スライム「スライムのオスです。やる気はあります。」 (216)

面接官「やる気はある……か。じゃあ、うちの会社はどんな仕事をしているか、詳しく説明してください。」


スライム「はい。現在、伝説となっているロトの勇者たちを倒し、世界征服をするという、大変立派な仕事です。」


面接官「なぜ、この仕事を希望したのですか?」


スライム「えーと。……御社の勇者を倒すという、大きな目標に感銘を受けたからです。」


スライム(希望した理由?そんなん給料いいからに決まってんだろ。)


面接官「この職場では、いろいろな部署がありますが、どの部署をきぼうしていますか?」


スライム「えーと………勇者を倒す計画をする、指揮官部署を希望しています。」


スライム(いや。指揮官部署はエリート中のエリートだけが行ける所だからなぁ……高卒の俺には絶対無理だわ。)


面接官「では、面接を終わります。後日結果を郵送します。」


スライム(終わったな…受かる訳がない。)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421034673

後日


スライム「おっ。結果来てる。」パサ…


スライム「なになに…我が社はあなたのやる気を評価し、アレフガルドの雑務2課として、配属する事を決定しました。」


スライム「ふぁっ!………ふざけんなよ……アレフガルドの雑務2課とか、死亡率90%の所じゃねぇか…」


スライム「まぁ別にいいかな…やりたい事とかないし……生きてても辛いしなぁ~この時代。」


アレフガルド地区 雑務2課


スライム「えっと……スライムです。よろしくお願いします。」


スライムベス「スライムベスです!ここに来たからには、バリバリ働いて行きたいと思います!」


スライム(お…あの子かわいな…)


ドラキー「ドラキーです。……あぁと…えぇっと……その……ネットが趣味です。」


スライム(うわ……コミ障かよ…気持ち悪。)


ゴースト「はいはーい。よろしくねー。先輩のゴーストでーす。」


スライム「あれ?先輩ってゴーストさんしかいないんですか?」


ゴースト「まぁ…はっきり言って使い捨てだからねーうちの部署。」


スライムベス「そんな……使い捨てなんて……」


ゴースト「まぁ、生き残りたいなら俺みたいににげちゃえばいいんだから。」


スライム(まぁ、そうだよな。逃げればいいや。)


ゴースト「あと一週間もすれば、出動命令がでるから。それまで好きにしてていいよ。」


スライムベス「え?好きにって……」


ゴースト「いや、だからさぁ適当にゲームとかやってていいから。」


スライムベス「そんな……」




スライムベス「ねぇ、スライムくん。どうしたらいいだろう?」


スライム(うおっ!いきなり話しかけてきた。)


スライム「え?いや、ほらどっか別の部署行ったりしたら?」


スライム(いやいやいやいや!他の部署は普通に忙しいから!なに変な事言ってんだよ!)


スライムベス「そうだね!よし!じゃあ他のところ行こうか!」


スライム(あっ…この子多分バカだな…)


アレフガルド地区 雑務1課


スライムベス「ねぇ。ここってさ、1課と何が違うの?」


スライム「え?あぁっと確かあれでしょ、2課ほど実戦命令が来なくて…どちらかというと会社の雑務をこなす部署だったはず。」


キメラ「お?なんだ?新入りか?」


スライム「あっ!すいません。雑務の1課じゃなくて、2課のほうで……」


キメラ「暇になって他の部署を見て回ってると………」


スライベス「わぁ!すごい!どうしてわかったんですか?」


キメラ「まぁねぇ、この年になると新人がやる事なんてよぉ、だいたいわかるんだよ。」


スライム「あ、でも、すいません。忙しい中。」


キメラ「忙しい?そんな訳がねぇだろ。雑務の1課も2課も同じ様なもんだ!合併させるっつー話もでてなぁ…」


スライム「あっ…そうなんですか…」


スライムベス「でも、こっちは結構魔物いるんですね!」


キメラ「確かに、新入り達の所ほど、実戦はねぇからなぁ~」


キメラ「あっ!じゃあ新入り!仕事ねぇんだろ?ならちょっと手伝ってくれよ!」


スライム「え?手伝い?」


アレフガルド地区 雑務1課倉庫


スライム「うわぁ……汚ねぇ……」


キメラ「はっはっは!うちの所は今回新人が不作でなぁ~こういう仕事任せる奴がいなかったんだよ。」


スライム「いや。さっき暇って……」


キメラ「それはそれ。これはこれ。まぁ、終わったら俺のおごりで飲みに行こうぜぇ~」

スライム「はぁ……なんか押し付けられたね。」


スライベス「いやいや!やっと仕事ができるんだよ!」


スライム(先が思いやられる………)


しばらくして……


スライム「ふぅ…終わったぁ~」


スライムベス「終わったねぇ~」


キメラ「おーい新入り!おわっ……うお!なんだこれ!ピカピカじゃねぇか!」


スライムベス「へへ。頑張りましたからね!」


キメラ「よし!じゃあ、酒場行って飲むか!今日は歓迎会も含め、パァーッとやるぞ!」


アレフガルド地区 どこかの酒場


キメラ「ほら。好きなの頼みな!」


スライム「すいません。」


スライムベス「よぉ~し!いっぱい頼んじゃうよぉ~」


キメラ「ところでよぉ~。新人たちはなんで雑務2課なんて入ったんだよ。若いのに。」グビグビ


スライム「いや。なんか、生きてても辛いじゃないですか。最近。」


キメラ「まぁ、もうそろそろ勇者もロトの剣をゲットしそうだしなぁ。俺たちの活動場所もどんどん小ちゃくなって…」


スライム「…それなら死んでも生きてても変わんないから、雑務2課で働いて…って。」


スライムベス「もうっ!暗いなぁ~スライムくん!」


キメラ「そういう嬢ちゃんはどうして入ったんだい?」


スライムベス「……私は……って私も暗くなっちゃうんですけど、おねぇちゃんがやられちゃったんですよ。勇者に。」


キメラ「そいつは……かわいそうに……」


スライムベス「ただ道を歩いてただけなのに……宿屋に泊まるGがないからって、おねぇちゃんを後ろから…」


スライム「そんな……酷すぎる。」


スライムベス「……あっ!ごめんなさい!暗くしちゃって、飲みましょう!パァーと!せっかくキメラさんのおごりなんだから!」


キメラ「そ、そうだな!じゃあ……」


一同「かんぱ~い!」



アレフガルド地区 酒場からの帰り道


スライム「あれ?ベスちゃん帰り道そっち?」


ベス「うん!すぐそこ!」


スライム「どうする?送る?」


ベス「ううん!いいよ別に。」


スライム「そっか……じゃあね!」


ベス「また明日~」


キメラ「おい!スライム!」


スライム「どうしたんですか?」


キメラ「お前……あの子ねらってんのか?」


スライム「えっ!……いやぁ~そういうのは……」


キメラ「嘘つくなって……いいぞぉ~恋は。俺も女房と子供ができて世界が変わったなぁ~。」


スライム「はぁ。」


キメラ「ま、生きがいを見つけるってのは実戦でも大事なんじやねぇ~の?俺は行った事ないから分からんがな。」


スライム(生きがいか……)


スライム(それから一週間はほぼ、雑務1課の仕事をした。ドラキーの奴は3日あたりから職場に来なくなってた。)


スライム(楽しかった…ベスとキメラさんと仕事するのは……でも、アレは突然来たんだ。)


スライム「おはよーございまーす。」


ゴースト「あい。おはよう。あっ。スライムくん!」


スライム「はい。どうしたんですか?」


ゴースト「来たよ。アレ。実戦命令。」


ベス「遂に……来たんですね……」



スライム(なんでだろう?入社した時は別に死んでもいいって思ったのに……)


ゴースト「ドムドーラにあるロトの鎧の事を勇者がしったみたいでね。それを食い止めるのが、うちの仕事だって。」


スライム「そ、そんな!そんな大事な仕事俺たちだけでやれっていうんですか?」


ゴースト「あーちがう違う!本格的に食い止めるのは、あくまのきしさんの所の特別戦闘第3課の人達だから。」


スライム「えっ……じゃあ僕たちは……」


ゴースト「あくまで、勇者のHPとMPを削りに行く捨て駒。」


ベス「え?……………そんな…そんなのって」うっ…うっ…


ゴースト「それじゃあ、出発は明日の朝だから。しっかり来てね。」


アレフガルド地区 雑務1課前


スライム「キメラさん……遂に……きました。」


キメラ「俺たちもだ。」


ベス「え?」


キメラ「今回ばっかりは雑務2課だけじゃ魔物手が足りないらしくてな……俺たち1課の方にも実戦命令が来た。」


スライム「そんな……」


キメラ「へへ。でも、あの特別戦闘第3課が来るんだから。案外生き残ったりしてな!」


ベス「そ、そうですよね!」


スライム「そうですよ!まだ、死んだって決まったわけじゃない!」


キメラ「そうだ!お前ら今日は俺の家来い!女房とガキに会わせてぇんだ。」


スライム「えぇ!ぜひ。」


ベス「わぁ~。楽しみです!」

アレフガルド地区 キメラの家


スラ・ベス「お邪魔しまーす。」


メイジキメラ「いらっしゃい。キメラの妻メイジキメラです。」


スライム「あっ。よろしくお願いします。」


スターキメラ「ぱぱー」


ベス「きゃ。かわいい。お子さんですよね!」


キメラ「まぁな、あと悪いんだが、実戦命令の事は家族に言わないでくれ。」


スライム「わかりました。」


スライム(キメラさんの家では、本当によく笑った。実戦命令の事なんて忘れて…。)


スライム(でも、楽しい時間はあっという間に過ぎた。悲しいほどに。)


翌朝 アレフガルド地区 ドムドーラ周辺


スライム「遂に……始まるんだよな…」


ベス「うん。なんか……怖いね。」


キメラ「よし。お前ら!帰ったら一杯どうだ?」


スライム「いいですね。……次もキメラさんのおごりですよ!」


ベス「もう遠慮しませんからねぇ~」


キメラ「ったく。給料は同じぐらいだっつーのに。」


1課A「きたぞぉー勇者だぁぁぁぁ!」


ドラキー「むりだ…死んじゃう…あぁ…死にたくない……」ブツブツ…


キメラ「お前らぁぁ!あと10分で特別戦闘第3課が来る!それまで時間を稼ぐぞ!」


スライム「あ、あと10分か……やるしかない!」


キメラ「行くぞぉぉぉぉぉぉ!」


一同「おおおおおお!」


勇者「クソッ!なんだ?結構な数がいるじゃねぇか!」


1課A「うぉぉぉぉ!くらえぇ!」スラッシュッ!


勇者「痛って……クソがッ!やりやがったな!」ギラッ!


1課A「ぐわぁぁぁ熱いぃぃぃ!」バタッ


1課B「行けぇぇえぇぇえ!みんなで攻めれば倒せるぞぉぉぉぉぉ!」


キメラ「バカ野郎ッ!全員で行ったら……」


勇者「くそぉぉ!ゴミモンスターがわらわらと……くらえッ!『ベギラマ』ッ!」


1課B「ぁぁぁあああああああ!」グシャ


スライム「そんな………そんな、もう半分も残ってない……」


キメラ「クソッ!まだ1分も経ってねぇぞ!」


勇者「よし。あとは5、6匹か………」


ドラキー「だめだ……もう……ロトの鎧も奪われて殺されるんだ……」ブツブツ…


スライム「し、死ぬのか…クソッ!まだ……死にたくないのに…」


ベス「うぅ……ごめんね。おねぇちゃん。もうすぐそっち行くと思う………」


キメラ「お、お前ら!しっかりしろよ!あと10分なんとしてでも稼ぐぞッ!」


勇者「くらえッ!」ブンッ


ベス「えっ?……」


スライム「ベスちゃんッ!」体当たりッ!


勇者「グオッ……テメェ、スライムごときが調子乗ってんじゃねぇぞッ!」


スライム(そうだッ!だめだ諦めちゃ……せめて、せめてベスちゃんだけでも……)


勇者「オラァッ!」ブンッ!


スライム「ぐっ……あぶねぇ…」


スライム(スライム特有の身かわし率の高さがあってよかったぜ!)


スライム「ベスちゃん!早く逃げるんだ!」


ベス「え?……そんな、でも……それじゃスライム君は…」


スライム「俺の事はいいから!はやくッ!」


勇者「なんつってんのかわかんねぇけど……死ねッ!『ギラ』!」


スライム(まずい!呪文は避けられ……)


キメラ「あぶねぇッ!スライムッ!」ボウッ!


キメラ「ぐ………はぁッ!」バタッ

スライム「キ……キメラさんッ!」


キメラ「ったく……もう若くねぇなぁ………お前と一緒に避けようと思ったんだけどよぉ……」


勇者「チィ!ミスったか……でも、今のうちに……」


キメラ「させっか!」ブンッ


勇者「な…なんだこれ……は!キメラの翼ッ!」


スライム「キメラの翼って確か……」


勇者「ぐぉぉぉぉ!ら、ラダトームに飛ばされるッ!」ギュウゥゥウン


スライム「と、飛んでいった……」


キメラ「ぐほぉ……キメラの翼ってよぉ…キメラにとっては命みてぇなもんでよ……ガハッ」


ベス「しゃ、しゃべらないでください!傷が……」


キメラ「へへッ。もう翼がねぇんだ。すぐ死んじまうよ………」


スライム「そんなッ!奥さんは?スターくんは?あなたが死んだら……」


キメラ「……ガッ!おい。スライム。俺の翼じゃ、力不足でラダトームまで飛ばせないと思う……10分稼げるかはわからねぇ……」


スライム「そんな事……」


キメラ「おいスライム。惚れたメスぐれぇ……自分で守れよ……………」バタッ


スライム「キメラさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!うぉぉぉぉおぉぉぉぉおおおお」


ベス「うっ…うっ……キメラさぁん………グスッ…グスッ」


スライム(泣いた。ともかく泣いた。動かないキメラさんの前で。何も考えなかった。何も考えたくなかった。でも………あの悪魔はすぐにやって来た。)


勇者「ゼェハァ……ゼェ…ハァ……キメラごときがぁ……」


ベス「ま、また……」


スライム「大丈夫だ。あともう少しで特別戦闘第3課が来てくれる。」


キメラ『惚れたメスぐれぇ……自分で守れよ……』


スライム(キメラさんッ!あなたとの約束。絶対守るッ!)


スライム「こっちだッ!」ピィー


勇者「なんだぁ?口笛なんか吹きやがって……まず、あいつからぶっ殺してやるッ!」


スライム(良し。これでギラの射程距離外を保ちながらにげれば……時間を稼げるッ!)

勇者「クソッ!あのスライムすばしっこく!」


スライム「ハァ……ハァ……あとちょっと…あとちょっとで……」


勇者「オラァッ!」剣投げッ!


スライム「なっ?……ぐぉぉぉぉお」グサァァ


勇者「よしゃ…これでぶっ殺せるぜ!」


スライム(ちくしょうッ!致命傷ではないけど……もう、走れないッ!」


勇者「これでなんとか……フンッ」


ビュンッ!


勇者「ッ!」盾ガード


勇者「なんだ……この斧は?」


あくまのよろい「チッ!殺り損ねたかッ!」


勇者「なっ………あくまのよろいだと?なんでこんな所に?クソッ!雑魚共のせいでHPとMPがッ!」


あくまのよろい「ふん……ここで勇者を討つぞぉぉ!」


特別戦闘第3課達「オォオォ!」


勇者「クソッ!まだまだ雑魚がいやがったかッ!」


スライム「よかった……助かった……」


勇者「ウォォォォォオッ!」ザシュ!ザシュ!


第3課A「ぐわぁぁぁあ!」


第3課B「クソガァァァアア!」


スライム「な…な…なんでだよ!」


あくまのよろい「うん?まだ捨て駒が残ってたか……オラッ!しっかり働け!なんのための命だっ!」


スライム「はぁ?………おかしいだろ……あんたなら…あんたなら倒せるんじゃねぇのかよ?あの勇者をッ!」


あくまのよろい「なにを言っている?勝率は五分五分だ。」


スライム「じゅ、十分じゃねぇかッ!なんで…戦わないんだよッ!」


あくまのよろい「ふん。あいつら捨て駒が隙を作って俺が一撃で決める……そういう戦法だ。わかったら、とっとと行ってこい!」


スライム「ふざけんなッ!なんで……魔物にまで……魔物にまでそんな扱いされなきゃいけねぇんだ!」


あくまのよろい「チッ!使えない捨て駒だ……」

スライム「捨て駒なんかじゃ………ない。」


あくまのよろい「ん?なんだと?」


スライム「捨て駒なんかじゃないッ!」


スライム「あいつらにも家族が居るッ!仲間がいるッ!お前と同じ一匹の魔物たちだッ!」


あくまのよろい「なるほどな……貴様のいう事はわかった。……だが、そんなのは綺麗事だ。」


スライム「くっ!くそぉぉお!」


勇者「ハァ……ハァ……粗方の雑魚は片付けたみたいだな……」


あくまのよろい「チィ!たいした隙も作れない雑魚共だな……仕方ない……俺が一肌脱ぐか……」


勇者「ハァ…ハァ……クソぉぉ…今の状態じゃ……でも、やるしかないみたいだな。」


あくまのよろい「フンッ!」ブンッ


勇者「クッ!」ガキーンッ!


ベス「スライムくぅぅぅぅうんッ!」


スライム「ベスちゃん!」


勇者「チィ!まだ増えるのかっ!」


あくまのきし「くらえッ!『ラリホー』ッ!」


勇者「しまっ……意識が……」


あくまのよろい「くらえッ!」ブンッ!


勇者「チクショォォオッ!くらえぇぇぇぇ!」会心の一撃ッ!


あくまのよろい「グハァ……な、なん……だと……これが、勇者の……力……か」ドサッ!


勇者「ハァ……ハァ……後は……お前ら2匹だけだ……」


ベス「あっ……あっ……勇者がまだ……生きて…」


スライム(クソッ!あっちもボロボロだが………こっちもさっきの傷が………」


勇者「ハァ……グッ!……うぉぉぉお!くらぇぇぇええ!」


スライム「くそぉぉぉぉお!こうなりゃヤケだぁぁぁぁ!」ボウッ!


勇者「な………………なんで……スライムごときが…ギラを………」バタッ


スライム(なんだ?……今の?俺がやったのか?ギラを………俺が唱えたのか?)


ベス「すごい……………すごいよっ!スライムくんっ!あの勇者をやっつけちゃったよっ!」

スライム(そこから先の事は覚えてない。次に気付いた時は翌朝でしかも病院だった。)


アレフガルド地区 雑務2課


ベス「あっ!スライムくん!良かった……退院したんだ。」


スライム「え?あぁ……まぁね。まだところどころ痛いけど……」


ゴースト「お疲れ~スライムくん。すごい活躍だったね~」


スライム「なっ……ゴーストさん!?あなた……生きてたんですか?」


ゴースト「いやぁ。また隠れてやり過ごしたんだよ~」


スライム「隠れてって……」


ベス「あっ!スライムくん!ちょうど今日の夜にキメラさんのお葬式があるんだよ。」


スライム「えっ?そっか……行かないとなぁ。」


ベス「今日は1課の人たちのデスク整理だって……」


スライム「………まだ、実感がないなぁ…キメラさんが死んだなんて……」


ベス「そう…だね。」


アレフガルド地方 雑務1課


スライム「1課の方は……誰もいないんだな……」


ベス「これを機に1課と2課が合併して、雑務課になるらしいよ。」


スライム「そうなんだ………さぁ、はやく終わらせちゃおうか。」


ベス「うん。」


ベス「結構、個人の性格が出るんだね。デスクって」ガサ……ゴソ…


スライム「本当だね。」ガサゴソ…


ベス「この魔物たちにも家族……いるんだよね。」


スライム「多分……」


スライム(その後もずっとこんな感じだった。初めて仕事がこんなに長く感じた。)

アレフガルド地方 葬式場


スライム「あっ…メイジさん。」


メイジ「うっ……うっ……スライムくん。ありがとね。忙しい中来てくれて。」


スライム「いえ……短い間ですけど、キメラさんにはお世話になったので」


スライム(本当に短いんだよな……たった1週間だ。………恩返しするには短すぎる。)


ベス「本当に………なって言ったらいいか……うっうっ……」


スライム「ベスちゃん……スター君は?」


メイジ「今は親戚の方が面倒を見てくれてます。」


スライム「そう……ですか……」


メイジ「あの………夫に実戦命令がきているのはしっていたんですか?」


ベス「はい………でも、キメラさんが……」


メイジ「口止め……してたんでしょう……」


スライム「えぇ。」


メイジ「ふふ……本当にあの人らしい……………。あっ。そろそろ帰る魔物が出てくる頃だから……それでは」


スライム「あっはい。それでは………」


ベス「今日はご焼香あげて帰らない?」


スライム「うーん……ちょっと一杯付き合ってくれないかな?」


アレフガルド地方 酒場


スライム「結局、一回しかキメラさんと飲めなかったね……」トク…トク…


ベス「そうだね……あれ?なんで3つもグラスが?」


スライム「キメラさんの分。」トク…トク…


ベス「そっか……そうだよね。約束したもんね!また3匹で飲みに行くって。」


スライム「…………いきなりだけどさぁ、俺の夢……聞いてもらえる?」


ベス「へ?夢?」


スライム「うん。こないだの勇者との戦いでできた夢なんだけど………」


ベス「なになに?教えてよ。」


スライム「…………魔物の楽園を作りたいんだ。」

ベス「え?楽園?」


スライム「うん。楽園だよ!誰も傷つかないような楽園!」


ベス「…………なんか、子供っぽいね。」


スライム「えっ?そうかな?結構本気だったんだけど…………」


ベス「でも………スライムくんならできるよ!きっと!」


スライム「……うん!ありがとう!よしじゃあ、飲もう!今日はのみまくろう!」


ベス「おーう!」


スライム「じゃあ、乾杯!」


ベス「かんぱーい!」


スライム「おおっとキメラさんとも……」チィン……


第1章 完!

乙!

まだまだ続くけど大丈夫かな?これ?
まぁ、がんばる。

楽しみにしてるよ


面白いな

>>18.>>20.>>21.>>22
ありがとう。マジで支えになる。

>>23
なぜかIDが変わってるけど、>>1だから。
機械オンチがこういうのやっちゃダメだな。

>>24
こことか2ちゃんとかの掲示板は日が変わったらIDも変わるんだよ
そして同一人物だと示す為にトリップというものを付けるんだよ
先ずはこことか読んどこうね
SS製作者総合スレ62 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420970960/)

第2章


スライム(勇者との戦いから、1ヶ月が過ぎた。)


スライム(雑務課には、いくつかの仕事は来たが、勇者との戦いほど危険なものはなかった。)


スライム(そして1ヶ月………それが意味する事。それは………)


スライム「給料日だぁぁぁ!」


ベス「うわっ!ちょっとスライムくん!出社するなり叫ばないでよ!」


スライム「いやぁ…やっぱり?テンション上がっちゃうよ!給料日なんだから!」


スライム(夢を語ったあとでも、ベスちゃんとの関係は変わってない。残念といえば残念だ。)


ゴースト「いやぁ~元気だねぇ~。スライムくん。」


スライム(このゴーストはクズだということがわかった。雑務課は、会社からの監視がないことをいいことに、俺とベスちゃんに仕事を任せ、ゲーム三昧だ。)


ドラキー「あの、おはようございます………」ガチャ


スライム(ドラキーは相変わらず会社に来なかった。それなのに給料をもらいにきたのだから、ムカつくったらありゃしない。)


ベス「おっ!今日は珍しいね!ドラキーくん!」


ドラキー「えぇ……やっぱり、給料日……なんで……」ジトジト


スライム(さらにベスちゃんをいやらしいっていうかなんというか、気持ちの悪い目でよく見てる。)


ゴースト「えぇ~とじゃあ、いきなりだけどお楽しみの給料!」


スライム「おぉ~。」


ベス「やっぱり給料は手渡しだよね!」


???「ちょっと待ってもらってもいいかね?」


ゴースト「むむ?どなた………しゃ、社長!」


竜王「悪いね……いきなり来てしまって。」



ベス「しゃ、しゃ、しゃ、社長さんっっ!?」


スライム(すご………社長って初めてみた……)


ゴースト「そ、それで……な、な、な、なんの御用でしょう?」


竜王「ああ。ちょっと人事異動をね。」





>>25
こういう事か?いろいろ読んでからにするよ。

スライムかっけえ
期待ワクワク

乙!

スライム「え?異動ですか?」


竜王「うむ。ここには、1ヶ月前に偉大な功績を残した魔物がいるからな。」


ベス「あっ!それってもしかして……」


竜王「あぁ。スライムくん。君は特別戦闘第1課に異動だ。」


スライム「えっ?」


ゴースト「はぁ。確か、特別戦闘第1課はエリート中のエリート達が集まる……」


スライム「指揮官部署と同等、いや。それ以上の………」


竜王「ああ。スライムくん。明日からは君もエリートの仲間入りだ。」


ベス「す、す、すっごぉぉぉぉぉおい!!!!スライムくんっ!すごい!さすがだよ!」


スライム「が……頑張ります!」


竜王「よろしい。それでは。」ガチャ


スライム(信じらんねぇ。俺がエリートの仲間入りとか…………)


ベス「スライムくん!もう会社早退して、飲みに行こ!もう朝まで飲も!」


スライム「いやいや……なんでベスちゃんがそんなに喜んでんの。」


ベス「やっぱり嬉しいよ!」


スライム「でも……よし!今日は会社早退しよう!行きたいところがある!」


ベス「いいね!どこ行くの?」


スライム「えっとね………」


アレフガルド地方 墓地 キメラの墓


スライム(やったよ。キメラさん。俺が特別戦闘第1課だぜ。死んでもいいとかバカな事言ってた俺が……)


ベス「フフ。スライムくんの言う通り、キメラさんにも報告しないとね!」


スライム「うん。」


メイジ「あら?スライムくんにベスちゃん?会社は?」


ベス「あっ!メイジさん!良いところに!実は今朝スライムくんが……」


スライム「もう。いちいち言わなくていいのに。」


メイジ「まぁ!すごいじゃない!そんなすごいところに昇進なんて!」


>>28,>>29ありがとう。

メイジ「でも、スライムくんがそんな良いところに昇進したなんて主人が知ったらどんだけお金を使ってくるかわかったもんじゃないわね………」


ベス「確かに!キメラさんなら、いろいろスライムくんに買っちゃいそうですよね。『昇進祝いだ!』なんて言って。」


スライム「ハハ。そうだね!」


メイジ「そうだ!二人ともこれから用事ある?よかったらうちでスライムくんの昇進パーティーを開きましょうよ!」


ベス「あっ!賛成です!」


スライム「え!あ、ありがとうございます!」


メイジ「それじゃ、早速うちに行きましょう。」


ベス「おー!」


アレフガルド地区 キメラの家


スター「スライムおじちゃーん!」


スライム「ハハ。だからおにぃちゃんだってば」


スライム(キメラさんのお家にはちょくちょく通っていて、今じゃスターくんも結構甘えてくる。)


ベス「スターくん!スライムおじちゃんえらくなったんだよ!」


スター「えー?なんで?」


スライム「もう!いいよ。いちいち言わなくて。それにおじちゃんじゃないし!」


メイジ「はいはい。あがってあがって。」


スライム「お邪魔しまーす!」


スター「いらっしゃーい!」


スライム(そこからは夜中になるまで、のみ、遊び、楽しく過ごした。1ヶ月前とは違って心の底から。)


アレフガルド地区 帰り道


ベス「それじゃあ……ヒック!…………また、あした……ヒック!」フラフラ……


スライム「だ、大丈夫?帰れる?」


ベス「帰れるかえれる………」バタ…


スライム「なっ……言わんこっちゃない。」


スライム(ベスちゃんの家には何回か行ったことがあるので、迷うことなくすぐ着いた。)


スライム「ふぅ……とりあえずベッドに寝かせてれば大丈夫だよな……」


スライム(改めてベスちゃんの顔を見ると、途端にあの言葉を思い出した。……いい思い出とは言えないあの言葉を……)

キメラ『惚れたメスぐれぇ……自分で守れよ……』


スライム「…………………守れなく、なるよな。」


スライム「俺が昇進したら……誰がベスちゃんを守るんだよ。」


スライム「そうだよッ!キメラさんとの約束…………破ることになるじゃないか………」


ベス「そんなことないよ………」


スライム「!?」


ベス「キメラさんは………絶対そういう意味で言ったんじゃないと思う。」


スライム「え?」


ベス「だって、あのキメラさんがスライムくんの昇進を喜ばないはずないじゃん!」


スライム「そう………だけど……でも……」


ベス「大丈夫!もし、またわたしに実戦命令が来ても………今度はわたしももっとがんばって、強くなるから!」


スライム「ベスちゃん……」


ベス「わたしも強くなって、特別戦闘第1課に必ず入る!そしたら………わたしをずっと守ってよ!」


スライム「…………………………」


ベス「だから……わたしが昇進するまで……わたしにも……スライムくんとキメラさんの約束を守る手伝いをさせて!」


スライム「ベスちゃん…………本当に…………本当にありがとう。」


スライム「おかげで悔いなく、特別戦闘第1課で仕事できるよ!」


ベス「ぐぅ………ぐぅ………」


スライム「え?……………今までの………………寝言?」


スライム(こうして俺は、昇進した。その先になにが待ってるかも知らないで…………………)

今日はここで終わり。
明日も更新できたらします。(日付的には今日だか。)

乙乙
面白いんだけど先行き不安で胃が痛いw
どうかスライムくんたちが報われますように……

>>36
《なるべく》ハッピーエンドになるように頑張る

アレフガルド地区 特別戦闘第1課前


スライム(うぅ……すごい緊張するな…どんな風に入ればいいんだろ?)


スライム「えぇい!ここでウジウジしてたら日が暮れる!」ガチャ


スライム「失礼します!今回、この特別戦闘第1課に配属された、スライムです!」


シーン


スライム(やばい………すべった。)


メタルスライム「えっと……よ、よろしく」


スライム「え、あ、はい!よろしくお願いします。」


メタル「僕はメタルスライム。多分君の一個上の世代かな?」


スライム「あっ……はい。」


スライム(爽やかで、いい人そうだな…)


メーダ「なるほどな………テメェがスライムか。」


スライム(な、なんだ?めっちゃ睨んでるぞ…………)


メーダ「俺はよぉ、キメラさんの後輩だったんだ。」


スライム「えっ!き、キメラさんの……」


メーダ「んでよぉ、聞くところによるとキメラさんはテメェをかばって死んだみてぇじゃねぇか。」


スライム「そ、それは…………」


メーダ「俺はテメェをゆるさねぇからな。」


スライム「ぐっ…………すいません。」


おおさそり「メーダ。やめておけ…………そいつも相当こたえてるんじゃないのか?」


メタル「そうだよ。スライムくんだって君と同じ思いだと思うよ。」


メーダ「チィ!」


スライム(……………確かにキメラさんが死んだのは俺の責任だよな…………)


ドラゴン「おい。新入り。」



スライム「は、はい!何ですか?」


ドラゴン「課長のドラゴンだ。メーダはああ言っているが、全員お前を歓迎しているよ。」


スライム「あ、ありがとうございます。」


ドラゴン「そうだ。お前なこの会社についてしっかり理解しているか?」


スライム「え?………あ、いや理解はしてると思います……」


ドラゴン「そうか……いや。いきなりこんな事聞いたのは、第1課は雑務課に比べ会社全体に関わる仕事が多いからだ。」


メタル「そう!だから、今日の内にこの会社について知っといた方が良いと思うよ。」


スライム「わかりました。」


ドラゴン「よし。じゃあおおさそり!ホワイトボード持ってこい!」


おおさそり「…………わかりました。」


ドラゴン「まず。ここの会社の商売の仕方を復習するぞ。」


スライム「えっと……確か、勇者を倒して……」


ドラゴン「まぁ、それは目標みたいなものだな。」


ドラゴン「うちの会社は人間の村を侵略し、その土地を他の魔物に売るという仕事が主体だ。」


メタル「まぁ、給料はかなり良いんだけど文字通り命がけだからね。」


ドラゴン「 次は俺たちの居る特別戦闘課についてだ。」


ドラゴン「特別戦闘課は3つある。俺たちの居る第1課、ゴーレム課長がいる第2課、そして、お前が一緒に戦った第3課。」


スライム「第3課………」


メーダ「あそこはクズの集まりだった。全滅して当然だ。」


スライム(確かに………あそこはクズばかりだった。)


ドラゴン「おいおい。愚痴は飲みに行った時にでもしてくれ。」


ドラゴン「特別戦闘課が3つに別れているのは、役割を決めるためだ。」


ドラゴン「第1課は人間の領土の侵略。第2課は現時点での魔物の領土の警護。第3課は勇者の抹殺。」


スライム「じゃあ、第3課は……」


おおさそり「まぁ、解散だっただろうな。今はもう誰も所属していないが。」


ドラゴン「まぁ、このくらいの事がわかれば仕事に支障はでないだろ。」


スライム「あの……ここでの仕事のことを詳しく……」


ドラゴン「まぁ、雑務課と仕事は大して変わらない。実戦命令に従って生きて帰って来る。それだけだ。」


メタル「でも、実戦命令は雑務課より多いと思うよ。」

スライム(特別戦闘課の先輩たちはとてもいい魔物たちばかりだった。)


スライム(メーダさんも口ではあぁは言うものの、結構面倒を見てもらっている。)


スライム(そして俺が第1課に昇進して2週間後。俺の運命を決める出来事が起きた。)


スライム「おはようございます!」


メーダ「おいスライム!テメェ先輩より遅いったあどういう事だ!」


メタル「はいはい。メーダはスライムくんが遅くて寂しいんだよねー」


スライム「えっ……そうなんですか?」


メーダ「んなわけねぇだろッ!」


おおさそり「ふぅ……お前らは朝から元気だな。」


ドラゴン「おいお前ら緊急の実戦命令が来た!」


スライム「え?緊急ですか?」


ドラゴン「あぁ。どうやら、ラダトームの国王がローラ姫の居場所を知り、兵を送ったようだ。」


メーダ「なるほど……俺たちゃその兵を全滅させればいいんですね?」


ドラゴン「あぁ。もうすでに出発しているようだ。俺たちも急いで沼地の洞窟に行くぞ。」


1課「はい!」



ラダトーム地区 沼地の洞窟周辺


ドラゴン「おい。スライム。」


スライム「は、はい!どうしたんですか?」


ドラゴン「作戦を立てろ。」


スライム「え?僕がですか?」


メーダ「いやいや!ドラゴンさん!こいつまだ、入って2週間ですよ!」


ドラゴン「いや。この2週間でのスライムの仕事を見ていたが、お前には指揮官の素質がある。………できるか?」


スライム(……いやいやいや!いきなり作戦たてろって…………でも……)


スライム「できます!」


ドラゴン「良し。よく言った。」


スライム(でもなぁ……作戦なんてどうやってたてれば……)


スライム(…………多分戦場は洞窟になるよなぁ………………あっ!この作戦なら。)

戦闘パートは地の文を入れていこうと思う。

スライム「あの……暗闇を利用するってどうですか?」


メタル「暗闇を?」


スライム「人間は洞窟の中だと、暗くて周りが見えないじゃないですか!」


メーダ「バカじゃねぇのか?人間は松明を使ってくるぞ。」


スライム「だからですよ!いきなり松明が消えたら全員パニックになりますよ!」


おおさそり「確かに………そこを攻撃すれば簡単に全滅させられるな。」


ドラゴン「よし。ならその作戦でいこう。」


スライム「えっとじゃあ、メタルさん。松明消してもらってもいいですか?」


メタル「任せてよ!スピードには自信があるからね!」


おおさそり「俺たちは何をすればいい?」


スライム「松明が消えて、人間がパニックになった瞬間、攻撃してください。」


メーダ「おい。人間の気配が近くなってきた。隠れるならとっととするぞ。」


スライム「わかりました。」

スライム達は急いで洞窟へと入っていった。


メーダ「おいスライム!テメェの作戦でなにかあったらわかってんだろうな!」


ドラゴン「そうだスライム。この実戦命令が終わったらのみに行くか。お前の歓迎会してなかったしな。」


メタル「ちょっとドラゴンさん。それ死亡フラグですよ。」


ザワザワ……ざわざわ……


人間の話し声が聞こえるとスライム以外の第1課は即座に影に隠れた。


メーダ「おい!テメェが不意打ちっつたんだろ!とっとと隠れろよ!」


スライム「す、すいません!」


スライム(いやいや。あんなスピードついていけるわけないだろ………)


スライムも角に隠れた。すると、ラダトームの兵士達が松明を掲げ洞窟に入って来た。


スライム(メタルさん。こっちで合図出すので、よろしくお願いします。)ヒソヒソ……


メタル(オッケー!)ヒソヒソ……


ラダトームの兵士達は周りを警戒しながらゆっくりと歩いて来た…………そしてスライムのいる角を曲がろうとしたその時……


スライム(メタルさん!ゴー!)


メタル(ラジャー!)


ラダトームの兵士達の周りに風が起きる。洞窟の中で吹くはずのない風にラダトームの兵士達は驚く。そして次の瞬間…………全員の松明が消えると共に兵士達は地面に倒れていた。


メーダ「オラァ!ぶっ飛ばしてやるぜぇ!……………って、メタル!テメェ1人で全員倒しちまったじゃねぇか!」


メタル「ゴメンゴメン!勢い余ってつい…………」


スライム(マジで化け物じゃねぇか………あんな一瞬で大勢の兵士を……)


ドラゴン「よし。それじゃあローラ姫を別の場所に移して今日は終わりだ。」


おおさそり「…………………おかしいな。まだ人間の気配が……」


メーダ「確かに……でも動いてねぇな……」


メタル「OK!じゃあ、僕が見に行ってくるよ!。」


スライム「あっじゃあ僕も行きますよ!」


ドラゴン「わかった。おおさそり、メーダ行くぞ。」


おおさそり「わかりました。」


メーダ「はいはーい。スライム、メタル!さっさと行ってこい!」

メタル「おーい!スライムくーん!早くしなよ!置いてくよ!」


スライム「いやいや!早すぎですよ!メタルさん!」


スライム(っていうかさっき言ってた人間の気配ってなに?美味しいの?全然感じないんだけど!)


メタルにグングン差をつけられていくスライム。メタルが角を何回か曲がったあとは完全に見失っていた。


スライム「はぁ…はぁ……疲れた。どこだ…メタルさん。」


その時。スライムの背後から何か音がした。


スライム「なんだ?メタルさんかな?」


スライムは音が鳴った方の角を曲がっていった…………そこにあったのは
血だまりに倒れたメタルスライムの姿だった。

スライム「え……メタルさん?」


返事はない………


スライム「メタルさんッ!」


メタルスライムの容態を確かめる為にスライムはメタルスライムのところに駆け寄ろうとした……その時だった。


ブゥンッ!


スライム「ッッッ!!!!」


スライムの前に剣が振り下ろされた。
その剣は………あの悪魔の物だった。…………あのキメラという大事な魔物を奪ったあの悪魔の………


スライム「なんで………なんで……お前が生きてるんだよッッッッ!!!!」


勇者「よう。クソスライム。」


そこに立っていたのは1ヶ月前にスライム自らが倒したはずの勇者だった。


勇者「おいおい。俺の事忘れたんじゃねぇだろな?」


スライム(あの時完全に死んでいたはずだ!なのになんで……)


勇者「へっ!俺はよぉ、ラダトーム王のふっかつの呪文のおかげで生き返る事はできたものの、1度死んでしまったせいでせっかく集めたGは半分に、そして………」


勇者は剣を振り上げ、そして………振り下ろした。


スライム「ぐおっ!あぶねっ!」


勇者「ノーコン記録が破れちまったじゃねぇかッッッ!!!」


ブンッ!ビュン!


勇者は次々とスライムに向かって剣を振るう。


スライム(クソッ!剣のスピードが1か月前とは段違いにはやいッ!このままじゃスタミナが……)


勇者「オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!」


スライム「はぁはぁ……」


勇者「ふん。」


ピタッ……………


スライム(な、なんだ!?)


勇者はいきなり剣を振るう手を止めた。


勇者「お前に新技を見せてやるよ………」


そういった勇者の右手にとてつもない熱の塊が現れる

スライム「ま、まさか………ベギラマ?」


勇者「正解だよ……くらえッ!ベキラ……ッ!」


勇者の背後に強烈な風が起きる


勇者「ガハッ!………グッ……」


風が吹いたと勇者が感じる前に勇者の背中には激痛と衝撃が伝わっていた。
その痛みは凄まじく、勇者は剣を落とし地に膝をつけた。


スライム「な………なにが……」


スライムが言い終わる前に勇者の周りに風が吹き荒れる


勇者「ぐわぁぁああ!」


背中の一撃すら地に膝をつけるレベルの攻撃が勇者の全身を襲う


スライム「まさか!」


スライムは確認すると共に確信した。

血だまりの中にメタルスライムの姿は無かった………

今日は終わり!
この宣言の需要があるか誰か教えてくれ……


少なくとも俺にはある


まああるに越したことはないんじゃない?

終わりの宣言のこと言ってんなら必要
途中なのか寝落ちなのかわからんし


あった方しか分かりやすい

>>51.>>52.>>53.>>54
ありがとう。
宣言はこれからも続けるわ

メタル「ごめんね!でも、不意打ちはそっちもやったんだからおあいこだよね?」


スライム「メタルさん!」


メタルの攻撃を受け、意識も朦朧としている勇者はモゴモゴと言った


勇者「くそ………『ベホイミ』」


勇者のその一言で体の傷は全て消え、勇者の声もしっかりと芯の通っているものになった。


メタル「やばいね………こっちは回復呪文が使えないからな…………よし!」


メタルは決断すると、スライムを掴み言った


メタル「逃げるよッ!」


スライム「え?え?」


スライムの返事を待たないまま、メタルは韋駄天の様な速さで洞窟内を駆け抜けた。


スライム「ぐぉぉぉぉお!」


スライム(ふ、風圧が………やばぁぁい!)


メタルの圧倒的スピードにより、2匹は洞窟の外に出る事ができた。


メタル「はぁ……はぁ………なんとか……逃げれた……かな?」


スライム「や……やりましたね…………ってメタルさん!血が……」


メタルの勇者の攻撃によって受けた傷は、スライムを助ける為に勇者を攻撃した時とついさっきの逃走による無理な駆動によって完全に開いてしまっていた


メタル「はは……。グフッ!……ちょっとヤバいかも……」


メタルの顔色はみるみる悪くなっていく……


スライム(ど、どうすれば………ともかく!第1課の魔物たちなら………)


その時………勇者はリレミトによって洞窟の外に出ていた。


勇者「見つけたぜ!」


勇者はスライムたちを見つけた途端に持っている剣を振るった


ガキーン


勇者「チィッ!やっぱりこのメタルスライム雑魚じゃねぇな……」


メタルは自らの鋼鉄の体をあえてぶつける事で勇者の剣を防いだ。


メタル「早く逃げて……スライムくん!」


スライム「で、でも………」


メタル「大丈夫!危なくなったらすぐ逃げるから!」


スライム「な、なにを言ってるんですか!メタルさんもう、体動かすだけで辛そうじゃ……」


メタル「いいからッ!はやくッ!」


スライム「でも………」


???「あぁそうだぜ!ここは俺たちに任せなッ!」


勇者の背後から、謎の光線が空を走る


スライム「メ、メーダさん!」


メーダ「帰りが遅いと思って探し回ったら案の定…ヤベェ奴とぶつかったみてぇだな………」


メーダ「俺が時間を稼ぐ!スライム!メタルを連れて反対の方の出口に行け!そっちにドラゴンさんたちが居る!」


スライム「わかりました!」


スライムはメタルを担ぎ急いで洞窟の中へと入って行った………


勇者「行かせるかッ!」


勇者はスライムに向かってベギラマを放とうとする……だか、


メーダ「おおっと!こっから先は俺が相手だよ!」


メーダの光線により邪魔をされる


勇者「ずいぶんとチームプレイがお得意の魔物さんだな……」


勇者は完全にメーダを殺す体勢になる……
メーダもそれに応じて構えをとる………


メーダ(ヤッベェ……大見得きったけど………死んじゃうよ……1匹じゃ……)


お互いに緊迫した空気が張り詰める…………


勇者「フンッ!」


勇者の一閃によって戦闘は開始された。

勇者は次々と剣を振るう。だが、メーダはそれを滑らかな動きで躱していく。


メーダ「オラァッ!」


メーダも防御だけではない。
硬化させた触手で勇者に攻撃をする。


勇者「グッ!…….あぶねぇッ!」

ごめん。今日はちょっと忙しくてこれだけしか投下できん。
スイマソ

勇者「フンッ!」


勇者は残像を作りながら、メーダへと攻撃する。
メーダはそれを丁寧にさばいていく。
一見すると互角の戦いに見えるが、メーダにはわかった。


メーダ(攻撃に移れない………このままじゃ押し切られる!)


だが、勇者の剣を振るう腕は止まらない


メーダ「しゃねぇ!ここは捨て身の作戦だッ!」


メーダは大きく後ろに飛び退き、洞窟の中へと走っていく………


メーダ(これで奴が呪文を発動させれば……)


勇者「待ちやがれ!!『ベギラマ』ッ!」


勇者の右手から、巨大な熱光線が炸裂する。


メーダ「なっ……ベキラマ使えんのかよ!?」


メーダにとって勇者がベギラマを使えるのはかなりの問題だった。
メーダの作戦は勇者が放ったギラをあえて受け、そこから発生した土煙に紛れて逃走するというものだった。
だが、ベギラマではいくらメーダほどの実力者でも粉微塵になってしまうほどの威力を持つ。


メーダ(こうなったら…………背に腹は変えられない!)


瞬間、メーダにベギラマが炸裂する。


勇者「よし……なんとかなったな……………ん?」


ベギラマが巻き起こした土煙の奥には、ベギラマが直撃したはずのメーダが立っていた……


勇者「な!?確かにベギラマは当たったはずなのに………」


メーダ「グッ………いくら硬化したっつっても……ダメージはあるな……」


そう。メーダは勇者を攻撃した時の様に体を硬化して、擬似的なアストロン状態になったのだ


勇者「だが、ダメージはしっかり食らっている様だなッ!ここで終わりだッ!」


勇者は先程開いた距離を一気に詰める。
そして、流れる様な動作でメーダに斬りかかる


メーダ「オォォォォ!」


メーダもぼんやりとはしていない。すぐさま、勇者の剣をさばきカウンターに入ろうとする


勇者「かかったな……」


勇者はニヤリと下衆な笑みを浮かべ呪文を唱える


勇者「『ラリホー』ッ!

途端にメーダを強烈な眠気が襲う


メーダ「ま、まずい!意識が……………」


抵抗虚しく、メーダは意識を失ってしまった…………


勇者「ふぅ………これで終わりだッ!」


勇者は意識を失ったメーダに剣を向ける。
だが、勇者は忘れていた………メーダが『ここは《俺たち》に任せな!』と言った事を……


バサバサ……


勇者「うん?」


勇者がその羽音に気がついた時は遅かった。
すでに洞窟内には無数のドラキーマが勇者とメーダを囲んでいた


勇者「な、なんだ!このドラキーマの軍団はッ!」


ドラキーマ「行けぇぇぇえ!メーダさんを回収し、反対方向の洞窟出口まで守りきるぞぉぉぉぉお!」


一匹のドラキーマの指示により、ドラキーマの軍団は即時に動いた 。
一匹は勇者に噛みつき、
一匹はメーダを抱え、
そして多くの犠牲を払いドラキーマ軍団は勇者からメーダを救った。


スライム「なっ!?メーダさん!」


血だらけのドラキーマに抱えられたメーダをスライムが発見し、第1課は一時撤退ということで会社へと戻って行った……


アレフガルド地区 特別戦闘第1課


ドラゴン「それで……今回の損傷は、メタルとメーダだけか……」


メーダ「いや。俺を助けてくれたドラキーマたちはかなりの数が死んじまいました…………クソッ!俺が油断しなければッ!」


ドラゴン「確かにそうだが………今はもうどうする事もできん。」


スライム「あ、あの……あのドラキーマ軍団は一体なんだったんですか?」


メーダ「……たまたま居た環境調査課の奴らだよ。」


スライム「そ、それがなんで……」


メーダ「最初はちょっとした援護を頼んだんだが…………あんな無茶しやがってッ!」


メタル「最初は怖くて動けなかったんだけど、メーダが死にそうな所を見て…………って所かな。」


おおさそり「おい。今は犠牲者の追悼式じゃない。あの勇者がどうして生きているのか、それをスライムに聞くべきだろ?」


ドラゴン「確かにな……おいスライム。勇者が死んだのはしっかり確認したんだよな。」


スライム「はい。ですが、勇者側にはふっかつの呪文というのがあって………」

おおさそり「あぁ……聞いた事があるな……勇者には光の加護あって、邪悪なる者に殺された時、蘇る方法があると」


スライム「えぇ。たぶんその言い伝えの通り、邪悪なる者。つまり俺という魔物に殺されても奴は生き返る事ができる………」


メーダ「なっ!それじゃあどうやっても俺たちじゃあのクソ野郎を倒せねぇのかッ!?」


ドラゴン「いや……ふっかつの呪文を唱える者さえ居なければ、あの勇者も生き返る事はできないはずだ」


おおさそり「だが、その呪文を唱える人間がどこにいるのか分からんな……」


スライム「そ、それは確か……ラダトーム王だったはずです!」


メタル「確かにそんな事言ってたっけ……」


メーダ「じゃあ、ラダトームに行って王をぶっ殺しに行けばいいんだな!」


メタル「まぁ、そういう事になるね………」


おおさそり「ならば、会社の方に申請してラダトームに攻め込もう。」


スライム「待ってください!」


おおさそり「なんだ?」


スライム「勇者はルーラでラダトームに瞬間移動する事ができます。もし、攻め入った事が勇者にばれたら作戦の難易度は跳ね上がります!」


ドラゴン「確かにな………」


メーダ「あん?そんなの一瞬で片付ければいい話なんじゃねぇのか?」


メタル「残念だけどラダトームあたりのデカイ王国になると、城門に聖水を使ったタイプの結界があるから、勇者の方に連絡が行く可能性は結構高いよと思うよ。」


メーダ「そ、それなら連絡兵を……」


メタル「なんでローラ姫を誘拐したか覚えてる?ラダトームの王族は、勇者になんらかのテレパシーの様なものを送れるからだろ?」


メーダ「確かに……それで場所を知らせて勇者を袋叩きにするっていう作戦だったな……」


おおさそり「なら、国王も勇者とテレパシーができると考えられるな。」


ドラゴン「なるほど……なら、二手に別れなければならないな……………」


スライム「ですが……2匹や3匹で勇者は倒せないとおも………」


ドラゴン「魔物の数は会社に言って他の部から呼んでもらう。」


メタル「作戦はどうしますか?」


おおさそり「作戦はもう一度スライムが考えたらどうだ?」


メーダ「おい!今度はただの兵士とは相手の格がちげぇんだぞ」


ドラゴン「いや。やるかやらないかはスライムが決める事だ。」

続きは今日の夜で!

ごめん。今日は寝落ちするかも……


スライム(できるか?………俺なんかに?でも………これはチャンスでもあるんだよな……)


スライム(俺が………俺がやらないと……キメラさんみたいに誰かが死ぬかもしれない!)


スライム「やります!僕にやらせてください!」


メタル「でも大丈夫かい?いきなり作戦考えろって言われてもさ、」


スライム「実は1ヶ月前の実戦命令から考えてる作戦はあるんですが………」


ドラゴン「ほう、どんな作戦だ?」


スライム「それは……他の課の魔物達も集合してからでいいですか?」


ドラゴン「……なるほど。わかった。おおさそり会社に申請した後、他の課の魔物達をここに集合させる様に言ってきてくれ。」


おおさそり「わかりました。」


3時間後……


おおさそり「遅れました。全員この部屋に集めてきました。」


ドラゴン「ご苦労様。こっちもメタルとメーダの治療が終わった頃だ。」


スライム「えっと………じゃあみなさん。このホワイトボードをみてください。」


ベス「あっ!スライム君だ!」


スライム「なっ!?ベスちゃん!?」


スライム(まずいなぁ………でも、この作戦なら大丈夫だろう……たぶん。)


メーダ「オイッ!スライム!メスとイチャイチャしてんじゃねぇ!」


ベス「イチャイチャしてません!」


メーダ「な、なんだよ!お、俺の方が上司なんだからな!」


メタル「はいはい。スライムくん。作戦の説明始めてもらっていい?」


スライム「わかりました。」


スライム「えっと……今回の作戦は数に物を言わせて勇者を圧倒するという作戦です。」


おおさそり「それは今までやってきた事じゃないか?」


スライム「いえ。今回はチームを組んで戦います。」


ベス「チーム?」


スライム「うん。4つほどのチームをローテンションして勇者と戦うっていう感じだね。」

スライム「1つのチームで誰かが危なくなったら次のチーム。それがダメなら次のチームって」


メーダ「でもよぉ……それなら全員で一気に襲いかかった方がよくねぇか?」


スライム「いえ。ここにいる14匹が勇者1人に襲いかかったら、必ずチームワークに支障がでます。勇者はその支障をつかないほどバカではないと思うんです。」


おおさそり「なるほどな……」


ドラゴン「ならば、早速チーム分けをしよう。」


ベス「あっ!わたしスライムくんと同じチームがいい!」


メーダ「おい!遊ぶ訳じゃねぇんだぞ!」


ベス「もう!さっきからなんなんですか?うるさいなぁ!」


メーダ「あぁン?テメェ誰に……」


メタル「ほら、チーム分けするから騒がない!」


ドラゴン「おぉっと、待ってくれ。」


スライム「どうしました?」


ドラゴン「俺とあと1匹ラダトームへの攻撃に欲しい。」


スライム「え!?2匹だけで大丈夫ですか?」


メーダ「大丈夫に決まってんだろ。あのドラゴンさんだぞ。」


メタル「これに対しては心配はいらないよ。ドラゴンさんはこの会社のトップクラスの実力だ。城一個落とすぐらい簡単だと思うよ。」


ベス「そ、それならドラゴンさんが勇者を倒せば……」


スライム「今回の目的はあくまでラダトームを潰して勇者が復活するのを防ぐっていう事だからドラゴンさんが行くべきだと思う。」


ベス「そっかぁ……」


スライム「そうだ!ベスちゃんドラゴンさんのサポートにまわったら?」


ベス「え?」


スライム「だってベスちゃんは実戦はあまり得意じゃないけどサポート葉得意でしょ?」


ベス「そうだね……でもわたしだけそんないいのかな?」


メーダ「オメェみたいなのはドラゴンさんにしぼってもらうんだな。」


ベス「なに?先輩は嫌味しか言えないんですか?」


メーダ「なんだ……」


メタル「うるさい。」

スライム「では、チームを決めたいと思います。」


スライム「チームは第1課の方々をリーダーにし、4匹構成です。」


おおさそり「責任重大だな……」


スライム「最後に………実戦経験がない魔物達に伝えたいのですが………」


スライム「確かに勇者は怖いです!とんでもなく強い悪魔です!でも……決して無敵ではないんです!ぼくらが協力すれば必ず勝てます!」


スライム「みなさん…………勇者を倒しましょうッッッッ!!!!!!!」


一同「オォオォォォォォォォッッッ!!!!!」


ドラゴン「よし。出発は今日の日没だ。」


日没後…………


辺りは完全に暗闇が支配していた……
人間達は不安を覚えるこの暗闇は逆に魔物達に勇気を与えていた。


メーダ「おい!ローラ姫!さっさとテレパシーで勇者を呼べよッ!」


ローラ「い、いやですッ!絶対に魔物に協力などしませんッ!」


メーダ「しゃあねぇなぁ……」


メーダは硬化した触手をローラに見せつける……….


メーダ「殺さなきゃ、痛めつけてもいいんだよなぁ?」


メタル「あまりやりすぎないでよね……」


メーダ「大丈夫だよ。」


メーダの硬化した触手がローラの腕を切り落とそうとしたその時……


勇者「止めやがれッ!」


勇者がどこからか剣を投げ、メーダの攻撃からローラを救う


ローラ「勇者様ッ!」


メーダ「痛ってぇなぁ……」


スライム「み、みんなッ!チームに別れるんだッ!」


全員スライムの指示でそれぞれのリーダーの所へと向かう
だが、ちゃんとチームの体勢になる前に勇者は弾丸の様にスライム達の元に飛び込んでくる。

おおさそり「おいッ!俺のチーム!悪いがトップバッターは俺たちだッ!」


おおさそりは自らの尾を高速で動かし、勇者の剣を叩き落す


勇者「ぐおぉぉおぉ!右手がぁぁ!」


あまりの激痛に一瞬勇者の動きが止まる。
おおさそりのチームはそこへ一気に攻撃を繰り出した。


勇者「ぐぁあぁあ!……ま、まずいッ!『ベホイミ』ッ!」


だが、勇者の傷はまたたくまに回復した。


おおさそり「クソッ!」


おおさそりはひるむ事無く勇者の喉元に自らの尾を刺しにいく。
勇者はそれを近くに落ちていた自らの剣でガードをする。


おおさそり「怯むなッ!ベホイミを唱える余裕すらないほどの攻撃をあびせろッ!」


勇者「チッ!」


おおさそり達の四方八方からの攻撃に勇者の体力はみるみる削られていく……


ローラ「ゆ、勇者様!」


勇者「うぉぉぉお!」


勇者は自らの腕を鞭の様に振り回し、魔物たちとの距離を離す。


勇者「ローラ姫ッ!」


勇者はローラを抱え、安全な所まで避難させる。


勇者「逃げてくださいッ!ローラ姫ッ!」


ローラ「嫌です!!!わたしはここであなたの勇姿を見ていたいのですッ!」


勇者「………ならば見ていてください。わたしがあの汚らわしい魔物を倒す姿を!」


メーダ「誰が汚らわしいだぁぁぁぁぁッ!」


おおさそりのチームと交代したメーダ達は背後から勇者に襲いかかる


勇者「悪いが……負ける訳にはいかないんだよッ!」


勇者の剣が恐ろしいぐらいの速さでメーダの脳天を目指し、振り下ろされた。
メーダはそれを全力で払い落とす


メーダ「ぐぉぉ!痛ってぇ!!」


勇者の剣はメーダを追い詰める。


メーダ「ヤベェ!メタルッ!交代!」

キリが悪いがここで終わり。
このままだと寝落ちする…………

スライムの作戦テンション下がってしまってるで

>>76
ごめん。これから試行錯誤して頑張ってく。
アドバイスとかあったらぜひ。

更新は夜遅くになる

>>78
いやいや>>68のスライムの最後の台詞がローテンションってなってるからちょっとツッコンだだけで展開に文句ないよ

>>81
勘違い恥ずかしい…………

メタル「オッケー!みんな行くよッ!」


メタルが勇者の剣を受け止め、メーダのチームを避難をさせる。


勇者「クッ……チームワークを覚えやがったな……魔物の癖にッ!」


勇者はメタルに剣を振り下ろす。
だが、メタルはそれを軽くかわす。


メタル「あまいよッ!」


メタルの体当たりが勇者の腹部に突き刺さる。


勇者「グォォオッ!」


勇者の体勢が大きく崩れるだが、


勇者「『ベギラマッ!』」


勇者の放った閃光がメタルのチーム全体に降り注ぐ


メタル「危ないッ!」


メタルが飛び上がり呪文を反射する。
勇者はその瞬間を狙い、メタルを地面に叩き落とす。


メタル「ガハッ!」


すばやさ・守備力ではトップクラスの実力を持ったメタルだが、体力の少なさに弱点がある。
一度攻撃を食らってしまうと体勢を立て直すのは難しい。


スライム「メタルさんッ!」


次はスライムの部隊が割って入る。
勇者は慣れてしまったのか、素早いフットワークでスライムたちとの距離を詰める


スライム「いくぜ!『ギラ』ッ!」


スライムから閃光が発射される。


勇者「フンッ!」


決してかわせない呪文を勇者は盾でガードする事でダメージを最小限に抑える。
さらに、スピードも殺さずスライムに盾を使って体当たりをする。


スライム「ぐぁッ!」


スライム(やっぱり俺じゃそんなに時間が稼げないか……)


おおさそり「まぁ、無理するな。」


止めにスライムに向かって剣を振り下ろそうとする勇者を、おおさそりが止める。


おおさそり「さぁ、リベンジだッ!」

おおさそりは尾を器用に使って勇者の足に、胸に、顔に、攻撃を仕掛ける。
勇者はそれを全てガードしなければいけないので、体力もどんどん減っていってしまっている。


勇者「はぁ……はぁ……まずいな……」


勇者は高く飛び上がり、おおさそり達と距離を離す。


おおさそり(まずい……うちのチームの奴らも体力が限界っぽいな……)


メタル「スライムくん。そろそろ僕ら第1課でチームを組んで戦った方がいいかもしれない……」


スライム「えっ?」


メーダ「まぁ……あれだ、こっちの他の課の奴らの体力の消費がひどいからな……そろそろ俺たちでキメないか?勇者の方も体力的にキツくなってそうだからよ。」


スライム「そうですね。……行きましょう。」


メタル「よしッ!」


メタルとメーダは素早い動きでおおさそりのチームメンバーを下がらせ、おおさそりに加勢する。


勇者「ちくしょうッ!」


勇者の体力ももうすぐで尽きてしまう……その時だった。


ローラ「勇者様ッ!」


ローラの右手から発せられたあたたかい光が勇者を包む。


勇者「こ、これは………」


スライム(な、なんだ?なにが起こるんだ?)


勇者「力が……力が湧き出るぞッ!」


ローラ姫は自らの愛を結晶化させ、勇者と自分との距離を勇者に知らせる事ができる。
だが、今回はそんな魔法の力を勇者に力を与えるという目的で使ったのだ。


勇者「よし………。これならまだ戦えるッ!」


いつのまにかスライムの背後に勇者は回っていた。


スライム「ッ!」


勇者はスライムに振り向かせる暇も与えない。


勇者「終わりだ。」


勇者の剣がスライムに突き刺さる……


スライム(ヤバい……死んだかも……)


スライムは地面に倒れた……………

だが、スライムは死んではいない。


勇者「やはり……一筋縄ではいかないか……」


おおさそりの尾が勇者の剣の軌道を逸らしたのだった。


おおさそり「おいッ!お前らとっとスライムの回復しろッ!」


おおさそりが怒鳴った事により、他の課の魔物たちは慌ただしく動き出す。


勇者「回復させるかッ!」


勇者はスライムに追い討ちをかけようとする。


メタル「させるかッ!」


メタルが滑りこみ、勇者の剣を捌く。
そこから一拍遅れ、他の課の魔物達がスライムを回収する。


メーダ「おいメタル!スピード追い付けそうか?」


メタル「なんとか……まぁ本当にギリギリだね。」


メーダ「うんじゃ、おおさそりと俺の分の防御よろしくッ!」


これまで、防御と攻撃を両立させていた2匹が攻撃に集中する。
だが、勇者はそれらをかわしながら絶妙なカウンターを返す。


おおさそり「クソッ!攻撃が当たらない!」


勇者「フンッ!遅すぎるなッ!」


勇者が横一閃に剣を振るう。


メタル「ぐわぁぁあ!」


メタルがその攻撃を受け、吹っ飛ばされてしまう。


メーダ「まず………ッ!」


防御をする役がいなくなってしまったメーダたちは防御に専念するしかなくなってしまう。


おおさそり「グッ!…………このままじゃ………」


おおさそりたにの体力が大幅に削られる。
だが、そこに…………


スライム「オラァァァァアッ!」


スライムが大砲の様に飛び出し、勇者の背中にタックルをかました。


勇者「ウグッ!……な、なんだとッ!」


メーダ「クッソッ!スライムの野郎無理しやがってッ!」

スライムのタックルによって体勢を崩した勇者の腹部に、メーダの硬化した触手が突き刺さる。


勇者「ガハッ!」


吐血した勇者におおさそりが非情に毒針を勇者の心臓に突き刺す。


勇者「ああ………グハッ!」


勇者は倒れた………だが、まだ死んではいなかった


メーダ「ま、まだ死なねぇのかよ……」


勇者は這いながらもローラの元へと行こうとする。


ローラ「勇者様ッ!」


ローラは泣きながら勇者に覆いかぶさる。まるで自らを盾にするかのように………


ローラ「勇者様を殺すというのならば!わたしを先に殺しなさいッ!」


ローラは泣きながら叫ぶ……


メーダ「あぁ……そのつもりだよ。」


メーダが自らの触手を振りかざしたその時、勇者が呪文を唱える。


勇者「………『ルーラ』…………」


スライム「ま、まずい!逃げられるッ!」


だが、青白い光に包まれラダトームへと飛んだのはローラただ1人だった………


メタル「なっ!」


勇者「はぁ……はぁ……もしもの為にMPをとっておいたが、さすがに二人は無理か……」


スライム「な、なんで自分を飛ばさなかったんだよッ!」


勇者「好きだから………だよ。」


勇者「愛する人ぐらい……守らねぇとな………」


キメラ『惚れたメスぐれぇ……自分で守れよ……』


スライム「な………なんでテメェが……….なんでテメェみてぇな悪魔が!キメラさんと同じ様な事言うんだよッ!」


勇者「そんなん知らねぇよ………あとは煮るなり焼くなり好きにしな……」


メーダ「へッ!もうテメェは生き返れねぇぞ!なにせ、ラダトームにはドラゴンさんが行ったからな!」


勇者「そうか………クソッ!ローラ姫を向こうに送っちまった。……生き残ってくれ……ローラ姫……」

スライム「ちげぇだろッ!お前は……お前はそんな良いやつじゃねぇだろ……」


勇者「俺は…勇者だぜ?」


スライム「くそぉぉぉ!なんだよ………これじゃ……俺らが…俺らが……」


おおさそり「おいスライム。こいつは確かに俺たちの前で一人の人間を救ったかもしれない……だが、こいつは俺たちの仲間を何匹も殺したんだ。………命の重さはどの生物も同じだ。」



スライム「ぐ……確かにそうだけど……」


勇者「おい。とっとと殺せよ……いてぇんだよ……楽にしてくれよな……」


スライム「ちくしょうッ!ちくしょぉぉおお!」


スライムは勇者をやさしく、あたたかく閃光で包み込み……焼き払った……


スライム(キメラさんの仇はとった………だけど……なんだよ?この虚しさは………)


アレフガルド地区 酒場


ベス「またまたやったみたいだね!スライムくん!!」


スライム「あ………うん。」


メーダ「おいスライム!まだ気にしてんのかよ?いいだろ!あんな奴殺して何が悪い!」


スライム「そうなんですけど………」


ドラゴン「まぁ……最初の内は罪悪感あるかもな………人間を殺すのは……」


スライム「はい………なんでですかね?あんなに憎んでた相手なのに………」


ベス「もう!そんなウジウジしてるんなら飲め!飲んで忘れちゃえ!」


スライム「な……ちょっと!無理やり飲ませがボボ…………」


メーダ「はははっ!でも、ドラゴンさんの所も無事に終わって良かったですよ!」


ドラゴン「ふん。まぁ余裕ちゃ、余裕だったからな。」


メタル「そういえば……まだ乾杯してませんよね?」


ドラゴン「よしッ!スライム!乾杯の音頭とれ!」


スライム「え!?俺ですか!」


おおさそり「まぁ、今回はお前の作戦のおかげで全員無事なんだ。適任だろう。」


スライム「えーー!……じゃあ…みなさん!勇者を相手に全員無事というのはとてもすごい功績です!こんな事ができたのも、みなさんが協力してくれたお陰です!それじゃあ……乾杯ッ!」


一同「かんぱーい!!」


第2章 完

今日はこれで終わり。
次回からドラゴンクエスト2のストーリーに入ります。
あと、戦闘シーン長い?短い?
アドバイスください。

なんで勇者は言葉分かるようになったんだろ……

>>95
もう、あれはこじつけでスライムが早口で喋ってて勇者が聞き取れなかった的な。
あと、勇者がベギラマをドムドーラ戦で使ってるのにスライムに対して新技って言ったのは光線状にしてベギラマを撃つ事を覚えたから新技扱いをした的な………
他にも矛盾点があったら教えてください。
こじつけ設定をつける

ドラクエは2になってからモンスター増えるから、モンスターのリクエストを開催する。
適当に2初登場の好きなモンスターを書いてちょ
更新は夜遅くになるから、それまでに書いてくれれば今日の話で登場させられる。

期待
モンスターはマドハンド

はぐれメタルとかキラーマシーン

キラーマシン

キラーマシーンの人気に嫉妬

あえてのメタルハンター

デビルロード

首狩族
痛恨の一撃で勇者を仕留めろ

あくましんかん

>>99>>100>>101>>102>>104>>107>>108
リクエストありがとう。
まだリクエストは続行中だから、思いついたら書いてって。

第3章


スライム(あぁ……昨日は結局三次会まで行っちゃったからな………頭痛い……)


スライム「おはようございます………」


メーダ「おい!なんでテメェがいつも最後に出社するんだよッ!」


メタル「はぁ……遅刻してないんだからほっといてあげなよ。」


スライム「す、すいません。」


ドラゴン「みんな揃った事だし行くか。定会議」


スライム「定会議?」


おおさそり「それぞれの課長が集まる会議だ。例外的に俺たち特別戦闘第1課と特別戦闘指揮第1課の2課は課の魔物全員が出席しなければならないんだ。」


スライム「え?……ちょっと待ってください……頭痛くて…」


メーダ「一回で理解しろよッ!」


メタル「簡単に言っちゃうとお偉いさんが集まる月一の会議って所だよ。」


スライム「なるほど!」


ドラゴン「今回はお前らの活躍で勇者を倒したからな………会議はかなり長引くぞ。」


メーダ「えぇ~そんな!俺会議嫌いなんだよ!」


メタル「そんなの皆んな一緒。さぁ、行こうか。」


ラダトーム地区 会議室


竜王「よし。全課長集まったかな?」


あくましんかん「特別戦闘指揮第1課全員集まりました。」


ドラゴン「同じく特別戦闘第1課も。」


以下長くなるので略


竜王「全課いるみたいだな……では、単刀直入に今日の本題を言おう。」


竜王「…………我が社は海外展開する。」


一同「ふぁ!?」


あくましんかん「な、なにを言っているんですか!?いきなりすぎます!!」


竜王「ふむ。確かにいきなりではあるが、今しないでいつすると言うのだ?」


あくましんかん「た、確かに勇者を倒し我が社の売り上げは上昇していますが……」

竜王「そうだ。今が一番稼ぎ時なのだ。」


ドラゴン「まぁ、今やらなければ新たな勇者が誕生してしまう恐れもある………」


あくましんかん「だからって……」


竜王「未だ我々魔物は海を渡った事はない……それは人間も同じだ。ここで差をつける事で我々魔物は人間よりも優れているという事が証明できるッ!今だッ!今しかないのだッ!後で後悔しても遅いッ!」


「あぁ……そうだな!」 「社長の言う通りだぜ!」 「海外展開だぁぁあ!」


あくましんかん「はぁ………そうですね。……もう異論はありません。やりましょう。海外展開。」


竜王「ありがとう。あくましんかん君。では、さっそく海外に移転する魔物を発表する。」


竜王「まずは、特別戦闘第1課。ドラゴン、メタルスライム、スライム。」


ドラゴン「ふむ。」


竜王「そして、情報処理課のマドハンド。」


竜王「特別戦闘第2課のくびかりぞく、キラーマシン、デビルロード。」


竜王「特別戦闘指揮第2課からはぐれメタル。」


竜王「そして、それらをまとめる支部長はあくましんかんだ。」


あくましんかん「わたしですか……」


メーダ「な、なんでスライムが行けて俺は行けねぇんだよ!」


竜王「申し訳ないね。一様こっちの方にもしっかりとした戦力が欲しい。」


メーダ「チェッ!」


竜王「では、課長がいなくなってしまう特戦と特指揮の新課長を発表する。」


メーダ「略した……つーか!課長こそ俺だよな!?」


竜王「特戦の課長はおおさそり。特指揮の課長はメタルハンターだ。」


おおさそり「まぁ妥当だな……」


メーダ「なんで……俺は……」


メタルハンター「マッタク……シャチョウハイツモイキナリナンダカラ……」


竜王「それではいつも通りの報告会をしようか……」


5時間後……


スライム「あ゛~疲れた……」


いきなり申し訳ないのだが、大事な用事が入った。
金曜あたりから更新再開します。
本当いきなりごめんね……

わたぼう

バラモス

>>119.>>122
悪いな。
この二匹はまだ使えない。
いずれ使う…………と思う

あくましんかん「スライムくん……だったかな?」


スライム「あ、あっ!これからよろしくお願いします!」


あくましんかん「まぁ、そんなに硬くならないでくれ。」


スライム「あ…はい。」


あくましんかん「あまり雑談というのは好きじゃなくてな………本題に入らせてもらう。」


スライム「なんですか?」


あくましんかん「一週間後にムーンブルクという国に行き、そこを侵略し支部とする。」


スライム「わかりました。……その間に何かやる事は?」


あくましんかん「休暇だそうだ。何かないと帰れないだろうから用事はすましておけ。」


スライム「はい。」


二時間後…… アレフガルド地区 キメラの墓


スライム(キメラさん……特戦一課に入ったと思ったら支部に転勤……最近忙しいよ)


スライム(まぁ、忙しいっていうのは幸せなのかな……今はまだわからないや。)


ベス「あれ?スライムくん。定時通りに帰れるなんて珍しいね。」


メイジ「あら?また凛々しく成長したかしら?」


スライム「いやいや……成長なんて」


ベス「でも、こんな時間にここにいるって何かあったの?」


スライム「うん。転勤することになった。」


ベス「えぇ!?どこどこ?どこ行くの??」


スライム「えぇっと……ムーンブルクの方に……」


メイジ「そう……あそこ辺りはあまりいい噂聞かないけどねぇ……」


ベス「え?それって?」


メイジ「なんでも秩序がなくなって魔物同士で殺し合いとか……」


スライム「え!?」


ベス「そ、そんな物騒な所行くんだ……スライムくん…」


スライム「なんか……困ったな……」ハァ……


メイジ「あっ!今日はメーダ君の方からお誘いきてるのよ!」

スライム「メーダさん?」


メイジ「えぇ。ほら、メーダ君旦那の葬式に来れなかったからおもてなししたいって。」


ベス「えー?それってお葬式に来れなかったからメイジさんの所で線香あげるとかじゃ?」


スライム「確かに……なんでだろ?」


メイジ「まぁまぁ、それは行けばきっと分かるわよ。それじゃ行きましょ。」


スライム「え!?僕たちも行くんですか!?」


アレフガルド地区 メーダの家


メーダ「いらっしゃーい……ってなんでテメェらがいるんだよッ!」


ベス「何ですかッ!いきなりッ!」


スライム「まぁまぁ…お邪魔してもいいですか?」


メーダ「なんだよ!こんなとこまで来させて追い払ったら逆に気分悪くなるわッ!」


スター「おじゃましまーーす!!」


メーダ「あぁ……適当にくつろいでろ。飲み物用意してくっから。」


スライム「ひ………ひろい……」


ベス「綺麗すぎる……」


メイジ「うふふふ。メーダくんああ見えても家事とか好きなのよ。」


ベス「えぇ!?以外ですね!」


スライム(まったく想像できない……)


ピンポーン


メーダ「おいスライム!代わりに出てくれ。」


スライム「わかりました。は~い!」ガチャ


メタル「あれ?スライムくん?」


スライム「ああっ!メタルさん………にドラゴンさんとおおさそりさん!」


おおさそり「ちょうどいい。ムーンブルク組の送別会もまとめてできるな。」


メーダ「おい。そんなとこ突っ立ってねぇで座って話せよ。」

メタル「にしても、ムーンブルクかぁ。」


おおさそり「まぁ、大変だろうが頑張れよ。」


ドラゴン「そういうおおさそりも課長代理頑張れよ。」


メーダ「あぁ~なんで俺は~」


スライム「アハハ……」


ベス「お酒ないんですか?」


メーダ「テメェ図々しいなぁッ!」


スター「ねぇ!スライムおじちゃんあそぼ!」


スライム「はいはい。」


スライム(ベスちゃんは本当に酒豪というあだ名がつくレベルで飲み、メーダさんがそれに対抗して飲んだけど倒れてしまった。スターの面倒を見ていた事もあってホロ酔いですんだ俺はベランダで風に当たってた……)


スライム「海外かぁ……」ハァ……


ドラゴン「おう。なんだ?嫌か?海外は。」


スライム「あっ。ドラゴンさん……。いや……嫌だって訳ではないです。」


ドラゴン「まぁ、いきなりだったからなぁ……」


スライム「ですよね。」


ドラゴン「いきなり悪いんだが。」


スライム「?」


ドラゴン「俺には息子がいてなぁ。ダースっていう名前だったんだが……」


スライム(居て?過去形って事は…)


ドラゴン「そのダースも実戦命令で死んじまってなぁ……特別戦闘第三課に行っちまったのが運の尽きだ……」


スライム「えっと……それで?」


ドラゴン「俺は仕事が忙しくて葬式に出れなかった。……当然女房に泣いて責められたよ。そんなんだからダースが死んじまったってな。」


スライム「……………」


ドラゴン「そのまま女房とは離婚。たった三日で女房と息子を失ったよ……」


ドラゴン「だから……スライム。お前にこれだけは伝えておきたい。」


ドラゴン「仕事ばっかりに気を取られてると足元すくわれて取り返しがつかない事になるぞ。」


スライム「…….でも僕は………好きでやってるっていうか……」

ドラゴン「まぁ………気を付けておけ。ただそれだけだ。」


スライム「……………はい。」


ドラゴン「それじゃあ………悪いな。いきなりこんな話して。」


スライム「いえ。」


ドラゴン「そんじゃ、俺は帰るかな?」


スライム「じゃあ僕もそろそろ…」


スライム(その後はベスちゃんとメイジさん親子を送って帰った。)


一週間後………アレフガルド地区 どこかの港


あくましんかん「どうやら全員集まったみたいだな……」


くびかりぞく「いやふぅぅぅぅぅぅぅうッ!遂にだぜぇぇぇえ!」


デビルロード「…………………うるさいのがいるな。」


ドラゴン「どうする?もう乗るか?」


あくましんかん「そうだな。自己紹介も船の中でしよう。」


船の中 会議室


あくましんかん「では全員ここで自己紹介をしてもらう。」


あくましんかん「私の名前はあくましんかんだ。ムーンブルク支部の支部長を勤めさせてもらう。」


ドラゴン「うんじゃ、次は俺かな?ドラゴンだ。そこのあくましんかんとは同期だ。よろしく。」


スライム(ヘェ~。あの二人同期だったんだ。)


メタル「メタルです。よろしくね。」


はぐれ「うぃ~す。おじちゃんはぐれメタルって言うんだ。よろしくー」


スライム(なんであんな酔っ払いみたいなのが特戦指揮二課?)


デビルロード「………デビルロードだ。馴れ合うつもりはない。」


スライム(うおっ!厨二病かよ……)


マドハンド「よ、よろしくお願いします。マドハンドです。」


スライム(う~ん。地味。)


くびかりぞく「よろしくすっ!くびかりぞくっす!」


スライム(だめだ……末期だ……)

今日は終わり。
キリが悪いったらありゃしない。

まだ募集中ならラリホーアント

>>134
ラリホーアント了解。

キラーマシン「キラーマシンデス。ヨロシク……」ガシャ…ガシャ


一同(ロボットじゃんッ!)


スライム「スライムです。よろしくお願いします。」


あくましんかん「よし。これで一通りは終わったな。」


ドラゴン「おいあくましんかん。あとどれぐらいだ?」


あくましんかん「まぁ、30分するかしないかってところか……」


ドラゴン「よし。それなら個々の役割をきちんと決めるぞ。」


はぐれ「うーん?なんでぇ?」


ドラゴン「もしあくましんかんが指揮を取れない状態になった時に変な動きをされたら困るからな……」


くびかりぞく「難しい事はわからないんで簡単におねしゃす!」


あくましんかん「まず、わたしは全員の指揮をしながら呪文で補助をする。わたしの指示が通る時はその通りの行動をしてくれ。」


メタル「わかりました。」


あくましんかん「それで……もしわたしが居なかったり死んでしまった場合は……」


ドラゴン「俺の指示に従ってもらう。」


あくましんかん「そして個々の役割だが……」


あくましんかん「スライム。君はわたしと一緒に呪文でサポート。」


スライム「はい。」


あくましんかん「はぐれメタル。メタルスライムは持ち前の素早さで敵を撹乱。」


はぐれ「うぃ~す。」


メタル「はい。」


あくましんかん「くびかりぞくはともかく相手に攻撃する暇を与えさせないように。」


くびかりぞく「ウィッス!」


あくましんかん「デビルロードはくびかりぞくのサポートを徹底しろ。」


デビルロード「………この俺をベビーシッターにするのか……」


あくましんかん「キラーマシンは状況に応じて遠距離と近距離を使い分けろ。」


キラーマシン「イェス………」


あくましんかん「ドラゴン……お前はともかく暴れろ。」

ドラゴン「随分適当だなぁ。」


あくましんかん「マドハンドは全員の回復を頼む。」


マドハンド「わかりました。」


スライム「あッ!島が見えてきましたよ!」


あくましんかん「よし。全員島に降りる準備をしろ。」


一同「はいッ!」


ムーンブルク地方 ムーンブルク城近く


スライム「なっ…………」


あくましんかん「上陸したのはいいが……」


デビルロード「随分荒れた城だな。既に同業者の手に落ちているのか?」


ドラゴン「確かに……いかにも魔物にやられたって感じだな……」


???「誰だッ!貴様らッ!」


メタル「ッ!」


あくましんかん「全員先程伝えた配置だッ!」


支部隊の全員がそれぞれの立ち位置につく。
アレフガルドで一位二位を争う頭脳を持つあくましんかんにより個々の長所を最大限に発揮させ、短所をうまく隠す事のできる完璧な配置だった。


???「なにぃ?見た事もないような奴らばかりだな……」


城の瓦礫から飛び出して来た魔物は支部隊との距離をジリジリと詰める。


???「俺様アークデーモンの許可無くムーンブルク地方をうろつくのは死刑に値するんだがな……」


はぐれ「そりゃあ怖いねぇ。」


アークデーモンと名乗った魔物は支部隊を舐める様に見続け……素早く人差し指を前にだす。


アークデーモン「『イオナズン』ッッッ!!!!!」


瞬間。アークデーモンの指先から閃光が溢れ出し……爆発する。


メタル「くそッ!」


その爆風は近くにあった瓦礫を全て吹き飛ばす。だが…………


はぐれ「ヒゥ~あぶない。」


はぐれメタルのバブルが支部隊全員を包み込み爆風から守っていた。


アークデーモン「なっ………俺のイオナズンを受けたとい…


アークデーモンが言い切るのを待たずにくびかりぞくとデビルロードが飛び出す。


くびかりぞく「オラァァァッ!」


くびかりぞくの斧がアークデーモンの肩に突き刺さる。


アークデーモン「グォォォオォ」


あまりの痛みに思わず叫んだアークデーモン喉元をデビルロードの爪が引き裂く。


アークデーモン「ヒゥ……ヒゥ………」ドサッ!


そのまま倒れたアークデーモンを踏みつけながらデビルロードは言う。


デビルロード「まだ仲間がいるな………」


あくましんかん「どうやら同業者の様だな……まぁ、こっちから先に手を出してしまったんだしあっち側の領地も略奪しておこうか……」


マドハンド「あの……これからどうします?」


ドラゴン「どうするっつてもなぁ………」


あくましんかん「とりあえずこのムーンブルク城を拠点にしよう。」


くびかりぞく「寒くねぇすか?」


デビルロード「贅沢言うな。」


スライム「でもまだ明るいですし探索しませんか?」


あくましんかん「そうだな………それじゃあ探索班と待機班でわかれよう。」


ドラゴン「おし。それじゃあ俺が探索の方に回る。」


スライム「じゃあ、僕も探索の方に。」

ここでいきなり安価!

探索班を安価で決めよう!


くびかりぞく・メタルスライム・はぐれメタル・マドハンド・デビルロード・キラーマシン


の中から3匹を選んでね!


一匹目>>140

二匹目>>142

三匹目>>144


被った場合は安価下。
更新は明日の夜10~11ぐらいから

キラーマシン

はぐれ

マドハンドかな

おいらのアークデーモンが…

あくましんかん「じゃあ、キラーマシン、はぐれメタル、マドハンドがスライム達と行ってくれ。」


キラーマシン「ワカリマシタ。」


ムーンブルク地方 城の周り


スライム「うーん。ここら辺はあまり何もありませんね。」


ドラゴン「あぁ。……にしても人間は居ないのか?」


マドハンド「確かに……一人二人冒険者はいるはずですよね。」


はぐれ「そうだなぁ……魔物もいねぇし」


キラーマシン「ソウイエバ……アークデーモントヤラガオモシロイコトイッテマシタネ……」


スライム「面白い事?」


キラーマシン「エェ。キョカナクウロツクノハシケイト……」


はぐれ「んじゃ、独裁体制の可能性が高いってわけ?ここらへん?」


マドハンド「でもそうなると……」


ドラゴン「あぁ。アークデーモンを倒せたって事はここら辺のトップを倒した事に……」


近くの木々が急に何者かによってへし折られる。


ドラゴン「うんだぁ!?」


ドラゴン達が振り返るとそこには棍棒を片手に携えた巨大な青い悪魔が立っていた。


はぐれ「こいつはまた面倒くさそうな奴だな……」


???「ハーゴン様の許可無くこの地域をうろつくとは……死を覚悟しろ。」


マドハンド「ハーゴン?」


青い悪魔は大木をスライムに投げつける。
全員がそれを転がって避ける。が、


ドラゴン「グハァッ!」


ドラゴンの脇腹に青い悪魔は棍棒を叩きつけた。
そのままドラゴンは吹き飛び、木々を倒していった。


???「フンッ!!」


青い悪魔の棍棒の一振りは強力は風を発生させ、スライムたちを吹き飛ばす。


スライム「うおおぉおぉぉぉぉぉお!?」


ドラゴン以外の探索班は30メートルもの距離を飛ぶ。

ドラゴン「おいおい……その棍棒何か仕掛けでもあんのか?」


???「余裕だな。この森は入り組んでいる。お前の仲間はそう簡単にここまで辿りつけないぞ。」


ドラゴン「ふん。そろそろ俺の良いところを部下にみせたかったんだが………しょうがない。お前の死体で満足してもらうか……」


二匹の間に緊迫した空気が流れる…………


ドラゴン「名乗りな。」


???「ギガンテス。」


ギガンテスのそのセリフと共に二匹の戦闘は開始された。


ギガンテス「オラァァァァァァァッッッ!!!!」


飛び上がり棍棒を振るったギガンテスをドラゴンはもえさかる火炎で迎え撃つ。
だが、ギガンテスはそのまま棍棒を振り抜いた。


ドラゴン「セイッ!」


その棍棒をドラゴンは尻尾で受け流す。
受け流されバランスを崩したギガンテスは地面を転がる。
もちろんドラゴンはそんなギガンテスに追い討ちをかける。


ドラゴン「くらえッ!」


鋭い爪がギガンテスの胸に突き刺さる。


ギガンテス「グァァアアァァアァァァァアアァッ!」


ドラゴンはそのままギガンテスの体を引き千切ろうとしたが、
ギガンテスはその爪を掴み近くの木々にドラゴンを投げ飛ばす。


ドラゴン(クソッ!ずいぶんな馬鹿力じゃねぇか。)


ギガンテス「ハァ……ハァ……」


お互い一度間合いを取り直す。


ドラゴン「フンッ!」


先に動いたのはドラゴンだった。
後ろ足で地面を蹴り、その力でギガンテスの喉元狙う。


だが、あえてギガンテスはそれを避けずに進む。
ドラゴンの爪が自らの喉元に刺さった瞬間にドラゴンの体を抱きしめる様に締め付ける。



ドラゴン「ゲホッ!」


ドラゴン(くそッ!これじゃ我慢比べだ……)


パキパキとドラゴンの体が軋む音がする。


ドラゴン(こっちが……不利かッ!)

ドラゴン(なら……自滅覚悟でッ!)


ドラゴン「オラッ!」


ドラゴンは口から火炎が吹き出す。
その火炎はギガンテスへと引火する。


ギガンテス「グォォォォオ!」


ギガンテスの肌を火炎が焼いていく……
だが、ギガンテスの力は緩まない。


ドラゴン「それならこれで…………どうだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ドラゴンの雄叫びと共に口から放たれた物……それは吹雪だった。
ドラゴンの火炎と吹雪は擬似的なメドローアを作りだしていた。


瞬間。音が消え、光が収束し、ドラゴンとギガンテスの間で爆発が起こる。


周りの木々は全て吹き飛ばされ、ドラゴンの周りのみ砂漠の様になっていた。


ドラゴン「グオッ……こいつはこうなるからあんまり使いたくなかったんだよな……」


ドラゴン自身は爆発から身を守る準備をしていたが、守る事もできなかったギガンテスは完全に吹き飛ばされていた。


ドラゴン「探索班の奴ら大丈夫か?結構派手にやっちまったが……」


スライム「ドラゴンさんッ!大丈夫ですかッ!」


ドラゴン「おおぅ!全員無事だったか。」


マドハンド「すごい怪我じゃないですか!?」


ドラゴン「へへ。まぁな。」


はぐれ「まさかあんなのを倒しちゃうなんてねえ~。さすが特戦一課の課長。」


ドラゴン「まぁな。」


キラーマシン「イッタンカエリマセンカ?」


スライム「そうだな。また次の敵が来たら困るし……さっきあいつが言ってたハーゴンって奴をあくましんかんさんに報告しなくちゃだし。」


マドハンド「そうですね!行きましょう。」

次回予告


謎の敵ハーゴンの存在を知ったスライム達探索班は、ムーンブルク城跡で待っている待機班の元へ行こうとする。

だが、そこでもすでに戦闘は起こっていた!?

さらに>>145の好きなあいつも復活!?

次回の更新は未定!

おまけ 全員の戦闘力

普通の魔物を1とする。


スライム 3

ベス 1

キメラ 2

ドラゴン 20

メタル 12

メーダ 9

おおさそり 16

マドハンド 5

はぐれメタル 21

あくましんかん 19

くびかりぞく 14

デビルロード 17

キラーマシン 18
 
アークデーモン 8

ギガンテス 19

勇者 27

竜王 32

あれ俺のメタルハンターちゃんは?

>>158
もうちょっとちゃんと出たら。

ドラゴン達が戦う5分ほど前……


ムーンブルク地方 ムーンブルク城跡


あくましんかん「さて……私たちもとっとと始めよう。」


メタル「え?何をですか?」


あくましんかん「さっきこの悪魔に吹っ飛ばされた以外の廃材で支部を建てる。」


くびかりぞく「えぇぇ!んな事できるんすか?」


あくましんかん「まぁ、ホイミを応用すればな。」


デビルロード「…………なら廃材を俺たちで運んで支部長に渡す。これでいいだろう。」


あくましんかん「わかった。それじゃあ運んできてくれ。」


その時、地面から突如生えた手があくましんかんの足を掴む。


あくましんかん「な!?」


そしてその足は徐々に力を入れていく………


あくましんかん「クソッ!『ギラッ!』」


閃光があくましんかんの足を掴んだ手を焦す。


???「おいおいぃ~そいつはちょっと挨拶しただけだよ。」


いつの間にかあくましんかんの後ろに魔物が立っていた。


あくましんかん「誰だ?」

???「ふん。自己紹介の前にいいかな?」


そのまま、魔物はアークデーモンの元に近づき……


???「『ホイミ』」


その呪文を唱えられるとアークデーモンはむくりと起き上がった。


アークデーモン「ふぅ……もう少しで死ぬ所だった……」


???「気をつけてよね~。」


あくましんかん「まだ生きていたか……とどめを刺すのを忘れていた。」


???「それじゃあ自己紹介!ホイミスライムで~す!」


ホイミ「それとこっちが……」


あくましんかんを掴んでいた腕の本体が地面から飛び出す。


ホイミ「くさったしたいで~す。」


くさったしたい「うぁ~」


あくましんかん(まずいな……あとアークデーモンレベルの魔物が三体……それに回復役も居るのか…少しきついな。)


ホイミ「あっ!いやいや別に戦おうとは一切思ってないよ。」


あくましんかん「?……どういうことだ?」


ホイミ「僕らがきたのは………スカウトだ。」


あくましんかん「スカウト?」


ホイミ「うん。ハーゴン様なら、君たちみたいな実力者はきっと気にいる。だから僕の昇進の為にうちの会社に来ない?」


あくましんかんは間髪を入れずに答える。


あくましんかん「断る。」


ホイミ「残念。君たちの為でもあったんだけどな………」


ホイミ「じゃあいいや。前言撤回で。」


くさったしたい「うぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」


くさったしたいとアークデーモンがあくましんかんに襲いかかる。


アークデーモン「テメェは指揮官だろ?なら自分じゃ戦えねぇよなぁ!」


アークデーモンの串があくましんかんに向かって投げられる。

あくましんかん「残念だが……」


あくましんかんの右手に閃光が宿る。


あくましんかん「私もそれなりには戦えるぞ。」


あくましんかんの放ったベギラマにより串は逆方向に飛ぶ。
そしてそのままアークデーモンの腹に突き刺さる。


あくましんかん「ベギラマのおまけ付きだ。」


だが、地面からくさったしたいが飛び出す。


あくましんかん「クッ!」


紙一重でそれを避けるがくさったしたいは華麗な身のこなしであくましんかんの足を払う。


あくましんかん「グオっ!?」


そのままあくましんかんは倒れてしまう。


くさったしたい「うぁあぁ!」


くさったしたいの爪があくましんかんに突き刺さる。


あくましんかん「ぐぁぁあぁ!」


くさったしたいはそのままあくましんかんの上に乗り、グイグイと爪をあくましんかんに差し込んでいく。
そのままの体制であくましんかんは右手をパーにしてくさったしたいの顔の前に掲げる。


くさったしたい「うぁ?」


ホイミ「バカッ!避けろッ!」


あくましんかん「『イオナズン』」


あくましんかんのイオナズンにより、くさったしたいの上半身が吹っ飛ぶ。


ホイミ「くそッ!おい。お前はまだ死んでないだろ!」


ホイミスライムはアークデーモンの傷を回復させる。


アークデーモン「よっしゃぁああ!次こそは……」


あくましんかんはどこからか出した棍棒でアークデーモンの頭ぶん殴る。


アークデーモン「あばあぁ!」


ホイミ「な………な……」


あくましんかん「おい。さっき言ったハーゴンとやらについて教えて貰おうか……」


あくましんかんはホイミスライムをガシッと強くわしづかむ。

ホイミ「へへ。悪いが……俺たちにはハーゴン様に呪いをかけられている。」


あくましんかん「そんな事はどうでもいい。とっととハーゴンについて教えろ。」


ホイミ「その呪いってのはなぁ……口封じの呪いだよッ!」


ホイミスライの体が光に包まれる。


あくましんかん「!?まず……………


ホイミスライムがハーゴンの呪いによって強制的にメガンテを唱えられる。
そして………ホイミの体の様に全てが光に包まれた。


轟音。それがムーンブルクを包んでいた。


全てが更地となったムーンブルクにポツリとあくましんかんが立っている。


あくましんかん「ぐ……………あ……」ドサッ!


マホトーンを応用したバリアを使ってなんとか防いだが、既に体は限界に近かった。


そしてあくましんかんの意識は闇に飲み込まれていった…………

???時間後


あくましんかん「うぅ……」


あくましんかんが目を覚ますと、そこは森の中だった。


マドハンド「あ!起きましたか?支部長。」


あくましんかん「マドハンドか………」


マドハンド「何があったんですか?あんな爆発あって……」


あくましんかん「敵にメガンテを唱えられた。」


マドハンド「あぁなるほど……それで。」


あくましんかん「それにしても私はマホトーンでのバリアーを使えたからからいいが、君たちはどうしたのだ?」


マドハンド「僕たちは待機班と合流していてはぐれメタルさんの作ったバブルのバリアーで身を守ったんですよ。」


あくましんかん「なるほど……ならけがをした魔物は?」


マドハンド「えぇっと、ドラゴンさんが敵と戦闘をして結構な深手を負っているだけで。」


あくましんかん「あいつの事だろう。どうせ敵を倒すために自爆技を使ったんだろう。」


マドハンド「まぁ……そんなところですかね?」


マドハンド「あぁ!それとドラゴンさんと支部長はこれから戦闘を極力控えてください。」


あくましんかん「なぜだ?」


マドハンド「いや。ホイミで表面を回復する事はできましたが、何しろ傷が深いので急に傷が開く可能性が………」


あくましんかん「わかった。サポートを専念させてもらおう。」


マドハンド「それじゃあ、もう夜も遅いんで寝てください。傷を治すのは寝るのが一番!」


あくましんかん「ふっ……だが、見張りをつけておきたいな。」


マドハンド「え?」


あくましんかん「いや……こちらもハーゴンとやらにケンカを売ってしまったからな………夜襲の用心ぐらいしておいた方がいいだろう。」


マドハンド「なるほど……それじゃあくびかりぞくあたりを叩い起こしてきます。」


あくましんかん「そうしてくれ。おやすみ。」


マドハンド「おやすみなさい。」

次回予告!

ドラゴンとあくましんかんという主戦力二匹を失ってしまったスライム達!


そんな状況に戸惑っている暇も無く不思議な踊りを踊るあいつが行く手を阻む!


そこでやっとスライムの見せ場が登場!


次回予告は気に入ったから毎回やるね!

あくましんかんがホイミスライムに一杯食わされた次の日


くびかりぞく「おきてぇースライムちゃぁぁあぁぁぁぁぁん!!!!」


スライム「ぎゃあああああ!?なになに!?びっくりするわッ!」


くびかりぞく「いやぁー昨日は寝ずに見張りしてたからさぁー」


スライム「それで………テンションと眠気がMAXで僕を叩き起こしたってわけですか……」


くびかりぞく「そうそう!だから………あ……と……は……まかせ…………」バタっ!


スライム「はぁ。寝ちゃったよ。」






スライム(暇だ。)


スライム(暇すぎる。ていうか今何時だよ。)


スライム(あぁ~もう。眠いし、喉乾いたし。)


スライム(別に………ちょっとだけなら……川に行ってもいいよね?)


スライム(よし!行くか)ピョンピョン……





???(見張りがいなくなった今がチャーーーンス!!)


一匹の魔物がスライムが居なくっなったのを見計らい支部の魔物達へと近付いた。
そしてその魔物はなにやらハデなダンスを踊り始めた。


???(ふふ……この体力とマジックパワーを奪う『もっと不思議な踊り』にかかればこいつらの全滅なんてチョロい。)


デビルロード「むっ!」


自らの体力とマジックパワーに違和感を感じたデビルロードが目を覚ます。


???「やば!!ばれた!」


デビルロード「チィッ!見張りはどこ行ったッ!」


そう叫びながらデビルロードは敵に襲いかかる……………はずだった。


デビルロード「ッ!体に力が……」


???「ふんっ!ただでさえ睡眠という無防備な所をこの俺パペットマンの『もっと不思議な踊り』により体力とマジックパワーを同時に奪われている貴様らじゃ、歩く事すらままならないぜ!」


デビルロード「くっそ…………」ドサっ!


体に力を入れることができずに倒れてしまったデビルロード

パヘットマン「ふふ…この俺の昇進は完全な物になったぞ!!!」


キラーマシン「ググ……カラダガ……イッタイナニガ?」


マドハンド「か、回復もできない……」


体の違和感を感じ、飛び起きた支部一行だが……


パペットマン「ハハハッ!動けんだろぉ?この特技こそが俺が3年の修行を経て手に入れた最強の踊りだ!!」


あくましんかん「おいッ!スライムはどこだ!?」


マドハンド「確かにいませんね……」





一方現在のスライム


スライム(ボーーーー)ハッ!


スライム(ヤベェ寝てた!早く帰らないと!)





ドラゴン「あいつが来てくれれば状況は変わるな……」


パペットマン「ん?まだ仲間がいるのか!?くそッ!どこだッ!」


思わずパペットマンが、振り返った時、はぐれメタルの攻撃がパペットマンの後頭部に突き刺さる。


バペットマン「イタァ!?」


はぐれ「くそぅ。やっぱり全然力がでねぇや。」


パペットマン「貴様まだ動けるのか!?くそっ!止めを刺してやる!」


パペットマンは踊りをはぐれメタルに集中させる。


はぐれ「ぐぐぐ……」




一方現在のスライム


スライム(ヤバい!!!なになに???なにあれ!!敵だぁああぁぁぁぁあ)


スライム(それに強者揃いの支部が全員倒れてるよおおぉぉぉぉぉ!!!!)


スライム(まずい……死ぬよ…俺死ぬじゃうよ……)


スライム(くそっ!!!!キメラさんとの約束果たす為に……戦わなきゃ…)


スライム(くそッ!やってやる!!!!!)

スライム(その前にあいつがどんな技を使うかわかったほうがいいな。)


スライム(あの支部を倒すほどの実力者だ。きっと強力な魔法を使うんだ。)


スライム(よし。そっと様子を見よう。)チラッ


スライム(オドッテルヨォ…………)


スライム(なんだ?強者の余裕か?くそっ!)


スライム(こうなったら…………不意打ちしかないかな…)


スライム(一発背後から決めてやれば……それなりにはダメージが……)


スライム(あぁもう!うじうじ考えても仕方ない!!)


スライム「いくぜぇぇえオラァァァ!!」


スライムはパペットマンの背中に体当たりをかます。
その感触はあまりにもあっさりと手に入れる事ができた。


パペットマン「ぐぉぉぉぉぉぉぉお!!!!いてぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」ジタバタ……ジタバタ…


スライム(あれ?これいけるんじゃね?)


スライム「くらえッ!『ギラ』ッッッッ!!!」


灼熱の閃光がパペットマンを包む。


パペットマン「ファァァア!!!!暑ぅぅぅぅぅう!!!!」バタ………


そしてパペットマンはあっさりと灰になった。


一同「弱っ⁉︎」


あくましんかん「まぁ。不意打ち専門の戦闘員だったんだろう。」


スライム「いや……そんな戦闘員いるんすか?」


メタル「それよりもなんで見張りがいなかったんだい?」


スライム「ギクッ!」


あくましんかん「スライム……もしかしてお前はサボったのか?」


スライム「いやぁーちょっとー」


あくましんかん「スライム……今月の給料明細覚えておいてくれ。」


スライム「ひぇーあんまりだよぉ~!!」


チャンチャン。

次回予告!


ムーンブルク地方を後にし、新しき大陸ロンダルキア地方へと出向くスライム達。



だがそこは凶悪な魔物たちの巣窟だった。



ザラキを唱える例の奴が出現したせいで支部はチームワークを乱してしまう!?



次回『スライム死す。』デュエルスタンバイ!!

もしかしたら今日の夜更新するかも………?

パペットマンを倒して数時間後


あくましんかん「いきなりだが、今日このムーンブルク地方を出る。」


ドラゴン「おいおい。俺たちの仕事はムーンブルクの制圧じゃなかったか?」


あくましんかん「まぁ、はっきり言って海外ならどこでもいいと、社長も言っていた。それに私達の会社はまだ、海外展開に慣れていない。もっと競争率の
低い場所を最初の支部にしよう。」


メタル「でも、どこにするんですか?」


あくましんかん「ロンダルキアというここから南の極寒の地だ。」


デビルロード「確かに需要はあまりなさそうだな。」


はぐれ「ん?たしか、ロンダルキアは山岳地帯に囲まれてて船じゃいけねぇんじゃなかったっけ?」


あくましんかん「そこの所は本部の空中輸送課のバピラスに頼んである。」


スライム「じゃあ、善は急げって事で行きましょーー」




10分後 船の中


スライム(でも船の中は暇だなぁ。 誰かと話そうか……)


いきなりの安価。支部の中から一匹選んでね。その魔物が昔について語ってくれます。(スライムの場合は回想的な奴。)


>>174 もしかしたら誰も見てない可能性が微レ存………?

はぐメタ

こんな長い間更新せず、申し訳ありませんでした。

スライム(そういえば……はぐれメタルさんってすごい謎なんだよなぁ……)


スライム(思い切って聞いてみるか……)


スライム「あの……はぐれメタルさん…………」


はぐれ「ぐーがー…………ぐーがー」


スライム(思いっきり寝てるし………)


スライム「諦めるか……」


はぐれ「なんだい?スライムちゃん?」


スライム「うお!?起きてたんですか!?」


はぐれ「いやいやスライムちゃんの気配で起きたんだよ。」


スライム「そ、そうですか……」


はぐれ「で?なんの用?」


スライム「えっーと………はぐれメタルさんってすごく強いじゃないですか。なんでだろうなぁーって。」


はぐれ「いやいや。そりゃ鍛えてるから………つっても過去にあった事件が事件だしなぁ……強くなるのも当たり前ってな。」


スライム「その事件って……?」


はぐれ「エルサーゼ魔物大量殺戮事件。」


スライム「え!?それって確か異世界の話じゃ……」


はぐれ「そう。俺は異世界の住人。」


スライム「ど、どうりで……」


はぐれ「いやーひどかったひどかった。」


はぐれ「魔物と共存する世界~なんてバカな事言いながらこっちが洗脳されて反乱を起こしたら大量殺戮たぜ。」


スライム「ひ……ひどい。」


はぐれ「それに俺たちメタル系はやっぱり狙われちゃうんだよね~」


はぐれ「まぁ、そんで俺たちメタル系は300匹ぐらいいたんだが、偶然世界の狭間に巻き込まれた俺以外は全滅だぜぇ?」


スライム「な……なるほど……。」


突然、船が揺れ始める…….


スライム「うお!?なんだ!?」


はぐれ「バピラスたちが船の輸送を始めたんだろ。たぶん」

ロンダルキア地方 ロンダルキアのほこら周辺


スライム「さ………さむぅぅぅぅぅぅぅぅぅいいいいいい!!!!!!!」


デビル「うるさいぞ」


くびかり「いやいや……デビルちゃん毛皮着てるからね?スライムくん裸だからね?」


あくましんかん「とりあえず小屋か何かを探そう。」


数十分後………………


メタル「まずいですね……小屋どころか雪山すら見つけられてないですよ」


ドラゴン「うむ……それに吹雪も酷くなってきてるな」


マドハンド「休憩もできませんね。」


その時………吹雪とともに三体の魔物が現れる


ブリザード1「いやっほぉぉおぉお!!!おいブラザーこんなところに指名手配されてたアレフガルドの奴らがいるぞ!!」


あくましんかん「こっちがアレフガルド側って事は知られているのか。」


スライム「まずいな……だが先手必勝!!」


スライムは三体のブリザードに向かって体当たりを食らわせようとする…………だが、


ブリザード2「ヘヘッ!クールに行くぜ!『ザラキ』!!!!」


紫色の閃光がスライムの体を通り抜ける。


スライム「か…………は………」


キラーマシン「スライムサン!!!」


キラーマシンはスライムを受け止め、マドハンドに渡す。


キラーマシン「ド、ドウデスカ?」


マドハンド「ど、どうって……完全に死んじゃってますよ?」


キラーマシン「ソ……ソンナ」


マドハンド「死んだものは僕の力じゃ………」


あくましんかん「……マドハンド……私に力を貸してくれ。」


マドハンド「え?」


あくましんかん「ザオラルを唱える。」

マドハンド「ザ、ザオラルって!!自分の体の状況わかってるんですか!?」


あくましんかん「あぁ。だから私はサポートをする。マドハンド……君ならできる。」


マドハンド「そんな事急に………」


キラーマシン「マドハンドサンドウカオネガイシマス。」


マドハンド「………………わかりました。でもどうすれば?」


あくましんかん「うむ。だが、その前にザオラルはかなりの集中力を使う。キラーマシン。私達の防御頼む。」


キラーマシン「ワカリマシタ。」


そして、キラーマシンはブリザードたちと戦う支部たちの元へと走る。


ブリザード3「ケケケッ!ブラザー!!あれやってやりましょうぜ!」


ブリザード2「よし!やるか!!」


ブリザード1「いくぜ!!『マヌーサ』!!」


支部たちの周りに白い霧がかかる。

さらにその霧は吹雪と融合し、支部たちの周りは幻を見せる吹雪が吹き荒れていた。


くびかりぞく(ちくしょう…………感覚を研ぎ澄ませろ………)


ザッ!!


くびかり「そこだ!!!」


くびかりぞくは力いっぱい斧を振り下ろす。


デビル「ぐお!?」


だが、くびかりぞくが斧を振り下ろした相手はデビルロードだった。


デビル「貴様ッ!なんのつもりだッ!!!!!!」


くびかり「いやいや!!そっちが紛らわしい動きすんのが悪い!!!!」


はぐれ「ちぇっ。趣味わりぃな。マヌーサ興奮作用も入れてやがる。ちょっとしたことがイライラに繋がっちまうぜ。」


メタル「これじゃ仲間楽天割れで自滅するのも時間の問題………」


ドラゴン「ともかく耐えるぞ!スライムが蘇るまで……」


キラーマシン「ハイ!」

あくましんかん「いいか…マドハンド。命っていうのはワインと同じだ。」


マドハンド「え?」


あくましんかん「グラスのなかにワインが入っている。命もそれと同じように考えろという意味だ。」


マドハンド「???」


あくましんかん「いいか?命というのは体というグラスに入っている液体だ。」


あくましんかん「体……つまりグラスに傷がつけば中身はこぼれてしまう……」


マドハンド「うーん??」


あくましんかん「ザオラルで蘇らせる事ができるのは蒸発してない命のみだ。」


マドハンド「話が飛び飛びですよ……」


あくましんかん「だから、溢れている液体をスライムに注ぐイメージで呪文を唱えろ。」


あくましんかん「微調整は私がやる。」


マドハンド「なるほど……溢れた液体を注ぐ………やってみます!!」


マドハンドはスライムの体に魔力を注ぐ……


あくましんかん「よし!いい感じだぞ!」


マドハンド「ぐぐ………だめだ……魔力がどんどん吸われていく……」


あくましんかん「頑張るんだ!」


ブリザード2「ん?なんかやってんな?」


ドラゴン「ま、まずい気付かれた!」


メタル「くそ!!あくましんかんさん達はまだザオラルを唱えられないのか!!!」


ブリザード3「んじゃあ、あの二匹も……」


ブリザード「『ザラキ』!!!」


スライムのときより早く紫の閃光があくましんかんたちを襲う!!

だが、キラーマシンがそれらからあくましんかんを守る


キラーマシン「フゥーアブナイアブナイ。」


ブリザード1「くそ!マシンには命の概念がないからザラキが効かない!!」


マドハンド「良しっ!終わった!!」


スライムが静かに目を覚ます。

スライム「うお!?い、生き返った?」


ブリザード3「くそッ!生き返っちまったぜ!」


あくましんかん「スライム。私が君の魔力を解放する。特大のをぶちかませ!」


スライム「へ?なんで俺?」


キラーマシン「フブキノマヌーサニカカッテミナサンガカカッテシマッタノデス。」


スライム「な、なるほど………じゃあ……行きます!!」


スライム「うぉぉぉぉ!!『ベギラマ』!!!」


スライムから特大の閃光が放たれる。

さらにその閃光をキラーマシンが追いかけ……


キラーマシン「ベギラマソードッ!!」


閃光を纏わせた剣でブリザード三体をまとめて両断する。


ブリザード1,2,3「グァァァァァァアアアアアアア!!!!」

閃光と氷の相性は良く、ブリザード達は空に溶けていった………

申し訳ない。今日はここまて。

スライム「ふぅぅ。終わったぁ」


メタル「おい!スライムくん大丈夫?」


スライム「あっ。大丈夫です。迷惑をかけてすいませんでした。」


ドラゴン「ま。スライムが無事ならいいんだがな。」


テビルロード「にしても、今回はキラーマシンがずいぶんと気合入ってたな。」


くびかりぞく「そうそう。スライムちゃんがザラキでやられた瞬間に積極的になってさぁ~」


キラーマシン「イヤイヤ。ワタシニハイノチトイウガイネンガナイ……」


キラーマシン「ダカラ、イノチをソマツにアツカウヤツヲミルト……」


マドハンド「許せないってことですね!」


キラーマシン「エエ。ソウデス。」


はぐれ「まぁ。今回のMVPはキラーマシンだ。礼を言っとこうぜ。」


スライム「そうでね……ありがとうございます。キラーマシンさん。」


キラーマシン「ウーン……テレマスネ。」

あくましんかん「おいおい。こんな吹雪の中でのんびりおしゃべりしているわけにはいかんぞ」


メタル「た、確かに……敵を倒したのはいいですけどこのままじゃみんな凍え死にますよ。」


スライム達は無言で大雪原を歩き始める。

すると、海岸にかなりの大きさの船が止めてあるのを発見する。


スライム「で、でかいなぁ……」


くびかりぞく「こりゃあうちの船の2,3倍はあるんじゃない?」


ドラゴン「どうする?支部長。乗り込むか?」


あくましんかん「デビルロード。気配はどうだ?」


デビルロード「なんの気配もない。」


くびかりぞく「んなら、安心して入れるってわけで………」


くびかりぞく「突撃ぃぃ!!!」


スライム「あっ!!ちょっと待ってくださいよ!!!」


謎の巨大船内部


マドハンド「中はずいぶんと汚れてますね………」


はぐれ「うーん。どちらかというと細かいところにまで手が回ってねぇんじゃねぇか?」


メタル「あぁなるほど。たしかに台所やテーブルなんかの使うものはしっかり整頓されますね。」


あくましんかん「それではここに居たのは少人数か?」


ドラゴン「襲われたんだな。」


あくましんかん「うん?」


ドラゴン「床。よく見てみろ。」


スライム「うーーーむ。………なっ!これって………」


あくましんかん「血痕だな。」


キラーマシン「ソレモニンゲンノ………」


ドラゴン「少数の魔物が船員を皆殺しにして乗っ取ったんだろ。」


くびかりぞく「んで死体は海の中か……こわっ!!」


デビルロード「おい。誰か船に入ってきたぞ。」

???1「だぁぁぁぁぁ!誰もいなかったじゃねぇか!」


???2「当たり前じゃない!!!だからムーンブルクの方に行こうって言ったのにッ‼︎」


???3「まぁまぁ。それじゃあ船を出発させてムーンブルクの方に行こうよ。」


???1「そうだな…………フンッ!!!!」


謎の魔物はデビルロードが身を潜めていた樽を持っていた斧で叩き割る。

斧を振り上げる気配を感じていたデビルロードはうまく転がり回避する。


???1「チィ!!どっせい!!」


続けて魔物は斧を振るう。

デビルロードはその一振り一振りを丁寧に回避する。


くびかりぞく「へいへい!!かわしてばっかじゃ相手は倒せないよッ!デビルちゃん!!!」


天井に張り付いていたくびかりぞくは落ちると同時に魔物の脳天に向かって斧を振り下ろす。


???1「ッ!!」


魔物はくびかりぞくが天井にいたことを想定してた様な動きでかわす。

そして、かわした勢いでくびかりぞくに回し蹴りを叩き込む。


???1「バレバレなんだよッ!!!!」


くびかりぞく「ぐおっ!いい蹴り。」


お互いに距離をとる両者にあくましんかんが待ったをかける。


あくましんかん「くびかりぞく、デビルロード。いったん引け。」


くびかりぞく「え?なんで?」


あくましんかん「もしかするとそいつらは私たちの敵ではないかもくれない。」


デビルロード「いえ。こいつは殺意満点で俺に切りかかってきましたよ。」


あくましんかん「それはこっちの素性を知らないせいでもあるだろう。」


???2「あなたたちはなにものなの?」


あくましんかん「私たちはアレフガルドにある会社の支部隊だ。」


???3「え!?あなた達が!?」


スライム「うん?なんか話がややこしく………」


あくましんかん「バピラスから話を聞いていた。ハーゴンの会社の産業スパイがこちらに情報を渡そうとしてると。」


???2「そうそうそう!!それよ!!私たちはこのロンダルキア会社の産業スパイなの!」

???3「それであなた達に情報を渡そうと探していたのです。」


あくましんかん「なるほどな……」



???1「んじゃあ会議室行かね?立ってんの疲れてきたしさぁ。」


???2「そうね。あっ!こっちです!」


会議室


???2「それじゃあ、まずは自己紹介から。」


???2「私はしびれくらげ。こっちの斧振り回したバカがバーサーカーで、物腰柔らかいのがラリホーアント。」


バーサーカー「うぃーす。」


ラリホーアント「よ、よろしくお願いします。」


~支部隊自己紹介割愛~


あくましんかん「それで?私たちにどんな情報を渡してくれるんだい?」


しびれ「まぁ、簡単に言っちゃえば内部の様子と構成。そして目的よ。」


はぐれ「それじゃあとっとっと話してくださいな。」


しびれ「まず、ロンダルキア会社はあなたたちと同じ土地の売買をしているの。」


しびれ「だけどそれ以外にも奴らには目的があるの。」


スライム「そ、その目的って……?」


しびれ「破壊神の復活よ。」


スライム「え?」


しびれ「破壊神が復活すれば、かなりの土地を魔物の領地とすることができる。」


デビルロード「そうすれば、奴らにはかなりの利益がでるな。」


ラリホー「それに、奴らは破壊神を使って他の会社の領土も徹底的にやるつもりなんです。」


バーサーカー「あいつらの土地の管理は半端じゃないぜ。」


バーサーカー「無理な価格を借金させて買わせて、そのあとは土地代を払えないのをいいことに規則でがんじがらめにして従わせる。」


バーサーカー「ここら一帯の土地は完全にハーゴンの思い通りにできる。」


バーサーカー「住民を増やすことや減らすこともな。)


あくましんかん「なるほど……アレフガルドも危ないというわけか……」

ごめんなさい。
寝ます。

なかなか面白いなこれ

>>191
ありがとう。
やっぱりそういうコメントくれると嬉しい。

ドラゴン「それで?構成は?」


しびれ「簡単に言っちゃうと、ここら辺。つまりロンダルキアが本社で、それを警備する部署が3つあるの。」


しびれ「ベリアル率いる、魔術警備係。アトラスの率いる攻撃警備係。そして………」


しびれ「バズズ率いる特殊警備係。」


デビルロード「バズズ………だと?」


くびかりぞく「あれ?知ってんの?」


デビルロード「お前には関係ない。」


くびかりぞく「つっめたぁーい」


ラリホー「まぁ、ここら辺の構成はこの3つの係で成り立ってます。」


バーサーカー「んで、あとはローレシア警備係、あんたたちが戦ったムーンブルク警備係、デコンダル警備係、ベラヌール警備係。」


あくましんかん「なるほど……アレフガルドの周りは全て征服されてると考えた方がいいな。」


ラリホー「そうですね。」


しびれ「それで?あなたたちはどうするの?」


メタル「どうするって?」


しびれ「たぶんだけどハーゴンはそろそろアレフガルドを本気で征服しに来るわよ。」


はぐれ「てことは……」


あくましんかん「私たちが手を打たなければいけないか……」


しびれ「いえ。竜王さんはあなたたちを全力でサポートするって言ってたわよ。」


マドハンド「えっともしかしてなんだけど……」


しびれ「うん?」


マドハンド「うちの会社の都市伝説であるスパイ課の方々?」


しびれ「そうよ」ドヤァ


スライム「えぇ!?本当にあったんだスパイ課なんて。」


ラリホー「あはは……」

あくましんかん「それで話を戻させてもらうが……こちらへの支援は?」


しびれ「私たちだけよ。」


スライム「え!?それって……」


バーサーカー「勘違いすんなよ。俺たちだってお前らレベルの実力はあるんだぜ。」


マドハンド「い、いやそういう事じゃなくて………」


ラリホー「援軍が少ないって事?」


マドハンド「そ、そうです。」


しびれ「それに関してはあれよ。アレフガルド自体が襲撃される可能性があるからよ。」


はぐれ「チェ。全力でサポートってのはどこいったんだよ。」


しびれ「仕方ないじゃない。」


あくましんかん「それでは次だ。」


あくましんかん「ロンダルキア会社の本部はどこにある?」


しびれ「………この船を北へ3キロ行ったところよ。」


くびかりぞく「ゲェエ。以外と近かったんだな。」


スライム「それならさっさと作戦を決めて突入しましょう。」


あくましんかん「落ち着け。今日はいったん寝よう。」


ドラゴン「うん?以外に悠長だな。」


あくましんかん「仕方ないだろう。ブリザードたちの襲撃でみんな憔悴しきっている。」


はぐれ「まぁ、休みも必要ってこった。」


しびれ「でも寝るのにはまだ早くない?」


あくましんかん「そうだな。よし。作戦を今のうちに決めるぞ。」


くびかりぞく「うそぉ。長そう。」


デビルロード「今回の戦いははっきりいって勇者との実戦命令より難易度高いぞ。」


あくましんかん「その通りだ。万全の状態で完璧な作戦がなければ生き残れないぞ。」

スライム(そして……作戦会議は始まった。)


スライム(はっきりいって作戦はあんまり頭に入らなかった。)


スライム(明日の作戦への緊張で頭は真っ白だ。)


スライム(周りがおかしいんだ。こんな無茶な作戦の前に冷静に判断ができるなんて。)


スライム(そこで俺は思い出したんだ。この支部隊はエリートの集まりだって。)


スライム(キメラさん。ベスちゃん。がんばるよ。)


スライム(そうして……夜は明けた。)


次回……ドラゴンクエスト2編 最終決戦開始

今回はこれで終わり。
更新は未定です。

ここから戦闘パートが続くので各々の役割を紹介


スライム・・・魔法での前線補助、あくましんかんの作戦発案補助


ドラゴン・・・前線での盾役、ブレスによる広範囲攻撃(現在負傷中)


メタルスライム・・・高速で敵を撹乱、雑魚処理


デビルロード・・・優れた五感でのレーダーの役割、格闘術での前線参加


くびかりぞく・・・前線参加


あくましんかん・・・作戦発案、魔法での前線参加


はぐれメタル・・・作戦により変更される


キラーマシン・・・様々な特技での前線参加、前線での盾


マドハンド・・・味方の能力上昇魔法でサポート、回復魔法でのサポート


バーサーカー・・・前線参加


しびれくらげ・・・敵を行動不能にする特技での撹乱


ラリホーアント・・・敵の妨害魔法を使い味方のサポート

スライム(遂に朝か………)


スライム(といってもラリホーアントさんのラリホーでぐっすりだったけど……)


あくましんかん「さてと………全員覚悟はいいか?」


くびかりぞく「あぁーあ……早くこの仕事終わらせて飲みに行きてぇ。」


デビルロード「少しは緊張感を持ったらどうだ?」


マドハンド「それでは……たしかスパイ課の三匹が荷物に扮した僕たちをロンダルキア本社に連れて行くんですよね?」


しびれ「そうよ。だからとっとと支部隊は馬車に乗り込んで。」


スライム「わ、わかりました。」

ロンダルキア本社


暗闇に三匹の魔物が佇む………


???「ついさっき貿易課の三匹がロビーに荷物を搬入しました。」


ハーゴン「そうか………ならばその三匹を始末しろ。」


???「ん?なぜです?」


ハーゴン「ここから南に3キロの船を偵察課に見張らさせていたが……」


ゴーゴンヘッド「どうやら奴はアレフガルドのスパイだったようじゃ。」


???「なに?………ハーゴン様は奴らがスパイであると勘付いて船に偵察を?」


ハーゴン「クククッ………前々からアレフガルドに情報を渡していたのは知っている。」


ゴーゴンヘッド「悪いがうちの社員は24時間365日常に見張っておるからのぅ。」


???「な………」


ハーゴン「ハハハッ!徹底した社員管理だろ?」


ゴーゴンヘッド「それよりどうします?あの三匹はネズミを大量に連れてきたようですが?」


ハーゴン「それは本社の魔物に任せておけ。」


ハーゴン「そして…………各地方の戦闘課の魔物をアレフガルドへ向かわせろ。」


???「確実にアレフガルドを潰すおつもりですね。」


ハーゴン「あぁ。わたしは破壊神の召喚で忙しくなる。後の事は任せたぞ。」


ハーゴン「…………………ベリアル。」


ベリアル「承知。」

ごめんなさい。
今日はこれでご勘弁を……………………

ロンダルキア 本社 エントランス


しびれ「さぁ、着いたわ。誰かに見つからない内に打ち合わせ通りの位置に着いて!!」


スライム達、支部隊が馬車から降りようとしたその時だった。


ゴーゴン「わるいが………これ以上の会社見学はお控え願いたい。」


突如、何もない空間からゴーゴンヘッドが現れる。


スライム「なっ!?ど、どこから!!!」


ゴーゴンヘッドの体から霧が立ち込める…………


くびかり「これってまさか?」


あくましんかん「クッ!マヌーサだ!!!」


ゴーゴン「それでは頼みましたよ。警備係長さん方。」


ドラゴン「チィッ!!作戦はどうなる!?」


あくましんかん「いったん、三方向に別れるぞ!!!」


あくましんかんの掛け声と共に全員が三方向にばらける。

スライム、マドハンド、デビルロード、くひがり方面


スライム「はぁはぁ……いったん霧は抜けたかな?」


くびかり「だけど、幻の所為でルートはわからなくなっちゃったね。」


デビル「…………………静かにしろ。」


デビルのその声の後は静寂が辺りを支配した。が、

デビルはかすかな気配を逃さなかった。


デビル「囲まれたな。」


わらわらと、ロンダルキアの社員が現れる。


フレイム「ケッ!気付かれてんじゃねぇか。」


マド「敵は20くらいか?」


くびかり「大丈夫?戦闘派は俺とデビルっちしかいねぇけど」


デビル「俺一人でも十分だ。」


スライム「お、俺もできる限りのサポートはします!!」


4匹の魔物全員を引き裂く為に20の軍勢が一度に襲いかかる。

デビルはその身軽な身のこなしで先へ先へと進む。

くびかりぞくはスライムとマドハンドのサポートを受け、襲いかかる敵を一匹ずつ倒していく。

デビルロードも順調に戦っていた。


デビル(なかなかに個々が強いな。)


そんな事を思いながら敵にカウンターを浴びせた次の瞬間。

デビルの顔面に衝撃が走った。


デビル「ガァ……………ァ……」


その衝撃のまま、デビルは
吹っ飛ばされ、フロアを強制的に移動させられる。


くびかり「デビルっち!?」


そんなくびかり族の声はデビルには聞こえていなかった…………


デビル「油断したか!」


デビルはすぐに起き上がり、確認する。

先ほど自らの顔面に蹴りをいれた自らが倒すべき相手を。

だが………デビルは絶句する。


デビル「な………お前………」


デビルの視線を受けていたのは、一匹のシルバーデビルだった。」


シルバー「久しぶりだね。おにぃちゃん」

デビル「なぜ……おまえが? 」


シルバー「なぜって……おにぃちゃんに会うためだよ。そして…………」


シルバー「おにぃちゃんをこっちの会社に引き入れるんだ。」


デビル「な、なに?………意味がわからないぞ。」


シルバー「おにぃちゃんはおかぁさんが死んでから、このロンダルキアをでて、アレフガルドへと行った。」


シルバー「アレフガルドに居る魔物達を襲う計画はおにぃちゃんが出てった後に噂が立ち始めた。」


シルバー「だから、強くなっておにぃちゃんを力ずくでも連れ返せる様になるにはこの職業につくしかなかった。」


デビル「な………たかが噂ごときでこんな危ない職業に!!!」


シルバー「それに!!!!」


シルバー「お父さんも止めたかった……………」


シルバー「だって今はもう、暖かいお父さんじゃないんだもん。」


デビル「クッ!」


デビルは思い出す。

無理やり胸の奥にしまっていた思い出を、


妹の一言により、その思い出の箱は強引に押し開けられた……………

あれはまだデビルが小さい時だった。


デビルの父はロンダルキアではかなりの好成績をだしており、妻のサポートを借り数々の仕事を
こなしていった。

デビルはそんな父に憧れていた。

尊敬もしていたし、大きくなったら父と一緒の職場で働けたらと願っていた。


父にそれを話すと、「そうか!待ってるぞ!」とご機嫌に答えていた。


そんな4匹家族の幸せは1人の魔物使いにより、一瞬で壊された。


いつも通り父が母とともに人間の土地を侵略していた時だった。


そこに旅の魔物使いが通りかかり、父と母はその魔物使いと戦闘になった。


最初は父と母の2匹の優勢だったが、魔物使いの悪あがきのスカウトアタックにより、戦況は一転する。


母「お……とう……さん。……ニ、ゲ、テ……」


母は、スカウトのせいで正気を失い魔物使いの言いなりとなってしまった。


そこに、ロンダルキアは非情な決断をした。


父に母を殺させたのである。


それから父はおかしくなり、仕事以外なににも興味を示さなくなり、感情も消え失せていた。


幼いデビルはただ、父が母を殺したという事実に絶望した。


それからはデビルは父を憎む様になり、父に反発しアレフガルドへと旅立っていった。


泣きじゃくる妹を置いて……………


シルバー「どう?おにぃちゃん。こっちに来る気はある?」


デビル「……………………残念だが……ない。」


シルバー「じゃあ、力ずくしかないね!!!」


シルバーとデビルが同時に足を踏み出す。


2匹の拳が交差し、空を切る。


デビルはそのまま体をひねり回し蹴りをシルバーの体にたたき込む。


だが、シルバーは足と手を固めデビルの蹴りをガードする。


2匹の腕が、足が、体が交差し、相手の体に叩き込まれる。


デビル「くそ。なかなかやるな。」


シルバー「当たり前じゃん。この日のためにどれだけ頑張ったと思ってんの?」


デビル「フゥッ!」

デビルは手を刃の様にしてシルバーの体に切りつける。

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