【Charlotte】化物の清算【最終回その後】 (65)

最終回の続き

注意:台本形式、無理やり展開

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友利「これからは、楽しいことだらけの人生にしていきましょう!」

有宇「うん!」


有宇「ざっけんじゃねぇえ!!」

友利「ちょっ どうしたんすか急に!?」

歩未「お兄ちゃん!?」

高城「まさか。記憶が戻ったのですか?」

西森「はわ、はわわわ」

有宇「どうしただぁ?楽しい人生? しばらく見ないうちに脳みそ溶けたか白髪女!! 記憶だぁ!? とっくに戻ってるわこのド阿呆! 全部覚えとるわ! お前らと関わったばかりに硝煙と砂埃だらけの青春送った事とかな!」

歩未「お、お兄ちゃん落ち着いて……」

高城「歩未さん、隼翼さん呼んできてもらえますか?」

有宇「お前ら呑気に構えてるけどな、俺の首に幾らかかってると思ってるんだ? 米ドルで1億だぞ!? いつ鉛玉突っ込まれるか背中を刺されるか分かんねぇんだぞ!」

高城「そ、それは」

有宇「今はこの能力があるから安全かもしれねぇ。でもあと1年もせずに能力も消える。その後誰が俺を守ってくれるってんだ!」

隼翼「有宇!」

歩未「隼翼お兄ちゃんを連れてきました!」

隼翼「ゆ、有宇 記憶戻ってたんだな」

有宇「おう来たか 馬鹿兄貴」

隼翼「……」

有宇「面倒事全部俺に押し付けやがって……いいなぁ手前は手を汚さずに高みの見物とはよぉ」

西森「なんか乙坂さんキャラ変わってないですか!?」

友利「いや、結構こんな感じですよ彼」

隼翼「な、なぁ有宇。俺は今の立場をお前に譲ろうと思うんだ。勿論俺達もフォローする。誰もお前がトップで反対する奴はいないさ」

有宇「あぁ!?これ以上俺をあんたらに付き合わせる気か?目が潰れた後は頭もおかしくなったか」

歩未「有宇お兄ちゃん怖い……」

有宇「悪いけどよ。しばらくまた離れるわ。残りの時間暴れるだけ暴れまわってやる」

隼翼「それはダメだ有宇。お前は今や世界的な指名手配を受けてるんだ。単独では危険すぎる。お前を……もうこれ以上苦しめたくないんだ」

有宇「兄さん……」

友利「……」

隼翼「俺を信じろ有宇。俺の組織は日本全国規模だ。総勢2万人がお前を守る!!」

有宇「……なぁ兄さん」

隼翼「なんだ?」

有宇「知ってるか?俺は世界196ヵ国巡ってその50倍は軽くぶっ飛ばしてるんだぜ?」

隼翼「え……」

有宇「当然だろ。その内1分くらいは下手したら死んでるかもな。もうな、俺は人間飛び越えて化け物なんだよ。他人から見りゃテロリストなんだよ。あんたこそわかってんのか兄さんよぉ?」

隼翼「ぐ……」

友利「わ、私は!」

有宇「あぁ?」

友利「私はそれでもいいです!例え貴方が犯罪者でも……それでも私の恋人です!」

有宇「友利……」

友利「ここが貴方の帰る場所です……」

歩未「お兄ちゃん……」

西森「乙坂さん……」

有宇「……」

有宇「てめぇら揃いも揃って頭湧いてんじゃねぇえ!!友利!お前を愛してたなんてのはありゃ錯乱だ錯乱!愛情で銃弾から守れるかってのヴァカ女ぁ!!」

有宇「俺はもう出ていく……せいぜい美味しい思いの一つもして死んでやる。じゃあな。【フライ】!」

隼翼「ゆ、有宇!待て!」





有宇「畜生、畜生!何が楽しい人生だ。世間からみりゃ俺はもうアウトロー。待ってるは惨めな逃亡生活……。どうにかほとぼりが冷めるまで逃げねば……」

~銀行~

有宇「ともあれ軍資金は何とか引き出せた……外国廻ってた時の残りも足すと……150万か」

有宇「俺一人なら当面何とかなりそうだ」

有宇「ぐへへへ、さーってまずは旨い飯でも」

歩未『お帰りなさいなのですぅ!今日はあゆ特性の!』

有宇『はいはいオムライスだろ』

歩未『むー違うのですぅ!』

有宇『なに!?本当か!?オムライスじゃないんだな!』

歩未『チキンライスなのですぅ』

有宇『卵抜いただけじゃねーか!』





有宇「……」

有宇「そうか。あいつ一人になっちまうんだよな」

有宇「確かもうすぐ中3って言ってたか。その年で孤独の身の上、兄貴が全世界指名手配……」

有宇「……くそ」

~研究所所属留置場~

有宇「【透明】!」

有宇「この能力のおかげで潜入も楽になったよな」

有宇「ここにはまだ確か……」

褐色の少女「……」

有宇「いたいた。あの牢屋の中か。おい!」

褐色「?」

有宇「【透明解除】。久しぶりだな。顔色良くなったんじゃないか?覚えてないか?この目」

褐色「!!」

褐色「……おとさか……ゆう……」

有宇「そうそう。よく覚えてたな」

褐色「すごく よわかった」

有宇「うごごごごご返す言葉もない」

褐色「でも おしごと しっぱいした わたしはもっとよわい」

有宇「……そういえばそれって何語だ?妙に片言だけど国はどこ?」

褐色「わたし ずっとひとり あまり上手くしゃべれない うまれたの カンボジア」

有宇「カンボジアの孤児か」

褐色「おなか すいた たべもの おいしくない」

有宇「日本食は苦手なタイプか。なぁお前。ここから出たいか?」

褐色「……」

有宇「こいつの閃光の能力……強い能力ではないけど、持ち前の接近戦のセンスと相性がいい。なんとしても手駒にしたい」

褐色「ごはん もらえるか?」

有宇「幾らでも食べさせてやる 俺に付いてくるならな!」

褐色「わかった」スルスル

有宇「ちょちょちょ何脱いでんだよ!」

褐色「おしごと もらう からだ あげる やくそく」

有宇「……そんな事はしなくていいよ」

褐色「どうして」

有宇「お前は俺を守れ それがお前の仕事だ」

有宇「こいつは敵のはずなのに歩未とダブるんだよな 年もアイツとさして変わんないだろうな」

有宇「そういえばお前名前は?」

褐色「なまえ?」

有宇「俺はお前をなんて呼べばいい?」

褐色「……」

有宇「ひょっとして名前ないのか?」

褐色「」コクリ

有宇「じゃあお前の肌は褐色だから……ブラウニーだ。ブラウニー。俺は今からお前をそう呼ぶ」

褐色「グ~~~」

有宇「……とりあえずここ出て飯か」

~近くのマック~

有宇「何食うか迷って結局ここにしてしまった」

ブラ「すごく いいにおい」

有宇「食べて良いぞ」

ブラ「ムシャムシャムシャムシャムシャムシャ」

有宇「ポテトもあるぞ」

ブラ「?」

有宇「その黄色いの」

ブラ「パクッ」

ブラ「!!!!!! パァ

有宇「うまいか?」

ブラ「はじめての たべもの しあわせ」

ブラ「こいつ結構表情変わるのな 前はわかんなかったけど」

有宇「それ食ったら行くとこがある。早速ひと仕事だ」

~陽野森高校・女子更衣室~

女子「白柳さんは進路どうするのー?」

白柳「うーん 私はまだわかんない、かな?」

女子「えー白柳さんの成績ならどこでも行けるのに」

白柳「あんまり大学進学ってまだよく分かんないというか……」

ブラ「」クイクイ

白柳「???」

ブラ「おねーちゃん おはなし ある こっち」

女子A「誰ぇ、この子?かわいい~♪留学生の親戚?」

白柳「えっと、私に用かな?」

ブラ「だいじなもの おとした さがしてほしい」

白柳「え!? う、うん???? ごめん先行ってていいよー後で行くから」

有宇「いいぞいいぞぉ~そのまま白柳を連れ出せブラウニー!!」

有宇「【透明】&【透過】」

有宇「うほうほうほほ まさかテニス部に入っていたとは」

有宇「これが、これが白柳のアースコートパンツ!!」

有宇「おおう おおおおう おうおうおう! これが! これですよ!女の匂い!」

有宇「使い古してるせいで洗濯しても微妙に残った汗の匂い!」

有宇「これさえあれば生きていける!!ありがとう白柳ぃ!!」

有宇「さてそろそろお暇して……」






ガチャッ

有宇「あ」

女子B「え」

有宇(ふふ、ここで慌てては三流以下。俺は今まで血を見るような修羅場くぐってきたんだ。あくまで普段の挨拶の様に振る舞えばいい)

有宇「先輩もう待ってるよ~?部活お互い頑張ろうな☆」

女子B「いやぁあああああああああああああ」

有宇「いやぁあ!やっぱそうなりますよね!!」




「ぎゃああああああ痴漢よぉおお!!」





有宇「なんだよ見られてもいねぇ奴がガタガタ抜かすなっての!!」

ブラ「あ」

白柳「お、乙坂君!?」

有宇「は!?なんで!?見えてるの!?」

有宇「クソッしょうがない。ブラウニー来い!捕まれ!」

ガシッ

白柳「ふぇ?」

有宇「【フライ】!」





びゅうううううううううううううううううう





白柳「ひ、ひゃああああああああああああああああああ」

~キャンプ場~

有宇「このアンポンタンが!白柳まで連れて来ちまったじゃねぇか!」

ブラ「めをはなすな くっついてろといった」

有宇「やかましい!!!」

白柳「きゅ~~~~~……お、とさか君」

有宇「どうすっか……このまま人質に……お?」

白柳「あ、あははは




白柳「そうですか……そんな事が」

有宇「本当にすまない……君を巻き込みたくはなかったんだが」(キリッ

白柳「なんだか乙坂君が遠くに行ってしまったような気がします」

有宇「白柳。俺はこの国から出ていくつもりだ」

白柳「……」

有宇「だから最後に一目君に会いたかった。今日見たことは忘れて欲しい」

白柳「乙坂君は、その後どうするんですか?」

有宇「俺もこのブラウニーも、世のつまはじき者だからさ。行く当てなんてない。それでも俺を必要としてくれる所をなんとか探すさ。とりあえず何処か紛争地帯の近くでも。中東はちょっと怖いからウクライナあたりでも」

白柳「おかしいですよ……」

有宇「……」

白柳「おかしいですよ!なんで乙坂君だけ悪者扱いなんですか!?悪いのは、非人道的な研究者の人達じゃないですか!そんなの……」

有宇「いいんだ、白柳。これ以上詳しい事は言えないけど、一つ言えるのは、研究者達を糾弾できる未来は絶対にない。これは誰でもない、俺しか出来ない事なんだ」

白柳「そんな……」

有宇(兄さん達のタイムループの中で研究者達と正面衝突して勝てたケースはない。所詮は子供。世間に公表しようにもどこかで妨害され失敗する)

有宇「俺はこれから全てにケリを付けてくる。もう会う事は無い……」

白柳「乙坂君……」





有宇(くぅ~今さいっこうに決まってるぜ俺!!)

有宇「じゃあな白柳。【記憶消ky】」ポロっ

ブラ「!」

白柳「そ、それ私のアースコート……なんd」




有宇「記憶消去ぉおおおおおおおおお!!!!!」

有宇「はぁ、はぁ、危なかった」

ブラ「じー」

有宇「な、なんだよ」

ブラ「すけべ」

有宇「うるさい!!」

ブラ「くー すぴー」

有宇「……じゃあな」

白柳「……」

~地下研究所~

博士「なに!?君の弟君が逃げ出したじゃと!?」

隼翼「はい……すみません、俺の失態です」

博士「いやいや、君は十分にやっている。それに乙坂君の苦労をしれば分からなくはない」

隼翼「お気遣い……感謝します」

博士「もし弟君を見かけたらすぐに連絡しよう。こちらからも人手を出す」

隼翼「ご協力……ありがとうございます。兄として組織の長として責任もって彼を説得します」

博士「ん。では!」ピッ





博士「さてさて。彼の血液と髄液は手に入った。後は……」

有宇「後は……どうするつもりです博士?」

博士「!? 君は!?」

有宇「ブラウニー!」

ブラ「」ピカッ

博士「ぐぅう!」



ズシャアア



博士「がっ……ああ……」

有宇「目を斬られる気分はどうですか?」

博士「乙坂くん、か。なぜだッ 血迷ったか!?」

有宇「血迷ってるのはあんたの方だ!」

博士「……」

有宇「博士。僕、アメリカ全土回ったんですよ。大変でしたよ。何せ入手する能力の優先度を考えながら世界中旅してきたんですから」

有宇「それは、わしも知っておる。大変……じゃったな」

有宇「その途中でね。偶然聞いちゃったんですよ。貴方の名前をね。無論人の頭の中でですけど」

有宇「……わしも有名になったもんじゃな」

有宇「科学者が嘘をつくなんてダメじゃありませんか。ましてや他所の国を嗅ぎまわるなんて」

博士「ま、待てッ」





有宇「ただし……科学者である前にCIAの諜報部員だったら話は別ですよね」

博士「……」

有宇「最初の時間軸の記憶の中に」

有宇「俺は貴方の事も覚えてたんですよ。歩未の崩壊が発動した時、貴方は重症を負って死にました」

有宇「てっきり俺達能力者を庇った結果だと思ったんです」

有宇「だからこの時間軸で生きてくれてて、俺嬉しかったんです」

有宇「俺達を理解して救おうとしてくれてるって本気で思ってました」

有宇「でも実際は違った」

有宇「あの時あんたは、自分本来の仕事でトチって素性が周りにバレた。ただそれだけだったんだな」

有宇「信じられるか? あの時たまたまアメリカにいてたまたま心の中覗いた相手が諜報部員でたまたま貴方の情報を見つけたってさ。なんの冗談かと思ったよ」

博士「乙坂君!それは誤解だ!確かにわしは君達を救おうと」

有宇「やれ」

ブラ「」スッ



ズシャアアアアアア



博士「ああああああッ ああッ わしの目……が」

有宇「今更嘘を言っても為になりませんよ。今の俺はあんたの頭まで読めるんだ」

博士「ぐ……」

有宇「あんたはワクチンなんて最初から作る気なかったのさ。あんたらの目的は能力因子の可視化。そして血液や髄液から結晶化させ、人工的な能力者を作る事」

有宇「友利の兄さんが能力を失ったのは思春期が過ぎたからじゃない。度重なる血液を使った実験で自信の血が一定よりも薄くなったからだ」

有宇「他にも代償の問題もあった。例えば『成長』がリスクの場合、成長が完全に止まってしまえば能力も消える。年齢で能力が消えるなんてのはあんたらに都合のいいでっちあげだ。皆がビビって使わなくなればあんたらも能力者を見つけることが出来ないからな」

有宇「そしてあんたらが人工的な能力者にこだわる理由は一つ」

有宇「妊婦、つまり能力者の母体は能力因子を受け付けない。だから自分たちの手で作る必要があった」

有宇「そうだろう?」

博士「……」

有宇「ついでに熊耳さんを襲ったあの組織もあんたの仕業だ」

博士「なぜそう思う」

有宇「あんな中国マフィアの末端組織が単独で一能力者の情報を入手して、星の海学園の警備を突破できるとは思えない」

有宇「だとしたら研究者側からリークしたって考えるのが妥当だ」

有宇「頭の中調べたらあいつら、親玉の組織から破門受けたばかりのチンピラ集団ときた」

有宇「餌を見せれば飛びつく。はした金で雇える。俺を捉えた後はあんたの仲間に潰させる気だったから足が付く可能性も低い」

有宇「都合のいい手駒だったわけだ」

博士「……ほう」

有宇「兄さんの能力を一番よく知っていたあんたは、その弱点も調べ尽くしていた。勿論俺の略奪の能力もな」

有宇「視力を失えばタイムリープは発動しない事。視覚外の人間には乗り移れない事。仲間との絆が強く想定外の事態に弱い兄さんや俺の性格から、崩壊の能力は使わないだろうという事もマフィア達に教えた」

有宇「だけどあんたの目論見は失敗した。熊耳さんは死んで、俺を捕まえるはずのマフィアも使い物にならなくなった」

有宇「だがラッキーな事に俺は世界中の能力を集めることになった。奇しくもあんたの予定通りにな」

有宇「人生わからないもんだよな。なぁ?」

博士「君の洞察力はあの兄より上かもしれん……失敗したよ。わしは人を見る目はあったはずなんじゃがな」

有宇「それも全部ここで終わりだよ。超能力の何もかも。俺一人で墓場まで持っていく」

博士「……超能力は病気じゃ」

有宇「そう言ってたな」

博士「じゃが病気を悪という医者も科学者もおらん。わしらはそれで飯を食っておるからな」

有宇「聡明な人間にしては俗な言い分だな」

博士「生物界の根底にあるのは共存共栄。病気も毒も完全に消し去ることなぞ不可能。上手く付き合ってこそ文明を持つ人類の役目じゃ」

博士「それを理解できない人のなんと愚かなk」

有宇「【原子崩壊】」

フワァアアア

有宇「ビョーキビョーキと五月蠅ぇよ」

有宇「治す気も無いくせに……」

有宇「……ブラウニー!」

ブラ「!」

有宇「ここは焼き払う。出るぞ」

~研究所外~

隼翼「有宇!

歩未「お兄ちゃん!」

有宇「……誰だよあんた」

隼翼「お前……研究所を……」

有宇「あんたやっぱお人好しの馬鹿だよ。反吐が出る」

隼翼「お前ぇえ!!」

有宇「【瞬間移動】」

隼翼「ぐっ がぁああああああ」

有宇「いててて 高城じゃねぇとダメだなこの能力」

隼翼「有宇。なんで」

有宇「研究所はスパイの博士と一緒に事故で全焼。乙坂有宇は巻き添えで死んで、そして俺はあんたら兄妹とはなんの関わりもない」

歩未「有宇お兄ちゃ……」

有宇「しつけぇんだよガキ!!俺はおめぇの兄貴じゃねぇよ!」

歩未「」ビクッ

有宇「じゃあな、【透明】【フライ】!」

隼翼「ぐッ……くそ」

歩未「お兄ちゃん!おにいちゃぁああああああん!!」

有宇(ごめんな……歩未)

~後日・空港~

ブラ「ひこうき のるの はじめて」

有宇「日本へはどうやって来たんだ」

ブラ「みっこうせん すごくよった」

有宇「……」

有宇「ん?」

友利「……来ると思ってました」

高城「……」

西森「……」

有宇「……」サッ

友利「待ってください」

西森「私達、貴方の好きにさせようかって事にしたんです」

高城「我々に貴方を止める気はありません。少しだけ話をさせて下さい」

有宇「……」

西森「私、ここの生徒会に入れて、皆さんと出会えて本当に良かったです。そしてお姉ちゃんの事も、乙坂さんのおかげで……本当に感謝してます」

有宇「俺はなにも」

西森「いつか、いつか絶対会いに行きますから!またゆさりんのシチュー持って行って!バーベキューもしましょう!

西森「ああ。それは、いいかもな」

西森「それで、それで……これ以上喋ると涙腺決壊しちゃうので……た、たか、たかじょうざんにぃいい」

高城「ああああ!!ゆさりんの涙!ゆさりんの鼻水ぅうううあああああああ!!」

有宇・友利「引くな!」

有宇「ふふ……」

高城「私も同じです。貴方と過ごせて本当に楽しかった」

有宇「ああ、俺もだ」

高城「一つ尋ねたいのですが、私の能力どうでした?」

有宇「クセが強くてダメだなありゃ。せいぜい自決用だ」

高城「おお!使ってくれましたか!」

有宇「さっき兄さんにぶちかましてきた」

高城「そ、それは」

有宇「あの能力使うたび、お前の事思い出すよ」

高城「で、出来れば他の所で思い出して頂けると。牛タンカレーとか」

有宇「はははは!あれも美味かったな」

高城「……ではどうかお達者で」

有宇「元気でな」

友利「……じゃあ私っすかね」

有宇「お前からは何を聞かせられるんだろうな」







友利「……好きです」

高城「おおお!?」

西森「はわあ///」

友利「カンニング魔でナルシストでズルくて自己中で、かっこつけてそうでその実惨めで無様でカッコ悪い、そんな貴方が好きです……」

有宇「……」

友利「そんな可愛い健気な彼女を放って出ていく人なんてもう知りません。黒歴史です!」

友利「今までのカメラのデータも乙坂さんが映ってる分だけカットしちゃいます!」

友利「凄いっすからわた、私の編集力!」

友利「貴方が私達に関わった事全部、無かったことにしちゃいます!」

友利「だって……だって、私達に危害が及ぶかもしれませんもんね!歩未ちゃんだって危ないかもしれませんもんね!」

友利「それと、それと……」

有宇「……」

友利「ふざけるなよぉぉ……勝手に出ていくなよぉぉ……」

西森「グスッ」

高城「……」

友利「勝手に告白しといて……それも嘘とか……乙女馬鹿にし過ぎっすよぉぉ」

友利「いつか……絶対に私のカメラに収めてやりますから」

友利「恥ずかしいシーンとか……絶対押さえてやりますから」

友利「それまで……待ってて下さい……」



有宇「……あぁ」

高城「さて、それと貴方にお土産です」

有宇「?」

白柳「あ、あの」

有宇「し、白柳ぃい!?」

高城「彼女も連れて行ってもらいます」

有宇「はぁあ!?はぁあああ!?」

有宇「なんで?俺記憶消去したんじゃ……」

高城「ええ、確かに貴方は記憶消去をしたようです。でもたまたま失敗しちゃったようです」

有宇「そういえば透明の時も俺の姿が」

高城「偶然貴方の姿が見えたんでしょうね」

有宇「お前ふざけてんのか!!!???」

高城「いいえ私は本気ですよ。乙坂君、彼女も能力者です」

有宇「なっ……嘘だろ!?」

有宇「【能力診断】!」

有宇「これって……」

高城「検査の結果……判定された能力は【幸運】」

有宇「幸運……」

高城「今の貴方には必要ではありませんか」

有宇「なら」

有宇「【略奪】!」

有宇「……できねぇ。まじか」

白柳「私、やっぱり乙坂君放っておけないです!なんかそんな気がします!」

有宇「だ、だけどそんな理由もなく」

白柳「理由ならあります!」

有宇「???」

白柳「アースコート」(ボソッ

有宇「なっ」

白柳「布を持っていくくらいなら、私の身体でもその……いいです」

有宇「チーン」

白柳「しょ、正直乙坂君の身体とかすっごく好みです!着替えとか覗いちゃったこともあります!!」

有宇「」

白柳「何より貴方に助けられたあの時……こう、キュウッっと来ちゃいまして!」

有宇「は、はぁ」

高城「いいじゃありませんか」

高城「貴方の勇気と彼女の幸運。よくあるご都合主義の完成です」

有宇「……」

友利「冗談抜きに言いますけど、味方の中に敵がいたってハッキリした以上彼女も危険です。特に【幸運】なんて能力は規模が測れないほど影響力があります」

友利「ですので、今現在人類最強の貴方の元にいた方が安全だと判断しました」

友利「【幸運】の能力が貴方に付いていくと判断した以上、それが最善かと思われます」

西森「しっかり守ってあげて下さいね!」

有宇「」







~10年後~

西森「さぁ!今日の世界で輝く日本人!今回はなんとベルギーにやって参りました!相方は毎度おなじみ、今大ブレイク中のアイドル、アユミーーン」

歩未「なのですぅ!」

友利(画面がにぎやかねぇ~)

高城「はい!オッケーでーーす!では次の画に行きましょう!うぉおおおおおキター!!ゆっさりぃいいん!!アユミィイイイイン!!」

友利「スタッフが画面に入ってくんじゃねぇ!余計な編集させんな!!!」ドガァッ

高城「おごぉお!!」

西森「さぁ!こちらがベルギー国内で人気を誇る和風ワッフルのお店!シャルロッテ!」

歩未「なんだか懐かしい匂いがするのですぅ!」

西森「そんなお店を切り盛りするのが~シャルロッテ店長の弓さーん!」

白柳「こんにちは~♪」

西森「凄いですね~毎日こんなにお客さん来るんですか?」

白柳「元々パンケーキが得意だったんですけど、思いつきでワッフルを始めたらこんなにご好評頂いて///」

歩未「ん~~~~アユミン好みの超絶な甘さでござるぅ!」

西森「この甘さを引き出している蜂蜜を作っているのは何とこの店長弓さんの旦那様!ユーさん!ご自分の養蜂園で作られてるんだそうです!」

有宇「ども」

西森「そしてお手伝いのブラウニーさん!」

ブラ「ん」

西森「いつもその防護面被られてるんですか」

有宇「蜂に顔を刺されてから膨れが残っちゃってね。これなしじゃ生活できないんですよ」

西森「なんとなんとぉ~大変なお仕事なんですね~」

有宇(俺と白柳とブラウニーは結局ベルギーへ渡った。理由は完全に白柳の気分だ。試しに小さな屋台でワッフル屋を開いたらなぜかこれがバカ受け)

有宇(ベルギーに渡って数年後、ロシアから亡命した科学者の告発によって、超能力者研究における非人道的活動の多くが明るみに出て、関わった研究者達が次々と捕まった)

有宇(後から聞いた話によると、俺の能力によって死傷した人間は公式上いないらしく、また倒壊した建物も設計上に問題あるとされたらしい)

有宇(これも白柳のもつ幸運によるものなのだろうか)

有宇(俺の能力が消えた今、まだまだ油断できないが、自由の身になる日もそう遠く無いのかもしれない)

西森「ユーさん!今どんな気持ちでお仕事してらっしゃいますか?」

有宇「そうだな……今は」






有宇「今となっては懐かしい……青春してる気分だよ」

終わり


最終回見るまで博士が黒幕だと思ってた。ごめんね博士

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