったよ」

真「ありがとう、雪歩!」

しんのすけ「おっ、これは中々いいお茶ちゃですな~」

真「二人はすっかり仲良しだね!」

雪歩「うん!」


しんのすけ「必殺ハリセンアターック!」

真「あれ? それってカンタム・ロボ?」

しんのすけ「そうだゾ!」

真「ボク、結構カンタム・ロボ好きでさぁ!」

しんのすけ「おお!」

真「今度新しいシリーズが始まるよね! 確か、カンタム・ロボ ゼノグラ──」



P「おーい! そろそろレッスンの時間だぞー!」

真「今行きまーす!」

しんのすけ「がんばってね」

P「君も行くんだよ……」

しんのすけ「お?」



次の日



P「しんのすけ君が来てから、事務所がいい方向に行ってるなー!」

P「所々変わってるけど……」



ガチャ

P「ただいま戻りましたー!」



亜美「よし! 捕まえたぞ!」

真美「今だ! しんのすけ隊員!」



P「な、なんだ!?」

しんのすけ「ん~~~」はむっ



P「あ…ああっ」へなへな


亜美「んっふっふ~」

真美「かかったね! 兄ちゃん!」

しんのすけ「わーい!」



律子「アンタ達! 何やってんの!!」



真美「りっちゃんが来たぞー!」

亜美「逃げろー!」

しんのすけ「やーいやーい! おにぐんそうー!」

律子「なんですってー!?」



小鳥(プロデューサーさんは耳が性感帯っと……)メモメモ








──




しんのすけ「はあ、ひどい目にあったゾ……」

美希「むぅ……さっきからうるさいの」

しんのすけ「美希ちゃんは寝てばっかりで、まるで母ちゃんみたいだね」

美希「あふぅ……しんのすけなの」

しんのすけ「ほっほーい」





しんのすけ「でも母ちゃんと違っておムネ大きいね」

美希「寝る子は育つ、って昔の人は言ってたの」

しんのすけ「じゃあ、なんで母ちゃんは寝てるのに育たないんだろう???」

美希「それはミキにもわからないの」



みさえ「はっくしょんっ! 誰かが噂でもしてるのかしら」

ひまわり「たーい」




美希「それじゃあ、ミキはもうひと休みするね……」

しんのすけ「なんかオラも眠くなってきたゾ……」



──




律子「あら?」

小鳥「寝ちゃったみたいです」

律子「こうしてる分には、やっぱりまだまだ子供なんですね」

小鳥「そうですね、ふふっ♪」



美希「むにゃあ」

しんのすけ「くか~」


ダンスレッスン場



トレーナー「それじゃあ、少し休憩しましょうか」

貴音「はい」



しんのすけ「お~すごかったゾ~!」

貴音「おや? しんのすけではありませんか」

しんのすけ「や」



貴音「付き添いに来てくれたのですか?」

しんのすけ「オラ、貴音おねいさんに、押入れを持ってきたんだゾ」

貴音「それを言うなら“差入れ”ではないでしょうか?」

しんのすけ「そうともいう~」

貴音「ありがとうございます」







しんのすけ「あれ?」ガサゴソ

貴音「どうかしたのですか?」

しんのすけ「あっ!」

貴音「はて?」

しんのすけ「オラ、こってり飲んじゃったゾ」

貴音「こってり? しんのすけも二十郎がお好きなのですか!?」



しんのすけ「……」

貴音「……」



しんのすけ「オラ、あたらしいの買ってくるね」

貴音「ではご一緒しましょう」


自販機



貴音「しんのすけは何にしますか?」

しんのすけ「オラはプスライトがいいゾ!」

貴音「はい」



しんのすけ「ぷはーっ! このために生きてますなーっ!!」

貴音「ふふっ」


レッスン再開



トレーナー「ワンツー! ワンツー!」

貴音「はっ!」



しんのすけ「う~ん、なんだかオラも踊りたくなってきたゾ……」うずうず



トレーナー「ワンツー! ワンツー……?」

しんのすけ「ぶりぶり~! ケツだけ星人~!」

トレーナー「なっ!?」


貴音「面妖な……! し、しんのすけ! 私にも教えていただきませんか!?」

しんのすけ「もちろんだゾ! ぶりぶり~!」

貴音「こうですか? ぶりぶり~!」

しんのすけ「おお~! 貴音おねいさんはスジがいいゾ!」

貴音「ぶりぶり~!」



トレーナー「す、凄い! これは現代におけるダンスの革命だわ!」



ガチャ

P「やってるか~? ってなんだこの状況は!?」





ボーカルレッスン場



千早「あら? しんのすけ君」

しんのすけ「ほうほう。千早おねいさんは、お歌がじょうずですな~」

千早「そう言って貰えると、とても嬉しいわ」ニコ




しんのすけ「オラもお歌だいすきだゾ!」

千早「それじゃあ、一緒に歌う?」

しんのすけ「ほほーい」

千早「何がいいかしら……」

しんのすけ「オラ、スマイル体操がいい!」

千早「す、少し恥ずかしいわね……」

しんのすけ「も~わがままだな~」



しんのすけ「じゃあポンポコチン体操か昭和枯れすすき──」

千早「スマイル体操にしましょうか!!」


──




しんのすけ「歌ったらおトイレに行きたくなったゾ」

千早「下の階なんだけど、一人で大丈夫?」

しんのすけ「もろちん!」

千早「それを言うなら“もちろん”よ……」



ダダダッ



しんのすけ「お?」ツルッ

千早「危ない!」ギュッ

しんのすけ「おお……きききりん……」


千早「もう……危ないじゃない」

しんのすけ「ごめんね千早おねいさん」

千早「無事ならそれでいいわ」ギュウウゥ



しんのすけ「でも千早おねいさん」

千早「なに?」

しんのすけ「ちょっとおムネが小さいね」

千早「…………くっ」




次の日



響「う~ん、しんのすけ遅いなぁ」

しんのすけ「よ」

響「よ じゃないさー! 5分遅刻だぞ!」

しんのすけ「ほうほう」



響「遅れたら謝らないと!」

しんのすけ「なんて?」

響「遅れてごめんなさい」

しんのすけ「次からは気を付けろよ」

響「は、はい」



響「……」



響「なんで自分が謝ってるんだー!!」

しんのすけ「おおっ」


しんのすけ「響ちゃんはすこしオラとキャラが被ってる気がするゾ」

響「そうか? あんまり似てないと思うぞ」



しんのすけ「……」

響「?」



しんのすけ「しゅっぱつおしんこー!」

響「ゴーヤの浅漬けー!」



───



テレビあ○ひ



P「今日はしんのすけ君が取ってきた映画の打ち合わせにやってきたぞ!」

しんのすけ「なんで説明口調なの?」

P「タイトルは『アクション仮面vsヤキニクマンvs人妻』だ!」

しんのすけ「おお! アクション仮面!」


???「なんだ? ここは貴様らみたいな貧乏人やお子様が来る所ではないぞ?」



P「あ、あなたは!」

しんのすけ「お兄様!」



黒井「ええい! 私は貴様の兄でも閃光の男爵でもない!」


黒井「私は961プロのスーパーセレブ社長、黒井崇男だ!」

P「あ、あの有名な……!」

黒井「ウィ。ところで貴様らは高木の所の忌々しい765プロの連中だな」

P「社長をご存じなんですか?」

黒井「ふん! 貴様に教えてやる義理は無い!」



黒井「それにこんなお子様を雇っている様では、765プロの底が見えたようなものだがな!」

しんのすけ「いや~それほどでも~」テレテレ

黒井「褒めてない!」








黒井「全く貧乏人はこれだから困る」

しんのすけ「たしかに父ちゃんはいつもローンとけいきの話をすると泣いてるゾ」

黒井「……そ、そうか」



黒井「まあいい! セレブな私は忙しいのでこれで失礼する! アデュー!」



しんのすけ「オラも忙しいからしつれいするぞ。じゃ!」←手に書いた時計を見ながら

P「君はこれから打ち合わせでしょ!」

しんのすけ「うへえぇぇぇ」



──




765プロ



高木「そうか……黒井の奴が……」

P「はい」

高木「奴と私は過去に少し因縁があってね」

しんのすけ「いんげん?」

律子「いんねんよ」



高木「とにかく今後は何か妨害工作があるかもしれん。気を引き締めてくれ」

P「はい!」

律子「はい!」

しんのすけ「ほーい」


───




春香「それでね──」ドカッ

???「ちっ、気を付けろよ」

春香「ご、ごめんなさい」

???「お前らは……おっさんが言ってた765プロの連中か」

やよい「は、はい」

春香「あなたは?」



冬馬「俺はジュピターの天ヶ瀬冬馬だ! 覚えておきな!」

しんのすけ「アンジェラ小梅?」

冬馬「あ・ま・が・せ・と・う・ま!」






冬馬「まあ今日の所は勘弁してやるぜ! これからアクション仮面の見学に行くから気分がいいんだ!」

春香「それって……」

やよい「わたしたちが出る番組ですー!」

冬馬「なに!?」

やよい「弟たちも大喜びなんですよー!」




冬馬「なんでアクション仮面を愛する俺が出れなくて、お前らみたいな奴らが!」

冬馬「まさか……おっさんの言ってた汚い手を使って……!」

やよい「わ、わたしたちそんな事してません!」

春香「そうだよ! ちゃんとしんのすけ君が取ってきた仕事なんだよ!」

冬馬「しんのすけ? この幼稚園児が?」

しんのすけ「あは~」

冬馬「そんな話、信じられるか!」


剛太郎「しんのすけ君」

しんのすけ「アクション仮面!」



冬馬(なに!?)



剛太郎「これが765プロの子達かい?」

しんのすけ「そうだゾ!」

春香「天海春香です!」

やよい「高槻やよいです!」



剛太郎「彼は?」

冬馬「!? お、俺は……」


しんのすけ「このお兄さんもアクション仮面の事が大好きらしいゾ!」

冬馬「し、しんのすけ!?」

剛太郎「はははっ、ありがとう」

冬馬「い、いえ! 逢えて光栄です!」



剛太郎「っと、そろそろ時間だ。また後でよろしくね」

春香&やよい「はい! お願いします!」



冬馬「……」



冬馬「お前ら……さっきは酷い事言ってすまねぇ……本当の事だったんだな」

春香「い、いえ」

しんのすけ「気にするなよ」

やよい「こらっ! 口が悪いよ!」

冬馬「はははっ」



しんのすけ「違うぞ! アクション仮面の笑い方はこうだぞ! ワッハハハハ!」

冬馬「お、俺も負けない、ぜ! ワッハハハハ!」

しんのすけ&冬馬「ワーハッハハハハ!!」



やよい「仲良しさんですー!」

春香「そうだね!」



春香(プロデューサーさんが961プロに気を付けろって言ってたけど……大丈夫そうですよ!)




961プロ



黒井「なに? 冬馬が!?」

黒井「おのれ765プロめ!!」



黒井「まあいい。次の手は打ってある……高木の悔しがる光景が目に浮かぶぞ!!」

黒井「はーははははっ!!」




───




都内某所 ライブ会場



P「今日は765プロの定例ライブだ!」

雪歩「……」

P「みんな! 気合入れていくぞ!」

真「……」

P「どうしたみんな!?」

春香「あの……着替えたいので出ていって貰えませんか?」

P「あっ……すいません……」


しんのすけ「……」

律子「ところで、しんのすけ君はここで何を?」

しんのすけ「いや~日本経済の行く末を」

律子「更衣室で心配する事じゃないでしょう!」

しんのすけ「だってオラ……オラ……」



律子(はっ! そうよね……こんな小さい子が着替えを見たってなんともないわよね……)

律子「ごめんね……私ったら──」



しんのすけ「くうぅぅ~!! お姫ちんのお尻ちんは最高ですなー!!」シュシュポッポッー!!



律子「……」ゴゴゴゴゴゴッ



しんのすけ「」ビクッ



律子「さっさと出ていけー!!」ぐりぐりぐりぐり

しんのすけ「うへえぇぇ~、なんでりっちゃんがこのワザを~!」



──




春香「それじゃあ、みんな行くよー! 765プロー!」

しんのすけ「ファイヤーーーー!」

春香「ファイト──あれ?」

全員「おーーーーー!!」

春香「あれぇ?」


ワー ワー



伊織「ふぅ……」

P「大盛り上がりだな!」

伊織「スーパーアイドル伊織ちゃんよ? 当然じゃない!」

しんのすけ「さすがはでこちゃんだゾ!」

伊織「誰がでこちゃんよ! そういえば何かドリンクは無いかしら?」

スタッフ「どうぞ」

伊織「あら、ありがとう」




スタッフ(くっくっく! そいつは強力な下剤入りのドリンクだぜ!)

スタッフ(この来不粒酢蔵“らいぶつぶすぞう”のな!)



しんのすけ「おっとっと」ドンッ

バシャー

伊織「ちょっと! せっかくのドリンクがこぼれちゃったじゃない!」

しんのすけ「こりゃ“へんたい”だ」

伊織「“たいへん”よ! 変態はアンタ!」



粒酢蔵(ちっ、折角のドリンクが)




響「ダンサブルな振付で、少し疲れたぞ」

真「ボクはまだまだ元気だけどね!」

響「うがー! 自分だってまだまだ元気だぞ!」

美希「でも汗いっぱいかいちゃったの……」



粒酢蔵「皆さん、これで拭いて下さい」

粒酢蔵(ワサビを練りこんであるタオルだけどな!)



しんのすけ「おおっ、オラとおそろいだぞ! ほーれ」

粒酢蔵「んなっ!」

P「それは“ぞうちん”! しかもこれは雑巾じゃなくてタオルだから!」



粒酢蔵(ま、間違えてタオルが俺の顔に!!)

粒酢蔵「ぬおおおおおおおおっ!!!!」






粒酢蔵「あのガキ! さっきから邪魔をしやがって!」



黒井「首尾はどうかね? わざわざ様子を見に来てやったぞ」

粒酢蔵「黒井社長!」

黒井「ウィ。お? 飲み物を用意しておくとは気が利くでは無いか」ゴクゴク

粒酢蔵「あっ、それは……」

黒井「なんだね? む……なにやら腹の様子が……」ピー ゴロゴロゴロ

粒酢蔵「お、俺は何も知ーらないと」スタコラサッサ



──


トイレ



黒井「ま、まさかこれも765プロの仕業か!! おのーれっ!! うぅ……」



人知れず765プロの危機を救ったしんのすけであった


─────
───




765プロ



P「いや~定例ライブも大成功でしたよ!」

小鳥「なんだかんだで、しんのすけ君が来てから業績も伸びましたしね!」

高木「やはり私の目に狂いは無かったようだ!」


律子「そういえば、結局961プロも何もして来ないですね」

高木「そっちはどうやら、思い過ごしだったようだねぇ」



伊織「あら? 今日はしんのすけ、いないのかしら?」

やよい「たしかお休みだったような……」

亜美「おやおやー? いおりんは寂しいのかい?」

伊織「ちょっと! そんなわけないでしょ!」

真美「んっふっふ~! 素直じゃありませんなー!」



律子「あんた達ー! そろそろレッスンの時間よー!」




埼○県 春○部市



あずさ「せっかくのオフなのに、また迷っちゃったわね……」



しんのすけ「あれ? あずさおねいさん?」

あずさ「し、しんのすけ君?」




あずさ「どうしてここに?」

しんのすけ「日課のシロの散歩です!」

あずさ「あら~偉いわね~」

シロ「けっ」←どの口が言ってるんだと思ってる








あずさ「実は私も散歩の途中だったのよ~」

しんのすけ「ほうほう! ならご一緒しましょう!」

シロ「きゃん!」

あずさ「ふふっ、それじゃあご一緒しようかしら」


公園



しんのすけ「オラ、ちょっとおトイレ!」

あずさ「いってらっしゃ~い」



あずさ「……」



あずさ「……伝説の美少年・野原しんのすけ君」

あずさ「どうしてあんなに素敵なのかしら~」



あずさ?「やっぱり彼が私の運命の──」



あずさ「しんのすけ君。なんで私の後ろでアフレコしてるのかしら~?」

しんのすけ「おお」


あずさ(運命の人か……どうすればプロデューサーさんは振り向いてくれるのかしら……)

しんのすけ「あずさおねいさん。なにか悩み事?」

あずさ(やっぱり子供はこういうのに敏感なのかしら……)

しんのすけ「やっぱりオラとの結婚はまだ早いと思うゾ」テレー

あずさ「そ、そうね~」



みさえ「しんのすけー! アンタいつまで散歩してるのよ!!」

しんのすけ「母ちゃん!」



みさえ「まったくもう……ってあなたは確か!」

あずさ「こんにちは~」

みさえ「しんのすけがお世話になっているっていう765プロの!」

あずさ「三浦あずさと申します~」

みさえ「こ、これはご丁寧にどうも」



しんのすけ「こちらはボクの大切なお母さんです!」

みさえ「え!?」


みさえ「それはいいとして、どうしてわざわざ春○部に?」

あずさ「それが──」

しんのすけ「実はオラとの結婚のあいさつに~」

あずさ「え!? あの~」


みさえ「くだらない事言ってるんじゃないの! それにアンタななこちゃんはどうしたのよ!」

しんのすけ「そうだった! オラには、ななこおねいさんがいたんだった……」

みさえ「ごめんなさいね~、この子は本当にこういう事に強引で……」

あずさ「!?」


しんのすけ「いや~それほどでも~」

みさえ「褒めてない!」



あずさ(強引に、か……)


しんのすけ「オラ、残念だけど、あずさおねいさんとは結婚出来ないみたい……」

あずさ「そ、そうね~」

みさえ「どっちにしろ20年早いわ! ってそろそろ帰る時間よ!」


みさえ「ご迷惑かけてすいませんでした~おほほ!」

あずさ「いえいえ~こちらこそ楽しかったです~!」


あずさ「それじゃあ、またね」

しんのすけ「おたっしゃでー!」



あずさ(ふふっ、振られちゃったのかな?)

あずさ(でも、ありがとう、しんのすけ君)



─────
───





765プロ



高木「では諸君。短い間だったがプロデューサーとして働いてくれた、しんのすけ君は本日までとなる」

高木「そしてささやかながら、送別会の場を──」

亜美「社長さん! 話が長いYO!」

真美「そうだそうだ!」

律子「こ、こら!」


高木「」シュン

しんのすけ「ま、元気出せよ」

高木「あ、ありがとう」




ワイワイ ガヤガヤ



春香「春香さん特製ケーキですよ、ケーキ!」

しんのすけ「これは美味ですな~! 見た目はふつうだけど」

春香「だから普通は余計だって~!」



千早「その、またお歌を一緒に歌いましょうね」

しんのすけ「オラ、千早おねいさんのお歌だいすきだから、楽しみだゾ!」

千早「ふふっ、ありがとう」ニコ




やよい「しんのすけ君! いつものあれ、いきますよー!」

しんのすけ「おお~」

やよい「はい、た~ち!」

しんのすけ&やよい「いえ~い!!」



伊織「た、たまには遊びに来なさいよね!」

しんのすけ「これってツンデレってやつ?」

伊織「誰がツンデレよ!」

しんのすけ「相変わらずキレのあるツッコミだゾ」




貴音「しんのすけ。是非また一緒にケツだけ星人を踊りましょう」

しんのすけ「うむ。精進するように」

貴音「はい。あとは二十郎へはいつ──」

しんのすけ「じゃ、そ、そういうことで~」



響「しんのすけ! 今度シロと散歩に行こう!」

しんのすけ「シロは今シーズンオフでお休みだゾ」

響「散歩にシーズンオフはないぞ!!」




真「しんのすけ君は、ナチュラルにボクの事を女の子扱いしてくれたから、いなくなると寂しいなぁ」

しんのすけ「よくわからないけど、真ちゃんはれっきとした女の子だよ」

真「しんのすけ君!!」ダキッ

しんのすけ「うへえぇぇぇ~し、死ぬ……」ギュウゥゥゥ



雪歩「しんのすけ君のおかげで、少し男の人が平気になったよ。ありがとう」

しんのすけ「こんどはあの字いっぱいのお話を聞かせてね」

雪歩「え!? なんでそれを!?」


美希「しんのすけ。ミキと一緒に寝るの!」

しんのすけ「オ、オラ心の準備が……」



律子「ちょっとアンタ達! そのセリフを外で絶対に言わないでよ!」

しんのすけ「オラ達、一緒にお昼寝するだけだゾ」

美希「そうなの」

律子「うっ……」

しんのすけ「なんでお外でいっちゃダメなの?」



律子「さーて! 仕事仕事っ!」←無視





亜美「しんのすけ……」

真美「うぅ……」

しんのすけ「真美ちゃん……亜美ちゃん……」



伊織「イタズラばっかりやってたけど……仲良かったものね……」グスッ

律子「そうね……でも今生の別れでは無いんだから元気出すのよ」グスッ



しんのすけ&真美&亜美「は~い」ケロッ



律子「ア、アンタ達、泣いてたんじゃ……」ズコー



しんのすけ「いやあ」

真美「中々の」

亜美「名演技だったっしょー!」



伊織「ほお?」



しんのすけ&真美&亜美「」ダッ!!!!



律子「逃がすかっ!!!!」




小鳥「ふふっ、みんな楽しそうね」

しんのすけ「こんど、おしごと中に書いてたマンガ読ませてね」

小鳥「あれはしんのすけ君にはまだ早いのよ──ってな、なんのことかわからないピヨ」

高木「ほう?」

小鳥「ご、誤解ですよ~!」



P「しんのすけ君、また一緒に仕事しような!」

しんのすけ「おお! じゃあアレをやろう!」


P&しんのすけ「男同士のお約束~!!」クイッ



ワイワイ ガヤガヤ



─────
───





あずさ「なんというか……あっという間の出来事でしたね」

P「そうですね」



あずさ「……実は、わたしつい先日、ある人に振られちゃいまして」

P「え!? どういう事ですか!?」

あずさ「それでプロデューサーさん……わたしの事を慰めていただけますか?」

P「あ、あずささん!?」



────
──





後日765プロ



律子「しんのすけ君がいなくなって、もう一週間ですね」

P「寂しいのか?」

律子「そ、そんな訳ないじゃないですか!」

P「ははっ」




ガチャ



全員「!?」



みさえ「ここが、しんのすけがお世話になってた765プロね~」

ひまわり「たいの! たいの!」

ひろし「うひょ~! 可愛い子ばっかりだな~!」



しんのすけ「おかえり~」

あずさ「それを言うなら“ただいま”でしょう? ふふっ♪」




おわり





このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年02月13日 (土) 07:00:01   ID: KTODXQ9p

臼井儀人さんの絵で脳内再生できる描写でめっちゃ良かった。
冬馬がアクション仮面好きなのにも違和感なかったし、Pとか高木、黒井社長との絡みも楽しめた。
ほのぼののクロスオーバーssでは一番すき

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