召喚士「可愛いケモノ娘を召喚しようとしたのに……」ドラゴン「ガオー!」 (257)

―山奥―

召喚士「ついに時は満ちた……。10年間の成果をここで見せる」

召喚士「我が野望、叶うときだ」

召喚士「ククク……ハハハハ……ハーッハッハッハッハ!!!」

召喚士「世の愚者共よ。我にひれ伏し、そして羨望を向けるがいい」

召喚士「可愛い獣人ハーレムを築く、この俺に!!」

召喚士「さぁ、いでよ!! 俺の異国の花嫁よ!! アーッハッハッハッハ!! デュフフフフ!!!」

「私を呼び出したのは誰だ……」

召喚士「俺だ!! 俺が今日からお前の主だ!!」

ドラゴン「――よかろう。我はここに顕現した。お前に従うために」

ドラゴン「ガオー!!」

召喚士「えー……」

ドラゴン「どうした? まずはどの街から焼き払うのだ? 私の力をもってすれば、この世界の征服など容易いぞ。嬉しいであろう。ガオー!!」

召喚士「すみません。元の世界に帰ってくれないでしょうか?」

ドラゴン「……!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444719609

召喚士「おかしいなぁ。この術式で間違っていないはずなんだけどなぁ」

ドラゴン「我が主よ。呼び出しておいて即帰還せよとは、どういう了見だ。私は神の使い、ドラゴンなるぞ」

召喚士「俺が召喚したかったのは、可愛い獣人であって、ドラゴンではないんです」

ドラゴン「ふふん。これはおかしなことを言う。我が主よ。お前はこのドラゴンを召還するだけの力を持っているのだぞ。それは誇ってもよい」

召喚士「それはどうも。ありがとうございます」

ドラゴン「それほどまでの能力を持っているであれば、獣人などという矮小な魔物で満足しなくともよいはずだ」

召喚士「いえ、そういうことではなくて」

ドラゴン「この私、ドラゴンを呼ぶことができたのだ。さぁ、我らの時代を築こうではないか。お前は魔王にもなれるぞ」

召喚士「興味ないんで」

ドラゴン「ぐっ……。わからん! 私のどこが不満なのだ!! この鋼にも勝る皮膚!! 大地をも砕く牙!! 巨人すら慄く体躯!! そして!!」

ドラゴン「全てを焼き尽くす業火を吐くこともできる!! ガオー!!」

召喚士「では、帰還させますね。術式を用意するので少し待っていてください」

ドラゴン「待て!! 解せぬ!! とっても解せぬ!! 私をよく見ろ!! ドラゴンなるぞ!!」

召喚士「ええ、立派なドラゴンですね。すごいです」

ドラゴン「だろう。ふふん。ならば、主の選択肢は一つだ。我を従者にするしかないだろうに」

その辺のケモノ娘よかずっと萌えるぞこのドラゴン。

ドラゴン娘期待

なんでや!ドラゴンはまんまの方が至高やろ!

ホモ獣姦期待

わたミザエルのタキオンドラゴンこそ究極にして至高

召喚士「いやぁ……貴方を従者にしてもなぁ……」

ドラゴン「何が気に入らん。言ってみせよ」

召喚士「料理とかできます?」

ドラゴン「何を言うかと思えば、下らん。私の爪はどのようなモノでも切り裂くことができるのだぞ」

召喚士「料理はできるんですか?」

ドラゴン「敵を料理するなど朝飯前だ」

召喚士「あぁ……」

ドラゴン「さぁ、主よ。世界を手中におさめるぞ」

召喚士「朝、俺を優しく起こしてくれますか?」

ドラゴン「なるほど。主従関係をここではっきりとさせておきたいというわけか。ククク、流石は私を呼び出しただけのことはあるな」

召喚士「朝、優しく起こすことができるんですか?」

ドラゴン「分かっている。私は従者になった身。ドラゴンという立場は二の次だ。そういいたいのだろう」

召喚士「そういうことじゃなくてですね」

ドラゴン「尻を拭けというのなら、いくらでも拭いてやろう。任せておくがいい」ガオー!!!

召喚士「……よいしょっと」カキカキ

ドラゴン「主よ。何をしたためている」

召喚士「貴方を帰すための術式です」

ドラゴン「やめんかぁ!!」ズゥン!!!

召喚士「あぁ……」

ドラゴン「わからぬ!! とってもわからぬ!! 神の使いにして、最上位とされるドラゴンを帰そうとする主の心が!!」

召喚士「ですから、貴方を召喚するつもりはなかったんです」

ドラゴン「そのつもりがなくとも私が出てきたのだから、それでいいではないか! なぜ!? なにゆえ!! 私を帰そうとする!!」

召喚士「お、俺にも目的がね……ありまして……」

ドラゴン「我に叶えられぬものなどない。私にはそれだけの力があるのだからな!! ガオー!!」

召喚士「……」

ドラゴン「見よ!! この肉体は鋼のごとく!! この牙は剣のごとく!! この両翼が起こすのはまさに嵐!!!」

ドラゴン「この力でできぬことはなぁぁい!!!」

召喚士「俺に抱きつくことはできますか?」

ドラゴン「ぬぅ……!?」

召喚士「その鋭い爪では……無理ですよね……。だから、いいんです。すみません、お忙しいところ呼び出してしまって。ありがとうございました」

これ人間姿に変身ワンチャンあるで

ドラゴン「抱きついてほしいのか、我が主よ」

召喚士「ええ。可愛い獣人に……。ご主人様ぁ、なんて言われながら……」

ドラゴン「それは、あれだな……無理だな……。そんなことをしてしまえば、主を握りつぶしてしまう」

召喚士「ですよね。貴方にはできないことなのです」

ドラゴン「いや。諦めるのはまだ早いぞ、主よ。確かに私には抱きつくことはできぬ。だが、しかし、主のことをご主人様と呼ぶことはできる」

召喚士「……」

ドラゴン「妥協してみてはどうだ?」

召喚士「新しく獣人を呼ぶんで、無理はしないでください」

ドラゴン「これはすまなかったな、ご主人様。確かに妥協はいかん。いかんぞ。すぐに妥協しては成すべきこともできなくなる」

召喚士「はぁ、そうですね」

ドラゴン「みよ!! ここに丁度良い大木があろう。この大木に私が抱きつく。そして傷一つつかなければ、きっと、ご主人様に抱きついても良いはずだ」

召喚士「えぇ……」

ドラゴン「見ていろ。私に不可能はないのだからな。いくぞぉ!! ――ご主人様ぁ」ドスドスドス!!!!

ドラゴン「ふんっ」ベキベキベキ!!!!

召喚士「よいしょっと」カキカキ

なんでこのドラゴンさんはこんなに必死なんですかね…

普段ドラゴン呼ぶような好戦的な人も
さらに呼べるような魔翌力を持った人もいないんじゃないですかね
何百年ぶりに呼ばれたとかそんな感じで

これは期待

ドラゴン「樹齢数百年の神木か。中身が腐っていたようだな」

召喚士「できました。では、帰還の儀を行いますので、術式の中央に移動してください」

ドラゴン「できぬ!! それだけはできぬ!!」

召喚士「どうしてですか? 神の使いのに、それほどまで人間に従いたいんですか」

ドラゴン「私にも矜持がある。とってもある。よいか、ご主人様。神の使いと言われる私がここへ召喚させ、即座に帰還させられた。そうなると、どうなる?」

召喚士「魔界とかでいじめられるんですか?」

ドラゴン「違う」

召喚士「神様に怒られるとか?」

ドラゴン「ちがう!! 何故、わからぬ!! ご主人様!!」

召喚士「あぁ、すみません」

ドラゴン「私が、傷つくだろう」

召喚士「……」

ドラゴン「私はドラゴンであることに誇りを持っている。だから、こんな扱いは、嫌だ」

召喚士「そう、ですか」

ドラゴン「故に、その術式の中央には移動せんぞ。絶対にな!!」

こんな可愛いドラゴンみたことない

もうこのドラゴンと添い遂げろよ

もうこいつを人型にする方法を研究しろよwww

獣人とかいいからこのドラゴンくれ

実はメスですってオチじゃないといいな

いらないなら俺にくれ

>>7
(無言の手刀)

ドラゴンが雄であることを説に祈ろう

召喚士「それは困りましたね」

ドラゴン「私も困っている。ご主人様は世界を我が物にしようとは思わないのか」

召喚士「そういうのには興味ないんですってば」

ドラゴン「無欲な人間だな。過去にドラゴンを召喚させた者たちはこぞってドラゴンを使役し、世界統一を目指していたというのに」

召喚士「色んな伝説がありますね。竜騎士と呼ばれる人とか」

ドラゴン「そうだ。ご主人様もどうだ。折角なのだから、私の力を見てみたいとは思わんか? なにせ、私はドラゴンだ。無敵と言っても過言ではない」

召喚士「うーん……」

ドラゴン「見るがいい!! 我が竜爪は天を割き!! 海を割るほどの力がある!!」

召喚士「それは言い過ぎじゃないですか?」

ドラゴン「……そうだな。少し大げさに言ってしまった。しかし、大抵のモノは引き裂くことができるのは本当だ。どうだ、見てみたいであろう」

召喚士「いいから、帰りましょう」

ドラゴン「このままおめおめとドラゴンが帰っていいのか? 否!! とっても否!! 我が力をその目で確認してからでも遅くないはずだ!!!」

召喚士「しかしですね、このままだと色んな人間に見られてしまいますよ」

ドラゴン「構うことはないだろう。その人間がご主人様の邪魔になるようであれば、私の力を大いに振るうまでよ。ガオー!!」

召喚士「そんなことをしたら、俺は大犯罪者じゃないですか。やめてください」

ドラゴン「うぅむ……。わからんな。ご主人様は私を使役できる身だ。善悪などご主人様が決めればいい」

召喚士「俺はただ、可愛い獣人と一緒に住みたいだけなんですよ。そんな大それたことをするつもりはないんです。分かってください」

ドラゴン「なんとも謙虚なことよ。ご主人様の望みはたったそれだけのことだったとは」

召喚士「分かってくれましたか」

ドラゴン「そこまでいうのなら仕方あるまい。私の力の全てを見せることができないのは甚だ残念ではあるが、ご主人様の望みを叶えてこその従者だ」

召喚士「では……」

ドラゴン「うむ。まいろうではないか。ご主人様の住処へ」

召喚士「え?」

ドラゴン「さぁ、背に乗るがいい。ドラゴンの背に乗ることができるのはご主人様のような選ばれた者だけだ。どうだ、これは嬉しいだろう」

召喚士「俺の家に来る気なんですか?」

ドラゴン「私は従者だ。多くは求めん。寝床は庭先で十分だ」

召喚士「いや……」

ドラゴン「往くぞ、ご主人様!! この大空を翔るときだ!!」バサッバサッ

召喚士「俺の家に庭はないですよ」

ドラゴン「なんだと!? では、私はご主人様の家の中に入ってもいいのか!? ククク……。ドラゴンを召喚するだけのことはあるな。その器の大きさ、素晴らしいぞ」

ワイバーン「私達の」
龍「出番は」
ワーム「もしかして」
コモドドラゴン「ないの〜?」

お、来てたのか

召喚士「あの……」

ドラゴン「考えてみれば、当然のことだったな。狭小な家屋に住むものが雄大な心を持つはずがない」

ドラゴン「たとえ、私が壁で爪を研ごうが、おくびとともに出てしまった業火で家が燃えようが、ご主人様は涼しい顔で――」

召喚士「許しませんけど」

ドラゴン「……!?」

召喚士「そもそも借家なので、爪を研がれただけで怒られますから」

ドラゴン「しかし、それでは私の寝るところが……」

召喚士「帰る気はないんですか」

ドラゴン「なんども言わせるな、ご主人様。ない。ぜんぜん、ない!!」

召喚士「……」

ドラゴン「梃子でも動くつもりはない!! ガオー!!!」

召喚士「分かりました。事故とはいえ、俺が貴方を召喚させてしまったんですから、責任は取ります」

ドラゴン「それでこそ竜使いよ。背に乗るがいい」

召喚士「俺は歩いて帰ります。貴方はここにいてください」

ドラゴン「なにゆえ!?」

召喚士「他の人に見られたくないからです」

ドラゴン「それはおかしい!! とってもおかしい!! ご主人様!!」

召喚士「何がですか」

ドラゴン「よいか。このドラゴンを連れて歩くだけで、ご主人様は周囲から様々な目で見られることだろう」

ドラゴン「羨望、嫉妬、畏怖、しかし、その全てを意に介すことはない。なぜなら!!」

ドラゴン「私がご主人さまに降りかかる全ての害悪を焼き払うからだ!!! ガオー!!!」

召喚士「……」

ドラゴン「ふふん。喜びのあまり声もでまい。そうだ。ご主人様はこの世でもっとも強い人間になったと言ってもいいのだぞ」

召喚士「とにかく、ここに居てください。でないと、強制送還させます」

ドラゴン「……どうしてもか?」

召喚士「はい」

ドラゴン「次はいつ来るのだ?」

召喚士「明日、また来ます」

ドラゴン「承知した。我は誇り高きドラゴン。ご主人様の言うことは素直に従う。無様に駄々をこねたりしないのだ」

召喚士「流石、ドラゴン。では、また明日」

ドラゴン「うむ」

召喚士「そうそう。できるだけ体は丸めてくださいね。いくら山奥でもその巨体は目立ちますから」

ドラゴン「心配は無用だ。寝るときはどうしたって体を丸めることになる」

召喚士「それはよかった。おやすみなさい」

ドラゴン「良い夢を」

召喚士「はぁ……」

召喚士(とんでもないものを召喚してしまったな。可愛い獣人とイチャイチャしながら生活する夢が……)

召喚士(俺の10年間はなんだったんだ……)

召喚士「……」

ドラゴン「ん? ふふん。ご主人様。私の傍で一夜を過ごすか? 暖に困ることはないぞ」

召喚士「帰ります」

ドラゴン「そうか……」

召喚士(どうしようか……。ドラゴンをこのままにしていたらきっと大騒ぎになるだろうし、早いところ元の世界に戻したいんだけど)

ドラゴン「がおー……がおー……ごごご……」

召喚士(もう寝てる。俺も疲れたな。戻って寝よう)

丸まったドラゴンのお腹らへんに埋もれて寝てみたい

―翌日 城下町―

店主「いらっしゃい!!」

召喚士「えーと……」

召喚士(ドラゴンって何を食べるんだろう……? そもそもどれぐらいの量があれば満足するんだ?)

店主「何をお探しで?」

召喚士(大量に肉を買わなきゃいけないことになると、俺の給料ではとてもじゃないが払えないぞ……。強制送還させたほうがいいのか……)

召喚士(いや、あの嫌がりっぷりだと、強制送還に踏み切った時点で暴れだしそうだ……)

召喚士(そうなると、俺の身も危ないし……。あくまでも最終手段でとっておかないとな……)

店主「何を悩んでるんです?」

召喚士「どんなものが好きで、どれぐらい食べるのかなぁって」

店主「なるほどぉ。相手はやっぱり、女性ですかい?」

召喚士「うーん……どっちなんだろう……」

店主「まぁ、どちらでもかまわねえ。やっぱり、肉よ、肉。肉さえだしときゃ、ハズレはしないですぜ」

召喚士「それもそうですね。では、肉を20キロ、いや、30キロほど」

店主「その人、そんなに食うんですかい!?」

―山奥―

召喚士「ふぅ……ふぅ……おもてぇ……」

ドラゴン「ん? おぉ、ご主人様ではないか」ブンッブンッ!!!!

召喚士「尾を振り回さないでください。危ないですから」

ドラゴン「失敬。これは挨拶のようなものだ。許してくれ」

召喚士「はい、これを」ドサッ

ドラゴン「これは?」

召喚士「貴方の食事です」

ドラゴン「なるほど。流石はご主人様だ。まさか食事の心配をしてくれるとはな」

召喚士「食べてください。これで足りますか? できればもっと量は減らしたいんですけど」

ドラゴン「ご主人様はドラゴンを甘くみているようだな」

召喚士「やはり、足りないんですか?」

ドラゴン「我はドラゴンなり。ご主人様といえど人間から施しを受けることは、生き恥を晒すのと同義!!」

召喚士「なるほど」

ドラゴン「自分の食い物は自分で調達する。余計な気を遣わせたな。感謝するぞ、ご主人様」

召喚士「自分でって、どうやって?」

ドラゴン「まずはこの山に住む生物を狩っていくことにする」

召喚士「それだけはやめてください」

ドラゴン「何も恐れることはない。私は至高のドラゴン。この山にいる生物が束になったところで、私は倒せん」

召喚士「そうじゃないんです。この山に生息している動植物は、人間にとっても大事なんです。俺たちも食わなければ死にますから」

ドラゴン「まさに弱肉強食。世の理だ」

召喚士「ここの生物を全て狩られると人間も飢えてしまう」

ドラゴン「むぅ。つまり、ご主人様もとっても飢えてしまうのか」

召喚士「そうです」

ドラゴン「分かった。では、ご主人様の分も私が狩ってきてやろう。それでいいか?」

召喚士「よくありません。俺だけが腹を満たしても意味なんですよ」

ドラゴン「なんという慈悲深い人間なのだ。無欲もここまでいくと、感心してしまうな」

召喚士「ともかく狩りは禁止です。食事は俺が用意します」

ドラゴン「うぅむ……。どうしてもダメなのか?」

召喚士「ダメです」

ドラゴン「つまらん。我は拗ねたのだ」

召喚士「無様な駄々はこねないのではなかったのですか」

ドラゴン「ここまで行動を制限されては、究極生物であるドラゴンも拗ねる」

召喚士「とにかく、今日はこれを食べてください」

ドラゴン「ふんっ」

召喚士「理解してください。貴方を召喚したこと自体、事件なんですよ。帰還にも応じてはくれないし」

ドラゴン「ご主人様が私の強さを分かってくれないのが、不満だ。とっても不満だ」

召喚士「ドラゴンが強いのは知っています」

ドラゴン「直に見てほしい」

召喚士「……」

ドラゴン「直に見れば、ご主人様とて野望、野心の一つも抱くこと請け合いだ」

召喚士「分かりました。そこまで言うのなら、見ます」

ドラゴン「本当か!! フハハハハ!!! ついに本性が露わになったな!!!」ブンッブンッ!!!!!!!

召喚士「尾を振り回さないでください」

ドラゴン「何を見たい? 遠慮なく言ってみろ。全てはご主人様の意志のままだ」

やだこのドラゴン可愛い

中身オッサンだったらいいな。この性格なら許す

ドラゴンのCVがジョージか大塚芳忠で再生される

パクリネタ満載の恋っぽいことするあれかと思ったが

ダメだ話し方のせいでcv丹下桜の赤いのが出て来てしまう

召喚士「では、全てを焼き尽くすっていう業火を」

ドラゴン「フハハハハ!!! いいだろう!! 括目せよ!! 天を焦がし!! 海をも干上がらせる、灼熱の業火を!!」

召喚士「そこまですごいんですか? それだと、この山が燃え上がるので、やめておきます」

ドラゴン「いや、待て。すまん、ご主人様。ちょっと言い過ぎた。いくらドラゴンとて、そこまでのものは出せん」

召喚士「それはよかったです」

ドラゴン「改めて……。フハハハハ!! 括目せよ!!! とっても熱い、我が息を!!」

召喚士「空に向かって吹いてくださいね。山火事になると大変ですから」

ドラゴン「うむ」

ドラゴン「ガオー!!!!」ゴォォォォ!!!!!

召喚士「おぉ……これはすごい……」

ドラゴン「だろう。そうだろう。ククク。遂にご主人様に伝わったか。私の凄さが。伊達に天の使いをしておらん」

召喚士「ですね。想像以上です」

ドラゴン「望みを言うがよい!! 私はご主人様の従者、ドラゴンなり!! この力は、己が意のままだ!!!」

召喚士「帰還しましょう」

ドラゴン「嫌だ」

ドラゴンなのに獣人化は出来んのか!!

ドラゴンだから興奮するのに出来たら台無しだろ…(呆れ)

召喚士「ダメですか」

ドラゴン「あれだな、ご主人様は性格が悪いのだな。私は少し失望したぞ」

召喚士「貴方のためを思って言っている部分もあるんですけどね」

ドラゴン「わからんな。とってもわからん。そこまで私を帰したいのか? そこまで矮小な下位魔族のほうがいいのか?」

召喚士「俺の夢だったんだ。いや、それこそ野望と言ってもいい」

ドラゴン「ほほう。やはりご主人様も野望をもっているではないか。ほれほれ、申してみよ。私が子ドラゴンの爪を剥ぐように叶えてやるぞ」

召喚士「昨日、話したでしょう。数多の小さく可愛い獣人を召喚し、共に生活することだったんだ」

ドラゴン「小兵を集めてどうする? 戦をしたいのであれば私のような圧倒的戦力のほうがいいだろう」

召喚士「戦争をしたいわけじゃないんです。ただ、そうした生活を送れたら良かった」

ドラゴン「訳がわからぬ。雑兵にタダメシを食わせるだけの生活など、ご主人様にどのような益があるというのか」

召喚士「……貴方に話したところで、何の意味もありません」

ドラゴン「なにゆえ? なぜ? 話してみなければわからぬだろう」

召喚士「昨日のことが全てです。貴方は俺に抱きつけない……」

ドラゴン「ふぬぅ……!? しかし、それは、あれだ、努力次第でどうにか……」

召喚士「いいんです。確かに貴方の傍にいれば暖に困ることはないかもしれない。でも、俺が欲しい温もりはもっと別のものなんです」

ドラゴン「我が炎ではいささか熱すぎるということか。難しいな」

召喚士「今日は帰ります。それでは」

ドラゴン「もう帰るのか、ご主人様。もう少しゆっくりしていけばいい」

召喚士「これ、食べてくださいね」

ドラゴン「分かった。食べるから、もう少しゆっくりしていけ」

召喚士「俺にも仕事があるんで」

ドラゴン「一緒に食べようではないか」

召喚士「いいです」

ドラゴン「ならば、ご主人様が買ってきた肉を美味しそうに頬張る私の姿を見てから帰るがよい」

召喚士「どうしてそんなことを……」

ドラゴン「ご主人様が持ってきたものだろう!! 行く末を見守るというのが筋だ!!!」

召喚士「……また、明日来ます」

ドラゴン「いつ頃来る?」

召喚士「同じぐらいの時間に」

ドラゴン「承知した。我はドラゴン。我儘を言ってご主人様を引き留めることはしないのだ。また明日だな。おやすみ、ご主人様」

ご飯食べてるの見てから帰れとかw

―翌日 城下町―

店主「いらっしゃい!」

召喚士「昨日と同じだけの肉をください」

店主「もう食べちまったんですかい? それともあれかい? 店でもやってんですか?」

召喚士「……まぁ、そんなところです」

店主「仕入れも大変ですもんね。すこーし待っててください」

召喚士「はい」

召喚士(酷い出費だ……。このままだと本当に破産するかもしれないな……)

店主「おまちどう!」

召喚士「ありがとうございます」

店主「またのおこしをおまちしてますぜー」

召喚士「はい……」ズシッ

召喚士「おもてぇぇ……」

店主「あんなに若いのに店をねぇ……」

店主「是非、今後も贔屓にしてもらいたいねぇ……。うーん……どうしたもんか……」

―山奥―

召喚士「はぁ……はぁ……はぁ……」

ドラゴン「ご主人様!!」ブンッブンッ!!!!

召喚士「今日の食事です……はぁ……はぁ……」

ドラゴン「昨日に続き、持ってきてくれたのか。すまんな」

召喚士「これが召喚士としての責務です」

ドラゴン「と、いうと?」

召喚士「たとえ望まぬものを召喚したとしても、主としての責任を果たせ。召喚士と名乗る以上は、その掟は守ります」

ドラゴン「ふむ。望まぬものとは、私のことか?」

召喚士「ずっと言ってますよね」

ドラゴン「まぁ、いいんだがな。食欲はとっても無くなったが」

召喚士「拗ねないでくださいよ」

ドラゴン「ふんっ。こうなれば意地だ。私の魅力をご主人様にたっぷりと味わってもらい、そして認めさせる!!!」

ドラゴン「私を召喚できたことは最上の幸福だとな!!! ガオー!!!!」

召喚士「だから……俺には目的が……」

ドラゴン「実はいうとな、一晩考えたのだ」

召喚士「何をですか」

ドラゴン「ご主人様と私で世界を手に入れる。さすれば、ご主人様の野望も叶うのではないか?」

召喚士「は?」

ドラゴン「私の力を使えば、ご主人様はこの世界を統治する魔王となれる。確実にな。すると、どうだ!!」

ドラゴン「幾億もの小兵をご主人様は手に入れることができるではないか!! フハハハハ!! 流石、私!! 妙案だな!!」

召喚士「どうしても俺を魔王にさせたいんですね」

ドラゴン「当たり前だ。ドラゴンが仕えるのは神か魔王だけなのだからな」

召喚士「それにしては俺のことをご主人様って呼んでくれていますね」

ドラゴン「先行投資というやつだ」

召喚士「よくわかりません」

ドラゴン「ともかく!! ご主人様の野望は魔王になれば叶うのだ!! 私の大いなる力を用いて、世界征服だ!!」

召喚士「興味ないんですって。そもそも、俺はそういう争いとかは嫌いなんです。術士として城に仕えているのも、戦いたいからではなくて、夢のためだったし」

ドラゴン「城に? ご主人様はあれか、王宮の術士だったわけだ。なるほど、合点がいった。これほどの実力者を王族が野放しにはせんわな」

召喚士「……」

可愛い

しかし、これ召喚士の立場で考えるとかなりめんどくさいぞ

ドラゴン「納得だ。これだけの術式を独学でできるわけもないからな。王宮で学び、そして知識を蓄え、こうして魔王になるための準備を着々と進めてきたわけだ」

召喚士「進めてません」

ドラゴン「進めていることにしろ」

召喚士「しませんよ」

ドラゴン「むぅ……」

召喚士「これ、食べてくださいね」

ドラゴン「今日も一人メシかぁ……むなしい……」

召喚士「……」

ドラゴン「元の世界では必ず3匹ぐらいは周りにいたのだがな」

召喚士「……構ってほしいんですか?」

ドラゴン「は!? いやいやいや。構ってほしいとか、ないから!!! だって、私は孤高のドラゴン!!! いつでも孤独だったのだ!!! 今更寂しいとか、ないから!!!」

ドラゴン「ガオー!!!」

召喚士「分かりました。今日は貴方が食べ終わるのを見届けます」

ドラゴン「ふんっ。別にそんなことをされても、嬉しくなどないのだ」ブンッブンッ!!!!!

召喚士「尾を振り回すのやめてください」

こんな可愛いドラゴンがメスじゃないわけないじゃないか!

可愛すぎじゃないかドラゴン!!
俺にください

ドラゴン「はふっ!! はふっはふっ!!!」

召喚士「はぁ……」

召喚士(きっと、このドラゴンを連れていけば、周囲の目は変わるんだろうな……)

召喚士(でも、そんなことをすれば……)

ドラゴン「ん? どうした、ご主人様。肉が欲しいか?」

召喚士「いりません」

ドラゴン「そうか。はふっはふっ!! はふっ!!」

召喚士(やめよう。とにかくこのドラゴンには早いところ帰還してもらわないと。けど……)

ドラゴン「ふぃー。どうだ、ご主人様。私の食いっぷりは。まるで野獣のようであっただろう」

召喚士「まぁ、そうですね」

ドラゴン「どうやら、今のでまたドラゴンの魅力が一つ伝わったようだな」

召喚士「ところで帰る気は……」

ドラゴン「ない! まったく、ない!!」

召喚士「ですよね……すみません……。もう言いません」

ドラゴン「……」

すまんテンションあがってageすまん

召喚士「……」

ドラゴン「あの……そこまで迷惑なら……」

召喚士「決めた」

ドラゴン「え?」

召喚士「俺は、貴方を従者として認めることにします」

ドラゴン「おぉ……!!」

召喚士「こちらで召喚しておいて、帰ってください、なんて虫のいい話はないですよね。本当に失礼なことを言って申し訳ありませんでした」

ドラゴン「なんの、なんの。気にしておらん。よきにはからえ」ブンッブンッ!!!!

召喚士(帰る気がないのなら、俺が守ってやらないと。召喚士として、召喚したものは守る)

ドラゴン「ご主人様!! 遂に目覚めたか!! この日を覚醒の日と命名しようぞ!!! 後に歴史を揺るがす日として伝説になるのだ!!!」

召喚士「いえ、別に対応は今までと変わりませんよ。魔王になるつもりもないですし」

ドラゴン「がおー?」

召喚士「では、そろそろ帰りますね」

ドラゴン「これから盛り上がるところだろうがー!!! もう少しゆっくりしていけー!! ごしゅじんさまー!!!」

ドラゴン「ガオー!!!」

ドラゴン「がおー?」
きょとんとした顔で小首をかしげるドラゴン想像した可愛い

クラウンかメルセデス欲しいと思ってたらラプターとかスーパーフランカーが来て困ってるって感じだよね

いやガンプラ欲しかったのにガンダム手に入れたようなもんだろ

ガンプラとセックスはできないだろ

むっちゃ可愛い癒される

メイドさんを雇ったらメイドガイが来た的な

マッチョ執事だな

一回の召喚が継続してる間は、次の召喚が出来ない制約でもあるのか

????「ズンチャズンチャズンチャズンチャズンチャズンチャチャ♪」

ロリババァにかえる魔法とかねぇの?

雄とか雌とか人間体とか関係なく、ドラゴンとして愛でたら良いじゃん?

まさかのハフハフ食いww

―数日後 城下町―

店主「はいよ! いつもありがとう!」

召喚士「いえ」

店主「そうそう、聞こうと思ってたんですが、お客さんのお店ってどこです? こうして贔屓にしてもらっているし、一度ぐらいはこっちが客になりたいんですがね」

召喚士「そ、そんな。まだまだ俺は未熟でして……」

店主「そんなことおっしゃらずに」

召喚士「し、失礼します!」

店主「あ……。ちと踏み込みすぎちまったか。まぁ、またの機会にするさ」

「――ちょっといいか?」

店主「はい。いらっしゃいませ」

魔術師「先ほどの男が何を購入したのか、教えてくれないかい?」

店主「なにって、ここであんなに大量に買えるのは肉か野菜だけですぜ。奥さんもどうだい?」

魔術師「あたしは未婚だ」

店主「これは失礼。あまりにも美しいもんで、てっきり人妻かと思いましたよ」

魔術師「……今の男と全く同じものを買ってやる。とっとと、用意しな」

―山奥―

ドラゴン「ご主人様っ」ブンッブンッ!!!

召喚士「今日の分です。どうぞ」

ドラゴン「毎日感謝しているぞ、ご主人様」

召喚士「気にしないでください」

ドラゴン「とはいえ、こう施しばかり受けるのもな……。ご主人様さえ首を縦に振れば今すぐにでも天地を震わす咆哮一つで世界を蹂躙できるというのに」

召喚士「何度もいいますけど……」

ドラゴン「分かっている。ご主人さまにはその気がまるでないことはな。だが、しかし。それでは私の力はどこに向ければいいのだ」

ドラゴン「我は天から使者、ドラゴン。大抵のことでは死なんが、退屈で死にそうだ」

召喚士「そもそもここにドラゴンがいるだけでも結構な大問題なんです。ここから動かれては困ります」

ドラゴン「翼を動かすぐらいは構わないか?」

召喚士「嵐が起こるような翼を動かすのは……」

ドラゴン「あれはちょっと誇張してただけだ!! 少し強めの風が起こるぐらい!!! それぐらいだから!!」

召喚士「それなら、少しだけですよ」

ドラゴン「ククク……。我がご主人様だけあって、理解力があるな。フハハハ」バサッバサッ!!!!

召喚士「貴方も体を動かしたくなるんですか」

ドラゴン「当たりまえだろう。いつもいつも体を丸めていては、翼や牙や爪が錆びつくというもの。いい加減、国の一つぐらいは陥落させてもよいのではなかろうか」

召喚士「人間を襲うのだけはダメです」

ドラゴン「承知した。人間を襲うことなくこの世を征服すればいいのだな」

召喚士「違います」

ドラゴン「ご主人様は意地悪だな! とっても意地悪だ!!」

召喚士「俺を魔王にするのは諦めてください」

ドラゴン「拒否する」

召喚士「そんなに魔王に仕えたいんですか?」

ドラゴン「ちょっと違うな」

召喚士「どういうことですか」

ドラゴン「何故、理解してくれぬのか!! もうここで出会ってから七日は過ぎたであろうに!! ご主人様は私のことをまるで理解していないではないか!!」

召喚士「すみません……」

ドラゴン「私はご主人様にドラゴンのすばらしさを知ってほしいのだ。すばらしさを知ってもらうには私が力を振るうしかない。力を振るえば、ご主人様は確実に魔王になれる」

ドラゴン「つまり!! ご主人様が魔王にならない限り!! 私の魅力は伝わらないということだ!!! というわけで、ご主人様。魔王になってくれ。私の凄さ、知りたいであろう?」

召喚士「もう十分、ドラゴンの凄さは見せてもらいました。吐く炎の威力とか、爪の鋭さとか、牙の白さとか」

ドラゴン「それだけではないのだ!! もっと、とっても私はすごい!! それを知ってほしいといっている!! 大体、牙の白さは関係ないではないか!!」

召喚士「本当に綺麗な牙をしていますよ」

ドラゴン「……褒めてくれて、感謝する。でも!! 私が伝えたい凄さはそこではない!! ないんだ!!」

召喚士「駄々をこねないでください」

ドラゴン「こねとらん!! 正当な主張だ!! ガオー!!!」

召喚士「参ったな……」

ドラゴン「それと小兵との生活はもう見送ったのなら、私と生活することもそろそろ視野にいれてはどうだ。従者がこんな山奥にいては不便でだろうに」

召喚士「長年の夢ですから、簡単には諦められませんよ」

ドラゴン「召喚の術式を一から練り直しているのか」

召喚士「ええ。貴方を呼び出した術式が使えないので、同じぐらいの年月はかかってしまいそうですが」

ドラゴン「最悪、私は強制送還か?」

召喚士「わかりません。そのときにどうなっているかなんて、想像もできませんし」

ドラゴン「数年間も体を丸めていたら、最強生物である私も流石にむせび泣くかもしれん。それでもご主人様はなんとも思わない、鬼神のような精神力を持っているのか?」

召喚士「不安そうな声で言わないでください。そんなつもりはありませんから」

こんなにナデナデしたくなるドラゴンは初めてだ

ドラゴン「全く。そのような言葉、信頼に値せんな」ブンッブンッ!!!

召喚士「だから、尾を振るのはやめてください」

ドラゴン「私は信じているからな。いつの日か、ご主人様が世界を手に入れるのを」

召喚士「信じられても……」

ドラゴン「さてと、食べるか。はふっ!! はふっはふっ!!」

召喚士「けれど、今後のことを考えなくてはいけないのは確かですね」

ドラゴン「ふぉふふぃんふぁふぁ!! ふふぃふぃふぁんふぁふぇふぉふぁふぁふふぉふぁ!!」

召喚士「……」

ドラゴン「ふぉ!?」

召喚士「なんと言ったかはわかりませんが、考えるのは貴方とこのまま共存する方法です」

ドラゴン「どういうことだ」

召喚士「この山奥で隠れていれば、貴方は我慢の限界がくる。そして、私も隠すことに限界がくる」

ドラゴン「人間共がドラゴンである私を求め、大挙してくるからか」

召喚士「ええ。その通りです」

ドラゴン「ククク……。口では色々いいながらも、やはり私が他の人間に取られるのは嫌なのか、ご主人様。ふふん。素直ではないな。安心しろ、我は他の人間には従わぬ」ブンッブンッ!!!!

召喚士「ともかく、これからは会う時間をできるだけ長くします」

ドラゴン「なに? まことか!?」ブンッブンッ!!!

召喚士「そして身の振り方を話し合いましょう」

ドラゴン「そうだな。まずは孤島に向かおうではないか。そこでご主人様の世界征服の第一歩が刻まれる」

召喚士「孤島か……。それもいいかもしれない」

ドラゴン「おぉ。初めて共感してくれたな、ご主人様」

召喚士「孤島になると問題はどうしても資金面……。自給自足をするにしても孤島では難しいか……?」

ドラゴン「それはそうと、会う時間を延ばすという話だが、陽が昇り始めてから、夜が明けるまで私の傍にいるという解釈でいいか?」

召喚士「そんなに長くは無理です」

ドラゴン「がおー……」

召喚士「貴方の食事を見届けてもすぐには帰らない程度です」

ドラゴン「ククク。さてはご主人様。ドラゴンの寝顔を観察しようと考えているのか。甘い、とっても甘い。私の油断している顔など、絶対にお見せできないのだ!!」

召喚士「そういうことは少しも考えていませんでしたけど、それはどうしてですか?」

ドラゴン「恥ずかしいからだ」

召喚士「……気を付けます」

油断しきったかわゆい寝顔を見てニヤニヤしたい

やべぇ
これほどまでに萌えを感じたのは初めてだ

新ジャンルクーデレ思い出した

ここで女魔術師とか、とう絡んでくるのかな

寝てる描写あったよな

もしかして

気付いてない

召喚士「それではそろそろ帰ります」

ドラゴン「そうか。ゆっくり休むがよい」

召喚士「はい」

ドラゴン「良い夢を」

召喚士(これからのことか……。やはり、相談ぐらいはしたほうがいいのかもしれない)

召喚士「あの――」

ドラゴン「がおー……がおー……ごごご……」

召喚士「相変わらず、寝るのが早いな」

ドラゴン「んごごご……」

召喚士「また明日にしよう」

召喚士(俺、一人では解決は難しそうだし……)

召喚士「今日は早めに寝よう。おやすみなさい」

ドラゴン「ごごごご……」

召喚士「凄いイビキだなぁ」

ドラゴン「ごごごご……ごしゅじんさまぁ……」

―深夜 山奥―

魔術師「はぁ……はぁ……」

魔術師「あの野郎……どこにいったんだい……」

魔術師「あー!! もー!!! 暗いし!! 肉重いし!! やってられるかぁ!!!」

ゴゴゴゴ……

魔術師「な、なんだ、この音……」

ゴゴゴゴゴ……

魔術師「地鳴り……でもないね……」

ゴゴゴゴ……ゴゴゴ……

魔術師「まるで何かの寝息……。でも、こんなに鳴り響くか……」

ガオー!!!!

魔術師「ひっ」ビクッ

魔術師「化け物でも、いるっていうのかい。ざけんじゃないよ」

魔術師「今日はここまで!! 帰る!!」ダダダッ

魔術師(仕切り直しだ!! 今度は肉を買ったりはしない!!)

―翌日 城内―

召喚士(時間だ。行こう)

魔術師「――今日も早退かい?」

召喚士「あ、師匠……。お疲れ様です。早退ではないですよ。定時終了です」

魔術師「他の連中はみんな、魔術の研究を続けてるみたいだけどねぇ」

召喚士「……」

魔術師「城に仕えて1年にも満たない新人さんが、先輩よりも先に帰っちゃうわけだ」

召喚士「定刻以降は自由にしてもいいとなっているはずですけど」

魔術師「生意気なことをいうのは10年早い。お前さん、昔はもっと熱心だったじゃないか。夜遅くまで机にかじりついてて、あのときは可愛かったよ」

召喚士「それは……」

魔術師「ここ一か月ぐらい、どこでなにしてる?」

召喚士「師匠には、関係のないことです」

魔術師「ほう? 能無しのお前をここまで育ててやったのは誰か、わかってないのかい? おもしろいねぇ」

召喚士「用事があるので失礼します」

魔術師「ふんっ。可愛げがなくなったね。ホント」

―山奥―

召喚士「貴方をことを師匠には告げてもいいかどうか、迷っているんです」

ドラゴン「ご主人様の師とな? 高名な召喚士なのであろうな。興味があるぞ。連れてくるがよい。私も挨拶しておこう」

召喚士「今日、話すチャンスはあったんですけど、なんだか、言えなくて」

ドラゴン「分かるぞ。話して事態が好転するとは限らぬからな」

召喚士「ええ。あの人は俺を育ててくれた恩人ですけど、その前に城の術士。陛下に事を告げる可能性もあります」

ドラゴン「不安になることはない。もし、それで人間共が我々を敵視し、襲い掛かってきたとしても問題はない」

召喚士「え?」

ドラゴン「我はドラゴン!! 無敵なり!!! ガオー!!!」

召喚士「戦うなんてもっての他です」

ドラゴン「そう言うと思っていたぞ。では、私の背に乗ればいい。それで都合のいい孤島まで逃げるのだ。フハハハハ。完璧な作戦であろう。褒めてもいいぞ」

召喚士「そんなに単純なことでもないんですが……」

ドラゴン「ともかく、ご主人様の師を連れてきてくれ。我がご主人様の師となれば、私にとっても師同然である」

召喚士「そうなのですか」

ドラゴン「うむ」

召喚士「それなら――」

魔術師「ぎゃー!!!」

召喚士「え?」

ドラゴン「曲者か!!」

魔術師「あ……あぁ……」

召喚士「師匠!? どうしてここに!?」

ドラゴン「なに!? あの者が!?」

魔術師「ど、どら……どらご……」

ドラゴン「ガオー!!!」ドスドスドス!!!!

魔術師「きゃぁぁぁ!!! きたー!!!」

ドラゴン「ご主人様の師とはお前のことか。我はドラゴン。いつもご主人様には世話になっている。以後、お見知りおきを」

魔術師「うぅ……」バタッ

召喚士「師匠!? どうしたのですか!! 師匠!! しっかりしてください!!」

ドラゴン「むぅ。これはいかん。私が放つ禍々しい瘴気に中てられてしまったのかもしれぬ。ご主人様、早急に治癒術を施すことをお勧めする」

魔術師「うぅぅ……どらごん……どらごんが……」

漂う残念美人臭

魔術師「う……ぅ……」

魔術師(あたしは……)

召喚士「貴方からそうした瘴気を感じたことはありませんでしたよ?」

魔術師(あ……あの野郎……やっと見つけた……。説教、してやらないとね……)

ドラゴン「過ぎた冗談はやめろ、ご主人様。我は天空よりの使者、ドラゴン。魔の世界ではトップクラスに強いのだ。そんな私が瘴気を放っていないなど、ありえん」

召喚士「えー……」

魔術師「ぎゃぁ!?」

召喚士「師匠!!」

魔術師「あ……あ……」

ドラゴン「おぉ。目が覚めたか。心配していたのだぞ」

魔術師「あ……あう……ああ……」

召喚士「師匠、落ち着いてください」

魔術師「こ、こ、これは……ど、どういう、ことなんだい……」

召喚士「それは……」

ドラゴン「我はドラゴン。ご主人様の声により、この世界に呼ばれたのだ。フハハハ。どうだ、ドラゴンを直に見た感想は?」

魔術師「それ以上ちかよると!! 魔術をぶっぱなすよ!!」

召喚士「師匠、やめてください」

魔術師「あ、あたしだってねえ、稀代の魔女と呼ばれた女さ。ど、ど、どらごんぐらい、いっぱつで……」

ドラゴン「やめろ。そんなことをすればどうなると思う?」

魔術師「な、なにが、だい……」

ドラゴン「私が怪我をしてしまうであろう。やめてくれ」

魔術師「え……?」

ドラゴン「いくら最凶の種族といえど、ご主人様の師が放つ魔術には耐えられんかもしれん。少なくとも無傷では済まんだろう。私とて怪我は極力したくないのだ」

魔術師「……」

召喚士「貴方、痛いのが怖いんですか」

ドラゴン「怖くないわい!! しかし、怪我をしたらとっても痛いだろう!!」

召喚士「ドラゴンという種族が分からなくなりそうです」

ドラゴン「とっても強いとだけ思っていればそれでよいぞ。難しく考えることはないのだ、ご主人様」

魔術師「もしかして、こいつを召喚したっていうのかい?」

召喚士「は、はい。召喚するつもりはなかったのですが……」

魔術師「バカ野郎!! どうしてそれをすぐに言わなかった!! えぇ!?」

召喚士「すみません……」

魔術師「お前は本当に要領が悪いね!!! そんなことだからいつまでたっても落ちこぼれっていわれちまうんだ!! わかってんの!?」

召喚士「すみません……」

魔術師「昔から――」

ドラゴン「ガオー!!!!」

魔術師「ひっ」ビクッ

ドラゴン「師よ。私に免じて、ご主人様を叱るのはやめてくれないか。あまり気分の良いものではないのでな」

魔術師「は、はい……ごめんなさい……」

召喚士「いや、俺が悪いんです。師匠の言う通り、すぐに相談しなかった自分が悪いんです」

ドラゴン「他言できなかったのには正当な理由が存在する。ご主人様に非はないはず」

魔術師「いやぁ……それは、どうかなぁ……」

ドラゴン「がおーん?」

魔術師「いえ、なんでもありません」ビクッ

召喚士「やめてください。師匠が正しいんです。だから、そんなに師匠を睨まないでください」

ドラゴン「がおーん?」

やめて萌え死ぬ

ドラゴン「別に睨んだわけではないが、ご主人様がそういうのなら、そうしよう」

召喚士「ありがとうござます」

魔術師「ちょ、ちょっと、この伝説級の魔物を召喚して、尚且つ、手なずけてんのかい……?」

召喚士「え、ええ……。手なずけてるわけじゃないですけど……」

ドラゴン「ん? 今、なんといった?」

魔術師「ひっ」ビクッ

ドラゴン「師よ。私のことを何級の魔物と言った?」

魔術師「で、伝説級……」

ドラゴン「フハハハハ。そう!!! 我は伝説級の魔族なり!!!」ブンッブンッ!!!!

魔術師「きゃあ!?」

召喚士「危ないから尾を振る癖は直してください!!」

ドラゴン「失敬。まぁ、挨拶みたいなものだ。許してくれ」

魔術師「び、びっくりしたぁ……」

召喚士「あの、師匠……えっと……このことは……」

魔術師「誰にも言うなっていいたいんだろ? ふざけるのも大概にしな。これがどういうことなのか、バカで鈍間なお前でもわかるだろう?」

このドラゴン既にデレデレだな
可愛いすぎる

召喚士「はい。だから、今まで誰にも話すことはできなかったんです」

魔術師「事が大きくなる前にさっさと送還しちまいな」

召喚士「それは……」

ドラゴン「がおー……」

召喚士「……ドラゴンが帰りたくないと言っている以上、召喚士として送還できません。ドラゴンの意思を尊重したいんです」

ドラゴン「当然だな」ブンッブンッブンッ!!!!

魔術師「バカ野郎!! あんたの意志で召喚してないにしろ、呼び出したのはあんたなんだろ!! どういう結果になるかなんて目に見えてるだろう!!」

召喚士「分かったいます。だから、俺は……」

魔術師「このままドラゴンとこの地を離れる、なんてのは絶対に許さないからね」グイッ

召喚士「うっ……」

魔術師「いいか? お前は――」

ドラゴン「ガオー!!! 師よ!!! 私のご主人様に狼藉は控えていただこうか!!!」

魔術師「ひぐっ」

召喚士「待ってください。師匠が怒るのも無理はないんです。貴方を召喚してしまったことが、そもそも……」

ドラゴン「よいではないか、ご主人様。好きに言わせておけばいい、好きにさせておけばいい。どうせ、人間ごときでは我を倒せはせんのだ」

>>95
召喚士「分かったいます。だから、俺は……」→召喚士「分かっています。だから、俺は……」

召喚士「ダメです。ダメなんですよ」

ドラゴン「あくまでも戦になった場合の話をしているだけだぞ」

魔術師「あ、あのぉ……いいですかぁ……?」

ドラゴン「なんだ、師よ。畏まることはない」

魔術師「ごめんなさい。あのですね、多分、貴方の存在が公になれば、戦争になるとか以前に、召喚した者は捕えられて、死刑に……」

ドラゴン「ご主人様になんの罪があるというのだ!! えぇ!?」

魔術師「ひっ……。あ、の、法律で……」

ドラゴン「ほうりつぅ!? そんなものは知らん!! 人間の法になど縛られる私ではない!!! ガオー!!!」

召喚士「それだけではありません」

ドラゴン「それだけではない?」

召喚士「大勢の兵士が投入され、貴方を捕えようとするでしょう。そして戦争の道具にされてしまう」

ドラゴン「ふんっ。矮小な人間が束になったとて、私を捕まえることなど不可能だと何度も言っている」

魔術師「い、いえ、その、近年では、魔術の研究もすすんでいて、ですね……貴方も、あぶないかなぁ……なんて……」

ドラゴン「なに?」

召喚士「実は、俺が貴方を召喚できたのも、魔術の技術が上がっているからとも言えるんです」

脅かされるドラゴンなんて見たくないな
ファンタジー界のドラゴン類は常に最強でいてほしい

魔術師「ここ百年ぐらいで、人間の扱う魔術は格段に技術が上がっていて、それこそ神話の奇跡すらも可能になるんじゃないかと言われているぐらいにね」

ドラゴン「ほう。ふふん。だから、なんだというのか。私は天空を駆けるドラゴン。人の手は届かぬところにいる」

召喚士「でも、事故とはいえ現にこうして俺が貴方を召喚できたことは、奇跡に近いです」

ドラゴン「謙遜するな。ドラゴンを使役できる者は確かに希少だが、居なかったわけではない。竜騎士とて存在していただろうに」

召喚士「はい。竜騎士伝説は俺が好きな話です。子どものとき、何度も読みました」

魔術師「それでおかしな影響もうけちまったけどねぇ」

召喚士「やめてください」

ドラゴン「ご主人様はその竜騎士に並ぶほどの力があった。それだけの話だ」

召喚士「術式を組み立てる理論も昔とは比べ物になりません。現代では少し勉強すれば皆が魔術を使えます」

ドラゴン「ぬぅ……」

魔術師「まぁ、召喚術なんてメンドー極まりない魔術を研究し続けたのは、このボンクラぐらいだろうけどね」

ドラゴン「今のはご主人様の悪口か?」

魔術師「ちがいます」

ドラゴン「うむ。魔術を扱えるものが数多に存在するとなると話が変わってくるな。とっても変わる」

召喚士「だからこそ、今では魔術に関する法が作られています。行き過ぎた魔術を独自に開発、使役するのは罪になります」

魔術師「召喚術も例外じゃない。国に内緒でドラゴンなんていう凶悪な究極の魔族を呼べば、大罪だよ」

ドラゴン「なるほどな。ようやく、見えてきたな。ご主人様の成すべきことが」

召喚士「え?」

ドラゴン「凶悪な究極の魔族である私と共に、この狂った現代社会を瓦解させてやるのだ!! フハハハハ!!」

召喚士「……」

ドラゴン「嘘なのだ。気を悪くしないでくれ。ご主人様がそういうことが嫌いなのは分かっている」

召喚士「暴れたくて仕方ないのは分かるんですけどね」

ドラゴン「わかってくれるか!」ブンッブンッ!!!

召喚士「それで貴方が戦争に使われるのは、嫌です」

ドラゴン「私もご主人様以外の人間に命令されるのは嫌なのだ」

魔術師「それなら安心、といいたいけど、ドラゴンなんて今のところ召喚できた例が竜騎士伝説以外にないからねぇ。強制的に従わせる魔術を使うかもしれないですよ」

ドラゴン「無駄なことだな。人間の魔術で我が傀儡になるわけがないだろうに」

召喚士「そう思いたいんですけど」

ドラゴン「我は凶悪種族、ドラゴンなり!! 簡単に籠絡などされん!!! 強靭な精神力も有しているのだ!!! ガオー!!!!」

魔術師「ひっ」ビクッ

あれだ、映画のドラゴンハート思い出す

ドラゴンの安定した可愛さ
しかし思った以上に重罪だった…

乙!

竜好きの集まるスレはここですか?
可愛い。とっても可愛い

可愛いケモノ娘は召喚されなかったが可愛いケモノは召喚されたな

ドラゴンも可愛いがドラゴンに対してヘタれる師匠も可愛い

召喚士「師匠、お願いします。もう少しだけ時間をくれませんか」

魔術師「あんた、自分でケツをふけるんだろうね?」

召喚士「……」

魔術師「あたしは一切手助けはしないし、万が一、あたしにまで何かしらの害が出るようなら即座に陛下へは報告する」

召喚士「はい。師匠には迷惑をかけないようにします」

魔術師「ふん。とんだ問題児を弟子にもっちまったね」

召喚士「すみません」

魔術師「いいかい。逃げるんじゃないよ。そんなことは絶対に許さないからね」

召喚士「分かりました」

魔術師「それじゃ、あたしは帰るよ。あんたらに付き合ってたら、あたしまで犯罪者にされちまうからね」

召喚士「ありがとうございました」

ドラゴン「師よ。また来るがよい」

魔術師「じゃあね。バカ弟子」

ドラゴン「バカ……だと……?」

魔術師「いえ!! そんなこといってません!!!」

魔術師「さようならー!!」タタタッ

ドラゴン「忙しない奴だな。まぁ、ご主人様の師ともなれば多忙なのだろうが」

召喚士「……」

ドラゴン「しかし、手助けはしないと言われてしまったな。師に相談しても意味はなかったか」

召喚士「そんなことはありません。気持ちが楽になりましたから」

ドラゴン「気に病むことなどないぞ、ご主人様。ご主人様には私がついているではないか」

召喚士「頼りにしてもいいですか?」

ドラゴン「何を言うか。我は従者。頼られないと寂しいだけなのだ」

召喚士「そうします」

ドラゴン「うむ。どんどん頼ってくれ」

召喚士「逃げるな、か。どうすれば貴方を帰還させることなく、生活できるんでしょうか」

ドラゴン「私の圧倒的な力とご主人様のカリスマで全人類を屈服させることが最も簡単なことではあるが、その手は使えぬからな」

召喚士「俺にカリスマなんてないですよ」

ドラゴン「このドラゴンを召喚した男というだけで、カリスマ性は神にも等しいぞ」

召喚士「師匠も言っていたでしょう。俺は落ちこぼれなんです……。城に術士として居られるのも、師匠の計らいみたいなものですから」

ドラゴン「どういうことだ」

召喚士「昔から召喚術の研究ばかりしてきた所為もあって、他の魔術はてんでダメなんですよ。いつも師匠には怒られてばかりでした」

ドラゴン「……」

召喚士「元々頭はよくないし、一つの術式を理解するのにも時間がかかる。俺には術士としての才能はありません」

召喚士「ただ、召喚術だけは使いたかった。その一心で今日までやってきただけなんです」

ドラゴン「……」

召喚士「城で働けるのも、師匠の弟子だからという理由だけです。他の術士にだって快くは思われていません」

召喚士「貴方が思っているような、凄い召喚士ではないんです。ただ、現代の術式が発展し、理解しやすくなっただけで――」

ドラゴン「わからぬ。とってもわからぬ」

召喚士「え……?」

ドラゴン「ご主人様が自身を卑下する理由が、私には全然、わからぬ。なにゆえ、そこまで悪くいえるのか」

召喚士「だって、本当のことで……」

ドラゴン「我はすごい生物!! 何故ならドラゴンだからだ!!!」

召喚士「それはもう何度も聞いています」

ドラゴン「なれば、そんなすごいドラゴンを呼び出せたご主人様もすごい!! とってもすごい!! 違うか? 否!! 違わぬ!!!」

召喚士「えっと……」

ドラゴン「ククク……。そこに気づけぬとは、浅はかなり、ご主人様」

召喚士「ですから、凄いのは俺ではなくて、現代の魔術が……」

ドラゴン「簡単に私を呼び出せるほど発展しているのなら、この世はドラゴン・パニックだ。しかし、いくら空を見ようとドラゴンなど飛んでおらん」

召喚士「ま、まぁ……」

ドラゴン「この世界に呼び出されたドラゴンは私のみ。そしてそれができたのは、ご主人様のみ。とんでもなく凄いではないか」

召喚士「……」

ドラゴン「時代が時代ならば、ご主人様は私を召喚してから三日後には魔王となっている。我が魔王にしている。それぐらい凄いことなのだ」

召喚士「ふふふ……」

ドラゴン「わははは。どうだ、ご主人様。自分自身の恐ろしさに身の毛もよだつというものだろう」

召喚士「確かに、そうかもしれませんね」

ドラゴン「うむ。案ずるな。ドラゴンが言っているのだから、間違いはない」

召喚士「……ありがとうございます。すこしだけ、自信が持てそうな気がします」

ドラゴン「ほう? では、魔王になるか?」ブンッブンッ!!!

召喚士「なりません」

ドラゴン「がおー……」

召喚士「けれど、心に誓いました」

ドラゴン「何をだ?」

召喚士「俺は、召喚士としての責任を果たすのではなく、貴方を家族の一人として守ります」

ドラゴン「家族……。違うのだ。私は従者だ。家族というのは対等な立場にいるものに使う。使い方を違えているぞ」

召喚士「いいえ。俺はそう決めました。それに主従関係は召喚時の制約というだけですから」

ドラゴン「ご主人様、そこはきっちりしておいたほうが良い。曖昧にすると、召喚士が召喚獣に舐められてしまうぞ」

召喚士「貴方は俺を舐めるのですか」

ドラゴン「失敬な。我はドラゴンなるぞ。そのような無礼を働くとでも思っているのか。悲しい。とっても悲しい」

召喚士「思っていません。貴方は素晴らしい種族であるし、従者です」

ドラゴン「おのれ!! 当たり前のことを真顔でいうでないっ!!」ブンッブンッ!!!

召喚士「主従関係である前に家族でいたい。そう思うのは、ダメですか」

ドラゴン「ご主人様がそれを望むなら、一向にかまわんが」ブンッブンッブンッ!!!!

召喚士「改めてよろしくお願いします」

ドラゴン「この私を家族の一員にしてしまう度量。やはり私のご主人様は一味違うな。フハハハハ」

召喚士「もう夜も更けてきたか。そろそろ帰ります」

ドラゴン「夜道は危険だ。今日は私の傍で寝るがいい」

召喚士「流石に朝に帰ってしまうと、色々と疑われますから」

ドラゴン「ならば、私が寝る姿を見てから帰るがよい」

召喚士「寝顔は見せないんじゃなかったんですか」

ドラゴン「その通りだ。故にご主人様は、我より先に寝てしまう!! するとどうだ!! 目が覚めるころには朝だ!!」

召喚士「……」

ドラゴン「我ながら恐ろしい計略なのだ。ククク……」

召喚士「また明日」

ドラゴン「うむ。我はご主人様の家族となった最強のドラゴン。家族を困らせることはドラゴンとしての恥。無理を言って困らせたりはしないのだ。よい夢を」

召喚士(思わず家族だ、なんて言ってしまったけど、嫌がってる感じはないし、よかった……)

召喚士「では、おやすみな――」

ドラゴン「ぐおー……ぐおー……ごごごご……」

召喚士「……おやすみなさい」

ドラゴン「ごごご……んご……がおー……」

―数日後 城下町―

店主「いつもありがとうございます」

召喚士「いえ。こちらこそ」

店主「いい加減、お店のほう紹介してくださいよ」

召喚士「す、すみません。また、来ます」

店主「あ、お客さんっ」

店主「いつになったら教えてくれんだろうねぇ……」

魔術師「おい」

店主「あぁ、いつぞやの。いらっしゃい。美人には特別安くしておきますぜ」

魔術師「60」

店主「はい?」

魔術師「肉を100キロ、用意しな」

店主「そ、そんなにですかい!?」

魔術師「客の注文がきけないのかい? あぁ?」

店主「いえいえ。すぐに用意させていただきます。でへへ」

>>113
魔術師「60」→魔術師「100」

―山奥―

ドラゴン「では、ご主人様が新たな魔術を開発し、ご主人様がドラゴンに変身できるようにするというのはどうだ?」

召喚士「はい?」

ドラゴン「さすれば私のことも人間たちは「魔術で変身しているだけかぁ」と思うだろう」

召喚士「普通、逆を目指しませんか? 貴方が人間になる魔術とか」

ドラゴン「ならぬ!! ドラゴンである私が人間になるなど!!! 私はドラゴンでいたぁい!!」

召喚士「はぁ……。どうしたらいいんだ……」

魔術師「ふぅーん!!」

召喚士「え?」

ドラゴン「おぉ。師でないか」

召喚士「師匠、どうしたんですか?」

魔術師「まだ麓に90キロほど残ってる。持ってきな」

召喚士「は?」

魔術師「あたしが持って来いっていってんだ!! さっさと持って来い!!!」

召喚士「は、はい!! すぐに!!!」

魔術師「気の利かない奴だよ」

ドラゴン「あのような理不尽な物言い。師でなければ焼き殺しているところだ」

魔術師「ひっ……ごめんなさい……」

ドラゴン「怯えることはない。師は特別だ。ゆっくりしていけ」

魔術師「は、はい……で、では、お言葉に甘えて……。あと、これを……残りはあたしの弟子がもってきますので……」

ドラゴン「師まで肉の差し入れとはな。気を遣うことはないぞ。我はご主人様の従者。お前はご主人様の師。つまりは私がこの中では最も下層の身分となる」

魔術師「いえいえ、めっそうもございません。ドラゴンの一族は神話の中では飛べば嵐が起き、口をあければ天変地異が起こると言われているのですから、私こそが下層の身分です。はい」

ドラゴン「流石にそこまでのことはできんぞ」

魔術師「でも、伝承にはそうなっています。竜騎士伝説ですけど」

ドラゴン「大昔のドラゴンは随分と口が大きかったようだな」

魔術師「同じ種族なのでは……?」

ドラゴン「偏にドラゴンと言っても様々な個体が存在するのだ。私は少し過剰に言うことはあっても嘘を伝承させることはない!!」

魔術師「は、はい、そうですね」ビクッ

ドラゴン「我、ドラゴン。嘘、つかない」

魔術師「と、と、ところで、そのぉ、最近、弟子の様子とかって、ど、どうですか?」

ちょっとズレてるけど優しいドラゴンだな

召喚士は自覚ないだけで実際ドラゴンを従える器量はありそうな

しょんぼりがおーが可愛くてツボるわ

がおーっ!

脳内で勝手に擬人化してたけど、なんか違和感を感じてきたぞ……?

擬人化とかもったいないことするなよ
こんなかわいいドラゴンめったに出会えないぞ

ドラゴン「様子? 何故、そのようなことを訊く? 日ごろ、師弟で話さないのか」

魔術師「そうなんですよ。あいつがいるところに顔を出しても、挨拶だけでしてあとは知らん顔。無礼な弟子だと思いませんか?」

ドラゴン「……嫌われているのではないか?」

魔術師「それはない、はずです。なんて言っても、あいつに魔術のイロハを教えたのは、このあたしなんですから」

ドラゴン「師だから好かれているということもあるまい」

魔術師「ま、まぁ、厳しいことも言ってきましたけどね……でも、それは……愛のムチってやつで……」

ドラゴン「先ほどの理不尽な命令もご主人様のためを思ってのものか? 私はそう思わなかったが」

魔術師「貴方と話したかったんです。弟子本人に「元気か?」なんて、ちょっと、恥ずかしいし……」

ドラゴン「ふんっ。器の小さき者よな。師であるのなら、堂々としているがいい」

魔術師「あたしは魔女であり厳格な師匠でもある。弟子っていうのは甘やかせば際限なく調子に乗るもんなんですよ」

ドラゴン「ご主人様はそこまで愚かではないだろうに」

魔術師「あたしは弟子に優しくしない。厳しくいかないと、立派な術士にはなることができないと考えていますから」

ドラゴン「ご主人様だけでなく、弟子には皆厳しく指導していたということか」

魔術師「そうです」

ドラゴン「つまり、優しく接することができない、優しい指導方法がわからない、ということか?」

魔術師「ぐっ……!」

ドラゴン「師よ。私にはよくわからぬが、その指導方針は良し悪しではないのか」

魔術師「そりゃあ……あたしの所為で潰れたやつも、いましたけど……」

ドラゴン「なれば、それは正しいとは言えんな。即刻、その方針を変えることを勧める」

魔術師「あたしにはこのやり方しかなかったですっ。あたしの師匠も優しく教えてくれたことなんてこれっぽっちもなかったし」

ドラゴン「その姿勢を引き継いだか。それで後悔したことはなかったか」

魔術師「……」

ドラゴン「あるのなら、やめておけ。高名な魔術師が若い芽を摘み取ってしまうのはこの世において、損害しかない」

魔術師「どうして貴方がそのような心配をされるのですか」

ドラゴン「わからぬか? フハハハ。我がご主人様のような術士が数多く育てば、将来魔王となるご主人様にとっては有益なことだ」

魔術師「あたしに魔王の兵士を育てさせるつもりなのですか!?」

ドラゴン「優秀な師には、有能な弟子がつく。これは真理だ」

魔術師「そこまで褒められると、悪い気はしませんけど」

ドラゴン「働きようによっては、魔王の妻になれるかもしれんぞ?」

魔術師「妻って!! ありえませんから!! 一回りも年下の子どもの妻とか!! ないない!! 悪い冗談はやめてくださいよ!!」

ドラゴン「ククク……。魔王の妻は稀代の魔女。最高だな。世界征服は着実に進んでいる」

魔術師「いやー!! 考えたくもない!!」

ドラゴン「あとはご主人様に魔王としての自覚が芽生えてくれたら、完璧なのだがな」

魔術師「……あいつはそういうことに興味はないですよ」

ドラゴン「分かっている。戦を極端に嫌っているからな。才能は十分なのに、なんとも惜しいことだ」

魔術師「家族を戦争で失っていますから、いくら説得をしようとしても無駄でしょうね」

ドラゴン「なに……? ご主人様には母上と父上がいないのか。これは参った。いつか挨拶をしようと思っていたのだが」

魔術師「もう12年前になりますね。国境線上にあった村で普通に生活をしていた者たちが、あいつを除いて皆戦火に焼かれた」

ドラゴン「よくある話だ。我らの世界でも国盗りの戦は絶えんのだ」

魔術師「だから、戦争を毛嫌いしています。貴方の威を借りて戦うなんて選択肢ははなからないでしょうね」

ドラゴン「そういう理由があったか」

魔術師「それにあいつが召喚術にこだわったのだって――」

召喚士「師匠ー!! もってきましたぁー!!」

魔術師「おそい!! なにやってんだい!! このウスノロ!! まちくたびれちまったよ!!」

ドラゴン「……」

召喚士「いや、流石にこの重さのものを麓からここまで運ぶのはそれなりに時間が……」

魔術師「はぁ? このあたしに口答えとは、随分と偉くなったじゃないか、えぇ?」

召喚士「すみません」

魔術師「大体、この程度の荷物でヒーヒーいってんじゃないよ。あんたの股間にあるのは飾りかなにかかい?」

召喚士「うぅ……」

魔術師「そうやってすぐに弱音を吐くのは、あんたの悪い癖だっていつもいってんだろ」

ドラゴン「やめろ」

魔術師「はい」

ドラゴン「ご主人様、ご苦労だったな。これほどの量を一度に運ぶのは辛かったであろう」

召喚士「いえ……」

ドラゴン「ゆっくりと休むがよい」

召喚士「そうします」

ドラゴン「師よ。これが労いというものだ。実践してみてはどうだ?」

魔術師「うっ……」

ドラゴン「師の教えは否定せんが、私の気分がよろしくない。いい機会だと思って、改めてみてはどうだ?」

>>ドラゴン「やめろ」
>>魔術師「はい」

この流れに耐え切れず噴出したわwwwwww

このじゃんけんみたいな関係性よ

言いえて妙だなw

魔術師「そうはいいますけど、これだって一応修行の一環なんです!」

ドラゴン「過重な荷を持たせることが術士にとってどのような効果があるというのだ?」

魔術師「現代の術士は、頭と魔術だけじゃやっていけないんです。体力も腕力も必要なんです。あいつはここ最近、そういうトレーニングをしてなかったんで、ここでやらせようかなと」

ドラゴン「ほう。近代の術士はやることが多いのだな」

魔術師「ええ。本当に。教えるほうも一苦労ですよ」

ドラゴン「フハハハハ」

魔術師「あははは」

ドラゴン「何故、その説明をご主人様にせんのだ!!!! ガオー!!!!」

魔術師「ひぐっ」ビクッ

ドラゴン「なぜなのだ?」

魔術師「それは……あの……理不尽なことでも……修行になっている……っていうのは……本人が気が付くほうが……いいかなぁ……なんて……おもいまして……」

ドラゴン「わからぬ!!! ぜんっぜん、わからぬ!!! 何故、そこを隠す!? 理解ができぬぞ!!! 師よ!!!」

魔術師「すみません!!! 悔い改めます!!!」


召喚士(仲いいな……。いつの間に仲良くなったんだろう)

召喚士「ん……? あれは……?」

召喚士「これは……?」

魔術師「あ、あのぉ……足ぐらいなら、もんでやってもいいけどぉ……」モジモジ

召喚士「……」

魔術師「ちょっと、きいてんのかい? 何を見て――」

召喚士「師匠……これはなんだと思いますか……?」

魔術師「大木がいくつもへし折れてるね。何が通ったら、こうなるんだ?」

召喚士「あの」

ドラゴン「どうした、ご主人様っ」ブンッブンッ!!!

召喚士「この折れた木々は一体なんですか?」

ドラゴン「……」

魔術師「何か知っているんですか?」

ドラゴン「我はドラゴンなり。神秘を体現する者。人間には理解できないこともある」

召喚士「言えないってことですか?」

ドラゴン「そうだ。言えんのだ。すまん、ご主人様」

召喚士「この折れ方……。まさか、握りつぶしてなんていませんよね? 以前、神木が折れてしまったときとよく似ている気がするのですが」

ドラゴン「……」プイッ

召喚士「顔を逸らさないでください。俺を目を見てくださいよ」

ドラゴン「嫌だ」

召喚士「大人しくしていてくださいって言いましたよね。貴方には窮屈で退屈な思いをさせていることは重々承知していますけど、我慢してください」

ドラゴン「ふんっ」

召喚士「じゃないと、貴方の存在が発覚してしまうんですよ」

ドラゴン「我はドラゴンなるぞ。がおー」

召喚士「俺は、怒っているんですよ」

ドラゴン「がおっ!?」ビクッ

召喚士「今後、こういうことはしないでください」

ドラゴン「むぅ……」

召喚士「分かったんですか?」

ドラゴン「承知した。我は誇り高き種族。ご主人様に怒られたら、やっぱり落ち込んでしまうのだ」

召喚士「全く」

魔術師「本当にとんでもない弟子をもっちまったね……」

かわいい
抱きつきたい

きゃわいいい

ちょっと召還術、習ってくる

このドラゴンがサザンドラで脳内再生される

ラオシャンロンを二足歩行にして翼生やしたような見た目で再生される
きっとお腹は少し出ている

>>136
デカすぎワロタ
隠蔽どころじゃないな

召喚士「でも、貴方の鬱憤を晴らす方法も考えないといけないですね」

ドラゴン「おぉ。その気遣い、痛み入る。ご主人様の器の大きさは私の体躯以上だな」

魔術師「暴れられると、困るからだろ」

ドラゴン「がおーん? 文句でもあるのか?」

魔術師「いえ、全く」

ドラゴン「だろうな」

召喚士「師匠、何かいい方法はないですか?」

魔術師「あたしに頼るんじゃないよ。いつまで脛をかじり続けるつもりだよ」

召喚士「す、すみません……」

魔術師「まずは自分で考えな。自分で考えて、考えて、どうしても答えがでなかったときに、初めてあたしを頼れ」

召喚士「はい……すみません……」

魔術師「いいかい。あたしはね、頼られることは嫌いじゃない。でも、アテにされるのはだいっきらいなんだよ」

召喚士「は、はぁ……」

魔術師「良い時間だし、あたしは戻るよ。ま、精々、そのドラゴン様の首輪を失くさないようにするんだね」

ドラゴン「首輪などつけとらんぞ。ドラゴンを飼い犬と同等に扱うなど失敬の極みだな」

召喚士「師匠の言う通りだ。まずは自分で探さないと」

ドラゴン「向上心の塊だな。私のご主人様なのだから、そうでなければ困るが」

召喚士「ちなみになんですが、貴方は何をしているときが楽しいですか」

ドラゴン「わかりきったことを訊いてくれるな。私が今、幸福を肌で感じるとすればそれは……」

召喚士「それは……?」

ドラゴン「ご主人様を背に乗せ、大空を駆け巡り、そして魔王として世にご主人様のすばらしさと恐ろしさを広め回ることだぁー!!!」

召喚士「……」

ドラゴン「フハハハハ!!! 想像しただけでも楽しいぞ!! とっても楽しいのだ!!」ブンッブンッ!!!

召喚士「また尾を振り回して……はぁ……」

ドラゴン「ご主人様も楽しくなってきただろう? さぁ、いつでも乗るがいい。我が背にな」

召喚士「……帰ります」

ドラゴン「まて!! 話は済んでおらんぞ!!」

召喚士「また明日」

ドラゴン「ガオー!! まってくれー!!! ごしゅじんさまー!! 世にご主人様のすばらしさと恐ろしさを広め回ることは取り下げよう!! 私の背に乗り空を飛ぶだけでいいのだー!!」

召喚士(城の書庫にドラゴンの生態に関する書物があるか探してみるか)

―翌日 城内 書庫―

召喚士「あの、すみません」

司書「はい。なにか?」

召喚士「ドラゴンに関する書物というのは、どこかにあるでしょうか」

司書「ドラゴン……? 何故、そのようなものを?」

召喚士「ええと、ドラゴンの力を借りる術式というのを開発したくて」

司書「……少々お待ちください」ペラッ

召喚士(嘘臭い理由だけど、いいんだろうか)

司書「ドラゴンを取り扱った書物は確かにありますが、殆ど創作になりますね」

召喚士「絵本や小説ですか」

司書「はい。あとは神話や絵本にもなるほど有名な竜騎士伝説を解説している専門書ぐらいです」

召喚士「それでもいいです。場所は?」

司書「案内いたしましょう」

召喚士「助かります」

司書「どうぞ、こちらです」

司書「この棚に並んでいる分で全てですね」

召喚士「何冊かは借りられているみたいですね。人気なんですか」

司書「いえ。この棚にある書物は滅多に借りられる人はいません。偶然でしょう」

召喚士「そうですか……。あ、この絵本……懐かしい……。城の書庫にもこの絵本はおいてあるんですね」ペラッ

司書「竜騎士伝説を簡略化してベストセラーになったものですから。置いてほしいという兵士と町民の声も多かったのです」

召喚士「俺も小さいときはよく読みましたよ」

司書「私もです。幼心をよく掴む展開と文体ですよね」

召喚士「このシーンが一番好きなんです。竜騎士がドラゴンを呼び出すところ」

司書「子ども向けの絵本としては言葉が乱暴且つ難解ですが、それもまた長年愛される要因なのでしょうね」

召喚士「絵本でこんな文章を書く勇気がすごいですよね」

司書「まぁ、魔王と呼ばれた竜騎士ですから、これぐらいのことは言っていたかもしれませんよね」

召喚士「そういえば、絵本ではドラゴンと仲良く暮らしましたで終わりますけど、実際は全く違う結末らしいですね」

司書「竜騎士伝説の顛末を知らないのですか?」

召喚士「いくつかの本は読みましたけど、どれも信憑性がないというか、全く違うことを書いてある本もありましたし」

司書「けれど、どの本でも竜騎士の最後は同じです。魔王となった竜騎士は、各国の勇者に殺されてしまう、と」

召喚士「ええ……」

司書「ドラゴンの力で世界を恐怖に陥れたのですから、当然の報いでしょうけど」

召喚士「報い、か」

司書「そういえば関連書籍でこういうのもありますが」

召喚士「それは……!?」

司書「よくわかる召喚術式読本。ドラゴンを召喚することはできませんが、ドラゴンに近しい種族を呼び出すことには成功しているみたいですね」

召喚士(読んだことがある本だ……)

司書「そうだ。獣人を呼び出してドラゴンのことを訊いてみるという手もありますけど」

召喚士「い、いえ、かなり複雑な術式みたいですし、いいです」

司書「そうですか? 見てください。こんなに可愛い獣人もいるのですね。召喚術、かなりの知識がなければ術式を組むことができないと聞きますけど、がんばってみようかな」

召喚士「半端な覚悟では無理だと思います。この術式を組むのに、何年かかるか……」

司書「ですね。高名な術士でも、数か月から数年はかかりそうです」

召喚士「召喚術が衰退した原因でもありますから。今は召喚獣に頼らなくても、火は出せるし、風も起こせる。こんなに複雑なものを描かなくてもいいんですから」

司書「獣人のためだけにここまで時間と労力を使えませんもんね」

召喚士「本当にそう思います。それで失敗でもしたら目も当てられません」

失敗した結果あんなにかわいいドラゴンが手に入るならいいじゃないか

司書「あとドラゴンが関係する伝説は失敗例を紹介しているだけですね。ドラゴンのことよりも自叙伝になっているものばかりですし」

召喚士「魔王に近づくためにドラゴンを召喚しようとした人たちのことですよね。いくつは読みました」

司書「嘘の伝説も混ざっていると言われるぐらい怪しいものばかりですよ」

召喚士「でもドラゴンを呼びだすことに成功したという人もいたはず。その人の本があれば……」

司書「うーん……。確実と言われる成功例は竜騎士伝説のみだったはずですが」

召喚士「この際、胡散臭くても構いません」

司書「少しお待ちください」ペラッ

召喚士(竜騎士伝説で描かれているのは殆ど竜騎士の行動や思想だったしな。ドラゴンの生態について詳細に書いてあるた本はまだ見たことがないけど……)

司書「すみません。どうやら全て貸し出されているようです」

召喚士「え?」

司書「ドラゴンの召喚に成功したと謳っている書籍は全て貸し出し中です」

召喚士「そんな……。はぁ……」

司書「一週間で返却されますが、予約しておきますか?」

召喚士「お願いします……」

司書「では、こちらに氏名を」

召喚士「これでいいですか」

司書「はい。承りました」

召喚士「運がないな……。人気の本というわけでもないのに」

司書「もしかして、あれが原因かもしれませんね」

召喚士「なんのことですか?」

司書「最近、東の山では怪奇現象が頻発しているという噂です」

召喚士「そ、それって……」

司書「ゴゴゴ、という地鳴りにも似た音が聞こえてきたリ、空に向かって立ち上る火柱が見えたり、大木がいくつもへし折られていたり、色々とあるようです」

召喚士「そうなんですか……」

司書「兵士の間ではドラゴンでも住んでいるのではないか、なんて噂も広がっているようですよ? そういう話、したことがないですか?」

召喚士「え、ええ……」

召喚士(仲のいい人がいない所為で噂話はいつも耳に入ってこないからな……。そんな話が流れていたなんて……)

司書「そういうことに興味をもった人が借りて行ったのでしょう。城の兵士かそれとも町民のかたなのかはわかりませんが」

召喚士「そ、それでは失礼します。一週間後にまた来ます」

司書「はい。お待ちしております」

―城内 中庭―

魔術師「こんなもんか」

兵士「これはメイガス。お疲れ様です。ここで読書とは、研究熱心ですね」

魔術師「まぁね。いくら魔女でも知らないことは多いからね。いつでもどこでも知識は溜め込んでおきたいのさ」

兵士「どのような書物をお読みで?」

魔術師「一兵士に理解できるものをあたしが読んでいるとでも思うのかい?」

兵士「滅相もない。ただの好奇心です」

魔術師「なら、自分で調べな。すぐに答えを聞けるなんて思っちゃいけないよ、坊や」

兵士「相変わらずですね。貴女に弟子入りした者の殆どが音を上げるというのは本当のようだ」

魔術師「最近のガキが弱いだけさね」

兵士「そうですね。では、ごゆっくり」

魔術師「お勤めごくろーさん」

魔術師「さぁて、バカ弟子の顔でも見に行こうかねぇ」

召喚士「急がないと……!!」

魔術師「ん? あいつ、あんなに慌ててどこに行くんだ……? って、あいつの行先なんて一つしかないか」

―山奥―

ドラゴン「がおー……」

召喚士「おーい!!」

ドラゴン「ご主人様っ!」ブンッブンッ!!!

召喚士「はぁ……はぁ……」

ドラゴン「どうかしたのか?」

召喚士「あ、貴方のことが城内で噂になっているみたいなんです」

ドラゴン「私のことは秘匿にしておくのではなかったのか?」

召喚士「それが……」

ドラゴン「フハハハハ。わかったぞ、ご主人様。この私を従者にしたことを自慢したくて我慢できなかったのだな」

召喚士「あ、いえ……」

ドラゴン「それは致し方あるまい。なんせ、我はドラゴンだ。ご主人様でなくとも他人に語りたくなるものだ。全く、ご主人様は私のことが相当好きなのだなっ」ブンッブンッ!!!

召喚士「違います!」

ドラゴン「え……そんな……私のことがきらいなのか……がおー……おぉぉ……従者として……私はどうしたら……きらわれてしまうなんて……がおぉぉ……」

召喚士「そ、そうじゃないんです!! 落ち着いてください!!」

まったく、ドラゴンは最高だぜ!(まったく、ドラゴンは最高だぜ!)

ドラゴン「――つまり、ご主人様の話を総合的に考えると、私の存在が噂として流れてしまったのは、アレの所為か」

召喚士「この辺りに人が近づいてきた気配とかは感じなかったのですか?」

ドラゴン「そうだな。起きているときは特に何も感じなかった」

召喚士「寝ているときは?」

ドラゴン「寝ているのだから気が付けるわけないのだ」

召喚士「えー……」

ドラゴン「さぁ、ご主人様。今日のご飯はどこにある?」ブンッブンッ!!!

召喚士「すみません。今日は用意できませんでした」

ドラゴン「そうか……。まぁ、一食抜いたところでドラゴンである私にはなんともないがな」

ドラゴン「我はドラゴン。食わなくても死なぬ」グゥ~

召喚士「すみません……」

ドラゴン「ご主人様はあれだ。私の心配をしてくれたではないか。ごはんよりもそちらのほうが嬉しいのだ。本当だぞ!」

魔術師「おい」

召喚士「師匠……!」

魔術師「麓に150キロの荷物がある。ここまで持ってきな。一度に運ぶことはできないだろうから、二回に分けることは許してやるよ」

召喚士「ありがとうございます!」

魔術師「ったく。何を焦ってんだか」

ドラゴン「ご主人様が焦燥感にかられるのも致し方なし。あれを見ろ」

魔術師「あれって、ドラゴン様がへし折った木々ではないですか。あれがなにか?」

ドラゴン「師も知らなかったのか? 今や城内、城下でこの山中にドラゴンがいるのではないか、という噂が流れているらしい」

魔術師「それで……」

ドラゴン「どうにも私のいびきも聞かれてしまっているらしい。ご主人様には悪いことをしてしまったのだ」

魔術師「……」

ドラゴン「私の存在を隠すのも限界か。これも機は熟したとみるべきか。ご主人様と我が旅立つとき」

魔術師「ドラゴン様、お願いがあるのですが」

ドラゴン「嫌だ」

魔術師「まだ何も言っていないではないですか!!」

ドラゴン「ご主人様以外の命令は絶対にきかん。懇願されたところで首も尾も横にしか振らん。まずはご主人様に許可をもらってこい。話はそれからだ」

魔術師「このままではそのご主人様がとっつかまって死刑になってしまうのですよ?」

ドラゴン「ご主人様は死なん。ドラゴンという比類なき賢者を従えているのだからな。フハハハハ」

魔術師「知っている通り、あいつは争うことを嫌う。貴方を守るためにとる手段も決して荒事ではないでしょう」

ドラゴン「……」

魔術師「静かに法の裁きを受ける。そういう奴なんですよ」

ドラゴン「鉄格子の向こうへ行こうが、我が炎がそれを溶かす。問題はどこにも見当たらんな」

魔術師「そうなれば貴方を捕えるために多くの兵士が投入され、大規模な戦闘になることは確実です。それをあいつは恐れている」

ドラゴン「わたしが人間に負けるわけなかろう」

魔術師「そういうことじゃないだ!!」

ドラゴン「……」

魔術師「戦争孤児のバカ弟子は、守ろうとするはずだよ。近くの村や町をね。だから、ここで戦なんて絶対に見過ごすことはないよ」

ドラゴン「師よ。私に願いたいこととはなんだ? 一応、耳に残しておこう」

魔術師「……帰還の儀を行ってください。そこにあいつの書いた術式がまだ残っているようですし、すぐにでも送還できます」

ドラゴン「これか……。中央に移動すれば、あとはご主人様の手でどうにでもなるか」

魔術師「貴方が本当に主のことを想うのなら、ここで帰還するべきかと」

ドラゴン「むぅ……。しかし、私はまだご主人様に何もしていないのだ。このまま元の世界に戻るのは、あれだ、癪だ。私はドラゴンなのだぞ。召喚されて食うだけ食って帰るなんて、ダメだろう」

魔術師「ドラゴンという種族は定期的に火を吐き出さなくてはいけないようですね。人間と同様に体内にガスがたまるとよくないとか」

ドラゴン「恥ずかしいことを言うな。いくら天の使いとて、羞恥心はあるのだ」

魔術師「ドラゴンの吐く炎は天をも焦がす。山を焼くわけにはいかないから、本当に天を焦がすように吐き出すしかない」

ドラゴン「何が言いたい」

魔術師「城下町でもその火柱は見えてしまうのでは? 闇夜の炎は目立ちすぎます」

ドラゴン「なるほど……」

魔術師「兵士らが山中の調査に乗り出したり、好奇心旺盛なバカが山に入ってきたら、終わりです。ですから……」

ドラゴン「帰ってくれ、というわけか」

魔術師「はい。それに過去、ドラゴンを呼び出した者たちは少数ながらも存在していたようですが、一人の例外なく殺されています」

ドラゴン「それはドラゴンは関係ないのだ」

魔術師「ドラゴンという最強の魔族を呼び出そうとした者を畏怖しないものなどいません。そしてもう、現代において魔術は秘術ではない」

魔術師「いくらドラゴンでも数の暴力には敵いません」

ドラゴン「……」

魔術師「あたしは戻ります。色々と仕事がありますので」

ドラゴン「そうか。ご主人様を待たないのか」

魔術師「待っていたら日が暮れますので。では」

支援

召喚士「はぁ……はぁ……やっと……もってこれた……」

ドラゴン「ご主人様……」

召喚士「お腹すいたでしょう。師匠がいつもの倍以上に持ってきてくれましたよ。さ、召し上がってください」

ドラゴン「……帰還の儀、行うか」

召喚士「え……?」

ドラゴン「ここで私を送還し、新たな獣を召喚するために邁進するがよい。私に気を向けていては次に進めぬだろう」

召喚士「新しい術式についてはゆっくりとやっていくつもりです。それに貴方に使った術式を応用することでなんとかなりそうですし」

ドラゴン「それでも何年かかるかは分からぬのだろう」

召喚士「え、ええ……。何せ、前例のない召喚術ですから。一つの術式で複数を召喚するなんて。これが成功すれば、召喚術もきっとまた注目を浴びます」

ドラゴン「尚の事、私を帰すがよい。隠匿するのも疲れたであろう」

召喚士「どうしたんですか? あんなに帰りたくないって言っていたのに」

ドラゴン「気が変わったのだ。ご主人様は魔王になってくれないし、もう飽きたし、つまんないし、どーでもよくなったのだ」

召喚士「……」

ドラゴン「ほれ、早く送還するがいいのだ。ご主人様にだって、愛想がつきたし、私は帰って寝るのだ」

召喚士「俺は、貴方を迷惑だなんて思っていません」

ドラゴン「ぬぅ……」

召喚士「確かに貴方が召喚されてしまったときは落ち込みはしました。事故とはいえ法に触れてしまう事態になったことに後悔だってしました」

ドラゴン「そうであろう」

召喚士「一日でも早く、送還したいと思っていたのも事実です」

ドラゴン「そうだろう……がおー……」

召喚士「でも、俺は決めたんです。貴方を守ると。家族になってくれた、貴方を」

ドラゴン「か、家族って何度も言ったってべ、別にう、うれしくないのだっ」ブンッブンッ!!!

召喚士「だから、今度は俺が貴方を帰したくはありません」

ドラゴン「しかし、これ以上、続けていればご主人様の身が危ない。我には守らせてはくれんのだろう?」

召喚士「貴方が戦えば、色んなところに被害が出ますから」

ドラゴン「ご主人様はあれだな。欲張りだ。とっても欲張りなのだ。私も守って、町村まで守ろうというのか。どっちかに絞れないか?」

召喚士「理想を言っていることは分かっています。けど、もう戦争はたくさんなんです」

ドラゴン「一つだけは言わせてくれないか?」

召喚士「はい」

ドラゴン「我はご主人様の従者、ドラゴンなり。優先するはご主人様の命である。そのためならば、ご主人様との約束も平気で破り捨てる覚悟もある」

召喚士「……」

ドラゴン「許せとは言わん。私のことを忌み嫌うのならそれでも良い。しかし、我が守りたいものはご主人様なのだ」

ドラゴン「ご主人様だけは、絶対に誰にも殺させない。これだけは絶対なのだ」

召喚士「どうして……」

ドラゴン「ご主人様は戦争はたくさんだと言う。それは何故だ?」

召喚士「俺の家族、友人がみんな戦争で死んだからです。本当は城の術士だってなりたくはなかった。けれど、研究をするためには環境の良いところで……」

ドラゴン「――私もたくさんだ」

召喚士「は?」

ドラゴン「主を、失うのはたくさんなのだ」

召喚士「なんのことですか?」

ドラゴン「今度こそ、私がご主人様を守るのだ。いつもいつも主に施しを受け、守られ、安全な場所へと帰るだけ。そんなのドラゴンとして生まれた意味がない!!」

召喚士「まさか……貴方は……」

ドラゴン「我は最強だ!!! 我が従者になれば主は魔王になれる!!! 一国を築けるほどの人間になれる!!! 我さえいれば屈することなどありえぬ!!! 何故、それが分からぬ!!!」

ドラゴン「守護するのは我の務めだ!! 何故だ!! 解せぬ!! 全く解せぬ!!! 何故、主たちは我を守ろとする!!! 我さえいれば主が死ぬことはないではないか!!!」

ドラゴン「ガオー!!!!!」

召喚士(そういえば、こちらの世界にドラゴンを召喚した人が何人かいることを知っていたな……。そういうことだったのか……)

ドラゴン「私のことを対等に扱うと言ってくれたな」

召喚士「はい」

ドラゴン「ならば、願う。もし、ご主人様が罰を受けることになれば、私が救い出してもいいだろう」

召喚士「……」

ドラゴン「いや、必ず救い出す。幾人の人間を殺してでも、我はご主人様を救う」

召喚士「それは……」

ドラゴン「それが嫌なのならば、我をこの場で送還するのだ。私とて心に誓っている。止められるのは、ご主人様しかいない」

召喚士「そんなの決められるわけが……」

ドラゴン「……無理を言って、すまぬ」

召喚士「いえ……」

ドラゴン「この肉、いただく」

召喚士「どうぞ」

ドラゴン「はふっはふっ!! はふっ!!」

召喚士(どうしたら、いいんだ……俺……どうしたら……)

―城下町 酒場―

魔術師「よう。珍しい場所であったねぇ」

召喚士「師匠……。俺、考えました。たくさん、考えました。でも、わかりません」

魔術師「……」

召喚士「……お願いします。頼らせてください」

魔術師「言ったろ。あたしはあてにされるのはだいっきらいなんだよ」

召喚士「すみません……」

魔術師「でも、頼られるのは嫌いじゃない。座りな」

召喚士「師匠……」

魔術師「情けない顔してんじゃねえよ、このボンクラ。何か飲むか?」

召喚士「はい、水を」

魔術師「酒を飲みなよ。ったく、いつまでもガキだね」

召喚士「すみません」

魔術師「で、ドラゴン様はなんて言ってたんだい?」

召喚士「俺が捕まるのなら、なんとしてでも助け出す、と」

魔術師「なんとも頼もしいねぇ。ここの城だって半壊じゃあ済まないだろうね」

召喚士「何か手はないですか。このまま隠し続ける、方法は」

魔術師「孤島に向かうってのはどうだい? ひっそりと隠居しちまえばいい」

召喚士「でも、そうすると研究が……」

魔術師「いいじゃないか。ドラゴン様と末永く静かに生活していれば。まぁ、農作業の研究はしなきゃいけないかもしれないけどね」

召喚士「……」

魔術師「まぁ、10年間を無駄にしたくないってのはわからなくもない。アンタはずーっと言ってたもんねぇ。竜騎士みたいになるんだって」

召喚士「その話はもういいじゃないですか」

魔術師「今だって、術を使うときは竜騎士の台詞をすこし変えて使ってんだろ? 詠唱にしてはこっぱずかしいやつを」

召喚士「あれはこだわりなんですっ」

魔術師「絵本に描かれている可愛い獣人は創作だって言ってたのに、全然信じないから、酒が飲める歳になっても恥ずかしい幻想に囚われちまうんだ」

召喚士「うぅ……」

魔術師「あー、そんなんだから、生まれてこのかた恋人の一人もいないんだよ、あんたは。もっと現実に目を向けな」

召喚士「む、向けています。だから、悩んでいるんです」

魔術師「あんたが守るのは10年間の研究か、それとも周囲の村や町か、はたまた今いるたった一匹の家族か。どれなんだい?」


そういうことじゃないだ!ァ!許さん!

召喚士「……」

魔術師「あんたが同時に守れるのは二つ。研究と町村を守るなら、ドラゴン様を手放すしかない。手放せば村や町に災厄が降りかかることはないし、城で研究は続けられる」

魔術師「ドラゴン様と町村を守るなら、積み上げてきた研究は一度手放すしかない。人里離れた場所でもやれないことはないだろうけど、資金も資料もなくなれば大幅に遅延するのは確実だね」

魔術師「ドラゴン様と研究を守るなら、お前はドラゴン様が望む魔王になればいい。戦争は避けられないが、世界はお前の意のままになる」

召喚士「師匠なら、どうしますか」

魔術師「あたしは魔女だ。むろん、魔王になる道を進むだろうねぇ」

召喚士「そう、ですか」

魔術師「争い事を避けるってなら、ドラゴン様を送還させるか、人の寄り付かない場所への引っ越しってことになるね」

魔術師「どちらにせよ、三つを守ることはできやしないんだ。腹をくくりな。召喚したものからは逃げ出すな。これは召喚士の鉄の掟だ。そう教えたね」

召喚士「はい」

魔術師「なら、いい。バレるのも時間の問題だ。とっとと決めちまいな」

召喚士「他に……なにか……」

魔術師「ドラゴン様とも別れたくない。町村は守りたい。研究も続けたい。そういうことか」

召喚士「とても都合のいいことだとは思います。でも、やれることがあるのなら、俺は試してみたいんです」

魔術師「だったら、赤の他人を巻き込むしかないね。第三者を介入させて、そいつに全てを擦り付けちまえばいい」

召喚士「な……!?」

魔術師「どうせ、ドラゴンも事故で呼ばれただけだ。お前が召喚したなんて証拠はない。お前がしていた研究も獣人を一度に複数体呼び出すものだったからね」

召喚士「それは、そうですが……」

魔術師「赤の他人がドラゴンを召喚した。あたしと召喚術の研究者であるお前がドラゴンを捕まえる。研究対象としてね」

魔術師「そうすればしばらくの間は陛下だって研究を続けさせてくれる。いや、それどころか研究費用だってたんまりもらえるだろうねぇ。ドラゴンなんていう兵器が手に入るんだから」

召喚士「研究が終われば、城を去る」

魔術師「そうだ。高跳びしちまえばいい。大部分の術式が完成しちまえばこっちのもんだ。あんたの長年の夢は叶う。戦争も起きない。ドラゴン様も従者でいられる。完璧だ」

召喚士「しかし、その赤の他人は罪人になる」

魔術師「極刑は免れないね」

召喚士「そんなこと――」

魔術師「全てを得ようなんて甘いんだよ。バカ弟子。人一人を見殺しにするだけで全てが手に入るなら安いもんだろう」

召喚士「くっ……」

魔術師「術士の端くれなら、その程度の犠牲は惜しみなく払っちまえばいいんだよ。いつまでも幻想に逃げるなよ。ちゃんと現実を見な。絵本みたいになんでも都合よく終わらないんだ」

召喚士「すこし、考えてみます」

魔術師「答えが決まったらあたしのところに来な。手伝ってはやるよ」

―城下町―

召喚士「はぁ……」

店主「お客さん、いらっしゃい」

召喚士「あ……」

店主「今日はもう店じまいだけど、お客さんにならうりますぜ?」

召喚士「……」


『第三者を介入させて、そいつに全てを擦り付けちまえばいい』


召喚士「……」

店主「どうかしたんですかい?」

召喚士「いえ、なんでも。折角なので、60キロください」

店主「はいよ!」

召喚士「……」

店主「なんかあったんですかい? 元気ないみたいですけど。あ、店の景気がよくないとか?」

召喚士「ま、まぁ……そんなところです……」

店主「店を持つってのは大変だからねぇ。分かりますぜ、お客さんの気持ちが」

召喚士「は、はぁ」

店主「俺だってこの店を持つまでに苦労して、店をもったあとにだって苦労してますぜ」

召喚士「……」

店主「ま、妻と子どもをもっちまうと、苦労したって必死でやらなきゃいけないんですけどね」

召喚士「そうですか……」

召喚士(俺は何をしようとしていたんだ。第三者を巻き込むなんて、できるはずがない……)

店主「はいよぉ、いつもの肉です」

召喚士「ありがとうございます」

店主「こちらこそ。また、店のほうに招待してくださいよー」

召喚士「は、はい。機会があれば。さようなら。ぐっ……おもっ……」

店主「はぁー、若いっていいねぇ」

魔術師「……興味あるのかい?」

店主「え……?」

魔術師「あの男の店にさ。あたしでよければ案内してやってもいいけど?」

―山奥―

ドラゴン「はふっはふっ!! はふっはふっ!!! ふぉふぇふぇ、ふぉふふぇんふぁふぁふぁふぉふぉふぇふぃふぁふぉふぁ?」

召喚士「何と言っているのかわかりません」

ドラゴン「んっ。これは失礼をした。それで師に決断を迫られ、ここへ来たのか」

召喚士「はい」

ドラゴン「ご主人様の中ではまだ迷いがあるのだな」

召喚士「そりゃあ、迷いますよ」

ドラゴン「決断ができなければ、いつかご主人様は牢屋の中になる。そうなれば私が助けにいくから、その時点でご主人様は魔王確定だな。フハハハハ。それはそれで、アリだな」

召喚士「ナシです」

ドラゴン「だな。ナシだな」

召喚士「……このまま、俺と一緒にどこかへ逃げませんか?」

ドラゴン「ご主人様! それはあれか!? 魔王になるための準備を行うために孤島にいくということでいいのか!?」ブンッブンッ!!!!

召喚士「そんなことは考えてません。ただ、静かに暮らそうかなと」

ドラゴン「がおー……静かにくらすのかぁ……」

召喚士「波乱はないですけど、その孤島では自由に飛び回れますし。そのときは俺を背中に乗せてください」

ドラゴンはかわいいが召喚士はクズだなぁ

召喚士はクズとかじゃないだろ、単に臆病なだけ

クズではないけど人間としてはかなりダメダメだろ
ハーレム作るのが夢でその研究のために友達もろくにいないんだから

ドラゴン「……」

召喚士「ダメですか?」

ドラゴン「しばしまて。想像してみる」

召喚士「あ、はい」

ドラゴン「誰もない地で、ご主人様と共に生きる……。飛ぶことも許される……火も吐き放題……ふむふむ……」

召喚士(これでいい。師匠に言われ環境の良いところで働いていただけだ。周囲にもよく思われていなかった。友人と呼べる人もいない)

ドラゴン「ご主人様を背に乗せることもできる……魔王は無理でも……魔王ごっこぐらいはできるな……ふむふむ……」

召喚士(未練はない。召喚術の研究はどこでもできる。ただ完成するのが早いか遅いかだけだ)

ドラゴン「グフフフ……いいぞぉ……いいではないか……」

召喚士(俺は失いたくない……)

ドラゴン「よいぞぉ!!! ご主人様ぁ!!! 行こうではないかぁ!!! ガオー!!!」

召喚士「ありがとうございます」

ドラゴン「我は従者、ドラゴン!!! 俗世に染まることのない高潔な種族なぁり!!! 未踏の地を求め!!! 飛び立つとき、きたれり!!! ガオー!!!」

召喚士「随分と気合が入ってますね」

ドラゴン「当たり前だ!! 一つの目標であった、ご主人様を背に乗せて飛ぶ、が叶うのだからな。我が両翼も張り切っているのだ」ブンッブンッ!!!!

召喚士「尾のほうが張り切ってますが」

ドラゴン「ふふん。言っていなかったが、ドラゴンの尾は感情に左右される。興奮しているときほど、よく動くのだ」

召喚士「知ってました」

ドラゴン「さぁ、そうと決まればここにいる理由などありはしない!! 往くぞ!!! ご主人様ぁ!!! 乗るのだ!!!」バサッバサッ

召喚士「いえ、今日ではないですよ」

ドラゴン「がおー?」

召喚士「色々と準備が必要ですから」

ドラゴン「私の気合はなんだったのだ?」

召喚士「すみません……」

ドラゴン「別に良いがな。食事の続きにするから」

召喚士「拗ねないでください。まさか、こんなに盛り上がるとは思わなくて」

ドラゴン「ふんっ」

召喚士「すみません」

ドラゴン「気にしてないのだっ。はむっはむっ!! はむっ!!」モッチャモッチャ!!!

召喚士「あぁ……」

お師匠様が余計なことをしなければ丸く収まりそうだが、はて

店主「ちょ、ちょっと、本当にこんなところに店があるんですかい?」

魔術師「……」

店主「あ、あのぉ……」

魔術師「……着いたよ」

店主「え――」

ドラゴン「ゴゴゴ……ゴゴ……ごしゅじんさまぁ……」

店主「な……!? あ、あれは……!?」

魔術師「伝説の化け物、ドラゴンさ。どうだい、生で見れて失禁しそうなぐらい、嬉しいだろう?」

店主「ど、どういうことですかい、こりゃあ……」

魔術師「ふふふ。どうしたの、震えちゃって。かわいいねぇ」

店主「あんた、何者なんだ……」

魔術師「あたしの顔、知らないかい? これでも稀代の魔女って言われたぐらいなんだけどねぇ」

店主「ま、まさか、あのドラゴンは……」

魔術師「ふふ。想像にお任せするよ。さぁ、こっちにきておくれよ」

店主「うわぁぁぁぁ!!!」ダダダッ

ああ、お師匠さん…そういうことだったのね…

ドラゴン「ん? 曲者か!!」

魔術師「おはようございます」

ドラゴン「なんだ、師か。ご主人様は既に戻ったぞ」

魔術師「あの……」

ドラゴン「なんだ?」

魔術師「弟子は何か言っていましたか?」

ドラゴン「私とともに人が寄り付かぬ場所へ移住することに決めたようだ。ご主人様を魔王にさせることはできないが、一国の主にはなれそうだ」

魔術師「ま、それしかないだろうね」

ドラゴン「問題はご主人様の研究ができなくなることだな。何もない場所では術式を開発のが難しいと言っていたが」

魔術師「それなりに材料や資料が必要になってきますからね。火を起こすだけなら問題ないけど、あいつのやろうとしてるのは召喚術。どうしたって時間と労力と金が必要になる」

ドラゴン「10年もの歳月をかけた術式だと言っていたが」

魔術師「諦めたってことでしょうね」

ドラゴン「これも私の所為か……。なんとも心苦しいな……」

魔術師「……竜騎士伝説は様々な解釈がなされ、現代では創作の題材になることが多いのです」

ドラゴン「急にどうしたのだ」

魔術師「あいつが召喚術に拘るのは、最初に見た竜騎士伝説が原因なんですよ」

ドラゴン「……」

魔術師「孤児のあいつを拾ったとき、最初に枕元で読んでやった絵本。その竜騎士伝説は登場人物が皆が幸せに暮らすことになって終わる」

ドラゴン「それはドラゴンもか」

魔術師「竜騎士もドラゴンも、そして竜騎士が召喚した多くの従者も。みんなが同じ家で暮らす。笑顔の絶えない、とても理想的な家族のように描かれている」

ドラゴン「そうか……。創作の中では幸せだったか……。それは良いことを聞いた。が、それとご主人様になんの関係がある?」

魔術師「絵本を読み終えたあと、あいつはこう言いました。「俺も家族が欲しい」ってね」

ドラゴン「……」

魔術師「成長するにつれて、可愛い獣人がいいとか言い出しておかしな方向にいっちまったけど、あいつの根底にある夢は絵本の最後のページを再現すること」

魔術師「笑顔の絶えない、家族を作りたい。そう考え、召喚術を必死になって学び始めた」

ドラゴン「それで、私のことを家族に……」

魔術師「獣人の妹が欲しいとか姉が欲しいとか、変なことも言ってた気がします」

ドラゴン「温もりが欲しいとも言っていたな……」

魔術師「下らない夢だけど、あたしは努力するバカをずっと見てきた。だから、どうしても潰させたくはないんです」

ドラゴン「……師よ。何を考えているのだ?」

魔術師「あたしはあのバカに何もしてやれなかった。できたのは、夢を追い続けられる場所を与えてやったぐらいです」

ドラゴン「魔術の基礎も師が叩き込んだのではないのか」

魔術師「現代では基礎なんてその辺の主婦でも知っていることです。教えたうちには入りません」

ドラゴン「師がどのようにしてご主人様と接してきたのかはわからぬが、ご主人様は感謝しているはずだ。ドラゴンの私がいうのだから、間違いない」

魔術師「友人も作らず、ずっと机にかじりついてきた弟子を心配はしても、優しくすることはできなかった」

ドラゴン「……」

魔術師「少しは外で遊んできなさい。そう言えれば、あいつの性格も少しは明るかったのかもしれない」

ドラゴン「師の後悔とは、それか」

魔術師「あいつの師匠として、最後に何かできるとすれば、背中を押すことぐらいです」

ドラゴン「最後……?」

魔術師「あいつはすぐに諦めるから。こうして尻を叩かなきゃいけないんですよ」

ドラゴン「師のために命を賭すのは私ぐらいだと思っていたがな」

魔術師「出来の悪い弟子ほど可愛い、なんてことはこれっぽっちも思ったことはなかったですが……」

ドラゴン「師にとって、私のご主人様は家族なのか」

魔術師「なんでしょうね。どうしてこんなことをするのか自分でもよくわかりませんが、後悔はしていません。あいつの師匠としてできることは、精一杯やってきたつもりです」

>>176
ドラゴン「師のために命を賭すのは私ぐらいだと思っていたがな」

ドラゴン「ご主人様のために命を賭すのは私ぐらいだと思っていたがな」

ドラゴン「……して、どのような策を?」

魔術師「あたしがドラゴン様を召喚した。魔王になるために。そしてそれを市民が見てしまい、陛下の耳に入る」

ドラゴン「……」

魔術師「その後、召喚術のエキスパートである、あたしの弟子が貴方を研究対象として拘束する。陛下は戦争に有効なドラゴンを使うことに反対はしないでしょう」

ドラゴン「ご主人様の研究が形になれば、孤島へ向かうのだな」

魔術師「いつ完成するかはわからないですが、時間はそれほどかからないでしょう」

ドラゴン「師はどこへ行く」

魔術師「よくても生涯奴隷。まぁ、死刑にはなるでしょう」

ドラゴン「そうか……」

魔術師「稀代の魔女も、これでおしまい。老衰して死んでいくよりは幾分マシですけど」

ドラゴン「師の考えは、よくわかった」

魔術師「では、さようなら。ドラゴン様」

ドラゴン「うむ」

ドラゴン「……それでこそ、ご主人様の師だ」

ドラゴン「フハハハハ!!! ガオー!!!!」ブンッブンッ!!!!

お師匠様が余計なことをするのかと思ったらとても良い方だった…

―城内―

兵士「陛下!!」

側近「騒々しいぞ」

王「よい。何かあったのか」

兵士「それがドラゴンを見たという者が現れました!!」

側近「なに……?」

王「東の山のことか? あれはただの与太話ではなかったのか」

兵士「そ、それも、そのドラゴンを従えていたのが、メイガスという話で……」

側近「なんだと……」

王「まさかドラゴンを召喚したというのか。あの稀代の魔女が?」

兵士「ここ最近、大量の肉を購入していく姿も目撃されていますし、信憑性は高いかと」

王「なんということだ……。優秀な術士だというのに」

側近「すぐに魔女を捕えよ!!!」

兵士「はっ!!」

王「うぅむ……あの者ならドラゴンを召喚する術を開発していても不思議ではないが……」

―酒場―

召喚士「師匠。お待たせしました」

魔術師「あぁ、急に呼びつけて悪いね」

召喚士「いえ。それで何か?」

魔術師「これ、返却しておいてくれるかい?」

召喚士「この本……。師匠が借りていたんですか」

魔術師「あんたも読みたかったのかい? なら、返却してから、ゆっくりと読むといい」

召喚士「ありがとうございます。でも、これだけの量をもうお読みに?」

魔術師「あたしを誰だと思ってんだ。稀代の魔女だよ」

召喚士「す、すみません」

魔術師「わかりゃあ、いいんだ。いいね。絶対に返しておくこと。忘れたら、承知しないよ」

召喚士「わかりました!!」

魔術師「ふんっ。どうにも信用できないんだよねぇ」

召喚士「返すぐらいのことはできます!」

魔術師「……よろしくね。それじゃ、またな。バカ弟子」

―書庫―

召喚士「……」ペラッ

司書「その本、返却されたのですね」

召喚士「ええ。量があるので目を通すのが大変ですけど」

司書「ごゆっくり」

召喚士「ありがとうございます」

召喚士(あ、ドラゴンって懐きやすいのか……道理で……)

司書「そうそう、聞きましたか?」

召喚士「え?」

司書「ドラゴン、東の山で見つかったらしいですよ」

召喚士「な……!?」

司書「召喚されたとかなんとか聞きました。まさか竜騎士のような人が現代に現れるとは……」

召喚士「あ、え……」

司書「しかし、召喚した人があの稀代の魔女とも呼ばれたほどの人なんですよね……。実力は十分にあるでしょうけど、どうしてそんな召喚術を開発してしまったのか……」

召喚士(なんだ……なにがどうなって……)

―城内 謁見の間―

魔術師「……」

王「説明をしてくれるか。何故、禁術に手を染めたのか」

魔術師「ドラゴンを召喚した理由なんて、力が欲しい以外になにがあるってんだい」

側近「残念でならない。優秀な術士が法を破ってしまうとは」

魔術師「魔術を学ぶ者に際限なんてないのさ。次に作る術式は、前よりも優れていなければならない」

魔術師「あたしみたいに20年以上、魔女をやってると、ドラゴンでも召喚しなけれりゃ帳尻が合わないんだ」

魔術師「そしてそんな魔術が完成すりゃあ、世界に広めたくなるのが人の性ってもんだろ」

側近「魔女め……」

魔術師「ちなみに召喚したドラゴンはまさに無敵だ。並大抵の術士を動員したって、過半数が死んじまうよ」

王「それまでは自由にさせろといいたいのか」

魔術師「ドラゴンが暴れると困るだろ」

側近「あてはある。君の弟子には召喚術に精通した者がいるらしいな」

魔術師「ふっ。よく調べてるじゃないさ」

側近「君がここへ連れてきた者だからな。よく知っている。優秀な弟子だから是非、雇って欲しいと言っていたな」

兵士「陛下。お連れしました」

召喚士「……」

王「君か。召喚術に詳しい術士は」

召喚士「はい……」

側近「これは確認だ。君の師はそこにいるもので間違いないな?」

召喚士「……」

魔術師「……」

召喚士「はい。間違いありません」

王「師が何をしていたのか、知っていたか?」

召喚士「何も、知りませんでした」

側近「それを証明するためにも、君には我々に協力してもらう」

召喚士「ドラゴンの捕獲ですか」

王「できるか?」

召喚士「……陛下。捕獲が成功したら、そのドラゴンを自分の従者として魔術にて洗脳したいのですが、よろしいですか?」

王「そのようなことが可能なのか?」

>>184
召喚士「……陛下。捕獲が成功したら、そのドラゴンを自分の従者として魔術にて洗脳したいのですが、よろしいですか?」

召喚士「……陛下。捕獲が成功したら、そのドラゴンを自分の従者とするため魔術で洗脳したいのですが、よろしいですか?」

召喚士「可能です」

王「うぅむ……」

側近「彼は魔女の弟子です。何をたくらんでいるかわかりませんぞ」

王「そうだな。洗脳の許可はできん」

召喚士「では、研究対象として捕獲するということでいいでしょうか。ドラゴンが兵力になるのならば、この国の軍事力は跳ね上がりますが」

王「いいだろう」

召喚士「尽力します」

側近「捕獲が不可能となった場合はどうするつもりだ?」

召喚士「ドラゴンを送還しましょう」

王「他人が召喚したものを簡単にできるのか」

召喚士「自分は召喚術士です。できます」

側近「その自信が過信でないことを祈ろう。すぐに出発だ。兵を集めろ!!」

兵士「はっ!!!」

側近「魔女は地下牢に入れ、鎖で繋いでおけ」

魔術師「良い趣味してんじゃないのさ」

―山奥―

兵士「情報ではこの辺りなのですが……」

召喚士「そうですか」

側近「……」

召喚士「何か?」

側近「まだ疑われていることは、分かっているな? 妙な動きをすれば、即座に……」

召喚士「承知しています」

兵士「あ……! あれを……!!」

側近「いたか……」

召喚士「あれが、ドラゴン」

ドラゴン「……」ブンッブンッ!!!!

召喚士(尾は振らないでください)

ドラゴン(ご主人様っ。見ていてくれ、私の力をな!!!)

兵士「ド、ドラ、ドラゴン……!!」

側近「なんという威圧感だ……まさに化け物だな……」

側近「頼むぞ」

術士「我々も支援する」

召喚士「いえ。貴方たちは下がっていてください。相手はドラゴンです。何をするかわかりませんから」

ドラゴン「ククク……。有象無象の雑兵共が、我に何用か」

召喚士「お前を捕える」

ドラゴン「捕える……? フフフ……。フハハハハハハ!!!!! 笑わせるな!!!! 神の使いである我を捕えるだと!!!」

兵士「……!!」

側近「このような化け物に人間が敵うのか……」

ドラゴン「矮小な人間に我を拘束するだけの鎖が括れるとでも思うてか!!!」

ドラゴン「この鋼にも勝る皮膚!! 大地をも砕く牙!! 巨人すら慄く体躯!! そして、全てを焼き尽くす業火を吐くこともできる、この我を!!!!」

ドラゴン「ガァァァァァ!!!!!」

兵士「ひぃぃ……」

側近「お、おい、捕獲など、無理だろう……」

召喚士「みたいですね。生け捕りなんて甘い考えでした。ここで消します」

ドラゴン「フハハハハ。中々に気骨ある人間のようだな。天地を震わす咆哮にも臆さぬとは。その愚かさを称し、我に歯向かうことを許可してやるぞ!!!」

召喚士「すぐに元の場所に戻してやろう……」

ドラゴン「グハハハハ!!!! いくぞぉ!!!」ドスドスドス!!!!

兵士「きたぁ!!!」

術士「うわー!!!」

ドラゴン「フハハハハハ!!!! おそれおののけー!!!」ブンッブンッ!!!!!

召喚士「――帰還せよ!!」パァァァ

ドラゴン「な、なんだ!? この光は……!! ぅきゃー!」

ゴォォォォ……

兵士「き、消えた……」

術士「す、すごい……」

召喚士「……戻りましょう」

側近「……」

召喚士「これで、俺が何も知らなかったという証明になりましたか?」

側近「う、うむ。お前こそ、真の勇者だ」

召喚士「勇者だなんて、やめてください」

ぅきゃーw

http://i.imgur.com/zH9b3dk.jpg
恐らくドラゴンはこいつに羽が生えたような見た目

―城内 地下牢―

王「ドラゴンは君の弟子が無事に消し去ったようだ」

魔術師「消した……!?」

王「驚くこともあるまい。君の愛弟子だったのなら、それぐらいはできるのだろう?」

魔術師(どういうことだい……。そのまま連れてきたらいいだけなのに……。あのバカ、何をしやがった……)

王「それと君に対する判決も出た」

魔術師「おや、魔女は裁判すらも許されないってことかい? 法治国家が聞いてあきれるよ」

王「例え、城に仕える術士と言えど、禁術の開発を極秘に進めた罪は非常に重い。また、君はこの国、いや、世界を巻き込むほどの危険な思想をしている」

魔術師「つまり、極刑ってこと」

王「そうだ」

魔術師「ふん。あたしが死んだ暁には、お前たちを一人残らず呪ってやるよ!!! アハハハハハハハハ!!!!!!」

王「……」

兵士「陛下、行きましょう」

王「そうだな」

魔術師「アハハハハハハハ!!!!! アーッハッハッハッハッハ!!!! ハーッハ……ごほっ……! ごほっ……! おぇ……。むせた」

―中庭―

召喚士「……これでいい」

兵士「こんなところにおられましたか」

召喚士「はい?」

兵士「陛下がお呼びです」

召喚士「分かりました。すぐに行きます」

兵士「しかし、すごいですね。稀代の魔女、最後の弟子と聞いていますが、やはり受け継いだものも大きかったのでしょうね」

召喚士「そんなことはありませんよ。師匠から教わったのは普通のことです」

兵士「ご謙遜を」

召喚士「もう、やめてください。師匠は国賊だったのです。あまり、考えたくはありません」

兵士「も、申し訳ありません。無神経すぎましたね」

召喚士「行きましょう」

兵士「はい」

召喚士「師匠……」

召喚士(もう少し、待っていてください)

―謁見の間―

王「この度の活躍、素晴らしいものだった。十分な褒美をやろう」

召喚士「ありがたき、幸せです」

側近「陛下はどのような望みも叶えてくれるとおっしゃっている。なんでも遠慮せずに言うがいい」

召喚士「……我が師に会わせてください」

王「犯罪者となっても、まだ慕っているのか」

召喚士「それはありません。あの人には幻滅しました」

側近「ならば、何故面会を乞う」

召喚士「何故、自分に一言もなく、このような愚かな行為に走ったのかを問い詰めたいのです」

王「しかし、彼奴の精神状態はかなり乱れている。やめておいたほうがいい」

召喚士「このとおりです」

王「……よかろう。特別に許可する」

召喚士「あがとうございます」

側近「陛下、いいのですか?」

王「構わん。ただし見張りは数人つけておけ」

―地下牢―

魔術師「ん?」

王「お前に会いたいという者がいる」

魔術師「だれよ」

召喚士「師匠……」

魔術師「バカ弟子か。何のようだ?」

召喚士「貴方が召喚したドラゴン、容易く消すことができましたよ。貴方に教わった帰還の術式も自分の中で完成していましたから」

魔術師「……そういうことかい。で、これからはあたしがいなくなるし、存分に羽を伸ばそうとか考えてるわけ?」

召喚士「ええ。理不尽な修行をしなくていいと思うと、嬉しくてたまりません。これからは城の中庭で絵を嗜むこともできそうです」

魔術師「ほう。色々とかんがえているんだねぇ」

召喚士「好きな魔術の特訓もできますね。貴方が死ぬまでの数日間に爆発音が聞こえるかもしれません。耳障りでしょうが我慢してくださいね」

魔術師「ちっ。憎らしいくそガキだよ。さっさとでていきな!!!」

召喚士「出ていく前に聞かせてください。どうしてこのようなことをしてしまったのか」

魔術師「魔王になりたかったから。バカ弟子の世話にはもううんざりだったからね」

召喚士「そうですか……すみません……」

乙!

ぅきゃーwwwwwwww
なんて可愛いwwwwwwww

わくわくする

>>198
うるさいsageろks

このドラゴンはうしおととらのとらをすごく従順にしたって感じがする

博打を打ったなあ
続き気になる

乙!

「がおー」を見ないとなんか落ち着かないなww

魔術師「そんな落ち込むな。もういいだろ。さっさと出ていきな」

召喚士「そうですね。もう貴方と話すことはありません」

魔術師「ふんっ」

王「よいのか」

召喚士「はい」

兵士「こちらへ」

召喚士「……」

王「刑の執行日は追って伝える」

魔術師「その日を楽しみにしているよ」

王「反省の色はなしか」

魔術師「反省したら、ここから出してもらえるわけでもないだろうに」

兵士「本当に魔女だったのですね、メイガス」

魔術師「あたしのことを魔女呼ばわりし始めたのは、周りの人間だろう。誰も好き好んで魔女なんて名乗りはしないよ」

王「残念だ。本当に。この国の魔術も停滞するな」

魔術師「うるさいねぇ。どっかいけ」

―謁見の間―

王「これからは君にも様々なことを依頼するかもしれないな」

召喚士「……あの、もう一つだけお願いがあるのですが」

側近「遠慮なく申してみよ」

召喚士「実はずっと研究し、開発を進めていた召喚の術式があるのですが」

王「ほう。どのようなものだ」

側近「確か、一つの術式で複数体の獣を召喚するものだったな」

召喚士「はい。その通りです」

王「そのような研究をしていたのか」

召喚士「戦になったとき、自分の魔術は必ず役に立つと思います。また、様々な労働力を生み出すのにも使えるかと」

王「確かに……」

側近「その開発の援助をしてほしいのか」

召喚士「研究室を少しの間だけ貸してほしいのです。数日中には完成します」

王「よかろう。すぐにでも手配する」

召喚士「ありがとうございます。これで、術式も完成に近づきます」

―研究室―

兵士「ここを使ってください」

召喚士「ここは師匠の……」

兵士「貴方にふさわしい場所かと」

召喚士「そうかもしれませんね」

兵士「ただし、あの魔女のようにはならないでくださいね」

召喚士「勿論です。俺は、違います」

兵士「それでは」

召喚士「ありがとうございました」

召喚士「……作るか」

召喚士(一度、作った術式だ。完成には時間はかからない)

召喚士(あとはきちんと召喚が成功するかどうか……)

召喚士(いや、失敗なんてしない。俺は召喚術だけを研究してきたんだ……。他の魔術で失敗しても、召喚術だけは成功させる)

召喚士(成功させないと、俺は両方、失ってしまう)

召喚士「絶対に、成功させる……」

―数日後―

側近「陛下、魔女の刑執行日が決まりました。三日後です」

王「そうか……」

側近「仕方のないことです。魔王になるなどと言う者を生かしておけば、世界がどうなるか。過去の歴史が物語っています」

王「うむ。竜騎士然り、天才と呼ばれた魔術師たちは皆、危険な思想をしていたと言われているな」

側近「世界征服はそうした者たちにとって、叶わぬ野望ではありませんからな」

王「世界を巻き込む戦になるのならば、ここで刑を受けてもらうしかないか」

側近「ええ。ただ、気を付けなければならないことが」

王「なんだ?」

側近「魔女の弟子が、師の技術だけでなく意志まで受け継いでいる危険性があります」

王「……召喚術を専攻しているからか」

側近「はい。最も注意すべき者です」

王「目を光らせておく必要があるか」

兵士「失礼いたします!! 件の召喚術が完成したとのことです!!」

側近「分かった。すぐに向かおう」

―中庭―

召喚士「……」

側近「完成したらしいな」

召喚士「……はい」

側近「それは本当に複数の獣を召喚する術式なのか?」

召喚士「はい。すぐにでもお見せしたいのですが、もう少し時間が必要なようです。夜までには、なんとか」

側近「待て。君にその術式を使わせるわけにはいかない」

召喚士「どういうことですか」

側近「万が一、その術式からドラゴンが出てきてしまえば、この国は終わりだ」

召喚士「俺を信じていないのですか」

側近「万が一だと言っている」

召喚士「……分かりました。この術式は別の人にやっていただきましょう」

側近「すまないな。勇者殿を疑いたくはないのだが」

召喚士「師はそれだけの罪を犯しましたから。信頼は、自分の魔術で取り戻します」

側近(これで不安の種は減ったな。本当に優秀な術士であれば、これからも利用させてもらおう)

―夜 中庭―

王「今宵は面白いものが見れそうだな」

側近「ええ。衰退した召喚術が栄華を取り戻すのではないかと」

王「楽しみだ」

司書(あの人が陛下にも認められるほどの魔術師だったなんて。初めて会ったときはそんな感じじゃなかったのに)

兵士「どんなのが召喚されるんだろうな」

「さぁなぁ。兵力になりそうなやつならなんでもいいんじゃないか?」

「獣人には可愛い女の子もいるらしいぜ」

「マジかよ」

術士「術式を起動させるための呪文は?」

召喚士「ここに書いてあります」

術士「……なるほど」

召喚士「よろしくお願いします」

術士「陛下、よろしいでしょうか」

王「うむ。すぐにでも始めてくれ」

術士「世の愚者共よ。我にひれ伏し、そして羨望を向けるがいい」

術士「世界を変える、この私に」

司書(あ、竜騎士がドラゴンを召喚したときの台詞だ)

術士「いでよ!」

召喚士「……」

王「……何も起こらんな」

側近「失敗か?」

術士「そのようです。やはり、一つの術式で複数体の召喚は無理があったのですよ」

兵士「なぁんだ」

「残念だなぁ」

召喚士「そんなバカな……」

術士「これにめげることなく、精進してください」

側近(期待外れだったか)

召喚士「もしかして、詠唱を間違えたのかもしれません……」

術士「なんですって? では、正しい呪文とは?」

召喚士「ついに時は満ちた……。10年間の成果をここで見せる」

召喚士「我が野望、叶うときだ」

召喚士「ククク……ハハハハ……ハーッハッハッハッハ!!!」

召喚士「世の愚者共よ。我にひれ伏し、そして羨望を向けるがいい」

召喚士「可愛い獣人ハーレムを築く、この俺に!!」

召喚士「さぁ、いでよ!! 俺の異国の花嫁よ!! アーッハッハッハッハ!! デュフフフフ!!!」

術士「……!?」ビクッ

司書(あの呪文!! 竜騎士伝説をただのハーレムストーリーに改変し、ファンに大批判されたものに出る一文に酷似している!! 殆ど世に出回らなかったのに!! なんてマニアックなんだ!!)

術士「そ、それが、起動の呪文なのですか……」

側近「なんて、バカバカしい――」

ゴォォォ……

王「待て、光始めたぞ」

術士「これは……!?」

側近「まさか、成功したのか!?」

「私を呼び出したのは誰だ……」

召喚士「俺だ」

ドラゴン「――よかろう。我はここに顕現した。お前に従うために」

ドラゴン「ガオー!!!!」

王「なぁ……!?」

側近「ド、ドラゴン!?」

兵士「うわぁぁ!!!」

司書「すごーい!! ドラゴン!! ドラゴンだー!!」キャッキャッ

ドラゴン「騒ぐな、俗物共。耳が腐る」

側近「き、貴様!! やはり、魔女の意思を受け継いでいたか!!」

召喚士「これは事故です。俺はドラゴンを呼び出す術式を作ってはいません」

側近「そのような嘘がまかり通るとでも思っているのか!! 全兵に告げる!! あの魔術師をただちに処刑せよ!!」

兵士「は、はっ!!」

ドラゴン「小さき者たちよ。我が主に危害を加えるというのなら、容赦はせんぞ?」

側近「ぐっ……!?」

召喚士「やめろ。俺は貴方の主ではない。すぐに帰還してもらう」

ドラゴン「我が主よ。呼び出しておいて即帰還せよとは、どういう了見だ。私は神の使い、ドラゴンなるぞ」

召喚士「俺が召喚したかったのは、獣人であって、ドラゴンではないんです」

ドラゴン「これはおかしなことを言う。我が主よ。この私、ドラゴンを呼ぶことができたのだ。さぁ、我らの時代を築こうではないか。お前は魔王にもなれるぞ」

召喚士「興味はない」

ドラゴン「ぐっ……。わからん! 私のどこが不満なのだ!! この鋼にも勝る皮膚!! 大地をも砕く牙!! 巨人すら慄く体躯!! そして!!」

ドラゴン「全てを焼き尽くす業火を吐くこともできる!! 見よ!!!」

召喚士「やめろ!!」

ドラゴン「ガオォォォォン!!!!!」ゴォォォ!!!!

兵士「逃げろー!!!」

側近「落ち着け!! 全員でかかれば倒せぬ相手ではない!!!」

召喚士「俺は貴方を従者とは認めない」

ドラゴン「……なれば、嫌でも私の主になってもらうぞ」ギュッ

召喚士「はなせ!!」

術士「まずい!! 召喚した術士がここで連れて行かれては送還ができなくなってしまう!!」

ドラゴン「どうだぁ!! 我はドラゴンなぁり!! こうして主を優しく握ることも可能なのだ!! フハハハハ!!!!」

―地下牢―

ゴゴゴゴ……!!

魔術師「なんの騒ぎだい」

兵士「大変だ!! ドラゴン!! ドラゴンが現れたぞ!!」

衛兵「なに!?」

魔術師「……」

衛兵「貴様か!?」

魔術師「は? あたしに何ができるってんだい」

兵士「そいつは関係ない!! ともかく急げ!! ひとりでも多くの兵がいるんだ!!」

衛兵「わかった!! お前はここにいろ!!」

魔術師「はいはい。どーせ、でれやしないよ」

魔術師(バカ弟子……無茶するねぇ……)

魔術師(本当にあたしを助ける気なのか)

魔術師「ちょっとは可愛いところあるじゃないか」

魔術師「……早く、きてくれよ。待ってるからな」

兵士「矢をはなてー!!!」

ドラゴン「フハハハハ!!! 効かぬ!! 通じぬ!! 我が肉を貫くには程遠いわ!!!」

術士「火を放て!!!」

ドラゴン「無駄だ! 無駄だ!!! 天の使い、ドラゴンに人間の魔術が届くと思うてか!!!!」

王「なんということだ……」

ドラゴン「我はドラゴン!!! 最強にして凶悪な種族!!! 我を超える生物など、この世には存在しないのだ!!!」

ドラゴン「ガオー!!!!」

司書「かっこいい!!」パチパチパチ!!!

王「おぉぉ……」

側近「陛下!! ここは危険です!! 早く、避難を!!」

ドラゴン「フハハハハ!!! 逃げ惑え!!! 下民共!!! 我を恐れろ!!!!」

召喚士「(そろそろです)」

ドラゴン「(うむ)」

術士「諦めるな!! 魔術を放て!!! 集中させれば勝機はある!!」ゴォッ!!

ドラゴン「あつい!! なにをする!! 火傷したらどうするのだ!!! バカヤロー!!!」ブンッブンッ!!!!

ドォォォン!!!

兵士「尾だけで、な、なんて、威力だ……」

術士「地面を……えぐった……」

ドラゴン「フハハハハ!!! んー? なんだぁ? 何か見えるなぁ」

魔術師「だれだ!! こらぁ!!! 瓦礫の下敷きになるところだったじゃないかい!!!」

召喚士「師匠……!?」

ドラゴン「これはこれは。前回の主ではないか。ここであったが百年目だ」ギュッ

魔術師「ちょ……!? なにすんだい!! この!!!」

ドラゴン「私を山に一人ぼっちにしただろう。毎日、寂しかったのだぞ!!!! わかっているのかぁ!!! えぇ!?」

魔術師「すみません!!」

ドラゴン「絶対に許さん!!! これからはずっと一緒に居てもらうぞ!!! 陽が昇り始めてから夜が明けるまでな!!!」

魔術師「わ、わかりましたぁ!!! だから、大声ださないでくださぁい!!」

ドラゴン「よぉし」

召喚士「なんか、すみません……」

側近「あの魔女だけはなんとしても殺せ!! 逃がせば世界中がドラゴンと魔女に怯えることになる!!」

普通にドラゴンが言ってることが可愛くて草

何を今更

ドラゴン「残念だが、ここまでだ。我は現主と前主と共に、国を作ることにする」バサッバサッ

王「と、とんだ……」

ドラゴン「追ってくるのなら、好きにしろ。ただし、我に焼かれる覚悟があるのならばな!!!」

側近「ぐ……」

ドラゴン「お前たちがこちらを攻撃するというのならば、我も自衛のために戦おう。だが、あまり推奨はしないぞ。互いに無傷では済まんからな」

ドラゴン「いや、人間の完全敗北は目に見えているか。こうして、我がの咆哮だけで縮み上がっているようではな!!」

王「うぅぬ……」

ドラゴン「案ずるな。我は主の命令しか聞かん。お前たちが戦を仕掛けてきたリ、主が魔王になることを決意したり、そういった事態にならぬ限りは、我からお前たちを襲うことはない」

王「そ、それを信じろというのか……」

ドラゴン「我、ドラゴンなり。嘘、吐かない」

側近「奴の戯言を聞くな!! 攻撃を――」

司書「ま、待ってください!!」

側近「なんだ!! 兵士でないものは下がっていろ!!」

司書「あのドラゴンはまだ一人も殺めてはいません!! ドラゴンの言うことは本当ではないでしょうか!!」

召喚士(あの人は……)

兵士「何を言っている!! 相手は化け物だぞ!!」

司書「ドラゴンは人に懐く生き物であり、従順であるとどの書物にも書いてありました!!」

術士「だから、なんだ!?」

司書「現にあのドラゴンは召喚主を握りしめているではないですか! あのまま握りつぶせば強制送還される心配もなく、自由になれるというのに!!」

王「……!」

司書「ドラゴンは高潔な種族です。たかが人間相手に嘘を吐くとは思えません」

ドラゴン「(予定外の支援者が現れたな。ご主人様の台詞を殆ど奪ってしまったではないか)」

召喚士「(あの人ともう少し早く、知り合っていれば、この街から離れるのを躊躇ったかもしれない……)」

魔術師「たかーい!!! こわい!! おろしてー!! いやー!!!」

司書「ドラゴンは確かに脅威的な存在です。でも、ああ言っているのなら、何もしなければきっと安全です」

兵士「しかし……」

ドラゴン「その人間の言うことを耳に留めておけ。さすれば、この世にドラゴンの恐怖が蔓延ることもない」バサッバサッ

魔術師「たかい!! たかいたかい!!! やめてー!!」

側近「ま、まて!!」

ドラゴン「さらばだ!!! フハハハハハハ!!!!!」バサッバサッ

これ師匠素で言ってそうな気がするww

術士「去っていった……」

側近「被害を報告しろ」

兵士「……死傷者、いません」

側近「むぅ……」

司書「ドラゴンを生で見れるなんて……この時代に生まれることができてよかった……」

側近「おい。貴様」

司書「は、はい?」

側近「貴様の所為で取り逃がしただろう。どう責任を取るつもりだ」

司書「わ、私は……その……ドラゴンの認識を改めてほしくて……」

側近「何を呑気な……!!」

王「待て」

側近「陛下!! この者を取り調べるべきです!! 魔女の内通者かもしれません!!」

司書「ち、ちがいます!!」

王「様子を見よう。ドラゴンが世界を相手に動き出さぬ限り、藪をつつく必要はない」

側近「……はっ。陛下がそうおっしゃるのでしたら」

―上空―

ドラゴン「どうだ、ご主人様。我の背中は。心地よいだろう」

召喚士「はい。そうですね」

ドラゴン「フハハハハ!!! そうだろう!! そうだろう!! ご主人様にはこれを体感してほしかったのだ!!! ドラゴンの乗り心地は凪の海よりも快適だ!!」

魔術師「きゃー!!! きゃー!!! おちる!! おちるー!!!」

ドラゴン「失敬だな!! 私が墜落するわけないだろう!!!」

魔術師「ひぃぃ……」

召喚士「もう、どこにも行けませんね」

ドラゴン「人間の住む場所へは。だが、それでいいのだろう? それとも未練が首を擡げたか」

召喚士「……いえ。これでいいんです。俺の守りたかったものは、全部守れました」

ドラゴン「ふんっ。ご主人様は結局、一つだけを守れたらよかったのだな」

召喚士「あの、なんか怒ってます?」

ドラゴン「怒っておらん。嫉妬しているだけなのだ」

召喚士「えぇ……?」

魔術師「ひぇぇ……もうだめぇ……うぅ……」

―孤島―

魔術師「う……ん……ここは……?」

ドラゴン「起きたか」

魔術師「ぎゃぁ!?」

ドラゴン「私の顔を見るなり悲鳴をあげるとは、失礼だな。とっても失礼」

魔術師「あ、ごめんなさい。えっと……」

ドラゴン「人がいない、未開の孤島だ」

魔術師「ついに世捨て人か。ま、お尋ね者にはちょうどいい身分かもね。で、バカ弟子は?」

ドラゴン「向こうだ」

魔術師「ん?」

召喚士「すぅ……すぅ……」

魔術師「もう朝だってのに、いつまで寝てんだろうね」

ドラゴン「師は12時間ほど気絶していたがな」

魔術師「急に高いところにいくからですよ!!」

ドラゴン「なんだ、魔女のくせに高いところが怖いのか。わっはっはっは」

この世界の魔法使いはホウキで空飛ばなそうだもんな

魔術師「……それで、どうしてこんなことに?」

ドラゴン「どうしてとは?」

魔術師「最初の予定では、あいつはドラゴン様を城まで連れてくることになっていたはずなのに」

ドラゴン「ご主人様の決断は早かったぞ。それはもう、とってもはやかった」

魔術師「決断?」

ドラゴン「師が禁術に手を染め、捕まったという話を聞いてすぐに、私のところへやってきたのだ」

魔術師「それで、全てを話したのですか?」

ドラゴン「ご主人様がどういうことなのか教えてほしいと言ったのでな。ご主人様には逆らえない」

魔術師「はぁ……」

ドラゴン「師の想いを聞いたら、ご主人様は――」


召喚士『師匠を助けます。手を貸してください』


ドラゴン「そんなことを言った」

魔術師「あいつが……? 戦争になる可能性は考えなかったかい、あのバカ」

ドラゴン「それも指摘した。だが、ご主人様の覚悟の上だった」

―山奥―

ドラゴン『師を助けるということは、人間と戦うことを意味する。それでもいいのか?』

召喚士『はい』

ドラゴン『矛盾している。ご主人様は戦を最も嫌っていたはず』

召喚士『違います。俺が一番恐れているのは、家族を失うことです』

ドラゴン『家族……』

召喚士『師匠は、魔術の師である前に、俺を助けてくれた恩人で、姉のような人なんです』

ドラゴン『なるほど……』

召喚士『師匠だけは、失いたくない。何があっても』

ドラゴン『他を犠牲にしても、助けたいのだな?』

召喚士『……それしか、手がないのなら』

ドラゴン『ご主人様。すまない。少し意地悪を言ってしまった』

召喚士『え……?』

ドラゴン『私にいい考えがある。聞いてくれるか』

召喚士『も、もちろんです!! 教えてください!!』

―孤島―

ドラゴン「用意してあった送還のための術式。そして私が努力して手に入れた『ご主人様を優しく抱きしめる』技術。この二つが融合した、完璧な作戦だったわけだ」

魔術師「まさか、あのへし折れまくってた大木は……練習のあと……?」

ドラゴン「言わないでくれ。照れるのだ」モジモジ

魔術師「ふっ……」

ドラゴン「どうした、師よ?」

魔術師「いえ。なんでもありません。ただ、良い弟子をもったな、と」

ドラゴン「誇ってよいぞ。何せ、ドラゴンを従える術士なのだからな」

魔術師「確かに」

ドラゴン「そして今日より、私のご主人様はこの島の主となるのだ!! ある意味、魔王といっても過言ではない!!!」

召喚士「ん……ふわぁぁ……」

魔術師「起きたかい?」

召喚士「師匠。おはようございます」

魔術師「寝坊だよ。師匠よりも遅く起きるなんて、何様のつもりだ」

召喚士「す、すみません」

魔術師「罰として食糧を探してきな!!」

召喚士「は、はい!!」

ドラゴン「師よ、何様のつもりだ。がおーん?」

魔術師「え……」

ドラゴン「師の腹を満たすためにご主人様がこき使われるなど、ありえん!!!!」

魔術師「は、はい!! その通りです!!!」

ドラゴン「自分で探して来い!!!」

魔術師「りょ、りょうかい!!」ダダダッ

召喚士「師匠!!」

ドラゴン「全く。師にも困ったものだ」

召喚士「師匠を怖がらせるのはやめてください!!」

ドラゴン「え……」

召喚士「全く」

ドラゴン「がおー……すまんのだ……。でも、私は、あれだ、ご主人様を想って……」

召喚士「……全員で探しましょう。そのほうがいいと思います」

見事な三すくみ・・・俺でなきゃ見逃しちゃうね

ドラゴン「ご主人様が戦を嫌っていた理由が、よくわかった」

召喚士「……」

ドラゴン「街や村が焼けるのを恐れていたのではない。戦が起きれば、師が死んでしまう恐れがあったからだな」

ドラゴン「師も城の術士である。戦になれば、借り出される。優秀な術士なら尚のことだ」

召喚士「……だから、戦は嫌いなんです」

ドラゴン「私のことも、それぐらい大切にしてほしいのだ」

召喚士「何を言っているんですか。貴方は既に家族にしちゃってますけど」

ドラゴン「師よりも大切にしてほしいのだー!!」ズンズンッ!!!

召喚士「してますから、暴れないでください」

ドラゴン「ほんとか?」

召喚士「本当です」

ドラゴン「可愛い獣人ではないが、いいのだな?」

召喚士「そこにも引っかかってたんですか……」

ドラゴン「当たりまえだ!!! がおー!!!」

召喚士「今は貴方を召喚できたことを神に感謝したいぐらいです。召喚で現れたのが貴方でよかった」

ドラゴン「ふん!! そんな言葉では騙されない!! 何故なら、我はドラゴンだからだ!!」ブンッブンッ!!!

召喚士「尾が暴れていますけど?」

魔術師「きゃー!!! むしー!! でっかいむしがいっぱいいるー!!」テテテッ

召喚士「師匠、これからここに住むことになるのに、大丈夫ですか?」

魔術師「……あ、あたしは平気だよ。あんたみたいな根性なしと一緒にしないでくれるかい?」

召喚士「すみません」

ドラゴン「そうだな。ここで我らが住むとなると、色々と用意せねばならんな。食料もそうだが、住む場所も必要になる」

魔術師「幸い、ここには自然だらけだし、自給自足はできそうだけどね」

召喚士「師匠。落ち着いたら、魔術のこともまた教えてください」

魔術師「あぁ? ったく、出来の悪い弟子はこれだから。覚悟しな。今まで以上に厳しくいくからね」

ドラゴン「ほう? 厳しくか。面白い」

魔術師「あ……ほどほどに厳しく……する感じです……はい……」

召喚士「あははは。師匠、気にしないで厳しく指導してください。貴方も脅さないように」

ドラゴン「がおー……」

魔術師「そ、それでこそ、あたしの弟子だよ!!」

―城内 中庭―

国王「――そして、二人と一匹のドラゴンは末永く幸せに暮らしましたとさ。おしまい」

姫「おもしろーい」

国王「いい話だろう。数百年前、実際にあった話とされている」

姫「そうなの!?」

国王「初代国王の話だ。私のおじいさんのおじいさん、そのまたおじいさんだな。どこまで本当かはわからんが」

姫「へぇー。本当かわからないんだぁ」

国王「あくまでも伝説だからな」

姫「じゃあ、わたし、もっと魔術を勉強して絶対にドラゴン様を召喚する!」

国王「何故だ?」

姫「だって、こんなに可愛いドラゴン様と仲良くなりたいもん! それにドラゴン様だったら本当かどうか知ってるかもしれないでしょ!?」

国王「可愛い……? ドラゴンは本来、恐ろしい生き物なのだがな……確かにこの絵本、少し愛らしく描きすぎているな……」

姫「わたし、可愛いドラゴン様を召喚するー!! がおー!!」



END

孤島に国を築いたのか…そしてそこに人民が集まったのか…
まあとにかくドラゴンは最高だぜ!
乙乙!

まてよ? その絵本には召喚のセリフも入ってるのか? いいのかそれ

乙乙

可愛かった楽しかった乙

最高だった!

乙!
まったくドラゴンは最高だぜ!

がおつ

終わってしまったか
すごく良かった乙

乙!
がおーがこんなにも可愛く感じるとは、凄く良い作品だった

がおー!!

最後まで、がおー可愛かった!!
クライマックスでマイペースな司書さんもよかったよ

乙!

おつがおー

乙!
立派なドララーになれました!

竜騎士「いやあ…ホントはカワイイ獣人の女の子を召喚したかったんだよねぇ…(トオイメ」



ドラゴン可愛かったわ

獣人の召喚術は完成したのかな?
あと初代王妃は誰かな

とぼけちゃってぇ・・・

ドラゴンは全ての生物のDNAと骨を持つという

人間と子作りぐらい容易いだろう?

おつがおー!
こんなかわいいドラゴンならもっと続けてもいいのよ?

乙!
とっても乙!


面白かった


続編待ってる


面白かった

下手に女体化とかしなくて安心したぜ!>>1乙!!

完結してたか

ほんと面白かった乙

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 11:36:53   ID: 7b7Z7CLB

めっちゃ面白かった

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom