少年「探偵に憧れてるのだ!」教室でそう言った(89)

学校

五年一組教室 2時10分 五時間目
女の子「私は将来お菓子屋さんになり
たいです、なんでかっていうと…お…
!お菓子が好きだからです!」

女先生「へー、なれるといーわね!で
も世の中ってそんな甘くないのよ?
お菓子だけに」

女の子「えー!じゃあなんで皆に夢を
発表させてるんですか?」

\ソーダー!/\ハズカシカッタゾー/\給
食ノアジワスレタ!/

女先生「それはね…やっぱり皆には夢
を叶えて欲しいからよ」

女先生「言葉にすると自分が何になり
たいのかがちゃんとわかるでしょ?や
っぱり大事らしいのよ夢を叶えた人達
が言うに…ってもう少しでベルが鳴り
そうね、最後はー…」

「はぁっ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   いっ!!!!!」

女の子「…あっ」

女先生「えっと………君は?」

「はいっ!!!先生!!!!!
僕は隣の教室からやってきました!
少年という者です!!!!!!」

少年「以後!!よろしくです!!!!」

教室「ザワザワ…隣ノキョーシツー?…
ザワザワ…デテケヨー!
最後ニイウハズダッタヤツナミダメダゾー」

少年「出ていきません!!!はい!
!!!この11年という生涯をかけて
もです!!!!はいっ!!!!!


女先生「えーっと?あのー少年くん?
君ぃ今授業中なんだけど、なんか用が
あるなら言ってくれないかしら?」

少年「はいっ!!!!!では言わせて
いただきますっ!!!!!!!!」

女の子「………」

少年「さっき!そこの女の子はこういったハズです!!
お菓子屋さんになりたいと!!!」

女先生「え…えぇ、そうだけど…
それが?」

少年「そこまでは正しいのですがっ!!!!
志望動機が真っ赤な「キーーーーーーーン
コーーーーーーーーン
カーーーーーーン
コーーーーーーン」

女先生「…ごめんなさい、なんて?」

教室「モードーデモイー
ハヤクカエッテゲームシテー
隣ノキョーシツニカエレヨー!」

ザワザワザワ

少年「そうはいきません!!!僕は皆さんに
真実をっ!!!!」

「オイ」

隣怖筋肉男先生「教室に戻れ…」

少年「」

隣怖筋肉男先生「しつれーしたなー…
んじゃ」

女先生「………えーじゃあ、帰る準備を
皆さんしてください」


放課後 
屋上への扉前の階段

少年「くそー!!もうちょっとでこの僕少年が嘘を
暴けたハズだというのに!!!」

少年「あの女の子!…絶対にウソをついていると思うんだこの僕少年は!!
壁に耳引っ付けて聞いていた時のあの違和感!!!!」

少年「あの女の子はお菓子が好きでな
りたいと思ったハズじゃな「ちょっと」!!!」

少年「はっ…!!!!この割り込み方
はまさかあの時のチャイムか!?この!!!!!…」

少年「あ」

女の子「声が大きいのよ!…下まで聞こえてるからやめて」

少年「あ」

女の子「あ?」

少年「あ?」

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーっ
!!!!!!!!!!!!!!!!!

女の子「ーーーーーっ」キーーーーーン…

少年「貴様はあのときの女の子!!!
なるほど嘘を暴かれに自らやってくるとは
なんといさぎの良いことだ貴様!!!!」

女の子「きっきさま?」

少年「さあ吐くのだ!貴様が今まで一生の内についてしまった
罪深き嘘の数々を吐くのだ!!!!」

女の子「えーと、この間の事なんだけど
スーパーで買い物をしてお釣りを
もらったの、
そのお釣りが数百円多かったんだけど
それを言わなかった事とか」

少年「他には!!!!」

女の子「他?他…他…あ!
一年前私友達から好きな男の子の名前を聞いて、
誰にも言わないって約束しちゃったんだけど、
うっかりその男の子の前で喋っちゃった事とか」

少年「他には!!!!!」

女の子「えー他ー?うーん」

少年「もっと他に吐くべき嘘を君は
ついさっき吐いたではないかっ!!!」

女の子「え?さっき?嘘」

少年「お菓子やさんになるに値する動機を偽っただろうっ!?」

女の子「あー…でも」

女の子「嘘を言ったわけでもないよう
な気がするけど」

少年「なっ!?まだしらばっくれると
いうのかね!?君という人間はっ!」

女の子「えーだって私お菓子好きだし
お菓子屋さんだってなんとなくで」

少年「…なんとなく?」

女の子「え?そうよ」

少年「…」ガチャ

女の子「え?どうしたの?屋上になにか」

少年「んでやる…」

女の子「え?」

少年「<ピーーーーーーーーーー!!!!>
<ピーーーーーーーーーーーーーーー!!!>」

女の子「ちょっ!?馬鹿な事は考えてないで!」

少年「………!!!」

少年「僕が今やろうとしていることは馬鹿な事なのか!!!!?」

女の子「え…まぁ?多分そう…かな?」

少年「…なら仕方ない…やめるか」

女の子「ほっ」

少年「仕方がないから家庭科室の<ピーーー>で!!!!!
この僕の<ピーーーーーー>を<ピーーーー>
してやるんだあああああ!!!!!」

女の子「!?」

家庭科室

少年「うおおおおおおおおお
はなせぇええええええええ!!!!」

女の子「はなさないいいいいいいいい!!!」

女の子「馬鹿な事はやめてぇ!!!!!」

少年「!?」

少年「これも馬鹿な事なのか!?」

女の子「!え!えぇそうよ!!?
<ピーーーーー>も<ピーーーーーー>も
<ピーーーーー>や<ピーーーーー>まで
<ピン>じゃうような事は全部駄目なのよ!!」

少年「なんという…なんという事だ…」

女の子「少年…」

少年「僕は…間違い過ぎている…」

少年「僕は…」

少年「…」

廊下 午後5時33分

少年「…」

少年(困ったなぁ…)

少年(…あの女の子には悪い事しちゃったなぁ)

少年(…)

わーーーーーーーっん!ひっぐ!ぐしゅっ!!

少年「?」

少年(なんだろう)

少年(泣き声…)

校舎裏 池

女子「カメノズゲぇっく!ひっく
!あぁーんっく!」

カメノスケ「…」

女子「私のぅっ…私のせいだあぁあぁっ!!」

女子「私のせいでぇ…っく …ガメノズゲがぁっズズッ…」

ガサ…

光子「!」

少年「…あ」

女子「!っ」ゴシゴシ

カメノスケ「グァーッ」

少年「お芝居の練習?」

女子「はい…め、面目ないです」

カメノスケ「グァー」

少年「こんなに元気ならまだまだ生きるなぁカメノスケ」

カメノスケ「グァーーー!!」

少年「!?痛いいいいいいいい!?」

カメノスケ「カブブ!!」

女子「キャーー!カメノスケが人に噛みついた!?」

少年「はっ!剥がしててててててて!?」

女子「えっでもこれはこれで痛みのお芝居の勉強に…」

少年「僕は泣く芝居なんてしたくない
いいああああああああ!!!」

少年「手に…手に穴が空いている……血が…ぐす」

女子「あーカメノスケは蛇じゃないから、
多分大丈夫です…よ?」

少年「うぅ…ま、まぁ大丈夫ならいいけど」

女子(多分だけどね)

少年「…さっき」

少年「そこの亀が人に噛みつくのがどうとか…」

女子「あー…だからあたし驚いたの、
カメノスケが少年に噛みつくなんて」

カメノスケ「グァァ」

少年「なんでこいつ噛みついて来たんだ…?」

女子「あー多分少年くんが
カメノスケにまだまだ生きるとか言ったから」

少年「え!?誉め言葉じゃん!」

女子「でも唐突にちょっと<>を
予感させるような事を言うから…」

少年「え?でもさっきそいつが<>んだていでお芝居を…」

女子「え?いや、あたしはカメノスケが、
私が餌をやり過ぎたせいで肥満になったていでお芝居を…」

少年「え」

カメノスケ「俺はまだ1才だぜあんちゃん」
少年「…あーびっくりした…ははは」

女子「反省しないといけません」

少年「え…?」

女子「あたしのお芝居がまだまだ未熟だから…
少年くんはカメノスケに噛まれちゃったんだから…」

少年(僕に言ってるのかと思った…)

少年「…でも僕が、
それだけの目にカメノスケがあってると思ったって事だから」

少年「…まぁ79点くらいかな!」

少年「いたたたたたた!?いっ女子ぃ!助けて!!うぁ!?」

女子「もうちょっと…強めに噛んでもいいかもね」ボソッ

カメノスケ「ガウ!!!!!」

少年「ちょ!?女子あいいいいいいい
いいったあああああああああ!?」

女子「…へへ」

少年「笑ってないでちょ!?いっいっいったたたたたたたたた!?」

少年「二回目だ…二回噛まれた…」

女子「えーとう…その…ごめんね?」

カメノスケ「グワー!」

少年「うう…あ、そういや何で僕の名前知ってるの?」

女子「え?」

少年「少年って」

女子「少年くんがあたしの教室に来たじゃない今日」

少年「あー…居たんだ」

女子「そういえば何を言おうとしてたの?」

少年「…あの時?」

女子「そう!女の子の夢のお菓子やさんがどうとか」

少年「…………」

少年「忘れた」

夏祭り 大通 午後7時

女子「このわたあめおいひーうひひ」

女子「…あれ?あれ少年くんかなー」

女子(元気なくしたまま帰ってったからなー…)

女子「気になる…」

女子(こそこそ)

女子「どこに行くのかなー…男の子だから、
やっぱり射的とかかなー…」

女子「…あれ?大通抜けてった…」

女子「そっちに行くといつもの田舎の風景しかないんだけどなー…」

女子「…!!」

女子「わー!きれーー!!」

少年「わ!?」

女子「え?あ…」

女子(バレちった…てへへ)

少年「なんでここに?」

女子「え?いやー…なんとなく?」

少年「嘘つき」

女子「…嘘バレちゃった」

少年「うん…本当はなんでここに?」

女子「後つけてたの!」

女子「…少年くん元気無くしてたから」

少年「…そう…つけられてたんだ…」

女子「へへ、あたし探偵さんの才能あるかもね!」

少年「!」

少年「…ついてきて」

女子「え?うん!」

女子「しっかしキレーだねー!こんな田舎なのにここは」

女子「あ!泉に星空と蛍の光が反射してるのか!
なるほどー!へへへ田舎も悪くないかもね」

女子「…少年くん?」

少年「………」

少年「ついたよ」

女子「ここは…」


小屋

女子「…本棚ばっかだね」

少年「全部ミステリー小説の本だよ」

女子「ぜ、ぜんぶ小説?」

少年「?、うん」

女子「ま、まんがとか一冊ぐらい?」

少年「ない」

女子「頭が…足がふらついてくりゅ…」

少年「僕、僕はね…探偵になりたいんだ」

女子「へ?」

少年「…なりたかったんだ…」

女子「少年くん?」

少年「…」

少年「今日…あの女の子に嘘ついてるでしょって
言ったんだ…外れたし、迷惑もかけた」

少年「女子のお芝居も勘違いして、
あげくのはてには浸けられちゃってた」

少年「才能が…ないのかもしれない」

女子「でも…私が嘘をついたことは見抜いたでしょ?」

少年「…」

女子「少年くん…」

女子「……そうだね…
少年くんには才能がないのかもしれない」

女子「あたしの夢はね、舞台女優さんになることなの」

少年「…へー」

女子「あたしは頑張って演技しても、
少年くんに勘違いされたり、嘘…演技を見抜かれたりした」

少年「…」

女子「でもね…あたしは自分に才能がないなんて思わない」

女子「先生は夢が叶う人は少ないって言ってたけど、
それでも私は諦めない!!」

少年「…なんで?……なんで…」

少年「なんでそんなこと…言えるんだよ……!!」

女子「ほんとに才能ないんだから少年くんは!
このくらいわかってよね」

女子「少年くんが言ってくれたからだよ」

少年「……?」

女子「79点の演技だって」

少年「………!」

女子「0じゃなかったら才能はあるんだよ!」

少年「…いいなー……才能あって」

女子「…こっちむいて、少年くん」

少年「ん?」

女子「これからあたしがあなたに才能をあげるわ」





女子「さっき私の嘘を見破ったあなたの推理
…78てん!あげちゃう」

少年「………」

女子「……」


少年「女子よりも…下かぁ…」

少年「…は…ははははは」

女子「元気…出てきた……?」

少年「うんっ…ひ……っく…ぅ ……
ん…!げんぎでてぎたっぁ……!!」

女子「へへ…なら小屋からでよう!」

少年「っ…?」

少年「……!!」

女子「こんなに満天の星空で流れ星が降らないわけないよ!」

女子「…今日は一緒に夜更かししてお願いしよっか?」

少年「はは…子供なのに良いのかなあ」

女子「あたし達にはそんな事よりもっと大切は事があるよ!」

少年「ははは…じゃあ…一緒に…」



ー お互いの夢がどうか 叶いますように ー



女子「ちゃんと三回お願いしたー?」

少年「あ」

女子「あーあーやりなおしだー!」

少年「………はは、次の流れ星早く来ないかなぁ」

翌日 午前9時半 学校 職員室

モブ先生「…仲がよろしいですねー二人そろって遅刻とは」

女子「うっ…ごめんなさい」

少年「ぐー…むにゃむにゃ…」

女子(うう…少年のせいであの後五時間も待ったんだから…!!)

モブ先生「子供が目に隈を作ってはいけませんよ…全く」

女子「うー…スミマセン」

モブ先生「まぁ…君はもう教室へ行ってもいいでしょう、
名札は今度から忘れずにしてくる事」

女子「ハイ…(一週間くらい前からなくしちゃったんだけど…)」

少年「がー…がー…」

女子「じゃあまたね!少年くん!」

少年「んがっ>パチンッ<ンー…んにゃ?」

モブ先生「先生の目の前で鼻提灯を割るとはいい度胸してますね」

少年「………あ?」

モブ先生「ちょっと覚悟してもらいましょうかね」

少年「………………許してニャン?」


ギャーーーーーーーーーーーッ!!!!!

女子(聞こえてない聞こえてない)

五年教室

女子「遅れてすみませーん!」ガラッ

女先生「あ!丁度良かったわ!」

女子「え?」

女先生「いえね、一月後辺りに五年生
皆で劇をやることに決まったの!」

女先生「トンデレラの劇をやる事に決まったんだけど…」

女子「もしかして?」

女先生「そう、誰がトンデレラの役を
やるかで票が別れてるのよ」

女子「…もしかして!」

女先生「そう、…」

女先生「隣の5年2組の毒女さんと
まったくの同票で女子も
トンデレラ役に押されているわっ!!」

女子(やっぱり…)

女子(…)

女子「すみません」

女子「けど…あたしは…」

女先生「…」


女子「何があっても!!!!
毒女さんにトンデレラの役を渡すつもりはありませんっ!!!!」

女先生「!」

隣教室「ザワ…」

女先生(この子…わざと隣の教室に聞こえるように大きな声で…)

いーぞー!女子ーー!
よく言ったー!!
言ったからには負けるなよー!!
女子かわいーーーー!!

女子(負けるわけにはいかないもん…
絶対に…でも)

女先生「どうやって決めたものかしらね…
五年に3クラス目があれば
票を引っ張ってこれたんだけど…」

カツカツカツ

女子「!」

「失礼するわ…」
ガラッ

女子「…毒女さん!」

毒女「ふふ…おはよう、女子さん?ありがとね手下」
     手下「いえ…当然の事でございます」

教室「ザワザワ…」

女子「…何か用なの?」

毒女「あらやだ…本気で言ってるの?」

毒女「貴方…さっきとても大きな声で叫んでらしたじゃない」

毒女「とても下品で…そう…トンデレラとは間逆ね」

女子「!」

女先生「毒女さん」

毒女「…なにかしら?先生」

女先生「今の発言は撤回した方がいいわよ?」

毒女「あら?…フフ…残念だけれど…」

毒女「あたくしは先生の可愛いらしい生徒さんでも正直に…」

毒女「貶してあげる所存ですのよ?…トンデレラのようにね」

女先生「…おかしいわねぇ…」

毒女「…何がかしら」

女先生「あら?わからないの?」

毒女「…えぇ…わからないわね…」

女先生「先生だから教えてあげるけど…
なんでトンデレラと間逆のハズの女子さんと
トンデレラとうりふたつのハズの毒女さんが…」

女子「同じ票数… なのか」

毒女「!」

女先生(ちゃーんと良いところは持っていく…才能あるわねー)

女子「簡単な矛盾だね、毒女さん」

毒女「…っ」

女子「この矛盾を解決する方法は2つしかないよ?」

女子「あたしもトンデレラに瓜二つか…
あなたもトンデレラとは間逆かのね」

毒女「っ!!」

いいぞー!
毒女を追い詰めてるぞー!
肉を切って骨をたつってやつだー!

ザワザワ…

毒女「…」

毒女「そういえばまだ言ってなかったわね…」

女子「…?」

毒女「わたくしがわざわざここまで来て伝えたい用件…ですわ」

女子「…」

毒女「………」

毒女「わたくしも …貴方…女子さんと同じく…」

毒女「トンデレラの役を渡す気はありません…と伝えにきたのよ」

………

毒女「それだけ…と、言いたい所なのだけれど」

女子「まだ…なにか?」

毒女「…ええ」

毒女「…あら?」

隣怖筋肉先生「毒女…」

毒女「どうかして?…先生」

隣怖筋肉先生「戻るぞ…」

毒女「…何故?わたくしはまだ…」

隣怖筋肉先生「決まったんだ…」

毒女「…まさか」

女子(!)

隣怖筋肉先生「トンデレラ役が…決まったんだ…」

毒女「!」

女子「!」

ザワザワ…

女子(そういえば…
さっきから隣の教室が静かだな)

毒女「…なら、大丈夫よ?先生」

隣怖筋肉先生「…」

毒女「ここにいる1組の人達の敗け顔を眺めてから行くから」

隣怖筋肉先生「…」

毒女「先に戻ってもわたくしは構いませんのよ?」

先生「…」

先生「負けたんだよ…」

毒女「……」

毒女「…嘘」

毒女「…」

毒女「誰が…」

毒女「誰がっ…!」

毒女「誰がっ!!裏切ったの…!?」

隣怖筋肉先生「誰も裏切ってはいない…
毒女に投票したやつは皆な」

毒女「……そう…」

女子「…」

毒女「…女子さん」

女子「なに?」

毒女「貴方のトンデレラの劇を、…楽しみにしておりますわ」

女子「……」

毒女「そしてここから立ち去る前にひとつだけよろしいかしら?

女「え…ぅん」

毒女「フフ…ありがとう」

毒女「貴方が気付いた矛盾の二つの解消方法…」

毒女「私は三つ目の解消方法を提示するわ!」

女子「…!」

毒女「簡単な事よ…とても簡単…些細な事よ」

毒女「私のクラスは私がトンデレラと瓜二つだと皆気付いていて、」

毒女「貴方のクラスの子たちは皆…」

毒女「女子と言う女がトンデレラとは間逆の子という事に気付いていない…」

毒女「それだけの話ですわ…」

女子「…聞き捨てならないよ」

毒女「戻りますわよ…手下」
            手下「はっ…」

女子「ちょっと待ってよ!?今の発言は取り消して!!」

女先生「そうよ、さすがに見過ごせないわ」

毒女「最後の矛盾…解消させて頂きますわ…」
     手下「ソレッ!!!」

少年「イダッ!?」ドザッ!

女子「あ…」

毒女「その男も女子という女を見抜けなかった者の一人…」

毒女「1組の人間ですわ…」

女子「毒女さん…」

毒女「…」
     ガララッ…

少年「っでー……ぞくっ!?」

よくやったぞー!このこのー!!
お前が投票してくれたおかげだ!!
愛してるぞー!!友達になろー!!
モミクチャモミクチャモミクチャ

少年「ぎゃーーー!?やめてっちよ!?
痛いくすぐったい寒い暑いかゆい悲しい!?!?」

ギャーーーーーー!?

女子「フフ…楽しーんだー!」

女先生「あの子…全くねぇ…」

数日後 体育館

少年「トンデレラっ!さぁこのパンプキン馬車
にお乗りっ!」

女子「でも…あたしまだお屋敷の掃除が…」

少年「それなら大丈夫さワシが君を
お城へ運んだ後にやっておくから」

少女「でも…そんなの悪いわ…」

少年「…一生このままでもいいのかい?」

女子「…!
……ごめんなさいお婆ちゃん
お掃除頼めるかしら?」

少年「アラホラホイホイホイサッサー!!」

女子「わぁ」キラリンキラリン

少年「さぁその美しいドレスとクリスタルの靴で城へ向かおう」

女子「…はい!!!」

ガラガラキラキラ

少年「さぁ出発だ!お おー…

王じ様のもとへー?!?!」

女先生「ダメね」

隣怖筋肉男先生「ですな」

毒女「早くわたくし、…もとい僕の元へとやって来てほしいわね」

少年「う…ゴメンサィ…」

少女「でもいい感じたよ!少年くん!
多分だけどね」

少年「うう…みんなが僕をいじめる…」

毒女「嫌ならさっさと芝居が上手くなるよう努力なさい」

女子(…しかし)

女子(意外だなー)

少年「ならアドバイスくれよー」

毒女「仕方ないわね」

女子(あの毒女さんが王子役…私の相
手になったのもそうなんだけど)

少年「こう?」

毒女「もう少し腕をあげた方がいいわね」
女子(少年くんにアドバイスまでするなんて…)

少年「こうっ!」

毒女「そうよーいい感じね」

女子(………別人?)

少年「よーし!もう一回リハ行こう!」

女子「え?」

毒女「まだわたくし、もとい僕の番まで来てもないからね」

女先生「いい根性だな少年!さすが一組の…」

女子(…)

女子(あれ以来一組や二組という境目は
作るのは皆控えてる)

少年「二組毒女め…覚悟しろ!次こそは!」

毒女「一組少年が何を言うのよ、早くして頂戴」

女子「…二人共KYなんだから…」

女先生「さぁ3..2.1!アクション!!」

………

……

放課後 校舎裏 池

カメノスケ「グワァー!!」

女子「あっ王子様…ごめんなさい…あ
たしもうもどらないと…」

カメノスケ「グワァー!!!」

女子「ッ…!ごめんなさいっ!!」

女子「あっ…」

ボトッー

女子「あっ!!」

ズテーン!!

少年「あーあ…靴脱げた反動で転んじゃった」

女子「!」

少年「なんだか女子は演技ミスらないと思ってたら…」

女子「…努力しないといくら才能あってもミスしちゃうもん」

少年「まぁ努力してたのはわかってたけどね」

女子「え?」

少年「最近少し足を気にかけてるね?
トンデレラといえば足に目が行くから
当然っちゃ当然だけど…」

少年「それだけじゃない、最近手を袖で隠
す傾向があったのは、トンデレラが
雑巾を絞ったり料理を作
ったり掃除をしたりしてるから、苦労をしている手の
ハズだと考えた、だからマネしてちょっと汚いのかな?」

少年「ついでに言うなら瞳に気を使ってるよね
給食の時ブルーベリージャム多目に貰ってたし
…答えは単純、トンデレラは目が綺麗…どう?あってる?」

女子「合ってるよ…少年くんも努力してたんだ」

少年「はは…だっていくら才能があっても」

女子「努力しないとハズしちゃう?」

カメノスケ「グワァー!!」

少年「カメノスケには聞いてないよ?…多分」

女子「でも推理の努力ってどうやってるの?」

少年「ん?
情報収集
考える
推理する
以上」

女子「…普通だね」

少年「う」

少年「カメアイテニエンギモドウカナ」

女子「行け!カメノスケ!!」

カメノスケ「グアッ!!」

少年「!?っだいああああああああああああああああ!?」

女子「痛みの演技の勉強になるなぁ」

少年「僕で勉強しないでくれったーーーーー!!!」

少年「………」

教室

少年「探偵に憧れてるのだ!」

少年「…次の劇はこういう感じのを押してみようかなぁ」

ちゃんちゃん

は?

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