【咲-Saki-】京太郎「小ネタ」怜「日和!」2【たまにR-18】 (1000)

・咲-Saki-の非安価 京太郎メイン 
・書き方適当 台本式の時もあれば地文ありのときもてきとー
・小ネタをただただ投下してくだけ感想に反応するときもしないときも
・適当にやって飽きたら落します
・シリーズものや単発ものなど適当に
・小ネタも募集いたします
・R-18も「たまに 1スレに1~3ぐらいなんで過度な期待はしない方向で
・鬱とかなし!基本ほのぼの あってもヤンデレぐらいです
・更新頻度 1~3日に一ネタぐらいかな

前スレ

【咲-Saki-】京太郎「小ネタ?」ネリー「日和!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438141429/)






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443931514


<大阪⇒東京暮らしの京太郎 if>


怜「うげー………何しとんのこないな時間に不良、遂に不良化したんか」

京太郎「そういう怜さんこそ」


ボケーとバスを待っていると怜と出会った。

こんな時間に………平日の真昼間に居るのは確かにおかしいことでもある。

それは怜にも言えた事なのだが。


怜「私は病院の帰りやし、やーい不良」

京太郎「あはははは………不良じゃないです。俺引っ越すんで」

怜「そっかそか!」

京太郎「えぇ……」

怜「………」

京太郎「………」


2人の間に沈黙が下りた。


怜「えっ、マジで?」

京太郎「うわー冗談と思われてた」

怜「その反応ほんまか!そかっそっか!」

京太郎「………初めて怜さんに怒りが湧いてきた」


あれだけ嫌悪していた怜だが、少しは寂しそうにしてくれるかと思ったがそんな事は全くもってない。

むしろこれまで見たことないような笑顔だ。


京太郎「それじゃ……これで『さようなら』」

怜「さよなら~」


そんな事を話しているとバスがやってきてそれに乗り込む。

もう会うこともないだろうな~と思いつつ手を振るが軽く返された。

………なんというか、最後に会えた人がこの人ってどうなんだろうな。


怜「……これで平和になるな~」


怜はバスを見送りのんびりと歩いていく。


<翌日>


竜華「須賀君がー!!!」

泉「………うへへ」

セーラ「転校届けってこれでええんかな?」

浩子「ええと思います」

怜「カオスや」


どうやら京太郎は誰にも告げず行ってしまったらしい。

お蔭で部室はカオスだ。

それでも部室に来る辺り本当に皆麻雀が好きなのだろう。


怜「数日はこないな状況続くかなー」


それだけポツリと呟き、京太郎縫ぐるみを叩いた。






竜華「うぅ……これが失恋なんやね」

怜「恋すら始まってなかったけどなー」


あれから更に数日後、皆が心を落ち着かせてきたのか、先ほどの混乱もなくなってきた。

………姫松のほうは未だに大変だと聞いたが知ったこっちゃない。


竜華「ところで………その縫ぐるみは何時まで持ってるん?」

怜「ほぇ?……あーそうやな」


習慣になってしまっていたが竜華の言うとおりだ。

既に京太郎が居ないのだストレスを与えてくる人も居ない。


怜「封印やな、持ってると思い出すし」

竜華「なら!頂戴!」

怜「やー……竜華はオーダーメイドの持ってるやん」

竜華「なんか、なんか違うんよ!怜のが一番ええもん!」

怜「う~ん………ややな~。竜華がこれ持ってるとこ想像すると殺意が……」

竜華「なら、しゃーないか」


竜華は怜の顔を見て一歩後ずさる。

流石に京太郎が殺されるのは勘弁してもらいたい。


怜「………そうやった、いらんのや」

竜華「なんかいうた?」

怜「なーんも」






怜「この枕微妙やな」


家に帰り早速縫いぐるみをタンス奥へと入れた。

お蔭で枕が合わないのが致命的にきついが慣れ次第だろう。


怜「おやすみ」





<数日後>


怜「………」

竜華「でな~!……怜どないしたん?」

怜「なんでもあらへん」


更に数日間後には、既に京太郎がなぞ居なかったような風景に戻っていた。

怜が望んでいた事でもあり、清々しい気分だ………須賀なだけに。


セーラ「さー!今日も部活や!」

泉「ひぃ~!!」

浩子「いひっひ、データがうまいですわ」

竜華「うちもー!うちもやるぅー!」

怜「………なんやろな」


清々しい気分の筈なのに何処か納得できないものを感じるのは何故なのだろうか。



<数週間後>


竜華「おっはよ~!」

怜「はよはよ」

竜華「ってあれ?それ……」

怜「枕代えると寝れんのや」

竜華「あぁ……そういえば枕にしとるって言うてたな~」


合宿に向かうため、集合場所で待っていると竜華がやってきた。

挨拶を交わすと怜の腕の中へと視線を向けると

そこには、数週間前から見なくなった京太郎の縫ぐるみが抱きしめられている。


セーラ「なついな、それ!」

泉「うぅ……やっぱり出来がいいですね」

浩子「う~ん、龍門渕のもええけど、そっちのほうが……」

全員『怜!(園城寺先輩)、頂戴(ください)!』

怜「やー」


全員が手を此方に伸ばしてくる。

やるわけがない、やれるわけがない。


竜華「とっ、バスが来た!」

セーラ「あとで持たせてな~!」

浩子「触り心地も確かめんと」

泉「こっちのが材料いい筈なんやけど……」


そんな事をいいつつ皆はバスへと乗り込んだ。

怜は一歩だけ遅れ、乗る前に立ち止まる。

京太郎が居なくなった時の事を少しだけ思い出した。


『さようなら』

怜「………京太郎のアホ」


その呟きは誰にも聴こえず街の雑音に紛れ消えていく。


<同時刻>

京太郎「へっくし!」

ネリー「風邪?」

京太郎「違うと思う」

明華「お尻にネギを刺せばいいと聞きました」

ハオ「ネギ買ってきます」

ダヴァン「ラーメンに入れると美味しいですよネ」

智葉「……そんなプレイもありか?」

京太郎「………なんだろうか、寒気が」

ネリー「移さないでね?」

京太郎「なら膝の上から降りろ」

明華「そうですよ、次は私の番です!」

ハオ「いえいえ、私です」

智葉「私だろ?」

ダヴァン「麻雀で決めましょうカ」

京太郎「元気だな~」

ネリー「京太郎の膝で一儲け出来そう!」

京太郎「需要ないだろよ」


須賀京太郎 臨海高校へ転入

カンッ

おつありん!

モモ可愛い!ほのぼのええですな~

クリミナルかー………やりたい安価とかいろいろあるんよね
クリミナル で育成しながら上とか目指したい
モモを助手に『流行り神』とか(既に一話完成済み)
魔壊神トリリオンとクロスとかも楽しそう!死にゲーになるけど(京太郎以外が)
怜を助手に幽霊探偵とかもアリやね『怜とニセ探偵』前にネタで出したけど
ご当地京ちゃんもいいな~臨海か有珠山あたりで
血界戦線クロスもええな~情報を入手し進めていくとか

クラウス:美穂子
ザップ:洋榎
チェイン:桃子
ギルベルト:ハギヨシ
スティーブン:ゆみ
エイブラムス:かおりん
K・K:ダヴァンか菫
ツェッド:絹恵
ホワイト:怜
ブラック:竜華
レオナルド:京太郎
ハマー:姫子
ブローディ:哩
ミシェーラ:咲
ビビアン:優希

堕落王:シロ?
とかええなー


体が足りない!


あと、タイトルコールしてくれた怜メインのif話でした
東京暮らしは大阪暮らしとは別の世界線でやろうか、それとも大阪暮らしの京太郎が転校にするか
どちらにしようかな

それじゃの


人居たらやります

ミスった……こっちじゃないや

あとでこっちも何かしらネタだしますんで!
それで許してくだせい

<食の京太郎 焼肉編>


京太郎「ふっふっふ………」


遂にだ、遂にこの時が来た。

ずっと楽しみにしていたので笑い声が漏れてしまう。

道を歩く人々は、気味悪く笑う京太郎を誰もが避けて通っていく。


京太郎「おっといけない」


笑い声が出ていたのに気付き慌てて口を塞ぐ、こんな所で笑っている場合ではないのだ。

今日は待ちに待った『焼肉』の日と前から決めていた。

高校生の京太郎にとって焼肉を食べにいくのは大変な出費だ。

それでもお金を貯めて、目標金額まで持ってくることが出来た。


京太郎「………ここにするか」


暫く歩き吟味し1つのお店の前に立った。

少々古めかしいものの昼間と言うのに客の出入りが多く繁盛している。

学生の自分が入るには少しばかり躊躇しそうにもなるが扉を開け入った。


店員「いらっしゃいませー!お一人様でしょうか?」

京太郎「はい!すぐに食べれますかね?」

店員「すみません。30分待ちに……」

京太郎「そうですか、他を当たります」

店員「申し訳ありません」

京太郎(すぐに食べたいのに……しょうがないか)


ため息をつきつつ、外へと出た。

気持ちが完璧に焼肉に向いており、他のを食べるなんてもってのほかだ。

それでいてお腹も限界ですぐにでも食べたい。

他にお店があったかと携帯で検索をしてみることにした。


店員「あっ!お客さん!」

京太郎「どうかしましたか?」


携帯を見ているとお店の扉が開いて店員が飛び出してきた。

何やら慌てていて何事かと少しばかり驚いてしまった。


店員「実は……あちらのお客様が……」

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桃子「~♪」

京太郎「なにぃ~!?」


店員が手を向けたほうを覗いてみると桃子がこちらに嬉しそうに手を振っていた。

これには京太郎も驚きだ。

まさか、こんな所まで一緒だとは………というより女子高生が1人で昼間に焼肉って……。





京太郎「えっと……良かったのか?」

桃子「別に構わないっすよ。1人だったし、知らない顔じゃないっすから」

京太郎「それじゃお言葉に甘えて」


そう言って対面の席へと座った。

まさか、こんな形でライバル(京太郎視点)とご飯を共にすることになるとは……。

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桃子「東の横で東横、名前は果物の桃に子供の子で桃子っす!モモでいいっすよ」

京太郎「俺は、須賀京太郎。須賀は須賀神社とか一緒で難しいほう、京太郎は京の都の京に太郎で京太郎」

桃子「よろしくっす、京さん」

京太郎「よろしく、モモ」


そう言って差し出された手を握り返した。

その手は、柔らかく放す時に少しばかり名残惜しかったのは内緒だ。


店員「伝票は一緒でも……」

京太郎「あー……俺が7割でモモは3割とかどう?」

桃子「半分持つっすよ?」

京太郎「いや、俺の方が食べるからな」

桃子「ん~……わかったっす」


流石に女性の桃子に半分を持ってもらう訳にもいかない。

桃子は不服そうだが、ここは男のプライドを通させてもらおう。


京太郎(ここで真っ向対決か)

桃子「えっと……」


楽しそうにメニューを選んでいる桃子を見ながらお絞りで手を拭いていく。



京太郎(最初は、相手の動きを窺うか……さぁどうでるよ!モモ!)

桃子「なら、キムチと飲み物は……麦茶でホルモンお願いしますっす」

京太郎「ホ、ホルモン?」

桃子「あっ……嫌いだったっすか?」

京太郎「いやいや、大好き!でも……まさか一発目からとは(型破りすぎんだろ!!)」

京太郎「自分は、ウーロン茶で」


注文を終え暫く雑談をしていると料理が運ばれてきた。

目の前にはキンキンに冷えたウーロン茶が置かれ、喉が鳴る。

ぐいと一飲みすると冷たいお茶が喉を通り体を冷やしてくれる。

………あぁ、美味い。


京太郎「それにしても何で麦茶?」

桃子「ここって麦茶は無料なんすよ、しかも氷いっぱい入ってるっす」

桃子「ウーロン茶は、お金取るのに変な話っすね」

京太郎「えっ……まじか」

桃子「ありゃ……もしかして京さんこのお店初めてっすか?」

京太郎「あはは……実は……(や、やるな)」


美味しそうにキムチと麦茶を流し込む桃子を見て冷や汗が流れる。

どうやら敵陣の真っ只中に来てしまったようだ。


京太郎「ホルモンはっと……テッチャンとコリコリか、いいな」

桃子「コリコリはミノより食べやすいっすから」


そう言いつつ桃子は鉄板に肉を置いていく。


桃子「そういえば……京さんは、いつもは何から焼いていくっすか?」

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京太郎「定石通りタン塩かな……まぁホルモンもいいな」

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桃子「ふふふ……流石っすね。つけダレで板が汚れる前にタン塩をすます、いいっすね」

京太郎「そうだよな!」

桃子「でもここでは、その心配はいらないっす」

京太郎「うん?(何を目論んでいる!)」

桃子「うん、ホルモンもいい音出してきたっすね」

京太郎「耳で判断できるって……どのぐらいの頻度できてるんだ?」

桃子「お金ある時は、来るっすね。頂きます!」

京太郎「常連か……俺も頂きます」


桃子&京太郎『美味い!』



京太郎(邪道!蛮族と馬鹿にした自分を恥じ入るほど上品に旨い)

桃子「ここのホルモンはやっぱりいいすね」

京太郎(だが……鉄板が早速汚れしまった。どうでる!モモ!)

店員「ハイ、鉄板を替えましょう」

京太郎「えっもう!?」

桃子「ここのお店は直ぐに交換してくれるっす。しかも2枚目からは熱い鉄板なんで流れが止まらない」

桃子「あと、タン塩ひとつ!」

京太郎(定石が崩されていく!だが、まだだ!まだ本番が残っているぞ!)


その後も2人は次々に肉を焼き喰らっていく。


桃子「あっ、カルビ焼けてるっす!コゲちゃうっす!」

京太郎「おう!だーコゲた!!」



桃子「すいません!ロースとカルビ一皿!」

京太郎「こっちはウーロン茶を!」



京太郎「上ミノの癖に中々に歯ごたえが!」

桃子「あはは、すごいっすよね」


そして………。


桃子「そろそろ私はご飯頼むっすけど、京さんは?」

京太郎(えっ……しまった!!)


桃子の言葉に京太郎は固まる。

先ほどから肉を食べていてご飯の事を考えてなかったのである。

それに………。


京太郎「ちょっと……タイムで」

桃子「そうっすか、それにしてもこうして友達と食べるのはいいっすね」

京太郎「そうだな!(モモは普通に楽しんでるだけだ、これ!完全に1人相撲だ)



京太郎「負けた」

桃子「?何がっすか?」


がっくりと肩を落す京太郎を見て桃子は不思議そうにご飯と共に楽しんでいった。


今回の対決

京太郎 ● 桃子○


カンッ


次回予告

桃子「今度は電車で旅を……」



               京太郎「カバンはこれとかいいな……って楽しみにしちゃってるよ俺」



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        Χ\{     / `ヽ{:i:i:}   、i  ヽ
         /   ヽ   /    ∨∧   \ i
       i`丶  /}   イハ     ∨∧    ヾ
       | i  ∨∧   !i !      i//ハ    i
       | i  /  \_リ |     i///,}    ;
       | Ⅳi       ,'      !///!    /
       | ___j     {       |///i   イ
       | / /      |` ー― '|///i   |
       | /      ;      |///'
       |        /        }//   |
        {     /          i/     !
        ヽ  /                |

桃子「茶碗蒸しとかって困るんすよね、だからなかった事にするっす」


  

                   京太郎「蒸気機関車食いだーー!!!」



『食の京太郎 お弁当編』


こいつら食ってるだけだ

サゲてたー!

<赤ちゃんは何処から来るの? 清澄編>

咲「へっ……えっと、えっと……コ、コウノトリが……」


視線を彷徨わせた後、顔を真っ赤にし下を向いてしまった。


優希「ぶほっ……な、な、なにを聞いてくるんだじぇ!」


タコスを飛ばし、顔を赤く染め、うろたえる。


和「え?試験管からでは?」


和は本気だろうか?予想ではセクハラですかと怒るものだと……。


まこ「………罰ゲームかのぉ」

「正解です」


聞いてみると呆れたような表情で当てられた。


久「なるほど………つまりは、私と赤ん坊を作りたいと」

「違います」

久「遠まわしすぎじゃない?」

「違うって」

久「丁度いいわ、今日は部活を休みにして早速……」

京太郎「ベットに連れてかないで!?」


ベットに連れて行かれた、ロッカーじゃないだけましだろうか?




和「赤ちゃんってああやって作るんですね」

咲「本当にしらなかったんだ」

優希「IPSとか言ってるくらいだしなー」

和「試験管からできるものだと……」

まこ「本気じゃったか」

久「満足!」

京太郎「酷い目にあった」


※ベットに引き込まれ擽られ続けました。


カンッ

楽しそうなお題があったのでつい……

<赤ちゃんは何処から来るの? 風越編>

「何故か続いてしまったシリーズ……軽くセクハラじゃね?」

久「頑張ってねー♪」

「しかもビデオカメラ付き……楽しんでるなこの人」


未春「えっと…えっと……ごめんなさい!」

「逃げられた」


未春:顔を真っ赤にさせ逃走。


星夏「答えたら奢ってもらえます?」

「3袋までなら……」


星夏:たかられました。


純代「………お疲れ様」

「くすん……初めて慰められた」


純代:理解し慰めてくれた。


美穂子「えっと……えっと……」

「さぁ、ハリーハリー!早くお願いします!」

美穂子「お、男の人と……女の人が………」ごにょごにょ

久「そこまでよ!」「ちくしょー!」


美穂子:顔を真っ赤にさせつつも此方に答えようとしてくれるのが可愛かった。


華菜「お前かー!!!須賀ー!!!」

「何が!?」


華菜:何故か怒りの形相で追っかけられ蹴られた。


数日前-池田家-

緋菜「お姉ちゃん!赤ちゃんって何処から来るし!」

華菜「えっと………コ、コウノトリが」

緋菜「鳥が運んでくるわけないし」

華菜「あーと……レタスから」

菜沙「植物から動物は生まれないし」

華菜「くっ……へんな所で賢い!」

華菜「あーもう!エッチィことすれば出来るから!」

城菜「エッチィことってどんな事?」

華菜「にゃーー!!どっか仕入れてきたしそんな事!」

こんな事があったとか。

カンッ

<赤ちゃんは何処から来るの? 鶴賀編>

「第3回………なんで続くんだよ」

久「私が面白いから」

「ひっでー」


睦月「えーと………お、お花のめしべとおしべが……こ、これが精一杯」

「なんかごめんな」

睦月:たとえ話を涙目で答えてくれました。罪悪感MAX


智美「ワハハ」

「えっと……」

智美「ワハハ」

「……すいませんでした!」

智美:目が笑っていない、しかもなんだか怖い。


佳織「えっ……何?」

「だから……」 智美「かおりーん!」

佳織「あっ……ごめんね、呼ばれてるから」

「あっ……」


佳織:聞こうとするたびに邪魔が入りました。げせぬ


ゆみ「………ううぅ」

「以外に初心ですね」

ゆみ「う、うるさい!」


ゆみ:顔を赤らめ、恥ずかしそうに呻ってた。可愛い。


桃子「………はい、これっす」

「なにこれ」

桃子「婚姻届」

「………」

桃子「………」

「それじゃ!」

桃子「逃がさないっすよ!」


桃子:答えは、正解だけど別の意味で怖い。
追記:どうにか逃げ切りった。



桃子「どこいったっすかね?」

ゆみ「うぅ……辱められた、これはお嫁になるしか」

佳織「どうかしたのかな?」

智美「気にしなくてもいいぞ」

睦月「お花がー……お花が……」


カンッ


<赤ちゃんは何処から来るの? 龍門渕編>

京太郎「第4回!!」

久「いってらっしゃい」

京太郎「いつか復讐してやる!」

久「ベットの中で?」


一「えっと………それは遠まわしの告白かな?」

「違います」

一「だ、だよねー!あー驚いた。悪ふざけもほどほどにね?」

「すみません」

一:告白と勘違い、告白としてはどうなのかと思ったが一さんが嬉しかったようだ。


智紀「………これ」カタカタ

「ぶほっ……」

智紀「これで解決」ぐっ

「エ、エロサイトはなしで」

智紀:PCで検索検索。なんでも判るネットが怖い。


純「なるほど…」ドンッ

「!?」

純「俺と作りたいのか?」

「!!」

純「なんてな、ジョークもほどほどにな!」

純:壁ドンされて迫られた。少しドキドキに……。


透華「赤ちゃんはですねわね………赤ちゃんは………」

透華「!?!?!?!?」

「あっ……沸騰した」

透華「あ、あか、あか、……赤ちゃんは」もごもご

(これはこれで可愛い)

透華:騒がしい彼女がしおらしくなるのは良かった。涙目の上目遣いで睨んでくるのも良かったです。


衣「京太郎!」

「丁度よかっ……「赤ちゃんは何処から来るのだ?」えっ……」

衣「透華達が京太郎に聞いてきなさいと」

「な、なんだとー!?」

衣「誰も教えてくれなくてな。どうやって出来るんだ!」

「えっと………お、おしべとめしべが―――」

衣:伝えるのが難しい、自分の親はどうやって乗り越えたのだろうか?


ハギヨシ「………」

京太郎「………」

ハギヨシ「私にも聞きます?」

京太郎「ご勘弁を………」


カンッ

さて……寝よ。サラダバー
全国編はどうしような、これ

風越は?

>>66

>>61 にあるよ

玄「電車に乗って遠出するのは久々です!」

京太郎「同じく」

京太郎(さて……と、今回はどうだろうか)


ガタンゴトンと音が鳴り、2人を乗せ進んでいく。

大学生となり、彼女との旅行、これが意外と苦労させられた。

それもこれも玄が旅館の娘であるのが原因だ。


職業柄か玄の旅館やホテルを見る目が厳し過ぎるのだ。

彼女自体は口に出したりしないで自分の中だけで抑えているが不満に思っているのが丸わかりだった。

それでも笑顔を振りまき、こちらに苦労をかけないようにしているのは見ていて逆に痛々しい。



玄「ところで……この列車って夜も走るの?」

京太郎「あぁ……一晩中走るね」


玄の言葉に答える。

すでに外は暗く、遠くに見える家は明かりを灯しランプのように点滅していた。

そんな光景を列車の中で見るののも良い物だった。


玄「一晩中………何処に泊まるの?」

京太郎「そろそろいっか」

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玄「?」


立ち上がると玄に手を指し伸ばす。

玄は、不思議に思いながらも手を取り立ち上がるとそのまま京太郎に着いて行った。



京太郎「えっと……ここか」

玄「ここって!」


暫く歩き、とある個室の前で止まり中を開ける。

その中を見て玄は、驚きの顔をした。


玄「もしかして………寝台列車?」

京太郎「あぁ……いいだろ?」


玄の呟きに京太郎はニカっと笑った。

旅館でもなく、ホテルでもなく、列車での寝泊り。

さすがの玄もこれには文句をつけられない、これが京太郎が一生懸命考えたものだった。


京太郎「今回は、列車の旅なんだ。のんびりゆったりとね」

玄「…………」

京太郎(ありゃ……黙っちゃった)


それだけを伝え終わると玄が肩を落としフルフルと震えている。

怒らせたろうか、飽きられただろうか……。


京太郎「………玄さん?」

玄「!!」

京太郎「わっ!」


さすがに心配になり、玄の肩に手を置くと衝撃が走った。

目をパチクリと見開き胸の所を見ると玄がいた、どうやら玄に抱きつかれたようだ。

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玄「わは~~!!すっごく嬉しいです!」

京太郎「わっとっと……」


玄の目が輝いて此方を見ている。

京太郎の胸にぐりぐりと頬を摺り寄せ嬉しそうだ。

そんな玄を見て京太郎はほっと息をついた、どうやら良かったようだ。






京太郎「………ところでさ」

                     ( )
    i ニlニ○ _L/、     /   (⌒ ⌒)
    { cト  ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ  て人_)
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玄「な~に~?」


あの後、列車に備え付けられていたレストランでのんびりと食事をし、ゆったりと楽しむと個室へと戻ってくる。

話しているうちに時間も遅くなり、寝る時間へと変わる。

そろそろ寝ようかと思い、寝台に着いて横になると玄が擦り寄ってきた。

勿論、寝台は2つ用意されているものを選んでいる。


京太郎「こっちで寝るの?」

玄「うん、駄目?」

京太郎「いや、いいかな」


寄って来た玄を布団の中に招きいれると二人して近寄る。

京太郎と玄は頭の上にあった窓を覗き外を見た。

既に時間も遅く、電気を付けている家は少ないがそれでもいくつかは灯りが見える。


玄「ありがとう、すっごく楽しいよ」

京太郎「そりゃ良かった」


ポツリと呟いた言葉を聞いて嬉しくなる。

どうやら玄を満足させられたようだ。

暫くの間、会話は続き、ガタン、ゴトン、と揺り篭のように揺れる列車の中2人はいつのまにか一緒に寝入った。


<玄と旅行 寝台列車 カンッ>

寝台列車 憧れます
ロマンだよね



京太郎「遅いなー……」


携帯を開き、時計を確認すると約束の時間近くになった。

辺りを見渡し、確認するも影も形も無い。


桃子『もし良かったら遠出しないっすか?』


そう言った連絡があったのが、4日前。

焼肉を食べた時に番号を交換していたのだが、まさか本当に連絡が来るとは思わなかった。

来た時に桃子を思い出し、ドギマギとしたのは内緒だ。


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      |:::::∧::::::::::::::::::::::::::::::\:::\      ,-, ∧:::::::::|:::i\:::::. ヽ
       ::::/ ‘::::::::::::::::::::::::::\:::\:::\   `’/:::::}::::::::|:::|  ヽ:::i }
.      /:/   Ⅵ::::::::::::|\::::::\::::\:::\__ ィ:::::::::|::::::::|:::i   ‘:|
      i::{    ‘i:::::|i:::::l:::::i\::::::ヽ⌒ヽ::::\:i::::::::::|::::::::|:リ    ,リ
      |::i       |:::::|i::::リ:::リ´ }\:::i__,}:\:::\:::::リ::::::::/   /'
.     八::.、    |:::::|i::///ノ--i:リ  __> ヽ::::Ⅳー一'
.      \:::::....__リ:::::リ'´       / /---- }:::i\
        ̄__/:::::/  /     /     ノノ\ \
         ̄i ̄{  //   /       '      \
          /   `ー      /
        〈        _/
          `ー―┬┬
                         桃子「京さん」





        ,..-―へ/ . : : :ヽー- 、

        彡';´.:/.: : : ; : : ヽ: : .、ヽ
         //: : i: : : : :ハハ: : ;ハ:i、 iヾ、
   ー--‐':´: : : : |: : : | |   ゙、: ! И人ト、
   \__: : : /: :ヽ!、: |!    V     ハ
       / : /: : :/   r- 、 __, -‐'   !
        !:∠:イ´   丶、 _     _,..ノ
        |ハ:(        U   ̄ ̄   /
        |;ヘー\            /
            \: ;ヽ、   r--‐'′
           r―┴┐ ├┬┐
          ノ::::::::::::::|i  ! _|O|_
          /:: ̄ ̄ ̄\「:::: ̄:::::::\

京太郎「好みなんだよな~!」


胸が大きくスタイル良し、性格良し、可愛いくて、趣味も話も合う。

全てが京太郎の好みの女性だった。

だが、惜しむ事もある………それは桃子がライバルだという点だ。


京太郎「くっ………それさえなければ!!」

桃子「何がっすか?」

京太郎「のわっ!!」


ついつい口にしてしまっていたらしい、いつの間にか桃子が到着しており、不思議そうに此方を見ていた。

京太郎は、桃子の声に驚きながらも振り返り、挨拶をしようとして言葉を失う。


京太郎「………」

                   -――-
                ,x:´::::::::::::::::::::::::::::::::`:..、
             /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\

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               |:/::::/::/!::::::!::::::!::::;' }:::::::!:::::!::、:::::::::', ヽ
               |:!:::::|:::{_V::::|::::::|:::ム,,_!:::::::!:::::!::::\:::::ヽ !
              !:!:::::l八! ヽ:ト、:::|:ハ!__ハ:::ハ!::::|::::::::::\::::\
               |:ト、::|xテ心 ヽヽ| ´fテ心}::;イ:::::::::::::::ヽ:::::::',
               |::::ハ代;;::リ      V;;::!ツ|::::::ヽ::::ヽ:::::ハ\:l
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            }:::!:::::::.   ___    l ノ:::::::::::::}::::ト、::::::!  |
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         ノ!   .':/ニ:'                 ! |.     '.     :.
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        | .|  /.:.:!:.:.:.:.:.:}             ヽ    .      '.
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        }ゝ==// }三}.:.:.:.:.:.:.', 、_____,x=≠"         ,   :.
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       ` /./     .::::!       /          ',    \   ゝ′
           ,' /     ::::|      /             ヽ.     \
桃子「ど、どこか変っすかね?」



何も言わない京太郎に焦りが積もり、あわあわと自分を確認していく。

鏡で顔をも確認するが、どこも変ではない。


京太郎「………えっと、可愛いです、はい」

桃子「……えっと、本当……っすか?」

京太郎「うん」

桃子「―――ありが……とうっす」


2人はお互いに顔を赤く染め、視線を逸らす。

なんとも甘酸っぱい雰囲気が2人を包み込み、どうすればいいか判らなくなってしまう。


『お待たせしました……間も無く……』

京太郎「とっ、お、お弁当は?」

桃子「も、モチのロンっすよ!」


2人はハっと元に戻り、慌てて持ってきたお弁当の袋を上げお互いに確認しあう。

そのお蔭か先ほどの照れくさい雰囲気もなくなり、少しばかりほっとした。




桃子「ほらほら!あそこっす」

京太郎「どこだ?」


2人は席に着くと雑談を始め、外を見て景色を楽しんだ。

桃子は友達との初めての旅行と言うこともあり、テンションが高く、普通のことですら楽しく感じられる。


京太郎「……そろそろか」

桃子「お腹空いたっすね」


桃子「お弁当をつかうっすか?」

京太郎「いいなーそのフレーズ……蕎麦をたぐるとかもアリだな」


そんなこんなで楽しんでいるとお昼ごろとなる。

2人は互いにお腹を押さえ、笑うと持ってきたお弁当を見せ合うのだった。


京太郎「あれ?」

桃子「マジっすか」


お互いに弁当を出し合うと2人して驚く。

数ある弁当の中でまさかの被りであった。


京太郎「この『シウマイ弁当』好きなんだよ」

桃子「私もっす!気が合うっすね!」

京太郎「ああ!」


嬉しそうにする桃子であったが、京太郎は別の事も思ってしまった。

今日は楽しもうと思った……だが、だが!!


京太郎(負けらんねー!!)


好きな弁当同士ということで闘争本能に火が灯ったのだ。

美味しく食べるのは俺だと気合をいれ包みを開けていく。


京太郎「いいな」

桃子「完璧っすね」


2人は蓋を開け、暫くの間、ソレに見とれた。



京太郎「小さいながらも存在感のある鳥唐揚」
             
桃子「彩りばかりでなく、味も美味しい卵焼きにカマボコ」

京太郎「緑のバランをはさんで、この弁当でしか味わえない鮪の照り焼き!」

桃子「その背後に潜む筍煮は味が染みてご飯が進むっす」

京太郎「コーナーには切り昆布と紅生姜……いいな」

桃子「更には、冷えてもうまい小分けされたご飯に黒ゴマが振られ、小梅が乗っててキュートっす!」

京太郎「止めは、干しアンズ!!最高の楽しみだ!」


京太郎「いいな」

桃子「いいっすね」


京太郎&桃子『いただきます!』


2人はニヘラと笑みを浮かべ行儀よく手を合わせ食事を開始する。





京太郎(さて……桃子はどうでる!?)

桃子「~♪」

京太郎(今回のは食べ方がいくつか存在する!)


筍煮を皮切りに順番にオカズ食べていき、最後にシウマイを堪能するコース

各オカズの間にシウマイを挟んでいく食べ方

様々なものがある。

なにより、最後に一口のご飯とシウマイが残るように食べそれでフィニッシュ!


京太郎(そして語法日の金メダルアンズの甘みに酔いしれる……いいな)

桃子「美味しいっすね」

京太郎「そうだ………なんだと!?」


にこやかに笑い桃子のほうを見て京太郎は驚愕した。

なんと桃子は………。


京太郎「あ……アンズから!?」

桃子「そうっすよ?」


まさかのまさか金メダルから食べ始めていた。

これには京太郎も驚愕だ。

確かに食べ物をどれから食べるのも人の勝手だ。

だが、いままで最初に食べる人は皆無と言っていいほどいなかったのだ。


桃子「茶碗蒸しとかっていつ食べていいか判らなかったっす」

京太郎「あー……判る。食後にフルーツもあるしな」


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       i`丶  /}   イハ     ∨∧    ヾ
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        {     /          i/     !
        ヽ  /                |

桃子「だから最初に片付けて無かったことにするっす!このアンズも同じっすね!」

京太郎(なんという……すげー考え)


今まで思いもしなかった考えに感動すら覚える。


京太郎(待て!待て!気持ちで負けるな!俺はこれからだ!!)

桃子「可愛いっすね」

京太郎(甘いな、モモ!シウマイに丁寧にカラシを盛り、余ったカラシはカマボコにつける!)

京太郎(更に!醤油をたらし食べるのが美味いのだ!)

桃子「~♪」

京太郎(美味い!!ホタテの味がブタとマッチしていて喧嘩をしていない!)

桃子「いいっすね。シウマイを食べての追っかけご飯!」

京太郎「やっぱり日本人はご飯だな!」

桃子「私達の血は、米と―」

京太郎「大豆で――」


京太郎&桃子『できている(っす)!』


仲が宜しい様で……。





京太郎「うん、うまっ……ぶふっ」

桃子「うん、新幹線の中で食うお弁当はいいっすね!」

京太郎(……余裕で半分以上平らげてる)


チラっと桃子を見ればすでに弁当は半分を切っていた。

正にそのさまは、『光速の寄せ』のようだ。


京太郎(しかもただの早食いじゃないな!早く食うことで味覚を敏感にしている!)

京太郎(しかも新幹線の車内となれば速さと雰囲気合わせてウマサは10+10=20じゃない!!)

京太郎(10×10=100倍のうまさだ!)

京太郎「さすがはモモだな」

桃子「何がっすか?」

京太郎(こうなれば奥の手だ!!)


そう言って弁当箱を口元に引き寄せ 口を大きく上げると箸の回転を挙げてまるで機関士がボイラーに石炭を

投げ込むかのように食べきる!!


京太郎『蒸気機関車食いだ!!!』

京太郎(終了!!モモは!!勝った!勝った!!)

桃子「~♪」


全てを食べ終え、横を見ると桃子は未だに美味しそうにお弁当を食べていた。

完全なる京太郎の勝利である。


店員「コーヒー、お弁当、ビールはいかがですか?」

桃子「あ、スイマセンっす」

京太郎「あ、あれ?」

桃子「ウーロン茶下さい!」

桃子「前に調べた時にここのウーロン茶が美味いって知ったっす」

京太郎「………」

桃子「シウマイと合わせて飲んで見たかったんっす!」

京太郎「……ごめん、ちょっとトイレ」

桃子「?」


京太郎(………負けた~~~!!)


計られた!

桃子が一番後部車両に乗ったのは、弁当をつかう頃、車両販売がグリーン車を越え此方に来るのを見越してか!

早食いも撒き餌でこちらを慌てさせたのだ!!

※桃子はそんなことを考えていません。


桃子「……おそいっすね」

桃子(貧血でも起してないっすよね?)


顔を青くして席を立ったのを思い出し不安になってきた。

幾ら待っても戻ってこない京太郎を探しに桃子はふら~と歩き出す。

暫くしトイレの前に立つとノックをした。


おばあさん「アラ、ごめんなさい」

桃子「いえいえ、此方こそ……」


中から出てきたおばあさんに驚きつつ辺りを見渡す。

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             ゝ_ -- 、   V:::::込、u {      ヽ,イ:::|::::::::|::::::|::|ヾ!
               \ __ノ u ';:::{:::::|::`::ト __,..<-.|::::|::::|:::!::::::!::|
               `ーr:::::´:川:::::ト、:::|   /ヽ.:.:.:.:ト、:!::::!::|::::::|:::!
                  |ヽ!ヽ| `ヽヽル' /.:.:.:.:.:_/.:.:.:\|从:/川
                 ∨.:./.:.://Y7/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\



桃子「どこ行ったっすか?!京さん!?」

京太郎「………」


京太郎は、慌てる桃子を男子専用の小トイレの窓からこっそりと眺める。


京太郎「……うん、今回の旅は普通に楽しもう。………すっげー負け惜しみだ」


今回も京太郎の負け(自爆)であった。


<食の京太郎 お弁当編 カンッ>



次回予告


桃子「こんな所初めてっす!」


       ,/  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
       i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
       .|  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
       .|  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
       .|  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i
       !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \
       | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
.        ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
       .ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `
        .|  ヽ__i                 |イ|/
        .ヽ'≡ミ .i    ____....,     |/
      ,ィ´    ム.\   `ー-- ―'´  /、!  ―-イ/> 、
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     //|       |>、 、 \      / ./.|y       }//////>、
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//////////:ム        V/////ィ     、_ .メ//////:V////ィ´ ̄  Y
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//////////////ム          、__ ///////////イ        >:′
//////////////フヽ、=          ̄  /////////イ        /
///////イ´ ̄ ̄                 ミ二二二´        >'
//////{                   ィ              >′
/////ィ        l}        ,イ              >´
///ィ         /                    > ´

//{         :/                   >´
//V        /                 >´
//ム      彡                彡 ´
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         京太郎「すき焼きは!!!肉をどれだけ食べたかにある!!」


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                  |: !V|:/.|yt示:メ、 ヽ ヾ,イ.:.:..i:ト、レ:::::::::::::|::::::::: :i
                  |:.i:::::ハ{{.|i:r':. |       r':.:.:}:|:} i} |::::::::::::|::::::::::.:',
                  |:.i:::::::∧.仆.z:.i      .ゞ-.i:|  .|::::::::::::|:::::::::::. ',
                  |:.i.:.::::::::} |:!:.:.   ,    .:.:.:.|:|   .|::::::::::::|:::::::::::::. ',
                 ,':.:i::::::: ハ|:!             |:i  .|::::::::::::ト::::::::::::::. ',
         _     .i:.,イ::::::::: : |:!、   マ .フ   |:i ./.!::i::::::: |::::::::::::::::ハ
     / ヽ.´.7  |:i |:i::::::ト:: |:|::>..  ` ´    .|:i´ ..i:::|::::::::'::|:::::::::::}:::ハ
    / /   >、   |:i |:i|:::::| : |:|::::::::::::>tェ.<  |:i. ´.|:::|/::::'、:|:::::::::::iヽ::::i
   .{ ./ , -‐´ _}. .|:i_|:i|:--:.-.i|´ ̄:/:.:{ ヽ ,.-‐´|,'  .|:/:}:.:i: : }`: : ‐---`..._

    i    ´ ̄ } ∧:.:{: : : :.:.:.|: : :/: ./,イ:三:ヽ .|   ./: :|:/: : |: : : : : : : /: : :ヽ
桃子「お肉追加してきたっす!」


          京太郎「ぶほっ……あ、アリガトウ」



桃子「ご飯ください!」

         
         京太郎「あっ………」


<食の京太郎 最終話 すき焼き編>



飯てろてろ~

それじゃのー次で最終回予定

姫子「ぶちょー!何処で食べましょうか」

哩「そやね」


時間は夕暮れ、チラホラと人が帰る時間帯だ。

オレンジ色に照らされる時の中を、哩達は歩き、食事所を探す。

久しぶりに外で食事をと思い、やってきたのだがいい所が見つからない。


哩「姫子ー……何か食べたか物あっと?」

姫子「えっと……昨日がさっぱり系やけん……豚カツとかどうですかね?」

哩「揚げ物か……よかね」

姫子「なら、あそこに入りましょう!」

哩「んっ!」


丁度目に入った、食事所に入った。

ようやく食事にありつけるとホッとし、2人は通された席へと座る。


姫子「どれにすっとです?」

哩「奮発して高い物にしよ」

姫子「ならこいですかね?」

哩「こいやね」

姫子「すいませーん!」

店員「はい、ご注文の方お決まりでしょうか?」

姫子「―――定食2つ!」

店員「+150円すれば豚汁などにも出来ますが、いかが致しましょうか?」

姫子「どげんします?」

哩「150円やし、いっか」

姫子「そいじゃ、お願いします」

店員「畏まりました、少々お待ち下さい」

姫子「メニュー見っと限り、豪華ですね!」

哩「楽しみやね」


2人は注文を終え、楽しそうに会話を続けた。

この後に地獄が来るとは知らずに………。



店員「お待たせいたしました」

姫子「わ~♪わー………あぁ?」

哩「………あい?」


店員が持ってきた物を嬉しそうに受け取ったのだが、2人の笑顔が固まった。

二人の前には、テーブルの端から端まで届くほどの大きな料理が届いたからだ。

どんぶりほどある器に盛られた豚汁に。

40cmはあろうジャンボエビフライ。

そしてそれを支える大盛りのキャベツの山、その下には美味そうな豚カツのロースとヒレが乗っている。

横を見ればタルタルソースとゴマたっぷりのソースがも付けられてもいた。

更には小瓶が乗っており、見れば梅と書かれている、中を覗けばかなり大きめの梅が入っていた。


姫子「えっと……部長?」

哩「……と、取り合えず食べよう」

哩姫『い、いっただきます』


震える声で2人は手を合わせ一口目を食べる。

最初に食べたのはメインの豚カツだ。


姫子(!!唇で切れっと!)


最初の一口を食べて姫子は驚愕した。

なんと肉が柔らか過ぎて、唇で切れるのだ。

よくTVで口の中で溶けると表現していたが、これを食べる限り比喩でない事を知る。

衣は黄金色でサクサクと歯応えがあり、とてもとても………。


姫子「美味か♪」





哩(……豚汁がご飯より多んはどうなんやろ)


手に持ってみると圧倒的に器がでかい。

ご飯の乗った茶碗の2倍はあるだろうか。

それを怪訝そうに見つつも口に含み、哩は一息ついた。


哩(美味か、肉も然る事、味が整えられよっと)


中身は、ホクホクの里芋に扇状の人参に大根、こちらも味がしっかりと染みていながらも歯応えがある。

長ネギもしっかりとしていながら、長くも無く太くも無く、味の邪魔をしない程度だ。


哩「美味かね」


2人は、奮発した料理に舌を打ちつつ料理に手をつけていく。




京太郎「ご飯はなっにかな~♪」


場所を変えて、寮内に残った京太郎。

いつも料理を作ってくれる人(哩姫)の2人が居らず、食堂へと歩く。

哩姫の2人が作ってくれる料理も勿論美味いが、久々の外食にドキドキが止まらない。

心なしか、体が楽しみ過ぎて震えているような気もする。


京太郎「って携帯か」


ポケットから震えている携帯を取り出し見ると 『姫子』となっていた。

2人は、久々に買い物に出ているはずだ。

何か問題でもあったのだろうか?


京太郎「はい…京太郎ですが」

姫子『きょ―京太郎、助けて』

京太郎「!?」

姫子『く、苦しか…』

京太郎「今どこに!!」

姫子『――のお店』

京太郎「………定食屋?」


何やら助けを求められ、真剣な表情を出すものの、姫子達が居る所を聞いて呆気に取られた。

一体何をしてるのだろうか……。



京太郎「で……急いで着てみればこれか」

姫子「ふぐぅ………」

哩「無理……もう食べれん」

京太郎「……女性二人で何でデラックス定食を……」


お店に着くと哩姫の二人が机に項垂れている。

机の上を見れば、半分以上残っている豚カツ達が鎮座していた。

哩達が頼んだものは、三種類(ジャンボエビフライ、豚カツ(ロース、ヒレ))にご飯、梅、豚汁(大)と

一般人男性が頼んでも食いきれるか判らないぐらいの物だ……〆て3000円なり。


京太郎「……すいません、残ったのはお持ち帰りは……」

店員「出来ますよ」

京太郎「すいませんが、お願いします」

姫子「京太郎~!歩けなか……ぐすん」

哩「うぅ……体重計がー!」

京太郎「何故頼んだし」


此方に亡者のように手を伸ばしてくる姫子達に呆れた。

結局の所、姫子をおんぶし、哩に肩を貸し、空いた手に2人の残した豚カツを持って寮へと帰っていった。



姫子「美味しかよね!」

京太郎「確かに美味しいですね」

哩「やっぱり、私達ん目に間違いはなかね!」

京太郎「全然懲りてないし……」

哩姫『今度は一緒に行こうね(な)』

京太郎「はいはい、ご馳走様でした」


持ち帰った物は、京太郎が全て平らげたとさ……。

おしまい

今日あった事…いや、京太郎は来なかったけど、友人と食べにいってマジで書いたような物がでてきた。

なんとか食いきったけど……暫く気持ち悪かった……美味しいかったけどね、二度と頼まない

息が………途切れ途切れになってきた。

喉がカラカラに渇き、舌が引き攣る。

お腹も空き過ぎて目眩すら起きている。


京太郎「もう……駄目だ」


遂に倒れ、指1本動かす事も出来ない。

目を必死に開け、最後の抵抗を試みてみる。

それも長くは続かなそうだ。


「………大丈夫?」

京太郎「……み、水を……」

「わかった」


どうやら神は自分を見捨ててない様だ。

女性の声が上から聞こえ、水を頼むと了承してくれた。

これで助かった、京太郎は緊張し続けて強張っていた体から力が抜けるのを感じる。


「はい、水」

京太郎「………ありがとう、気持ちいいです」


暫くすると足音が聞こえ、頭上から水を掛けられる。

冷たい水が頭を濡らし、服を濡らす。

最後の力を振り絞りその人を見ると、その人は如雨露で此方に水をかけていた。

………そうじゃない、そうじゃないんだ。


京太郎「出来れば……水を飲ませて下さい」

「被りたいのかと思った」


行き倒れの人が何でシャワーを最後に頼むだろうか……謎だ。

暫く耐えるとその人が今度はしっかりとコップに水をいれ持って来てくれた。

そしてそのまま、自分の体を起してくれると水をガバっと口に入れる……無理やりに。


京太郎「○×▼‘$‘#*~~!?!?」

「喉渇いていたんだね」

京太郎「お、溺れる!?」

「もう無くなった」

京太郎「ぶはっ……死ぬかと思った」


まさか、行き倒れでなく溺れて死にそうになるとは……人生判らないものだ。


「はい、パン」

京太郎「ありがとうございます!」


何やらすごい人に助けられたなと思っているとパンをくれる。

訂正、思考はぶっ飛んでるけどいい人だ。


京太郎「美味しい」

「それはよかった。私は照ここに住んでる、君は誰?」

京太郎「俺は……俺は……誰だ?」


照と自己紹介をした女性に返そうと思い名前を出そうとするも声にでない。

どうやら記憶がないみたいだ。


京太郎「えっと~……あー……たぶん、京太郎ですね」

照「たぶん?」


なんとか捻り出した名前を照へと告げる。

照は京太郎の物言いに不思議そうに首を傾げこちらを見ている。


京太郎(よく見れば可愛い人だな……胸ないけど)

照「記憶ないの?」

京太郎「ないみたいですね」

照「なら、住む場所も?」

京太郎「………ないです」

照「そっか……なら私に任せて」

京太郎「えっ……」


照は少しばかり考えるとそのまま立ち上がり、手を差し出してくる。

それを無意識に取るとぐいっと引っ張り挙げられ立ち上がらされた。



照「こっち」

京太郎「わっと」


先ほどまで行き倒れていた体にはきついが、なんとか照に合わせて歩くていると大きな荒れた畑とボロボロの家が見えてきた。

照は其処の前で止まると京太郎に振り向き言った。


照「ここが今日から京ちゃんの家ね」

京太郎「へ?」

照「京ちゃんだけに今日から……」

京太郎「や……そこでなくて、勝手にいいんですか?」

照「問題ない。村長も誰か来ないかと悩んでたし」

京太郎「あ、ありがとうございます」


とりあえずお礼を伝えてみると照は少しばかり頬を緩め頷いた。

どうやら喜んでいるようだ。


照「今日からよろしくね、京ちゃん」

京太郎「よろしくお願いします、照さん」


なんとなくこれからの生活が素晴らしいものになるような予感がした。



照「カブお願いね」

京太郎「え?」

照「好きなんだ、カブ」

京太郎「えっと……俺が作るんですか?」

照「そうだよ?はい、鍬と如雨露にカブの種」

京太郎「……出来たら渡しに行きます」

照「大丈夫、毎日来るから」

京太郎「え゛」

                        _. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
                    ,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
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               ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
                |: : : Ⅵ V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
                |: : : ,: |    ,      V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′
                |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/
                |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
                |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/
                |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
                }'   / ||:|       ∧    /,': : : /: : .イ
                  / ||:|    /   _,./ / : イ:/\
                   / ∧:{   /⌒\´/   ´  ´     、
                  ,   {:.:\、 ,′  /     ,. ---――‐`ヽ、
               /  ∧:.:.:. ∨  /_,.:.―:.:.´:.:.:.//    Ⅵ |
                 {__  ,  \:.:.:{_/--  ´:.:.:.:.:.:.:./ ,      マ |
              //≧=-  〉介、______/_ /       } |
            //> ´ ` <≧=--r-- 、     ̄,:'        | |
            ,く ̄´          ` / /^T \   {          マ〉
         r つ ` <        / ∧__|>´|  ∧          }

照「毎日暇だから」

京太郎「………」


訂正……素晴らしい奴隷生活が待っていそうだ。


照「やっぱり鍬似合うね」

京太郎「アリガトウゴザイマス」


サンファクトリー 続く

続くよ、フロンティア大好きでした 誰がなんと言おうとも可愛いよ!ミストさん!
クイズ大会は爆笑したけど

<ゲームだよ!新道寺!>

姫子「………」

京太郎(なんか姫子先輩がPCで作っている)


食事を終え、哩姫の自室でのんびりとしていると姫子は一心不乱に何かを作成していた。

最初は、特に気にせず哩と会話を続けていたのだが、さすがに気になる。


京太郎「何してんだ」

姫子「ゲーム作っとっとよ」

京太郎「ゲーム?」

姫子「んっ!!」

サンプル画像

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira091246.jpg


タイトル:新道寺学園物語
シリーズ名:あなたと繋がるノベルゲーム
年齢指定:R-18
作品形式:同人ソフト
価格:無料

[体験版ダウンロード]

須賀京太郎が新道寺で送る一週間をえがいた物語。

ヒロインは、鶴田姫子 白水哩 花田煌  江崎仁美  安河内美子 の5人。

■EDは1人に付き3つ 友情ED 恋人ED 結婚ED!!
■ハーレムルートはなし、1人だけを愛し、愛を貫け!!
※哩姫EDだけ存在いたします。

CG枚数:25枚 


京太郎「デリート」

姫子「なんで?!」

京太郎「なんてものを作ってんだ!!」

姫子「私ん夢が~………」

哩「楽しみにしとっとんに」

京太郎「お前もか!!」


その後、姫子はめげずに作り直し、密かに人気を集めたりとかしてるらしい。


咲「ぜひ!清澄ルートを!」

美穂子「……か、風越も」

照「白糸台がないのはおかしい」

竜怜『竜怜ルートはよっ!!』

恭子「……えっと、姫… 洋榎「姫松ルートがないのはおかしいやろ!」……らしいです」

カンッ

せっかく描いたので遊んでみた。
こんなゲームないかなーないよなー……

乙です。

検索したけど見つからない。
買えないとは酷い詐欺だな。

絵も話もプログラムまで1人でやるとか姫子ヤベぇな

1週間でR18の展開になるのか(困惑)

このゲームやりてえww
竜怜ルートとか哩姫ルートとかキャップルートとか照淡ルートとかモモルートとか是非

出会って最初の選択肢で落とすのか(´Д`|||)

こんなチョロインだと思い込みの激しい地雷臭しかしないけどな

どこから捻り出したサンプル画像...

<策略>

はやり「はっやり~ん☆」

京太郎&ファン『うぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉおぉ!!!』

はやり「今日は来てくれてありがとー!」

京太郎「うぉー……生はやりん、感動だ!」


ステージの上でははやりが、此方に笑顔で手を振っている。

感動で涙が出てくる。


京太郎「生きてて良かった!」

「はやりん、握手会は此方ですー!整理券を持っているかたから順にー!!」

京太郎「おっと行かないと!」


この時の為に朝からずっと並び続けたのだ。

行かないと努力が無駄になってしまう……。


はやり「いつもありがとー☆」

京太郎「は、はい!こここれから頑張って下さい!!」

はやり「うん、応援よろしくね!」


握手会は何事もなく終わった。

はやりを目の前に緊張をしてしまったが、変な行動をとってないだろうか……少し心配だ。


京太郎「あぁ……もう手洗えないな」

和「洗わないと汚いですよ?」

京太郎「のわっ!?」

           ,、  ─ -  _
    ┌::-/      ┌:Y´::7
    {::./     /   ヽ V:::}:::::}
    ,Y  1 l lj ! !V } Y'::`く

    く::! ィ, N升卅从卅代ノ;イト'
      `ヽN 〔厂 '  〔厂 l  | l
        i| '、       ノ  1 ト、
        /jj `ー  ニ ‐,´ l  | ヽヽ
     〃/  レ:´:.{  }:.:.:Y l| l V
     V {  ト:;\i /::/ ∧ l {

      ハ l !\><:∧/  }  〉
      V 1Y    〉く   } | ./′
       Y{   /:::::i    j |'′
        | ヽ {::::::::l  〈  |
         |  {  {::::::::l  {  |

和「こんにちは、須賀君」

京太郎「の、和か……あぁ、驚いた」


ボケーと突っ立て居ると後ろから声が聞こえてきた。

驚いて後ろを振り向けば、じと目の和と目が合う。



和「まったく、こんな所で……」

京太郎「あははは……ごめん、はやりんと会えてさ」

和「あぁ……握手会でしたっけ?」

京太郎「そそ、和ははやりんとかに興味ないのか?」

和「ありますよ?でも麻雀を打てるわけでもないので」

京太郎「握手会だけだしな」

和「せめて打ってる所を見れればよかったのですが」

京太郎「そればっかりはなー」


2人はため息を付くとはやりのほうへと振り向く。

そこには笑顔で大勢のファンを相手にしているはやりの姿があった。


京太郎「まぁ……いいか、丁度よかったしお茶でもどう?」

和「ナンパですか?」

京太郎「いやいや、ただ……この後暇でさ」

和「思いっきりナンパのくどき文句ですね」


くすりと笑うと京太郎は困ったかのように頭を掻く。

いじめすぎただろうか。


和「別にいいですよ、私も暇なので」

京太郎「やった!」


京太郎はガッツポーズをすると嬉しさを隠さず喫茶店へと2人で向かった。


. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、

: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!   ・・・・・・・・・
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      ⊿     .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、

: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\   ∧:::::::::::-.:_//'   !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ

和「……須賀君、お絞りで手を拭いておかないと」

京太郎「そうだった」


店員が運んできた料理を食べようとした京太郎に和はお絞りを渡す。

京太郎は、忘れてたと照れお絞りを受取るとそのまま手を拭いた。


和&京太郎『いただきます』


2人は、暫しの間雑談しながらのんびりと食事を進めていった。




京太郎「やー食った、食った」

和「だいぶ食べましたね」

京太郎「あれぐらい男性なら普通だって」


はやり「ありがとー!またねー☆」


お腹を叩き軽く笑うと和へと視線を向けた。

視線の先では和の後ろのほうではやりが手を振って元気にステージ奥へと戻って行ってる場面が見える。

思い出した……。


京太郎「………」

和「………」

京太郎「手……拭いちまったよな」

和「拭きましたね」

京太郎「oh……」


京太郎は、そのまま膝を付くと地面に項垂れた。

心なしか空気が重くなり、ドンヨリとした影が見える。


和「ほら、元気をだしましょ?」

京太郎「そ、そうだな、会えただけでもいいよな」


そう言って京太郎は和の差し出された手を取って立ち上がった。


京太郎「あ゛ー………ガッガシだ」

和「まだ、時間あるので他の所へにも行きましょうか」

京太郎「うん……和の優しさが染みるな」

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和「………」


トボトボと歩く京太郎の背中を見ながら和は先ほど出した手をもう一方の手で握りそっと笑った。


カンッ


おつありん

>>143
……どうしようね?

>>147 >>152 >>153
時間軸を6月からの一週間とかにすれば問題なし
もしくは大会後の学園祭での一週間とか……ええな

>>154
自分で姫子の立ち絵書いて実際にその絵を使ってゲームを作ります。
そしてその作ったゲームを写真で撮って投稿します。
ね、簡単でしょ?

>>145 >>151
まー……頑張ればゲームは作れるんよ
絵はかけるし、文章も大丈夫、ゲーム本体も今はお手軽に作れるツールあるし
問題は作った所で自分が遊べないという……盛大なネタバレが……



<大阪暮らしの京太郎 ツンツン怜 着替え>

竜華「京太郎君、悪いけど怜呼んで来てくれへん?」

京太郎「了解です」


合宿所に付き荷物を置いてホールで待っているのだが、怜がやってこない。

本来なら同室であり、仲がいい竜華が行くべきなのだが部長としての仕事がある為京太郎に頼む事にした。

2人の仲は良好ではない、だからこれを機に仲良くなって欲しいなとの願望もあったが。


竜華(まぁー仲が良くなってもそれ以上は困るんやけどなー)


仲良すぎるのも困るが、それ以上に今の関係はやばい。

本人を前に本人の人形を殴ったり、殺意満載の目で睨んだりと些か荒れすぎである。

そのお蔭か、怜の体調がいい方向に向いてるのはいい事なのだろうが……。






怜「………ん~ぁ、あーっ……そろそろ行かなあかんねー」


ボケーとベットに寝ながら時計を見る。

時計を見ると既に約束の時間を軽く越えていた。

少しばかり寝ていたらしい。


怜「……この格好は流石にいややな、着替えよ」


制服姿でもいいのだが、旅館に来たという事でゆかたなどを着て見たい。

いつも似たような患者服を着ているがこれはこれでまた趣があってよしだ。


怜(………んっと、こんな感じ?)


怜は服を脱ぎ、浴衣を持ち上げる。

結構上等なもので帯までついていた。


怜(着け方、判らんのやけど……まぁ後で竜華辺りが来るやろ)


時間を過ぎているため、心配した竜華辺りが来るだろうと思いなおし、そのまま軽く準備をする。

暫くすると扉の襖が軽く叩かれた。

案の定、心配で来たようだ。


怜「入ってええよ~」

???「失礼します、怜さんは……あ゛っ」

怜「りゅーかー……あ゛ぁ?」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira091379.jpg

入ってきた人物と目がバッチシとあった。

そこには竜華でなく、京太郎がおり顔を真っ赤にさせている。

ふと自分の姿を思い出し、下を見て自分を確認する。

ほぼ裸と言ってもいいだろう。


京太郎「すいません!?」

怜「ほーはー……なるほど、死ぬか自分」

京太郎「わざとじゃないのに!?」

怜「謝ってすむ訳ないやろ、むしろ人生終わってくれへん?」

京太郎「あんまりだーー!!!」

怜「逃げんなー!!!」




竜華「遅いなー」

セーラ「いつもどおりに怜にいろいろと言われてるんやろ」


ソワソワと心配をする竜華の横でセーラが軽快に笑う。

心配している竜華と比べセーラは、あの2人はあれでいいと思っている。

怜自身、京太郎に危害を加える気もない。

精々口々と京太郎本人に愚痴を零すぐらいだ。

京太郎自身もそんな怜を気に入っている節がある。

怒る所か、何処と無く楽しんでるような気さえした。



浩子「来ましたね」

泉「あー……こりゃ、アカンですわ」


そうこうしていると遠くから声が聞こえてくる。

いつもどおりの2人の声だ。


京太郎「NO~~!!!なんでそんなに足速いんだ!!」

怜「まてや!!死にさらせ!!」


廊下を全力で駆け抜け、京太郎は皆の前を通り抜ける。

そんな京太郎に数秒遅れ、微妙な着付けの浴衣を着た怜が同じく走り抜けた。


竜華「なんで喧嘩しとるん?」

セーラ「いつもどおりやな!」

浩子「……たぶん着替えとか覗いたんやろな」

泉「ラキスケ……ホンマにあるんですね」



怜「お前なんか、やっぱり嫌いや!!」

京太郎「うわーーん!」


カンッ

絵描けたついでに投下ー……また怜やった
流石に洋榎や絹恵の大阪暮らし書かんとなー

それじゃのー

着替えラキスケ シリーズ……アリやろか(ぼそり

…アリか、気が向いたら描くわ
次は桃子かなー………いや着物を崩している咏とかも…機を狙ってすこやんもありかも?

……すこやん いいかも


<大阪⇒東京暮らしの京太郎 洋榎編>

洋榎「………」

絹恵「お姉ちゃん?」

洋榎「………」

絹恵「あぁ……またやね」


部活時、まったく動かなくなった姉を不思議に思い何度も呼びかけるも反応が無い。

どうしたのかと姉の視線の先を探り、理解した……あぁいつものかと。

なんて事は無い、視線の先では京太郎が楽しそうに麻雀を打ってる画像があるだけだ。

だが、その携帯に写っている何てことない風景が洋榎にとっては物凄く貴重なのだ。


洋榎「やっぱりええなー……」

絹恵(あぁ……こうなったら止められん、ほっとこ)


両手を頬に当て、体をくねらせる姉を放置する事に決めた。

今現在の洋榎には何を言っても無駄だと理解している為だ。

洋榎は今難病に罹っている………恋の病と言う病気に……


最初に意識を向けたのはいつだったか……初めて会った時か、いやもっと先だった。

姫松高校は、強豪と呼ばれる麻雀校だ。

毎年何人……何十人もの実力者が部活へと入ってくる。

その中には勿論男性も含まれていた。


京太郎『麻雀暦は0です!!』

洋榎『ぶはっ……あはははははは』


最初のコンタクトは部活入部時の自己紹介の時、皆の前で1人1人一言言っていくだけのもの。

その中でも京太郎は異様であった。

全員が全員実力者の中、初心者であることを堂々とカミングアウト。

思わず大きな声で笑ってしまった。

大きな声で笑った洋榎を絹恵などが止めようとするが止まる筈もなくお腹を抱えて笑っていると京太郎が足を此方へと進めて来る。

そして……


京太郎『須賀京太郎です。よろしくお願いします』

洋榎『ええ度胸しとるなー自分、愛宕洋榎や、洋榎でええ』

京太郎『判りました洋榎先輩』

洋榎『よろしくな、ガース』


洋榎ににこやかに笑いかけ手を差し出してきた。

なんとも愉快で気持ちがいい奴だろうか、洋榎は一発で京太郎の事を気に入ってしまった。

差し出された手を取ると洋榎も満足そうに笑った。

これが最初の出会い、京太郎という人物に会った最初の一歩。


郁乃『あの子、なかなか諦めんね~』

洋榎『あの子?』


それから1ヶ月経った頃、郁乃が不思議そうな顔で呟いた。

視線の先を繰ればそこには京太郎が居た。

横には恭子も居り色々と教えているみたいだ。


郁乃『1ヶ月経てば自分の限界を感じてやめる子多いんやけど……あの子まだ打っとる』

洋榎『………』


そういえば、そうだと郁乃の言葉で洋榎も思い出す。

強豪だからいろんな強者が集まる。

だが、同時に諦める者も多いのだ。

特に男性はほとんど残る事がない。

今現在女性と男性の実力には大きな溝がある。

その溝は谷と言ってもいいほどであった。

なまじ、中学で活躍している分、姫松に来て打って本物実力者に負け理解する……または諦めるものだ。

その中でも負け続けているのに笑い、楽しそうに打ち続ける京太郎は異様な存在だ。

負けを楽しんでるのではない、負ければ悔しそうにし、チャンスがあれば狙っていく……彼は麻雀を楽しんでいる。


郁乃『恭子ちゃんも気に入ってるし……案外化けるかもな~』

洋榎『むっ……』


郁乃言葉で少しばかりムっとする。

最初に目をかけ麻雀を教えていたのは自分なのだ。

………教えるのがヘタですぐに恭子に取って代われたが。


洋榎『ガース!次はうちと打ちや』

京太郎『受けて立ちます!!』

恭子『………あぁ、教えてる途中やのに』

由子『諦めるのよー』

漫『わ、私も打ちます!』

絹恵『そう言ってまた、京太郎を飛ばすんやね』


目を瞑れば、今でも思い出す、あの日の素晴らしい思い出を……。


洋榎(あぁ……アカン、泣く)


ポロっと涙が零れる。

出てきた涙を隠すように洋榎は、枕へと顔を埋め、静かに静かに泣いた。

既に京太郎は親の都合で転校しており、ここ(大阪)には居ない。

なんという皮肉か、自分の心が決まった時と同時に彼は消えた。


絹恵「お姉ちゃん、晩御飯やって」

洋榎「……今日のは、なんやろ」


絹恵が呼びにくると洋榎は枕に突っ伏している。

それでも声をかけると答えてくれた。


絹恵「………からあげだって」

洋榎「おぉ……うちの大好物やん!」

絹恵「うん」


からあげだと聞いて洋榎は、すぐに顔を上げる。

その顔は、若干目を腫らしているものの笑顔と言って良い物だった。

洋榎は立ち上がると嬉しそうに顔を綻ばす。


洋榎「そうだ……絹恵、全国行くで」

絹恵「勿論だよ、お姉ちゃん」


絹恵の隣を通り抜けるときに呟くように洋榎が言った。

少ししか見えなかったが、微笑んでいるのが見えた。

あぁ……自分の姉はどれだけ強い人なのだろうか。

楽しげに歩いていく自信に満ち溢れた背を見て絹恵はくすりと笑った。


カンッ


京太郎「………ぶはっ」

憧「……昼間から飲みすぎじゃ?」

京太郎「いいの、いいの、これから一週間は飲めないしな」

憧「あー……あんたこれから依頼なんだ」

京太郎「待て……なんでギルドが把握してないんだ」

憧「ん~……あぁ、有ったわ。って討伐じゃなくて採取クエスト?」


京太郎に言われ、憧はクエストカウンターへと戻り、確認すると確かに依頼が出ている。

内容を見ると採取クエストのようだ。

少々拍子抜けだ。


憧「つまんないわね」

京太郎「しょうがねーだろ、怜さんは千里山に一時的に戻って、姫子さんは哩さんの応援……」


憧の言葉に京太郎は指を居りいつものメンバーの所在を語る。

1人は、最初のメンバーであり先輩でもある怜、彼女はガンランスを得意としており、先見の目を持っている為

大変頼りになる人だ。


もう1人は、姫子 同じく先輩でたいへん可愛らしい人だ。

得意な武器はヘヴィボウガンでほとんど外さない腕前を持っており姫子のサポートのお蔭でいつも心穏やかに狩りに集中できる。


そして……最後の1人は……。


憧「あー………モモと京太郎じゃねー」

京太郎「俺も初心者だしなー……モモもだし」


名前は桃子、影が薄くモンスターも中々見つけられないほどだ。

武器は、初心者のせいか様々武器を扱っている。

自分と同じく初心者である為か一番親しみやすくもあるのだが。



桃子「お待たせっす!」

京太郎「おーぅ……遅かった……な?」

桃子「どうっすか!似合いますか!」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira091469.jpg


声が聞こえ、振り向けば其処には桃子が立っていた。

それだけなら特に問題はない、それでも言葉に詰まったのは装備せいだ。

採取クエストに行くというのに本格的な狩猟装備なのだ。





桃子「新装備っす!」

京太郎「………とりあえず武器は仕舞え」

桃子「ぶーっ……」

京太郎「あーあー似合ってる」


京太郎の注意に少々頬を膨らませ怒る桃子に苦笑しつつ素直な感想を告げる。


桃子「わはー♪」

京太郎「おぶっ(胸がーー!!!)」

憧「どうでもいいけど、他の所でやってくれない?」


桃子は嬉しそうにし京太郎に思いっきり抱きつきスリスリと頬を摺り寄せる。

そんな2人を憧はカウンター越しに暇そうに見ている。


京太郎「といかないとか」

桃子「腕が鳴るっすよー!」

京太郎「や、狩りとかじゃないからな?」


京太郎は席を立つと蕎麦に置いてあった笠を手に取り被ると愛用の大剣を担ぎ歩く。

そんな京太郎の様子を桃子は嬉しそうに見つめ、楽しそうに後ろを付いていった。


京太郎「行って来るわ」

桃子「っす!」

憧「いってらっしゃい」


憧はそんな2人をひらひらと手を振って見送るのだった。


<モンスターハンター 京太郎  カンッ>
京太郎はユクモ+大剣orスラッシュアックス
怜はレイア+ガンランス
姫子はウルク+ヘヴィボウガン
桃子はナルガ+片手剣or双剣or操虫棍

他の子は何が似合うかな
話の都合上照は大剣なんやけど…


<大阪⇒東京暮らしの京太郎 ネリー編>

京太郎「ネリー……どういうことだ?」

ネリー「………」


広々とした高層マンションで京太郎は不貞腐れるネリーの前に立つ。

ネリーの後ろには少々の荷物さえあった。


ネリー「今日からネリーもここに住むから」

京太郎「はぁ……」


ネリーの言葉にため息が出てくる。

何故こうなったのだろうかと悩むが一向に答えは出てこない。


京太郎「……家は?」

ネリー「引き払った!」


元気に手を挙げて答えるネリーにもうどうでも良くなった。

家がないんじゃ、このまま放り出すという事も出来ない。

結局の所承諾するしかないようだ。


ネリー「………」

京太郎「ご飯作るから、お前は荷物整理してろ。開いてる部屋使っていいから」

ネリー「うん」


気持ちを切り替えたのか、京太郎はエプロンをつけるとそのまま台所へと入っていく。

そんな京太郎の背を見つつネリーは暫しの間見つめていた。


ネリー(相変わらずのお人好し)


京太郎の背を見ながらそんな事を思った。

ネリーにとって京太郎は不思議な相手であった。

故郷での生活は貧困そのもの、毎日毎日生きるか死ぬかの間を彷徨い全てを切り捨てなければ生き残れなかった。

アレクサンドラに拾われるまでその生活は続き、拾われた後でも人は信用できないと思い続けている。

もちろん、アレクサンドラや臨海メンバーですら信頼をしていない。

この世でネリーが信用するのは1つ………お金だ。


ネリー「とりあえず………これでよし」


荷物を運びつつ更に京太郎の事を考える。

そんな人と壁を作るような生活をしているとネリーに接する相手も気付き距離を取ってくれた。

智葉達も一定以上は踏み込んでこない。

それがネリーにとっては楽であった………京太郎が来るまでは……。


京太郎『よ!』

京太郎『なんだ、しっかりと食わないと大きくならねーぞ』

京太郎『なぁ、ここ教えてくんね?』


ネリー「………」


距離を取ってる事を知りつつも京太郎は寄ってきた。

それもしつこいほどにくっ付いて来る。

どんな目的があるのかと怪しんで聞いてみると京太郎は呆気らかんと答えた。


京太郎『1人は寂しいじゃん』

ネリー『それだけ?』

京太郎『それだけ』


なんとも呆れた答えが返ってきた。

きょとんと不思議がっている表情を見ると本当にそれしか思ってないらしい。

これにはネリーも対応に困る。

何を求めるでもなく、ただ傍に居る………理解不能だ。


ネリー『どうすればいい?』

アレクサンドラ『ふふふ………お前も傍に居れば判るさ』

ネリー『むー』


一応の保護者であるアレクサンドラにどうしたらいいか聞いたらそんな答えが返ってきた。

アレクサンドラ曰く、自分も京太郎の傍に居ればいいらしい……よく判らない。

だから、傍で観察をすることにした、お金も貯めれて一石二鳥のアイディアだ。


京太郎『はぁ……今日からよろしくな、ネリー』

ネリー「………」


荷物整理を終え(もとより私物が少ない為)廊下に出るとリビングへと戻る。

その最中にさきほどの京太郎の言葉を思い出す。


ネリー「ふふふ……♪」


京太郎に呼びかけられるたびに心がポカポカと暖まる。

京太郎に頭を撫でられると心が落ち着く。

京太郎の傍にいると体が軽くなり幸せな気持ちになる。

この気持ちはなんだろうか……私はこの気持ちをよく知らない。

それでも判る事が1つあった。


ネリー(これからはネリーと京太郎『2人』だけだ)


きっと楽しい毎日になるだろう。

リビングに戻るとソファーに金髪の髪が見えた。

ネリーはそろーと近づくとそのまま勢いよく抱きついた。


ネリー「京太郎♪」

???「あわーーーっ!?」

ネリー「あれ?」


抱きつくと甲高い声が聞こえると同時に柔らかい感触が手に触った。


ネリー「……だれ?」

淡「そっちこそ!!」


よく見ればその人は女性で京太郎ではなかった。

お互いにお互いを警戒しつつも意味が判らず膠着する。


京太郎「どうしたー?」

ネリー&淡「京太郎(キョウタロー)っ!!」

京太郎「おぅ」

ネリー「誰?」

京太郎「親戚の大星淡、たまに来るんだよ」

淡「だれ?」

京太郎「学校の友達件今日から居候」


2人がお互いに指差せばそんな答えが返ってくる。

2人は暫しの間、お互いを観察し、そして………。


淡「敵だ」

ネリー「!!」


そんな宣言を受けた。


カンッ
前に貰った小ネタと組み合わせ
ハワイの火山地帯に匂いを嗅いだだけで女性が絶頂に達するものがあるらしい
どこの媚薬?
………京太郎+汗(キノコと同じもの)=SSを書くべし

アリやな

R-18  要素含みます

京太郎「………」

和「何してるんです?」

京太郎「な、なんでもないぜ?」

久「怪しいわね」

優希「なんで私達から遠ざかるんだじぇ?」

まこ「ほんにの」


合宿所でお風呂から上がり練習の為、部屋に集まると京太郎が変な行動をしているのが目に付く。

久が怪しんで一歩近づくと京太郎は、慌てて一歩下がった。


久「なにを隠してるのかしら♪」

京太郎「マジでなんでもないので……近寄らないで貰えますか?」

和「説得力ないですね」

咲「京ちゃん!タオルと制汗スプレーもって来たよ!」

京太郎「おぉ!投げてくれ!」

優希「なんだ、汗かいてたのか」

まこ「………そこまで臭いきついんかのぉ」

久「なによ、つまんないわねー」

和「特に臭いしませんけどね?」

京太郎「あ……ははは、俺が気にするんでそのまま近寄らないでくださいね」


ドアを開け咲が入ってくると原因が何かが判り、全員が興味を無くす。

そのことにほっとしつつ咲へと手を伸ばすと咲は離れた所からタオルなどを投げた。

だが、しっかりと包まってなかったのか制汗スプレーだけが零れ落ちる。


久「手渡しでも良くない?危ないわよ」

京太郎「ぶちょー!!ストップ!ストップ!!」

咲「あぁ……南無」


地面に転がった制汗スプレーを久が取るとそのまま京太郎に近寄った。

心なしか、京太郎と咲の表情が絶望へと変わったのが見え不思議そうに首をかしげる。


久「あれっ?」

京太郎「あぁ……やっぱりかー!!」

和「?」


京太郎に近づくと体の異変に気付いた。

体が、お風呂から上がった時の様に火照りだし、頬が紅潮しだす。

体の中をゾクゾクと虫が這いずるような感覚が体全体を蝕んだ。


久「あぁっん♪」

全員『!?』

               _,. =-―‐-= 、
            ,. <: : : : : : : : : : : :`ヽ、

            /: : : : : : : : : : : :ー- 、 : :、 \
          /ィ´ / : : : : : : : : : : : : \ \: ヽ
        // イ : : : : : : : : : : : \: : : :ヽ: ヽ:ヘ

        /;ィ" / : : : : : : : : j: :、 : : : : \: : :.';ヘ、ハ
.       /:,.' .l :/:,': : : : : : :/|: : lヽ、 : : ヽヽ: : ';ヽミ '、
      /:/  l/ ,': : : : : :,イι !ト、l `ミー-=ゝ.: : :',: : ヾ\
      ,':/  .l: :l: : : : : /    ヽ ヾ _, -‐'' ヽ.: : :!: :゙l} ヾ:、
     f:,'    {: :! : : : :/ー-      ´-‐,_-ュ、゙,: : l゙!: :{    ゙;
    {f     V{l: : : :,' ,_=ミ_     ,ィ7圭r`} l: :,!': : !    ,!
    ゙{    V!.: : :Kf'r伐ミ`     ゞ=≠ リ:/j: : リ
     `ー--'  ゙',: : N゙ ゞ='-'  ,   ////ィ'/: :.厶ィ スヽ
             ヽ:.{ ト、///       (f´イ': : ;:'  / \゙,
              ,rゝぃゝ、   ー~ー ' ィヽlェォ'   /   ゙;
         _,. -―込_ノ~゙f' `≧,‐ - < /.,イ/i   /リ     ー- 、
      , ';.ィ フ´ : :_:_:_;ノ   {ー=ーt'`ー!:.f: :l、ヽ ム'      、!   \
     fi'  f: :,r ´冫fハ、   弋   l.   V、: :ゞヽ\   _   \  /
     ぃ  V: : :( 弋ミ\.   ',.  l    );\: :X `i}/       ヾ
        ゙ーノ \: :\ ヾ三\.  ', l ,.ィ彡ニ;ィヾ!ノ'   ,r―=ァー- 〉
       /   `ー-ぅヽ辷三\. V/ニニフ_,ム'ノ  /|_  '  /
      弋  ̄`ヽ `ー-= 、{ `ー=にニシ´ ̄  / _,.-ェ彡三|  _,ノ
        \   `,、_  l    ノメメ|     ヒf´  ̄`ヾニヨ ̄

『~~~~~~~~~っ!!!!』

反射的に両手を股へと当て、快楽に抵抗しようとするも抗えず。

秘所から滴る愛液が太股へと伝わり次第に垂れていく。

ガクガクと足が震え、内股になり経っていようとするも無理であった。

久はそのまま、地面にペタンと座るとそのまま、快楽に身を委ねる。

どうやら絶頂してしまったらしい。


京太郎「だー!やっちまった!!大丈夫ですか!!」

咲「京ちゃん離れて!?」

久「あっ……?」

京太郎「そうだった!」


地面に崩れ落ちる久を支えようとし咲に静止をかけられる。

自分の体質を思い出し慌てて止まるも先ほどより近づいてしまった。

久はびくんと体を震わすと、そのままぐったりと倒れこむ。


和「……なんなんでしょうか」

優希「匂いフェチ?」

まこ「流石にそれは……」


あわあわと慌てる京太郎と咲以外の3人は行き成りの事に驚き何も出来ず立っていた。



全員『汗で絶頂する?』

京太郎「はい」


久の意識も戻り、話を聞くと次のことを教えられる。

なんでも京太郎の汗には、女性をオーガズムを誘発させる成分が入っているらしい。

なんとも信じられないような事だが、京太郎と咲の顔は真面目だ。


咲「ふふふ……思い出すよ、中学生の頃夏の教室で味わった屈辱は」

京太郎「あー………」


そう言って、咲は目が虚ろになり自虐するように笑っていた。

同級生の前で絶頂とか黒歴史以前の問題である。

よく引きこもらなかったと自分でも思った。


久「な、なるほどね」

優希「うへー……テロレベルだじぇ」

京太郎「うぅ……今の所皆許してくれるけどいつか訴えられそう」

まこ「確かにのぉ」

京太郎「将来は汗をかかないところに住みます」

久「無理でしょ」


今度は京太郎の眼が虚ろになり始めた。

最初は喜んだ。

思春期真っ只中の男の子だ、そういうこともあり喜んだ。

だが、それは最初だけだ。

時間が経つ度に冷静になって怖くなったのである。

今ではなかったほうが良かったとさえ思っていた。


和「嘘ですね」

咲「やっ……和ちゃん、部長もああなったでしょ!?」

和「たまたまでは?」

久「……たまたま部員の前で絶頂するって…どんだけ変態なのよ私」


なんと声を掛けようかと思っていると和がそんな事を言い出した。

その言葉に咲は慌てて他の人はやっぱりなと納得する。

オカルトを信じない和の事だ、こうなる事は判っていた。

咲は、言葉での説得は無理と判断し改めて袋を取り出すと和の前で開いた。


和「何を……」

咲「体験したほうが早いから」

和「そんなオカルト………あふん?」



~暫くお待ち下さい~



京太郎(やべー……すっげーエロかった!!)

和「こ、これは……き、危険ですね♪」

優希「乱れだじぇ」

まこ「激しかったのぉ」

久「うわー……私もああなったのね」

咲「とりあえず、京ちゃんが汗をかいた時は近寄らないで下さい」

まこ「そうだのぉ、流石に人前では……」

優希「あはは、ハレンチ犬だじぇ」

京太郎「んだとこるぁ!!」

優希「やるかー!」


和は、隅っこでもじもじと振るえ、その様子を見て久とまこは戦慄し優希と京太郎はじゃれ合った。



久「それじゃ寝ましょうか」

優希「ふぁ~……流石に眠いじぇ」

和「ですねー」

咲「ZZzz……」

まこ「既に寝ているのもいるのぉ」


就寝時間になり、全員が布団に入り電気を消した。

暫く、話は続くものの時間が経つにつれ皆が皆寝に入った。

ただ1人を除いて……。


久「……寝たわよね?」


久が静かに全員に問いかけるも返事は無い。

暫くの間、辺りを見渡し確認すると布団を深く被った。


久(あー……やばいやばい、無理だわ)


もぞもぞと手を動かし、自分の秘所へと触れると既に下着は愛液で濡れている。

昼間の絶頂を思い出し、体が疼いてしまうのだ。

他の人が居る為、耐えていたがもう我慢の限界だ。



久「っ~~~あっ?」


そっと触れ割れ目に沿って擦ると耐え難い快楽が脳天に刺さった。

今までに味わった事のない快楽に酔いしれ声が出そうになるもなんとか手で押さえた。


久(あはっ……何かしら、何時もより気持ちがいい♪)


汗の成分が未だに体の中に残っているのか普段するより気持ちがいい。

何度も何度も擦り、快楽を求め動かしていく。


久「♪……っ、んぁ」


声が出ないようにシャツを口に咥え耐えるが、声が漏れてしまう。

次第に夢中になり、口からシャツが離れ口から舌を出し涎がシーツに垂れた。

次第に動きも激しくなり、訪れた。


久「っ~~~~!!!」


体をビクンビクンと激しく震え、足先がピンと限界まで伸びきる。

喉奥から声にならない声をあげ……ただただ余韻を味わった。


久「はぁ……はぁ……」


暫く息を整え、むくりと起き上がる。


久「駄目……ね」


ポツリと呟くと立ち上がりふらふらと歩き出した。

その様子は見る人が見ればゾンビのようだった。


久「お邪魔します」

京太郎「うへへ……ZZZZ」


そろ~と襖を開けると部屋の真ん中で京太郎が気持ち良さそうに寝ている。

久はゆっくりと近づき京太郎の前で手を振って何度か確認する。

京太郎が寝ていることを確認すると久はゆっくりと布団を捲くり中へと入り込んだ。

その時に服は全て脱いだ。


久「はぅ♪」

京太郎「ぐー……」


中に入り京太郎に抱きつくと思わず声が出た。

流石に汗をかくほどではないが薄っすらと匂う物に鼻孔を擽られ。

少しばかりの快楽が体を駆けた。

これだ……自分が欲しかったのはこれだ。

さきほどまで自分で弄っていたが、昼間のあれに比べて満足できるものではなかった。

久は上機嫌に抱きつき、暫しの間声も手も潜め、ひたすら我慢をした。




それからどのぐらい経っただろうか……久に抱きつかれ暑くなったのか京太郎が汗をかき始める。

もういいだろうかと久は顔を近づけ0距離と言っていい位置で匂いを嗅いでみる。

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    /  _   、               \           /        ` 、
  r   /  \                  `、       /            ` 、
  ハ  /      \_ )                      ,                     \
  し '                 し        ノ , ィぅ..、 /                   \



久「あぁっ~~~~~ぁん?」



さきほどは、時間をかけないと絶頂に至らなかったが今度はすぐに達する。

しかもさきほどのより強烈で声が……喘ぎ声が止まらない。

何度も何度も体を震わせ自分の秘所を京太郎の腕へと擦りつける。

気持ちがいい………気持ちが良過ぎる。

既に久の顔はトロけ、あられもない姿を披露する。

目からは涙が溢れ、舌だらしなく口から出し涎を垂らす。

頬は真っ赤に紅潮し耳まで真っ赤だ。

ttp://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira091675.jpg
R-18? 

久「すが……君」


彼の名前を呼ぶも返事は無い。

久は、京太郎の腕に自分の秘所を合わせ上下に擦る。

人の肌の暖かさと程いい硬さを持っていて机でするより気持ちが良かった。

既に久にこの快楽から抗う気持ちはない。

ただただ、快楽を求め、自分を満たす為に行動を始める。



そんな時だった……ガタンと襖が動いた音が聞こえ、誰かが入ってくる。


久「!?」


体を出来る限り縮め隠れるように息を殺した。

暫くするとシュルシュルと何かを脱ぐ音が聞こえ。

誰かが布団の中に入って来る。

勿論、中には久が入っており、入ってきた人物と目がバッチリとあった。


和「………はえ?」

久「………き、奇遇ね」


入ってきたのは和であった。

2人は互いにぎこちなく引きつった顔をすると布団の中で話し合う。


和「なんで部長が……てっ裸!?」

久「和もじゃない」

和「そ、それは……その」

久「ふふ……どうせ和も昼間の快楽が忘れられなかったんでしょ」

和「しょ、しょんなことは!?」

久「しーっ!声が大きい!」

和「あわわわわ」

久「……別にいいじゃない」

和「え?」

久「どうせ同じ目的だし一緒に楽しみましょう♪」

和「ぶ、部長……」


久の言葉に和の目に涙が溜まる。

こんな状況でなければ感動的な場面だったろう。

2人がガッチシと手を組むと自分の事に没頭を……。


優希「誰もいないよなー……」

まこ「たぶん……」

久&和「………なんで2人が」

優希「ふぇ!?」

まこ「お、おんしら何を……」

久「此方のセリフなんだけど……」

和「……ですねー」


入ってきたのは優希とまこだ。

2人は匂いを嗅いでない筈なのだが……何故きたのだろうか?


優希「こ、好奇心だじぇ」

まこ「お、同じく」

久「……4人が来たということは」

咲「もちろん、私も居ます」

和「ですよねー」

優希「てか既に裸……」

咲「京ちゃんの匂い癖になるんだもん」

まこ「………」

京太郎「んぁ……?」

全員『!!』


5人が騒いでいるせいか京太郎が寝ぼけ眼で起き上がる。

それに対して4人はどうしようかと固まる中咲の行動は早かった。

手に持っていたアイマスクをすぐに京太郎につけると京太郎はそのまま眠りに就いた。


咲「京ちゃんってアイマスクとか着けると起きないんですよ」

全員『手馴れてる……』

咲「これで楽しめますね」

久「続きを……」

優希「腕を寄越すだじぇ!」

和「ま、まだやってません!」

まこ「なら足でもいいじゃろ」

咲「胸は私で!」


誰も居ない合宿所に5人の喘ぎ声が響き渡る。

そんな中京太郎は、夢の中でカピーと戯れる幸せな夢を見ていたとか。

カンッ 汗は媚薬 清澄編終わり

さて……仕事行くに向けて寝よう
おやすみ……

ちなみに次はどこの高校がいいだろうか?

こんな感じて後半一括りになるなら人数少なめがいいんだが・・

なんだこのレスの数……エロって偉大やね

>>249
せやね。ほぼ久編になっちゃってるし各高校の2人をピックアップしようか

塞「すっごいね」

胡桃「ま、迷子にならないようにしないと」

エイスリン「アワワワ……」

白望「だるすぎる」

豊音「ひ、人が多いよー」


まわりを見れば人、人、人、人の集団が他人を気にせず自分の目的の為に練り歩く。

そんな圧倒的な光景に5人は顔を引きつらせる。

せっかく都市に着たので観光でも思ったのだが、テレビで見るのとは訳が違った。

5人は体をカチコチに緊張させつつも観光を開始する。


豊音「ううぅ……なんか見られてる」


自分の帽子を両手深く深く被りなおす。

先ほどから周りの人に見られている気がしてならない。

実際に道いく人は豊音に視線を向けた。

女性にしては高い身長、黒い服を基調とした服にバランスの取れた体つき、まるでモデルのようなのだ。

珍しい事もあり、視線を向けてしまうのも仕方が無い。


豊音「って…あれ?」


一息ついてから仲間のほうを見ると其処には誰も居なかった。


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                   豊音「………」

暫しの間、考え込みじーと見てようやく気付いた。

帽子を深く被り歩いていたせいで迷子になったらしい。





豊音「うぅ……何処行ったの」


あれ30分携帯を見つつオロオロと歩いているも一向に皆が見つからない。

メールや電話をして連絡を取ったが何処が何処だがわからない状況なのだ。

一向に会える気がしなかった。

地図を見ても判らず、人に聞こうも道行く人の足は速く豊音の声も届かない。


          .... -―――――- ...
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豊音「うぅ……」


遂には涙も出てきた。

先ほどまで都会に憧れ楽しみにしていた気持ちも何処かへ行ってしまった。

絶賛道も心も迷子である。

人生にも迷うのかなーと変な方向へと思考がそれようとした時だった。

声をかけられたのだ。





「もしかして……迷子だったりします?」

豊音「へ?」


自分の状況を当てられ驚き振り向くと其処には1人の少年が立っていた。

その少年は頭を金髪に染め、軽そうな外見ながらも柔らかい表情を浮かべている。

なんとなく『お人好し』と言う言葉が脳裏に浮かんだ。


豊音「えっと……」

京太郎「あぁ……俺は、須賀京太郎と言います」

豊音「と、豊音……姉帯豊音です」


自己紹介をされ思わず自分の名前を返す。

2人は互いにお辞儀をするとえへへと愛想笑いを浮かべた。


京太郎「それで……姉帯さんは、迷子だったりとか」

豊音「なんで判ったの?」

京太郎「いやー………迷子を見つけるのは慣れてまして」

豊音「いろいろとすごいねー」

京太郎「あははは……」


脳裏に浮かぶポンコツ幼馴染の怒った顔が出てくる。

なんとも変な所で役に立つ事もあるんだと思いつつも状況を話し合っていった。


京太郎「なるほど、大会会場なら判りますよ」

豊音「本当?」

京太郎「丁度近くまで行くので一緒に行きましょうか?」

豊音「お願いできる?」

京太郎「えぇ……行きましょうか」


そう言って京太郎は豊音に手を差し出した。

出した時にしまったと思いなおすも今更手を引くのも恥ずかしい。

しょうがなく、豊音が断ってくれるのを待っていると豊音がぎゅっと握り返してきた。


豊音「行こうか、えへへ」

京太郎「……そうですね」


握り返してきた豊音に少しばかり驚くも嬉しそうにしているのでよしとしよう。


豊音「わーわー!京太郎君って宮永さんとか原村さんと一緒の部活なんだ」

京太郎「そうですねー……俺はよわっちぃですけど」

豊音「最初はそんなものだと思うよ?」

京太郎「そうですかね?」

豊音「うん、他の人達は小さい頃からやっている人達なんでしょ?」

京太郎「だったと聞いてます」

豊音「なら比べるだけ無駄だと思うな~むしろこれからだよー」

京太郎「……ですね」


豊音の言葉に京太郎はクスっと笑った。

最初は元気づける為に豊音と会話をしていたのにいつの間にか自分が慰められてしまった。


京太郎「っと……喉渇きませんか?」

豊音「暑いもんねー」


暫く歩いていると喉が渇いてきた。

暑い日ざしが容赦なく降り注ぎ汗が出てくる。


京太郎「買って来るのでここで休んでいて下さい」

豊音「えっと……お金を……」

京太郎「相談に乗ってもらったお礼ですよ、気にしないで下さい」

豊音「でもでも」

京太郎「いいから、いいから」


財布からお金を取り出そうとする豊音を無理矢理、近くにあった木陰に入れると飲み物を買いに行く。

丁度近くにお店があった為、そこで頼む事にした。


京太郎「おまたせしましたー……ってあれ?」


ジュースを持って戻って来ると豊音の姿が何処にもない。

また迷子にと思い慌てて辺りを見渡すと近くのお店に豊音は居た。

ほっと息をつき近くづくと声をかける。


京太郎「何を見てるんですか?」

豊音「あわわわ……ごめんね!」

京太郎「いえいえ」


場所を離れた事に気付き豊音は慌てて謝罪をした。

そんな豊音に京太郎は苦笑しつつ飲み物を渡し、豊音が見ていた物へと視線を移す。

そこには真っ白いウェディングドレスが飾ってあった。

やはり女性はこういうのに憧れる物なのだなと思いチラっと横目で豊音を見てみる。

目を輝かせて幸せそうに見つめていた。


京太郎「やっぱり着て見たいですか?」

豊音「うん!ちょー憧れだよー」


京太郎の言葉に頷き楽しそうに答えた。


「なら着て見ませんか?」

『え?』


そんな話をしていると後ろから声を掛けられた。

不思議に思い後ろを振り向くと1人の女性が立っていた。

その女性は、事情を2人に話していく、なんでも新作のドレスの写真を撮ろうとしていたのだが

なかなかいい条件の人が見つからず困っていたらしい、そんな時並び立つ京太郎達を見てこの2人ならと思ったとのことだ。


京太郎(どうすっかな)

豊音「!!」


さて……この状況にどうしようかと悩み隣を見ると期待を込められた視線が送られてくる。

どうやら自分に選択肢はないようだ。

恥ずかしい気持ちでいっぱいだが、ここで悲しませるのは男が廃る。

男は度胸だと思いなおし、京太郎は了承を伝えた。


豊音「ど、どうかな?」

京太郎「………綺麗です」


あれこやこれやとお店の中に入れられると二人はスタッフの人に人形よろしく服を着せられていく。

少しばかり窮屈な紳士服に眉を潜めていると豊音が此方に歩いて来る。

豊音は先ほど着ていた真っ黒な服と異なり真っ白いドレスで着飾っている。

ドレスは綺麗に光を反射し輝くように見え、豊音自身も薄くお化粧をしており

先ほどより大人っぽくて見惚れてしまった。


豊音「ちょーうれしいよー」

京太郎「―――っ」


嬉しそうに顔を綻ばせる豊音は反則であった。

綺麗で可愛い、両方を持ち合わせている豊音にこみ上げる物がある。

それをなんとか押さえ込み、深呼吸をして手を差し出す。

ここは冷静に自分がリードしなければと思い膝をついた。


京太郎「行きましょうか、『お姫様』」

豊音「!!」


軽くウインクを決めキザったらしくわざと決めると豊音は更に嬉しそうに笑った。


豊音「はい、『王子様』」

京太郎「………照れくさいです」

豊音「えー?ちょー嬉しいよー?」


やってみたはいいが真面目に返されると照れ臭かった。






写真撮影は問題なく進み、終わった。

時間がかかり、外に出れば夕焼け空が見える。


豊音「ありがとねー」

京太郎「いえいえ、貴重な体験でした」


お店を出てゆったりと二人は並んで歩く。

何処と無く恥ずかしさがあり、2人は無言で歩いていく。

なんて声をかけようか?

そんな事を思いつつ歩いていると携帯が鳴った。


豊音「あっ……」

京太郎「そうだった……忘れた」


豊音が携帯を取り出し見て2人は思い出した。

迷子の豊音を送り届ける最中だったことに……。


胡桃「めっ!!」

豊音「ご、ごめんなさい」

塞「まったく電話に出なくなったから心配したんだよ」

エイスリン「ブジデヨカッタ」

白望「ダルイから……心配させないで」

豊音「ごめんねー」


慌てて会場へと戻ればプンスコと怒り、心配する4人が見えた。

彼女達が豊音の仲間なのだろう。


塞「君ありがとね」

京太郎「いえいえ、むしろ時間が掛かってしまって」

胡桃「うん、今度は気をつけるんだよ」

京太郎「はい、それじゃ俺はこれで」

豊音「………またね」

京太郎「えぇ……また」


仲間の所へ送り届け京太郎も帰りにつく。

先ほどから携帯が鳴っているのを無視していたが流石に限界だろう。

豊音に軽く手を振って携帯を取り出し、部長にどう言い訳をしようかとため息をついた。



白望「仲良くなった?」

豊音「うん!初めての男の子の友達!」


ぺこぺこと頭を下げながら帰っていく京太郎の背中を見つつそんな話をした。

少々寂しい気持ちもあるがまだ日数はあるのだ、また会えると思いなおし微笑んだ。


塞「なにこれ?」

エイスリン「シャシン?」

豊音「うん!途中で撮ったの!」

胡桃「……なんで迷子でこんな写真を撮ってるの」

豊音「いろいろあったんだよー」

白望「………まっしろ」


持っていた荷物から見えた物に皆が興味津々に視線を送る。

それを豊音は嬉しそうに皆に見せていった。

それは、ウエディングドレスを着た豊音が京太郎にお姫様だっこされている写真であった。


迷子+ウエディングドレスお姫様だっこ カン

小ネタそろそろ募集かなー

汗は誰が組み合わせになるかはその時次第で~
出来る限りは意見を反映させます

まぁ……一部は決まってるだろうけど 竜怜とか哩姫は ……ね?

そういえば絵を投下しまくってるけどアレいらない?
うつ苦しくなければいいんだけど……

それじゃのー

<大阪⇒東京暮らしの京太郎 明華編>

京太郎「どもっす」

智葉「あぁ……おはよう」

京太郎「………」

智葉「安心しろ明華はまだ来てない」


キョロキョロと辺りを見渡す京太郎の苦笑しつつ答えた。

相変わらず明華が苦手らしい。


智葉「ふふふ……苦手か?」

京太郎「いやー……その、あれほど熱烈に迫られるのは初めてで」

智葉「確かにな」


京太郎の言葉に苦笑しつつ同意した。

確かにあの押しの強さは驚きだ。


智葉「座ったらどうだ?」

京太郎「ども」


ずっと立ったままの京太郎に席を進め、自分が飲んでいたお茶と同じものを別の容器に移す。

それを京太郎はお礼を言って受取り一口、口に含んだ。


明華「京太郎様!!」

京太郎「ぶふーー!!」

智葉「!?」


口に含んだ物は、味わう前に空中に分散され目の前の智葉にかかる。

びしょ濡れになった智葉に京太郎は気付かず、慌てて入ってきた明華へと視線を向けた。


明華「今日こそは結婚致しましょう!」

京太郎「し、しないから!?」


つつーと寄って来た明華は、京太郎の手を取るとぎゅっと握りそんな事を言ってくる。

京太郎は、明華を交わしつつ距離を取り様子を伺う。


明華「さぁ、早く!」

京太郎「俺はNOと言える日本人なので」


抱きつこうとする明華を避け、今日も鬼ごっこが始まった。


ハオ「大丈夫ですか?」

智葉「あぁ、京太郎の口に含まれた物だしな。これはこれで……」

ハオ(羨ましい)

ダヴァン「相変わらずデスね」

ネリー「何が嬉しいのかが判らないよ」


ハオから渡されたタオルを受取りながらも智葉は何処か嬉しそうに体をくねらせる。

ダヴァンとネリーはそんな事を思った。


明華「何故逃げるのです」

京太郎「迫ってくるからです!」

アレクサンドラ「今日もか……」


今日も臨海の部室は大騒ぎだ。

こうなったのは京太郎の中学時代の部活が原因だった。

遡る事初日のこと、姫松の時と同じく麻雀部に入ったときだった。


京太郎『須賀京太郎です!よろしくお願いします』

『よろしくね』 『結構かっこいい?』 『いい子ではありそうだけどねー』


転入組みと言うことで皆の前で挨拶をしたとき、それなりに受けもよくほっとしていると1人の女性が前へと出て来た。

何かしたかのと思いつつその人の様子を伺う。

腰まで伸びた長い金髪の毛に胸が大きく顔立ちも整っている。

その人の胸を見て少しばかり鼻を伸ばしていると京太郎の目の前に立ちその人はこう言った。


明華『結婚してください!』

京太郎『はっはい!………はいぃ!?』

智葉『何してる……』


ぎゅっと手を握られ真剣な表情でそんな事を言われた。

反射的に答えてしまったが、すぐに理解し何を言ってんだとばかりにじーと眺める。


明華『あぁ……じーと見られるのもドキドキしていいですね』

京太郎『!?』


反応を見ていると頬をポっと赤く染めそんな事を言ってくる。

流石の京太郎もこれにはどうしたらいいか判らず困惑するばかりであった。


京太郎『えっと……初対面ですよね?』

明華『私が一方的に知っているだけですね』

京太郎『い……一方的?』


明華の言葉に京太郎は冷や汗をかく、ストーカーという言葉が脳裏を過ぎったせいだ。

綺麗な子だが、アレな子かと汗をだらだら流し一歩後ろに引いた。


明華『あぁ…ストーカーとかじゃないですよ?』

京太郎『えっと……それじゃ?』

明華『あなたのファンです!』

ネリー『有名な人なの?』

ハオ『さぁ……聞いたことも見たこともないですけど』

智葉『私も知らないな』


明華の言葉に一同は首をかしげた。

京太郎自身も訳が判らずクエスチョンマークが脳内を乱舞している。


明華『ハンドボールやってませんでした?』

京太郎『あぁ!やってたな』

明華『日本ではあまりメジャーではありませんがフランスでは人気のあるスポーツです』


ようやく納得がいった。

確かに京太郎は、中学生の頃にやっていた。

フランスがハンドボールで強豪と言うのも勿論知っているし人気あるのも知っている。


京太郎『それにしても……なんで俺?』

明華『金色の英雄』

京太郎『ぶほっ』


明華の口にした言葉に噴出す。

その名前は京太郎にとっては頭を抱えたくなるほどの黒歴史なのだ。


智葉『なんだ、その中二病全開の名前は』

京太郎『ぐはっ!?』

明華『京太郎様の異名です!』

京太郎『やめて!?黒歴史なんだ!!』

明華『かっこいいではないですか』

京太郎『……あぁ、心が抉られる』


明華の笑顔とは逆に京太郎は胸を押さえ蹲る。

そんな京太郎をオロオロと心配しだす明華だが、抉ったのはあなたです。


ダヴァン『そんなに有名だったのデスね』

明華『的確な指示に相手の隙を見つけての先回りなどの技術、仲間思いでよく励まして……』

ネリー『長い。なんでやめちゃったの?』

京太郎『あー……大阪の高校に入学になったんだけどそこにハンドボール無くてな』

智葉『それで麻雀か?』

京太郎『えぇ、今ではハマっています』

明華『勿体無い話です。でもそれがなかったらこんなにも近くで居られませんし』

京太郎(なんだろ……怜さんと間逆なのはいいけど、ここまで迫られるとなんか引くな)


明華の行動に怜を思い出す、あれとは間逆の行動と想いだがこれはこれでなんか嫌だなと思った。



明華『ですので結婚を前提に!』

京太郎『どういうこと!?脈絡なさすぎるよ!』

明華『どうすればいいですかね?』

京太郎『とりあえず、お互いを知りましょうよ』

明華『私の名前は雀明華で身長158cmの誕生日は6月23日………』

京太郎『待って!待てや!』


ずいずいと迫る明華の頭を押さえ京太郎は悪戦苦闘しつつコミュニケーションを取って行くのであった。


ネリー「あったねーそんなこと」

ハオ「ある意味すごいですよね」

ダヴァン「ずずー……変わりませんね」

智葉「まぁ受け入れられても困るのだが」

全員『うん』


明華「待ってください!」

京太郎「待たない!!」


初めての肉食系女子に困惑しつつも毎日を今日も楽しく過ごしています。

明華の想いが届くのはいつになるだろうか。

カンッ


明華「せーのっ、ヴィヴ・ラ・フランス!♪」

京太郎「みょんふぁぁぁぁぁ!!」

<昼ね>

怜「ふぁ~………」

京太郎「………あ゛ぁぁぁぁ」

竜華「ねむねむやな」


昼ご飯を食べ終え、休憩がてら横になると欠伸が出てくる。

3人は休憩と表して日当りがいい所を陣取り横になった。


怜「お邪魔すんで~」

竜華「あー私も」

京太郎「………どうぞー」


横になって腕を伸ばし大の字で伸びていると少しばかり遠くに居た怜が転がってきた。

転がってきた怜は、ぎゅっと京太郎に抱きつくと差し出されていた腕を枕にのんびりと寝始める。

座っていた竜華も傍によると同じように腕枕で寝に入る。


怜「……やる気がでーへん」

竜華「ふぁ~……おやすみやな」

京太郎「もう寝ちゃいますか」

怜「せやな~おやすみ」

京太郎「おやすみ」


3人はぼーとする頭に逆らえず、のんびりとぐっすりと昼寝を始めた。





浩子「……どないします?」

セーラ「疲れとんやろ、寝かせとけ……散歩にでも行くか」

泉「あっ……ならお供しますよ」

浩子「うちは、データでもそろえておきます」

セーラ「駄目や、付き合え」

浩子「ちょっ……しょうがないですね」

泉「こういうのもいいですよね」


3人は、寝ている3人に微笑みながらも静かに外へと出て行った。


怜「えへへ……♪」

竜華「むふー♪」

京太郎「ふふふ……♪」


のんびり、まったり、健やかに……今日も千里山は平和だ。

カンッ

昼寝って気持ちがいいよね……何も用事がないとなお良し
特に落ちなし 山なし 
たまにはこんなのんびりのもいいよね
いつも小ネタとか言ってガッツリやし

絵のほうは書いたら投下していきますー

それじゃのー

今日は22:30頃に小ネタ募集いたします
なんかあったらよろしく、書かれた中で書きたいものを書いていくようになります
選ばれんかったらすまんな~
ちなみにR-18 は今回無しで

22:30~22:35 の間に書いて欲しいものを書いてなー
今回は安価じゃないので どれ選ぶかは自分次第です
だから焦らずね
あと1人1レスぐらいでお願い

多いな……多くね?
これは暫く困らなそうやね(ゴクリ

小ネタありがとうございました
のんびり書いていくよ

<駆けっこ>

京太郎「あれ?」

「あっ………」


朝ランニングをしていると見知った人に会った。

休憩でもしていたのか木陰に入り、朝の日差しを軽く避けてる。

その人は、タオルで汗を拭取り此方ににこやかに手を振ってくれたので其方に移動することにした。


京太郎「おはようございます、美子先輩」

美子「おはよう」


その人こと、安河内美子と挨拶をかわすと横に立つ。

白とピンクのジャージに身を包む姿は、部活の時と違い新鮮で驚きもあった。


美子「そんなに驚く?」

京太郎「だって……」


驚いていたのが判りやすかったのか、くすくすと笑われてしまった。

少しばかり恥ずかしくなり頬を掻きながらも弁解を行なう。


姫子『きょ、きょうたろ~……』

京太郎『なんでヘバッてるんです?』

煌『体育がマラソンでしたから』

哩『きょ、きょうたろう~……』

京太郎『………仁美先輩、なんで部長は――』

仁美『ぜーはー……死ぬ』

京太郎『皆して体力無いな!?』



京太郎「ってことがありましたし」

美子「まぁ……文化部だもんね」

京太郎「ですよね。それで美子先輩は?」

美子「うちは中学の時は運動部だったから」

京太郎「運動部………ですか?」

美子「うん、あまり活躍できなかったけど」

京太郎「……それで麻雀部にですか」

美子「思うように記録が伸びなくて悩んで居た時に部長達をTVで見かけてね」


それだけ言うと美子は、静かに目を瞑った。

きっとその時の事を思い出しているのだろう。

邪魔をしないように待っていると美子が静かに喋りだした。



美子「あの時の2人はとてもとても輝いていて憧れて……」

京太郎「………」

美子「うちもあの2人のように輝けたらって思ってね」

京太郎「なるほど」

美子「まぁ……麻雀部に入っても輝けてないけどね」


そう言った美子は、苦笑した。


京太郎「そんなことないですよ」

美子「そうかな?」

京太郎「えぇ、先輩は十分輝いてます」


これは京太郎が思ってる本当の事だ。

新道寺という強豪の中でレギュラーを勝ち取り、安定したうち筋で次に繋ぐ……。

その姿は、初心者の京太郎には眩しいぐらいだ。

それこそ、美子から見た哩姫の2人の様に。


京太郎「俺は憧れてますよ……先輩に」

美子「そっか……そっか」

美子(私も輝けてたんだ)

美子「ふふふ……」

京太郎「どうかしました?」

美子「気付かせてくれて、ありがとう」

京太郎「はえ?」

美子「ほら走ろ」

京太郎「あっ……ちょっと」


それだけ言うと美子は走り出す。

京太郎は、転びそうになりながらも足を動かし先を行く美子を追いかけ始める。


京太郎「待ってください!」

美子「待たない、追いついてみてよ」

京太郎「いいましたね!」


嬉しそうに笑いながら、二人は追いかけっこを始める。

気付かせてくれたあなたに――

今度はあなたが輝くように――

うちが見守っていこう。


<駆けっこ カンッ!>

美子の誕生日だ。

勿論書くぜー!投下すんぜー!祝うぜー!

あと、天ぷら 釜飯 焼肉サラダ さんまの刺し 豚の角煮 美味かったです


京太郎「こことかどうだ?」

桃子「ん~……いいっすね!」


和風な作りが立ち並ぶ温泉街の中を観光がてら歩き、一軒のお店に辺りをつけた。

外見的にも居酒屋のようだが、外に出ているお品書きを見るとお酒意外も結構あるようだ。


「いらっしゃいませー」

京太郎「2名で」

「奥へどうぞ」

桃子「いい感じっすね」

京太郎「だなー………作りもしっかりとしてるし座敷にカウンター席……どっちもいいな」


中に入り、店員に案内されるまま歩いているとお酒ではなく雰囲気に酔っていく。

どうやらまだ食べてすらいないのに気に入ってしまったらしい。


京太郎「個室か」

桃子「贅沢っすね」


通された所は襖で仕切ってある個室だ。

個室と言っても扉の所は開いており、通路から見えるようなものだ。

早速とばかりに座るとお品書きを読んでいく。


京太郎(見る限り魚介系が多いな)

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:::::::|::::|::::|::::::::|i::| | c-、ノ

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:::::::|::::|::::| }:::::|i::| iノ´::!!
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::厶イi:/⌒メ、:::i::!:::/:::/  ヽ
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: : : : : : : : `:-、メ'"
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桃子「ん~……ど・れ・にしようかなっと♪」

京太郎「初めてだしな………無難に定食系かね」

桃子「それがいいっすね……あっ!釜飯あるっす!」

京太郎「どれどれ……おぉ、釜飯定食で刺身と天ぷらの二つあるのか、悩むな」

桃子「なら私は刺身頼むっすから、京さんは天ぷらとかどうっすか?」

京太郎「それはいいな」


どちらのメニューにしようか悩んでいると桃子から提案をされる。

両方食べてみたい自分としては魅力的な提案だった為、すぐに頷く。



京太郎「他には……」

桃子「京さん!京さん!」

京太郎「どうした?」


次に何を頼もうか悩んでいると桃子が嬉しそうな、それでいて驚いたような声をあげる。

お品書きから顔を挙げそちらに視線を向けると桃子がとある所を指差している。

そこを見れば、刺身系統が乗っており、今日のオススメと書かれていた。


京太郎「………さんまの刺し!?」

桃子「っす!食べましょう!」

京太郎「頼もう!」


其処に書かれていたメニューを読んで即決した。

さんまの刺し……これまた珍しいものがあったものだと興味津々に見つめる。

さんまは主に焼き魚で食べるのが主流だが、実際は刺身でも食べる事が出来る。

但し、いくつかの難点がある為、中々お店で出している所がない。

自分自身今まで食べた事も無くどんな味か想像すら出来なかった。




注文を一通り終え、会話しながら待っていると最初の品がやってくる。


「刺身と天ぷらになります」

桃子「はいっす」

京太郎「どうも」


最初に来たのは、釜飯定食についてきた刺身と天ぷらだ。

釜飯は時間がかかるということで最初に持って来てもらったのだ。


桃子「最初は………」

京太郎「刺身だな」


桃子の言葉を引き取り刺身へと手を伸ばす。

刺身は、まぐろ、カツオ、いか、えびと4種類の物で構成されている。

最初に手を伸ばしたのは、まぐろだ。


京太郎(癖のあるカツオもいいが、ここは疲れている体を癒す為にあっさりとした物を……)


軽く醤油をつけ、風味付け程度にわざびを付け口に入れる。


京太郎(こ、これは……あっさり系の赤身の筈なのに味が濃い!!)


癖のない、赤身だが味が圧倒的に濃いのだ。

スーパー等で売られている物とはまったくもって違った。


桃子「いいっすね、美味いっす」

京太郎「最初でこれか……」


桃子と顔を見合わせ笑うと次へと箸を伸ばしていく。

癖のあるカツオに甘い甘い海老、最後に間々にさっぱりとしたイカ……どれも美味かった。


刺身を終えると次は天ぷらだ。

天ぷらは、海老2本、ピーマン、ナス、カボチャと言ったメジャーな物で構成されている。

意外だったのは魚介が多いお店なのにキス等の魚介系が乗っていないことだ。


京太郎「ピーマンの苦味がいいな」

桃子「カボチャも甘くて美味しいっす」


お互いに思い思いの物を口にしていく。

ほんのりとした苦味のあるピーマンに意外にあっさりで食べやすいナス、甘~いカボチャを食べ終え

最後にメインの海老を口にする。


京太郎「うぉ……ぷりっぷりだ」

桃子「っ~~~~♪♪衣が邪魔をしてなくて海老の風味が崩れてないっす」

京太郎「あぁ……いいね、正にメインを張るに相応しいな」

桃子「は~~……やっぱりいいっすね」

京太郎「美味しい」

桃子「これは他に魚介系を乗せてなくて正解っすね」

京太郎「あぁ……あえて野菜系を多めにし海老だけにしたのはこの為か」

桃子「他の魚類があったらこの味が-残らない-っす」

京太郎「繊細な海老の味がしっかりと口に残って満足感が半端ない」

桃子「考えているっすね」

京太郎「しっかりと考えられている」

秋刀魚の刺身、美味しいよね


「さんまの刺しに焼肉サラダになります」

桃子「………」

京太郎「………ども」


次の料理が運ばれて来ると二人は沈黙した。

楽しみにしていた『さんまの刺し』はまだいい。

問題なのは『焼肉サラダ』のほうだ。

メニューで唯一肉料理があったので頼んでみたが予想以上に………。


桃子「お、大きいっすね」

京太郎「でけー………」


キャベツを一玉丸々使っての山盛りの上に肉が乗っかっており、タレとマヨネーズが合わさっている。

予想以上に大きかった料理に少々口元が引きつった。


桃子「気を取り直してさんま頂くっす」

京太郎「そ、そうだな。足が速いしな」


気を取り直し、2人はさんまのほうへと向き直る。

さんまは一皿に円を描くように丁寧に彩られており、真ん中に山椒やネギといった物が盛られている。

初めて食べるという事もあり、最初は何も付けずシンプルに醤油のみで食して見た。


京太郎(あー……癖が強いな)


最初に口に入れて思ったのがそれだ。

カツオやサーモンなどと同じような生臭いような癖が口の中に広がった。

まぁ……美味しいかなと思う程度で少々がっかりしているとそれが起きた。


京太郎「うわ~~っ!」

         ,'..:.:::::::::l:::::!!::::ll:ト!:::ト!:::::::l l!∨::::!,ヘ:ト-- 、!:::/!::::::::::::::::ヘ
       j:.:.:::::::::::!';:::!ヘ::lヤヽ::lヘ::::::! l! ∨::!-ヘ!  j::;!l`!:::/::::::::::::ハ
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    .l:!:::::::l !::::::::::l::::l!:::::::::::j ヽ>  ..__.. <ノ.∨!:::::!:::/::::::j::::::::;':!l:::://
      !∨::::! ∨::::::::!:::ヽ:::; イ!: : : ヽ、__  _,..イ: : ヘヽ:::::/:::::::::!::::::;'/ l:://
     ! ∨::! ∨::::::!::::;.イ.:.:.|: : : : : : ハVハ: : : : : :j.:.:.メ、::::::/:::::/  j/
      ∨! _,∨イ:/.:.:.:.:.:.:!  : : :〈:::::::::::〉: : : : :!.:.:.:.:.:';.:.:`>..、
     -‐'".:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.!   / 〉::::::〈 ヽ  /.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`>-.._

桃子「癖がっ!」


口を押さえ驚きに包まれる。



京太郎「………癖が消えた?」

桃子「あっさりっす、あっさりと消えたっす」


癖が消えたのだ……唐突に。

最初の一口、二口目は確かに強い癖があった。

だが、三口目と四口目には癖が消えさっぱりとした味わいを醸し出す。

これは―――。


京太郎「美味い!」

桃子「いいっすね!カツオとかとは違った味わいっす」


山椒を載せ、ネギを載せ、大根おろしを載せ、味わっていく。

癖が強いのに嫌な後味が残らず、しつこくない。


京太郎「なるほど……これは辛口のお酒やご飯によくあうだろうな」

桃子「日本酒っすかね」

京太郎「だな……飲めないけど」

桃子「あははは………大人になったらまた来ればいいっすよ」

京太郎「だな」


お酒が飲めないことを少々残念に思いつつ苦笑し箸を進めていった。


京太郎「これはどうなんだろな」

桃子「う~ん……」


次は焼肉サラダを摘んでみる。

肉を除け、下のたれが掛かったキャベツを摘みとりあえず食べてみた。


京太郎(ん~~たれが美味いな、辛口でなく甘口で味がしっかりとしていてマヨネーズも合ってる)

桃子「食べやすくて……これは」

京太郎「美味しいな」

桃子「この味ならこの量でも食べれるっすね!」

京太郎「むしろこの味を残すなんて出来ねーな」


桃子の言葉に同意し箸を進める。

今度は、上の肉に齧り付いてみた。


桃子「ふぁ~~このお肉肉厚が」

京太郎「豚バラの薄い奴かと思ったけど厚いな!」


肉はしっかりと味付けされており、歯ごたえもある。

薄い肉だと思っていたが肉厚で満足できる出来だ。

大量にあった野菜もたれのお蔭で苦にならず、どんどんと口に入っていく。


京太郎「ご馳走様でした」

桃子「よかったっすね」

京太郎「あぁ……美味かった」


「釜飯と豚の角煮になります」

桃子「きたっすね」

京太郎「あぁ……きたな」


最後の料理が運ばれてきた。

2人の前に置かれたのは小さな釜に入ったご飯にお味噌汁、おしんこにポテトサラダ。

最後に頼んだ豚の角煮だ。


京太郎「結構でかいなっと」

桃子「ありがとうっす」


桃子の分をよそい、自分の分も盛ると手を合わせて口に含む。

蕗の歯ごたえに味わい深くコゲの付いたご飯、海老もぷりぷりでご飯が進む。

筍と薄っすらと椎茸の味も染み出ている。


京太郎「うめー!」

桃子「お味噌汁もアサリの味が出てていいっすね」

京太郎「おぉ!ポテトサラダと思ってたけどカボチャにカレー風味でいいな」

桃子「おしんこも間々に挟んで口をリセットできるっすね」

京太郎「なるほど、これは定食でなきゃ味わえないな」

桃子「これで1つが完成されているっすね」


釜飯ひとつでは味わえないものがそこにあった。


釜飯に満足すると最後に豚の角煮を頂く。

器に2切れ入っていたのでお互いに分け合って食べる。


京太郎(柔らかいな……箸で切れる)

桃子「っ~~~~~♪♪♪」

京太郎「はぁ……」


口に含み、ため息が零れた。

これは……何も言う事がない。

ただただシンプルに美味い……それだけだった。


京太郎「全てが完璧」

桃子「言葉に出来ないっすね、ただただ美味過ぎるっす」





京太郎「良かったな……」

桃子「いいっすね」


2人は旅館で借りた浴衣を揺らし、カランコロンと景気よくなる下駄で帰り道へと着く。

旅館に戻ると二人はお風呂へと入り、ゆっくりと寛ぐ。

途中で上がる時にカコーンと桶を鳴らしてみると桃子も返してくれた。

こういうのも悪くない。


桃子「牛乳っすね」

京太郎「牛乳だな」


合流すると牛乳を買って休憩所のソファーで休む。

軽く当たる風が体に心地よく、テレビから流れる音が耳に聴こえいい。

暫しの間、2人はソファーで並んでゆったりと楽しんだ。

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_ イ -─==ニニト:::::::>‐≦ {::i:/::::::::{   `ー、ヽ

  /   // /⌒ヽ ○′  从!ヽ{ ̄ ̄ヽ⊂ニ、
. /   / ′/    ` 。 -─/  /    ハ r=}
/    i   i    /   /  /     /  i |i
.   从    ',  / -‐  ´  /    !:/   i| !ヽ
ー─  ヽ   }/   -‐  ´    ,′  j|/
  / }  /  /、           イ    /
./   | /  /ヽ  ゙   _ 彡'   //
.     | /  /、  \    /   ’,   { {
    /__ヽ_ヽ >-ミ   {     i    ヾ
    「ヾニニニニニニヽ  ヽ     、
   /  /` ー=ニニニニ二〈     ー=ニニニ
.  /  /           ∧
 /  /             ',

ついでに卓球台もあったのでやってみる、モモのおもちがスバラでした!


京太郎「えっと……」

                      -‐…‐-
                  ...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
           /..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./へ.
          〃..;..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,
           /. : ′::;.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:/\.:.:.:.:.:.;::丶.:.:′
         八/.:.:.:..:l/.:.:.:.|.:.:.:.:.:.′ 丶.:.:.i.:.:.:.:.刈
           { i.:.:.:.:.:.′: :八::{.:.:.i    j.:.:.:.}.:.:./::ⅰ
            i|.:.:.:.人}-‐=   \{ ‐- {八/} .:.:.:.:.::;
           ::.:.:/ l 禾うミ    仍えミ小. :.:.:.:.:.i|
            |i..:.:.:.| 弋::::ノ    弋::::ノi |: :.:.:.:.:.八
            |i.:.:.:.:.{ililili    ,       l! |: /. ::.:.:.:. ヽ
            |i..:.:.:.:.lili          l! i/{.:.:.:.:.:.:.:.;
            リ.:.:.:.:.仆  (⌒  ⌒)   ル′;.:.:.:.:.:.:.il
          .:.:.:.:.:.ⅱ个:..` ~ ´ .イi}㌢ⅱi|.:.:.:..i:i|
           i}l.:.i::j::ⅱii以」「≧¨´  { L_,_八j..::i:.::|:i|
            八j乂 八-‐// 、   ,. |  |  ̄ミ厶イリ
           /      i i|  ゛  ′|  |    ヽト、
         ハ     | i|      .′ハ      〉.
            ;  ,     .| i|    ./ /  ,     /.ⅰ
         i   ′ / | i|   、 / /   ′ /    |
           li   `y′ .| `、 ∨ /      ∨     |
           |   ,    ヽ、 y′ ′      ;   !
           |  ′       ∨ /          i
           |  {i      / /        i}   |
           | 人     / /          八  │
           |i  ≧=‐- ./ /      -‐=≦_.∧   |
           |    ̄下__j_」____          ̄/     |
           |     |{三二二ニニニニニ==‐{_/   |
           |       {三三三三三三三三/{      |
           |      ≧==‐‐-----‐‐==≦      |

桃子「………」

気分よかったのは、部屋に戻るまでだった。

旅に誘ってくれた桃子にお礼を言いつつ戻って来て襖を開け、二人で固まった。

視線の先には既に布団が用意されているのだが………。



京太郎「べ、べただな」

桃子「べたべたっすね」


布団は一式しか用意されていなかった。

なんともべたな展開に苦笑すら沸き起こる。


京太郎「布団貰ってくるよ」

桃子「………」


流石に寝るわけにも行かず、歩きだそうとして足が止まる。

否、止められた。

何事かと思い後ろを振り向けば桃子が服を掴んでいる。


京太郎「モモ?」

桃子「――っす」

京太郎「うん?」

桃子「い、一緒に寝ましょう……っす」


震える声で目に涙を溜めつつ桃子がそんな事を言ってくる。

これは―――どう言った事だろうか


続く

前のお弁当編の続き
ちなみに旅館の女将さんと桃子の母親が友達で泊まれてるって言う設定

>>337
初めて食べたけど美味かったです
アレは良い物だ
お酒飲めない体質なので勿体無い限りですが

乙です
いつの間にか?京太郎が張り合わなくなってるな

ついに次回はモモを食べちゃうって事かー(ゴクリ)

わさびを多めに醤油に溶かしてから秋刀魚につけて食った後に日本酒をクイッと飲むと美味いんだよなぁ…

乙っす
前スレから続くモモとの食べ歩きシリーズいいゾ~これ

このあと滅茶苦茶(以下略)

乙です
この二人大好き
飯テロと2828のダブルコンボ

刺身を食べるときのマナーとして白身のあっさりを楽しんだあと赤身のこってりを食べた方が味わえるというものがあるらしいよ
先にこってりしたものを食べるとあとのあっさりとしたものの風味が損なわれるという理屈らしい

パンツ脱いで舞ってる

温泉街 濡れた髪、上気した肌 肩寄せ合う二人 絵になるなぁ。
あと秋刀魚は鮮度が良ければスーパーのやつでも行ける。

魚介類食えないんだよなあ体質的に……そんな美味いの?

<ポンコツ清澄とオカンな京太郎>


ゆみ「久達ってポンコツだな」

透華「そうですわね……よく部活として成り立ちましたわね」

美穂子「えっと……その、何も言えないです」

「「「「………」」」」」


3人の言葉に咲達は何も言えない。

露骨に視線を逸らし、あらぬ方向を向き始める。


久「そ、そんなことないんじゃない?そ、掃除とかできるし」

ゆみ「した後は?」

久「はい、余計に散らかって須賀君に片付けて貰ってます」

透華「だと思いましたわ」

久「最近だと部屋の掃除も……」

美穂子「そこまで!?」


まこ「いやいや、こう見えて実家の家で仕事の手伝いをしてるしのぉ」

透華「それで?」

まこ「……た、たまに転んで客にぶちまける」

美穂子「そうよね」

まこ「……見かねた京太郎が最近手伝ってくれる」

ゆみ「そこまでか」


優希「最近……自分でタコス作るように」

美穂子「味は……?」

優希「食えたものじゃなくて泣く」

ゆみ「だろうな」

優希「最近アイツの腕前上がってきてるじぇ」

透華「餌付けされてませんこと?」


和「いえいえ、部活の雑用もしっかりとやってますし」

ゆみ「やってるだけだな」

和「……そのとおりです」

透華「意外…でもありませんわね、現状を見ていると」

和「うぅ……何故か自動麻雀卓を掃除すると決まってエラーが」

美穂子「私と同じですね」

久(美穂子もこっち側だと思うのだけど)


咲「わ、私はお遣いぐらい……『ダウト!!!』なんで!?」

ゆみ「判りきっている」

透華「どうせ迷子になるのでしょう」

美穂子「ごめんなさいね」

咲「ふわっ!?」

久「それで須賀君が探しに行くのよね」

まこ「なー」

優希「ありきたりすぎるじぇ」

和「何も言えませんね」

咲「私だけひどくない!?」


ゆみ「結論を言えば」

透華「須賀君が居なければ終わってますわね」

美穂子「お母さんみたいねー」

久「今度呼んで見ようかしら?」

まこ「やめてやれ」

優希「違和感ないけどなー」

和「ですねー」

咲「京母さん?」



京太郎「………せめて父親がいいな」柱の影から見守り

桃子「そういう問題っすか?」

一「違う気がする」

華菜「もう末期だし、お互いに」


カンッ

>>345
今回はねー

>>346 >>355 >>352
食べちゃうのかー……どうしようかね
舞うの?

>>347
お酒飲めんのよね

>>350 >>353
気に入ってくれてありがとう!

>>354
逆に食べてたなー……赤身ってこってりなのか
あっさりと思っていたわ

>>356
絵になるなー
書きたいー時間ないけど

>>357
なんも言えんな
自分もお酒美味いの?思うし

おつありん!

<大阪⇒東京暮らしの京太郎 健夜編>


(どうしよう、どうしよう、どうしよう)


家の前で煌びやかなドレスで着飾り私こと小鍛治健夜は泣きそうになっている。

いつもはしない化粧までしているので泣けないのだが。


(どうしてこうなったかな)


しょうがなくため息をつき空を見上げる。

空は憎たらしいほどの満天の星空であった。


(断れないし、恩も返せるからいいけどもっと他に……)


ぼけーと空を見上げながらそんな事を考えた。

ことの始まりは、麻雀界から一線を退ける時のことだ。

才能があった為、ただただ麻雀をしてきた。

気付けば、世界2位にまで勝ち上がっていたのには後で驚いたものだ。


(まぁ……気付いてからは虚しくなったけど)


世界2位になり煌びやかだった麻雀の世界が急に色を失った。

頂を見てしまい、本当にやりたいことはこれだったのだろうかと……そう思ってしまったのだ。

悩みに悩み、悩んだ結果一線から退のき後輩や少年少女の育成に力を入れようと思った。

戦うのではなく、見守り育てる、それが自分の選んだ道……悩んだ末のやりたいこと。

けれど然うは問屋が卸さない、麻雀協会と所属していた団体が否と駄目だと言って来たのだ。

よく考えれば当たり前のことだ。

プロの中には60歳を越えても現役の人も居る中で健夜はまだ20代でまだまだこれからだ。

世界2位になった健夜を手放してくれる訳がなかった。

そんな状態にほとほとに困った時にその人と出会った。

『須賀 総一郎』 70歳とは思えぬ、迫力に体格、性格も厳しく世界を駆ける『須賀コーポレーション』の会長様である。


『好きにさせてやれ』

『し、しかし……』

『もう十分貢献しただろう』


それだけで先ほどまでニヤニヤと私の話を聞き流していた麻雀協会の人達は顔を真っ青にさせ頷いた。

あとから知ったのだが、総一郎さんは多額の寄付を麻雀協会にしている為、顔が利くのだと知った。


『あ、ありがとうございます!』

『うむ、若いのだ。好きなように飛びまわれ』


お礼を言って頭を下げるとニカっと笑いポンと頭に手を置かれた。

厳ついながらも温かく大きな手に涙が出そうになった。

厳しい人だと聞いていたが、健夜が最初に抱いた印象は温かい人であった。


(今の私が居られるのもあの人のお蔭なんだなー)


そんな事を思い出しふふふと軽く笑みを浮かべる。


「小鍛治健夜様ですね」

「ひぁ!……は、はい!」


笑っていると声を掛けられた。

慌てて返事をして目を前を向ければいつの間にか長い長いリムジンが鎮座していた。

思い出に浸っていて気付かなかったらしい。

少しばかり頬を赤く染めながらも対応し、車内へと通される。

中には、1人の厳つい老人、須賀総一郎ともう1人……どことなく総一郎に似ている少年が乗っていた。

私はこれからパーティに参加する。

なんでも総一郎さんの知り合いのパーティなのだが、急遽孫の須賀君も参加する事になったのとか。

その須賀君の相手として私が選ばれた。

私でいいのかと慌てたが、総一郎さんは頷き、鬱陶しそうな顔で思い出したかのように言う。


『金持ちには見栄を張らなければいけないこともある……安いプライドを翳さなければいけない、面倒な事だ』

『あははは……』


歯に衣着せぬ言い方に苦笑しか出来ない。

パーティで見栄を張り、実力を見せ付ける。

それにはパートナーがどれだけの人を連れて来たのかを見るのが早いとのこと。

主に芸能人、世界的に有名なスポーツ選手……などなど、顔を利かせ連れてくる人が大半とも言われた。


『元世界2位の君なら十分だ』

『恩を返せるのです、文句もありません!むしろやらせて下さい』

『孫がお前を指定してな』

『お孫さんが……?』


何処となく済まなそうにする総一郎にくすくすと笑い、笑顔で言い切る。

たぶん、自由に飛ばさせた自分が元世界2位と言う肩書きを頼り縛る事を気にしているのだろう。


『頑張ります』

『頼む、ドレス等は此方で用意をする。会場での立ち振舞いも好きにしてくれて良い』

『はい』


そんな約束を取り付けたのが1ヶ月前のお話、そんな事があったので今現在がある。


「初めまして、須賀京太郎です」

「初めまして、小鍛治健夜です」


軽い自己紹介を交わす。

彼の第一印象は、明るい子供っぽい少年だ。

顔立ちや金色に輝く髪の毛が総一郎と似ているがまだ迫力も威厳もなかった。

失礼な言い方だが、どこにでも居る少年といったところか。

そんな事を思っているともう1つ気付いた。

彼の目は輝き、此方を見ている、感動しているようだ……まるで尊敬している人を見るような。



「京太郎は春から麻雀をやり始めてな」

「本当に会えるなんて……っ!」


困惑していた私に総一郎さんが苦笑しながら教えてくれる。

そういうことか……そういうことなのか。

この尊敬の眼差しはそういうことなのだろう。

麻雀の世界に飛び込めば嫌でも知るであろう私の名前(肩書き)。

私はそんな大した人ではないのだ、尊敬される人ではない。

ただ才能があったから、勝てたから何も考えず、やる事が浮かばず、流れるまま取っただけなのだ。

そこに自分の意思などない、だからこそこうやって尊敬されるのが怖く、嫌である。


(この子も……)


高揚していた気持ちが萎んでいく、少しながら初めてのパーティで楽しみにしていたものが沈んだ。

いや、総一郎からこの話を持ってこられた時に気付いていたのだ。

それでも心のどこかで彼(総一郎)の孫だから、自分を自由にしてくれた人の孫だから、きっとどこか違うだろうと期待していた。

だが現実はこれだ彼の孫が私を選んだ理由を知り悲しくなった。

顔を下に向け唇をぎゅっと噛む、こういうのは慣れっこだ。

ここは大人らしく―――。


「ちなみにこやつお前の事を『元世界2位』だったなんてさっきまで知らなかった」

「え……?」


照れくさそうに頭に手を当てる彼に呆れたかのように総一郎さんがため息をついた。

そんな2人を見て疑問が浮かぶ、話を聞けば彼は私の肩書きを知らなかったらしい。


「子供麻雀クラブで教えている小鍛治さんを見て『あぁ……この人と話をしてみたい、麻雀を一緒にやってみたい』と思ったんです」

「へ?」

「子供に一生懸命教え、楽しそうに麻雀をする小鍛治さんを見て今回駄目元でじっちゃんに……」

「好きに選べと言ったが……本当に好きにしよって」

「あははは……本当はそのままクラブに入って教わりたかったけど子供専用だったし」

「っ―――!!」


照れくさそうに話す京太郎を見て、想いを聞いて自分でも判るぐらいに顔をぼんと真っ赤に染め上げる。

萎んでいた心が膨らみ、温かさで溢れていく。


「今回は健夜に肩書きが合ったから良かった物を……見栄が必要といったであろう」

「知らないし、好きにやれって言ったのはじっちゃんだぜ」

「然り」

「あの……あのっ」


楽しそうに笑い言葉を重ねる2人に声を掛けようと思うも声が出ない。

そんな私に気付いたのだろう、総一郎さんは優しく微笑むと頭を下げる。


「こういう奴なのだ……よろしく頼む」

「はいっ!!」


ようやく出せた言葉がこれだけだった。

自分の好きでやっている事を認められとは嬉しいことなのだと初めて知った。


「なんか釈然としない言い方なんだけど」

「ふふふ……そんなことないよ。改めてよろしくね?京太郎君」

「っ……」


頬を膨らませようにし拗ねる京太郎君に笑いかけ改めて手を差し出すと彼は顔を真っ赤にさせ固まってしまった。

何か間違った行動でもしてしまっただろうか。


「こやつは……」

「はっ!!……よろしくお願いします!!」


隣の総一郎に小突かれようやく復帰すると手を握り返してくれた。

その手は少し厳つく温かく大きな手であった。


大阪⇒東京暮らしの京太郎 健夜編 カンッ!

結構みんな見てるんだねー
3話で 某4男が喋りまくってて嬉しかったわ
『一松です!!#』は笑ったわ

カピパラって温水プール必要やし このぐらい金持ちの家でええよね?
京太郎⇒尊敬できるお姉さん!
健夜⇒……まだ大丈夫、年齢的にセーフのはず

それじゃのー 明日も東京暮らし予定 そろそろ白糸台も出さないとね

咲ちゃん誕生日だったかー……そうか、そうか



『お誕生日、おめでとう!!』

「………」


いつもどおりに部活に出る為に部室の扉を開けるとパンッっと軽い音が鳴り、私の上に紙ふぶきが舞った。

何が起きたのか訳が判らず、暫くの間目をパチクリとさせ状況を理解していく。


「あっ……そっか、今日お誕生日だった」

「気付いてなかったのか」

「咲らしいけどね」

「ですね」

「そうじゃの」

「何気にひどい!?」


暫く考え、思い当たった事を口にすると口々に言われた。

そうだ、今日は私の誕生日だった。


「ほらほら、突っ立ってないでこっち着なさい」

「ケーキ買って来たんだじぇ!」

「わわわ……」


優希ちゃんに押され席に着くと其処にはケーキが置いてあった。

なんだろうか、胸が熱くなり涙が溢れそうになる。


「ぐすっ……」

「はいはい、泣かないの」


我慢も出来ずに涙が溢れると部長がポンポンと優しく手を置かれた。

今まで祝われたのは京ちゃんと家族ぐらいでこういったことは皆無だった。

嬉しいのに涙が溢れ、止まらなかった。


「そういえば……京ちゃんは?」


泣き終わり、皆で楽しくケーキを食べていると1人居ない事に気付いた。

いつもなら頭をぐりぐりと撫で回されからかわれるのだが、その人が居ない。


「あ~……須賀君はね」


キョロキョロと辺りを見渡しているとそんな事を言われた。

そんなに判りやすかっただろうか。


「友達と帰ったじぇ」

「白状ですね」

「あはは……」

「そうなんだ」


どうやら探し人の京ちゃんは友達と帰ってしまったらしい。

相変わらずのようだ。


「幼馴染ですし、覚えていても……」

「まぁ……いいと思うな」

「え?」


自分の事でないのに怒ってくれる和ちゃんに感謝しつつもそんな感想抱いた。

いつもいつも京ちゃんだけは祝ってくれてたのだ、今回ぐらいなくたっていいと思う。

そのことを告げると若干不満そうだが、和ちゃんは渋々と引き下がってくれた。

それに京ちゃんはきっと―――。


「そんな事より……じゃーん!誕生日と言ったらこれよね!」

「プレゼントだじぇ!」

「あわわわわ………」

「おんしら……わざと箱大きくしたじゃろ」

「「てへ☆」」


持って帰れるのだろうか……。




――――――

――――

――



「うぅ……前が見えない」

「だと思ったよ」


大きな箱を持ちながら帰路に着こうとすると箱がひょいと持ち上げられた。

持ち上げた人を見ればやっぱり居た。


「ありがと、京ちゃん」

「おぅ、楽しかったか」

「うん!京ちゃんのお蔭で!」

「そっか」


感謝の気持ちを伝えると何事もなかったかのように素っ気無く頷いた。

その素っ気無さは照れ隠しと判っているので微笑ましくて少し笑ってしまう。


「遠慮したんだよね」

「わかったか」

「そりゃ……判るよ」

「そっか」


中学の時は親しい人が京ちゃん意外にいなかった。

だから祝ってくれる友達も居なかった。

だけど今回は、部長が居て染谷先輩が居て優希ちゃんや和ちゃんが居る。


「流石になー……たまには女性だけってのもいいだろ」

「うん」


相変わらず良く見ているなと思う。

京ちゃんのお蔭で本当に楽しい日になった。


「ここでいいか?」

「置いてもらえば後は自分で運ぶよ」

「ふぅ……部長も優希の奴も何考えているんだか」

「あっ、ご飯食べてく?」

「いや、照さんとか帰ってくるだろ?」

「そこまで判るの!?」

「親父さんに聞いた」

「あぁ……なるほど」


家について聞いてみるとそんな事が返ってきた。


「ほい、これ」

「プレゼント?開けて良い?」

「いいぜ」


玄関で立っていると帰る間際に渡された。

小さなリボンのついた小さな長方形の箱に入っているプレゼントを開けていくとそこには――。


「眼鏡?」

「お前最近目悪くなったろ」

「うっ……」

「よく授業中とか麻雀してる時に目を細めてるし」

「うぅ……」

「本読むの好きなのは判るけど休憩ぐらい挟め」

「ぅうぅ……善処します」


容赦ない言葉に反論できず、しょんぼりと項垂れる。

心配して言ってくれてるだけあって余計に落ちこんでしまった。


「んっ……似合うな、流石俺のセンス」

「なにそれ」


しょぼくれていると京ちゃんはプレゼントの眼鏡を私に掛けてくれた。

少々ぼけていた視界がクリアになり京ちゃんの顔がよく見える。


「可愛い?」

「可愛いな」

「そっか、えへへ」

「………」


素直に感想を聞いてみると京ちゃんは照れながらも答えてくれる。

いつもなら適当に流すのに今日はやはり特別のようだ。


「面倒だから行かなかったけど」

「あと怖くてだろ」

「うー……そうだけど、眼鏡いいね。京ちゃんの顔がよく見えるよ」

「………おぅ」

「照れてる?」

「照れてない」


先ほどのお返しとばかりに近寄ってみると京ちゃんは顔を赤くし視線を逸らす。


「ありがとう、京ちゃん」

「どういたしまして」


今年の誕生日は今まで一番嬉しく幸せな思い出となった。


咲のお誕生日 カンッ



-オマケ-

咲「そういえばなんで度が合ってるの?」

京太郎「親父さんと協力した」

咲「そういえば眼科行かされたけど京ちゃんのせいだったんだ」

京太郎「せいとはなんだ、せいとは俺はしん……」

咲「心配してくれたんだよね?」

京太郎「……おぅ、転ばないようにな」

咲「大丈夫だよ、京ちゃんが手握ってくれるから」

京太郎「離すかもしれないだろ」

咲「離さないよ、京ちゃんは」

京太郎「そっか」

咲「そうだよ」





照「顔が暑い……体は寒い」

父親「そこだ!押し倒せ!」

母親「どうしましょう……何処か食べに行く?」


玄関外で3人が空気を読んでいたとか。

カンッ

咲ちゃん誕生日おめでとー
咲は由暉子がつけてた眼鏡とか合いそう
誕生日ラッシュやな~

それじゃのー明日こそ東京暮らしを……


<大阪⇒東京暮らしの京太郎 菫編>

「それじゃ、これ私の連絡先」

「うぉぉぉ……いいんですか!?」

「うん、いいよ。それと……今度家に行ってもいいかな?」

「へ?」

「えっとえっと!!ま、麻雀を教えてあげようかなって!!」

「ぜひ!!」


なんだ……このむず痒くなる恋愛ドラマは一体。

いつもどおりのつまらないパーティ会場でまさか小鍛治プロと会えて喜んでいたのだが、なんなのだろうか。

というかこれがスキャンダルと言うものか。


「それじゃ……またね」

「はえ……?」


そう言って少年の頬に口付けを行い、小鍛治プロは去っていく。

……辺りを見渡すも私しか見てなかったようだ。

知りたくも無い事を知ってしまったな。


「えへへ……」

「もうちょっと周りを見た方がいいな」

「うぉっと!?」


話しかけるとこれまた芸人が取るようなリアクションをしてくれる。

愉快な奴だ。


「くっくっく……本当に飛び跳ねる奴が居るとは」

「び、びっくりしたもので」

「まぁ……わざとだがな!」

「わざとかよ!」


胸を張って答えるとツッコミを入れてくる。

会場に居る奴等と違って澄ましてなくノリに乗ってくれるのはありがたい。


「……それで何か御用で?」

「いやなに、休憩をしに外へ出てみたら小鍛治プロが居たからな挨拶をと思ったのだが……」

「あー………」


私の言葉に納得し少年はどうしようかと悩みだす。

あれを見られたと言う事を徐々に理解したのだろう。


「忘れてくれません?」

「条件付ならな」

「条件?」

「小鍛治プロが家に来るときに私も呼んでくれ」

「えっと………?」


私の条件に呆け、不思議そうな表情をする。

いちいち反応して面白いなこいつ。

でもまぁ、そういう表情をするのも頷ける話でもある。

初対面の女性が家に呼べと言っているのだ、不思議を通りすぎて怖いぐらいだ。


「なに、私も麻雀を嗜むのでな……プロの指導を受けれるなんて早々にない」

「なるほど」

「目の前にチャンスがあるのに掴まないのは愚かしいだろう」

「納得できました……それで弘瀬さんは東京暮らしで?」


意外にも私の名前を覚えていたらしい。

確かに最初に挨拶をしたが、何十人もの人に挨拶をされていたので覚えてないだろうと思っていた。


「東京暮らしだ、それにしても私の名前覚えていたのか」

「なら大丈夫ですね。あと一際目立ちますし、弘瀬さん」

「そうか?」


自分では判らず右へ左へとドレススカートを揺らし自分を鑑みてみる。

特にいつもと変わりなく、行動を控えめにしていたつもりなのだが……はて。


「正直言ってモデルさんみたいで喋ってなくても絵になります」

「そういうものか」

「自覚なしですか」

「自分の容姿などにはあまり興味が無い」

「もったいない」

「私の心は麻雀一色だからな」


腰に手を当て胸を張って答えると笑われた。


「会場に戻らなくて大丈夫なんですか?」

「君こそ」

「………しんどいので」

「私もだ」


ここで話すのもと思い、テラスへと移動するとそのまま話し込むことにした。

会場に戻ろうかと思ったが、下心丸出しの相手をするよりは、此方の少年と反していた方が楽なのもあった。


「君はがっつかないな……いや、下心がないのか」

「下心?」

「私は弘瀬財閥の長女だ。近づけばこれほど美味い話もないだろう」

「はぁ……」

「鈍い反応だ」

「興味ないんで」

「興味……ないか」


興味がないと言われて不愉快な気持ちにはならない。

むしろ羨ましいぐらいだ。

たぶん、彼は自由なのだろう………そして満たされている。

家柄も良し、自由もあり、人に愛され、友人に恵まれ、環境に満足している。

だからこそ、求めないのだろう。


「羨ましい限りだ」

「羨ましい?」


思わずポツリと呟いてしまった。


「そうだ、私はやりたい事がある」

「やりたいこと……」


テラスの中央で大きく手を開き全てを投げ出すかのように夜空を見上げる。

少々、役が入っているが今は酔いたい気分だからちょうどいい。


「私には夢がある、プロ雀士になるという夢が」

「………」

「だけど私は弘瀬家の長女だ。跡継ぎだ」

「………」

「自由は無く夢を持つことも許されない身、だから君が羨ましい」


本音を言って振り返ると少年は困ったような表情をしている。

当たり前か……出会ったばかりの相手にこんな事を言われたのだ。


「すまない」

「いえ……構いませんよ。それと俺は弘瀬さんが羨ましいですけどね」

「なに?」


先ほどの困惑の表情は消え、そこには先ほどの私と同じような表情をした少年がいる。

少しの間、見つめ合い、相手の言葉の続きを待つ。


「俺は須賀家を継ぎません、従兄弟の兄さんが継ぐことになってます」

「………そうだな」


先ほど私が君には自由があると思ったのはそれだ。

須賀コーポレーションには既に跡継ぎが居る。

だから彼は縛られないし家は縛らない。

弘世


「それに不満があるわけでもないですよ?実際に継ぐかと言われた時に断ったのは自分ですし」

「………」


彼はテラスの柵に手をつき空を見上げる。

私に背を向ける形となり表情は見えない。


「俺にはやりたいことがない、夢がない」

「―――」

「麻雀は好きですけど………仕事にするのかと言われたら悩みます」

「そうか」

「将来があやふやでやりたことがなくただただ流されているだけ……だから頑張って会社を継ごうとしていた兄さんに譲った」

「……そうか」

「だから夢を持ち前を向いて歩いている弘瀬さんが羨ましいです」

「………」

「………」


暫しの間沈黙が場を支配する。

それとなく彼の隣に並ぶと同じように空を見上げてみる。

会場の光のせいであまり見えないが、数々の星々が空を飾っていた。


「ある意味正反対だな」

「そうですね……それで居てどこか似ている」


軽く自嘲の笑い浮かべお互いに笑いあった。

なんだろうか、心が落ち着いた。

白糸台の部長となり心労が増え、照や淡の自由さに苦労が増えた。

そして今回のパーティで正直疲れきっていた。

それがどうだ、こうやって自分の本音を暴露し言い合える相手をが居るだけで心休まった。


「なぁ……もし、だ」

「?」

「もしも……お前にやりたい事がないというなら」


顔を下に向け、言葉に詰まりながらも口にしようと―――。


ポーン ポーン ポーン


古ぼけた音が聞こえ、時計が告げる。

ふと視線を会場に戻せば既に大多数の人が帰路へと着いていた。

どうやら話しこんでいたらしい。

気付けば0時になっておりパーティも終わっていた。


「あー……帰らないと」

「そう……だな」

「それじゃ、これで……楽しかったです、弘世さん」

「……菫だ」

「え?」

「菫と呼べ、京太郎」

「―――判りました。菫さん」

「またな」

「えぇ、また」


軽く手を振り、彼は従兄弟と祖父である総一郎の下へと戻っていった。

戻っていった彼の頭を従兄弟がぐりぐりと撫で回している。

本当に愛されているようだ。


(それにしても……私はっ!!!)


先ほどの口にしようとした事を思い出し、顔を真っ赤にさせる。

まだ会って数時間の相手だ、ほとんど何も判っていない状況であんな事を口にしようとするなんて。


「菫~~!!!」

「わぷっ、はぁ……まだ人が居ますよ。お父様」

「冷たいなー……俺はずっと触れ合いたいのを我慢してたのに」

「……この人は」


そんな事を思っていると父親が駆け出して来た。

私はぎゅーっと抱きしめてくる父親に呆れながらも対応をしていく。

この親ばかはどうにかならないものか……。


「そういえば、菫は重荷になっていないかい?」

「なにが………」

「家の事だよ。無理しなくてもいいんだよ?」

「………自分で決めたことなので」

「投げ捨ててもいいのに……」

「愛してくれている人達を見捨てるなんて出来ません」

「すぅ~みぃ~れぇ~……」


そうだ、私は自分で自分を縛っている。

周りの人は夢を追いかけろというが、それが出来ない。

私が唯一の弘世家の子供なのだ……甘えることは出来ない。

跡継ぎが居なくなった家がどうなるかぐらい判ってるし、そう易々と他人にも渡したくない。

父と母……それに祖先の人達が頑張った結晶なのだ。


「ならさ、京太郎君貰ってこよう!」

「はぁ……?」


そんな事を思い、ぎゅっと唇を噛んで耐えていると父がそんな提案をしてきた。

思わず、呆けてしまった私は間違いでない筈だ。


「仲良さそうだったし、挨拶したけど人柄もいいね、彼」

「えっと……」

「総一郎さんとは親友だし、彼が継いでくれれば菫は夢を追える、名案だ!」

「………」


暫しの間、頭の中で父の言葉を整理し考える。

父の言葉は先ほど自分が考えていたものと同じもので……。


「いいかも知れませんね」

「そうだろ!そうだろ!」


早速準備を……と駆け出す父親を微笑ましく見送り、もう一度空を見上げた。

今度は会場の光が少なくなったせいか先ほどより星が多く見える。


『もしも……お前にやりたい事がないというなら私の所に来ないか』


先ほど言いかけた言葉を思い出し、軽く微笑んだ。

あぁ……次会うときが楽しみだ。


大阪⇒東京暮らしの京太郎 菫編 カンッ

>>339
ありがとう、何故に間違えたし
弘瀬⇒弘世やね

そして優しい世界……子供を縛ろうとする親は居ません
バッドエンドないしなーこれ
そして……これスレ立ててやってもよかったんじゃと思い始めた
手遅れだからしゃーないけどねー

それじゃのー

憧「はぁ………」


私こと新子憧には悩みがある。

それは幼馴染達のことだ。

一番年上の宥姉は寒がりで夏でもマフラー……冬になるとガンガンにストーブを付けるのでこっちは汗だくだ。

穏乃は、元気過ぎて困る、山登りに着き合わされ筋トレに着き合わされ、お蔭で足がむちむちに……。

そして…唯一の男性であり、幼馴染の京太郎は――。


京太郎「憧!!胸揉ませてくれ」

憧「はぁ?」


目の前で現在土下座している。

しかも理由が理由なだけに警察に連絡しようかと思ったほどだ。


憧「いきなり何よ」

京太郎「こう……リビドーが湧き上がりムクムクと ごはっ」


思わず顔を蹴ってしまったのもしょうがないと思う、うん。

目がー目がーと転げ回る京太郎-変態-を見つつため息をつく。

本当に私の幼馴染たちには―――。


玄「憧ちゃん!!」

憧「丁度よかった、玄……京太郎を『胸もませてください』……お前もか!!」

玄「なんでー!?」


笑顔で駆け寄ってきた玄も同時に蹴り込んだ私は悪くない、悪くない。


玄「ごべんなさい」

京太郎「す゛み゛ませんでしたー!」

憧「どいつもこいつも……」

穏乃「憧ー!見て見てでっかい虫ー!!」

憧「くるなぁぁーーー!!」


本当に私の幼馴染達にはまともな人がいない。

<やっぱり私の幼馴染達はまちがっている カンッ>

小ネタ消化
憧におもちを揉ませてくれと土下座して頼んだら蹴られた
それと同時に玄も憧に同じ理由で土下座した

オマケ

灼「私も?」

憧「自分の写真を切ってハルエの隣に張る人が何を言うか」

晴枝「私はまと……「本の読み方おかしいでしょ!」……レ、レジェンド読みだし」

京太郎(憧も大概おかしいけどなー)

玄(吉川さんと相合傘を夢見たり引っ張ったり)

宥「私達似たもの同士だよねー」

穏乃「何の話???」

カンッ!

>>402 自分に返信しとるぅ……>>399 や
それじゃのー

吉川さんて誰や

ここの菫さんのおもちの大きさが気になるな

おつありん

踏まれたい 罵られたい 蹴られたい 皆あれやね、うん

パンツないやろなー……(全国編の穏乃見ながら)

>>419
咲日和で 灼が来る前の部員探しの時に誘った人
有姉の友達なんだけど憧と穏乃のむちゃくちゃな勧誘に引いて断った
そして憧は夢で相合傘をする夢を見たという……顔知らないのに

>>420-421
心の目で見るんや


さて――今回の小ネタはミステリー物 勿論自分にトリックを書けるはずもありません

と言うことで元ネタがあります(元ネタ:名探偵夢見清志郎ノート 消える総生島)より

これから見る予定の人や将来読む人は見ないことをオススメ致します

大丈夫だという方だけ↓へどうぞ


揺杏「いや~久々だね、映画なんて」

誓子「子供の時以来かな?」

爽「ねむぅ……」

京太郎「人におんぶされておいて何を言うか」

由暉子「ミステリーが私を呼んでいます」

成香「気合はいってますね」


今日は、有珠山メンバー全員で映画を見に来ていた。

なんでも揺杏が映画チケットをタダで貰い、一人では寂しいからということらしい。


爽「ぐ~……」

京太郎「まじで寝やがった」

揺杏「まぁ……爽はしょうがない」

誓子「映画の内容が内容だものね」

成香「???」

由暉子「ミステリー物お嫌いでしたか?」


熟睡を始めた爽に呆れていると揺杏と誓子がやれやれと呆れた様子で頷いた。

それに対して成香と由暉子は不思議そうにしている。


京太郎「そっか、アレを知らないのか」

成香「あ……れですか?」

揺杏「まぁ……事件なんて普通遭遇しないしな」

誓子「ねー」

由暉子「???」

京太郎「映画終った後に内容を爽に話せば判るよ」


楽しみは後で取っておいた方がいいだろうと思い、少しはぐらかす。

それに対して2人はクエスチョンマークを頭の上に浮かばせているような表情をしている。


爽「………すー」

京太郎「よいしょっと」

揺杏「いい席じゃね?」

成香「見やすいですね」

由暉子「それにしても人多いですね」

誓子「今日から公開だし、ミステリー物だからね」


爽を隣の席に座らせ(眠らせ?)自分も横の席に着く。

パンフレットに書かれていた触りの内容を読んでいるとそんな会話が聞こえてくる。

誓子の言葉には同意だ。

ミステリーに付き物のネタバレが皆怖いのだ。

どんな素晴らしい作品でも今の情報社会どこかしらでネタバレを受けてしまう事はまれにある。

それを防ぐには誰よりも早く見るしかないのだ。


爽「う~ん」

京太郎「おっ……起きたか?」

爽「よいしょっと……おやすみ」

京太郎「おいっ」


爽が起きたかと思うと肘受けを上に挙げ人の膝を枕に寝始める。

本当にこいつは……。


由暉子「あっ……始まりますよ!!」

誓子「むむむっ……回答が始まる前に解かないと」

揺杏「私はのんびり見るわ」

成香「わ、わたしは頑張ります」

京太郎「動けねー!」

爽「ぐー……」



『悪魔だ』  『悪魔がここまで俺を――』

『俺は嫁田友人の田村が手紙を置いて山奥の廃村に身を隠してしまったんだ』

『お願いだ、悪魔の正体を暴き田村を救ってくれ――』

『夢見探偵』


揺杏「おーでたでた」

誓子「あの俳優の人かっこいいね」

成香「ですねー」

由暉子「えっ……夢見探偵のほうがかっこいいかと」

全員『え?』

由暉子「え?」



ゴォゴォと風が吹きすさぶ嵐が去った朝に嫁田一行は田村が立てこもる小屋へと急ぐ。

小屋は段々畑の近くにあり、非常に危険な為か走る足にも力が入る。

暫く息を切らしながら走っていると小屋が見えた。

小屋は幸いにも安全であったが、周りの木々は微塵にも倒れ美しかった風景は跡形も無い。


『田村!!』

『きゃぁ~~~!!』

『そんな……田村が』


中を開け中に入ると荒れ果てた小屋の中で胸に短刀が刺さって亡くなっている田村の姿があった。


『そ、そんな……自殺を』

『いえ、見てください。胸の短刀の刺さっている深さを……自分ではここまで深くさせませんよ』

『なら田村は殺された!?』

『落ち着いてください。ぼくには既に事件の謎が解けています』

『そ、それじゃ!!』

『この事件の真相は―――』


揺杏「どうなるんだ!」

誓子「う~ん……こう?いやいや」

成香「判ります?」

由暉子「むむむ……」

京太郎「ふ~ん……」

爽「うへへ♪」


遂に謎はクライマックスへと向かい、探偵が口を開こうとした時――。


「火事だー!!!」

揺杏「は?」

誓子「ちょ!?」

成香「スクリーン燃えてます!!」

由暉子「え?え?」

京太郎「逃げるぞ」


騒がしくなる場内を爽をおぶり皆の先頭を切って導く。

幸いにして早い対応のお蔭で無事に全員外へと出られた。


揺杏「いいところだったのに」

誓子「むー!むー!」

由暉子「自力で解くしか」

成香「うぅ……」

京太郎「取り合えず……昼にすっか」

爽「ラーメン食べたい」

京太郎「起きたか」

爽「ふぁ~……おはよう」


無事を祝いながらも先ほどの謎が気になり、意気消沈していると爽が起きた。

今の今まで本当に寝ていたらしい、肝が据わっているというか……マイペースというか。


京太郎「ラーメンでいいから謎解いてくれ」

爽「どゆこと?」

揺杏「それしかないかー……」

誓子「映画館が火事で回答編がなかったのよ」

爽「なるっ」


揺杏と誓子の言葉を聞き、納得したのか爽はポンと背中から飛び降りると店へと歩いていく。

暫しの間、歩き空を見上げた後に振り向くとこう言った。


「酢豚奢れよ」


爽「これこれ、ここの美味いんだよね」

京太郎「小遣いが……」

誓子「私達も出すから」

揺杏「くっ……しょうがないか」

成香「何が始まるんですか?」

由暉子「???」

京太郎「そりゃ―――」



爽「謎解きだな」


両手でラーメンを持ち上げ、ずずっと啜ると器を置いた。


爽「どんな内容だったんだ?」

成香「本当に見てなかったんですね」

由暉子「内容は――」


「親友の嫁田が研究内容を横取りしようとしたり。婚約者の人が他の男に会ったり」

「人間不信になった田村は廃村の段々畑の小屋に閉じ篭ります」

「誤解を解こうと思った、探偵含めた3人は小屋へと向かいますが、風が強くなり引き返します」

「それで朝になり、小屋へと向かい話しかけるも返事が無く扉を壊し開けると………」

爽「亡くなっていた訳だ」

由暉子「小屋は電気も水道も通ってなく木箱に屋根をつけたような物で頑丈な作りでした」

由暉子「頑丈だから人が穴を開けて進入するのは無理です……つまり『完全な密室』です」

爽「凝った作りにしたんだなー監督さん」

成香「解けてるんですか?!」

爽「んっ……簡単で助かる」


由暉子の話を聞くと爽は何て事がないように言う。

料理を食べ終わり、ぐでーと机に倒れこむように寝そべると続きを喋りだした。


爽「さて――ワトソン君、君は気付いた事がないかい?」

京太郎「誰がワトソンだ」


ゴロンと頭を此方に向けて視線を送ってくる。

それに対してゆっくりと思考し考える。

いつもなのだ、いつもこういう謎解きの時に俺に振ってくる。

試すように――どこか期待をしているかのように


京太郎「………うん?」

揺杏「何か気付いたのか?」

京太郎「いや……ちょっと引っかかった事が……」


そう言って映画の内容を思い出す。

『そ、そんな……自殺を』

『いえ、見てください。胸の短刀の刺さっている深さを……自分ではここまで深くさせませんよ』

『なら田村は殺された!?』

『落ち着いてください。ぼくには既に事件の謎が解けています』

『そ、それじゃ!!』

『この事件の真相は―――』


京太郎「そうか……もしかして『犯人がいないのか』」

爽「正解」


思いついたことを口にすると爽が微笑えむと空中に指で花丸を描いた。


由暉子「どういうことです?」

京太郎「探偵はこういったろ……」

『この事件の真相は―――』

成香「言いましたね」

京太郎「普通ならこういうだろ『この事件の犯人は――』ってね」

誓子「あっ……」

爽「そそ、田村はノイローゼの状態で小屋に引きこもっていた」

爽「なんでもよかったのだろうけど不安定になる心を近くにあった短刀を持って必死に落ち着かせてたんだな」

爽「ところが嵐がどんどんと強まりそして――」


「嵐が小屋を段々畑の一段下に落としてしまった」

「小屋は丈夫だったから転がった程度では壊れない」

「だけど……中に居た田村は短刀を衝撃で自分に刺してしまい」


由暉子「………」

揺杏「………」

誓子「………」

成香「………」

爽「嵐で周りの風景も変わっていたから誰も気付かなかった。これで不可思議な密室の出来上がり」

爽「この事件に犯人はいない、不幸な事故のお話だ」

爽「さて……帰ろうか」


全てを話終え、爽は立ち上がるとつまらなそうな表情でそう言った。


由暉子「すごかったですね」

揺杏「爽は謎解き強いからな」

誓子「毎回すぐに解いちゃうからミステリー物見ないのよね」

成香「納得です」

京太郎「あれだけ推理できたらな」

爽「………」


帰り道、爽は皆の後ろを見つつ離れて歩く。

なんとなく、あの輪に入るのが戸惑われた。


爽「判ってるよ」


誰に言ったのかただただ呟くと目を瞑った。

目を瞑ると『赤い赤い世界が目に入る』

探偵は誰しもが赤い夢の中で生きている―

爽とて例外ではない

人と交わらず、境を歩き、夢を見る

赤い海から帰って来た時、この世界に気付いた

誰も居ない、自分だけのただただ赤いだけの世界


「はぁ……しょうがないけど…それでも1人は嫌だ、だから――」


目を開けるとその視線を1人の男性へと向けた

1人は寂しいだから早く追いついて欲しい、一緒に居てもらいたい


「ねぇ…追っかけて来てよ、京太郎」


まだ小さな原石だが、必ず赤く輝くと信じている


<名探偵獅子原爽の事件ノート カンッ>

夢見シリーズ 昔から好きでずっと買っています
小ネタ消化
ホームズ爽とワトソン京太郎の事件簿

ホームズが夢見に代わった すまん

それと赤い海に赤い夢 爽っていろいろと使えるよね

それじゃのー

<大阪暮らしの京太郎 ツンツン怜&デレデレ竜華 番外編>

京太郎「それじゃ、一週間ほど実家に戻りますので」

竜華「う~……どうしても行かなアカンの?」

セーラ「つ、ついてこうか?」

浩子「まぁまぁ、ここは落ち着いて」

泉「迷惑になります。ここは寂しいけど我慢しましょ」

京太郎「あははは」


大阪に暮らすにようになってから早一ヶ月ゴールデンウィークと言う事も自家に戻る事にした。

まぁ、部活の合宿があるのだが、レギュラーでもないのでお邪魔するわけにも行かないと言う理由もあるのだが。

そんな事を思っていると服を引っ張られた。

あぁ……いつものかと思いつつも後ろを振り向けば怜さんが立っている。

相変わらず俺の身代わりになっている人形を抱きしめている。

身長差のせいで怜さんが此方を見上げる形となり大変可愛らしかった。


怜「出来たらそのまま帰ってこんでもええよ?」

京太郎「デスヨネー」


にっこりと笑いながらこんなことを言わなければだが……。


竜華「もぉ!怜!」

怜「ぷいっ」


竜華さんが咎めるも怜さんは、頬を膨らませそっぽ向く。

そしてふらふらと何処かへ行ってしまった。


怜「京太郎のアホー」

竜華「怜っ!」

京太郎「まぁまぁ、何時ものことですし」


と思ったらひょっこりと扉から顔を出し、そんな言葉を残し去っていった。

なんともまぁ……子供らしいというか、なんというか。


セーラ「ホンマに怜の事平気なんか?」

京太郎「気にしたことないですねー真正面から言ってくれるので特には」

泉「目の前で悪口言われて平気なんもどうなんやろな」

京太郎「ほら、怜さん美人ですし……むしろ可愛らしいなと」

竜華「むー」


美人は得と言うが、確かにそうだと納得した。

えへへと少しばかりだらしなく笑っていると竜華さんがむすっとしだす。

何か変な事でも言っただろうか?



竜華(怜ばっかりずるいわ)


怜は京太郎が嫌いだ。

なのに怜ばかり意識されるのは少しばかり腹が立つ。


竜華(それとも京太郎君は怜みたいな態度のほうが好きなんやろか)


ふと考えたのはそれだ。

よく考えれば、皆が皆京太郎に対して友好的な態度を取っている。

その中で1人だけ間逆の存在が居れば大変目立つだろう。


竜華(ならうちも怜みたいな態度取れば……よしっ!)

竜華「きょ、京太郎の……ア」

京太郎「うん?」


思い立ったら吉日、早速先ほどの怜のように振舞ってみることする。

何時になっても自分の思いに気付かない京太郎にアホと言おうと口を開く。


竜華「あ………なんでもないわ」

京太郎「そうですか?」

竜華(アカン!京太郎にアホなんて言える訳ないやん)


仮にも好きな人なのだ、こんなことを言える訳が無い。


竜華(無理~~!無理や、言えんわ)


セーラ「なんやろ、悶えとんな」

浩子「さっきから頭抱えて体振って……」

泉「怪しさ満載ですね」

京太郎(お尻振れていい眺め!)

怜「なんや……竜華が変な踊り踊っとる」


4人と戻ってきた怜とで暫くの間竜華の奇行を見ていた。


竜華(どないすれば~~!!)


今日も千里山は平和である。

カンッ!
うへへ……休み二日連続徹麻してきたぜ
1位4位1位4位1位と何故か両極端な成績やった
なんやろなーこれ

そしてツンツン怜気に入ったなわ~ええな


10月31日

京太郎「………誰だろ」


寮でテレビを見ていると誰かがチャイムを鳴らす。

時計をふと見ると朝の10時を迎えるところで誰が来てもおかしくはない。

だが、誰とも約束もしてないうえに携帯を見ても連絡が入っていない。


京太郎「はいはい、どちらさま」

煌「トリックオアトリート」

京太郎「………」


扉を開けると魔女の格好をした煌先輩が居た。

いや、よく見ると部長の後ろに4人ほど他にも居る。

ガイコツの仁美、ネコミミつけた部長に狼の耳をつけた姫子、そしてヴァンパイアの服を着た美子先輩…。


京太郎「あぁ……ハロウィンでしたか」

姫子「トリックオアトリート」


暫し考え込み、ようやく合点がいった。

つまりはそういうことなのだろう。


京太郎「ちょっと待ってて下さい」

仁美「トリックオア……げほげほ」


1度部屋に戻りお菓子を探す。

確か買い置きがいくつかあったはずだ。


京太郎「えっと………」

美子「トリックオアトリート」

京太郎「ちょっ!」


台所で探していると何故か全員が部屋へと入ってきて物色を始める。

流石のこれには驚いて固まってしまった。


哩「トリックオアトリート」

哩は服を物色し

姫子「トリックオアトリート♪」

姫子は人の布団の中で寝始め

煌「すばっ……トリックオアトリート」

煌はベッドの下を漁り

仁美「トリックオアトリート」

仁美は冷蔵庫を漁り

美子「トリックオアトリート」

美子は洗濯物を畳んで仕舞う

あ……この人だけまともだ


京太郎「ちょちょちょ、何して……」

姫子「トリックオアトリート♪」

京太郎「待って待って漁らないで……そこオカズを捲るな!」

煌「トリックオアトリート……うわーうわー」

京太郎「懐に入れるな!」

哩「トリックオアトリート」

京太郎「あんたは勝手に飲むなよ!」

仁美「ちゅー」

京太郎「……美子先輩はそのままで」

美子「トリックオアトリート?」


首傾げてるの可愛いな

てか一体なんなんだ!


京太郎「出てけー!!」

姫子「しょうがなか」

京太郎「布団返して!?」

哩「こんぐらいにしとくか」

京太郎「俺の服を何処へ持っていく」

煌「うわーうわー…」

京太郎「いい加減読むのやめて!?」

仁美「……ちゅー」

京太郎「俺のジュースがない!?」

美子「あっ……畳んで置いたから」

京太郎「ありがとうございます、お前らは出てけー!!」


結局お菓子ではなく、私物がいくつか取られたとか

カンッ

某6つ子ネタがありなら
面接で京太郎に養ってもらおうとアピールする部員達とか


京太郎「面接します」



久「いきなり何よ」

まこ「どうかしたのかのぉ」

優希「う~ん?」

和「えっと……」

咲「あれ?」


京太郎君に呼ばれて居候の身である全員が集まる。

なんとも情けない話だが、清澄高校麻雀部の面子は今現在京太郎君のお世話になっています。

色々あったんです、いろいろと……。


久「私は、人間関係が嫌になって引きこもって」

まこ「わしは、何故か仕事が上手く行かない」

優希「タコス屋の夢を追っかけてる最中だじぇ」



咲「私は……麻雀がちょっと」

和「人の脳内覗かないでもらえます?」

京太郎「和は運が悪く司法試験に3回落ちて親と喧嘩して今現在ニートに……」

和「悲しいけどこれが現実ですよね……ぶちゃけ、この生活好きです」


好きなときに寝て、好きな事をして、苦労もなく、まったりと過ごす。

何か欲しい物があれば、少し家事をやってお小遣い貰って……。


和「天国?」



久「そうよねー」

まこ「バイトとかはたまに」

優希「寝ているだけで飯が出てくる生活」

咲「たまに京ちゃんに甘える生活」

京太郎「むしろ今の現状が甘えきってるだろ、面接だ。面接」

和「面接って何を……」


先ほどから言っている面接とはなんなのでしょうか。

気になりましたし、聞いてみましょう。


京太郎「この家で生活する権利をかけた面接だ」

全員『!?』


まさかの言葉に戦慄が私達に走る。


久「も、もし受からなかったら?」

京太郎「………」


震える声で聞いた部長に対して京太郎君は、無慈悲に扉を指差す。

つまりはそういうことなのだろう。



京太郎「ほれソファーに座れ」

久「無慈悲!?」

まこ「じ、時間を……」

京太郎「ない」

優希「まさかの絶望だじぇ」


どうやら掛け合う気がないようだ。

しょうがなく皆で並んで座り面接が始まった。


京太郎「何かアピールがあれば」

「はい!」 「はい!」 「はい」    「はい!!」

和(わーぉ、我先にと争ってますね)


今の姿を見て誰が仲良く暮らしてと思えるのだろうか……。

全員が身を乗り出し必死に手を挙げている。


まこ「面接の前にいいかのぉ」

京太郎「えっと……染谷まこさんですか、どうぞ」


なんで面接を保とうとしてるの!?

名前知ってますよね!


まこ「ワシはこの面接を辞退する」

全員『!?』

まこ「わかっとった、このままじゃイカンと……世話になった」


そう言って、まこ先輩は扉へと向かっていき……。


京太郎「待って!合格、合格で!」

全員(しまったー!)

まこ「ニヤリ」


京太郎君が手を伸ばし合格を伝える。

それを聞いた、まこ先輩はにやりと笑い、そこでようやく全員が気付いた、この人は……。


和(わざと前提条件の面接を蹴って株をあげましたね!)

久(うわーうわー、しかも少ししょぼくれた背を見せ同情を誘う)

咲(今まで文句も言わず養ってくれていた優しい京ちゃんにはクリティカル)

優希(恐ろしいじぇ……まこ先輩)



まこ「一抜け、いやっふぅぅぅぅぅぅぅ」


染谷まこ 居候決定


京太郎「次の人」

優希「はいだじぇ!」

京太郎「えっと……片岡優希さん、どうぞ」


次は、優希ですね。

……なんで面接の真似事を続けるのでしょうか、謎です。


優希「タコスを20個食えるじぇ」

和(アピ……ール?)

京太郎「ほぉ……胃袋に自信が」

和(そこ聞くところですか!?)

優希「あるじぇ」

京太郎「丁度ここに20個タコスがあるのでどうぞ」

優希「じぇ!?」


なんでタコスがあんなにあるのでしょうか、謎過ぎます。

そして、優希が泣きそうな目で此方を見てくる。

自業自得でしょうに……。


優希「げふぅ……人生に食い無し」

京太郎「18個……保留で」

久「悔いに食いをかけたのね、ぷぷ……次は私ね!」

京太郎「竹井久さん、どうぞ」


次は部長ですか……さてどうでるのでしょうか?


久「私は京太郎君と一緒に住んでいたい」

京太郎「………」

久「人間関係で悩み仕事をやめ人間不信になっていた私に手を優しく差し伸べてくれた人だから……」

和(あっ……真面目だ)

久「いつか、仕事に復帰して京太郎君にお礼をしたいから!一緒に住みましょう!」

京太郎「………あざとー、俺によられても気持ちよくないっす」

久「ちぇー寄せたのに」


寄せたんですか!?

てかぶっちゃけましたねこの人……。


久「ぶー…このまま甘えて甘えて甘えまくる生活をしていきたーい!」

和(うわー……床に寝転んで転がり始めた)

久「ご飯が出てきてーお小遣い貰ってー京太郎君に甘えてーのんびり生きたい(キリッ」

京太郎「合格!」

和「!?」

京太郎「なんだろうか……この人には俺がいないとって想っちまった」

久「やった♪」


まさかの!?

こんな方法で抜けるとは……この面接地味に難易度高くありません?


咲「わ、私も一生仕事しないで勝手にご飯が出てくる生活がしたい」

京太郎「NO」

咲「あ、あれ?」

和「咲さん……それは普通にクズいです」

京太郎「次………」

桃子「私っすね」

全員『!?!?』


ほわっ!?

行き成り横から桃子さんの声が……てかこの人も一緒に住んでたんですか!?

今までの数年間一度も見てないですよ!


桃子「ふふふ……このステルスっすからね、仕事なんかできっこないっす」

京太郎「大学生の時に仕事見つからないって言うから拾った」

和(そんな犬猫みたいに)


自信満々に言い切る桃子さんは何処か逞しく悲しく思えた。


京太郎「それでアピールは……」

桃子「いいんすか?」

京太郎「?」

桃子「仕事が出来ない私を放り出して……友達に犯罪者がでるっすよ」

京太郎「うぇ!?」

桃子「うふふ……♪」

和(確かに!この人の能力なら犯罪できそうです)

京太郎「ご、ごごごごご合格でで、一緒に住もう」

桃子「やったっす♪」

咲「わ、私も狂ってるから何するかわからないよ!」

京太郎「………」

咲「………」チーン

和「咲さん!もう黙って最悪私がなんとかします!」

和(そろそろ私もアピールを!!)

京太郎「こんなもんかな」

和「え?」

京太郎「3人取ったし……これ以上取ったら前と変わらないし」


やばいです。

このままだと優希と咲さんと一緒に放り出されます。


優希「げふ……」

咲「………」


この2人と一緒とか絶対無理です。

野垂れ死に決定ですね。

こうなったら奥の手を……。


和「待ってください!」

京太郎「おん?」

久「終わったのよ?」

和「京太郎君……子供ほしくありません?」

京太郎「!?」

桃子「流石にそれは反則っす!」

和「どうです?」

京太郎「……年齢=付き合いなし、童貞……親に結婚まだかとせっつかれる」

和「あれ?」

まこ「落ち込んだの」

咲「私が頑張るし!」

優希「お腹痛い……はっ、陣痛?!」

桃子「ただの食いすぎっすから、私が!」

久「私も産めるし!」

和「私がー!」

まこ「………どうしようかのぉ」

京太郎「……うへへ、結婚出来ないんじゃない、しないんだ」


結局なんだかんだ言って全員そのまま居候となりました。

今日もご飯が美味いです。by和

面接 カンッ!

>>451
こんな感じ?
桃子は足りないから足した
ぼけーと犯罪者発言を考えたら桃子が真っ先に思い浮かびました

淡「あわ~ん♪あわ~ん♪」

京太郎「………」

淡「ところでなにしてるの?」

京太郎「胸確かめてる」

淡「ひゃふ♪ くすぐったい」

京太郎「何か会った時と比べて大きくなってね?」

淡「そうかな?」

京太郎「そうだよ、最初照さんと同じ位だったろ」

照「………」ぺたーん

淡「そうだったかも」

京太郎「それが今ではほら……」おもち持ち上げ

淡「あわ~♪気持ちいいかも」

京太郎「何故にこんなに……こんなに立派に!」もみもみ

淡「京太郎がいつも揉んでるからじゃない?」

京太郎「まじで?」

淡「たぶん!」

照「京ちゃん!!私ももんd……もが」

菫「大人しくしてろ」

淡「これ以上大きくなるかな?」

京太郎「今以上にする気か?」

淡「京太郎大きい胸好きじゃん!出来れば好みの所まで大きくしたい!」

京太郎「淡……お前!」ジーン

淡「きょうたろー!!」抱きつき

京太郎「淡ー!!」抱きしめ


誠子「いい話カナー」

菫「普通にセクハラだろ」

照「私の胸もー!」

尭深「お茶美味しいな」


淡「きょうたろー!」

京太郎「あわーい!」

かんっ オワレ

小ネタ消化 おもち観察記

観察?育成の間違えだろ?

>>471
せやなー何も考えず書いたけど確かに ならまた別で出すわ~今回のは育成記で

好感度0

怜「…………」


何を話しかけようも前で踊りを踊ろうも何も無視を続ける。

興味すらなし。


好感度20

京太郎「園城寺先輩」

怜「あっ……警察ですか、馴れ馴れしい痴漢が………」

京太郎「ストーーップっ!?」


話しかけると本気で通報される。

警察に追われること20回……。



好感度40

京太郎「とき……「なぁ死ぬか?なぁ……」すみません、園城寺先輩」


名前呼びはNG、笑顔なのに物凄く怖く、本気でヤリに来る気満々である。

呼びませんので鞄から物騒な物を出さないで下さい。


好感度60

京太郎「とき……園城寺先輩、それって何ですか?」

怜「何時まで経っても覚えんなー鳥頭なん?小学生からやり直すか……自分」

京太郎「すみませんでした!!と………園城寺先輩」

怜「もうええわ……これはサンドバック京君や」

京太郎「サンドばっ……え?」

怜「イラついた時に殴る蹴る地面に投げつける」

京太郎「………」


一応名前呼びを許される。

呆れられたとも言うが……人形を作ってきて目の前でストレスを発散してくるようになった。


好感度80

京太郎「NO!?」

怜「ほれ金出さんかい」

セーラ「やー流石に金はアカンやろ」

京太郎「ナンデー!なんでさっきから俺を狙い撃ちに!?」

怜「弱い奴から死んでいく普通のことやろ」

 ま  ヽ    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\/ ̄ \
 じ  |  / .:.:/:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:ト:.:.:.:ヽ:.:.:.:/  :

 で   |  .:.:.:.′:.:.′.:.:.:.:.:.:.| ヽ: |:.:.:.:|   :  |
 し   | |:.:.:.:.:.:/:.:.;.:.:.:.:.ー┼─:.:|:.:.:.:|   :
 な   | |:.::|:.斗イ:/:.:.:/:. /  Ⅳ:.: 八 _  ノ
 ん   | |:.:.|:.:.:|:.:/}:.::/7/ィ云斥、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ

 ?  く |:.:.|:テ云芹    廴 ソ 》:.:.:.\:.:.:.:.:.

ー─イ ̄  :.:.::.:.《 廴ソ     =¨´|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.{\
       ,:.:.:.::.:.  =  ′     j:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
       ィ:.|:.:圦     _ _   /}/:.:.:.:ノ:.:.:.:.:.
      /|:.|:.ハ:.:>   ~ ̄  ///:.|:.:./:.:.:.:.:V
      八:|:.{{\:.\:.:>-イ .// ̄)/⌒ll

           \/  |i /     __|
            /   /    /   \

京太郎「しなねーよ!?」


地味に会話が続く、ただし罵倒が普通に混ざりこみながらである。



好感度100

京太郎「あれ……怜さん何処へ」

怜「トイレ」

竜華「途中で倒れんようにな」

怜「平気や、平気」


そう言って怜先輩はふらふらと扉を出て行った。


京太郎「大丈夫ですかね?」

竜華「大丈夫やろ、最近調子ええし」

怜「あっ……忘れてた」

京太郎「あれ?」


そんな心配事をしていると本人がひょっこりと扉から顔を出す。

何か忘れたらしい。


怜「京太郎のあほー」


微笑みながらそれだけ言うと機嫌よさそうに戻っていった。


竜華「怜がデレた!?」

京太郎「えっ!?あれで!?」


好感度? ツンツン怜編 カンッ!


その内警察のほうでも

新人警官「あれが今噂の二人ですか?」
先輩警官「憶えとけよ、新人」

ってやりとりが起きるんでしょうねw

好感度0

京太郎「………」

桃子「………」


興味なし、そこら辺にいる人と変わりなし。


好感度20

桃子(むー……最近よくみかけるっすね)

京太郎「ふぁ~………」

桃子(どうせ見えないっす)


少し気にかけるも諦める。


好感度40

京太郎「あぁ……わりぃ」

桃子「いえいえ……あれ?」


すれ違うときに相手が避けてくれた。

こんな事1度もなかったのに………。


好感度60

桃子「!!!!」

京太郎「………」

桃子「!!!!!」

京太郎「………」


本を読む京太郎の前を何度か通ってみる。

わざと音を立て歩くも見向きもしない。


桃子「駄目っすか……」


ため息をつきとぼとぼと歩き帰り道に着く、期待しだだけに落ち込み具合も大きかった。


京太郎「……あれ」


耳からイヤホンを外し、桃子の背中をただただ見つめた。


京太郎「……誰だっけ?」


好感度80

桃子「……いないっすよね」


ついつい彼が居ないか辺りを見渡してしまう。

諦めた筈なのに諦めきれない。



好感度100

「もしもし」

桃子「ひゃわっ!?」

「うわ!?」

桃子「びっくりしたっす!」

京太郎「わりぃ……」


肩を叩かれ驚き声をだし振り向いた。

そこには京太郎が立っていて桃子の声に驚き心臓に手を当てていた。


桃子「なななな!?」

京太郎「ほれこれ……お前のだろ?」

桃子「あっ……ハンカチ」

京太郎「俺の前を通った時に落としたからさ」

桃子「見えてたっすか」

京太郎「うん?……そりゃ見えるだろ」

桃子「うぅぅ……」

京太郎「なんで泣くんだ!?何かしたか俺!?」


思わず泣いてしまった。

それほどに嬉しかったのだ。


桃子「大丈夫っす!!わ、私は東横桃子っす!ハンカチありがとうっす!!」

京太郎「俺は須賀 京太郎だ、よろしく」

桃子「よろしくっす!」


好感度100から始まるストーリー……。

好感度???


照「京ちゃんお菓子」

京太郎「はいはい」

照「今日は……」


好感度???

照「京ちゃんお菓子」

京太郎「はいはい」

照「今日は……」


好感度???

照「京ちゃんお菓子」

京太郎「はいはい」

照「今日は……」


好感度???

照「京ちゃんお菓子」

京太郎「はいはい」

照「今日は……」


好感度???

照「京ちゃんお菓子」

京太郎「はいはい」

照「今日は……」


好感度

照「京ちゃん」

京太郎「……照さん、好感度ずっと不明なんすけど」

照「?」

京太郎「いや……あの」

照「私の好感度は会った時からMAXだもの、下がりようも上がりようもないよ」

京太郎「へ?」

照「ポッ○ーうまうま」

京太郎「え?あれ?」

照「京ちゃん……大好きだよ」


最初から好感度MAX

<食の京太郎 バイキング編>


京太郎「やってまいりましたー!!バイキング!」


大きく手をバンザイと挙げ、喜びを表す。

若干周りの視線が痛いが気にしないったら気にしない。


京太郎(ふふふ……悲しくなんてないさ!悲しくなんて!)


ここに来る事にした経緯を思い出し涙目になるも強がり席へと着いた。

事の始まりは、県大会終了後に決勝で戦った4校で強化合宿をしようと言うお話になった所から始まる。

最初こそ、女子だらけと言うこともありドギマギとしたが、強い人達と戦えるという事もあり楽しみにもしていた。

だが、現実は厳しく残念ながら京太郎は着いていけなかったのだ。


京太郎(楽しんでやるからいいもんね!)


そう思いつつも周りへと視線を向けてしまう。

いつもならこういう時にライバルであり友達であるよう東横桃子が姿を現すのだが………。

今回は桃子も合宿に行っており姿が見えない。


京太郎「まぁ……そうだよな」


いつも負けて悔しい思いしかしてないので別にいいのだが……何故か寂しい。


京太郎「さてと……まずは」


辺りを見渡し、何を食べようかと思いつつ思考する。

既に6時間前におかゆを食べ軽い運動も終えている。

万全の状態だ。


京太郎(寿司にパエリア……ステーキも鉄板焼き!さらには天ぷらは常に揚げたて!!)

京太郎(いいね……だがライブキッチンは行列が出来る為、避けたいところだ)


状況を判断し、辺りを見ていく美味しそうな匂いが辺りを漂うがここでは我慢だ。

まだ見極めていない。


京太郎「あったあった……『ズワイガニ』だ」


今日一番のお目当ての物を見つける。

赤く綺麗に茹で上がり、ライトの光が甲殻類特有の硬い殻に当たり反射をしている。

数も多く、大きさも申し分も無い。


京太郎(配置は……こうか)


ズワイガニ 保温系 天ぷら&ステーキ 前菜系 ご飯系 デザートにドリンク


京太郎(保温系はビーフシチューに麻婆豆腐、ポテト……)

京太郎(ご飯はカレー、パエリアに寿司)

京太郎(前菜系はチーズ盛り合わせなどなど)


京太郎「最初は…保温系だな」


チラッと見るとカニやステーキ類のところには既に人がたくさん群がっている。

あれに並び時間を消費するのはナンセンス、駄目駄目だ。


京太郎(カニを食べたいが子供の如くあえて最後にとっておく)


バイキングの兵法は『取捨選択』だ。

どれを食べ、どれを切り捨てるか、ここが大事だ。

最初は寿司を選ぶ事にした。

ネタはまぐろにウニを四貫ずつだ、席に戻るときにビーフシチューを取っていく。


京太郎「いいね~!寿司にビーフシチューと言うカオス具合……これがバイキング!!」


好きなものを少しずつ好きなように和洋中全部食べれる……これがバイキングの醍醐味だ。


京太郎「美味しいなーー!!……それにしても駄目だな」


チラっと後ろを見れば、おじさんがナポリタンにステーキに天ぷらと重い物ばかりを皿に載せている。

まさに欲望のまま適当に取った結果だろう。


京太郎「さらには……ドリンク多すぎ、しかも炭酸系」


横を見ればおざさんがドリンクを4個も5個も机に置いている。

しかもすべて炭酸系だ。

炭酸系はお腹が膨れ美味しいものが食えなくなってしまう。

バイキングでの飲み物は『お茶がベスト』だ。



-姉妹side-

宥「わ~……あったか~い」

                                        __
                                      ´:::::::::::::::::::::`  、
                                  /:::::::::::/::::::::::::::::::::::::::\

                                     /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::、:::ヽヘ
                                 /::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::::::::::|::::::ヘ:ヽ
                 ィ        ,.   -――-j::::/::::::/l::::::/:::::::::: /::|::::::::l::::_:λヽ:.
                {:(       /" ̄ ̄ ̄ ̄/::/::::::/::|:::::!__/;イ::/l:::斗!|:{ |:| l:「!i:}
                   \.、      /´      /::/:::::/彡|::´|::///ノ/:::ムリ.lλ|| |j |リ
                       ` `ー――- __ , イ/::/::::/:,. 、::l:::::l伝丁` ム '乏灯ハn /.ハ
                       `二ニ=‐-::::::::::::::::::::/:/:: {⌒゚l :::代ツ     ゞ' ハ::〈イ ヾ {
               , -‐:::二_____:::::::::__//::::::::人___l:::::|""    ` ".::l::::::ヽ_  У`ー-
. __       \、  // ̄  , ィ´:::::::::::::::::::::::::ア::://__  イ l:::::|  ( ̄ア  イ:::|:::::::|入 ̄       `ヽ
_ヽ\マ、      `ー//===テ´:::::::::::::::::::::,、::::>-‐´ ̄ ̄    八 l:::::ト` x _´ .イ .l::::|:::::ⅰ `ト         \
.\`   `>==イ`ー┴' ̄`´ ̄`ー….  ̄ - _  \     |     ヽlλ|/Yヽ_レ、 人/イ::ハ  `  、         }
.r- `  /ミ             ` ー _      - _ \  .|     ヾ「 ̄`r{:.:.:.:.{ { 彡イ::::::ヽ_  ヘ      __ノ
. `  ̄└- _                   ―       ` /        入:.:.:水\__ト |  ̄ ヽ:::::ヾ、  ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ ̄
          アァ―ァ‐‐ァ‐-‐ァ…'ー―‐--   ____/        ー、:.`:./ λ:.:/ :.    }::::::|ヽ.
          //  {::::/_ イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/ `ヽ、.      ヽ∧/  ´  |     l:j::::| リ
       `ー=ニ二二__::::::::::::イ:::::::::::::::/_r‐く    `       o      丿  ノイ:::ノ
        `ー―一'::::::::::::::/| ̄`>‐  ̄      ヽ、    ィ __    ´   ー‐ '
           ` ー―一「 ̄ ̄:.:/   くヽ         ー一o  /
                マ:.:.:.:.:./    \\       o   r´
                      }:.:.:.:ハ      ー`   -―一 ´ r'ーf
                rー ´:.:.:.ヽ      \    o __ィ  /__:.:|
                 ヽ:.:.:.:.:.:.:/\__      ` 大o  /:.:.:.:`ヽ
                     \:.:/:./:.:.:.:.:.:`ヽ   /{:.:|ヽ/:.:.ヽ:.:.:./
                      `У:.:.:.:.:.:.:.:ハ`´:.:.:.:ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:〉´|
                    ィ'`ー、:.:.:.:.:{:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:\_/ λ
                   {三三三天 ̄ ̄|:.:.:.:.:.:._イト----一 /|
                     ` ̄` <_入    ̄ ̄_ハ|////////|
                          `マ ̄ ̄///ハ.////////|
                           V//////∧///////
                           ∨/////.∧//////’

                              ヽ//////ハ/////.j

玄「ほうほう、中々ですね」


とある所のとある姉妹が席に座り一息ついた。

宥は楽しそうに辺りを見渡し、玄は目をあちら此方に向け厳しい目で見た。


宥「それにしても私達だけいいのかな?」

玄「いいのです、これから私達も旅館を経営するに当たって勉強は大事だよ、お姉ちゃん」

宥「そうなんだ……あっ玄ちゃんズワイガニだって」

玄「……お姉ちゃん」


勉強する気まったくなくトコトコとカニのほうへと行ってしまう。

そんな姉に少し頬を膨らますもぐ~とお腹が鳴り、顔を真っ赤にさせる。



玄「ま、まぁ、食べないとね?」

宥「わ~カニ一杯、ステーキもあるね」

玄「ステーキかぁ……」

宥「駄目なの?」

玄「ステーキとかは大抵牛を一頭丸ごと買いで単価が安いのです」

宥「そうなんだ?」

玄「うん、たとえばね……あの人」


辺りを見渡し1人の男性へと視線を向ける……京太郎にだ。

京太郎は、9種類に分かれた皿にスシ、カレー、中華物、に海鮮と少しずつ盛っている。

それを見て玄は首を横に振りやれやれと呆れた。


宥「あの人……」

玄「気付きましたか、お姉ちゃん!」

                 _,,  ----- _
             , r : : ´: : : : : : : : : : : : : :`:ヽ.、

           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::\
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      ./: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
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     /: : : : ::/: : : /: : : : : : : : : : :ハ: : : : : : : :|: : : : : :|: : : ::i: : : : :ヽ

     ./: : : : ::j: : : ::|: : : : : : : ::ハ: : | |: : : : : : : |: : : : : ::|: : : ::|: : : : :ヽ
     j: : : : : :|: : : ::|: : : :, r:ナ'ナ.|`:メ, |: : : : : : ::|i_,rハ-:、i: : : : |: : : ::i: ヽ
    .i: : : : : ii: : : : |: /: ::/::/ .j:::/  |: : : : : : /1:/ !: ::/iヽ、::リ: : : ::|:::ヽ
    |: : : : : ||: : : : |: : : :/_ノ--i:/  .|: : :::/|::/ .V ._i::/ .|: : :/: : : : :|i: :|

    |: : : : ::|:|: : : ::|: :::/r'   ノ' ヽ  |: :/ i/  r'´ y ヽ|:::イ: : : : :::|i::::|
    |: : : : ::|:|: : : : |/.{      .} レ     {    .レ'/: : : /::/|:リ
    .〉: : : : :|´|: : : ::|.  ゝ    ノ       、    .ノ./: : :/|::/ レ
   /:|: : : : :|. !: : : : !   ゝー''´         ゝ _.ノ /::::/:ノ'  '
   /: :|: : : : :|ゝi: : : ::|  \ \ \ \ \ \ \ \ \/::ノ: ::|:イ
   〈: :|: : : : ::|: :|: : : ::|                   ´ i: : ::j::|
   .ゝ:::|: : : : :|: :ヽ: : : |、       / ̄ ̄ ̄ヽ     ノ: : :ノ::|
    ヽ:|: : : : :|: : ヽ: : ::|.ゝ、     ゝ-------'__ -- ' /: : /: : ヽ、
    〉::!: : : : :|: : :>: : ::i  ` ヽ------- ' ´  __, --/: : :/: : : : : :ヽ
    /: !: : : : :i: :/ ヽ: ::i、        __ - '   ,,ノ::/::<: : : : : : :i:::ヽ
   ./: : :ヽ: : : :Y   〉、:ヽ、__,     ´    _ -´ // .ヽ: : : : ::iヽリ
  /: : : : :ヽ: : : ::|  ./ \ゝヽ      _, r ´      r⌒ヽ: : ::ノ レ

 /: : : : : : :ヽ: : : :|  |  `]-___, r ' ノ        /   ヽノ

宥「あったか~い♪」

玄「はえ?」

宥「かっこいい人だね」

玄「そこ!?てかお姉ちゃんああいう人趣味なんだ」

宥「彼女とか居るのかな?」

玄「そして肉食系!?お姉ちゃんの知られざる一面が!!」

玄「って違うのです!」

宥「なにが?」

玄「あのように少量の物を頼む客はまさに『鴨』なのです」

宥「そうなんだ、ならどんなお客が困るの?」

玄「あの人みたいな客かな」


そう言って玄は1人のお客へと視線を向ける。


. / /: :.,ィ: : : : : : : : : : : : : : : \i
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 i 「`7 /!: : : :∠」_ ハ: i: : : : : : : : :i

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::::i.   / / ==ェx、_ i/i: : : : : : : :/
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        ∨::::ソ i,厶イ\

          ̄`  .!: : / \\
             }: :.!   )::)
  /\        ノ|: .:| //
;,、  ̄ ̄   _,,   <  |: :.!//
    | ̄           !: :|/
    |∧           |: :|
ヽ_,/   ',__        |: :i
_/ ヘ    .i  \.    !:/
》ェ≪    |    \   /
.|| || 》__/     `ヽ

.|| |〃 ̄`ヾ      ハ

宥も釣られてそちらを向くと其処には赤い髪の毛を後ろで縛りポニーテールにしている女性が目に入る。

その女性は目をカニに向け一心不乱にほじくっては食べていた。

時に『フォアグラのステーキ』を口にしつつカニを頬張る、贅沢な食べ方だ。

というか……姫松高校のエースの『愛宕洋榎』であった。


玄「ああいう客が困るのです」

宥「ちゃっかり『フォアグラのステーキ』もあるね」

玄「単品物を狙われるのは痛いです」

宥「ふ~ん、あっ……美味しい」

玄「まずバイキングは……安い物を大量に置き……」

宥「カニ~♪なくなっちゃった……」


薀蓄をもらす玄を横に宥はのんびりとカニを頬張っていく。


『タイムサービスのジャンボハンバーグです!数に限りがあります!』

京太郎「くっ……カニ……限定!!!」

宥「もぐもぐ……悩んでる姿もいいな♪」

洋榎「………カニ、カニ」

玄「であるからして!」



-京太郎side-

京太郎「ステーキ2枚は……行き過ぎた、けど……」


お腹を擦りながらも恨めしそうにとあるテーブルを見る。

そこでは洋榎がひたすらカニを食べていた。

あとでと思って取っておいたカニはすべて洋榎が食べてしまい京太郎の分が無くなってしまった。


京太郎(くっ……カニばっかりとか幼稚だと思っていた自分が憎い!!)

洋榎「………カニ」

京太郎(むしろ翻弄されていたのは俺のほうだった、くそっ!)


机に項垂れ敗北を知った。

桃子がいないにも関わらずにだ。


京太郎「ちくしょー……かにー……」

「食べる?」

京太郎「ふへ?」


ふと声を掛けられ顔を上げると胸が大きく柔らかい笑みを浮かべている女性が目に入る。

その女性は、夏前だというのにマフラーを着けている変な人ながらも美人さんであった。



京太郎「えっと……?」

宥「もし良かったらどうぞ」

京太郎「いいんですか!とえっと……俺は『須賀京太郎』です」

                 =-―…―-ミ
             ,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : 、
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
          : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ \: : :‘,
.          .′ : : : /: : : :.|: : : : : : : |: : : : : : :∨∧: : ‘,
        i: : : : : :|: : : :.:.| : : : : : : :|: : :|: : : : :∨∧: : ‘,
         |: : | : : :|: : : |: |: : : : :.:.|: |_:|__: : :.:.:| : ∧ : : :
         |: : | : : :|: : : |: |、: : : :.:|: |、: :\: ̄`ト、:.| i: i
         |: : | : : :|: : : | イ \ : : ト | \: : :\: |: : :| |: |
         |: : |: :.:八:/|: |:  \:|  ,ィf芳丐ミ: : :.:|: :|: |
         |: : |: : : : |\|,ィf示ト  \   `ー‐┘|: : : |: :|: |
         |: : |: : : : |∠込/       ::::::::::::: |: : : |: :|: |
.       八: :|: : : : |\ ::::::::::::::  ’        |: : : |: :|: |
.          ヽ|: : : : トミ_、     、 ノ     イ|: : : |: :|:/
          i|: : : : ∨: : >.      _,. イ二| : : :' :八
         /|: : : : : マ^⌒ヽミ>:::´:::::::::::::::::::::! : / ∧: \
.        /: l: : : : |: :マニ-:::::::::::::‐-=::::::::::::::::// /::::へ、:\
.      /: : |、: : : |\マ=-::::::::::::::::::_彡イ/ : : /::::::::::::::\: :\

.      /.: : :.:人\: :\_\⌒マニ二:::::::_/ : : /-―/\_、: :\
   / : : : />'⌒ヽ: :.\つ―=ミ \  / : : /<ニニニ `ヽ、\ : \

宥「私は『松実宥』……宥でいいよ、京太郎君」

京太郎「……はい!宥さん!」           玄「あれ!?私のカニどこーー!?!!?!?」


先ほどまで悲しかった心は何処かへいき、好みの人と出会え事に感謝する覚えた。


京太郎(あぁ……ラッキーだ!)

宥「私のアドレスがこれで♪」

玄「お姉ぁぁぁぁぁあああああん!私のカニぃいぃぃぃぃぃぃ!!」」

洋榎「カニ……カニ」


カンッ

食べたい物を食べるのがバイキングの醍醐味だけど独占はダメっしょ

一人が食いまくって独占できるほどの量しか提供出来ないのもどうかと

>>501 >>503
あ~……別に独占しとるわけやないよー
描写していないけど洋榎は足5本だけ持って来て食べる、誰もいないならもう5本といった風にわきまえてました。
京太郎が食べれなかったのは単に後に後にと伸ばした結果 、洋榎と他の客に取られただけやで
洋榎は悪くないんや



恒子「おめでとう!」

健夜「あー」

恒子「お誕生におめでとう!すこやん」

健夜「あー」

恒子「うっふっふ、アラサーだね」

健夜「そうだねー」

恒子「ありゃ、反応薄いねってか嬉しそうだね!?」

健夜「……なんで嬉しがらないと思ったの」

恒子「だってアラサーだよ、30歳だよ!」

健夜「連呼しないでよ」

恒子「ちぇーもうちょっといい反応すると思ったのに」

健夜「まったく……だってさ」

恒子「だって?」

健夜「恒子ちゃん祝いに来てくれたんでしょ?」

恒子「……そうだけど」

健夜「なら嬉しいよ、祝ってくれる人が居るんだから」

恒子「………」

健夜「どうかしたの?顔真っ赤だよ?」

恒子「たまにさ……」

健夜「うん?」

恒子「すこやんはやっぱり大人なんだなって思う」

 /  ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、 .:.::::::::::::::::.  /  // // ノ    (_
.,′. ..: .:: :::::::::::::/|:::::/|:::::/|:| }::ト、:::|::| :::i  /   /    ) ー┬ァ (
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|  .: ::::::::::|::::|/    u            | :::i|            |   ニニ,   |
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| .:::|::::::::::::|::::|≫笊气ミ      ィ笊气ミ ::::i|            |  ┼┼   |
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| .:::|::::::::::::|::::| /ハヽ       /ハヽ{ ::::ト、\            }  ┼〃 │
| .:::|::::::::::∧::|     /`¨¨¨´|  u ノ ::│ ヽ:ヽ           |   ノ こ   |
| .:::|::::::::::|ーi ト .   {.:.:.:.:.:.:.:.ノ   イ::::::::i|   }:::}         │   ├   {
| .:::|::::::::::|:∧∨ `> . `¨¨¨´ . イ ::: |:::::::::リ   |:::|           }   c!、  {
|_:::」 :::i::::|-‐ヘヽ    `ァ‐ャ┬‐- :、:|イ.:::/   |:::|          |   rv‐,   {
. . ..|:::::| ::!  _乂     ,′ V》.. .. .ハノ.:/   j::;′        |   |/l/  |
. . ..乂:ト、|   `    ´ ̄   }..》.. . . .V    /'′        }   o o   (
. . . . .《{. |              |..》. .{. j .}           \     )       (
. . . . . 《{`Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y´|..》.. .Y..│    \\   \ \`Y⌒Y⌒Y´
. . . . . . 《{ 爻=====}><{====|.》 . . } . |   \   \\    \ \

健夜「大人だよ!?何歳だと思ってるの!アサラーだよ!って……自分で言っちゃった」

恒子「ぶー……ってあれケーキもうあるね、自分で買ったの?」

健夜「それね……貰い物」

恒子「誰、だれ……彼氏?」

健夜「違うよ、親戚の子……いつも祝ってくれるの」

恒子「ほうほう、青田刈りですか」

健夜「なにそれ……まったく」


From:須賀 京太郎

To:小鍛治 健夜

件名:お誕生日

お誕生日おめでとうございます!

今年は其方に行けないのでメールでお祝します。

不恰好だけど今年はケーキを作りました。

美味しければいいのですが……。

年末には親父達もそちらに挨拶に行くというので会えると思います。

楽しみにしています、それではまた!



健夜「ふふふ……♪」

恒子「なになにーおぉこの子が♪」

健夜「恒子ちゃん!」

恒子「別にいいじゃない!」

健夜「もー!」

恒子「楽しみだね……にしし」

健夜「………はぁ、そうだね」

恒子「あっ……私もその日呼んでね!」

健夜「なんで!?」

恒子「楽しそうだし」

健夜「やだよー!」


その後、隠しフォルダを見つけられドタバタと部屋を駆け回り母親に仲良く怒られる誕生日だったとか


カンッ!

<赤ちゃんは何処からくるの? 全国編 千里山チーム>

京太郎「やってまいっちゃいました」

久「全国編よろしくね♪」


京太郎「……第一村人ならぬ人発見しちゃったよ」


~千里山編~


京太郎「こんにちは」

セーラ「ん?なんか用か?」

京太郎「質問がありまして」

セーラ「なんや?」

京太郎「赤ちゃんは何処から来ますか」

セーラ「はっ……?」真っ赤

京太郎「デスヨネー」

セーラ「ななななななな、何いうとんねん!アホー!」

京太郎「こういう人聞いてくる人居たら逃げるよね」


セーラ:顔を真っ赤にさせ逃げる


京太郎「以下省略……ってことなんですけど、聞いてます?」

浩子「うへへ……真っ赤になって警戒しとるなんて珍しい物が……」

セーラ「うう~」壁際から睨み

京太郎「あの~……?」

浩子「ほいこれ」

京太郎「………教科書、『初めての保健体育』」

浩子「それで勉強してなー」

京太郎「……なんでこんなものを持ってるんだ」


浩子:教科書を渡された


京太郎「以下省略」

泉「………なななな」

京太郎「逃げるのは天丼になるので」

泉「うりゃー!!」

京太郎「!?」

泉「うわーん!!」

京太郎「ぐごごご……地味に痛い」

泉「先輩ー!!変な人がーー!!」


泉:泣きながらグーパン貰いました


京太郎「以下省略」

竜華「あわわわ……」

怜「おおぉう、竜華が茹蛸や」

京太郎「これ大丈夫ですかね」

怜「むしろ初対面でそないなこと聞いてくる君の方が大丈夫かー?」

京太郎「罰ゲームみたいなもんです」

怜「ほー……ほれ竜華答えな」

竜華「止めてくれへんの!?」

怜「なんで面しr……げふんげふん、聞くほうも勇気いるんやで?」

竜華「面白いって言った!」

怜「いうとらんよーほれほれ」

竜華「うー……えっと、えっとな……アカン!アカンよ!」

京太郎(悶えてる)

竜華「うーうー………」

京太郎「駄目だこりゃ……なら」

怜「私か」

京太郎「ですです、ノルマこなさないと部長に……」

怜「会社員見たいやなー」

怜「というより私は子供産めるんやろか」

京太郎「えっと?」

怜「昔から病弱で体弱いし、今でも病院から学校へ通うぐらいや」

京太郎「………」

怜「恋愛も出来んやろなー……」                         竜華「やっぱりアカンよー!」

京太郎「そんなことは」

怜「やや…私みたいな病弱の子好きになる人なんて……」

京太郎「いえいえ……園城寺さん可愛らしいですし!」

怜「ほんまに?」

京太郎「ええ!見惚れるぐらいに!」

怜「ほな、竜華共々よろしくな」腕抱きしめ

京太郎「はっ!?」

竜華「うん、判った、つまりは遠まわしな告白やったんやね!」腕絡め

京太郎「え!?」

怜「私が6で竜華4な」

竜華「いやいや、怜病弱やし反対やろ」

京太郎「いやいや、初めて会いましたから!お互いの事知らないから!おかしいでしょ!」

怜「ゆっくり知ろうな❤」

竜華「えへへ❤」

京太郎「アーーー!!!」


怜&竜華:京太郎が帰ってこなくなりました

カンッ


乙ありん!

嫁田は嫁田だよ?

ssは絵と同じで書き続ければいい

それじゃのー次はどこにしようか

<ポンコツ白糸台とオカンな京太郎>

照「きょうちゃ、へぎょっ」

京太郎(あっ……舌噛んだ)

照「……きょうひゃん」

京太郎「はいはい、舌見せてくださいね」

照「いひゃい、おひゃし」

京太郎「はいはい、お菓子はあとで……大丈夫そうですね」

照「ありがと」

京太郎「気をつけてくださいね」

照「んっ……もぐもぐ」

京太郎「これ下にひいてくださいね、お菓子が零れてる」

照「んっ……」

後輩「オカンだ、オカンが居る」


尭深「………お茶、お茶」ドバー

京太郎「尭深さん茶葉入れすぎです」

尭深「………お湯お湯」ガチャン

京太郎「あぁ……手元に気をつけてください、急須ひっくり返さないで」

後輩「尭深先輩」 尭深「うん?」

京太郎「お湯入れながら余所見しない、前それで火傷したでしょうに……」

尭深「お茶……」

京太郎「ストップ、少し冷ますか少しずつ落ち着いて飲んでください」

尭深「うん、判った」

京太郎「それでよし」

後輩(犬見たい)


誠子「あー……釣り行きたいなー」

京太郎「とりあえず釣竿しまって!?」

誠子「えー……なんだって?」振り回し

後輩「あわわわ……」

京太郎「あーもう!針をつけたままじゃないですか!」

誠子「あっ、悪い」

後輩「い、いえ」

京太郎「あの状態の誠子先輩には近づかないで下さい」

後輩「うん、そうするよ」

誠子「………おわっ!?京太郎ー!京太郎ー!針がー!自分釣っちゃった!!」

京太郎「あぁ……もう、部室で竿を持たない!!」

誠子「わー!」

後輩(大変そう)



菫「なるほどな」

京太郎「お疲れ様です、何の資料ですか?」

菫「次に当たる高校のだな」

後輩「部長~少しいいですか」

菫「ん?なんだ、ちょっと待て」

後輩「あっ……」

菫「あっ……」ガシャーン

菫「あぅ……えっと、京太郎……?」

京太郎「倒したお茶は俺が拭いておくので」

菫「す、すまない」

後輩「さきほどの資料なんですけど」

菫「資料、資料……あれ、何処行った」

京太郎「棚の上に先ほど……」

菫「あぁ……驚いた拍子にか、あっ……」資料落とし

後輩「あ~……」

京太郎「あー……資料がお茶だらけに」

菫「……ぐすん」


淡「あわーん、あわーん」

京太郎「どうした」

淡「お菓子がー……」

京太郎「あーまたか、袋を力一杯引っ張るなとあれほど……」

淡「あわーん」

京太郎「あっちに照さんいるから一緒に食べてなさい」

淡「わーい」

京太郎「はぁ……何時になったら自立できるんだが」掃除中

後輩1(無理だと思う)

先輩1(京太郎君入部してくれて助かった!)

後輩2(本当はあれを私達が世話しなきゃいけんかったのかー)

先輩2(マジ京太郎に感謝)


照「きょうひゃ……へぎょ」

尭深「熱い」

誠子「あー……服が破けた!?」

菫「資料何処だ」

淡「あわーん、照がお菓子全部食べた!」

京太郎「あぁ!もう!!」


カンッ

<ツンツン怜と京太郎 if~もしも怜がツンデレだったら>

怜「竜華、セーラほなな~」

竜華「またなー!」

セーラ「おぅ!明日」


夕暮れ時に親友達に手を振り別れを告げる。

親友の2人は此方の言葉に笑顔で手を振って答えてくれた。

さようならではなく、また明日…と言ってくれるのが無性に嬉しく思う。


京太郎「……当然のように俺の名前は呼ばないのね」

怜「あぁ……忘れとった、さいなら京太郎」

京太郎「俺だけ……さいようならっすか」

竜華「相変わらずやね」

セーラ「怜やし」


わざと無視をしていた後輩がぼやくのでここぞとばかりに返してあげる。

思ったとおりの反応をしてくれたので心の中でくすっと笑った。

勿論、表情には出さない、出せるわけが無い。


怜「ただいまー」

母親「お帰りー今日は平気やった?」

怜「特に問題ないなー」


手を洗い、冷蔵庫から飲み物を取っているとそんな事を聞かれる。

聞かれてから頭の中で今日の事を思い出すが体調が悪くなっていないので嘘なく答えた。


母親「最近調子いいわね」

怜「せやなー……お守りあるしな、元気ももろてる」

母親「くすっ……あの子の事ね」

怜「感謝しきれんけどな、素直にはなれんわ」

母親「えっ……何か言った?」

怜「なんもー……」


ぼそりと呟いた言葉は聞こえなかったらしい、聞かれなくて良かった。

夕飯を作る母親に視線を少しだけ送るとコップに牛乳を移し一口飲んでから部屋へと戻る。

部屋に戻ると普段着に着替え夕飯までの間、ぬいぐるみの手入れをした。



怜「はふ~……やっぱり自分の部屋はええな」


お風呂からも上がり、部屋に戻るとぼすっとベットに倒れぬいぐるみをぎゅっと抱く。

前まではこうやって自分の部屋で寝ることの方が少なかった。

それが今年からは調子が良く病院より自分の部屋で過ごす事が多い。


怜(これも京太郎のおかげかなー)


ポケ~としているとそんな事を思う。

今年になって入ってきた男の子、最初こそ警戒していたものの今ではすっかりと馴染んでいる。

竜華やセーラに悪い虫がとも思ったがそんなこともなく、こんな自分にも優しく接してくれた。

気つけば京太郎の傍に居るだけで心が休まり体調がよくなっていく、お邪魔虫の筈が今では誰よりも愛しい人へとなっていた。

それが嬉しいやら、今更素直になれない自分が悲しいやらで複雑でもある。





怜「!!」


思い悩んでいると携帯が鳴った。

設定していた着信音から誰からか一発で判る、京太郎だ。

すぐさま、できる限りの速さで携帯を取るとドキドキしながら覗く。


京太郎『調子のほうは大丈夫ですか』

怜「ふふふ……♪」


自分の事を心配してくれるメールに嬉しくなり笑顔がこぼれる。

暫くの間、ニヤニヤと笑い見ていたが返事を返さないとと気付き慌ててメールを打ち始める。


怜「えっと……えっと……心配してくれてありがとなーっと」

(メール)『アホかー先ほど元気に別れたばかりやん、頭湧いとるん?』

怜「……なんでこうなるんやろなー」


自分の思った事とメールに書かれた文の違いに絶望する。

暫しの間、愕然としメールを書き直すも全くと言ってほど直らない。


怜「あかんわーあかん。こないな事続けとったら嫌われてまう」


泣きそうになりぎゅーと『京太郎縫ぐるみ』を抱きしめる。

そうしていると少しだけ悲しい気持ちが薄れた。


怜「いつか素直になれるんやろか」


外に輝く月を眺めながらそんな事を思い、いつか素直になれる日を夢見るのであった。


カンッ


ツンツン怜 気に入ったんで『大阪暮らし』とは別でシリーズ化しやす。
あれとは別物と考えてもらえばいいかと
ツンツンもいいけど素直になれないのもいいよね!
それじゃのー

<たけのこVSきのこ>

哩「う~……」

姫子「がるるるるぅ」

京太郎「なにこれ」


いつもどおりに部室にやってくると哩と姫子が睨み合い、呻りあっている。

正直な話この2人が喧嘩をしている所は始めてみるので物凄く驚いた。


京太郎「この2人って喧嘩するんだな」

煌「結構しますよ?」

美子「うん、一ヶ月に1回の頻度で」

京太郎「ほほぅ、それで一体何が原因で……」

哩「きのこ しかなか!」

姫子「いえいえ、たけのこ とです!」

京太郎「あー………」


何が原因かと聞こうとするも聞く前に理解出来てしまった。

そして口を開かない方が賢明という事も察した。

この手の物は他人が入るとややこしくなって面倒なのだ。


姫子「はっ!きのこなんていやらしいもん食べっとっとですか」

哩「ふん、いやらしいんはそんな想像しとっと姫子やろ」

京太郎(こっち見るな、俺はきのこ違う)

哩「たけのこなんてクッキー少なか、バランス悪いけん」

姫子「わかっとらんです、あいがよかなんです」

哩「あいなら、チョコ板でも食べてろ」

姫子「言いましたね」

哩「あ゛ぁん?」

姫子「きのこなんてやーらしかなん食べて部長は子供とですか」

哩「やーらしかでよか!見た目で判断すっとほうが子供やろ!」


姫子「むー!」

哩「うー!」

京太郎「………」

哩&姫子『京太郎はどっち!!』

京太郎「飛び火したー!」

姫子「たけのこやね?」

哩「ずっこー!」


何も答えずにじーとしていると姫子がすすっと寄ってきて腕に体を絡めてくる。

それを哩が怒りの声で咎め、自分もだと言わんばかりにあいてる方へと抱きついてきた。


姫子「ぶちょー!」

哩「そっちがさき!」

京太郎(胸がー!胸がー!ないようであるな、この二人!)

哩&姫子『京太郎!』

京太郎「……俺はオレオ派なので!」

姫子「なしてー!?」

哩「オレオ……ぷっ」

京太郎「オイ、コラ……笑いやがったな」

姫子「………」

哩「………」

京太郎「………」


哩姫京太郎『戦争じゃー!(だー!)』


仁美「好きな物ば好きに食べたらよか、『酢コンブ』うまうま」

煌「ちなみに『アルフォート』が好きです」

美子「『鈴カステラ』かな」


カンッ!

ちなみに自分は特に気にせず好きな物を好きに食べる派です
悩んだら両方買って楽しめばええやん


色んな覇権あんねー
きこりの切り株は本気で忘れてたわ
てかあれってネットでしか見たことないなー
本当に売ってるんやろか?




「本当にいいの」

「いいから、いいから」


先ほどからしつこく何度も聞いてくる咲に苦笑する。

いつもなら大丈夫だと言えば理解してくれるのだが、今回ばかりは必死に縋ってきていた。

それほどまでに真剣なのだろう。


『咲さん?』

「ほれほれ、いけいけ」

「むー……判った」


遠くから和が咲を呼ぶ声が聞こえてくる。

先ほどから此方に構いきりなので不思議に思ったのだろう。

頭をぐりぐりと撫で回した後に背中を押してやると渋々と言った形であるが皆の所へ向かった。


「……さてと」


暫く咲の後ろ姿を見送ると渡されていたデジタルカメラを構え皆を納める。

清澄高校の県大会優勝、そのお祝いとして皆で写真を撮ろうと言う話になり、京太郎が撮る事になった。

別に虐められている訳でもハブられている訳でもない、自分で進んで撮ろうと思ったのだ。


(……写れねーよな)

『―――!!』『―――』


カメラ越しに咲達を見ると皆で笑い合い、嬉しそうにしているのが良く見える。

今回の件はあそこに自分が入る資格がない、そう思ってしまったのだ。


(大会に出て本当に良かった)


この大会に出て自分に足りない物-資格-を改めて知ることが出来た。

自分には、真剣さが足りなかった。

麻雀は負けても勝っても楽しいと思っていたし、今もそう思う。

だが負けても楽しいから勝てなくてもいいやとはならない。

結局の所自分は、ただただ麻雀で『遊んでいた』だけだったのだ。

それを真剣に勝つ為に全力で打ち合う選手達を……咲達を見ていて自覚した。


(これは自分に対する戒めだ)


唇をぎゅっと噛み泣きたくなる気持ちを抑え込む。

きっと自分は、これから先大会に出るたびにこの写真の事を思い出すだろう。

それはきっと辛くて苦しくてどうしようもないほどに苦痛であると判っている。

それでも入らない、入れない。


(最後か……)


ふとカメラ越しに部長の姿を見てそんな事を思う。

この大会を最後に部長は引退だ。

この『5人』と一緒に写れる最後の機会は終わった。


(馬鹿だな……俺も)

『京ちゃーん!』

「おぅ!撮るぞー!」


咲に呼ばれ意識をカメラへと集中しシャッターを切った。

小さな箱の中では咲達が微笑んで楽しそうに幸せそうに嬉しそうに此方を見ていた。










「―――」

「あら、よく撮れてるわね」

「!!」


撮った写真を確認していると背後から重さと体温が伝わってくる。

自分とは違った、柔らかいふわりとした髪の毛が頬をくすぐると同時に甘い香りが鼻孔を擽った。


「部長ですか」

「なーに1人で黄昏てるのよ」

「あははは」


自分の肩の横から顔を出したのは部長だった。

部長は楽しげに目を細め、そのまま一緒に写真を見始める。

特に会話らしき会話もなく暫しの間、2人で見ていた。


「来年の今時なら顔出せると思うのよね」

「え?」


ふいに耳元でそんな事を言われる。

どういった意味だろうか。


「だからさ」

「………」

-来年まで待ってるわ-

「っ!!」


それだけを耳元で囁くとニカっと笑い、咲達の下へと歩いていく。

あぁ……本当に本当に――。


「あの人には敵わないな」


涙が零れぬように天井をそっと見上げた。


カンッ!!

総合でなにやら話し合ってたので自分はこう補間してる。
てかこういう風なら熱くていいと思うのだけど……。




「………」

「こんな所に居たんですか?」

「………部長ですか」

「もうお昼過ぎてますよ」


屋上でボーと寝転がっていると顔に影が掛かる。

ふと見上げればスカートを抑えた部活の部長……梢が居た。

言われたとおりに時計を見てみると確かに昼休みが終わる直後である。


「………あ~、パスで」

「……そうですか」


なんとなく授業を出来る気がしなく、それだけ言うと目を瞑る。

梢のことだから、これだけで察してくれたのだろう。

それ以上言及もなく静かになった。


「………」

「………」


キーンコーンカーンコーン……

そのままで居ると昼休みが終わる鐘が鳴り響く。

煩い位になったそれを暫く聞くと隣をチラっと見る。

そこには梢が座っており静かに本を広げていた。


「行かなくていいんですか?」

「…私もさぼりたい気分なんです」

「お嬢様なのに」

「そういうの関係ないですよ」


そう言って梢はくすっと上品に笑い本へと視線を直す。

どうしようかと思うものの暖かい日差しに押されそのまま目を瞑る。


「おやすみなさい、京太郎」

「………」


頭を優しく撫でられ日差しとは違った温かみを感じながら意識を手放した。


カンッ

絵を探してるところいい絵があったのでこのシチュで
劔谷高校の面々もええよな、皆好きですわ。

<華麗なるニートヒッサの1日>

「ふぁ~」


いつものふかふかのベットの上で身じろぎし欠伸を1つかます。

ぼけーとする頭を抱えながらぐっと両手を上げ背伸びをするともう一息ついてからベットから降りると

ふらふらとした足取りで階段を降り1階のリビングへと降りる。


「………誰も居ないわね」


頭を掻きながら辺りを見渡すも誰一人として居ない。

まだ起きたばかりで頭が働かないのかぼーと数十秒ほどした後に掲示板へと足を向ける。

壁に掲げられたホワイドボードには住人の今日の予定が書かれている。

    /: . : . : . : . : . : イ: . : . : . :/: . : . : . : . \
   . : . : . : . : . : . :イ: . : . : . : .//{: . 从:ヘ: . : . : . .

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  . : . : . : . : . : ./: . : .:/   〃   ヽ      V: . : . : ..
  . : . : . : . :{. :/: . : ./    /    、      V: . : .ヘ:.,
 {: . : . : . : .i:./: . : ./_,,, ィチ'"     ``'' ‐-- ∨: . : ヘ:,
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  ,: . : . : . : . : .ヘ          '       i: . : . .7
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        i: . : .ヘ'"{ノ       i、:;:;:;ヽ{: . : . ヘ
       ノ: . : . :ヘ〈         }:;:;:;:;:ヘ. : . : .ヘ、


(これ地味に面倒なのよね)


ホワイドボートには、いくつかの金額が書かれた紙とそれぞれの予定が書かれている。

優希:タコスを巡る旅に出るじぇ! PS:18時には戻ります

(帰ってくるところあるなら旅じゃなくて旅行よね)

咲:図書館に行って来ます

(この子、毎日図書館しか行ってない)

和:資格取ってきます

(その資格が役に立った事ないのよねー)

まこ:バイト

(これで何度目のバイトかしら)

桃子:―――で――っす!

(文字までステルス)

京太郎:仕事

(いつもどおりね)


皆のスケジュールを見た後、暫し考えた後に自分の予定を書き込む。



久:適当

「これでよし!」


自分の書いた文字を見て自信満々に胸を張る。

これほどにパーフェクトな予定もないだろうと思い、機嫌よく脱衣所へと向かった。


(……私の匂いがついちゃったわね)


脱衣所で着ていた自分の身丈に合っていない大きなYシャツの匂いを嗅ぐ。

ここ数日着ていたせいで匂いが薄れ、汗臭い。

さすがにここまでかと少し悩み洗濯機に突っ込むとシャワーを浴び髪を梳かし下着と服を着てからリビングへと戻る。


「ご飯うまうま♪」


用意されていた朝食を温め直し食事を撮りつつ時計に目をやると……。


13:00


「………いつもどおりね!」


前までの自分ならこの時間帯を見れば発狂物であっただろう。

だが、この生活を続けたせいか感覚が麻痺しなんとも思わなくなる。

駄目人間まっしぐらだ。


14:00

「………暇ねー……出かけましょうか」


だらだらとリビングにある大きなベットの上でごろごろとしてみる。

特に予定もなく面白いTVもやっていない為、暇で暇でしょうがない。

しょうがなく起き上がると髪を整え財布を持つと外へと出る事にした。


「……3日ぶりの外ね!」


………もう発言からして察しである。



15:00


「………」

『この状況はどう見ますか、須賀プロ』

『そうですね……ここは――』

「あら」


ふらふらと街を歩いているとビルについている大きなディスプレイから聞き覚えのある声が聞こえてくる。

足を止め、見上げると現在居候中である家主の京太郎が映っている。

隣に居るアナウンサーとコンビで大会の中継を行なっており、辺りに視線を送れば同じく足を止め見ている人が多く居る。


(ぼちぼち人気よねー)


麻雀プロとしての腕は中の上ぐらいだが、持ち前の明るさとお人よしさが受けTVに良く出るようになった。

本人は本職より儲かると嘆いていたが……。


16:00

「………」

値段:20000円


じーと服を持ち、着合わせるも値段を見てから財布の中身を見てみる。


財布の中身:2000円

         /: . : . : .>イ:.イ: . ヽ: . : .\

        /: . : . : /   {/从ノヘ: .ヽ: . : . ,
       /ィ'": . : /,   ー - ,,__V: . : . : . ,
      〃,: . : . //     ,,,     V: }. i: . :.
      〃 . : .:.:/       ,ィf乏ォ、, V:!:リ. : . .
     /  ,: . :/ ,イ禾ヾ     ら::.リ } .}: /: . : . ,
    ,'  ,: . :.A,{!乂:::リ     `ー'   ハ: . : . : .:
    {  .i: . ,':..,` '"  '       ,イ: . : . : . :.
       ,: .{: .ハ            {: . : . 7: . ,
       V: . : ハ _    -‐-    V: . : {: . :
       ヽ: . : .ヾヽ        , <}: . : i: ./
         ヽ: . :∧ヽ 、_n_, ィ |: .:ノ: . : {:/
         ノ: . : .∧ヘ}/^ヾ   i: ./: . : . {
       _/: . : .ノ:;:;{ イ/~ヽ,  {゙7: . : ノ: ヘ
     ,’‐-{: ../:;:;:;:ム  '".r、}    {ヘ: へ: . :.}<_
    7;/ =、 ヽ{`>、:;:;}   } ’ ̄ ゙̄i ヾ:;:;ヘノ 〃/、
   7;7´   \   _,,i__   i:;:;\   !:;:;:;:;:;:;:;:〃/  Y
   ,;;,'  ',   .\ {== ̄``ォ、:;:;ヘ !:;:;:;:;://  / .,
   ,;,'{   ヽ    V:;:;:;:;:;:;:=7 \:ヘ|:;:> '" ヘ.ノ  i!


「………無理よね」


ふっとかっこつけながら服を戻し、どうしようかと悩み始める。


(バイトは……嫌ね)


最初に思いついたのはバイトだ。

だが、すぐにそれを否定する、働きたくないでござる。


(……う~ん家事をやってお小遣いを貰うのも時間かかるし)


次に思いついたのは家事などをしてお小遣いを貰うケース。

安定してお金は入るし安心できるが2万まで溜まるのが遠い。



(なら……あれしかないわね)


あまりやりたくないのだが、最後の方法を取る事にした。

携帯を取り出し、辺りを探索しあるお店を検索する。


18:00

「ツモ!!4000・2000!!」

「うぉおーー!!」

「もう……ありません」

「勘弁してください」


「これで良し!」


雀荘にて巻き上げる。

見事に勝ち続け目標である2万まですぐに辿り着く。

昔取った杵柄というかこういう時に地味に役に立つ……あまりやりたくないことなのだが。


「これでゲットー……とぉ?」


売り切れ


「………帰ろう」


19:00

「ただいまー」

「おかえりなさい」

「丁度ですね」

「ご飯だじぇー!」

「すっす」

「ふふふ……またバイトクビになった」

「……えぇー何この予定表、俺とまこ先輩以外働いてないんだけど」


家に帰ると既に他の住人は帰っており食事の準備をしている。

いいタイミングで帰ってきたようだ。


21:00

「わっわっ!」

「ふっふっふ、甘いじぇ!」

「優希がですね」

「誰にも狙われないっす」


お風呂から上がりリビングに戻ると咲達元1年生組みはゲームをしている。

他の人はと頭を拭きながら辺りを見渡すとまこはお酒を飲みつつ机に潰れ京太郎はベットで横になっている。

さて自分は何をしようかと思いつつも足は既にベットのほうへと向かっていた。


「んん~~♪♪」

「………っ」


ぼふんと大きくベットに飛び込むとずりずりと這いより京太郎の胸の上で頬ずりをし始める。

咲達とゲームも良し、まことお酒を飲むのも良し、だがそれ以上に甘える方が先だ。

猫のごとし、頬を摺り寄せ匂いを堪能する。

昔は気付かなかったが京太郎の傍は頼りになりとても安心できる。


「……久先輩、俺のYシャツ着るのやめません?」

「や~」

「あと……胸見えてます」

「見てもいいのよ?」

「下着ぐらいつけて」

「穿いてるじゃない」

「上も!」

「やーよ、息苦しい」


顔を真っ赤にさせる京太郎を見てくすくすと笑い、また胸に抱きつく。

京太郎はそんな自分に呆れ、何も言わなくなり、自分の事へと没頭する。


「なにそれ」

「明日の大会の組み合わせです」


体を反転させ背中を預け先ほどから見ている資料を覗き込む。

中には麻雀大会の組み合わせが書かれており、見ていくと懐かしい名前がいくつかあった。



「清澄、白糸台、千里山、姫松……あら、宮守もあるのね」

「懐かしい面子ですよね」

「そうねー」


出場している高校名を見て懐かしそうに二人して微笑む。

あの時は本当に楽しかった。


「あの時に戻れるなら……」

「戻らないわよ?」

「………」

    ,..::::::::::::;::::::::::ハ;' \::;k;ヾxヘ⌒  ,,>、:ヽ;:::::::::::::::::::::::\

.    /::::::::::::/:::::::::イ  ヽ   ' 〆'  ,;;≠ヌミヾ;:!;::::::::::::::::::::::::::ヽ
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.         \     \ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\         {:::::/
           ヽ    ゞミ,;;;:::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::/i\    , ヾ;:i|
                  ̄ ̄ ゙ ミ、::::::::::::Y ,イ  ヽ  ./ /j

「今の生活が大好きだもの」


京太郎の言いたい事は良く判る。

もし今の状態で戻れればあのような失敗はしなかっただろう。

そうすれば自分はトラウマを抱えることもなく平凡に働いていたかもしれない。

だが……そこには。


「戻っても人生が幸せになるか判らないし、今幸せだから……」

「久先輩」


体を反転させ前から抱きつく形になると上目遣いで京太郎を見上げた。

そこには自分の過去を知っているが為に悲しげな目をしている京太郎が居る。


「………それってつまり、堕落した生活を続けたいって事ですよね」

「てへっ☆」


と思ったが、ため息をついて呆れた表情で見られる。

ぶっちゃけて言えばそれに尽きるので何もいえない。


「甘えて甘えて甘え抜く生活を覚えちゃったし、戻っても働くの無理ね!」

「うわー……ひでぇ」


確信して言える、昔に戻ってもまたこんな生活に戻るだろうと。

手放すわけが無い、こんなに幸せなのだから。




22:00

「ぐ~……」

「……かえっれ!」

「や~……今日は甘え抜くと決めたのよ」


京太郎のベットの上で彼のまくらを抱き枕に寝始める。


「はぁ……おやすみなさい」

「おやすみ~♪」


結局の所、疲れているのか京太郎の方が折れ寝に入る。

その際に枕を取られたので京太郎を抱き枕にして寝に入る。

あぁ……本当に本当に。

          イ: . : . イ: . : . : . : . : . : . : ヘ: . : . : . : .

        ./: . : ..//: . : ハ:ヘ: . : . : . : . : .', : . : . : .:
       . : . : . :/  {ハ: . {  ヾ}V: . : . : . : . :', : . : . : :
      . : . : . , '    ` ヽ:{、 ノ V: . : . : . : . ', : . : . : .
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   〃': . :7 ',    ‐ァ==ォs、   }: . : . : . : . : . : . : .

    / {: . {i! }    '´ ら::::. リ ヾ、 : . : . : . : . : . : . : .:
   ,' i: . {  リ      { .ij::. ,'   ヘ ,: . : . : . :.リ. : . : . :
   {  V:.{ ノ      ゝュノ      ,: . : . : . :7: . : . : .
   ヽ  >' ´              从: . : . :.,' : . : . : /
     ',         //       ハ: . : . : . : . : . :./: .
     {                 /: . : . : ./: . : . : ;イ: .:
     {                  /: . : . : ./: . : . : /:.{: . :
     ',  __             /: . : . : ./: . : . :..7: ..!: . :
      ', ‘ー’         /:.,イ: . : . : . : . : . : .{: . :{: . :
       ,             /:/ {: . : .7: . : . : . : ..!: . : . :
                 {:.{ i: . : ..{: . : . : . : . :ヘ: . : .:
        、        ヾヽ ,: . : .iヘ: . : . : . : . : \: .
         ー  --   、  \',: . :.ヘ \: . : . : . : . : ヽ
          }: . : . /: . : ',  .\: . :ヘ \: . : . : . : . :

          ノ:ハ: .:7: . : ..∧     \:.:ヘ-‐'\: . : . : . :


(幸せよね~♪)


今日も幸せな1日であった。

<華麗なるニートヒッサの1日 カンッ> 

須賀家の居候 シリーズ

人物紹介
須賀 京太郎
年齢27歳
大学を卒業し念願の麻雀プロに就職。
オカルトも運もないものの諦めない姿勢が好感を呼び人気がでる。
居候を6人抱える身なのでメディアの露出も増え、金銭的に余裕も出てきて本人はほっとしている。
ただ、居候のおかげで麻雀の腕も上がっており何とも言えない気持ちも抱いている。
ちなみに『初代牌のお兄さん』にもなっていたりする。
余談:牌のお姉さんは『由暉子』

竹井 久
年齢29歳
大学卒業後、人柄やカリスマのお蔭で会社でも大分良い位置にいた。
だが人気があった為、妬む人も多く気付けば人間不信一歩手前まで追い込まれるハメに。
茫然自失となり雨の中を彷徨っている時に京太郎に拾われ今に至る。
昔のトラウマは今はほとんどなく、働けるが本人は働く気なし。

前の『面接』ネタの続き物の予定
ここまで考えるも趣味丸出しなので続きをどうしようかと悩み中
読みたい人いたら、他の面子も書こうかな


<ツンツン怜と京太郎 死んだ振り編>


京太郎「え……死んだ振り?」

浩子「そそ、して見てくれへん」

セーラ「ほら、怜は京太郎に対してツンツンやろ」

京太郎「まぁ……そうですね」

怜『なぁ……なぁ……死んでくれへん?』


セーラの言葉で京太郎の脳裏に笑顔でそんな事を言い切る怜の顔が思い浮かぶ。

あの人は自分をどれだけ嫌っているのだろうかとふと思った。


竜華「でも~ほんまに嫌いなら無視すると思うんよ」

京太郎「そう……ですかね?」

泉「本当に嫌いなら関わりたくないやろ」

浩子「それなのに何時も傍に居るし一応会話は出来るしなー」

京太郎「罵倒込みの上にゴミを見るような視線なんすけど」

竜華「嫌も嫌も好きのうちや!」

京太郎「違うと思うなー……あの人の場合」

セーラ「まぁまぁ……それでなー!流石の怜も京太郎が死んだら悲しむやろと思ってな」

京太郎「判りましたけど……死んだ振りとかってバレルと思う……」

浩子「じゃじゃじゃじゃーん、龍門渕イタズラシリーズ『死んだ振り用』」

京太郎「………」

浩子「その薄い布つけると心臓音とか鼓動が判らなくなるらしい」

京太郎「……まじで?」

浩子「まじで」


なんともご都合主義な道具が出てくる、これは断れなさそうだ。

しょうがなく京太郎は袋を開け体にそれを着込んでいく。

表面上ではバレないようなのだが……本当にこれで大丈夫なのだろうかと一株の不安が心に残る。


竜華「ほな、開始やな!」

京太郎「………おー?」


京太郎以外乗り気らしくそれぞれが色んな所に隠れていく。

どうやら覗き見る気満々らしい、しょうがなくその場で仰向けに倒れなるべく動かないようにしてみる。


京太郎(どうなることやら)


ほんの少しの不安と期待が混ざり合い、胸がドクンドクンと鳴り響く。

このやり方は気に入らないが、怜がどう思っているかはすごく気になるのだ。

彼女の本心はどちらなのだろうか……。



京太郎(来た!)

怜「おろ……誰も居らん」


数分待っていると扉を開け怜が入ってくる。

チラっと薄目で見ると何時ものように京太郎の姿のぬいぐるみを抱きしめ辺りを見渡している。

さすがに1人も居ないのは不自然すぎたかと思いつつも目をしっかりと瞑りなおした。


怜「う~ん?」

京太郎「………」

怜「………」


足音が近づいて来て、直ぐ傍で止まる。

部室の真ん中で寝ている京太郎を不思議そうに眺めて暫しの間思考した。


京太郎「!?!?!」

怜「誰も居らんなー」


暫くするとお腹にドスンと重さが加わり、京太郎は声を出しそうになる。

行き成りの事で止めていた息を吐きそうになり冷や汗が出てくる、後地味に痛い。


京太郎「………」

怜「ふぁ~………」


チラっと薄目を開け見てみるとお腹の上に座り込む怜が見える。

どうやら椅子として使われたようだ。

お腹に座っている為、ばれないように呼吸も出来ずひたすら気付くまで我慢を続ける。


怜「おろ…??」

京太郎(ぷはっ)


動かないお腹を不思議に思い怜が1度立ち上がる。

その隙に息を静かに吐いて出来る限りの空気を吸い込んだ。

いつまでこれが続くのだろうか、先ほどまでのドキドキとは逆に辛くすぐにやめたいと思も我慢した。


怜「う~ん?」

京太郎(くすぐったい!)


お腹を触られ、胸を触られ、首元を手で触れられる。

怜の冷たい手があちらこちらに触れられ思わず笑いそうになった。

それでも引っ込みがつかないので意地でも演技を続ける。



怜「………死んどる?」

京太郎「………っ」


怜の声が聞こえる。

いつもの様な声でなく無機質な感情がなにも感じられない声にビクりと体が震える。

一体どのような表情をしているのだろうか、怒っているのかどうでもいい相手だから何も思ってないのか

ただただ驚いているのか……それとも―――。


怜「………」

京太郎「………」


怜の手が体から離れ痛いほどの沈黙だけが部室に残る。

京太郎からは何も出来ない為、動かず何かしらの反応が出るまで待ち続ける。


怜「………電話せんとな」


それからどのぐらい経っただろうか。

数分間か数十分か、兎に角長い沈黙の後に怜がごそごそと何かを取り出しそう呟いた。

話の流れ的に携帯を取り出したのだろう。


竜華「わわ!待った!待った!」

怜「りゅーか?」

セーラ「ちょいまち!」

怜「セーラも……何してんの?」


さすがに警察などに連絡されるのはやばいと判断し竜華とセーラが飛び出した。

そんな2人を怜は不思議そうに眺め、目をパチパチとさせている。


浩子「うわー……驚くほど変わってないわ」

京太郎(知ってたけどショックだ)

泉「普段通りやね」


怜の顔色は普段通りであり、若干顔を青くしているぐらいで留まっていた。

顔色のほうは普通知人が亡くなっていたらこうなるだろうと判るので参考にもならない。

怜になんとも思われていないと判り京太郎はショックを受け堪えた。


怜「それでどういうこと?」

竜華「じつはなー……」


素直にイタズラを白状し怜に事情を説明していく。

最初こそ、不思議そうにしていた怜も説明を受けていくごとに表情をなくし雰囲気が悪くなってくる。

普段温厚な怜もこれには怒っているのだろう。

今までに見ない怒り方に説明をしていた竜華もしどろもどろになっていく。


怜「なるほどな、京太郎……顔だしてなー」

京太郎「……はい」


怜が急ににっこりと笑いそう告げる。

京太郎は大人しく、怜の前に顔をだしていく。

先ほどの怜以上に顔を青くし死刑台に上る囚人のような有様だ。

バシーンとけたたましい音が鳴り、京太郎の頬が叩かれる。


竜華(あぁ……あかん)

セーラ「やっばぁー……」


頬を叩いた後、にっこりと笑っていた顔は無表情となり、これまでに見たことのないほどの冷たい表情で竜華達を見据えた。

親友の2人でさえ向けられたことも無いような瞳を受け、全員が事態を理解する。


怜「………帰るわ」

竜華「ときーー!!まってー!」

セーラ「ごめーん!!」


ぼそりとそれだけ言うと怜は荷物を持ち、廊下へと出て行く。

そんな怜を暫しの間、呆然と眺めた後、すぐさま竜華とセーラが追いかける。

泉も駆け出そうとするも浩子に腕を捕まれ止められる。

泉はもどかしそうに浩子を見るも浩子は首を振り2人に任せようと視線を送る。


浩子「私らはこっちやろ」

泉「あー……」

京太郎「………頬は痛くないけど心が痛い」


浩子と泉の視線の先には項垂れ涙目の京太郎が鎮座していた。

既に真っ白に燃え尽きており、2人は自分達が原因であるので慰めるべく頑張るのであった。



結果的に言えば、怜は一週間ほど誰とも喋らず、声を掛けられても冷たい視線を送るばかりであった。

さしもの竜華達もいたずらが過ぎたと何度も謝り、ようやく許される。

しかし、京太郎だけは………。


怜「あほー」

京太郎「はい」

怜「まぬけ」

京太郎「…はい」

怜「ばか」

京太郎「……はい」

怜「とり頭、不愉快男」

京太郎「………何も言えません」


部活へと向かう途中に怜と京太郎は鉢合わせをする。

暫くの間、立ち止まりお互いに固まるも怜がすぐに京太郎の後ろに移動し愚痴愚痴と言われ続ける。

ここ最近のルーチンワークであり、ここ1週間ほどずっとこれが続けられていた。

前よりも仲が悪くなったように感じられ京太郎は嘆くのだが、少しだけ変わった事もある。

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           __ -=ニニニニニノ           ∨ニニ=- __

                     怜「し………し……」

京太郎「怜さん?」

怜「……知らん」


突如口ごもる怜を不思議に思い振り向くと怜は少し悲しげな顔になり、そっぽ向いてしまう。

あれ以来、京太郎に対して怜の口から死に関連する言葉は1度も出なくなった。


カンッ!

精一杯のデレ


<一途でナイト>


「………」

「どうかしましたか、姫子」

「えっ……な、なんでもなか」


ボケーと眺めていたせいか、気付かないうちに傍に花田が寄ってきていた。

慌てて誤魔化すも言い訳苦しく花田は、にやにやといやな笑みを浮かべ私の視線の先を追った。

どうやら先ほどから見ていたらしく、最初からからかうつもりだったのだとわかり軽く拗ねた。


「京太郎君、元気ですね」

「………うん」

「何か彼とありましたか?」

「なんも」


視線の先にいる後輩であり、新道寺高校唯一の男性でもある須賀 京太郎へと視線を送りつつ花田にそう答える。

京太郎は、今卓に座りあたふたしながら先輩達と麻雀を打っていた。

そんな京太郎を見つつも脳裏では先日あった事を思い浮かべ、どうしようかとまた悩み始める。

事の始まりは数日前、たまたま京太郎と2人で部室の掃除を行なっている時だ。


『姫子先輩、俺はあなたのことが好きです』


真剣な表情で告白された。

前から自分に対しての好意は薄々だが感づいてはいた……だがまさか告白されるとは思っても見なかった。

人懐っこそうな笑顔にお人良しな性格、髪は不良みたいに金髪だが性格や行動は正反対

先輩や同学年の子の受けも良く、良く噂になってるのも耳にする。

そんな彼に告白され驚きながらも私は返事を返した。


『ごめんなさい』

『………』


残念ながら京太郎がどれだけいい人であろうと私自身は彼に好意を抱いていなかった。

すぐさま頭を下げ断りを入れると痛いほどの沈黙が場を支配する。

何十秒か経ってから頭を上げると京太郎は無理な笑みを浮かべていた。


『……ありがとうございました』

『ごめんね?』

『いえいえ……さぁ、掃除を続けましょうか』

『うん』


その後、ふわふわとした気持ちになり、京太郎が何度か話題を振ってくれたのにも関わらず

碌な返事も出来ず終わった。

そういった出来事があった為、京太郎に変化はないかとみていたのだが。


(特に変化なし、いつもどおり)


これまた拍子抜けするほどいつもどおりであった。

そんな彼を見て胸がモヤモヤとし言い知れぬ物を感じた。


「大丈夫ですよ?」

「え?」


不安が顔に出ていたのだろうか、花田は視線を京太郎から話さずそう言った。

大丈夫、大丈夫、彼女は一体何をもって私にそんな返事を返したのだろうか。

暫しの間、考え込むも答えも今の感情がなんなのかも判らなかった。


「姫子は………いえ、これは私が言うべきことではないですね」

「む~どういうこと?」

「姫子は知るべきですね」

「知る……べき……?」

「言えるのはこれだけです」


謎の言葉を残し花田は去っていった。

知るべき……一体私は何を知れと言うのだろう。

更なる疑問が増え、胸の内にモヤモヤが溜まり、呻り声を上げる。

判らない、何故……何故、私はこんなにも――に駆られるのだろうか。


「……姫子先輩?」

「ひゃぅ!」

「わっ」


うーうー呻っていると男性の声で声を掛けられ、自分でも驚くほど飛び跳ねてしまう。

あわあわと手を大きく振り慌てて立ち上がり後ろへと距離を取り相手を見据えた。

そんな私を不思議そうに京太郎は見つつ、今まで私が座っていた椅子の前の机に何かを置く。

良く見ればそれは、私の大好きなケーキだ。


「先生からケーキ差し入れですって」

「あぁ……そういうこと」

「姫子先輩が何時まで経っても取りに来ないので……」

「ありがと……そいにしても好いとーなん知っとっと?」

「前に自分で話してたじゃないですか」

「………そうだっけ」

「そうです、それじゃ俺はこれで」

「うん」


どうして知っているのかと聞けば前に自分が話したと教えられ、そんな事もあったかなと思い出す。

自分の好きなケーキを持って来てくれた京太郎に更にモヤモヤが募る。

本当に何なのだろうか……。


「第1回京太郎君慰め会!」

「ちゅー」

「………いぇーい?」

「なんだこれ」


自分の部屋で3人の先輩が飲み物を片手に騒いでいる。

時間を見れば既に午後9時を回り、同じ寮とは言えいい年した男女が一緒に居るのはどうかという時間帯だ。

まぁ……言った所でこの人達は帰らないだろうから言わないのだけども。


「そいで振られた?」

「うぐっ」


のんびりと我冠せずに飲み物を飲んでいると先ほどまで静かに飲み物を飲んでいた仁美先輩が踏み込んでくる。

今まで平然としていたが振られて数日しか経ってないのだ。

心にくるものもがあった。


「……振られましたよ」

「そっか」

「………」

「………」


それだけ伝えるとまた黙り込み、マイペースに飲み物を口に含め始める。

仁美先輩に倣い、自分もジュースを口に含むも味がわからなかった。

やはり、平然としていても心は悲鳴をあげているみたいだ。


「……望み薄でしたしね」

「そうだね」

「……そうですよね」


煌先輩と美子先輩の2人の声に自分も同意する。

実際そうなのだ、姫子先輩が自分に興味を持ってないことは知っていた。

それでも少しの望みを賭けたのだが、駄目だった。


「はぁ……辛い」

「諦めます?」

「そいとも、頑張ってまた告白すっと?」

「………」


煌先輩と美子先輩の2人からそんな答えが返ってくる。

2人の言葉に少し考えるも答えは決まっていた。


「……諦めれるまで想い続けることにします」


これが今日の姫子先輩を見て出た答えだ。

姫子先輩を諦める事が出来るまで、次の恋が始まるまで……ずっとずっと彼女を想い続けよう、そう思ったのだ。

勿論、これ以上言い寄るつもりもない、静かに邪魔にならないように見守るだけだ。


「そうですか」

「………んっ」

「………」


3人の先輩は自分の答えにそれだけ言うと軽く微笑んでくれた。

てっきりヘタレとか等の罵倒が返って来る思っていただけに少々拍子抜けである。

それでもやはり、自分の気持ちが肯定されると嬉しいものがあった。


「飲みましょうか」

「飲もう」

「既に飲んでる」

「むしろ仁美先輩は飲みすぎかと……」


新しい土地での新しい生活は良い人達に囲まれながらになった。



「う~ん」

「何呻っとっと」


自分の自室で枕を抱いて呻っていると部長が2段ベットの上から顔を出す。

そこまで呻っていただろうか、どうやら心配をかけてしまったらしい。

とりあえず、心配をかけるほどでもないので大丈夫だと返事を返す事にしよう。


「だい……「姫子は……」……え?」


返そうと思った矢先に部長が口を挟んでくる。

部長の表情は、何時も以上に真剣でこっちまで緊張が伝わってくるほどだ。

緊張が伝わったせいか、ごくりと唾を飲み込む。


「姫子は京太郎んこともっと知ったほうがよか」

「え?」

「そいがよかね」


部長の言葉は昼間に花田に言われた事と似ており、唖然とする。

どうやら私以外の人はよく判っているらしい。


「京太郎ん事って……既に知っとっとです」

「ふ~ん……どんぐらい」

「長野出身で……共学化んテストケースで入ってきて」

「………」


後輩なのだ、部長に言われずとも京太郎の事は知っている。

幾ら部長とは言え、少し腹に立ち、知っていることを指折りに伝えていく。

彼の出身地、どうして新道寺に来たのか、彼の性格に……それに……。


「はぁ……やっぱい、姫子は京太郎ば知れ」

「………」


自分の知っていることを伝えると部長が呆れたようにため息をついて戻ってしまった。

胸のモヤモヤが更に広がり、苦しくなってくる。

自分以外は答えを知っている、問題の前で自分だけが答えを見つけられず苦しんでいる。

そんな状況に少し憂鬱になった。



「………」

「ひ~め~こ?」

「あっ……なに?」


結局、次の日になっても何も判らずモヤモヤとした気持ちを残したまま部活へと足を運ぶ。

大会も近いので麻雀にも力が入るはずなのだが、昨日の部長の言葉が脳内を過ぎり、中々集中できなかった。

今もぼーとしていて花田に注意をされてしまった。


「一休みしますか」

「……ごめん」

「いいよ、いいよ」

「そそ、大丈夫」


あまりに集中できていない私を見て同卓の仲間達が休憩を取ってくれた。

あぁ……自分のみならず、他の人達にも迷惑をかけはじめている。

これではいけない、駄目駄目だ。


「姫子は何飲む?」

「ええっと……お茶」


同級生の1人がお湯の入ったポットを揺らし聞いてくる。

頭の中で色んな飲み物が出てくるもお茶を貰う事にした。

今は少しでもほっとしたい、心からそう思ってのことだ。


「あっ……姫子先輩」

「ひゃわっ!?」

「ちょっ!?姫子!!」


もやもやの相手である京太郎に呼びかけられ驚いて立ち上がると色んなことが瞬間的に起こった。

立ち上がると誰かにぶつかり、その直後視点が反転、何かが地面に落ちる音、悲鳴、何より直ぐ傍で苦痛の声が聞こえる。


「っ……!!」

「京太郎、姫子!」

「誰かー!水!!」

「タオル!タオル!!冷蔵庫に保冷剤あったでしょ!」


巡るましく動く場面に何が何やら判らず、目をパチパチとさせる。

なんとか彷徨っていた視線を前にあわせると金色の髪の毛が目の前に見えた……京太郎だ。

どうやら自分は京太郎に抱きかかえられる形になっているらしく、浮遊感も後からやってきた。


「姫子っ!!」

「わわっ!?」

「京太郎君、手を!!」


何があったか判らないでいると横から手が伸びてきて別の人に抱きかかえられた。

今度は誰か直ぐに判る、部長だ。


「救急車!」

「先生も呼んで!」

「姫子、大丈夫か?」

「あい、私は……」


目の前に広がる状況に目を合わせようやく、状況を理解した。

自分の足元で京太郎が手を押さえ苦痛の表情をしている。

京太郎の右手は真っ赤になり、床にはポットと湯気が立っているお湯がまかれていた。

私が驚き立ち上がった時にポットに当たり、それを京太郎が庇ってくれたのだろう。


「あっ……」

「――!――!」


それだけを理解すると意識が反転する。

視界が暗くなり、思考が落ちていく。

不安定な心に今回の事件で緊張がたまりすぎて意識を失った。




「………部長、京太郎?」

「姫子」

「良かった!」


目を覚ますと視界に部長と京太郎の顔が見える。

ぼーとする頭をなんとか働かせつつ辺りを見渡す。

白いベットに白いカーテン……どうやら保健室のようだ。


「あっ……京太郎、腕」

「あー……大丈夫です、ほら」


何があったか思い出し、京太郎の腕へと視線を向ける。

そこには白い包帯が巻かれ痛々しい手が其処にあった。

それでも私に心配させないようにか元気に笑顔で腕をあげる。


「何が大丈夫か、大会出れん癖に」

「えっ?」

「あっはっは」


笑顔の京太郎に部長が爆弾発言を落す。

大会に出れない……それって……。


「暫く牌も持てん、出れるわけなかよ」

「ごめん」

「大丈夫ですって!まだ1年生ですし、初心者ですからどうせいい所もいけませんし!」


申し訳なく、しゅんと落ち込むと腕を振り慌てて慰めてくる。

慰める側は此方だと思うのだが、これも彼なのだろう。

腕を振るう京太郎を慌てて部長が止めに入る、そんな光景を前に私は少し笑ってしまった。


「ようやく笑った!」

「はぁ……無茶すんな」

「んっ……本当にごめんね」


もう一度謝罪すると京太郎はにっこりと笑って許してくれた。

……胸のモヤモヤが更に深まった。


「こいでよし」


あれから数日後、何事も問題なく日々が過ぎていく。

そんな中、京太郎に何かを返そうと思い立ち、厨房を借りお菓子を作る事にした。

あの後もモヤモヤは強くなる一方で言い知れぬ感情が渦巻いている。

それを無意識のうちにでも取ろうとした行動でもあった。


「できた!」


数時間経ち、ようやく出来たクッキーを見て頬を緩める。

我ながら上手く焼けたようだ、焼けたクッキーを綺麗にラッピングし部屋へと戻る。

自分でも味見はしたが、他の人の口に合うか判らないので部長に食べてもらおうと思い立っての事だ。


『用事って……』

「京太郎?」


部屋へと戻り扉を開けようとすると中から京太郎の声が聞こえてくる。

どうして京太郎が部屋にと不思議に思い扉に耳を当てた。


「話したかことがあってな」

「お話?」

「泣いたか?」

「え?」


中から声が聞こえる、部長と話をしているみたいだ。

それにしても泣いたとはどういう意味なのだろうか。

目を瞑り、耳に集中をしだす。


「泣いた……とは?」

「誰にも泣き言、言ってなかよね?」

「それは……」

「初めてん大会」

「っ……!!」

「大会で戦って負けっと、出ずに負ける、意味が違い過ぎる」

「そ……っ」


部長の言葉に京太郎が何も言えずに黙り込む。

心なしか聴こえてくる声は震え声で何かを耐えている様で……。


「京太郎」

「………あぁ」

「京太郎!」

「あぁぁぁ……」


ドンと扉に何かが当たり、ずるずると何かが擦れる音が扉の下へと続く、たぶん京太郎が扉に寄りかかったのだろう。

扉に当たった事で音が大きくなり驚くもなんとか声を出さずに堪えた。


「泣いてよかよ、ぶつけてよか」

「くそっ……!!くそっ……!!!」


京太郎の泣き声が聞こえる。

今までに聞いた覚えのない声、悲痛な声が……。


「ハンドボールで肩ば壊し、新しく始めた麻雀も大会に出れず、悔しか」

「あぁ……悔しいです、出たかった!!」


知らなかった、京太郎が肩を壊してる事も麻雀に対する思いも……。

京太郎が麻雀部に入る時から自分への好意を隠してなかったのでてっきり自分を追ってきたと思っていた。

だから麻雀を続けていたと思っていた……だけどそれは違った。

京太郎は京太郎自身で決めて、真剣に取り組んでいたのだ。

胸のモヤモヤが少し消えた。


「判ってますよ!初心者ですし一回戦で負けることも!それでも……それでも出たかった……」

「………」


京太郎の叫びを聞いて扉から耳を離すと扉を背にし座り込む。

そして目の前の綺麗にラッピングされたクッキーを開け一口食べる。


「姫子に当たいばよか、そいばしなかやけん姫子が不安がる」

「っ!!」

「………」


部長の言葉を聞いて何かが頬を伝う。

それが口に元に辺り食べていたクッキーがしょっぱくなった。

あぁ……判ってしまった、見つけてしまったモヤモヤの正体を……答えを……。


「そう……でしたか、やっぱり……」

「京太郎だけやなく、姫子んせいでもあっと」


私は……怖かったのだ、不安だったのだ。

自分に振られた京太郎が何も行動に出さないから何かされるのかと不安になっていた。

振られたのに……どうして優しくしてくれるの?何を考えているの?

今回のクッキーも怖いからの行動だ。

何をされるか判らないから、先に行動して和らげようと……。

だって……私は……。


「京太郎ん事何も知らなか」


それに尽きた。

京太郎は私の好きな食べ物を知っている。

『これ好きって言ってましたよね!』

でも私は京太郎が好きな食べ物を知らない、知ろうとしなかった。


京太郎は私の好きな色を知っている。

『この色合ってますね、いいと思います』

でも私は京太郎が好きな色を知らない、知ろうとしなかったから。


京太郎は私が京太郎に興味ないことを知っていた。

『俺はあなたが好きです』

それでも私を少しでも知ろうと好きでいようとしてくれた。

だけど……私は京太郎を知ろうとせず、ただただ恐怖した。

知らないから、知ろうとしないから、相手が怖い、相手が行動するたびに不安になる。

あぁ……私は馬鹿だ。

10cm厚さの扉の前で私達は泣いた。


「すみませんでした」

「別によか、こっちこそ、すまん」

「それじゃこれで……」


暫くの間、泣き腫らし、京太郎はすっきりとした表情で帰っていく。

それを扉の前まで出て行き見送り、暫く待った後、反対方向の壁際へと近づいた。

壁の奥を見れば姫子が座り込み、じっとしている。

やはり、先ほどの事を聞いていたのだろう。


「姫子」

「………部長、私は何も知らなかったとです。知ろうとしなかった」

「そうやね、そいは……なして?」

「部長ん高校最後ん夏……大事な大事な」


前から何故姫子は京太郎を拒否するのか判らなかった。

何度か聞こうと思ったが無意識に近い形だったので聞きはしなかったのだが、今なら聞ける。


「そいなんに……たった一人ん男性が入ってきて」

「………」

「こん大会ん為に深めていた絆に異物がと思ってました」

「やけん……知らないで居たと?」

「怖かった、新しく入ってきた京太郎が……壊しそうで」


あぁ……やっと聞けた。

やっと聞けたのだ、姫子の本音が……。

そして理解も出来た、元より姫子は男性慣れを殆どしていない。

小学校の時はどうか知らないが、中学で私と出会い、麻雀にのめり込む。

中学校の時も私とずっと一緒で麻雀一筋で高校も女子高だ。

男性と触れ合うのは精々父親や先生だけだろう、そこに同い年位の子は居ない。

だからよく知らない人が入ってきて怖くて不安になって知ろうとしなかった、故に踏み込めなかった。


「部長……私はどげんすれば」

「知ればよか、今から少しずつ京太郎ば知ろうな」

「……はい」

「別に好いとーなれとは言わん、ばってん……あいつば知ってやれ」

「……はい!」

「あいつはよか奴やけん」

「はい!!」


一回毎に元気を取り戻す声に笑みがこぼれ、優しく優しく座り込んでいる姫子をぎゅっと抱きしめた。

いつから居たのか姫子の体は冷たくなっていたが、部屋で暖まっていた自分には心地よく丁度良かった。



あれから更に数日、私は会場に向かって足を進める。


「部長!京太郎!」

「んっ姫子か」

「出番ですね、姫子先輩」


足を進めていくと廊下の先で部長と京太郎と出会った。

京太郎は部長にジュースとタオルを渡しており、笑顔で此方を向いてくれる。


「決めてこい、姫子」

「はいっ!」


県大会決勝、ここで勝てれば全国へといける。

知らず知らずの内に手に力が震える。

やはり、何度経験しても大会は緊張する。


「姫子先輩」

「えっと……。……!!」


手を何度か握り返していると京太郎が片手を上げ名前を呼ぶ。

少しの間、京太郎の顔と手を見比べ意図を読んでいるとなんとなくやりたい事が判り嬉しくなる。


「いってらっしゃい!」

「いってきます!!」


京太郎の身長が高い為、少し飛び跳ね、手と手を合わせる。

3人以外、誰も居ない廊下にバシンと渇いた音が響き渡り、手に少しばかり痛みが走った。

その痛みは次第に熱になり、手から腕、肩、体全体へと伝わっていく。

手を何度か握り開くと既に振るえはなく、代わりに心の底から燃える物が滾る。

それがとてもとても心地よかった。


『決勝戦を開始します』

「………すぅ」


決勝戦の会場、椅子に座り配られた牌を前に目を瞑り深呼吸をする。

脳内で考えるのは京太郎のことだ。

あれ以来、京太郎とは今までの時間を取り戻すかのようにお互いを知っていく。

一歩一歩京太郎を知るごとに好きに近づいていくと感じる事があり、それがまた嬉しくもあった。

だけど、京太郎と出会って既に2ヶ月もの時間が経ち、全国大会もあり時間もない。

だから先生に相談し京太郎をサポート役として全国へ連れて行ってもらえるように頼んだ。

その結果承諾を貰ったのだが、同時に言われた事もある。


『決勝戦で他を圧倒しろ』


元より部長の為に頑張るつもりであった。

他の誰よりも強い絆を見せ付け、他を寄せ付けない、いつもどおりだ。

だが、今日は何時も以上に力が入る。

他の高校には悪いけど飛ばさせてもらう。

京太郎との時間をもっと作る為に一緒に居る為に犠牲になってもらおう。


「リーチ!!」


牌を開き最初の一打から飛ばしていく、今の私は絶好調だ。


カンッ!

何故か姫子を無性に書きたくなるときがある
何故だろうか……姫子病?

そして小ネタなのだろうか

<それぞれに甘え方>

怜の場合

怜「京君」

京太郎「う~ん?」

怜「寝にくいわ~」

京太郎「勝手に膝枕しといてそれですか」

怜「えへへ……でも安心出来てこれはこれで好きやわ~」

京太郎「そうですか」

怜「うん、もっと頭撫でてもええよ」

京太郎「はいはい」

怜「はふっ……なー京君」

京太郎「はい?」

怜「ずっとずっと傍に居てな?」

京太郎「出来る限り……100年先までもですかね」

怜「そやね~目指せ100年や!」


膝枕+撫でてもらう


姫子の場合

姫子「京太郎!京太郎~♪」

京太郎「………」

姫子「はぅ……京太郎♪」

京太郎「はいはい」

姫子「んん~……もっともっとぎゅっとしてよかよ」

京太郎「流石にこれ以上は壊れそうで怖いです」

姫子「そっか、ならこいでよか」

京太郎「抱きつくの好きですね」

姫子「ん!好いとー安心出来て、幸せで、ずっとずっとしててね?」

京太郎「はい」

姫子「えへへ♪」


抱きしめてもらう


桃子の場合

桃子「………♪」

京太郎「………何してんの?」

桃子「わっはー!見つかったっす♪」

京太郎「さっきから傍で動いてればそりゃな……」

桃子「あぁ……見てもらうっていいっすね」

京太郎「あははは……」

桃子「京ちゃんさん!もう1回っす!」

京太郎「……かくれんぼ?」

桃子「ふふふ……何度でも見つけてもらうっすよ!」

京太郎「はいはい、何度でも見つけてやるよ」

桃子「約束っす」

京太郎「約束だ」


わざと見つかる+見つけてもらう


照の場合

照「………」

京太郎「……雨ですね」

照「……そうだね」

京太郎「………」

照「………」

京太郎「飲み物取ってきましょうか?」

照「駄目」

京太郎「なら……お菓子を」

照「……駄目、動かないで」

京太郎「………これだけでいいんですか?」

照「これだけでいい」

京太郎「まぁ……こういうのも悪くないかな」

照「傍に居るだけで幸せ」


背中合わせで触れ合う+読書


咏の場合

咏「次あれなー!」

京太郎「はいは……うげっ」

咏「ミラクル3回転ジェットコースター!すごくね?」

京太郎「……まじで?」

咏「いくぜ!」

京太郎「………」


咏「あ~楽しかった!」

京太郎「……そうですね」

咏「次は……」

京太郎「まだあるのか」

咏「ここな」

京太郎「って……あれ?ホテル?」

咏「さすがに疲れたから、風呂入ってのんびりだ」

京太郎「結構高そうなんですけど」

咏「大丈夫、大丈夫、一番上等な所予約したから」

京太郎「何がどう大丈夫!?」

咏「高いから……誰にも邪魔されないだろ?」

京太郎「っ!!」


我ままを聞いてもらう+夜はべたべたに甘え倒す

小蒔の場合

京太郎「これは……あっちか」

小蒔「………」

京太郎「これは……あれれ、さっきで合ってるし」

小蒔「~♪」

京太郎「……これで掃除お終いっと」

小蒔「えへへ……♪」

京太郎「………」

小蒔「?」

京太郎「えっと……小蒔さん?」

小蒔「なんでしょうか、京太郎様」

京太郎「その……先ほどから俺の裾を掴んで着いてきますけど」

小蒔「ご、ご迷惑でしたか?」

京太郎「いえいえ、いいんですけど……暇じゃないですか?」

小蒔「これがいいです」

京太郎「そうですか」

小蒔「はい!」


袖を掴み着いて行く


久の場合

久「ねー賭け事しない?」

京太郎「いやっす」

久「つれないわねー勝ったらなんでもしてあげるわよ?」

京太郎「……なんでも!?」

久(あっ……釣れた、チョロイ)


京太郎「うぼぁー……」

久「私の勝ちね!それじゃーベットに座ってくれるかしら?」

京太郎「はい?」

久「よいしょっと」

京太郎「な、何を!」

久「ほらほら後ろから抱きしめなさい」

京太郎「えっと……でも」

久「罰ゲームよ」

京太郎「くっ……それじゃお邪魔します!(部長小さい!やわっこい!いい匂いが~~!!)」

久「えへへ……♪」


罰ゲームを装い、後ろから抱きしめてもらう

宥の場合

宥「さ、寒い!」

京太郎「ぐー……」

宥「お、お邪魔します」

京太郎「ん~……」

宥「あったかい~♪」

京太郎(……熱い)

宥「もうちょっと抱きついてもいいよね」

京太郎「……ぐー」

宥「ん~……良い夢見れそう、おやすみなさい」

京太郎「………」


京太郎「ほわー!?何で何で宥さんが!?」

宥「さ、寒い、開けないで」

京太郎「あっ、はい」

宥「あったか~い♪」


布団に潜り込み、抱きつきながら寝る


咲の場合

咲「京ちゃ~ん!」

京太郎「また迷子かよ」

咲「違うもん!場所を忘れただけだもん!」

京太郎「それを迷子っていうんだ」

咲「うぅ……」

京太郎「ほら、いくぞ」

咲「うん……あとさ」

京太郎「うん?」

咲「手を繋いでくれる?」

京太郎「逸れたら大変だしな!」

咲「うん♪」


咲「あのねー行きたいところがあってね?」

京太郎「付き合ってやるよ、お姫様」

咲「ありがとう、京ちゃん♪」


手を繋いでお買い物

美穂子の場合

美穂子「えへへ……♪」

京太郎「出来ましたよっと」

美穂子「わ~……美味しそうね」

京太郎「……美穂子さんのほうが絶対に美味いでしょうに」

美穂子「ううん、京太郎君のが食べたかったの」

京太郎「……そうですか」

美穂子「呆れたちゃったかしら?」

京太郎「いえ……その嬉しいです」

美穂子「よかった♪」

京太郎「美味しいですか?」

美穂子「とても……私の為に作ってくれたと思うと胸が暖かくなって幸せなの♪」

京太郎「っ!」

美穂子「京太郎君?」

京太郎「……少しだけ美穂子さんの気持ちがわかりました」

美穂子「?」


料理を作ってもらう


竜華の場合

竜華「召し上がれ~♪」

京太郎「頂きます!」

竜華「ほらほら、ゆっくり食べんと!」

京太郎「どれも美味しくて!」

竜華「ふふふ……」

京太郎「ぷはっ~美味しかったです」

竜華「お粗末様でした、お茶どうぞ」

京太郎「あぁ~……いいっすね」

竜華「うちも幸せやわ~♪」

京太郎「そうなんですか?」

竜華「頑張って作ってくれた物を幸せそうに食べてもらえる、嬉しいなって」

京太郎「……ま、また作ってもらっても」

竜華「!――もちろんや!一生作ったる!」

京太郎「!」

竜華「あっ……あはは……」


料理を食べてもらう

哩の場合

哩「あいは?」

京太郎「あれは……オリオン座」

哩「ふむ、ならあいは?」

京太郎「あれは……」


京太郎「寒くないですか?」

哩「んっ……京太郎が傍に居っと、寒くなかよ」

京太郎「そうですか」

哩「そそ」

京太郎「あっ……」

哩「どげんしたと?」

京太郎「流れ星が……」

哩「ん~?」

京太郎「タイミング悪かったですね」

哩「問題なか」

京太郎「でも……」

哩「京太郎ん眼ん中にしっかりと見えたから」

京太郎「っ!」


一緒に天体観測+腕に抱きつき


恭子の場合

恭子「きょ、きょうた…『京太郎!こっちや!』……」

恭子「京太郎!『こっちなのよ~』……」

恭子「こ、こんd『ちょっとええかな?』……」

恭子「……『ちょっとええですか』……でこにペンや!!」

漫「なんで!?」

恭子「きょ~たろぉ~……」

京太郎「うぉ!!どうかしましたか!?」

恭子「ぐすん、かまって」

京太郎「……え?」

恭子「かまえや~……」

京太郎「えっと……はい」


邪魔が入り上手く甘えられない+最後は涙目で訴え甘える

適当に数人ほど あなたはどんな甘え方がされたいですか?

自分はべったべたに甘えてくれると嬉しいです

それじゃのー

<それぞれの甘え方>

和の場合

和「それじゃ失礼します」

久「おつかれー……相変わらずキッチリね」

まこ「そうじゃのー……」

京太郎「………」


-和の家-

和「はふぅ」

京太郎「って部長達が言ってた」

和「真面目なのは良いことです(キリッ」

京太郎「俺の腰にしがみ付いていても説得力ないんだが」

和「これはこれ、それはそれ」

京太郎「外と中の違いがすごいなー」

和「そんなことより頭なでてください」

京太郎「はいはい」

和「ん~♪」


無防備+撫でて貰う


豊音の場合


京太郎「………」

豊音「………」

京太郎「……豊音さん」

豊音「はわわわ……見つかっちゃった!」

京太郎「見つかったも何も……そんだけ壁からはみ出てたら判りますって」

豊音「えへへ~♪見つけたご褒美だよ」

京太郎「見つけたもなにも……むぐっ」

豊音「ぎゅ~」

京太郎「もごもご(胸が!胸が顔に当たって!!幸せだけど苦しい!)」

豊音「……家に帰ったらもっとしていい?」

京太郎「ぷはっ……俺から抱きついちゃ駄目?」

豊音「いやなの……?」

京太郎「……抱きしめてくれていいです」

豊音「うん♪」


抱きつくより抱きしめたい


胡桃の場合


京太郎「………おはよう」

生徒A「はよっす」

胡桃「おはよう!(充電中」

京太郎「………」

先生「授業始めるぞー」

胡桃「京太郎、しっかりと宿題やってきた?」

京太郎「やってきましたよ」

先生「鹿倉ー…お前は自分のクラスに戻れ」


胡桃「お昼ご飯だね!(充電中」

京太郎「そうっすね」


胡桃「さー部活だ!(充電中」

京太郎「今日こそは負けませんよ!」


京太郎「はぁ……さっぱり、さっぱり」

胡桃「はふぅ……お風呂は良いね」

京太郎「そうですね」

胡桃「充電、充電」

京太郎「胡桃さん」

胡桃「なに?」

京太郎「……最近あなたが家に帰ったのって何時でしたっけ?」

胡桃「……充電、充電」


ひたすら充電


健夜の場合


健夜「ふふふ」

京太郎「……あのー」

健夜「なーにー?」

京太郎「普通逆じゃないですか?」

健夜「そうかな?」

京太郎「なんで健夜さんが甘える側なのに膝枕をしてくれてるんです?」

健夜「私って頼りないからかな……甘えられる事少ないよね」

京太郎「………」

健夜「だから、こういう時だけでも甘えてもらいたいなーって」

京太郎「……そうですか」

健夜「ふふふ……髪の毛、硬いね」

京太郎「健夜さんのは柔らかいですね」

健夜「これでも気を使ってるんだよ?」

京太郎「えぇ、知ってます」

健夜「今日はこのままでもいいかな?」

京太郎「……気が済むまで甘えさせてもらいます」

健夜「うん♪」


逆に甘えさせられる


理沙の場合


京太郎「理沙さん、今日のスケジュールは?」

理沙「………んー(首横振り」


京太郎「今日のお昼は何がいいですか?」

理沙「………(じー」


京太郎「買い物に行きますけど一緒に着ますか?」

理沙「………(コクリ」


京太郎「夕飯美味しかったですか?」

理沙「………ん」


京太郎「おやすみなさい」

理沙「……おやすみ」


腰に抱きつき+何時も以上に喋らない

ネリーの場合

ネリー「キョウタロー!キョウタロー!」

京太郎「なんだよ」

ネリー「ねよー?」

京太郎「まだ、見たいTVが……」

ネリー「ねないの?」

京太郎「うっ……」

ネリー「キョウタロォー……」

京太郎「はぁ……判ったよ」

ネリー「キョウタローってチョロイよね」

京太郎「おいこら」

ネリー「うそうそ、ねよー」

京太郎「はいはい……何時になったら1人で寝れるんだ?」

ネリー「ん~……一生無理だと思うよ?だからずっと一緒に居ようね?」

京太郎「っ!!」


一緒に寝ないと寝れない


今日はこんなもんでー他に甘え方ってどんなのあるかな?

あったら教えてーキャラに当てはめて書くわ~

それじゃのー

結構あんね……いくつか書いてくるわ~

<それぞれの甘え方>

絹恵の場合


絹恵「うふふ……♪」

京太郎「なんだこれ」

絹恵「はぁ~……落ち着くわ」

京太郎「何で俺、押し倒されてるの!?」

絹恵「もー動かんといて!」

京太郎「はい」

絹恵「やっぱり、運動部だっただけあって胸板厚いなー♪」

京太郎「………触るだけなら押し倒さなくても」

絹恵「それじゃ私が上に乗っかれんやん」

京太郎「……胸が当たってすばら……いやいや、げふんげふん、当たってますよ!最高!」

絹恵「まぁ、京太郎やし。甘えさせてもらってるお礼っちゅうことで」

京太郎「………天国か」

絹恵「はぁ……ええな、筋肉特有の硬さに肌触り……うへへ♪(頬摺り寄せ」


押し倒す+胸板に頬すり寄せ


憩の場合


憩「はふぅ……」

京太郎「いつもこの体勢で寝ますけど……寝苦しくないんですか?」

憩「これがええんよー」

京太郎「……俺の上に寝て苦しくないの?」

憩「むしろ、落ち着くんよ?」

京太郎「そう……なんだ?」

憩「京ちゃんの心臓の音が聞こえてなー」

京太郎「………」

憩「あぁ、夢やないんや、しっかりとここに京ちゃんが居るんやーって思えてなー」

京太郎「………」

憩「う~ん?頭撫でてどないしたん?」

京太郎「撫でたくなりました」

憩「そっか♪」

京太郎「おやすみなさい、憩さん」

憩「おやすみ、京ちゃん」


京ちゃんの上で寝る+心音を聞いてリラックス

貴子の場合

貴子「須賀ァァァァァア!!!池田ァァァァァァアア!!!」

池田「ひぃ~!!助けてだし!」

京太郎(巻き添え食らった!)

美穂子「いつもどおりね」

未春「あはは……それにしてもコーチも人に甘える事ってあるんですかね?」

美穂子「あるんじゃないかしら?」

未春「あれですよ?(指差し」

貴子「池田ァァァアアアアア!!!!」

池田「ひぃ~~!!!」


-貴子の家-

貴子「京太郎~~!!!!」

京太郎「あぁ………はいはい」

貴子「ごめんなー!辛くあたってごめんなー!」

京太郎「運動部じゃあのぐらい普通でしたし……それよりお酒飲みすぎでは?」

貴子「無理、素の状態で甘えたりとか謝ったりとか無理」

京太郎「はぁ……(頭撫でる」

貴子「うぅ……どうしたらいいんだ」

京太郎「しっかりと想いは届いてますよ~」

貴子「ぐすん、もっと撫でろ」

京太郎「仰せのままに」


お酒飲んで甘える


衣の場合

衣「京太郎!膝!」

京太郎「………後で」

衣「衣の事嫌いになったか?(シュン」

一「別に膝ぐらい、いいじゃん、衣軽いし」

京太郎「はぁ……別に嫌ってるわけでもないんだけど」

一「何が問題なのさ」

京太郎「……しょうがない、衣さん、どうぞ」

衣「わーい!」

京太郎「実際に見れば判るよ」

一「?」

-ころたん膝乗せ中-

衣「ん~~~♪(スリスリ」

一「あー……これは人に見せられないね!」

京太郎「……衣さん、俺の膝に乗ると決まって頬と頬をくっ付けてすりすりと……」

一「他の人が見たら危ないね!犯罪者扱い間違いなし!」

京太郎「ですよね!」

衣「~~♪(頬合わせ中」


膝だっこ+頬と頬をくっ付けて摺り寄せる

霞の場合

小蒔「ほわ~」

初美「どうしました?姫様」

小蒔「霞ちゃんはいつも1人でなんでもこなしてすごいなと思いまして」

初美「あぁ……そういえば、そうなのです」

小蒔「うぅ……たまには甘えてくれてもいいと思うのですけど」

初美「残念ながら甘える相手が既にいますからね」


霞「それじゃ、これお願い出来るかしら?」

京太郎「お任せあれ!」

霞「それが終わったら、こっちね?」

京太郎「は、はい!」

霞「それとそれと……」

京太郎「……頑張るっす」

霞(……仕事押し付け過ぎたかしら、どうしていつもいつも大目に渡してしまうの)

京太郎「よいしょっと」

霞(これで嫌われたら……でもでも、頼れる相手が京太郎君しか居ないし)

京太郎「こんなもんかな」

霞(うぅ~……でも嫌われたくない!)


仕事などを京太郎だけに頼る+嫌われやしないかでおろおろとしだす


淡の場合

淡「あわ~……喉渇いた」

京太郎「……それは、俺にもってこいと?」

淡「30秒で持って来い!」

京太郎「なんでお前が偉そうにすんだよ」

淡「あいたっ!?はたいたね!淡ちゃんの頭はたいたね!」

京太郎「それはいいから……ほれ、飲み物」

淡「ありがとう!」

京太郎「んぐっ……ごく、ぷはー」

淡「………(じー」

京太郎「飲まないのか?」

淡「もう1回飲んで?」

京太郎「俺がか?」

淡「そそ」

京太郎「変な奴……ん~(口の中に飲み物含み中」

淡「!」

京太郎「むぐっ!?」

淡「ん~~ちゅ、っん~♪」

京太郎「○×▼■‘*{~‘‘*!?」

淡「❤」


飲み物は口移し

カンッ!

まだまだシチュは募集中
あとまだ出てないキャラでこういう甘え方とか似合いそうとかでもOK

それじゃのー

乙乙
はっちゃんがベタ甘えるのって珍しいっぽくない?

<食の京太郎 2回目の来店 >

京太郎「また来てしまった」

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桃子「美味しかったからしょうがないっす」


感傷深げにお店を眺めているとモモに笑われた。

笑った顔も素晴らしく可愛かった、ぼけーと見惚れてしまうぐらいに。

いつまでも眺めていたいぐらいだったが、お腹が早く何かを食わせろと鳴り出すので顔を見合わせ中へと入る。


京太郎「さてさて、何を頼むか」

桃子「ん~……」


このお店に来たのはこれで2回目だ、前は釜飯定食(天ぷら)を頼んだが今回はどうするか……。


京太郎「俺は……海鮮丼にすっかな」

桃子「私は、タコ釜飯で!」

京太郎「また釜飯?」

桃子「っす!」


前回同様の注文に少し首を傾げる。

メニューを見れば釜飯以外にも、茶漬け、焼き魚定食、丼にと豊富な品がある。

それなのに前回と同様の釜飯を頼むモモの意図が掴めない。


京太郎「あとは……とり唐揚、刺身盛り合わせ、ほっき貝とタコの刺しで……他にある?」

桃子「ないっす!」

店員「かしこまりました」


- 一品目 タコとほっき貝の刺し -


京太郎「……最初はっと『タコとほっき貝の刺し』か」

桃子「ところで……ほっき貝って食べた事ないんすけど」

京太郎「俺も」


最初に運ばれて来た、品を見て少しの間、沈黙をしてしまった。

メニューにあったので頼んだが、食べた事もなく少し躊躇してしまう。


桃子「あむっ」

京太郎「俺も食べるか」


少しばかり眺めているとモモが箸を伸ばし、口に入れる。

その様子を見て自分も箸を掴み、刺身へと手を伸ばす。

ほっき貝を口に入れ何度か噛み、味わい飲み込んだ。


京太郎「うん」

桃子「なるほどっす」

2人『美味い(っす)!』


こりこりとした食感としっかりとした貝の甘みが口に広がる。

初めて食べた物であったが、美味しく気付けば無くなっていた。


京太郎「ありゃ……」

桃子「もう少し頼めば……いや、駄目っすね」

京太郎「だな、まだ他の品もあるしいいか」

桃子「タコも美味いっす」

京太郎「本当だ、んぐっ、食感が……歯ごたえあるな」

桃子「固いってほどでもなく丁度いいっすね!」


イカと違い、弾むような歯応えに下を打ちずつ食べていく。

- 二品目 とりの唐揚と刺身盛り合わせ-

京太郎「今度はとりから揚げと刺身だな」

桃子「刺身は前に食べてるっすからね、唐揚を!」

京太郎「でかっ!?」

桃子「うわっはー……10cmぐらいあるっすね」


出された、とり唐揚は直径10cmほどもあり、それが5枚ほど並べられている。

少々大きく、驚くも二人なら大丈夫かと口に入れていく。


京太郎「ん~~!!」

                 ... -――――- ...
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           ∨:∧:./∧  人:.‘《:i:i:》:∧  /: :∨: /:|
                ∨:.∧: : :∨:.:.:}\:∨:/: 〈∨: : :/∨: : :|
               }:/: ∧: O\ノ: : :.Υ: : : :\O/: : :\: |
               〈: : : : :.\/: : : :O|: : : : : :∧: : : : : :.\

桃子「ふわ~♪」


口に入れ噛み締めると分厚い肉とさっくりとした衣が音を立て口の中に広がる。

味がほとんどない素材を生かした薄い物にも関わらず、一口、更に一口と食べる手が止まらない。

付け合せにマヨネーズとレモンもあったが、それには手を伸ばさず、そのまま2人で食べていく。


京太郎「うま~♪」

桃子「いいっすね!いいっすね!!」


5枚あった、唐揚も直ぐになくなり残り一枚となる。

もちろん、こんなに美味しい物を譲る訳もなく、すぐさま箸で掴み口に入れた。


桃子「あー!」

京太郎「頂き!あむっ」


さくさく、じゅじゅうと音が鳴り、揚げたてをがぶりと口に入れ込んだ。

恨めしそうにもモモが見てくるが気にせず口にする。



京太郎「美味い……幸せだ!」

桃子「………ていっ!!あむっ」

京太郎「むぐっ!?」


そうこうしていると桃子が行き成り、身を乗り出し口に咥えていた唐揚にがぶりつく。

驚きつつもはしたないと言おうとして固まる。

目の前にはモモの目があり、視線ががっつりと噛み合う。

モモの匂いが鼻を擽り、唇に何か柔らかい物が触ったような気がした。


桃子「あむあむっ♪」

京太郎「………はっ!?盗られた!?」


暫く顔を真っ赤にさせボーとしていると目の前でモモが美味しそうに残りの唐揚を食べていく。

あぁ……半分以上あったのにと悔しがるも役得だったので良しとしようと心の中で思った。


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       |::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |          /   V::::::::::::::::::::::::::::


桃子(やっちゃったっす!!間接キスっすよね!??!)

- ラスト 海鮮丼とタコ釜飯 -


京太郎「おぉ……豪華だ」

桃子「むー……釜飯は時間が掛かるからしょうがないっすけど」


最後に来たのは、メインで頼んだ、海鮮丼だ。

モモのほうは釜飯という事もあり、時間が掛かっていてまだ来ない。

ちらちらと見てくるが絶対にやらんぞ。


京太郎(まずは……わさびを散らして)


すぐさま、乗っけられていた『わさび』を散らしていく。

勿論、わさびは醤油に混ぜずにそのままだ。

暫くし散らし終わると醤油を取り少しだけ掛けて行く、準備は整った――。


京太郎「頂きます!」

        j:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::://:::/:!l::::/!:/!::::;'!::::::/: : : :!:::::::::.:.:.:.!
       ,':.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::j !V:!ヽ!:::! l:! !::;':!l::::::!: : : : !l:::::::::::::::!

         j.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::l ,.ィ.,ニj!''ヽl! l:::! !ハ::::!: :-‐'j!l::::j::::::.:.!
       j.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::〈! ら:::!   トヘ::! ! ヽ:!: :_,l!':/j::::::.:.!
       !.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::!. 弋;;ノ  . : :ヽ: : : : ィ'ニ`ヽ'/∧:::::l
      j.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::|   --     : : : : : .fr':}  }∧:::.:.:!
       /.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|             _`''′/.j:::::.:.:.j
     /.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|          ヽ      .,::::::.:.:.!
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  }/!.:.::.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:!: : :>. _      , ..<::::::::::::::::::::::ハ
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   l.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::;;l:l::::::::/!:! >.、: : : ∧::::::::::::::::::::::::::::::::j:::::::::ハ!
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'".:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:j!!::::/ /    ,イ::..::..::ヽヽ:::::::::::::::::::::/:! !:::::/ j
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桃子「あ~……やっちゃったっすね」


呻っているモモを置いといて一口目を食べる。

最初に食べたのは先ほども食べたタコからだ。



京太郎(うん、やっぱりいいな。タコは美味い)


歯ごたえもよく、味がしっかりとしている

ご飯と海鮮の間にも海苔がしっかりと引きつめられていて美味しい。

ご飯の熱さを防ぐにも持って来いで味の〆にも貢献している。


京太郎(あぁ……素晴らしきかな、海苔)


どうしてこんなにも美味しいのか、さまざまな海の食べ物に感謝しつつ食べていく。

『まぐろ』に『めばち』に『サーモン』に『いくら』と豊富であり、食べているだけで楽しくもある。

まさに、海の物を一纏めにした、最高の物だと言えた。


京太郎(ふっふっふ、前来た時は遠慮していたが……今日は勝つぞ!否、勝てる!)

桃子「来た来たっす♪」


目の前で嬉しそうにしながら釜の蓋を開けるモモを前に勝利を確信する。

前に来た時と同じ釜飯だ、こちらの方が断然有利である。

         ,'..:.:::::::::l:::::!!::::ll:ト!:::ト!:::::::l l!∨::::!,ヘ:ト-- 、!:::/!::::::::::::::::ヘ
       j:.:.:::::::::::!';:::!ヘ::lヤヽ::lヘ::::::! l! ∨::!-ヘ!  j::;!l`!:::/::::::::::::ハ
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桃子「ふわ~♪」

京太郎(ゆ、有利で……だー!!すっげー美味しそうな匂いが!!)


ぶわ~と広がる香り豊か釜飯の匂いに食べている最中だというのにお腹が鳴る。

釜飯+タコ=最強 の図式が脳裏を過ぎった。


京太郎(……ごくりっ、くっ……俺は何故『海鮮丼』を……ハッ!?)

桃子「うまーっす!」


美味しそうに食べるモモを見て、一瞬後悔が過ぎる。

だが、その後悔も次の一口で綺麗さっぱりとなくなった。



京太郎「か、かつおぶし!?」

桃子「ふへ?」


サーモンを取り口にかっ込むとサーモン以外の味が口に広がる。

それは、まさしく『かつおぶし』の味で目を見開き、慌てて丼を確認した。

するとサーモンの下には海苔ではなく、『かつおぶし』が散りばめられている。


京太郎(そうか!丼の位置にも仕掛けが!)


此処に来て、ハッと気付いた事があった。

丼を置かれた時、わざわざ、サーモンの位置を一番奥にして置かれた事を思い出したのだ。

わざわざ丼を回して食べる人は、いない。


京太郎(色んな刺身が乗っているとは言え、下の味が同じでは飽きる物!)

京太郎(それを最後の最後でかつおぶしで〆ることで印象深く仕立てあげた!天晴れ!見事だ)


丼から顔を離し、満足げに頷き一息つく。

あぁ……幸せだ。


桃子「じー……っす」

京太郎「どうした?モモ」

桃子「……少しあげるので残り貰えないっすか?」

京太郎「ふむ」


モモが海鮮丼の残りをチラチラと物干しそうに眺め、そんな提案をしてくる。

まさか……である、あのモモが此方に恵んで欲しいと……。

これは降伏ととってもいいだろう。


京太郎「いいぜ」

桃子「やったっす♪」


気分良く、モモに残りを渡し、モモから釜飯を貰い食べる。

タコの風味が釜飯と合い、邪魔しあわずに協力して+以上の味を出していた。

タコも歯ごたえがあり、これでもかっと言うほどタコが入っている。


京太郎(あっ……普通に美味い)

桃子「美味しかったっす」

京太郎「あっ……そうっすか」

桃子「?」


先ほどの勝ち誇りは何処かへ行き、少しばかりしょぼんとしてしまう。

それでも……それでも、これは引き分けだろう。

流石に今回は負けはない。


今回の成績
京太郎-△ 引き分け 桃子-△


桃子「さてと……やるっすか」

京太郎「何をだ?」


食事を終え、出されたほうじ茶を飲み一服しているとそんな事を言い出す。

何をしようと言うのか、既に注文は終えているのでこれ以上の伏兵もない筈なのだが。


桃子「~♪」

京太郎「ぶほっ」


不思議そうに見ているとモモは残りのタコ釜飯を器に入れ『熱いほうじ茶』を入れ始める。

暫くし、一口食べると醤油を少し垂らし、がっつりと食べきる。


京太郎「………お茶漬けだと?」

桃子「はふー♪幸せっす!」


タコ飯の残り+出されたほうじ茶でそんな離れ業を……これにはしてやられた。


            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、

////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\

//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧

京太郎「……いやいや、まだ、だ!何かここで頼めば!!」


幸せそうにふにゃけているモモを横目にメニュー欄を血眼にしつつ探っていく。

まだ、負けていない、今回は良い所なのだ……ここで帳消しに……。


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:::::::|::::|::::|::::::::||:厶イ-=テノ:::::/::::!
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:::::::|::::|::::|::::::::|i::| | ′{ノ厶イ

:::::::|::::|::::|::::::::|i::| i    \
:::::::|::::|::::|::::::::|i::| |    /
:::::::|::::|::::|::::::::|i::| | c-、ノ

:::::::|::::|::::ト;::::::|i::| |  /!!
:::::::|::::|::::| }:::::|i::| iノ´::!!
:::::::|::::|::::|/::::/i::厂::::/::||
:::::/:::/::/'::::/:::!:|::::::/:::八
::厶イi:/⌒メ、:::i::!:::/:::/  ヽ
/: : :ノ': : :\)从!:/:::/
: : : : : : \: \ノ'i:::/
: : : : : : : : `:-、メ'"
: : : : : : : :〉 : : \:\
: : : : : : : iノ: : :_彡': : .

桃子「そういえばー……京ちゃんさんはもうちょっとメニュー見た方がいいっすよ」

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >

京太郎「え?」

桃子「丼の欄見れば判るっすよ」


だら~んと机に倒れこみ、うとうとと眠そうな視線を送ってくる……可愛いなコイツとそんな事を思いつつ、メニュー欄の丼の項目へと震える手で開ける。

そして……注意深く見て一つの欄に気付いて戦慄する。


※たれが既に掛かっています。わさびを散らばめてお召し上がり下さい。

『たれが掛かっています』

『たれが……』


京太郎「………たれ?」

桃子「既に味付けされてたっす、だから『醤油』垂らしたのは――」

京太郎「……悪手か」

桃子「っす」


訂正
今回の成績
京太郎-● 桃子の勝利 桃子-○


カンッ!


美味しかったっす!
ちなみに海鮮丼頼んだのは自分で タコ飯は友達でした。
最後のタコ飯茶漬けの下りと最後のタレがかかっているのにも関わらず醤油ぶっかけて食べたのは本当のお話です。
ちくしょー!俺も釜飯頼めばよかった!そしてタレかかってたのかよ!


>>672-675
もらうっす

それじゃのー


爽「そういえばさー」

京太郎「なんだよ、急に」


2人はお互いに向かい合わせに座りながら机を凝視続ける。

爽が声をかけても京太郎は一切、振り向かずじーとひたすら凝視を続けた。

声を掛けたのに振り向かないとだいぶ、失礼な事をしているが特に爽は気にする事もなく言葉を続ける。

爽自身も声をかけたのに京太郎へと視線を向けてないので判りもしてないのだが。


爽「和牛と国産牛ってあるだろ」

京太郎「あー……あるなー」


爽の言葉に生返事で返し、手に持っていたトングで一枚、一枚、裏返す。

まだ早かったようだ。


爽「あれって『和牛』は、肉用に育てられた牛で 『国産牛』は乳牛とかの肉なんだってさ」

京太郎「なんだって?」


爽の言葉を聞き、ここで京太郎は顔を上げ爽を凝視した。


京太郎「マジで?」

爽「まじまじ、でじま……うぐっ、うま」


驚きの声を挙げる京太郎に爽もチラっとだけ視線を向け、答える。

心なしか、嬉しそうな、楽しそうな表情が見え隠れした。


京太郎「嘘だー」

爽「成香から聞いたから確かだろ……こっちもいいな」

京太郎「なるほど、なら嘘じゃないな」

爽「なんだよ、成香なら信じるのか……もぐもぐ」

京太郎「いやだって、あの人牧場の娘だし」

爽「まぁ、説得力あるよな」

京太郎「って……肉がねぇ!?」

爽「むぐっ……ふひぎだひゃー」

京太郎「おい、俺の育てた肉を食べたのはこの口か」

爽「ひゃふー!?」


焼いていた肉が一枚も残ってない事に気付き、目の前の爽の頬を両手で掴み潰す。

涙目になり手をわたわたと動かすが容赦はしない。

こうならないように見張っていたのだが、先ほどの話はこのための囮だったのだと気付きイラっときた。

とりあえず、次の肉が来るまでの間、思う存分頬で遊ぶのであった。


京太郎「……むにむにだな」

爽(これはこれでいいかも)


特にオチなし山なし カン!


-オマケ-

揺杏「あーあーやってるよ」

由暉子「あの2人だけ隔離してるのはこういった理由なんですね」

誓子「あの2人が居るとお肉食べれないから」

揺杏「ところで、さっきの話って本当?」

成香「さきほどの?」

誓子「国産!」

由暉子「和牛!」

成香「あぁ……本当ですよ」

成香「和牛は、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類で『お肉専用の牛さん』です」

揺杏「なら、いつも食べているのは乳牛とかのほうだったのか」

誓子「微妙にショックね」

由暉子「美味しければ良くありません?」

成香「和牛のほうがやっぱり美味しいですけど」

由暉子「………ショックです」


今日もまったりと有珠山メンバーの日々が続いていく。

カンッ!

良いお肉の日!

肉でなくカレー食べましたけど!

美味しかった

乙です
夕飯はなか卯の「和」風「牛」丼だった
訓練され過ぎて、和牛(わぎゅう)ではなく和牛(のどかうし)のネタが仕込まれてるんじゃないかと思ってしまった

<好きな匂い>

姫子「京太郎~♪」

京太郎「ご機嫌ですね、姫子先輩」


お風呂からあがり、床に寝転んでいるとコロンと隣に姫子が転がってくる。

そしてそのまま転がり、ぎゅっと京太郎に抱きつき幸せそうにふにゃける。

お風呂上がりか、姫子の体から微かに匂いが漂ってきて頬を赤く染めた。


姫子「京太郎?」

京太郎「あー……姫子先輩の匂いが」

姫子「臭かった!?」


転がり、仰向けになっている京太郎の上に陣取っていた姫子は、驚き体を起すと自分の匂いを嗅ぎ始める。

その様子は、犬みたいで可愛らしい物であった。


京太郎「いや、むしろいい匂いなんですけど……」

姫子「そっか……自分じゃ判んないね」


京太郎の言葉に姫子はえへへと笑い、そのまま寝そべり直し、すりすりと胸に頬を摺り寄せる。

何度か、そんな行動を取った後、姫子は顔を上げ京太郎へと視線を合わせた。


姫子「こいで私ん匂い付いたかな?」

京太郎「―――」


姫子の言葉に京太郎は、何も言えなくなり、悶絶した。

言葉で表す事が出来ずに腕をガバっと上げ姫子をぎゅっと抱きしめた。


姫子「ひゃっ!きょ……京太郎?」

京太郎「……ん、いい匂いっす」

姫子「……えへへ♪」



煌「麻雀卓はこんなもんでいいですかね」

仁美「よかよか」

後輩「あのー……先輩方」

煌「どうしました?」

後輩「あのバカップルは止めなくていいんですか?合宿中なのに……」

煌「ばかっ……ぷる?」

後輩「須賀君と鶴田先輩です」

仁美「違う」

後輩「はい?」

煌「あの2人は別に付き合ってませんよ?」

後輩「は……?」

仁美「ん、あいはじゃれあってるだけ」

後輩「あれで?」

煌「あれで、いつもはもっとすごいですよ?」

後輩「………」

煌「あのぐらいならほっといても大丈夫でしょう」

哩「そっちは準備出来たか?」

後輩「あのー……あの2人は」

姫子「~♪」 京太郎「眠くなってきた」

美子「特に問題ないね」

哩「今日も異常なーし!!」


今日も特に何事もなく新道寺の日常は続いていく。


後輩(えっ……もしかして姫子先輩が卒業するまでの2年間あれ見続けるの?)


これからの事を考え頭が痛くなってきた。


カンッ!

自分の中では 姫子は犬 哩は猫 のイメージ


咲 久 怜 竜華 衣 とかで


和 美穂子

カメレオン
桃子


誠子

見たいなイメージがあるなー 特に関係ない話でした それじゃのー


それは行き成り何の前触れもなく起こった。

いつもどおりに部活にやってくるといつもとは違った様子に私こと揺杏は困惑してしまう。


揺杏「………」

京太郎「おぅ、おはよう」

揺杏「………だれ?」

京太郎「何言ってんだ、何処からどう見ても京太郎だろ」


目の前では机に足を乗せ踏ん反り返るような体勢で本を読んでいる京太郎?が居る。

正直な話、時折馬鹿なことはするし、髪は金髪で不良のようだが、礼儀があり優しく、不良とは間逆の存在である。

そんな彼なのだが、現在の姿を見るとどう見ても不良にしか見えない。

一体何があったのだろうか。


揺杏「チ、チカセン?」

誓子「………(ふるふる」

由暉子「………(ぶるぶる」

成香「………(呆然」


部室の隅っこに固まっている3人に近づき話しかけるも首を横に振られる。

どうやら、3人もこの状況についていけないようだ。


揺杏「……そうだ、爽は?」

誓子「アレ」


こういう時に役に立つ爽さん、ということで異常現象を止めるべく聞いてみると

震えながら指を指され、嫌な予感しつつもそちらへと振り向いた。


爽「~♪」

揺杏「あれれ、おかしいな。爽が掃除してるように見える」

由暉子「本当にしてますよ」

揺杏「やっぱりかーぁ」


視線の先では、にこにこと笑いでエプロンをつけ掃除をしている爽?が居た。

正直な話、部屋の掃除もしない爽があんな事をしているだけで異常すぎる。

一体何が起こっているのか、意味が判らなくて頭がどうにかなりそうであった。


京太郎?「………ふむ、爽」

爽?「なんです……いやいや、なんだ?京太郎」

成香「こ、怖いですぅ」

揺杏「敬語の爽とか怖過ぎるんだけど」


そうこうしていると京太郎?がニヤニヤと爽?を手招きで呼び寄せている。

一体今度は何をしようというのだろうか。


爽?「!?!?!?」

京太郎?「ふふふ……♪」

揺杏「あー………」

誓子「………ぶふ」

由暉子「……なるほど判りました!2人は宇宙人によって人格を!!」

成香「あわわわわ」


目の前で京太郎?は爽?の腰を掴み引き寄せ抱きしめる形で捕獲する。

そんな事をされるとは思っても見なかったのか、爽?は顔を真っ赤にさせうろたえた。

顔を真っ赤にするも抵抗らしき抵抗もなく、大人しく京太郎の腕の中でもぞもぞと動く爽?に恐怖すら感じる。


揺杏(何あの、乙女な爽は!?)

誓子「……今日は帰る」

由暉子「はっ、ここにいたら私達も!?」

成香「お、おおおお先に失礼します」

揺杏「まってー!?」


我先にと、全員が全員ダッシュで家に帰ったとか。


カンッ

京太郎?「……それでどうしような、あっはっは」

爽?「いやいや、どうしようじゃないですよ?」

京太郎改め爽「まさか入れ替わるとは」

爽改め京太郎「本当に漫画じゃあるまいし」

京太郎(爽)「まぁ、まぁ、今日のうちになんとかしとくからさ」

爽(京太郎)「どうにかなるものなのか」

京太郎(爽)「カムイに頼めばちょちょいっと」

爽(京太郎)「カムイ?」

京太郎(爽)「あー……何でもない、取りあえず今日は京太郎の家で過ごすってことで」

爽(京太郎)「それがいいですね」



なお、家に戻ってもトイレにお風呂と赤面まっしぐらなイベントが幾つもあった模様。

後日、普通戻ったとか。

カンッ!


小ネタの爽と京太郎入れ替わり消化

モモ兎かありやね
そんなネタもいずれ

あと時期すぎちゃったけど 穏乃と秋山の小ネタは少し考え中
手紙にするか小ネタを組み合わせて使うか
いずれもその内出しますので それでは



<風邪の看病>

怜の場合


京太郎「げほげほ」

怜「まさか私やなくて、京君が風邪ひくとわ」

京太郎「そう……ですね」

怜「あーあー起きんでもええから、今日は私が看病したる!」

京太郎「なんか張り切ってますね」

怜「いつもは看病される側やし、滅多にない機会やから」

京太郎「確かに」

怜「そんなわけで任しとき!」

京太郎「はい」

怜「……怜なだけに」

京太郎(ボケないといけないのだろうか)

-数時間後-

怜「ごふっ(吐血」

京太郎「うぉい!?」

怜「だ、大丈夫、まだイケる」

京太郎「いけるかよ!?救急車!」

怜「ごめんな、私病弱やから」

京太郎「病弱どころじゃないような気がする」

※京太郎より怜のほうが重症



哩姫の場合


京太郎「ごほごほ」

哩「あー………」

姫子「うーうー……」


3人揃って仲良く風邪ひく


京太郎「あ、つい」

哩「ぬっか」

姫子「ぬっかにゃ~」

京太郎「……離れません?」

哩「風邪ん時は安静!」

姫子「はふぅ……」

京太郎「でも……3人で1つの布団は……」

哩「こいでよか」

姫子「うん、こいでよかよ」

京太郎「そう……なのかな」


美子(余計に具合悪くなりそう)


※風邪が治るまで時間がかかりました


桃子の場合


京太郎「ごほごほ」

桃子「ありゃりゃ、お休みっすね」

京太郎「あー……ダルい」

桃子「大人しく寝てたほうがいいっすよ」

京太郎「そうする」

桃子「それがいいっす♪」

京太郎「………おい」

桃子「………?」

京太郎「なんで一緒の布団に寝てるの?」

桃子「そりゃ……暖かくしないといけないっすから」

京太郎「そっか」

桃子「そっす」

京太郎「……げほ」

桃子「ぐー……」

※後日、桃子が風邪をひきました


照の場合


照「きょうちゃ……」

京太郎「お願いだから何もしないで」

照「………(テルーん」

京太郎「………ぐー」

照(……おかゆ作ろう)

-数時間後-

京太郎「!??!」

照「あっ起きた」

京太郎「なに、なにが起きたの!?臭いが?!」

照「おかゆ作った」

京太郎「アイエー!暗黒マター!真っ黒け!」

照「調べながら作ったらこうなった」

京太郎「………」

-回想-

照「流石に本を読みながらなら問題ない(フンス」

照「まずは……どうするんだっけ?(鍋に火をかけながら本読み」

照「なるほど……わかった。まずは……なんでお鍋真っ黒なの?」

-回想終了-

照「ごめんね」

京太郎「………い、いただきます」

照「!」

京太郎「うぐっ……ごふ、こ、これでいいのだ」

照「きょうちゃーん!」

※食べきるも体調悪化


咏の場合


京太郎「……頭に響くので騒がないでくださいね?」

咏「………」

京太郎「手に持ってる物を静かに冷蔵庫に戻してください」

咏「………(ネギを戻す」

京太郎「ごほ、ごほ、待って?!それはいいから!」

咏「………(座薬戻し」

京太郎「ぐー……」

咏「………ん~(冷蔵庫をチラみ」


-数時間後-


京太郎「……あれ?」

咏「おー、起きた、起きた」

京太郎「何か良い匂いが」

咏「玉子粥、食べるだろ?」

京太郎「………咏さんが?」

咏「なんだその目、私だってこれぐらい作れるからな」

京太郎「……いただきます(手出し」

咏「………(皿を上にあげる」

京太郎「………食べれないんですけど」

咏「まてまて、これはな。ほれ、あーん」

京太郎「それでないと駄目ですか?」

咏「あーん」

京太郎「あ、あーん」

咏「美味しいか?」

京太郎「美味いっす」


※普通に看病

カンッ!

うぼぁー……熱下がらないなー思ったら風邪じゃなくて、扁桃腺やった
会社休めん上に今週は夜勤勤務、最悪や
だけど、ネタとしていいや思う自分は結構SSに毒されるとも思う

それじゃのー……頭痛い、喉痛い、治ったら、逆バージョン書くんだ

咲の場合


咲「風邪だね」

京太郎「だな」

咲「とりあえず……おかゆ作ってくるね」

京太郎「頼むわー……」


-数十分後-


咲「はい、1人で食べれる?」

京太郎「あぁ………うま」

咲「毎日料理してるしね」


京太郎「ご馳走様でした」

咲「お粗末様でした、片付けてくるから寝ててね」

京太郎「おぅ」


京太郎「ふぁ……」

咲「あっ、起きた」

京太郎「ありゃ、まだ居たのか」

咲「お父さん、今日帰ってこないし、丁度良いから泊まろうかなって」

京太郎「そっか」

咲「ほら、京ちゃん上脱いで、汗拭かなきゃ」

京太郎「あー背中頼むわ」

咲「うん」

京太郎「咲は、いいお嫁さんになるなー」

咲「ん~なら貰ってくれる?」

京太郎「それもありかね」


※健気に面倒を見てくれる


健夜の場合


京太郎「ぐー……」

健夜「………よし!」

健夜(いつもお世話になってるし、こんな時ぐらいお礼を返さないと)


-洗濯-

健夜「えっと……一緒でいいよね?(色物一緒にぶち込み」

健夜「………洗剤ってどのぐらい入れるの?(ドバー」

健夜「あわわわわわわ、泡が!?」


-掃除-

健夜「こ、今度は大丈夫」

健夜「………まずは床を掃除機で(床掃除」

健夜「あっ……上も埃溜まってる(上の埃を落とす」

健夜「床が汚れちゃった」

以下エンドレス


-買い物-

健夜「……これって安いのかな」

健夜(栄養取らないとだし高い物のほうがいいよね!)

贅沢な買い物


-料理-

健夜「えっと……エプロンは……どこだろ」

健夜(包丁は……お鍋も用意して)

健夜「……素材が鍋に引っ付いて離れない」
※油なし

健夜「玉子割って……あー……」
※ぐしゃっと割る

健夜「………ぐすん」

京太郎「げほっ……何泣いてるんですか」

健夜「!……きょ、京太郎君」

京太郎「………」

健夜「料理作ろうと思って……ぐすん」

京太郎「なるほど、食事にしましょうか」

健夜「うん………何か頼もうか」

京太郎「健夜さんが作ったのあるじゃないですか」

健夜「でも、これだよ?」

京太郎「あむっ……これぐらいでしたら少し味付け直せばいけますよ」

健夜「うー……ごめんね、頼りなくて」

京太郎「別にいいっす、一緒にいてくれて、こうやって俺の為に何かをしようとしてくれるだけでいっぱいっす」

健夜「京太郎君!(抱きつき」

京太郎「うお!!胸がー!?」


※色々と残念

仕事まで寝よ おやすみ

-風邪-

穏乃「わはー!!」

憧「しずー!静かに!」

京太郎「………」

憧「もう!京太郎も何か言ってよ」

京太郎「あー……穏乃、ちょっとこっち来てみ?」

穏乃「どうしたの?」

京太郎「ん~~(御でこあわせ」

憧「なっ!?ちょ、近い近い!」

穏乃「くすぐったいんだけど」

京太郎「やっぱり、お前熱あるぞ」

憧「……熱?」

穏乃「気付かなかった」

京太郎「なんというか、お前って奴は」

穏乃「えへへ」

京太郎「ほれ、後ろ乗れ帰るぞ」

穏乃「はーい」

京太郎「それじゃ、こいつ送ってくわ」

穏乃「じゃーねー」

憧「あ……うん」


京太郎『お前も気づけよ』

穏乃『むしろ、よく気付いたね?』


憧「……なるほど風邪を引けば」


-数日後-

京太郎「あー……憧は?」

穏乃「顔真っ赤にさせて一時限目に倒れた」

京太郎「風邪?」

穏乃「みたい!」


憧「し、しくった~……ごほ」

カンッ!

-オークション-

ネリー「と言うわけでオークションするよー!」

和「何がどう言うわけで……」

憧「まったくね」

智葉「いやいや、せっかくの合同合宿で何をしてる」

ネリー「まずはこれ!『京太郎のYシャツ(昨日1日着ていた物)』

カン娘「盗んだの?!」

ネリー「流石にネリーでもしないよ。これはボタン外れたし、ヨレヨレになったからいらないって。4000から」

ダルッ「ダルっ……いけど匂い付き、5000で」

ネリー「5000でましたー!」

お菓子菓子「6000」

ネリー「6000!他には……」

悪待ち「しょうがない、65……」

ネリー「ちなみに1人1品だけね」

全員『!?』

ネリー「数少ないし6,000からいない?」

キャップ「6,000……出せるけど、これ以上があったら」

ステルっす「迷うっす、後悔はしたくないですし」

和「待って下さい!」

ネリー「えー……盛り上がってるのになに?」

憧「流石に現金の取引は駄目でしょ」

智葉「問題になったら来年の大会に響くしな」

胡桃割り人形「た、たしかに」

タコス「流石にそれは……でもでも」

ネリー(ちっ、熱が冷めてきちゃったよ。う~ん、しょうがないな)


ネリー『1(エルティ)』

えとぺん娘「えっ……これは!?」

ネリー『2(オリ)』

巫女ガール「うぐっ…欲しい!でも受取るわけには……でもでも!」

ネリー『3(サミ)』

火消しさん「盛り下がるのは、合宿にも影響でるしな、うん」


ネリー「さー!続きしよう!Yシャツの次は『歯ブラシ!』2000から」

わかめ「2500」

姫様「5000で」

丸見え「姫様、ここは少しずつ上げてくのがいいのですよー」

京太郎(……見なかった事にしよ、地味にこえーわ)

カンッ!

小ネタ 京太郎で荒稼ぎするネリー
名前は適当

乙~
京太郎の私物は(ネリーの私物と交換)交渉で手に入れた?(難聴)

>>750 続き?

「………」

-いくつか私物貰ったからこれあげる!ネリーより-

「………」


部屋に戻って来るとそんな事が書かれた紙が一枚机に乗っかっていた。

唖然とするままに紙を取り、中身を見ると貰われていった内容物が書かれている。

1つ1つ丁寧に見きほっとする、私物と言っても旅館で貰った物が大半で一~二回ほど使ったものが殆どである。


「それで……これはなに?」


ある程度の気持ちの余裕が出来、手紙の横に置いてあった物を手にとって見る。

それは三角形の形をしており、色は純白で後ろには何かのキャラクターの絵が描かれている。

何処からどう見ても女性物の下着であった。


-貰うばかりじゃ悪いから、ネリーが穿いてたのあげるね-


「……貰ってどうするのよ、これ」


もう一度紙を見直せば最後にそんな事が書かれていた。

もし……もし、書いてあることが本当なら『これ』はネリーが穿いていた物なのだろう。

………本当にこれどうしようか。


(別に下着単体に興奮する性癖ないんだけどな)


手を動かせばひらひらと揺れる三角形の物を見てどうしようかと悩む。

別に下着に興味が無いわけではない、ただ下着を穿いた女性のほうに興味があるのだ。

嗅ぐ訳にも使う訳事も別にしないので本当に厄介な物でしかなかった。


(こんな所見られたら終わるな)

「きょうちゃーん!何か頂戴!買えなかった!」

「頂戴」


そんな事を思っていたからか、フラグが立ったのだろう。

勢い良く襖が開かれ、見慣れた角付き姉妹が入ってきた。


「あっ」

「………」

「ふへ?」


勿論手には下着を持っており、どっかどう見ても今の京太郎は変態そのものである。

呆気に取られて咲を見れば、目をまん丸に開き、口をポカーんと広げている。

終わった、ある意味で終わったのだ。


「へ、……」

「まてまてまて!事情があるんだ!これ読んで!!」

「う、うん、大丈夫軽蔑しないから」

「読めよ!?」


悟りが開いたような優しい生暖かい目で見られ、絶叫とも言える声で懇願した。


「な、なるほど、ネリーちゃんも凄い事するね」

「だよな……これどうしよう」

「返したら?」

「それがいいかね」

「………」


なんとか事情を説明し納得してもらえほっとする。

咲と顔を合わせ、どうするかを相談しあい返す事にした。


「それで……照さんは、何してるんです?」

「これがいい」


ある程度まとまり、余裕ができツッコム気力が返って来る。

意を決し振り向き、先ほどから人の荷物を漁っている照へと声をかけた。

照はいつの間にか京太郎の下着を持っており、これっと差し出している。


「えっと……?」

「………うんしょ」

「ちょ!?」

「お姉ちゃん!?」


自分の下着を差し出され、困惑していると照は何かに気付いたのか立ち上がりスカートに手を要れ下着をスッポリと脱ぎ取った。


「はい、交換」

「はっ………?」


手にポンと照の下着が置かれる。

あわいピンク色、可愛らしくもちょこっとだけ着いているフリル、先ほどまで穿いていたので生暖かい。


「どどどどど、いやえ?何を……」

「それじゃ!」

「はえーな!?」


困惑、戸惑い、などなどの感情が沸き起こりパニクっていると照は、今までに見た事ない速さで帰っていく。

声をかける暇も無く、スカートを翻し去っていく照を京太郎と咲はただただポカンと見送った。


「………増えたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「なるほど」


京太郎は絶叫し、咲は納得したかのように頷いた。


「わ、私も下着を……穿いてなかった」

「いや、なんでお前もマネを……ってか穿けよ!」


咲も照同様、下着を交換しようとスカートに手を入れるもすぐに絶望する。

今現在、咲は下着を穿いていなかった。




-次の日-

「………」

-貰っていくわ、これ私の下着な-

-他の子らと見比べれば見劣りするかも知れんけど-

-うふふ、貰っていくわね?-

-あそこで買わなかったのは正解ね!悪待ち成功!-

-これは正当な交換ですね(キリッ-

-貰っていくよー私のは置いていくねー!-


目が覚めると周りが下着だらけでした。


「ホラーだな、うん」


カンッ!

>>757 交換?


京太郎「………」

「ZZzz……」


朝起きると、目の前には何時も通りの見慣れた天井が目に入った。

いつもと同じ朝に、日差し、部屋にベット、違うのは隣で寝ている子が居るという事だろう。

ボーとする頭を掻き携帯を手に取ると時間を確認する。

携帯を開けて見れば、既に11時を過ぎ12時まじかであった。


京太郎「お腹すいた」

「ん~♪」


とりあえず、先ほどから何か食わせろと言ってくるお腹の為に立ち上がる。

その際に隣に寝ていた彼女の頭を優しく数度撫でるのを忘れない。



京太郎(何かあるかな)


台所へと行くと冷蔵庫を覗き、食べ物がないかを探す。

既にご飯が炊いてある事は確認しているのでおかずだけなのだが


京太郎「作るしかないか」


残念ながら作り置きも何もなく、自分で作らなければならなかった。


「ふぁ~……おはようっす」

京太郎「おはよう、モモ……てかそれ俺の」

                                   .   - ── -  .
                                    . ´ . :::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
                               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...

                               /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                                /:::::::;:::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
                                /{:::::/:::::::::/l:::::::::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::::::ハ
                            / /::::|::::/::/ l:::::::::::::::/  マ:::::::::::::::::::::::::::::::::
                             {{/::::::|::/|::|⌒マ::::::::/ ___  マ:::::::::::::|::::::::::::::::
                             {::/l:::ル,ィf芹ミx乂::::|   `ヽト、::::::::::|::::::::::::::::
                            /i::{ lゞ八 _):J:}  ヽ{ ,ィ斧冬x、::::::::|:::::::::::::/
                             マ/::::::::ト 乂ツ       )::J:i! 》::l::::|:::::::::::〈
                                /|:::::::::} ,,,,,  ,    乂ツ! |::;i::::|:::::::::::::{
                            / .|:::::::八        ,,,,,,,i! _}:;':i::∧:::::::::::{
                             | }::::::::l:::::\  r ,       i!ノ};':::::::::::ゞ::::::::{
                             | }::l:::::l:::::::::::\__   , イ_}!::/:::::::::::::::::)::::ハ
                             | }::|:::::リ`ー/゙7′     / ji:/::::/⌒  ヽ.::| ゝ、
                            ゝ,リ::ノ / /       ノ ji//l/     }マ  \
                                / ´/ /⌒ハヽ , -/⌒ i!ム {      /
                             } ,ー´  /∧/⌒/ ̄__/´i!マ /     /
                         , ィ´      》〉/冫 ̄     `ヽ  〉   /
                        /         }ア´             ∧
                       /        /{                / 〉
                         /:.                    .:   / /
                           {:::::.....     .::::::{{::::.....          ..::::::}   /
                      :::::::::.....  ...:::ーft-:::::::::::........  ....::::::::/  /

                         ‘、::::::::::::::::::::>〈ー-::::::::::::::::::::::::::::::イ  /
                             `iー-  イ /ノ    > ‐ ‐ 7´     ∧
                           | {       }}         /    / ハ
                             /| ,'     }〉        /〉    /   〉
                          / ,イ    〃           イ       /
                           ト、      》      /  |      {
                  __/⌒ヽ、`> __   〃         ト、      l
                   , '~ミ_     >~ ´ノ     ____  ∨ 〉     l
               > ´    `ヽ  ,〃⌒{.{´   __ └-、\ ∨'  /   }
            > ´        ___マ/__ ! _// --´ー 、    \〉 ヽ /   .}
      > ´  -‐ … =                  `ヽ     }′    }
   > ,'                                ∨   ∧    }
  /                                  ∨   /、 〉    i\
     i    ,                                 i    >       }
 i    ハ   '   ,                          i     ´\_________ノy‐、
  〉   /       }ー ‐- _,.                        人_     〉》_》_》_》》⌒ーァ
 ‘,                 =…‐- _        , イ  }   /込__,   , ^ー,’
  ∨       ノ                 `≧…≦´    }   /    `ー '
  /         ,                             }/

桃子「楽でいいっす」


出来上がった料理を持っていけば、桃子が京太郎のYシャツを着てのんびりとしていた。

椅子に座り足をぶらぶらとさせている為か、Yシャツ一枚しか着ていないので見えてはいけない所もチラチラと見えた。



京太郎「………見えてるぞ」

桃子「京ちゃんさん以外居ないっすから大丈夫っす、ご飯プリーズ♪」


一応忠告するも聞き入れるわけも無く、桃子は両手を此方に差し出しご飯をねだる。

そんな桃子にしょうがないなと少しばかり呆れながらも持ってきた料理を並べ渡した。


桃子「ご飯にお味噌汁、納豆に目玉焼き、ベーコンもあるっすか」

京太郎「ナチュラルに野菜を抜かすな」

桃子「………ブロッコリーもあるっすね」

京太郎「軽く茹でた、食べろよ?」

桃子「……はいっす」


京太郎の言葉にしょぼんと項垂れる。

食べるのが好きなくせに生野菜は未だに苦手なようだ。


『いただきます』


二人は席に座り、準備を終えると両手を合わせ食材に感謝する。


桃子「はむっ♪」


桃子が最初に食いついたのはベーコンだ。

カリっとした食感に肉厚で濃厚な肉汁が口の中に広がる。


桃子「わっはー♪カリカリで美味しいっす」

京太郎「そりゃ、よかった……ん、味噌汁もいいな」


絶妙な焼け具合のベーコンを食べ、幸せな気持ちになる。

このまま全てを食べたいが、一度に平らげるのは勿体無い。

1度気持ちを落ち着かせる為にもと味噌汁を手に取りズズっと軽くすする。


桃子「ほっ……なめこ、いいっすね」

京太郎「昨日の余りだけどな」


口に入れるとなめこ特有のぬるっとした食感を感じる。

ぬるっとしているが口の中に残るようなもので無く、するりと食道を抜け胃に落ちていった。

冷ましながら飲んでいるが、それでも味噌汁は温かくお腹がポカポカとしだす。

ほっとする気持ちの良い暖かさだ。


桃子「目玉焼きは……半熟っすね」

京太郎「半熟玉子を割って醤油と胡椒をまぶし、軽く黄身と混ぜ合わせる」

桃子「ベーコンやソーセージに付けて食べるんすね?」

京太郎「そそ、軽く味も変えられていいよな」

桃子「最後には余ったご飯に黄身と残った白身をかけて」

京太郎「軽く味付けをして、ずずっと……」

桃子「ぷはー…♪」

京太郎「最後はお茶を飲んでまったりと」

桃子「ご馳走様でした」

京太郎「おぅ」


両手を合わせ、今度は作ってくれた人へと感謝をした。

それに対して、京太郎は軽く笑い、食器を片付け始める。

桃子も手伝おうとするも京太郎に遮られ、しぶしぶと日光が当たる場所へと移動する。


桃子「あ~……暖かいっす」

京太郎「さっきまで寝てただろうに」


日光を浴び、うとうととしていると戻ってきた京太郎に呆れられた。


桃子「無理っす、これには逆らえないっす」

京太郎「まー確かにな」


反論すれば、京太郎はすぐに同意し隣に座ると同じようにボーとし始める。


京太郎「ところで……モモさんや?」

桃子「なんっすか?」

京太郎「モモは目玉焼きは何派?」

桃子「……私は――」


今日ものんびり、まったりと過ごしていく。

カンッ!

朝3時に帰って来て寝たら12時だった……3時間後にまた、会社ぇ
時間が足りないっす
ちなみに目玉焼きは、ご飯ならシンプルに胡椒と醤油、パンに挟むならマヨネーズ、ケチャップっすね

ああ、かわいすぎる

おつー
生のブロッコリーは生野菜好きでもキツイとおもうのよー

乙!

とうとう同棲しちゃってるのか......
この二人何処まで行ったんですかね?

「………」


部活の時間帯にソファーに座り、本を読む。

別に部活をさぼっているわけでもなく、休憩中なのだ。

パラパラと捲り目的のページを出すとそこに書かれていた文章と姫子を見比べた。


「京太郎~♪」

「はいはい、今回はなんですか?」


視線の先では、雑用で外に出ていた京太郎が帰ってきたところだ。

そんな京太郎に姫子は嬉しそうに走りより声をかけている。

その際には姫子のチャームポイントでもある『萌え袖』をふりふりと振っていた。


「特になんも♪」

「はいはい」


ただ、声をかけただけの姫子に京太郎は呆れながらも少し嬉しそうにしている。

そんな二人を見て哩は静かに本へと視線を戻し、項目の1つを読んだ。


(なるほど)


1.しっぽ(萌え袖)を振って好きだよアピール



「ロォン!」

「くっ」

「………」


南4局、残念ながら最後の親番を相手に振り込んで終わってしまった。

京太郎は、ため息をつくと『ありがとうございました』と同席してくれた人達に感謝をする。


「………」

「………」


そして他の人達が席を立った頃に隣をチラっとみる。

そこには、ニコニコと笑っている姫子が居て何故か手を京太郎の太股に置いていた。

特に何をするでもなく、ただただ、そうしているのだ。


「……次一緒に打ちますか」

「うん!」


京太郎にそう言われると姫子の顔はパァーと輝き嬉しそうに笑った。


(こいもやね)

2.前足をのっけてくるのは、遊んでほしいのサイン

3.「笑顔」のときは、嬉しいときや幸せなとき


「京太郎~♪」

「あー………」


部活も終わり際になり、京太郎が帰ろうと仕度をしていると姫子が擦り寄って来た。

擦り寄ってきた姫子は両手で京太郎の服を掴むとスリスリと頬ずりを始める。

そんな姫子の行動に京太郎は、戸惑いどうしようかと周りを見渡してた。


「またねー♪」

「あっ、ども」

「いつも仲良いね」

「そう……なのかな?」


助けを求めた視線を送るもいつもの事なので部員全員にそんな返答をされる。

暫くし、どうしようもないと諦めたのかソファーに移動するとそのまま座り姫子の相手をしていく。


「ん~~~っ♪」

「はいはい」


ソファーに座ると姫子は、コツンと頭を京太郎の胸板に置いた。


「はぁ~~~~っ♪」


そして安心しきったような深い深いため息をついた。


(なるほど、なるほど)


哩は、そんな二人の隣で本へと視線を注ぎ、先ほどと同じように項目の1つを読んだ。


4.スリスリしてくるのは、甘えたいとき

5.頭をコッツンは、ご主人への信頼のあかし

6.深いため息は、満足している証拠


「わ~い♪」

「今日もですか」

「悪かね」

「別にいいんですけど……男性の部屋にしょっちゅう着て噂にならないかと」

(既に噂になっとっとは、言わんでおこ)


夕食とお風呂も入り終わり、ゆったりとできる時間帯。

姫子と哩は、何時もの様に京太郎の部屋へと訪れる。


「わふっ♪」

「またかー!」


部屋と入ると姫子は嬉しそうに駆けて行き、京太郎のベットへとダイブし寝に入る。

ゴロゴロと転がり、京太郎の布団の上でのんびりとし始める姫子を京太郎はどうにか退かそうと悪戦苦闘していた。

そんな二人を哩は優しく見守り、お茶を淹れる。

姫子の匂いが付いて毎日大変だろうなと思うも相談もされていないので見守る事にしている。

勿論、相談されればどうにかするのだが、されて無い現在は二人の問題である。


「ふぁ~………」

「姫子先輩、お腹見えてます」

「ん~あい♪」

「あー……枕が抱き枕に」


お腹を出し、のんびりとしていると京太郎の注意が飛ぶ。

姫子は、それに素直に従うと手を伸ばし枕を取って抱きしめた。

その行動に京太郎は深い深いため息をついた。

思春期真っ最中の京太郎には女性の匂いが付いた布団で寝るのはきついのだろう。

ご愁傷様と思うも、姫子に言っても聞かないので諦めている。


(こいも当て嵌まっ)


本の内容を思い出しそんな事を思った。


7.仰向けでお腹を見せるのは、信頼しているから

8.ご主人のものに囲まれて寝るのは好きだから



「京太郎~♪」

「………耳たぶ齧るのはやめて」

「えー…………」


のんびりとTVを見ていると暇になったのか、姫子がずりずりと京太郎へと寄って行き、甘噛みを始める。

これにはたまらず、京太郎も姫子を引き離す。

そんな二人を見て納得したかのように哩は頷いた。


9.甘噛みするのは、甘えたいサイン


「先輩をオカズにするのはどうなんだろな。ふふふ……」

(ご愁傷様)


次の日になり、部室へとやって来ると京太郎が椅子に座り、ものすごく落ち込んでいる。

そんな様子を見て哩は、そんな事を思うもそっとしておく。

慰めるのも癒すのも自分の仕事ではないのだ。


「京太郎~?」

「あー……」

「ん~どげんしたと」

「いや、いや、自己嫌悪に」

「そっか」


ある程度すると姫子がやってきて傍に寄り添い癒す。


(ばってん、原因は姫子だ)

「はぁ……気にしててもしょうがないですかね」

「うん?」


暫くし、開き直ったのか京太郎はふふっと笑うと姫子の頭をポンポンと軽く撫でる。

そんな京太郎に姫子は不思議そうにするも嬉しそうに微笑んだ。


「姫子は犬やね」


              ___ ___":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``丶、
       ミ≧ニ`:.:.:.::.:..:.:.:.:.:. :./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ

         ミ;,      \:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
            V     ヽ:癶\.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
            /:.:,;,;,;彡:.:.:.:.:.:У:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙.',
    x==ニ二 ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.Y.:\

  /    /:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/メ、//:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.i.:.:.:}.:.:.:丶
 ∥    /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:./\:./:.:.:.:.:.:.:.:/.:j:.:.:!.:.:.i.:.:.:.:.:ヽ
 {{    //:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.//:./ __ ̄  //l:.:.:.:.:.:.:./.:/l:.:.:!:.:.:l.:.:.:.:.:.:.)
  \  / j/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:癶{:.:{/-=斧ミx メ /:.:.:.:.://:/ j:.:.j.:.:.:l.:.:.:.:.:.丿
     /:./.:.:.:.:.:.:./   Ⅵ ∥(::::(,八∠ -‐''" //~`ト、j==.:.:.:./
     ∥{:.{:.:.:.:.:.:./ヽ_   -气,,,少       _メ   j:./:.:.:.:ト、ノ
    { い:.:{:.:/:.:.:.:.:八               斧f,汽Xノ/:.:.:.:.:l:.ヘ
       乂从ト:.:.:.:.:.:.:.::}            〈(;;ン゙ ///.:.:.:.:.:.:lヽ:゙、
           \∧:./      r-   ` `Y/ノ/ l.:.:.:.:.:.:l }:.}
             |:三三≧\   乂 _)>    /:.:.:.:/  i.:.:.:.:.:.:l ノ:ノ
          /-―-、≡≧\ __  /:./:./   i:.:.:.:.:.:l/
        /       ヽ≡≧メ、ノ:.:_:./ノ    }:.:.j:.:.l
       \/         Y | ̄E} ̄     、_ /:.ノ }.:j
        ∨           l\〔{´l〕}         ̄  ノノ
          ∨           [{`》            /
            ∨            〈〈j`lj
          ∨      / /  ヾ┤
              ∨ミx/ //    ヾx、
                ∨/ /         V゙、
               V/          V゙、
               ∨         }::ハ

「部長?」


今回の事でよく判った。やはり姫子は『犬』だと。

哩は持っていた本をバタンと閉じそんな事を言った。

10.飼い主が落ち込んでいるときは、寄り添って癒してくれる


『犬(姫子)の10の愛情表現』 カンッ!


>>778
そう思ってくれたら嬉しい限りで

>>779-780
なんで生がついたんやろな、軽く茹でてるから生やないのに

>>781-784
いつの間にか同姓して件について
>結婚披露宴レポート
なにその新しい結婚式、ひたすら二人のイチャイチャを見せ付けられる展開になる模様

姫子は犬 哩は猫 

異論は認めぬ

猫がワキの下に頭を突っ込んでくる時は、
飼い主を信頼してる+赤ちゃんの頃に帰って甘えたいのサインだそうな

いや、別に特に意味はないんですけどね~

好評なようで何よりで 哩も作成中っす
明日辺りには……。

>>797
猫だと微笑ましいけど人がやるとなんか危ないなw

「………」


部活の休憩時間にソファーに座り込み本を読む。

図書室でたまたま見かけた物で麻雀と関連性はないが、どうにも気になったことがあり借りてしまった。


「………」

「……あのー、部長?」

「どげんしたと?」

「そのー……他にも空いていると席あるのですが」


姫子は本から顔を上げ、声が聴こえる方へと視線を飛ばす。

そこには、部長である哩が麻雀を打っている2年生の後ろで立っている。

レギュラーであり、部長でもある哩がずっと後ろに張り付いているせいか彼女の打ち方は散々だ。


「ここがよか」

「そうですか」


他にも空いている席があるので其方を進めるも一言でバッサリと切られた。

これには2年生の子も涙目になる。


「空きました!それでは私は他の所で!」

「んっ」


暫くし、対局が終わると2年生は逃げるように立ち去り、その場所に哩が座る。

そして何事もなかったかのように麻雀を開始し始めた。


「!」


麻雀も南局に入った時であった。

哩がなにやら目を見開き、嬉しそうに頬を緩ませる。

そして……そこから哩の怒慟が始まった。


「ロン!8000」

「ふえ?!」

「ツモ!4000オール」

「はやっ!?」

「ツモ!2000・1000で終わりやね」

「うぅ……」


南2局からの哩の早上がりで5分もしないうちに対局を終わらせてしまったのだ。

流石のこれには、他の部員も声にならなかった。


「ただいま戻りました」

「んっ、おかえり」


哩が立ち上がると同時に扉が開き京太郎が帰ってくる。

雑用で外に出ていたのだが、哩は丁度良く京太郎を出迎える。


(なるほど)


そんな哩の様子を見て、姫子はもう一度本へと視線を落とした。


1・お出迎えをしてくれる


「こっちお願い!」

「はいはい」

「………」


部室に戻ってくるも京太郎がすぐさまに他の人に呼ばれ其方へと移動する。

それに伴い哩も当然のように後ろを着いて行く。


「こっちも!」

「は~い」

「………」


それから暫くの間、京太郎が席に着くまで哩が後ろを着いて行っていた。


(ふむふむ)


姫子は麻雀を打ちつつも横目でそれを確認し、納得したのかのように頷いた。


2・後ろを着いて回る


「またっすか」

「うん」

「ん」


夕飯を終えると何時もの様に京太郎の部屋へと移動をする。

毎日来る二人に京太郎は少し呆れながらも特に拒否もなく入れてくれた。


「ん~何か面白かもんは……」

「こいとかどうとです?」

「そいがよかね」


姫子はベットで寝転がり、哩はあぐらをかいている京太郎の上に体を預ける。

二人共にだらんと寛ぎ寝ている。


「………」

「………」

「あのー……」

「ん?」

「見えないんですが」

「ん~………」


TVを皆で見ていると寝ていた哩が起き上がり、京太郎の前を陣取る。

身長こそ京太郎の方が高いが、膝の上に座っているせいで哩の頭が丁度顔の位置に着てTVが見えない。

少しばかり申し訳なさそうに京太郎が声をかけるも哩は気にせず妨害を続けた。

京太郎は、ため息をつくとゆっくりと退いてと言う意思を込め頭をぐりぐりと撫でる。

暫くの間、されるがままに哩はされ、満足したのかするりと下へと下がり、京太郎の膝を枕に寝始める。

3・TV・PCを弄っていると妨害をしてくる


「お腹見えてます……哩先輩」

「ん~……」


皆でTVを見ていたのだが、次第にダレて姫子と哩は寝てしまった。

京太郎の太股を枕にだらしなく寝る哩に注意を飛ばすと哩は、少しばかり不機嫌そうに呻った。

4・お腹を見せて寝る


「あ~……」

「………寝ぼけてるのかな」


頭をポンポンと軽く叩くと哩はうっすらと目を開け、両手をぐにぐにと動かし京太郎の太股を揉むように動かす。

京太郎は、そんな行動にクスっと笑いそのままにさせる。

5・太股や柔らかい部位をぐにぐにと揉んでくる


「ん~♪」

「はいはい」


暫くすると満足したのか、哩は手を止め頭を京太郎のお腹にくっつけるとぐりぐりと擦り付ける。

そんな哩に京太郎は、はいはいと手馴れた動作で頭をゆっくりと撫でた。

6・頭突きをしてぐりぐりとしてくる


「あむっ」

(最近よく人に噛まれるな)


撫でていると指を哩に噛まれる。

噛まれると言っても甘噛み程度で特に痛みも無い。

嫌だったのかと思い手を引っ込めようとするとじーと哩に無言見つめられる。

暫しの間、見詰め合っているとゆっくりと瞬きをして満足げに頷いた。


「………」


そんな二人を姫子は、ベットに寝転がりながら本を読みつつ観察を続ける。

7・甘噛みをしてくる
8・じーと見てくる


「そいじゃ」

「おやすみー♪」

「おやすみなさい」


時間も時間になり、二人は挨拶をして部屋へと戻る。


「京太郎、こい」

「これは……貰っても?」

「んっ、いつも世話になっとっとやし」


帰り際に可愛らしい袋に入った物を渡される。

許可を貰って見てみればクッキーのようだ。


「ありがとうございます!」

「んっ」


美味しそうな匂いに喉がごくりと鳴り、嬉しそうにお礼を言うと哩は恥ずかしそうに頬を染め

ぷいっとそっぽ向いて、立ち去っていく。


「流石、部長」

「?」


そんな哩を姫子はうんうんと頷き、見ていた。


9・プレゼントをくれる


「部長、こっち終わりました」

「んっ、次はあっち頼む」

「はい!」


次の日になり、京太郎が雑用を終え哩に声を掛けるも素っ気無く返される。

次の仕事を請けてチラっとだけ哩を見るも哩は、きびきびと他の子を指導している。

昨日は京太郎の後ろを着いて回るぐらいだったのに今日はこれだ。


「相変わらずだな」


素っ気無くされた京太郎は苦笑するも嫌な気持ちにならず、仕事を続ける。

別に嫌われたとかではなく、あれも哩の信頼の形と知っているからだ。


「ぶちょーって猫ですね」


             
                へ
                │ 丶   
│  ヽ

│   ヽ
│    \
│      \
│ \

イ───────│   ┐
   \          ,. : :´          `: : 、
      \   ./                `ヽ
       \,.:                     :.
        ,.:゙ ,      |  |             ),
       ./ /         |  |             / ハ
      厶ニ| i     l   |  |
.     「 ̄ | l     ト,| |  |
.       i   | |   _,以 || 「二ニ=‐- ..,,_
     |   l,斗<  .| i |`||
      |  ∧ | j云ニL」ノ .|├=Y⌒ヽ
     .从  .从 jI八::rⅱ || ヾ   }
.      ヾ:、  ハ   ,)ヅ ||       ./
          `ト己   .:::::: ノイ    ,.イ     \
         | .ノ           :' 从       \  jI斗┐
         | ,心、             `ヽ   ___(   |
        ||| 心r_;          ,.厶=孑ヘ\ ├ヘ,_|
            || |!.心、  ,.。o心,  ´    _,,.⊥、L| |
         ! |[レ' `i´  rく    /     `ヽ|
            ! ;||     r 1 :|   /        ∨
.            ! 小|    ,ハ|| /           ∨
          ! |     _|///|/               ∨
           !|     /  / /              ___∨
            弋   厶イ/            /////∧
                / //             ////////∧
             / ./          \////////// ∨
            ./ ./        ヽ  \///////   ∨

「にゃー」


本をバタンんと閉じ姫子が、哩にそう言うと一言だけ鳴いた。


猫(哩)の10の愛情表現 カンッ!

おかしい……昨日2時に寝て起きたら、夜20時だった
猫ってツンデレ、またはクーデレだよね。
すっげー愛情表現がわかりずらいわ

AA……耳ずれたOTL
うぼぁー……

<食の京太郎 もつ鍋編>


「さて始めるか」


エプロンを付け、腕を捲くり準備を整える。

材料を人通り確認し、問題ないかを確認すると調理を始める。


「最初は……鍋にお湯を足し、『インスタントラーメンの素』を入れる」


この時に入れる素は、『とんこつ』や『辛口味噌』の奴がオススメ、『韓国風のチゲ』も結構いける、今回はとんこつ味で行く。

この際に具材として『かやく』も入れるとなおよし。

沸騰をし終えた後は、メインの具材でもある『ホルモン』を入れ3~5分ほどじっくりと煮ます。

この際にホルモンが臭う場合もあるが、その際は下処理をするとグッド。


「味は……こんなもんかな」

時折、味を確認しつつ整え野菜を入れていく。

野菜は、『キャベツ』、『ニラ』、『もやし』、『にんにくをスライスした物』、『油揚げ』を入れて中火で5分ほど煮ます。


「うん、美味しい」


味を確認する為に摘み食べる。

シャキシャキとした野菜の食感にホルモンのぷりっぷり感、最高である。


「出来たぞー!」

「はいっす!」


鍋を持ってリビングへと行けば、桃子が食器などを構え待っていた。


「わっはー♪」

「がっつくなよ」

「無理っすね!コタツに鍋に!ご飯が進まない訳がないっす」

「まぁ……そうだよな」


美味しそうに食べる桃子を見て微笑み、自分もまた口へと運ぶ。


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       |:::::::::::::::::::::::|::::|」八::::L_j::::: :::::::::|八:::::|  >===ミx|/::::::::::::::::::::::::

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       |::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕ト ..___..        |)\:::::!::::::::::::::::::::::::::
       |::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |          /   V::::::::::::::::::

「ニラともやしがしゃきしゃきでいいっすね」

「とんこつ味で正解かな」

「味噌のこってりもいいっすけど、とんこつも♪」

(モツに油が乗っていて噛めば噛むほど肉の味が広がるっす!)


モツを口に放り込み噛む、ぷりっぷりの食感と味わいが口に広がりご飯が進む、スープを口に入れ零さないようにご飯をかき込むと幸せだ。


「ぷはっ~………幸せっす」

「おいおい、まだ〆が残ってるんだぞ」

「〆?」

「そそ、じゃーん!」

「インスタントラーメンの麺っすか?」


そう言って取り出したのは先ほど開けたインスタントラーメンの麺だ。

かやくも素も使っているにこれだけ残すなんてありえない。

ある程度少なくなった鍋に入れ2~3分ほど煮れば、美味しそうなラーメンの出来上がりだ。


「あ~……美味しいっす」

「ずず……いい感じだな」

「それにしてもインスタントラーメンの素っすか」

「馬鹿にすんなよ?ラーメンの出汁って複雑で年数をかけて作っている物なんだ」

「確かに」

「それを経った3分で完成系に近いまでに作り上げた物だ、まずい訳がない」


確かにと桃子は納得し頷く。


「食への探究心ってすごいよな」

「すごいっすね」


ずるずると二人で麺を啜り、最後の最後までしっかりと食べきる。


「はふぅ……あー何もしたくないっすね」

「だなー……あー横にはなるなよ?」

「駄目なんっすか?」

「食べた後に横になると胃液が逆流して食道炎になりやすいんだぜ?」

「わわっ!?」


ぐでんと横になっていた桃子は慌てて起き上がり正座をする。


「昔から言うだろ、『食べてすぐ横になると牛になる』」

「言うっすね」

「昔の人はそれとなく判ってたんじゃないかね、勿論行儀の悪さも言っているんだろうけど」

「意味があるんすね」

「意味がないことなんてないさ」

「う~ん」

「どうかしたか?」


後片付けを終え、戻ってくると桃子にじっと顔を見られる。

不思議に思い首を傾げると桃子は頭を下げた。


               ____
            ....::´::::::::::::::::::::::::`::::..、
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       i l:::::|::::::|::|::i╋┿╋╂ )' /      ',

        八从::::|八l┿╋┿/ :/   〉

            ∨〃i⊥彡'´ . : {\  /:
            r=// /: :    : : :{: : ∨: :     ',
       _, ‐‐v' //        \/: :       ‘,
     // -=ミ_}/ 【___】       ∧:.       i
    _/ { -‐v'             ∧:.      ∧

    〈{ 八_二ソ:. . . .      . : : : : : : ∧:.  . : : : . : :.∧
    ∨ 〈 |:.:|i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ノi: : : : : : : : : : :∧

「今回は負けっすね」

「へ?」


意味が判らず呆然とするも桃子はすぐに顔を戻しTVを見始める。

一体何のことだろうか。


今回の対決
京太郎○-●桃子

京太郎の初勝利

カンッ!

すき焼き編でラストだと言ったな、あれは忘れて
思いつく限り続けます
あと最近食べ歩きが趣味になりつつあったり

訂正:ホルモン⇒モツね!
ホルモンは腸 モツは臓物っすから!

人居るー?

なんか小ネタ募集しますー

23:00~23:05 程度の間に何かありましたらリクエストどうぞ
全部は書けんけどいくつか書いてくよ

ありがとう 書いていくっすよ
そでは今日はこれにて

酔った勢いで一夜の過ち 咏編

「どこまで覚えてますか?」

「え~と……」


朝起きると二日酔いで痛むを頭を押さえながら惨状から目を背ける。

辺りには、二人の洋服と下着が散乱しベットシーツはびしょ濡れ+血塗れだ。

更にはお互い裸で誰がどう見ても何があったのかを察する事ができた。


「………たしか、ヤケ酒して」

「あーそうだ、照さんに負けた同士慰め合ってでしたね」


どうにか思い出し、二人で頭を抱えた。

事の出来事は、プロ戦だった。

咏と京太郎と照ともう1人……兎に角4人のプロで大会決勝を行なったのだ。

最初こそ均等に試合は進んでいたものの最後の最後に照の連荘を許してしまい、負けてしまった。

戦いは均等に進んでいただけに悔しく、お互いに涙したものだ。


「あれはありえねーって」

「わかんねー何あの連荘」


大会が終わった後に照の連荘に色々と言い合った。

次第に熱が高まっていき、初対面の癖に意気投合、二人で飲みに出かけたのだ。

何件も何件も飲みに飲み、ふらふらの状態となった時、時間は深夜を軽く越えていた。

流石に酔いすぎて帰るかとなったのだが、ここで問題が起きた。

タクシーを呼ぼうにも二人共に限界近く、1人の家に着くのが精一杯だったのだ。

結局の所、酔った咏を一人で帰させるわけにもいかず二人で京太郎の家へと向かった。


「ところで京太郎はヤったことある?」

「何をっすか?」

「何っていったらナニだろ」

「ぶっふー!?」


家に着き、シャワーを浴びたせいか、だいぶ酔いも冷め、改めて飲みなおしたのが間違いであった。

話はだんだんと卑猥な方向へと行き、初体験やら彼女やらと話しになる。


「流石にありますよー……その後、振られましたけど!」

「あっはっは」

「笑うなー!っとっとっと」

「うわーー」


大学の頃に付き合っていた彼女を思い出し、ヤケになるも咏に笑われた。

酔っていたこともアリ、咏に詰め寄ると足がもつれそのまま咏をベットに押し倒す。

咏は押し倒されたにも関わらず楽しげに笑い、そのままになる。


「それからしてねーの?」

「………してないっすよ」


押し倒され、咏の着物の帯が解け胸元に太股とあらゆる場所が良く見える。

それなのに咏は気にせずしっかりとした目つきで京太郎を見据えてきていた。

少し前までは子供っぽく陽気な咏と認識していたが、今の咏は何処か引き込むような雰囲気があった。


「なら……私でヤラね?」

「まじっすか」

「まじ……だ、京太郎の事が気に入ったし、初めてあげてもいいかなーと」

「………え~、その年で初めてって」

「うるせぃ、すこやん、はやりん、理沙さんよかましだ」


咏の言葉にあの3人もまだなのかと要らぬ情報を貰う。

あの3人も大変だと思うも自分の幼馴染も彼氏を作った事がないのを思い出し麻雀プロってと考え悲しくなった。


「そんなことより、どうだ?」

「えっと……本当にいいんすか?」

「おぅ!」


正直な話し、溜まってたりはするのだ。

仕事で忙しく、初代牌のお兄さんとして活躍してる事もあり、彼女なんて出来やしない。

それなのに余り余る性欲もあり、処理に困る事もたまにある。


「ほら……な?」

「止まれませんから」

「止まんなくていいぜ」


咏は、両手を此方へと差し伸ばし京太郎の首に回すと引き寄せてくる。

京太郎は、その行動に抵抗せず、顔を咏の首元へと近づき軽く息を吸う。

少し汗を掻いているのだろうか、甘酸っぱい匂いが鼻孔を擽り、脳が解けそうになる。


「あんっ」

「っ!!」


思わず軽く、首元を噛む様に頬張り舌で舐めてみる。

その瞬間、咏の体がビクンと跳ね、喘ぎ声を発した。

これには京太郎も驚いた。

子供のような咏からこのような妖艶な声が出たことに対して胸がどきどきと高鳴る。


「っ!あ……は、激しくねぃ?」

「んっ、ちゅ」


もう止まれない、数年ほどご無沙汰なのだ。

その上、咏は10人が10人、美人、美少女と言うほどの容姿を持っている。

この女性を自分の好きにできるのだ、止まれるわけがない。

体を完全に下ろし、咏の腰と肩に手を回し、ぎゅっと抱きしめる。

細い、抱きしめた咏の体は子供の体温のように暖かく細かった。


「んっ~~~!首ばかりっ」

「なら……こっちも」

「んぷっ……ふぁっ」


首ばかり攻められたせいか、もどかしく、恥ずかしくなった咏が抗議の声を出す。

それを黙らすかのように京太郎は首元から咏の口へと持って行き塞いだ。

勿論、最初から舌を入れる。


「んっ……!ちゅ、ふあ、い、息が」

「鼻から少しずつ出して下さい」

「はふぅ……あっ♪」


どうやら咏は、キスもした事ないらしい。

舌を入れてくる京太郎に戸惑い、どうしたらいいか判らずうろたえるばかりだ。

それでも一生懸命舌を絡め、此方に合わせ様としてくれる咏にドキっと胸が高鳴った。


「ん~~~~!!??」

「こっちも……準備を」


濃厚なキスを何度もしながら手を秘所へと伸ばし、丁寧に触っていく。

咏の着物を少しだけ剥ぎ下着を露に……露に……。


「………」

「………」


しようとして手が止まった、口付けも止まった。

お互いに気まずそうに視線をあちら此方へと飛ばし、なんと言おうか困ってしまった。


「あの……下着は」

「………」


そう、咏は下着を穿いていなかったのだ。

流石の京太郎もこれには、戸惑いを隠せない。

今穿いていないと言う事は、大会の時から穿いてない可能性をと考えてしまったのだ。


「ほ、ほら和服って下着のラインでないようにき、着ないし」

「……普段からノーパンだと!?」

「うるせぃ!いいから続き!」


京太郎の発言に咏は顔を真っ赤にさせバシバシと手で叩いてくる。

そんな咏を可愛いなと思いつつも行為に戻り、先ほどの戸惑いを消していく。


「んっ、ふわ」

「気に入りました?」

「よくわかんねぃー……でもいいな」


何度も下後に口を離すと絡めた舌と舌に糸が伸びる。

暫くすると唾液と共に糸が切れ、咏の口へと落ちていく。

それを咏は口で受け止めるとわざと音を立てごくりと飲んだ。

そんな咏の行為を目の辺りにして京太郎はくらっと頭に来た。

初めての癖にこちらの心を掴んでくるような行動の数々にもはや虜になっていく。


「わっ、って流石にそれはっ!」

「しっかりと濡らさないと」


少しばかり悔しくなり、咏の両足を掴み広げると秘所に顔を近づけ舌で舐める。

子供のような体系であるが、咏の秘所はしっかりと大人だ、ほんの少しだけ陰毛もある。


「ここは……大人っすね」

「ここはってどういう事……あっ、うぅ、あひぃ♪」


顔を埋めるようにし舌でスジに沿って舐めていく。

上から下へと丁寧に解かすかのように撫でて行くと気持ち良さそうな声が聞こえる。

その声に調子が良くなり、何度も何度も舐め、濡らしていく。


「あっあっ♪じ、自分でするのとは、違う」


咏は初体験の感覚にもどかしくなり、両手で京太郎の頭を押さえるも全くと言って良いほど動かない。

動きも段々と激しくなり、クリトリスを舐められ、膣に軽く舌を差し入れされた。


「はぁ~、んっあん……はぁ……ん、んぁ……」

「いいかな」


ある程度濡らし終え、顔を起こし咏を見る。

咏は、疲れたようにそれで居て気持ち良さそな顔で呆けていた。

息も荒く、準備万端のようだ。

そんな咏を見て京太郎は、痛いほど膨れ上がった一物を取り出し、咏の秘所に摺り寄せる。

自分の唾液と咏の愛液で一物がぬらぬらとテカリ、輝き気持ちがいい。


「そ、それが入るんだ」

「痛いですけど……それは我慢で」

「あ~……やっぱりか」

「痛くない子も居るらしいっすけどね」


流石に怖くなったのだろう、ぎんぎんに大きくなった一物を見て咏の顔が引きつった。

それでもここで止まるわけにもいかず、不安を取り除くように京太郎は言い聞かせてみた。


「よ、よし、こ、こい」

「あははは」


覚悟を決めたのか、どもりながらも足を自ら広げて見せてくる。

そんな行動にまたもやクラっと来た。

どうしてこうも彼女は誘ってくるのか。


「っ……あぁ~~~~!!!」

(きっつ!なんだこれ、大丈夫かよ)


少しずつ入れて行くと先っぽの方で既に厳しく締め付けてくる。

千切れるのではないかと言うほどの締め付けに心配になりつつも止まれなく、少しずつピストンを繰り返し奥へ奥へと差し込んでいく。


「っ~~~~~~~~~~!!!」

「ぐわっ」


少しずつ入れて行くと行き止まりに達したのかぐいっと咏の体が浮き上がる。

子宮を押してしまったのだろう、咏は声にならない声をだし悶絶した。


「だ、大丈夫……ですか」

「ふー……ふー……ぅう、はぐっ」


ぎりぎりと締め付けられ痛む一物を堪えながらも咏を気遣い、頭を優しく撫でる。

そんな行為にも咏は反応できずに息をなんとか整えようと涙を流しながら耐えていた。


「咏……さん」

「んっ……い、いや~、あ、案外、平気だな」

「まったく」


そんなセリフを言うも咏の顔は涙でくしゃくしゃで我慢していることがよく判る。

自分よりも痛い思いをしている癖に強がる咏に愛しさが沸き起こり優しく抱きしめるとゆっくりと頭を撫でる。


「こ、子供じゃないんだから」

「嫌っすか?」

「……いやじゃない」


暫しの間、少しでも痛みがなくなるようにそのままの格好で落ち着かせた。



「よよし、こい」

「はいはい」


出来ればここで終わればいいのだが、咏は手を差し出し、続きを求める。

京太郎もそんな咏に合わせ少しつづ腰を動かす。

咏の膣内は、血のお蔭かぬるっとしており、だいぶ動かしやすくなっていた。


「ふぅ……あっ、はぁ……んった」

「まだ、痛みますか」

「さ、流石にな、あん」


咏が深い息遣いをする度ぎゅっと膣内が締まり、心地よくなっていく。

久々なせいもあり、ゆっくりと楽しみたい所だが咏の様子を見るに無理と悟る。


「少し、早くします」

「ぅく、はぁ……お、おくがっ……あつっ」


タンタンとリズムに合わせ、何度も何度も腰を動かす。

本来なら腰を回したりなどしてやり方を変えた方がいいのだろう。

だが、今は早めに絶頂し終わることを前提に動かしていく。

これ以上無理をさせるわけにはいかない。


「っ……そろそろ出します」

「っふぁ……あっ、だ、だす?」


久々のせいか絶頂は早めにやってきてくれた。

これで遅かったら咏に負担がかかっていたのでほっとする。

断じて早漏な訳ではない。


「きょ、今日は安全日っ」

「くっ」


腰を掴みラストばかりに腰を動かす。

次第にむくむくと一物が大きくなり射精の準備をし始めた。


「あっ……んっ~~~~」

「っ」


そして、湧き上がって来る物をそのまま奥に差し込んだまま出していく。


「あっつ、っはぁ!」


ドクンドクンと胸が痛いほど鼓動し息が絶え絶えになっていく。

何秒も続く長い長い射精が終え、ずるりと一物を抜けば、白い精液と赤い血がごぽりと垂れた。


「ふぅ……ふぅ……」

「っ……疲れた」


二人は息を絶え絶えになり、ばたりとベットに倒れこみ、意識が遠のいていった。






「って所まで覚えてるな!」

「全部覚えてるじゃねーか!」


昨日のことを思い出し、咏は笑い、京太郎は頭を抱えた。


「まぁーまぁー私が誘ったことだし合意の上だからよくねぃ?」

「咏さんがそれでいいっていうなら」

「これですこやん達に自慢できるし!」

「さすがにやめたげてよぉ…」

「あぁ……それと」

「それと?」

「またよろしくな~」

「へ?」

    / .:.:::::::|:::::::|::::::::::::::::::ト、:::::::::::\:::::::::l:::::::::::::.:.:.:.:l.:.:.:.:

    / .:.:.:::::::|:::::lハ:::::::::::::::::|  ;::斗匕::ヽ::::l:::::::i:::.:.:.:.:.:.l.:.:.:.
.    ′.:.:::::::::|:::::| 乂:::::::::::::|/ヾ::| \:::/Ⅵ:::::: l:::::::::.:.::l.:.:.:
   ..i|.:.:..:::::-|-一  >- "   孑斧气メ 〉.|::::::::l::::::::::.:.:l.:.:.
.   |.ハ.:.:::::::|::|::::::|二.        `込 ソ / |::::::::l::::::::::::.:l.:.:.
.   |:{ |.:.::::::|::l/ ::|气メ `       `””’   | ::::::l:::::::::::::.l.:.:::
.   |:{ |.::::::::|从::::込ソ        〃〃   |::::::/::::::::::::.:l.:.:.:
..  乂 l:::::::::V::マ::`”’            /:/:::::::::::::::.:l.:.:.:
.      l.::::::::乂入::|〃 ′       /:::::::::::::::::::::::::/::::.:
      l.::::::::::::}::::}:|    - ‐ '′/::::::::::::::::::::::::::/:::::::::
      乂::::::::乂:人./ ̄/〉   ./::::::::::::::::::::> '::|::::::::::::::
        > :::::::ヽ/  //、 __/:::::::::> '´ ̄__」、:/:::::::::::::
          >:/  // :::/::> ' /  /:(@)}/::::::::::::
        /::::/  //::::::こ7:::ヽ ∨ /:..:.:.:.:..::/:::::::::::::::
      /:::::::/  //:::::/::/.(@)У/.:(@).:.:.:/::::::::::::::::::
『痛いままで終わらせるのは嫌だろ』



そう言って咏は軽くウィンクをした。


カンッ!


オマケ

「咏さんと共に酔って大変でしたよ」

「え?」

「うん?」


それはTVの収録を終えた後に針生えりと出会い、先週の話題を挙げた時だった。

えりは京太郎の事場に不思議そうに首をかしげたのである。


「三尋木プロってザルですよ?」

「へ?」

「あの人とよく飲みますけど酔った所見た事ないですし」

「まじで?」

「本当です」



         `ヽ       |  ‐┼‐  .|  ‐┼‐
       / `ヽ ヽ   |   .|   |   .|  ー―
  \   /   _,ノ  }  .し ○ト、   し ○ト、      /
    \                       /
            _,,......-―-..... _
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.        /::::::::__:::::汽テテ=  〒テ「.!::::::ハ      |   ん  |
      /:,:ィ::に!:::::::i ト:り    乂リ .i::::::i !     <     ね  .|
     / ./:::::ゝ|:::::::l |::!".r―┐"",ノ:::::乂_       |    l    |
     {  ,/::::::::::::i:::::::ト,!:! ヽ. -' ,ィ彡イ:::::::::`ヽ    .|    |    |
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      ハヘ: . : . : i:::::::::::`マヘ: . : . : ..:/: . : .ヽ: :i


京太郎の脳裏に咏の笑い声が聴こえた気がした。

カンッ!

さて寝よう

<セーラと制服デート>

「ここで待ってろと言われたけど」


時計を見ると待ち合わせの時間少し前だった。

辺りを見渡すも先輩達の姿は無く、どうしようかと悩む。


『明日の10時にここな』


先輩である浩子にそう言われたのは昨日の事。

皆で遊びにいくものだと思い待っているのだが、一向に誰もやってこない。

普段なら、時間に厳しいし浩子先輩を先頭に既に揃っている筈なのだが、今だ0だ。

これは電話でもして確認した方がいいだろうかと思い携帯を弄くる。


「お、おまたせ」

「珍しいですね。セーラ先輩が一番……なんて?」


電話をしようとすると後ろから聞こえ慣れた声が聞こえてきて、振り向いて目が点となった。

                  , '{    _,,
                 ./::,'  , ィ ン´
           `ヽ- 、  ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
             ,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
         , . : '": : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : `: . . 、

       ,. :´: : : ; ィ'": : : : ´:^:`: : : : : : : : : : : : : : : : : \
     ,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、

     '´   /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
       , ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
       , : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : i!: : : : : : : : : : : : : : : :,
     /: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .

    , : : : : : ;,/: : : : : : /,_,、: : : : : : :iー-ヽ: : : : : : : : : : : : : :ヘ
    , : : : :.//: : : : :./ ,,_  ヽ: : : : : {  __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
   γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心㍉、: : : :}ヘ ヽ: : : ,

   ´     {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ   ヽ: { .{   リ  }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ
        i: /i:ヽ6ヘ   ゝ,シ    ヾ  `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
        i/ !: : '>ヘ /i/i/   ,   /i/i/  /ノ   ゙ ー-ゝ
          i: /  }、             ,
          レ"  }: iヽ    ー     ,ノ}
             },ノ 从:`. ァ    , ィ: :ハ{

                ヽ: }   ̄   {ノ
              _, ィ '彡!       ',`゙≧ x 、
          ,ィ≦壬ニニニ{        }ニニニニニ≧s。

         ,ヘ’ニニニニニニニi! ‐- 、  ,, -‐i!ニニニニニニニマヘ
       /  ヘニニニニニニニi! ,,ィー‐ 、  .i!ニニニニニニン  ,
       ,    ヘニニニニニニ=i!´     `i!ニニニニニン    ,
           ヘニニニニニニヘ      /ニニニニン
       ,〈     /ヽニニニニニヘ     /ニニニニン   }   ,
       ',   ,'   \ニニニ=ヘ   /ニニニン    i    ,
     ,   ヽ  {     ヾ≪ニヘ  ./ニ≫"     ,'  /
          .{      `、;;;`;゙,,∨ン;;;/        /    ,
     ,  `ヽ  .i!       ニ≫{;;;;;;}≪       }ノ     ,
           ',    ,ィ;;'";;;;ン´ ̄ヾ;;;;`;゙;;,,、    ン
    ,'      υ  /;;;;;;;;;/    ヾ;;;;;;;;;;;ヘ   i!      ,
    {       {  ゝ;;;;;/       ゞ;;;;;;;;;ヘ  .i!


「………なんか言えや」

「あー………?」


振り向けば、何故かセーラ先輩が制服を着て立っていた。

休みの日に制服と言う疑問ではなく、何故、どうして女性のほうの制服を着ているのだろうかと疑問に思った。


「えっと……よくお似合いで?」

「言うなや!」

「どうしろと」


とりあえず褒めてみるも怒鳴られる。

顔を真っ赤にさせていることから怒っているのではなく、照れている表情だ。


「く~……浩子の奴許さんからな」

(あぁ……浩子先輩の案か)


悔しそうにするセーラを見て、京太郎は脳内に浩子の姿を思い浮かべる。

思い浮かべた浩子の顔はあくどい顔でくっくっくと笑っていた。


「えっと?」

「……大会では女性の制服着なアカンらしい」


理由を問うていればそんな回答が返ってきた。

普段からスカートなどが苦手なセーラの事だ。

大会でも何時もの様な学ランで出ようとしていたのだろう。


「慣れる為ですか?」

「そうらしいわ」

「それで何で俺も……?」

「……ご褒美も必要って言うとった」

「はい?」

「なんでもないわ!ほな、もう行こう!」


最後の方でセーラが顔を真っ赤にし何かを呟く、呟いた言葉はとてもとても小さく回りの雑音のせいで聞き取れ無かった。

大事なことかと思い聞き返すもいややとばかりに顔をそっぽ向かせ喋ってくれない。

どうやら、聞き出すのは無理なようだ。


「それでどちらに」

「で、でーとぉ?プランとか貰うとる」


差し出された手には何かが書かれた紙があった。

それを受取ると中身を二人で確認していく。


「10:00 まった~? いやまだ来た所さと 遣り合う」

「11:00 遊園地に入り、手を繋ぐor腕を組み コーヒーカップへ」

「12:00 食事をして あ~んしあう」






「最後……どちらかの家でスッポリと決める。アホか!」

「何と言うかテンプレと言うか」


最後の最後にはセーラが顔を真っ赤にさせ紙をびりびりに破く。

こういう色恋沙汰には慣れていないのだろう。

耳まで真っ赤にさせ息を荒くしている……と言うか涙目だ。


(ふむ……セーラ先輩か)


そんなセーラと違い京太郎は冷静にセーラを見直し考える。

いつも男勝りでいながら、こういう時には恥じらい可愛らしい。

頼りになり、付き合いやすく、元が良いので服を調えれば十分美少女だ。


「ありだな」

「なにがや?」

「なんでもないっす。ほら行きましょうか」

「……うん」


手を差し伸べるとセーラは素直に取ってくれた。


                  ,、
             ー-..、   ',:\
             _\::`ヽ、}: :ヘ
     _,,,. . .-‐: : : ̄: : : : :`゙: : : ヽ: :},____
     `''ー---: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ン’
       /:^:´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ゞ´

      /: : : : : : :: : : : : : : : : : : : : : :\: : :ヽ
   ,,ィ: '": ;_:ノ: : : : /: : : : : : : :i: : : : : :}: : :ヽ: : : : 、
  `゙ー‐'フ: : : : : :./: : : : : : : ノ}: : : : : i!: : : :ヘヽ: : ヘ

    ,ィ": : : : : :7: : : : /ノノ ,': : : : ノ_}: : : :}:ヽ`ー-ゝ

     `7: : :r 、:{: : ,ィ==ュ、 /: : :/_´,,レ、: : }: : :,
     /: : : {.{ヽレ"“㌢さ ’/:;/ ィチァヾ }: :.,': : : .,
    ノ- "7:;ゞュ」  ゝzシ´ '"´  込ソ 〃}:/、: : : :ヘ
      '´  ヽ: ヽ     .      ,': :":} `ー--ゝ
          ゝ: i 、  r _ ァ   ノ ヽ: : ,
         _,,ィニ}   .__ ,  ´   ヾ}
      _,,ィ≦ニニニ<,,_   L}≧zzュx、
     ,'へニニニニニヘ`゙ -‐'iニニニニニ7` 、

     〈  へニニニニニヘ   i!ニニニニ=7 ,'  }
     i、   へニニニニヘ   !ニニニニノ ノ  ,
     i ヘ    }`゙ヽニヘ }!ニニ≫´ /

     i! ',    .i} ヘ;;`ヘ}ノ_,ンソ  }    l
     ,      ',   `ァ、,n};;;ノ   ,
            、 /;;;/'ヘ;;\  , _,, '" !

     ゝ、` ̄ ̄ ´};;;;;;;/  ヘ;;;;;;ヘ ノ  _,ノ
       ーt - ''i´レ'"    ゞ--ゝ''"´i
        i    .i        7   .l
        ',    ヘ        {    ,
         }    ,       ,
        /,           {    ,
       /      ,
      ./   ,      A   ,    l
      /       l  ,':::',      ,{
      クヽ、  ,   !  /:::::ヘ  i   ,'シ
     ./:::::::::::`゙`!  ├イ:::::::::::廴__!  .l::ヘ
    /::::::::::ノ}::::.l   ,.:::::::::ヽ:::::::ヽ!   ,::::ヘ
   ノ:::::::/:::}::'"i    ,:::::::::::::\:::::l   l:::::::ヘ
  /::::::ノ:::::::/::::::7    {::::::::ヾ::::::ヽ}   ,::::::ノノ\
...〈::::::::::::::::/:::::::/    ',彡:::::::ゞ:::7    i、彡:::::::::ヽ
  .\::::/::::::::::::{-、ヘ i!、ノ::::::::::::::::ミ{  、 、ヾ、::::::::::::ン
    ゝ--‐ '" ゞゝヽ}¨:::::::::::::::::::::≧、ゝ .} }.ゝ--‐"
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                 !      ,'
     i      7    i      7


(うん、やっぱりウチの先輩は可愛いな)


たまに風で煽られるスカートを抑えるセーラを見てそんな事を思った。

カンッ!

<サンタさんを信じてる純真な子達にサンタに扮してプレゼントを配って歩く京太郎>


京太郎「やってまいりました!」

久「サンタ役お願いねー!」

京太郎「へーい、ここに書かれた人のところに行って渡せばいいんですよね?」

久「そそ、枕元に置くだけの簡単なお仕事よ。親御さんには既に話しは通してあるから」

京太郎「それじゃ、行ってます!」

久「………南無」



京太郎(まずはっと)


-差出人 美穂子-


京太郎「まじで?高校生だろ……この人」

美穂子「すーすー」

京太郎(まぁ、純粋ってことで似合ってるしいいか!)

京太郎(それに咲以外での初めての女子の部屋!何か空気からして違う!)

美穂子「うぅ……」

京太郎(イカン!イカン!名残惜しいけどさっさと渡して去らないと)

京太郎「それで……プレゼントはっと」

-欲しい物 京太郎君の上着-

京太郎「………えっと」

美穂子父親「……ごめん」

母親「あははは……はは」

京太郎「えっ……袋に入ってないけど脱ぐんです?」

美穂子父親「……ごめん」

母親「………」

京太郎「………」




京太郎(初めての女性の部屋で上着を強奪された)


とぼとぼと歩きつつ先を急ぐ、まだまだ依頼先はある為、急がなければいけない。

サンタ服の中に普通の服を着ていたことが幸いし、少し寒い程度で済んでいるのは僥倖だろう。



京太郎「次はっと……また高校生かよ!」

桃子「うえへへ………」

-差出人 桃子 欲しい物:京ちゃんさんのズボン-

京太郎「しかもズボン!」

桃子父親「がんばれぇ」

母親「こう……ずぼっと」

京太郎「ずぼっとじゃないですよ!?」


※結局脱がされました。


京太郎「………」

衣「……すーすー」

-差出人 衣 欲しい物 京太郎の靴下を所望する!-

透華「お脱ぎになってくださる?」

京太郎「せめて替えの靴下くれません?」

一「大丈夫、用意してるから!」

京太郎「それなら……」

純「これな」

京太郎「あっ……どうも」

※衣の靴下を手に入れた

京太郎「………」



京太郎(貰ってどうするんだろ、これ)


サンタ服だけに身を包み、寒空の下靴下も穿かずに京太郎は歩き続ける。

その片手にはあまりあまるプレゼントが入った袋にもう片手には靴下を持って徘徊を続ける。

頑張れ京太郎!残りは1人だけだ。



華菜「うぉ……まじで来たし」

京太郎「あっ…ども」

華菜「あの子達の部屋はあっちにあるからよろしくだし!」

京太郎「あれ…池田さんはどちらへ」

華菜「華菜ちゃんは眠いから寝るし、鍵渡しとくから適当に終わったら掛けて帰ってな」

京太郎「不用心過ぎません?」

華菜「何かあったら京太郎のせいって判るし問題ないだろ」

京太郎「確かに……容疑者は俺だけっすね」

華菜「うん、信頼してるし頼む」

京太郎「はいはい」


三つ子「すすー・ぐー・むふふ」

京太郎(流石にこの子達なら変な物は頼まないだろう)

-差出人 三つ子 欲しい物 サンタ服-

京太郎「はっ?」

緋菜「いまだし!!」

菜沙「おー!」

城菜「とーりゃぁー」

京太郎「!?」




華菜「ふわー……良く寝たし」

城菜「お姉ちゃん」

華菜「うん?どうかしたの?(ふふふ……プレゼントを見せに来たんだな)」

菜沙「見て見てー!」

華菜「はいはい、何が届いたのかな?」

緋菜「サンタ捕まえたし!」

華菜「は?」

城菜「服も剥いで貰ったし!」

華菜「え゛」

菜沙「見て見てー!」

華菜「ちょっ!?」

京太郎「………」チーン

華菜「うぎゃぁぁぁぁぁ!!須賀ぁぁぁぁぁぁ!!」


華菜が見た京太郎は下着姿で縄跳びの紐でぐるぐる巻きにされた姿だった。

カンッ!

[聖夜のプレゼント~お金では買え無いモノ~]

「はぁ………」


ふらふらと歩きながらため息をついた。

今日は24日、クリスマス。本来ならため息をつくような日ではない。

辺りを見渡せば色とりどりに輝くイルミテーション、楽しそうにする人々、赤と緑が交差する。

くるりと回り見渡せば、それだけで笑顔で満ち溢れていた。


「ちっ」


そんな様子を見てまたネリーは舌打ちをした。

何が気に入らないのか?

幸せ全開とばかりに楽しんでいるが結局の所、金、金、金の臭いしかしない。

お金を使い美味しい物を食べて、お金を使いプレゼントを買う、お金を使ってetc.

お金は好きだし、お金は大事だ、だけど………。


(特別な日なのに哀れ)


そう思ってしまうのは、しょうがないだろう。

普段日頃、お金に執着するネリーであるが、この日ぐらいはと思ってしまう。

お金がなくては何も特別な事ですら出来ないのだろうか。


「せめて隠そうぜ?」

「えー……?」


そんな事を考え不機嫌になっていると隣から声をかけられる。


「だってさー」

「まぁ、少しは判るけど……お金を使わないとなると自分で調達になるぞ?」


一緒に歩いていた京太郎は、ネリーの隠さない不機嫌さに苦笑した。


「むむむ……」

「それにプレゼントもないぞ」

「うぐっ」


京太郎の言葉にネリーは、嫌そうな表情をする。

流石にプレゼントなしは嫌だと顔に書かれていた。


「別にネリーが損するわけじゃないだろ」

「むしろ株で大儲け!」

「あっそ」


笑いが止まらない……といったような表情のネリーを見てこいつ楽しんでねぇ?と思い息をついた。


「ただいまー!」

「はいはい、お帰りなさい」


家に着くと元気良くネリーが廊下を駆けていく。

それを後ろで靴を直しながら京太郎が答えた。


「う~ん……淡は?」

「実家」

「やったね!」

「相変わらずだな」


ガッツポーズするネリーを見て京太郎はこれまた、ため息をつく。

仲良くして欲しいのだが、そう上手くは行かないらしい。


「それで……ネリーへのプレゼントは?」

「まだご飯食べ終わったばかりなんだけど」


ご飯を食べ終え、ケーキを取り出しているとネリーがまだかまだかと机をたたき始める。

本来なら日付が変わる直前に渡そうと思っていたのだが、これではムードもなにもなかった。

しょうがなく、先にプレゼントを渡そうと決意し既にケーキを食べているネリーへと近づいた。


「もぐもぐ」


ネリーは、近づけた顔に何事かと不思議そうにケーキを頬張りながら首を傾げた。

相変わらずこういう所は可愛いなと思いつつもプレゼントを渡す為に更に顔を近づける。


「………」

「………」


プレゼントを渡すとお互いに無言になり、時が止まる。

意を決して目を開ければネリーは唖然と言った表情で固まっていた。

それでも何か反応をと胸をドキドキと高鳴らせながらもじっと見つめ続ける。


「ごくん……んー初めてはケーキ味?」

「だな、すっげー甘いわ」

「これは脈アリってことだよね」

「悪いか?」

「………OK?」


可愛らしく疑問系で答えてくれるネリーにようやく安堵する。

それにしても何故疑問系なのだろうか。


「良く判らないし」

「わかんないのか」

「だからさぁ――」


そう言ってネリーはベットへと駆け寄りぼふんと体を投げ出し此方を向いた。


「もっと深くプレゼントを貰おうかな」

「―――」


誘うように手を伸ばされ、酔ったように妖艶な笑みを浮かべる彼女に一歩一歩近づく

そして―――













「ねぇーキョウタロー」

「なんだー?」



眩しい日差しを浴びぼーと目を開けると直ぐ近くからネリーの声が聞こえた。


「こればかりはお金でも買えないよね」

「だな……幾ら積まれてもこの心は代える気ないしな」

「本当?」

「本当だって」


何度も何度も子供のように聞き返すネリーに微笑みながら答えた。


カンッ!

ちなみに
美穂子⇒セーターを作るので上着のサイズを知りたかった
桃子⇒誕生日が近いのでズボンでも送ろうかなと思い趣味が知りたかった
衣⇒来年のプレゼントはもっと大きいものが欲しく、知り合いで一番靴下の大きな人を選ぶ
三つ子⇒サンタが姉でも父親でもない事で安堵

京太郎は、その後華菜の食事を食べて帰りましたとさ。

「………」


白い部屋で1人の少女、『園城寺怜』が気力ない瞳で天井を見つける。

既に持って来ていた本を読み終え暇になってしまった。

TVを見ようにも病室には無く、置いてある部屋へと移動しなければいけない。

携帯で友達と喋ろうにも今の時間帯は竜華達は部活に励んでおりそれどころではなかった。


「はぁ……」


深い深いため息をついてゆっくりと体を起こし窓際へと近づく。

外では楽しげな声や車の音など、様々な生活音が聞こえる。

外ではこれほどまでにも騒がしいのに自分の周りだけは怖いほど静かだ。


(いつまで続くんやろ)


窓ぶちに腕を置いてだれるように外を見てそんな事を思った。

病院から学校へと通う毎日、満足に日常生活も送れず、

家に帰れるのは一年に合計で一ヶ月あるかないかぐらい。

そろそろこんな生活にも嫌気が差してくる。


「あっ………」


そんな事を考え憂鬱であった怜であったが固定していた視線に目的の人物を見つけ嬉しそうな声をあげた。


「――っ、で――だな!」

「なるほど」


視線の先では、二人の少年が談笑しながら歩いている。

怜は、その中の金髪の少年の事をじーと見続け嬉しそうな表情をした。


(今日も見えた♪)


にへらとだらしない表情をしつつ見えなくなるまで、ほんの数十秒の時間を命一杯楽しむ。

園城寺怜は、片思いをしている。相手は、須賀京太郎と言う2歳下の男子高校生だ。

前に竜華達と遊びに行った際に執拗なナンパに会い困っている所を助けてもらった。

たったそれだけの事だったが、街に出れば辺りを見渡し彼を探し、少しでも噂があったらそれを念入りに聞いたりもする。

気付けば、怜は京太郎の事が大好きになっていた。

だからこそ、この数十秒の時間が大事で大切になっていた。


「あぁ……行ってもうた」


京太郎の姿が見えなくなり怜は残念とばかりに声をだしベットへと戻る。


「情けないな~」


ベットに寝なおしそんな事を呟く。話しかける事も告白する事も出来ない自分を情けなく思う。

いつか……いつか……この気持ちを伝える事ができるのだろうか?

そんな事を思いゆっくりと目を閉じ深い深い眠りに入った。


これ以来、園城寺怜が目覚める事はなかった。















「ちくしょー!」


ベットに寝ながら京太郎は大きく手をバタバタと振り続ける。

ベットがぎしぎしと嫌な音を立て揺れるも気にせずそのまま続ける。


『ごめんなさい!』


思い出すのは、今日の事だ。

優希を振り絞って告白をしたのだが、速攻で振られた。

これで通算10回を越える失敗であった。


「やっぱりこれのせいかなー」


そう言って自分の金髪の髪の毛をいじりため息をついた。

別に染めているわけでもなく地毛なのだが、初めて見る人には染めているようにしか見えない。

それのせいか不良というレッテルを貼られ女子が近寄ってこないのだ。


「あぁ……俺は普通に彼女作って青春したいだけなのにぃーー!」


京太郎の部屋に虚しい叫びが木霊する。

それは誰にも聞かれず、そのまま何時ものように無くなり消えていく筈であった


-それは本当?-


「え?」


誰かの声が聞こえた。

女性の声のようだが、辺りを見渡しても誰も居らず気のせいかと首を傾げる。


「あれ?ここどこやろか」

「―――」


そんな事をしていると右腕が勝手に上がり女性の声を話し出す。

見れば、京太郎の右腕の袖口から小さな女性が顔をだしており目を擦っている。

あまりの出来事に固まっているとその女性と目が合った。


「あ……あぁ~~!!京君やー!!」

「ぶふっ!?」


その女性、園城寺怜は京太郎の姿を見つけると共に目を潤ませ、がばりと抱きつく。

客観的に見ると右腕につけたぬいぐるみの女性を自分に抱きつかせているというシュールな光景になっており、

京太郎は訳も判らず、ただただ混乱していくのであった。


「って何で私右腕になっとるん?」

「いやっ、こっちは聞きたいんだけど!てかなんで俺の事を知ってるんだ!」

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「えっと……な。その……私な、ずっと京君片思いしとったから」

「え?」

「街に出た時にナンパから助けてもらって、街で見かけるたびに気になっとった」


怜の言葉に京太郎は黙り込んでしまう。

まさか、こんな自分を好きで居てくれる人が居た事に驚きと嬉しさが混ざり合い、不思議な気持ちになる。


「竜華とかは京君のことを不良とか言って怖がってたけどな?
 優しいだけなんやと私は知っとる。
 悪くない人には暴力を振るわんし、人を助ける為に頑張っている事も……
 私はそんな京君が3年前から大好きで、ずっと一緒に居られたらと思ってたんよ」


初めて受ける告白に唖然とするも嬉しさが湧いてくる。

人に思われるとはこんなにも素敵で嬉しくて幸せなものなのだなと感じ心に来るものがあった。


「………」

「………」


二人は互いに見つめ合い、少しずつ距離を縮めていく――。


「って嬉しくねー!」

「えぇ……ここはキスするところやろ」


近寄ってきた怜の頭をもう片方の手で押さえ絶叫した。


「客観的に見てみろよ!右手が恋人ってなんだよ!」

「ええやん、よう言うやろ。『右手が恋人』って、それに私は一緒に居られて嬉しいんやけど」

「俺は嬉しくねぇよ!!!」


これは右手に少女の魂が乗り移ってしまった少年と少年の事が大好きな少女の物語。


-怜の日々 カンッ!-



駆け抜けるように~♪

溢れる想いだけ信じていつか特別になりたい~♪

おもいっきり受け止めてよね!


自分にとってのラブコメはこれっすね

正治=京太郎
美鳥=怜

二人とも髪型も色合いも似てるしいけるんじゃね?思った。

[招待された哩姫の部屋で大人のおもちゃを発見してしまった…]

「は、はいって」

「あー……ども?」


呼ばれて姫子の部屋へとやってきたのだが、通されたのはドアを叩いて3分後であった。

部屋から出てきた姫子は、顔を真っ赤にさせ服装も少し乱れている。

お風呂にでも入っていたのだろうかと思い、謝罪するも慌てるように気にしないでと言うばかりだ。

大した用事でもないとの事だったので上がらず玄関先でも良かったのだが、背中をぐいぐいと押されしょうがなく入る。


「お茶持ってくっ」

「あーお構いな……行っちゃった」


なんだろうか、今日の姫子は世話しなくパタパタと動き続けていて何だか怪しい。

持ってきたお茶を飲みつつもじっと見つめていると顔を真っ赤にさせ視線を辺りに彷徨わせる。

やはり何かあるのだろうか。


「どうかしましたか?」

「っ!!な、なんでもなかよ!」


聞いてみるも、顔をぶんぶんと横振りしうろたえている。

ここまで来ると怪しいという物を越えており、どうしようかと悩んだ。

直ぐに帰った方がいいのか、突き止めるか悩んでいると手に触れたものがある。

それは小さなボタンやらスイッチがついたピンク色のリモコンだった。

ポンと床に置かれていたものを手に取りなんのだろうかと悩むも押してみる。


「あんっ♪」


押した瞬間目の前に座っていた姫子が喘ぐ。


「………」

「………」


お互いに言葉無くシンと静まり返り、混乱にいたる。

取り合えず……強と書かれているほうへとスイッチを押し込んでみた。


「っ!!あっ……んぁ❤」

「あー………」


押し込めば姫子が、顔を真っ赤にさせ喘ぎだす。

これはもう確定だろう。

慌てて片付けたような部屋に乱れた服装、上気させた顔に不振な態度に喘ぎ声とリモコン。

高校生1年生でそれなりに興味があるお年頃なだけに手に取るように判る。

というか、似たような漫画を読んだこともある。

今思えば、読んだ時とは羨ましい、いいなと思ったものだが、実際に起こると困惑しか残らない。

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               __\_|_|     |:i:|,/|  \ 、 ト|
              ∨:::::::::\:::|     |:i:| |    \\ |
.                ∨ ̄ ̄ \   |:i:| |  \ \〉
「………んっ」


「………」


さて、この状況どうしようかと思い悩む。

目の前には顔を真っ赤にさせ俯いている姫子が居る。

そして手の中には、ピンク色のリモコン……。

漫画なら押し倒すのだろうが、残念ここは現実だ。

目の前の姫子を押し倒し、一時的な快楽に身を落せば楽なのだろうが、現実なのでその後も続くのだ。

よしんば許してもらえた所でその後は気まずいままであろう。

他の人に報告された日には、人生が終わる。


「………お、お茶も飲み終えたのでか、帰りますね?」

「う、うん」


結論で言えば帰る事にした。

お互いに気まずそうに顔を背けながら帰宅する。

どうしてこうなったと思っていると扉が開き哩が帰ってきた。


「姫子、なして押してくれなか!」

「………」

「………」


扉を開けながら入ってきた哩は涙目で頬を膨らませている。

なにやら姫子に文句を言っているが何のことだろうかと思い一歩踏み出すと何かを踏みつける。


「やんっ♪」

「………」

「あー……」


目の前で嬉しげに悶える哩を見て足元を見て姫子を見る。

姫子はやってしまったとばかりに視線を横に流し押し黙った。

もう一度足元を見ると先ほどと同じ青色のリモコンが置かれている。


     .:´:/:::::::::::::::::::::::::::、::::::::::\ ク
    /::::/::::::::/::::::::::::::::::ハ::::::::::::::. つ
    l::::::::::|::::{====ァ|::/  |::i::|::::::|l
    |::::::::::|::::|:/トl:/ |/  }人|::::::|ト、
    |l::::i::::|::├┬┬   ┌┬:|:::i::|⌒
    .八::|::(|::::|..└┘   └┘:|:::|ノ
    '  ヽ:::|::::| ""    ' "" ,ハ::|
     ┌‐)|::::|>  冖   イ:: |ノ
     L/八::ト、 ``ヽV⌒l_
      /::/´ } \{/⌒マ八
    /::〈 ⌒ヽ、  `\{、 \
  //:::::∧       ハ::\ )
  ⌒/:::::i  |__」    }::__;∨
   i|:::::::|  V⌒`_|_,,.x< 〉ワ、
  八 ::::|   |   >''"   У  }
     ::{   {        /─=イ
     ヽ  \__/ |:::/  |
「こいは……そん………きょ、京太郎は帰っと?」


「帰ります!」


嬉しそうに喘ぎ声を出した哩であったが、京太郎が居る事に気付き、これまた気まずそうにしている。

さしもの京太郎もこの空間に居たく無いとばかりに走り帰った。





次の日となり、部活に顔を出すと哩姫の二人と顔を合わせるも昨日の事は無かった事にしようと

ばかりにお互いに顔を引きつらせながらも出来るだけ自然に挨拶を交わす。

本来ならそれでお終いと言った所だが、ポケットに手を突っ込んだ京太郎は冷や汗を掻く。

ポケットには昨日のピンク色のリモコンが入っていた。


「返さないとだよな」


これを返す事でぶり返すのが目に見え、憂鬱な気分へと変わる。

そしてなんとなしに無意識にリモコンのスイッチを押した。


「っ!!」

「はえ、部長リザベーションしました?」

「………」


押した瞬間、座って麻雀をしていた姫子がビクンと跳ねる。

京太郎は、『あぁ……なるほど、そういう――』と理解し現実逃避に空を見る。

そんな京太郎を姫子は期待を込めた目で哩は羨ましそうに眺めていた。


カンッ!



-オマケ-

「………まじかよ」


帰宅する際に下駄箱を開けると青いリモコンが入っていたとか。


((計画通り))

そんな京太郎を哩姫の二人は遠くから眺めていた。

乙!
別のスレを見たのかと勘違いした

『流行り神』

流行り神と言う言葉は聞いた事あるだろうか

一時的・突発的に信仰されるが、急速に忘れられる神仏……一般的に都市伝説などが挙げられる

トイレの爽さん、火消しや、運命奏者、爆走森ガール、尺八様……全てが全て聞いた事あるような噂話

『友達の友達から聞いたんだけど……』

友達から友達へと流れ伝えられる噂話は根拠も誰が発信元かもわからない

『Friend of a friend's tales』

とも呼ばれるものだ

ネットが発達した今では毎日のように怪奇話や噂が流れていく



「ねえねえ…知ってるっすか?」

「何が」


ある学校の教室で1人の少女が椅子に座っている男性へと声をかけた。

少女の口からお決まりの言葉が出てきた。

それを大人しく聞いていた男性は次に彼女が言う言葉も理解していた。


『友達の友達から聞いた話なんっすけど(なんだけど)』


2人の言葉が重なり合った。

少女のほうは重なった事に驚いたのか眠そうだった目を見開き、男性へと視線を向けた。

それに対して男性はしてやったりと笑う。


「駄目っすよ、きょーちゃんさん話してる途中に」

「悪い悪い、それで……話の続きは?」


きょーちゃんさんと呼ばれた男性は、彼女……自分の相棒でもある東横桃子へと続きを促した。

話を遮られたせいか桃子は若干拗ねながらも口を開く


「『開かないロッカー』がまた現れたらしいっす」

「『開かないロッカー』?」


桃子の言葉を頭の中で考えるも聞いた事がなかった。

言葉の続きを待ってみるも一向に桃子は喋らない。

京太郎はしょうがなく桃子に視線を向け続きを促した。


「しょうがないっすね♪」

「………」


嬉しそうな桃子に微かに敗北感を味わった。


「『北りつべ高校』の『都市伝説』っす」


-推理ロジック入手-
『開かないロッカー』『北りつべ高校』『都市伝説』


「ふーむ」


桃子の話はよくある都市伝説の一部だ。

誰もが聞いた事がある話、それが身近にあった事に些か驚いた。


「これがまた珍しい話っす」

「珍しい?」


視線の先では桃子は口に人差し指を持っていき、うーんと可愛らしく呻った。


「このお話は1年に1回決まった時期に流れるっす」

「……必ず?」

「はいっす」


話を聞いて少しばかり眉を潜めた。

決まった時期に流れる都市伝説なぞ聞いた事もない。

大抵、流れに乗って伝えられ次第に収まっていくのが普通である。

ごくたまに思い出し友達に話す、そこに時期などない。

あったとしても夏などで怪談として話す程度であろう。


「ん~」

「興味でたっすか?」


腕を組み悩んでいると桃子が楽しげに目を輝かせて上に乗って来た。

その際に豊満な胸が腕に当たり鼻の下を伸ばしそうになるも耐える。

わざとやっていると確信しているからだ。

ここで伸ばせば楽しげに桃子にからかわれるに決まっている。


「興味でたけど…結局はモモが暇なんだろ」

「暇っす!ちょー暇ッす!この前事件が舞い込んできたのは1ヶ月前っすよ!?」

「あー……もうそんなになるのか」


一ヶ月の前の事件……『トイレの爽さん事件』を解決したのが最後であった。

あれ以来、依頼の1つもなく毎日毎日のんびりとだらだらと過ごす日々だ。


「いい加減探偵の仕事したいっす」

「そうは言っても依頼人がいないとな」

「それは……そうっすけど」


桃子の頬が膨れ不満そうに表情になっていく。

これはフォローしないと今日一日中不機嫌になるなと思い頭を撫でる。


「……こんなもんで騙されないっすよ」

「と言いつつ受け入れるのな」

「それはそれ、これはこれっすね」


なんとも現金な奴だと多少呆れながらも構っていると コンコンコン と扉を叩く音が聞こえてきた。

京太郎と桃子はその音に気付き、お互いに顔を見合わせた。

そうしていると2回目のノックが聞こえた、幻聴ではない、依頼者が来たようだ。


「どうぞー!」

「お茶!お茶用意するっす!」


ドアの向こうの人間に声をかけると桃子が飛び降り急いでお茶を用意し始める。

その姿は誰が見ても嬉しそうであった。


「邪魔するぞ」

「『中央りつべ高校 33組 須賀探偵事務所』へようこそ」
 
「うん」


おずおずと入ってきた女性を手で机前の椅子へと勧める。

辺りに少々視線を彷徨わせながらも依頼者であろう女性は椅子に座った。

彼女の髪は、緑色の髪を肩口まで伸ばし少しばかりウェーブがかっていた。

顔には眼鏡をかけており、よく似合っている。


「須賀探偵事務所、室長兼探偵の『須賀 京太郎』です」


はてさて、今回はどのような事件なのだろうか。

京太郎は椅子に深く座り込み、思いつめた客人を見てため息をついた。


カンッ?

>>926-928
哩姫ネタは定番やしね、自分も言われてあった様な気がしてきた

『流行り神』…無人島終わったらやろうかなと思ったけど諦めたネタ
一応『開かないロッカー』のお話だけは一通り出来ているのだが文章にするかは知らん




「尺八様?八尺様でなくて?」

「っす、最近誘拐事件が多発してるっすよね」

「あぁ……警察もバタバタと動いていたな。こっちにも要請するほどに忙しいみたいだ」

「なんでも虚無僧の格好をした尺八吹きの後ろを子供達が着いて行くのを見たとか……」

「日本版の『ハーメルンの笛吹き』?」

「みたいっすね。実際に見た人も霧の中で見たので気のせいだと思ってる人が大半で」

「大半ってことは、大勢の人が目撃しているのか」

「っす、警察は冗談とかだと思ってる見たいっす」

「………」

「さっき警察から要請あったって言ってたっすけど……私達はそちらから動くっすか?」

「だな、同じ動きをしても意味ないしな。俺達はその噂を辿ってみるか」

「了解っす!」

2話『尺八様』

<ころもん、このもん>


京太郎「そろそろ……――食べごろかな」

衣「………」

一「………」

京太郎「ってありゃ、そんな所でどうしたんですか?」

衣「……食べるのか?」

京太郎「え?」

衣「……衣を食べるのか?」

京太郎「ふわっ!?」

一「うん、確かに聞いたよ!ころもを食べると!」

京太郎「ちがっ」

和「ありえません、SOA!」

京太郎「!?」

咲「京ちゃんに限ってそれはないよ!」

衣「そうなのか?」

和「私の胸ばかり見ますし」

咲「衣ちゃんがOKなら私に手を出している筈!」

京太郎「………」

一「いやいや、見過ぎて飽きたという事も」

和「そんな!?」

咲「私の時代キタっ!?」


京太郎「………食べます?」

衣「なんだこれは?」

京太郎「このもんって言う食べ物っす」
※大根を砂糖漬けにしたような物

衣「あー……ころもが食べごろじゃなくて」

京太郎「このもんが食べごろっすね」

衣「あむっ、美味しいな」

京太郎「手軽に食べれるし美味いっすよ」


一「いやいや、ここはボクの時代だよ!」

和「いえいえ、ありえませんね!」

咲「私だって!」

透華「私にもチャンスがありましてよ!」

純「ねーと思うんだけどな」

優希「私だじぇ!」


京太郎「もぐもぐ……このもん美味しいっすね」

衣「もぐもぐ……今度ハギヨシに作ってもらおう!」


不毛な争いの中、衣とこのもんを食べきりましたとさ

カンッ!
手紙スレは2スレ目 こっちは残り少しで3スレ目 どうしてこうなったし
それにしても小ネタ幾つ位書いたのだろうか……そのうち千突破すんのかなー……
ちなみに>>1はこのもん食べた事ないっす、今度作ってみようかな

[二年参り~臨海編~+お年玉強請るネリー]


(今年も終わりか)


空を仰ぎ見てそんな事を思う。

今年は暖冬と呼ばれるだけあって雪も多く振らず、快晴の日が続く。

見上げていた空もその恩恵か少しばかりの雲が並ぶ綺麗なものであった。

少し残念と言えば、周りの灯りのせいで星々が見えないことだろう。


暖冬といえども気温は低く、口から吐いた息はすぐに白い煙へと変わる。

待っている間に体温が下がったのだろう。

最初より寒くなった体を温める為、首に巻いていたマフラーを深く深く首に巻き直した。


「まったー?」

「おぅ」


そうしていると腰にドンっと衝撃が走る。

驚きと痛み……ついでに待ち人が来たかと判り苦笑がもれた。


「よっす……晴れ着?」

「うん」


腰に抱きついているネリーの頭を軽く撫でながらも目を見張る。

ネリーの格好は何時ものような民族衣装ではない。

赤と白の二つの色を合わせた着物で長い髪は、しっかりと縫われていた。

物珍しさもありながら暫しの間、ネリーの観察を続けた。


「………それ以上見るとお金取るよ?」

「あーあーあー……ネリーはネリーか」

「相変わらずだ……な。お前らは」


ネリーの獲物を狙う目から逃れるべく目を逸らすと他の人達と目合った。


「むーっ……どうです?」

「あー……他の人もなんだな」


目の前では明華が振袖を振りながらも此方にアピールをしている。

明華の着物は青を基調としたもので白金の様な綺麗な髪が実に合っている。

普段と違い、明華の髪もしっかりと縫われており、普段と違う雰囲気にくらくらと来た。


「似合ってる」

「そうですか!」


素直な賛辞を送れば、明華は膨らましていた頬を解き嬉しそうにはにかむ。

それがまだ可愛らしく京太郎以外にも道行く人が見惚れていた。



「それでは……今度は私で」

「こっちも着物」


声がする方向を見ればハオが綺麗な微笑を浮かべていた。

ハオの着物は緑を基調としたもので着物なのに何故かスリットが入っている。

よく見れば、和風の着物というよりは中華風な物でハオに良く似合っている。


「うん、いいね。ハオって感じだ」

「多謝(どうもありがとうございます)」


賛辞を投げれば、ハオは取り出した扇子を開き口元を隠して笑みを浮かべる。

余裕がある態度が良く似合っていて妖艶だ。


「そして……なんで智葉さんとダヴァンは普段着!!」

「嘆かれてもな?」

「身長高いので……無理デシタ!」


他の二人を見れば、何時ものような普段着でダラんとしている。

違う所と言えば智葉が髪を下ろしているぐらいだ。


「母様が毎年毎年、着付けしてくるんだ。今年は3人が居たから着なかった。……面倒だしな」

「私は少し残念ですネ」

「くっそ~……」


ここまで来たら二人の晴着姿も見たかったのだがと残念そうに肩を落とした。

とは言ってもすぐにネリーに手を引っ張られそれどころでもなくなったのだが。


「キョウタロー!アレなに!」

「あれは……りんご飴」

「ふ~ん、丸ごとなんて凄いね」

「言われて見れば……確かにな」

「一応小さいサイズのもある。食べれるならそっちだろうな」


指差す先には真っ赤な大きな果実を綺麗に飴でコーティングされている『りんご飴』がある。

というか、既に智葉が小さい物を買って齧っていた。


「はふっ……はふっ」

「んっ甘くていいですね」

「ラーメンよりは……いえ、いわない方が良いですネ。コレはコレでいいですネ!」

「はえーな」


気付けば、明華は『たこ焼き』をハオは『大判焼き』ダヴァンは『焼きそば』を食べている。

食べていないのは、京太郎とネリーだけであった。

なんというか、手早いなと思いつつも何かを口にしようと辺りを見渡す。


「ネリーこれがいい!」

「……俺が買うのね」


手を引っ張りながら目を輝かせるネリーを見て、はいはいと財布を取り出す。

こうなる事は判っていたので準備は万端だ。


「ふわふわ!」

「うん、美味しい」


ネリーは真っ白なふわふわの『わたあめ』を口にした。

ネリーの背丈と子供っぽい性格にマッチしており大変可愛らしい。

そんなネリーを見つつも京太郎自身も買って来た物を口にする。


ホックホクの身に黄色い姿、口に入れればバターと塩に合わさり大変素晴らしい。

丸ごと1個と言うのは些か多いが、寒かった事もあるのですぐに平らげるだろう。


「なにそれ?」

『ジャガバター』

「頂戴!あーん……」

「はいはい」


鳥の雛のように口を開け待っているネリーに一口分ける。

ネリーは暫しの間、もぐもぐと口を動かし何度も何度も美味しそうに頷いた。


「時間は……まだあるな」

「そういえば、なぜ時間前に?」


時計を見れば23時少し前、まだ余裕があった。


「『二年参り』の為にだな」

「二年参り?」

「大晦日の深夜零時を境に前後にお参りすることから、2年にまたがってするためそう呼ばれてる」


智葉の言葉に不思議そうにする臨海メンバーへと京太郎が補足する。

その補足をして理解したのか、一様に頷くのであった。


続く

二年参りしてくるっす
続きは1月1日に!
あとエロも書く予定『姫始め』!『姫始め!』
誰にするかなー



『あけましておめでとうー!』


参拝を待つ列に並んでいると年が明ける。

全員が全員携帯の時間を確認しあい、なった瞬間に頭を下げた。


「さすがに本殿までいけなかったか」

「人多いもんね」

「こればかりはな」


挨拶も終わり、並んでいた列の先頭を見る。

未だに距離は離れていて暫く時間が掛かりそうだ。

それでも列は少しずつ進み、途中にある屋台で食べ物を摘みつつ笑い合った。


「キョウタロー!」

「なんだー?」

「お年玉!」

「……はいはい」


挨拶が終わればネリーが素敵な笑顔で手を差し出してくる。

それにあわせて京太郎もポンと差し出された手に袋を置いた。


「………」

「どうした?」


てっきり喜ぶかと思っていたのだが、渡されたお年玉を見てネリーは何かを考え込んでいる。

驚きのあまり声が出ないのだろうかと思い肩をゆすってみる。


「おーい?」

「……返す」

「あれ、いらないのか?」


嬉しいような悲しいような微妙な顔をして返してくる。


「……受取ったら関係が変わりそう」

「あー……」


そう言うネリーに京太郎は納得するように頷く。

確かに友達からお年玉は物凄く変だろう。

これをネリーが受取ったら確かに関係が変わってしまうかもしれない。

以外に考えているんだなと失礼な事を思いつつもネリーの頭を撫でた。


「な、なに?」

「いや、何でもない。そうだな、この金で何か美味しい物でも食べるか」

「!ならネリー串焼きがいい!」

「おぅ!」


手を一杯に広げアピールするネリーを見て心がほっこりとしてくる。

二人は、少しだけ列から離れ串焼きを買い一緒に食べた。


「キョウタロウーは何を願うの?」

「あ~……今年も平穏に過ごせますようにかな」

「無理だろな」「無理ですね」「無理かな」「無理無理デス」「ありえない」

「なんで!?」


並んで待っているとそんな事を聞かれる。

暫しの間考え、忙しかったので今年こそは静かに過ごしたいと思うも否定される。

どうやら今年も波乱万丈な暮らしが待っているらしいと否応にも感じる年明けだった。


「そういえば、ここは何の神様を祭ってるんだろ」

「知らないで拝んでたのか」

「あはははは」


参拝も終わり疑問に思っていたことを口にすると智葉に睨まれる。

思わず視線を逸らし逃げに走るとため息をつかれた。


「ここは伊勢神宮の分社だから……」

「『天照大神』ですか」

「うげっ」


智葉の言葉から出た伊勢神宮と言う言葉に京太郎は、納得し頷いた。

それに対してネリーは、天照と口にした途端に嫌そうな顔をし辺りを見渡す。

なんだろうかと思い聞けば……。


「だって天照大神って言ったら……」

「あぁ……天江さん、照さん、淡に神代さんだな」

「そそ、あいつらかーと」

「………」


そういえば、淡とネリーは犬猿の仲で会うたびに喧嘩をしているのを思い出し苦笑する。

暫しの間、キョロキョロと辺りを見渡すも誰もやってこない事にほっと一息をついた。


「そんな事より、おみくじ引きません?」

「そうだな、やってみるか」


話の流れを変える為か明華が目を輝かせおみくじを指差す。

むしろ嬉しそうにシャカシャカとおみくじを振る顔を見て単に興味があるだけだと判る。

それぞれが引いていき、自分の番号と照らし合わせくじを引いていった。


「私は……末吉ですか。……末吉ってどの位置でしょうか?」

「……中吉、微妙です」

「小吉……健康『麺類ばかり食わないように』なんでしょうカ、この具体的なのは」

「吉……吉?」

「ネリーに掛かれば『凶』……なんで!?」


明華は『末吉』ハオは『中吉』ダヴァンは『小吉』智葉は『吉』ネリーは能力を使った天罰だろう『凶』であった。


「京太郎?」

「………」


それぞれが引いて楽しむ中、京太郎が開いたまま固まっているので後ろから覗き込む。

どれだけ酷い物なのかと思いつつも見てみると


「なんだ『大吉』じゃないか」

「いえ……そっちはいいんです。そっちは」

「そっち?」


智葉が後ろから覗き込み暫し読んでいき、1つの文で目が点となる。


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「………」

「………携帯が鳴っているぞ」


顔を固まらせた表情で京太郎は携帯を取り出す。


竜華『あけましておめでとー!大学は東京にすることにしたわ!』

セーラ『あけおめ、よろしくな!プロは色々と考えた結果そっちの団体にすんで』

怜『おめおめ、大学は竜華共々そっちやね。面倒かけるけどよろしくな』

恭子『おめでとー。大学はそっちに行く事になったわ』

洋榎『ハッピーニューイヤーや。独り立ちの意味も込めてそっちのプロ団体になりそう、よろしくなー』

由子『おめでとうなのよー。大学はそっちにするのよー』

「うわぁ………」

「oh……」


携帯に届いたメールを見終わり、智葉共々京太郎は、何とも言えない気持ちとなった。

白糸台と臨海メンバーだけで面倒だと言うのに大阪のメンバーまで今年はやってくるようだ。

今でも京太郎の部屋は臨海と白糸台のたまり場になっていると言うのに大阪組が来た時は考えたくも無い。


「どうするんだ?」

「……どうしようもないでしょう」


おそるおそる聞いてくる智葉に京太郎はため息と共にそれしか言えなかった。

あぁ……今年は大変そうだと空を眺めれば誰かの賽銭が頭に直撃した。


「………泣くぞ」

「……がんばれ」


肩をポンと同情的に叩かれ京太郎の新年が始まった。

カンッ!

大阪⇒東京暮らしの京太郎さんでした
平穏無事になんとか過ごしきれば、大阪組が東京に来る模様

姫始めは考え中 取り合えず先に手紙を書こうかと思います。
それではまた
追伸:FGOやっていたら 咲 って人にフレンド登録申し込まれました
思わずフレンド許可した自分は悪くない、悪くない

ちょっと気になったんだが、大阪⇒東京暮らしの京太郎シリーズのトキってツンツンしてなかったっけ?

[怜も過ぎれば……] >>977 一応考えてはあった

怜「これでよしっと」

竜華「なんや、怜も京君に送ったんか♪」

セーラ「怜も丸くなったなー!」

泉「……なんか先輩方酔ってません?」

浩子「甘酒と場酔いやろな」

竜華「むふふー♪

セーラ「あっはっはっは♪」

怜「この酔っ払い共め」

浩子「まぁ……新年ぐらいはいいですけど。それより園城寺先輩も丸くなりましたね」

怜「さっきから丸く、丸くって何のことや」

泉「京太郎の事です。今までなら、罵倒、罵倒、罵倒だったのに」

怜「あー……そっちか」

浩子「どういう心変わりで?」

怜「たまには素直になってもええって思わへん?……ヒック」

浩子&泉「ヒック?」

怜「うへへ……♪」

浩子「あかん、この人も酔っとる」

泉「あーあー……酔い冷ましたら悶えますね」

浩子「せやな」

竜華「うわはははは♪」セーラ「京太郎に会いに行く!」怜「すきやー♪」


-次の日-

竜華「頭痛いんやけど」

セーラ「気持ち悪いわ……」

怜「……オワタ、スベテオワタ。なんやこの文章」

浩子&泉(予想通りに)

カンッ!

酔ってると思うわ
姫始めは書くよ?誰にしようか悩んでいるだけやで

[ドッキリだよ!京ちゃん!]

穏乃「流石にやめたほうが……」

玄「しーっ!ここまで着てそれは駄目!」

憧「ノリノリなのは玄だけだけどね?」

灼「どうしようもな」

宥「う~っ、朝寒いから辛いよ、玄ちゃん」

玄「むーっ、折角の機会だし、朝ドッキリを決行しようと思ったのに……」

憧「ドッキリって……ただ京太郎が「な、なんだ!び、びっくりした~」とか薄い反応だけで終わるわよ」

玄「や、やってみないと判らないよ!」

穏乃「んーっ……」


玄(くっ、皆の士気が低いのです。ここはどうにかしないと……)

玄「お姉ちゃん!」

宥「な、なに」

玄「寒いならこれを」


玄は、荷物の中にあった京太郎の私服を何枚か宥に手渡す。

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   ./: : :ヽ: : : :Y   〉、:ヽ、__,     ´    _ -´ // .ヽ: : : : ::iヽリ
  /: : : : :ヽ: : : ::|  ./ \ゝヽ      _, r ´      r⌒ヽ: : ::ノ レ

 /: : : : : : :ヽ: : : :|  |  `]-___, r ' ノ        /   ヽノ

宥「………ドッキリっていいね」

憧「宥姉!?」

穏乃「あー…京太郎の服が胸で伸びていく……」

灼「……アホっぽい」



玄「灼ちゃん!」

灼「私は別に京太郎に興味ないし……」

玄「とっておきのコレクションの1つを……」


玄が渡しのは一枚の写真だ。

何のだろうかと訝しげに裏をめくり……。


玄が渡しのは一枚の写真だ。

何のだろうかと訝しげに裏をめくり……。

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灼「ドッキリ……いいね。うん」


ボーリングをしている京太郎の写真であっさりと陥落した。


穏乃「灼さん!?」

憧「駄目ね」



玄「穏乃ちゃん!」

穏乃「わ、私ですか……!」

玄「そういえば、この前京太郎君が『山とかいいな』って言ってたのです」

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穏乃「その話を詳しくっ!ぜひ!」


言うが及ばず、ただ山の話しで吊り上げられる穏乃。

ちなみに京太郎は紅葉の季節に出る露店を楽しみにしているだけだったりする。


憧「はぁ……」



玄「憧ちゃん!」

憧「はいはい、なによ」

玄「ていっ」

:.:.:.:| :.:. |:.:.:. I斗ヘ、/:.:.:/ { |:.:.:.:.:.:. /Χ}  ヽ:. | :.:.:.:. }{:.:|
:.:.:.:| :.:. |:./ / //>< j:.|:.:.:.:.:.:/´ V=㍉ i:. | :.:.:.:. }{:小、

:.:.:.:| :.: 」/:/ヱZた㍉ `7 | :. /  んヘ Ⅵ:.:|:i:.:.:.:.:}{:.:|:.∧
斗キ:.:.:Ⅳ jリ / ̄ヽ  j/|/   {{ {] } }}ヽ|:|i:.:.:.:.ハ∧:.:∧
V^ }:.:.:.:{  j「  { [] }        {  }  }:.:.||:.:.:/:.:i ∨:.∧
:.}  ] :. { 《   {    }        v ノ  }:.:.|l: /:.:. |   V:.:∧
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憧「ktkr!!!」


玄はおもむろに一枚の布を遠くへと投げる。

投げられた布を憧は呆れたように見ていたが、すぐさま布が何かを判別し人が変わったかのように飛びついた。

投げられた布を憧は空中で取りくるんと勢いのまま回転し床に着地する。

それはさながら準決勝で戦った千里山のセーラのような動きを完璧に模範している。

そして憧は、手の中にある布を確認し満足げに抱きしめるのであった。


宥「な、なにをあげたの?」

玄「荷物の中にあった京太郎君の下着」

穏乃「憧が一番やばいね。……危ないから没収で」

灼「流石に……それは。……部長として処理しておかないと」

宥「あったかくない。あったかくないよ……あっこれがいいな」

玄「そういいつつ、何故京太郎君の荷物を漁ってるのかな」


気付けばドッキリ所ではない。

皆が皆荷物漁りに夢中になり収集が付かなくなっていた。


玄「しょうがないのです。私だけでも……」

京太郎「ZZZzzz……」

玄「それにしてもこれだけやっても起きないとは……まぁいいのです。やっちゃいましょう!」


1人だけで寂しいがしょうがないとばかりに首を振り、どう起そうかと思考する。

普通に起すか、揺り起こすか。

大声を上げて起そうとも思ったが、この騒ぎで起きないのだ。効果は見込めない。


玄(ここは……横に寝て耳元に息を吹きかける。うん、これだね)


うふふ……と楽しげに笑い。

玄は布団を捲るとその中にいそいそと入っていく。

この時、他の人に嫉妬されるのではと脳裏を過ぎる。

あれほど京太郎の私物にあれだけ興味を寄越した4人なのだ。

何か言われるのではと思い、恐る恐る4人を見るも4人はトリップしていてそれ所ではなさそうだ。


玄(はぁ……暖かい。……って駄目駄目、起す人が寝たら本末転倒だよ)


布団に入ると丁度良く人肌で暖められた布団に迎えられ目を瞑りそうになる。

玄は、なんとか自分に言い聞かせ京太郎の耳元に……。

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           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
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玄「ふみゃ!!」



持って行けなかった。

京太郎が急に体を動かし玄の胸を鷲掴みにしたのだ。


玄「ちょっ……京太郎君!?」

京太郎「うへへ……ZZzzz」

玄「あっ……んんっ、やん♪」


京太郎の手は程よい力加減で胸を揉んでいく。

その動きは本当に寝ているのかと疑わしくなるぐらいに絶妙だ。

全体的に優しく、それでいて強く、指で乳輪をなぞるかのように動かし。

親指の腹で乳首をゆっくりと押し込まれる。


玄「っ~~~~~~~~❤」


そんな京太郎の手の動きに玄は口をパクパクとさせる。

此処最近麻雀で忙しく自分で発散をしていなかった為、快楽に耐性がなかったのだ。

布団の中で身もだえ、逃げようとするが何故か京太郎の手が胸から剥がれない。

顔を真っ赤にさせ両腕で手を掴み引き離そうとするもぴったりとくっ付いているのだ。

本来ならそれだけの力を加えているので胸が痛くなるはずが、何故か痛みは起こらず。

吸盤に貼り付けられたような感じになっている。


玄「おもちオクトパスっ!」

京太郎「ZZzzz……」

玄「あわわわわっ、助けてお姉ちゃん!」

宥「あったか~い……むにゃむにゃ」

玄「あったかくないよ!?」


体半分を外へと出し最愛の姉へと救援を送る玄。

しかし、現実は悲しいかな……最愛の姉である宥は京太郎の私服を着込み、下着を被って隅っこで寝ている。

玄の伸ばす手も虚しく、ずりずりと玄の体は布団へと引き釣りこまれていった。


玄「あっ~~~~~~♪」


そして京太郎が起きるまでむちゃむちゃにされていく。




晴絵「なにこれ」


阿知賀女子麻雀部の顧問である赤土晴絵はそう言うしかなかった。

いつまで経っても朝食にやってこない部員を気にして迎えに来たのだが、部屋はもぬけの殻。

しょうがなく、京太郎の部屋へとやってきたのだが、晴絵を迎えたのは……。


下着に囲まれ寝ている憧

下着を握り締め力尽きたように倒れている穏乃

下着と写真を手で持ち床で猫の様に丸まって寝ている灼

隅っこで京太郎の私服を着込み頭に下着を被って寝ている宥

そして………

        . .――: :―. .、
      . :´: : : : : : : : : : : :`: :ー.、
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  /: : : : : : : : : : : \\: : : : : : \ \

  /: : : : : : : :ヽ: : : : : :ヽ_ヽ:_:_ : : : \ \
. /: : : : : : : : :i:ハ:、: : : :ハ  } ヽzz: : : : ヽ  )
. !: : : : : ヽ: : ハ/ヽ : : }  ヘ//∧_V: : :ヽ
. !: : : : : : ヽ:.レへzz VVノ   ゙ー'´'┘ヽ: : :ヽ
. V: : : : : : : :{ イ//∧       、 l/l/lヽ: : : \
 V: : : : : : : :トとつ´           V: : : : :ヽ
  V: : : : : : : ミ   l/l/l   ,  ┐  /: : : : : : ヽ
  l: : : : : : : rへ\       し  ̄  /: : : : : : : :∧
  V: : : : : : ハ  \ヽ           /: : : : : : : : : ∧
   V: : : : : : :ゝ―´: ̄ヽ ―― ヘ\_:―、 : : : : \-、
    V: : : : : : : : : : : : : :∧       〉  \ \: : : :\\ヽ
    V: : : : : : : : : : : : :j ┴――ハ__l \ .:へ ヽ: : :ヽ \.ヽ
     i: : : : : : : : : : : ://     ト   〃: . : .:\ \: :\ ヽ'、
     |: : : : : : : : : : :く \    /:⌒:>ト: ._ : >、_\: :ヽ、ヽヽ
     |: : : : : : : : : : : : \ \ \: . : . ∧\: . : . : / \:ヽ \、
    i: : : : : : : : : : : : : : :\  ̄ヽ : ノ: .ヽ  \/    ハ:}  ヽ
    i: : : : : :/`\: : : : : : : :`:ヽ、 7: . : . : ト、__}      V   ',

    i: : : : : :ト\ \:\: : : : : : : \⌒ ̄    `ヽ           !\

玄「あーっ、あーっ」

京太郎「ぐっー……」


京太郎の横で息絶え絶えとなり、焦点の合ってない視線を彷徨わせる玄であった。

晴絵は、顔を引きつらせ、どうしようかと頭を抱えるのであった。

朝のドッキリ企画で一番驚いたのは晴絵となったとか。


カンッ!
お題「寝ぼけてクロチャーのおもちをしばらく揉みしだく」
最近スランプ気味で書けなかったのでリハビリがてらに……その結果がこれか、これかー……


次スレっす
【咲-Saki-】京太郎「小ネタ」姫子「日和!」3【たまにR-18】
あとは感想やら埋めで構わないのでじゃのー

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