朝日奈葵「苗木ととれーにんぐ!」 (40)

ダンガンロンパのSSスレです。

・性描写あり
・ダンガンロンパ1で、本編のような事件が何も起こらなかった(あるいは事件が劇中劇だった)世界線

以上の設定がありますので、苦手と感じられた方はご注意ください。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443019301

 じり、と内股になっていた太腿が擦りあわされた。

 生唾を呑み込む音は、果たしてどちらの喉から鳴ったものなのか。

 ボクといえば、一瞬声も出せなかった。

「そ――そんなことになってるの?」

 半分空ろになりながらもようやく、ボクが無難な(?)言葉を搾り出すと、彼女は慌てて否定した。怒り気味の声と表情は恥ずかしさの裏返しだと、さすがにボクでも分かった。

「ち、違うよ! 前に、苗木にシミュレーションをお願いしたでしょ? その延長っていうか、真逆っていうか、平行っていうか、垂直っていうか――」
 
 こちらが口を挟む隙もないくらいに捲し立てる。じっとしてはいられないと言わんばかりに身振り手振りを交えるせいで、彼女の健康的な体がふるふると弾む。

「こんなことお願いできるの苗木しか居ないっていうか、他の男子なんて絶対イヤだし、あの、その……ちょっと苗木ってば、ちゃんと聞いてる?」

 最後にずいと胸――じゃなくて顔を突き出して来た。

「き、聞いてるよもちろん……」

 自分でもしどろもどろという表現がよく似合う回答の仕方だった。ていうか今問い質されたのって、ぜったい朝日奈さん自身が言葉に詰まったからだよね……

 そんなボクの煮え切らない態度を不満の表れと受け取ったのか、彼女は腕を組んで追及してくる。

「……じゃあ、私がなんて話してた説明してみてよ」

 ぷくーっと頬を膨らませて拗ねたように言う朝日奈さんはとても可愛らしい。

「あ、あれでしょ? ボクがこの間、朝日奈さんの女らしさを磨くために彼氏役っていうシュミレーションをしたからそのついでで」 

「ついでじゃないよ!!」

「ついでじゃないの?!」

 今の話を総合したらそういうことじゃないの?! 助けて霧切さん!!

「……ついでなんかじゃ、ないよ」

 付け加えられた一言には、返事をしてはいけないような気がした。聞き逃したわけでは、もちろんなかった。

 その後、やや落ち着きを取り戻した朝日奈さんいわく――監督やコーチなど指導者が、その立場を盾に生徒にセクハラを行う事案があるらしい。

 ここ希望ヶ峰ではそういったことは確認されていないけど、今後も起きないとは限らないし、部活生は特に敏感になっているそうだ。

 話の性質上、学校側から『注意してください』なんて宣伝してまわるわけはないけど……生徒同士の横の繋がりにおいては結構ありふれた話題なんだろう。

 直接的な行為には及ばなくとも、意味深な言葉を投げかけられたり、あるいは邪な視線を送られたり。

 まあ、下世話な話、想像に難くはない。

 で――ボクはただいま、絶賛セクハラコーチ役です。


『お、おい朝日奈……代表になりたかったらお前……わ、分かってるんだろうな?』

『…………』

 
 
 ちなみにウチの水泳部の監督は女の先生だから、その心配いらないんじゃない? って念の為に聞いてみた。


 そうしたら、『でもでも私いろんな部活に出入りしてるし!』という内容の文句で5分程かけて説き伏せられました。

 
『な、なんとか言ったらどうだ? ん?』

 ボクのベッドに腰掛けたままの朝日奈さんへ、腕組みして偉そうな雰囲気を出そうと努力しながら言う。うわコレすっごい恥ずかしい。

 でも朝日奈さんはもっと恥ずかしそうだった。ボクの『どうなんだ? んー?』とか違和感バリバリの尊大なセリフにもいちいち反応して身を振るわせつつ、それでも懸命に睨み返してくる。

 だいたい彼女はこの手の話題が元から苦手だったはずだ。

 だから、彼女は無言で、顔を真っ赤にして、嵐が過ぎ去るのを耐えるだけの――無力な女の子に見えた。

 マズイと思った。

 小芝居だと、何度も自分に言い聞かせる。

 これは演技で、シュミレーションで、本気になってはいけないと。

 気の迷いを捨てようとして惑わせていた視線が、彼女の唇に重なったまさにその時、蕾が綻ぶように。


『どうすれば――いいんですか』


 月並みな表現だけど――ボクは呆然となった。

 打ち合わせでは、ボクが散々思わせぶりなことを言って、朝日奈さんは動揺しているのを表に出さないようにするという筋だった。

 だから彼女がこんな発言をするとは思っておらず、ボクは完全に虚を突かれて、思わず聞き返しそうだった。

 その声音は、緊張の果てに搾り出されて、問いというよりもどこか諦めじみていた。 

 両腕は胸を守るように交差していたが、その実、豊かな身体のラインを強調するだけだった。

 仄濡れた上目遣いは、僅かな抵抗の意思と、それが叶わないことを予め覚悟しているかのような羞恥に満ちていた。

 まるでこれから起こるすべてを受け容れるというような――後ろめたい隙。

 その発露が収束し、弾丸となって――ボクの理性を撃ち抜く。


 知らなかったなら、我慢できたのかもしれない。ボクが女の子を知る前なら――それは知らないまま、手の届かないものとして、目を背けることができたのかもしれない。


 でもボクは、知ってしまっていた。  

 『アレ』はとってもやわらかくて、『ソレ』はとっても熱くて――そして、女の子によって、全然違うんだって。

 やっと言えるんだ。

「私ズルいから……こんなことしかできないんだ」

 口からケムリでも吐き出すみたいに、私はぼんやりと告白する。

 自分で分かる。

 溢れているのは、苗木に聞かせるんじゃなくて、自分に対する言い訳。

 でも、そうでもしないと無理だった。

 あの教室で見たもの。

 現実を突きつけられて、悲しくて悔しくて、でも後出しで思いを伝えるなんて出来なくて。そのクセ忘れることは一層出来なくて。

 とった手段は……結局サイテー。

 苗木のやさしさに突け込んで、ぜんぶ苗木のせいにして、あげく、なし崩しで告白してる。

「こんなやり方しか……ねえ、私……」

 私の良さが、『朝日奈さんらしさ』だっていうのが、ウソじゃないなら。

 私の魅力がそこにあるなら。

「苗木……? 私、どうかな……?」

 私は苗木に聞いた。

 視線が縺れて、互いの鼻先でこんがらがった。

 すると……されるがままだった私が喋りだしたことに怯えたのか、苗木が身体を離していく。

 私をモノにしようって、怖いくらいだった迫力が、すっかり萎えていくのを感じた。

 今ではまるで――悪いことをした子供みたいな顔。

 そうして伏せた視線が、私の胸を鷲づかみにする自分の指に突き当たって。

 はじめて自分の所業に気が付いたみたいに動揺するのが伝わってくる。

 じりっと、胸に立てていた爪が引き剥がされる。

 じんじん突き刺さるような痛みが鈍くなって、温もりも離れていく。

 きっとすぐに、苗木は私から遠ざかる。

 縺れた視線が、引き絞られて、ぷつりと切れてしまう。


 そんなの、いや。

 
 筋トレの要領で上体を起こす。

 いつだって、考えるより先にカラダが動くんだ。

 退き始めていた苗木の背中を掻き抱く。ぱちん、とお互いの胸がぶつかって、湿った音がした。

「あ、朝日奈さん……?」

 胸に、下腹部に、苗木の鼓動が伝わってくるけれど、私のドキドキは、どこまで伝わってるんだろう。

 私と苗木の間で千切れかけていた視線が、もう一重、二重、線を引いた。

「もう……逃げられないんでしょう? 私、苗木から……」
 
 関係性が変わってしまう。

 それが嬉しくもあり、怖くもある。

「だったら逃がしちゃ、いけないよね……苗木、言ってくれたよね」

 とってもずるい、ダメ押しのひとこと。

「私は……朝日奈葵は、魅力的なんだよね? 苗木から見ても……答えて?」 

 目線を下げながら、うん、と律儀に返してくれた苗木に愛おしさを覚えながら。

「――舞園ちゃんや霧切ちゃんと比べても、そう?」  

 あまりにひどい、とどめのひとこと。

「あ、あさひな、さん……?」

 苗木の目が猫みたいに見開かれる。動揺している様子がとてもかわいらしく見えてくる。

 そんな苗木に、殊更ぎゅうぎゅうと胸と、腰を押し付ける。

 抱きしめて、背骨をなぞって、汗を擦り込ませる。

「――答えなくてイイから」

 苗木がどうかは知らないけれど。その先を聞く勇気は、まだ私にはない。

 だから、私は自分で誤魔化した。

 
 答えを探すような唇を、唇で塞いだ。  

 垂れ下がっていた手を導いて、私の胸に押し当てさせた。

 すると、条件反射みたいに苗木の掌は揉みしだいてくれる。
 
 どことなく赤ちゃんみたいな感じがして、愛おしさが溢れてくる。
  
 私は自分の身体が、トクベツ魅力的だなんて思ってない。

 でもしょっちゅう感じる「そーゆー視線」は好きじゃないから、むしろ悪い意味で捉えていた。

 でも苗木だったらイヤじゃない。

 そういうのが多分、好きっていうコトなんだと思う。

「んっ、あんっ、あっ、すきっ、なえぎ……すき…………ぃ」

 私は、水の流れに翻弄される葉っぱみたいにされるがまま、苗木のくれる感度に溺れてゆく。

「んちゅっ、むちゅ……舌、らしてぇ……あむっ、れろっ、んちゅ……っ」

 口付けしながら言うと、ベロベロお互いの口元を汚しながらのハグになっちゃう。

 でも――私が知ってるのは、できるのはここまで。

 あとは苗木に――してもらわないと、経験のない私には分からない。

 あの日、ドアの隙間から見えたのは――苗木の背中だけだったから。

――――――――――――――――――――――――――――


「れろちゅっ、んちゅぅっ、くちゅっ、ちゅぱ……ぁっ」

 朝日奈さんのキスを受け止めながら、ボクは混乱しきっていた。

 霧切さんや舞園さんとの逢引も、いつかは気取られてしまうんだろうし、それが責められるであろうことも、覚悟はしていた。

 でもいざ、それがバレてしまっても糾弾されること無く、しかもあまつさえ――こんなことになるなんて。

「あっ、なえぎっ、なえぎぃ……っ、きて……んっ、やっ、やぁ……ぁ」
 
 ボクは再び朝日奈さんを押し倒した。

 いや――仰向けになろうとする彼女に導かれて、ボクが引き倒されたと言うべきか。

 見詰め合った目が訴えるのは、ボクが交わった彼女たちとまったく同じ信号だった。

 ホントにいいの? 思わず尋ねそうになるのを堪え、無防備に晒した彼女の肢体を今一度俯瞰する。

 そうして覆いかぶさって分かるのは、あまりに深い彼女の肉感と、熱いお湯に浸かるような、体温だ。

 まるでボクが小さくなって――彼女の臓器の一個に吸収されていっているみたいに――脈打つ肉体に包まれるような錯覚に陥ってしまう。これは霧切さんや舞園さんにはない感覚だった。

(――って、また比べてるな、ボク) 

 自己嫌悪しながらもやることはしっかりしていて――朝日奈さんの両脚をそそり立たせ、運動部らしいシンプルな下着をホットパンツごと脱がせにかかる。

 ぐちょぐちょのソレは、彼女の股間から離れる時に十センチも糸を引いた。

「ああっ、やぁ、みないれっ、んっ、んんん…………っ!!」

 朝日奈さんの上ずった声が聞こえてくる。見れば、彼女は背中までベッドに沈めたまま、真っ赤な顔だけをこちらへ向けていた。

 みだらな体液で浸された下着を見られて、羞恥の極みといった表情で、それはボクの嗜虐心をこの上なく刺激した。

 そうなってみると現金なもので、ボクのさっきまでの混乱はウソのように消えて、今はまた、この女の子を自分のモノにできることへの抑えきれない期待で胸が破裂しそうになっていた。

 晒された彼女の秘部は、産毛すらない状態だった。生まれたままということは多分無いだろうし、水泳部として当然の処理をした跡ということなのだろうか。

 ただ、そんな苦労も、今のボクには興奮を高める材料にしかならない。

 下着を剥ぎ取った時点で濡れていた指を、彼女のスキマへ潜り込ませる。

「ん――っ、あんッ!!」

 ぴくんっ、と彼女の背骨が軽く反り、乗っかった乳房がたゆんとスライドした。

 だけど、そんな視覚上のこともだけど、ボクは指に伝わってくる感触に驚いていた。

 ロクに触ってもいない、しかも(多分)経験のない筈の彼女のナカはすでにグズグズに溶けほぐれて、指の関節を曲げれば引っかかる粒粒の天井が泡立っているのが容易に想像できるくらいだった。

 そして、熱い。

 表面上の体温もさることながら、彼女の中は、互いの皮膚がくっついちゃうんじゃないかっていうくらい熱かった。あの豊かな胸の更に奥、心臓から送り出されるマグマのような血流が、彼女の活力の源なんだろう。


「――ひゃぁっん!」

 ぐちゅりっ、音を立てて天井を一掻きする。

 このナカに、挿入するんだ。

 想像しただけで、脊髄に電気みたいなものが奔った。

 ずぶ、ずぶ、ずぶと、襞を中指で掻き分けると、どこまでも沈んでいってしまう。そしてひとつ肉壁を越えるたび、朝日奈さんは痙攣し、可愛らしく鳴き声をあげた。


「あっ、んっ、ひゃんっ、んっんんぅ……っ、あっ、アァッ!」


 いまボクは、どんな顔をしているだろう。欲に塗れた表情のはずだ。

 少なくとも、自分で見たいとは思わない。


「はーっ、ふあっ、ふーっ、ふーっ、ふ――っ、ん…………」

 目を蕩けさせている朝日奈さんを見て、思わず腰を蠢かせてしまう。 

 もう前戯なんて必要ない。というか、ボクが我慢できない。

 ずるりと一気に指を引き抜くと、ぶるっ、と身を震わせて朝日奈さんは深い息を吐いた。

 その頬に、ボクは抜いたばかりの指を添え、にちゃにちゃと攪拌した。彼女はその意図に気が付き、まだ赤くなるんだと感心するくらいに顔を真っ赤にした。

 ボクは尚逸る心のまま、自分のパンツもズボンごとベッドの下に蹴り落として、すらりと伸びた足の間に割り入れ、入り口へあてがう。

 朝日奈さんはいよいよの一瞬を、この上ない羞恥心にとらわれながら、それでも見逃すまいと生唾を飲み込んでいる。

「いくよ、朝日奈さん……チカラ抜いて」

「う、う……ん、あっ、なえぎっ、待って……っ」

 尋ねるより先に頭を引き寄せられ、唇が重なった。

「ちゅぱっ、んちゅっ、あえろっ、れろ……にゃえぎ……ぃ」

 互いの唾液を溶かしあい、キスで互いの身体を湿らせてゆく。

 交感に没頭しながら、それでも本能の我慢に限界を感じていると、

「なえぎっ、にゃえぎぃ、んちゅっ、ちゅぱ…………きて」

 彼女の甘えた声に、躊躇うことなく腰を送る。

 ずぽりと、敷いたレールの上を行くように、ボクは朝日奈さんのナカへ侵入した。

「あ……くあっ、んく……っ、あっ、あっあっあっ」

 ずぶ、ずぶずぶと、肉同士の摩擦が起きるたび、絡ませ合う口から嬌声と悲鳴の中間くらいの喘ぎが漏れる。

 初めての相手ともっとも敏感な部分を接合してゆく様は、互いの周波数を合わせるよう。

 それも間もなく、ガチリとくっつく。

「な、苗木……なえぎ……っあ、うれ、し……ああっ、ん……っ」

 朝日奈さんにもそれが分かったのだろう。自分の最奥に、相手の先端がずっぽりと嵌ったのが。

 いま彼女は涙を浮かべながら、でも嬉しそうに口元を緩めている。

 さっきまでの大人びた色香はなくなっていて、等身大の女の子の姿しかない。

「えへ、えへへ……思ったより、いたく、ないね……んあん……っ」

 彼女が腰を一度くねらすと、くちゅりと音がして、もうひとつ深くまで腰が沈んだ。

「でも、すごい熱いよ……、なえぎっ、なえぎぃ……んちゅっ、っちゅう、ああんむっ、んっ、あンッ」

 二つの粘膜を擦り付けあいながら、彼女は初めての感覚に心を躍らせているようだった。どうやら、痛みはほとんど感じていないらしい。

 経験はないハズだったから――激しい運動を繰り返す内に、処女の証が切れてしまったのだろうかと、どこかで聞いたような都合の良い解釈が浮かぶ。

 でも初めてといえば、ボクも今までにない感覚に身もだえしていた。

 さっき指を差し入れて予測した快感は、まったく見通しの甘いものだった。

 指の届かない彼女の最奥、子宮の入り口に程近い、媚肉に埋もれた場所で、ボクは自身をほとんど溶解されるような感覚に襲われていた。

 熱を帯びた肉の狭まりで、まるでナカで癒着して二度と離れなくなってしまうような錯覚に、ボクはほとんど腰を動かす間もないまま――あっさりと、果ててしまった。

「ふあっはふ……っ、え、あっ、なんか、んっ、アッ、あつ、ああ……っ?」 

 どぷっ、びゅくっ、と、腰と腰がぴったり嵌ったまま、まるで夢精したようなだらしのない噴出が数度起こる。

 お互い初めての経験に、目をぱちくりさせながら、それでも本能的に、子種を漏らさないよう身の結びつきを一層深くする。

 間もなく止んだ射精に半ばうとうととしながら、それでもあまりの情けなさに思わず謝ってしまう。

「ご、ごめん――こんなこと、初めてで」

 いまいち事情を飲み込めていないらしい朝日奈さんは、深い呼吸と口付けを繰り返しつつ訊いてくる。

「ね、ねえ、今のって、んちゅっ、その……苗木、あむっ……ぷほっ、イッちゃったってこと?」

 恥ずかしながら頷く。びっしりとかいた双方の汗が、触れ合った身体の表面上でじゅくじゅくに溶け合ってかすかに生臭い。

「なえぎ……キモちよかったってことだよね……えへへ……ぇ」 

 そんな中、彼女は笑った。

 いつもの笑顔のように見えて――キスも交わりも知らなかった時とは、きっと何かが違う。

「ねーぇ、もっと……もっと、しよ? たぶんもうイタくないから……もっと動いていいよ……んっ、あんっ」

 彼女が、いつの間にかボクに絡ませていた足を組みなおし、お尻を振ると、中で絡まった互いの体液がじゅくりと零れ、シーツを汚した。

「なえぎぃ、なえぎ……あんっ、んっ、んちゅはあぁむっ、んっ、ン……ッ!」  

 孕みたい女子と、孕ませたい男子のホンノウ。

 その本能に、二人して溺れていた

 何度ぶつけても、まったく収まることの無い欲を、ボクは彼女のナカで幾度と無く解き放った。

 夜半過ぎごろ、もう思いつく限りの体位を試し、もう体中のどれがどっちのどこの体液かも分からなくなって、最後の最後に――ボクはおしっこみたいに薄い精液を、朝日奈さんのナカでゆるゆると吐き出していた。

 シーツはぐちゃぐちゃにぬかるみ、ところどころ水溜りさえ出来ている。

 お互いのカラダには、甘噛みしたりキスしたり引っ掻いたりした痕がそこかしこに残っている。

 ボクは彼女に覆いかぶさったまま、歯形の付いたおっぱいを鎖骨で押しつぶして、荒い息を吐いている。

 彼女もボクに組み敷かれて、両手両足をカエルのように広げて、おとがいを上げたまま横たわっている。

 目元には感極まって流した涙の痕が残り、口からはよだれの筋が見て取れた。日焼けした皮膚の上でそれは殊更目立つ。

 でも彼女はそれを拭うどころか、気付いてもいないみたいだ。

 ボクの顔もそんな感じなのかもしれない。

 とにかく二人とも、精も根も尽き果てるという言葉がまさに当てはまる具合で、もう身体を離すのも億劫だった。

 でも、ボクはともかく、朝日奈さんは乗っかられているわけだからさすがにキツイかな……と思って起き上がろうとすると、

「ん……やぁ」

 ぎゅーと、抱きしめられてしまって、ボクは――その火照った身体を抱きしめ返していた。

 カラダを寄せ合った弾みで――もう一滴、彼女のナカに落ちてゆく精液があるのを、ボクは感じていた。


――――――――――――――――――――――――――――


 次の日――舞園さんと霧切さんは朝日奈さんを見るなり、すべてを察した様子だった。

 表面上はそんな素振りを見せないで、でもことあるごとに、ボクと朝日奈さんを見比べていた。

 霧切さんは、出来るだけこちらに気づかれないように。

 舞園さんは、ワザとそれと分かるように。
 

 今日の補習は、四人ですることになりそうだ。

 場所は教室じゃなくて、プールとかがいいかもしれない。


 これ以上、誰かにバレたりしないように。

これでおしまいです。
途中投下に時間かかって申し訳ありませんでした。
お読みくださった方、ありがとうございました。

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