千早「新曲は『女の悲恋を歌う』んですよね?」
千早「今の私はただの女子高生」
千早「『女』の気持ちは分かりかねます」
P「だから、お前を抱いて女にしろと」
千早「はい」
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P「んー、そんなに難しく考えなくていいぞ?」
千早「はい?」
P「確かに『女』の歌だけど、そんなに気合入れなくていいよ」
P「適当でいいんだよ、適当で」
千早「なっ!」
P「お前が歌えばある程度評価されるわけだし」
P「気合入れ過ぎ!」
千早「・・・」
千早「ということがあったの」
春香「うーん、千早ちゃんは歌に対して真剣すぎるからなあ」
千早「真剣すぎる?」
春香「うん、千早ちゃんは周りとの温度差を感じてるんだと思うよ」
千早「温度差・・・」
春香「千早ちゃんはアイドルなんだよ?歌手じゃないんだから、歌にばかり重点を置いてちゃだめだよ!」
春香「写真集出すとか!バラエティ番組の出演頻度を増やすとか!写真集出すとか!!」
千早「アイドルだから、歌ばかりに重点を置いてはいけない・・・」
春香「写真集出すなら、一冊5000円が妥当かな!」
P「まあ、予定通りの売れ行きかなあ」
千早「あの、プロデューサー」
P「ん、どうした?」
千早「私、アイドル辞めたいです」
P「!・・・なんで?」
千早「やっぱり私は『歌手』になりたいです」
P「アイドルである自分が嫌なんだな?」
千早「・・・はい」
P「・・・」
P「よし、分かった!」
千早「え?」
P「ダンスなしのライブをやろう。音響は日本でも最高峰のスタッフを揃える」
千早「あの」
P「これから忙しくなるぞ、千早!しっかりレッスンしてくれ!」
千早「は、はい」
ーーーダンスなしライブ後ーーー
千早「・・・」
P「まあまあ良かったぞ、千早!」
P「次もダンスなしでやるか?」
千早「・・・少し、考えさせて下さい」
P「おう」
千早「(思っていたのと、少し違う・・・)」
千早「(なんというか、満足できなかった。なぜ?)」
貴音「それは」
千早「ひっ!?」
貴音「ライブ映像を見れば一目瞭然です」
千早「え・・・」
ーーーアパートでーーー
千早「ライブ映像を見れば・・・って言ってたけど」
千早「というか心の声を聞かれた?」
千早「・・・うん、あまり気にしないでおきましょう。今はそんなことよりも、こっちの方が重要ね」
千早「あっ」
千早「そうか・・・」
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