春香「プロデューサーさん、賭博ですよ賭博!」(52)

 春香「千早ちゃん、賭け事とかどう思う」

 千早「競馬とか競艇?」

 春香「そうそう、あとポーカーだったり、パチンコだったり」

 千早「あれに大金をつぎ込む意味がわからないわ。あんなの、失くすべきよ!」

 春香「だよね。」

千早「まったくよ」

 春香「ところで、千早ちゃん」

 千早「なに?」

 春香「プロスペクト・パークウェイで起きた事件知ってる?」

 千早「ごめんなさい、最近tvとか見てなくて」

 春香「結構ショッキングだったよ」

千早「どんな事件なの?」

 春香「人が生きたまま焼かれたの」

 千早「え・・・・今何て」

 春香「プロスペクト・パークウェイの葬儀場で、一人の男性の焼死体が発見されたんだって。」

 春香「で、検査の結果被害者は」

 千早「生きたまま焼かれた」

春香「うん・・・・考えられないよね。生きたまま炎に・・・」

 千早「で、犯人は?」

 春香「全然。指紋一つ見つからないらしいよ」

 千早「解せないわね・・・・・」

 春香「じゃ、私そろそろ仕事行くね」スタスタ

 千早「えーっとどこで仕事だったかしら」

 春香「中華街」ガチャン

opっぽいものhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1332363


 ***

 春香「ありがとうございましたー!」

 ad「春香ちゃん、きょうもよかったよ」

 春香「えへへ」

 ad「又機会があれば出演を」

 春香「はい!」

 帰り道

 春香「ふぅ、もう7時か。早く帰らないと。」

 春香「にしても・・・・ここはどこ?」

 春香「中華街って意外と広いんだった・・・・・・・・どうしよう」

 春香「なんか、本当に中国に来た感じ。周りの人の目も気になる・・・・・」

 春香「あのー、駅への道を教えてくれませんか」

 男「・・・・・・・」スタスタ


 春香「ガーン・・・・無視された。やっぱ、中国語じゃなきゃだめなのかな。でも、私英語すらままならないのに」

 春香「はぁ・・・・pさんに電話しようにも、携帯は充電切れ・・・・・」

 春香「不幸だ・・・・・あ、あれは・・・・・やよいのお父さん?」

 人ごみであふれる中華街の一角で私は見覚えのある人物を発見しました。

春香「写真でしか、見たことないけど・・・・・やよいのお父さんだよね」

 春香「こんな所でなにしているんだろ?」

 私はイケナイと分かりつつもやよいのお父さんを尾行してみることにしました。

 もしかしたら、ここを出られるかもしれない!

 5分後

 春香「あれ・・・・・やよいのお父さん、なんで路地裏なんかに??」

 姿が見えなくなったので、私も急いで路地裏へ。しかし、そこは行き止まりで、やよいのお父さんの姿もありませんでした。

 春香「あれれ・・・・確かにここに」

 ?「おい、そこで何をしているんだ!」

 春香「ひっ!」

 突然、後ろのほうから男の人の声がしました。振り返ると、スーツにコートの服装の人がいました。

 春香「ヮ、私はですね・・・・・」

 私はなんとかして事情を説明しました。

 ?「なるほど、道に迷ったか・・・・ならいい」

 春香「え?」

 ?「私は中華街署のチェンだ。」


 そう言って、男の人-チェンさん-はポケットから手帳を取り出して見せてくれた。


 春香「ということは、刑事さん!?」

 チェン「あぁ、そうだ」

 春香「でも、私悪いこと何にも・・・・」

 チェン「ここら辺は性犯罪が多い地区なんだ。もし、見つけたのが私じゃなかったら・・・・」
 
 チェン「言いたいことは、分かるな?」

 春香「は、はいっ」

チェン「今日のところは私が送っていくから」

 春香「ありがとうございます」

 その日、私は初めてパトカーに乗りました。

****

 中華街 某所

 黒服「さぁ、高槻さんあなたの番です」

 やよい父「頼む・・・・・・当たってくれ」

 黒服は持っている壺をやよい父渡しました。

 父はそれを両手で持つとシャカシャカを降り始める。

 黒服「では、一個だけ札を引いてください」

 父「っ・・・・・これだ!」

 黒服「では、手を壺の中から出して、札を確認してください」

父「・・・・・・・・そ、そんな・・・・・」

 札『目』

黒服「残念・・・・・いや、これはまだ運がいいほうですよ」

 黒服b「さぁ、こちらの部屋へ」

 父「くそぅ・・・・・・・・ごめんな、やよい」

  やよい父は黒服bに連れていかれた。

?「はぁ・・・・・」

 黒服「どうしたのですか、チェン刑事」

 チェン「ここの用心棒を任されてから、たくさんの輩を見てきた・・・・・」

 黒服「日本人はギャンブルに弱いですから。体の一部が取られると分かっていてもやめることはできないでしょう」

 黒服「まぁ、このおかげで我々も十分な暮らしができるんです。それはあなたも同じでしょう。家のローンまだあるんでしょ」

チェン「ローンくらいこんなことをしなくても払える」

 黒服「じゃあ、辞めるんですか?」

 チェン「っ・・・・・」

 黒服「できませんよねぇ?ここでのルールは知っているでしょう。賭博も用心棒も途中でやめられないんですよ。」

 チェン「今日はもう帰る」ガチャン!

 黒服「・・・・・・・」

  *****

 翌日

 やよい「はぁ・・・・・・・」ションボリ

 春香「やよい?」

 やよい「はぁ・・・・・・・・・・」

 春香「やーよーい!」

 やよい「ふぇっ・・・・・ごめんなさい、春香さん。ちょっと考えことしてて」

春香「どうしたの?」

 やよい「はい、実は昨日、お父さんが怪我をして帰ってきて」

 やよい「片目に眼帯をしてたから、どうしたのって聞いたけど、なんでもないって言うんです。」

 やよい「でも、何度もガーゼ変えたりしてたし、やっぱ何かあったんでしょって聞いたら」

 やよい「お前は何の心配もいらない、お父さんに任せておけって・・・・・・」

春香「昨日か・・・・・たしか私中華街でやよいのお父さん見たよ!」

やよい「ほんとうですかー!」

 春香「うん。ついていけば町に出られるかなって思ってたんだけどね」

 春香「やよいのお父さん町に出ないで、そのまま中華街の裏路地みたいなところに入っていったんだよ」

 春香「あれ?って思って、路地裏に行ってみたんだけどもういなかった」

 やよい「う~・・・やっぱ何かあったんでしょうか」

春香「そうだね・・・・そうだ!」

 春香「やよい、私ちょっと刑事さんに会ってくる」

 やよい「え?」

 春香「そのあと、その人に補導されかけてんだ。こんな所で何してんだって。」

 春香「その人中華街署の人らしいから何かないか聞いてくるね」

****

  警察署

  チェン「なんだ、あの時のリボンか」
 
  春香「リボンて・・・・」

  チェン「何か用か?」

  春香「ええ。この前のときに私実はある人を追ってあの路地裏に来ちゃったんです」

チェン「ある人?」(まさか・・・)

  春香「はい、その人私の事務所の後輩のお父さんなんです」

  チェン「・・・・・・」

  春香「で、きょう後輩に聞いたら、お父さん眼帯して帰ってきたんですって」

  チェン「あぁ・・・・そうか」

春香「あの辺りって何か危ないんですよね」

  チェン「そう・・だな。ちょっと調べてみる。今日はもう帰れ」スタスタ

  春香「え・・・・行っちゃった」

  春香「なんか、変だったな刑事さん」

****
  
  チェン「くっ、こんなこと・・・・でも、仕方ないのか・・・・」

  チェン「今日も・・・・行くか」

****

  
  a男「なん・・・だと!?・・・・『歯』って・・・・」

  黒服「これは、珍しい。ですが、変えることはできません」

  a男「そんなぁ・・・・いやだ・・・・助けてくれよぉ」

  黒服「連れて行きなさい」

  黒服b「はい。さぁ、こっちに来い」ガシッ

  a男「うぅ・・・・」ズルズル

  チェン「・・・・・・・」

チェン「今日、天海春香が訪ねてきたんだ」

  黒服「あー・・・たしか、ここらへんまで来ちゃった子でしたっけ」

  黒服「あなたが、偶然補導したとか」

  チェン「ああ。もし、俺じゃなかったら多分あの子は臓器を・・・・・」

  黒服「ははははは、さすがのうちでも人を誘拐して臓器を盗ろうだなんて」

チェン「ふん、よく言えるな」

  黒服「で、なんて言って来たんですか」

  チェン「後輩の親父が眼帯をして家に帰って来たとさ」

  黒服「もしかして、高槻さん?」

  チェン「そうだ、娘がいるっていってたよな」
 
  黒服「ええ、もしも裏切るようなことがあったときの場合に備えて家族構成は調べてあるんです」

チェン「娘が不審に思っているそうだ」

  黒服「なるほど。で、それが?」

  チェン「いやべつに・・・・」

  黒服「まさか、情が移ったんじゃないでしょうね」

  黒服「何度も言いましたよね?これは仕方の無いことだと」

黒服「それで、本当にどうにかするなら、それはそれでいいでしょう。勝手にしてください」

  黒服「しかし、その時は我々もあなたとはいえ容赦はしません。罰を与えます」

  チェン「・・・・・・・」

  黒服「裏切り者の末路はあなたもご存じで」

  黒服「わかっているなら、余計な気を回さないほうがいいですよ、ね?」

  チェン「・・・・・・・」

 ****

  明くる日

  やよい「刑事さん、何か知ってましたか?」

  春香「全然。調べるって言ってたけど」

  やよい「そうですか・・・・」

  春香「ごめんね」

  やよい「いいんです。そうだ」

  やよい「今日あたり、お父さんがどこかへ行くみたいなことを言ってました」

  春香「あやしいね・・・・私ちょっと張り込んでみようかな」

****

  中華街 裏路地

  春香「ここに隠れていれば、きっとやよいのお父さんが・・・・・あ、来た」

父「・・・・・・」コソコソ

  春香(かなり周りを気にしてるね。)

父「高槻です」コンコン

  春香(あそこのドアから入るんだ)
  
  黒服v「よし、入れ」

  春香(かなーり、怪しいね。なにかカジノっぽいけど・・・・)

  春香「どうやって、入ろうかな・・・・だいたい私みたいなのが入れるかな」

春香「う~・・・・とりあえず、ノックしてみよ」コンコン

  ?「誰だ?」

  春香「えーっと・・・・・」

  ?「初めてのやつか?」

  春香「そうです!私ここ初めてなんです」

  黒服v「ん・・・・子供か・・・・ま、いい入れ」ガチャ

****

  チェン「あいつ、こんな所で何を・・・・・」コソコソ

  春香「     」ガチャ

  黒服v「         」
  
  チェン「入った・・・・・もしかして、気づいたか・・・・くそっ・・・・無茶しやがって!」タッタッタ

 ***

  建物内

  春香(うわぁ・・・・なんかすっごい暑いなぁ。熱気がもう・・・・)

  春香(たくさんドアがあるけど・・・・個室でやるのかな)

  春香(時々、泣き声みたいなのが聞こえるんだけど・・・・なんだろ??)

  黒服m「ここに入って待て」ガチャ

数分後

  黒服「ようこそ、天海春香ちゃん。」

  春香「え、なんで私の名前を?」

  黒服「もういいよ、そんな演技は」

  春香「へ?」

  黒服「この人が目当てなんでしょ」

  モニターにはここと似たような部屋の映像が映っている。

春香「この人・・・・やよいのお父さん!」

   黒服「正解。今日も懲りずにここに来ているようだけど・・・・・・」

   春香「ここはいったい何なんです?」

   黒服「ここはちょっとした賭博場だよ。でも、そこらの賭け事とはレベルが段違いだけど・・・・」

春香「違うって?」

   黒服「もちろん、お金を使うのは当然、だけどこの賭博はそれ以外も使うんだよ」

   春香「まさか・・・・目を・・・」

   黒服「そうだよ。失敗すれば、お金だけでなく体の一部もとられるのさ。」

黒服「だけど、その分当たれば相当な金額が転がり込んでくる。」

   春香「外道だわ」

   黒服「ふふふ、でもこれは我々がここで生活していくためには仕方のないことなんだ」

   春香「だからって、人の体を弄ぶようなことはしなくても良いじゃないですか!」

 黒服「日本人のあなたにはわからないか。さて・・・・・」

   黒服「別室でゲームをしている、高槻さん」

   黒服「おそらく、きょうで終わるでしょう」

   春香「終わるって・・・・賭けが?」

   黒服「いいや、違うね。彼の人生だよ。当てて見せよう、彼は必ず『心』の札を引く」

春香「まさか、イカサマを・・・・・・」

   黒服「さて、ここまで聞いておいて無事に出られるとは思っていないですよね?」

   黒服「さぁ、おとなしく死ね」

   黒服さんは懐から銃を取り出すと、私に向ける。

   春香「そうやって、何人もの人を殺して来たんですね。」
 
   春香「真実を隠すために。」

春香「こんなことを続けていたら、いつか酷い目見ますよ」

   黒服「もういいか?さぁ、・・・・・お前も終わりだ!」チャキッ

   その時だった、ドアの外からドタドタと大勢の人が動いている音が

黒服「まさか・・・・あいつ」

   チェン「警察だ!」ドンっ

   ドアを蹴破って入ってきたのはチェン刑事と他の警察の人たちだった。

   黒服「これがお前の答えか」

   チェン「黙れ!さぁ、銃を捨て床に伏せるんだ」

   黒服「ふっ・・・・だが、これじゃ終わらんぞ。」

チェン刑事のおかげであの賭博場は一斉に検挙されました。やよいのお父さんもなんとか助かったみたいです。

  今回の件でかなり、私も怒られちゃったけど、やよいが悲しまなくて済んだので良かったです・・・・

  これで一件落着・・・・・・なんですよね?

 ****

   プロスペクト・パークウェイ 葬儀場 

    普段は遺体を燃やす時以外は使わない焼却炉。

    しかし、なぜかこのときだけは独りでにごうごうと勢いよく燃え上っていた。

    燃え盛る炎の音に混じって何か音・・・いや、声が聞こえる。
 
    なんと、その声は燃え上る炎の中から聞こえているではないか。

    そう、その中には・・・・・・

    チェン「だれかーーーー、助けてくれーーー、頼む・・・・うがあああああああああああああああああああああ」

     death to traitors!
     ( 裏切り者には死を!)



  end

これにて終劇です。

 読んでくれた人たち、ありがとうございます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月24日 (火) 23:31:01   ID: Sl8VuM5o

おもくそXファイルですがなwwww

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