モバP「ムムム…。大変だなあ」 (11)
モバマスSSです。過去作は3作ありますが、見なくても大丈夫です。
このSSではNFLを扱っております。今はシーズン真っ只中ですので気になったらBS1を番組表で見つけましょう。
過去作
アイドル「プロデューサーがオリックスファン過ぎて辛い」
アイドル「プロデューサーさん!マンデーナイトですよ!マンデーナイト!」
アイドル「プロデューサー。早くこっちきなよ」
ちひろ「どうしたんですか?スポーツ新聞を睨みながら。人気アイドルのスキャンダルですか?」
P「いや、それは良いんですが…。これですよこれ」パサッ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444434410
ちひろ「ドルフィンズヘッドコーチ(以下HC)。第4週終了で解任に引き続き、ディフェンスコーディネータ(以下DC)も解任!…なんですかこれ?」
P「アメリカンフットボール。NFLの話題ですよ」
ちひろ「プロデューサーさんはほんとに多趣味ですね。この間までオリックスがー!と嘆いていたのに、もう別のスポーツですか」
P「野球が終わると、NFL。それが終わったらキャンプインですから」
ちひろ「はいはい。その調子で仕事をやってお金を稼いでくださいね」
P「しかし、向こうの世界は厳しいな…」
ちひろ「4週目ということは、20試合くらい終わったんですか?早いですね」
P「何言ってるんですか?NFLは週1試合だけですよ」
ちひろ「え!?じゃあ、4試合で解任ですか!」
P「NFLは17週、16試合しかしません。9月の2週目から試合を行って、12月末でレギュラーシーズンは終わりで、その成績でリーグ上位6チームが進めるプレーオフに関わります。1つの負けは本当に痛いんです」
ちひろ「16試合しかないと、プレーオフの決め方は大変ですよね?」
P「成績が同じ場合の時の決め方はいろいろあるので、自力で行けるチームはものすごく有利なんです。最後の6枠目の争いは、3チーム、4チームが争いますからね。『どこが負けて、かつどこのチームが…』なんてザラです」
ちひろ「プロ野球よりもはるかに大変ですね。リーグと言いましたが、どれくらいあるんですか?」
P「NFLには2つのリーグがあります。NFCとAFCがあります。プロ野球で言う、パリーグとセリーグのようなものです。各リーグ4つの地区があり、東西南北に分かれています」
ちひろ「えっと、2つのリーグそれぞれに東西南北の地区があるんですね。これで8つ…」
P「はい。その地区に4つのチームがあり、計32チームが今のNFLを構成しています」
ちひろ「へえー。それで16試合しかなく、各リーグ6チームしか入れない。大変ですね。――でもプレーオフの決め方はどうするんですか?単に勝った数が多い順ですか?」
P「もちろん違いますよ。6枠あるプレーオフのうち、4枠は各東西南北の優勝チーム。そして、残る2枠はワイルドカードと言って、2位以下で最も勝率の高いチームがプレーオフに出れます」
ちひろ「優勝チーム争いもすごいですが、ワイルドカード争いも大変ですね」
P「そうです。優勝が全チーム決まっても、毎年数チームが最後の1枠を争います」
ちひろ「でも、毎年そうやってプレーオフ争いが熾烈なら、さぞかし…」
P「ちひろさん。顔が黒いですよ…」
ちひろ「NFLってアメリカ4大スポーツの中でも最も人気があるじゃないですか。球団の資産価値上位もNFLチームが占めてるっていう話ですし」
P「ホント、あんたはそんな話は知ってますね…。たしかに、NFLビジネスは凄いですが、同時にNFLはあらゆることで平等を貫いています」
ちひろ「え?日本のプロ野球みたく、戦力費は無制限じゃないんですか?」
P「その部分はまだまだ日本は甘いというか、既得の権益があるからでしょう。収入である放映権料は全て全球団に平等分配。サラリーキャップも決まって、ドラフトは完全ウェーバー制です」
ちひろ「補強費に制限があるということはやりくりが大変ですね」
P「NFLの選手移動は本当に頻繁です。活躍していた選手がライバルチームに移籍なんて当然ですし、上限のせいで、主力選手の放出。冒頭のHCや選手の解雇・獲得なんてザラです。トレードもギリギリまでやりますし」
ちひろ「ほえー。なんだかすごいですね…。選手の解雇は本当に解雇なんですか?」
P「ええ。素行不良や成績が芳しくない選手は容赦ないですね。特にキッカーやパンターと呼ばれる人たちは1週間で解雇・獲得が本当に多いです」
ちひろ「恐ろしい世界ですね…。それだけプロの人たちが多いってことですか…」
P「そうですね。選手加入は本当に手段が多いです。ドラフトもありますし、テスト生昇格。トレードや解雇中の選手まで多種多様です」
ちひろ「トレードやドラフトは分かりますが、解雇中の選手までOKなんですか!」
P「はい。例えば、ファルコンズのクォーターバック(以下QB)だったレッドマン選手は、1年間のブランクを経てNFLに復帰。ブランク中は、保険の外交員だったらしいです。ジャイアンツのラインバッカー(以下LB)のブラックバーン選手は数学の教師をしていたと」
ちひろ「190センチ100キロ越えの教師…。怖くて歯向かえませんね…」
P「実力行使なんてタックル一発でノックアウトですね」
P「他にもトレードも選手同士だけでなく、ドラフトの使命権もトレードの弾にできます。例えば、ある選手と、来年の3順目と6順目指名権と交換。てことも可能です」
ちひろ「さすが交渉社会…。何でも可能なんですね」
P「もちろんこのドラフト交渉権。ドラフト会議直前にも交渉権どうしをトレードできます。多いのは1順目交渉権です」
ちひろ「へ?何でそんなことを?1順目交渉権と言えばいい選手を獲れる最高のものでしょうに」
P「だからです。シーズンが終わった後に1順目指名権は、全体の何番目の指名が出来るかが分かります。」
P「全体3位指名権と20位指名権のトレードも可能です。そうやって、更に指名権を得たり、選手を獲得したりします」
ちひろ「それでも3位を持っているチームはメリットがないような…。抽選もないですから、それでも欲しいとは…」
P「チームに事情が違います。ここのポジションの選手にこの順位は高すぎ(低すぎ)るというミスマッチが起きてしまいます。例えば、アメフトにおいて最も大事なポジションであるQBが欲しいけど、全体20位指名では、目玉選手は間違いなく獲れないと思います」
ちひろ「そもそもアメフトのポジションってどれくらいあるんですか?野球では大きく分けて4つ。細かく分けても7つですよね」
P「アメフトは、まずオフェンスがQB。オフェンスライン(OL)。ランニングバック(RB)。タイトエンド(TE)。ワイドレシーバー(WR)に分けられます。細かく分けると、OLは3つ。RBは2つに分けられます」
ちひろ「えっと、これで8つ。すでに野球を超えてますね…。まだあるんですよね?」
P「ええ。ディフェンスはディフェンスライン(DL)、LB、ディフェンスバック(DB)。これもDLは2つ、もしくは3つ。DBも2つ、もしくは3つに分かれます」
ちひろ「多くて、7つ。計15ポジション…」
P「更にスペシャルチームには、キッカー(K)。パンター(P)。ロングスナッパー(LS)がおります。全部で19ポジションになります」
ちひろ「それじゃあどこを補強するか分からないじゃないですか!」
P「そうです。それがアメフトの面白さでもあるんです!年俸制限の中で今年はどこの分野を特化させるのか、数年規模でチームを再建するんです」
ちひろ「これは未来のビジョンがないとできませんね…」
P「成績下位のチームはQBやDL、OL。LBと言ったポジションを指名する傾向が高いですね」
ちひろ「QBは分かります。攻撃の中心ですし、彼がいないとオフェンスは成り立たないんですよね」
P「はい。チームの年俸の数割はQBです。名QBは年俸十数億円ですから。それだけ重要なポジションで、彼を中心に組み立てるのが基本です。それを守るOLが機能しなければ、QBの能力も発揮されません」
ちひろ「何となくわかりましたが、DL・LBはどういうことですか?彼らはディフェンスですよね?」
P「オフェンスの次は守備の構築。LBはそんな守備の中心人物で、DCのプレー内容を伝えますし、ほぼ全プレーでなければなりませんし、内容次第では前に突っ込んだり、パスカバーもしなければいけない。過酷なポジションです。最近だとレイ・ルイスが有名です」
P「DLはOLを突破して、QBを好きにさせないポジションです。彼らがしっかり動かないと、LBとDBが崩壊されてしまいます。1体1なら基本はボールを持っている側が有利ですからね」
ちひろ「なるほど…。でも、それら以外でも1順目指名はあるんですよね?」
P「ええ。ですが、それ以外だと正直重要度がそこまで高くないんです」
ちひろ「理由は?」
P「簡単に言うと、代わりがききやすいポジションだからです。DBは6人起用もできますし、WRもエース級がいれば3人もいると十分厚いですし。RBに至ってはケガしやすいポジションで絶対的なエースよりもタイプが違うRB2人という起用も多いです」
ちひろ「でも、ある程度構築できれば指名はあるんですよね?」
P「もちろんです。そういう人たちはエースとしての活躍を期待されますから」
ちひろ「アメフトの難しさがよーくわかりました。16試合しかないからすぐに選手やコーチ陣が解雇されるのも、ドラフトの戦略もよく分かりました。――では、話を一番最初に戻って、どうしてドルフィンズはHCとDCを解雇したんですか?」
P「HCは日本で言えば監督。チームの最高責任者です。DCというのはディフェンスのプレー内容を伝えることも、試合中にディフェンスの指示をする人です。もちろんオフェンスコーディネーター(OC)も存在します。今回はディフェンスの最高責任者とチームの最高責任者の首を切ったわけです」
ちひろ「やはり成績不振ですか?」
P「それも一因ですね。4週終了時で1勝3敗。開幕週勝利したけど3連敗…。しかも、チームは総額200億以上の大補強して、この成績だから…」
ちひろ「今年のオリックスみたいですね。まあ、オリックスの場合は開幕4連敗ですね」
P「…それよりも今はチームの和が崩壊状態だという話です。新加入したタムコング・スーというDLの選手は、能力は最高クラスですが、とにかく素行不良でラフプレーをしょっちゅう起こすほどの問題視」
ちひろ「どの程度ですか?」
P「NFLで最もダーティーな選手で堂々の1位に輝くほどで、罰金はもちろん、出場停止処分もあるくらいです」
ちひろ「うわあ…。それでも、NFLに入れるのはやはり成績がすごいからでしょうね…。でも、一人だけなら――」
P「と思ったら、今度はレギュラーQBが、いらついてテスト生を侮辱する発言をしたとかで、今度はQBとディフェンス陣が対立。そのQBの練習中にディフェンス側が練習をボイコットする始末。しかも連敗してHCの求心力が落ちる…。今は崩壊中と言ってもいいでしょうね」
ちひろ「そんなチームが改善に行くにはどうしたら良いでしょうね?」
P「とにかく勝つしかないでしょう。1つ勝てばチームが上向くかもしれません。ですが、今年は同地区の3チームが強いですし早い1勝は難しいかもしれませんね」
ちひろ「――少なくともうちはそんな関係ではないからいいですよね」
P「ええ。アイドルも信頼して、尊敬を持ってやってくれてます。俺の方も同じですし、ちひろさんも信頼してますよ」
ちひろ「え?ええ。ありがとうございます…」
ちひろ「――天然ジゴロめ。あやうくイキかけた…。でも、そのせいで…」
凛「おはようまゆ。そろそろプロデューサーのシャツの匂いかぐの止めなよ」
まゆ「おはようございます。凛ちゃん。――それは出来ません。どうしてもと言うなら力づくで」
凛「」ギリッ
響子「」スッ…
智恵理「!」スッ…
ゆかり「」ススス・・・
響子・智恵理「!!」
ちひろ「『プロデューサーの』周りの信頼感は全くないんですけどね…」
おしまい
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