進撃の巨人 新編 反逆の物語 (31)
元ネタ
進撃の巨人
魔法少女まどか☆マギカ新編 反逆の物語
のっけからネタバレ注意
このSSを書いている時点で獣の巨人の本名が不明な為、その名を「ケモナー」とします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442502813
ザックレー 「シガンシナの地下室に君の望む宝が眠っていることを祈っているよ」
エルヴィン (エレンの家の地下室の秘密……これが全ての決着への足がかりになればいいが……)
ピクシス 「して……瓶の中身は解明出来そうかの?」
ハンジ 「それがどうも……空気に触れるとたちまち気化してしまい、分析は困難です」
ハンジ (人を巨人化させる薬……レイス家が作ったとしたらどうやって……?)
ピクシス 「ならば、下手に扱うよりも当初の目的に使用する他なかろう」
ザックレー 「すると誰に委ねる?」
エルヴィン 「リヴァイ、引き受けてくれるか?」
リヴァイ 「ああ、了解だ」
ジャン 「やったのか……?」
アルミン 「うん、遂にやったんだ……」
アルミン 「僕らはこのシガンシナで『獣の巨人』を倒した。人類は勝利したんだ!」
マルロ 「エレンは人類の希望だな。エレンがいなかったら今回危なかった」
サシャ 「危ない思いばかりしてますけどね。でも希望というのは同意です」
エルヴィン 「喜ぶのはまだ早い。奴について我々は知らないことが多すぎる」
ハンジ 「そうだね……獣の巨人に変身していた彼に色々と聞く必要がある」
アルミン 「ミカサ、その箱は……」
ミカサ 「シガンシナの家の地下室から持ってきた」
アルミン 「地下室の鍵はエレンが持っている筈だよ」
ミカサ 「扉を破った」
アルミン 「そうなんだ……ハハ……」
ユミル 「首席ミカサ・アッカーマンの怪力は健在か」
ケモナー 「グッ、くそ……ライナー、ベルトルト、お前らよくも……」
ライナー 「……」
ベルトルト 「……」
コニー 「お前が……村を、母ちゃんを……」
ケモナー 「何だお前は?」
コニー 「ラカゴ村って言ってもお前には分かんねぇだろうが、お前のせいで全滅した村の生き残りだ!」
ケモナー 「何被害者ぶってんだお前」
コニー 「は!? お前、痛い目に遭いたいのか?」
ハンジ 「コニー、彼を痛めつけるのは尋問が終わってからにしてくれ」
コニー 「……分かりました」
ケモナー 「痛めつけるの前提かよ」
ハンジ 「さっき被害者ぶってるっていったけどどういうこと?」
ケモナー 「ケッ……」
ハンジ 「コニー、彼を好きなだけ殴っていいよ、いや今すぐ殴ってくれ」
ケモナー 「……今から100年前」
ドゴッ!
ケモナー 「ガハッ!」
ハンジ 「ストップ! 喋り出したからストップ!」
コニー 「はい……」
ケモナー 「痛ぇ……無茶苦茶だな」
ハンジ 「続きをどうぞ」
リヴァイ 「サネスのときと比べて随分と優しいな」
ハンジ 「時間が惜しいからね、さ、自己紹介から」
ケモナー 「俺の名はケモナー。お前らに滅ぼされかけた人類の末裔だ」
エルヴィン 「滅ぼされかけた?」
ケモナー 「そうだ。お前らの王家が巨人なんか造りやがったせいで俺達は国を捨てるしかなかった」
エルヴィン 「王家が……!?」
ヒストリア 「今の話は本当ですか?」
ケモナー 「あんたは?」
ヒストリア 「私はヒストリアと言います」
ケモナー 「ああ、本当だ」
ヒストリア 「私はヒストリア・レイス。この壁の中の女王です。その話が本当ならあなたの恨みは尤もです。しかし、私は今死ぬ訳にはいきません」
ヒストリア 「どうか許して下さい。ただ、現在壁の中の人類は、私も含め巨人の存在しない世界を望んでいます。それは本当です」
ユミル 「もういい、ヒストリア。お前のせいじゃない」
リヴァイ 「ケモナーって言ったな。お前らの祖先はどうやって助かった?」
ケモナー 「……俺達のご先祖は大陸から島に移住したんだ。巨人といえども海は渡れんからな」
アルミン (海……、お爺ちゃんの本に書いてあったことは本当だったんだ……)
ケモナー 「100年もの間、俺達は島で細々と暮らしていたが、人口増加に伴い生活の維持が難しくなった。少子化政策を取ったら今度は老人の割合が増えていった」
ケモナー 「状況を打開すべく、新たな土地を求めて大海原に出た者も居たが、帰っては来なかった。そこで巨人を倒して大陸に戻ることが検討され、同志が潜入した」
ケモナー 「俺は後から潜入してあいつと会った。何と現地の女と恋に落ち、ガキまでこさえやがった。それでも任務は放棄せずに王家から座標を奪うことに成功したと言った」
エレン 「それって……」
ケモナー 「お前だったな……さっき俺を倒した巨人に入っていた奴は。ライナーとベルトルトから聞いた。今の座標の持ち主は巨人になれると。お前のことか?」
エレン 「そうだ」
ケモナー 「なら分かっている筈だ」
エレン 「……」
ケモナー 「座標を奪うとお前らの過去の王族の記憶を受け継ぐ。俺はグリシャから聞いた」
エレン 「グリシャって……お前は父さんの何だ?」
ケモナー 「ハッ! バカが……ただの兄貴だ」
エレン 「……」
ケモナー 「無知性巨人は、知性巨人になれる人間の脊髄液を取り込むことで人に戻れるし、その後知性を持ったまま巨人化が可能となる」
ケモナー 「そして王家の連中は巨人化する薬を服用して無知性巨人になり、そいつが座標を持つ人間を食うことで知性巨人になって代々座標を受け継いできた」
ケモナー 「何せ座標になったら全ての人類の記憶を改竄出来るんだからな。王家に取ってはこの上ない力だ。いや、一部例外があったか」
ケモナー 「そして今の座標の持ち主であるお前には王家の呪縛がかかっている」
ケモナー 「次の座標候補に食われるまでは何が何でも生きるという執念、そして次の座標候補に食われると決めたら死を受け入れる諦観だ」
エレン 「……」
ヒストリア (いつもは諦めないエレンが嘗て私に『食ってくれ』と言ったのはそのせいだったんだ……)
ケモナー 「お前は呪縛のせいで人に言えないことがある、そうだろ?」
エレン 「や、止めろ」
ケモナー 「女王様だっけ。良いことを教えてやる」
ヒストリア 「?」
ケモナー 「誰にも引き継がせずに座標を殺せば全ての巨人が消滅する」
エレン 「止めろおおおおおおっ!」
ヒストリア 「!?」
エルヴィン 「エレン、知っていたのか……」
エレン 「ハイ、少し前に……記憶に出てきて……スミマセン」
ミカサ 「エレンは悪くない。エレンは初代王の呪縛に捕らわれているだけ」
ケモナー 「グリシャが言っていた。自分の中に座標がある。巨人を消滅させる為にはどうすればいいかも分かる。でも自分の意思では死ねないし殺されるのも厭だと」
ケモナー 「そしてあいつは俺に殺されるのを恐れて行方を晦ました……。躊躇した俺もいけなかったんだがな」
ケモナー 「さあ、どうする女王様? こいつを殺れば全てが解決だ」
ヒストリア 「……」
リヴァイ 「エレン、お前の望みは何だ?」
エレン 「……」
リヴァイ 「お前に選ばせてやる。願い事を言ってみろ」
エレン 「願い……」
エレン 「オレの願いは……」
エレン 「全ての巨人を一匹残らず駆逐したい」
リヴァイ 「ならばせめて俺の手で葬ってやろう」
今日はここまで。
読んで下さった方々ありがとうございました。
アルミン 「待って下さい! エレンを殺す気ですか?」
リヴァイ 「エレンが自分の意思で選んだことだ」
エレン 「厭だ、死にたくない。俺は生きたい。……ああ、誰か俺を殺し……」
ジャン 「……」
リヴァイ 「そこをどけ」
ジャン 「俺は人を殺す為に調査兵団に入ったんじゃありません。それでも敵なら討とうと覚悟を決めてました」
ジャン 「でも、仲間が殺されるのを黙って見ていることは出来ません!」
コニー 「俺もだ」
サシャ 「私もです」
アルミン 「ライナー、ベルトルト?」
アルミン (ライナーとベルトルトが僕らの側に)
リヴァイ 「お前らもエレンを護る気か?」
ライナー 「エレン、今更許してくれとは言わん。さっき戦った時だって許しを請う為にお前らについたんじゃない」
ベルトルト 「ただ、償わせて欲しいんだ」
アルミン (さっきこの二人は獣の巨人を裏切って僕らの側についた。信用していいだろう)
アルミン (でも最終的にエルヴィン団長を説得出来なければエレンが殺されてしまう)
アルミン (僕が何としても説得して見せる! 喋りながらでも考えろ!)
ザシュッ!
エレン 「グウッ!」
ジャン 「何!?」
コニー (ミカサがエレンを斬り付けた!?)
ミカサ 「大人しくして、エレン」
ドゴッ!
エレン 「グッ……」
アルミン 「ミカサ!?」
サシャ (ミカサがエレンの後頭部を殴って気絶させた!?)
ジャン 「何やってんだミカサ!?」
ヒストリア 「ミカサ、どうしちゃったの!?」
マルロ 「止めるんだ!」
ライナー 「エレンを殺す気か!?」
ミカサ (エレン、ごめんなさい。でも斬り取ったのは腰に近い部分の背骨だから死んだりしないわよね。うなじを斬ったら死ぬだろうけど)
ミカサ (背骨って一つ一つが糸巻きみたいな形してる)
ミカサ (薄く血に染まった背骨はピンクの糸を巻いた糸巻きのよう……)
ミカサ (この糸巻きの穴の部分に目当ての物が……)
ジュルルルルル!
ジャン 「ウゲェッ!?」
コニー 「見てるだけで吐きそうだ。オエッ……」
アルミン (切取ったエレンの背骨を拾って骨髄液を啜っている……)
サシャ 「ミカサ、それ美味しいんですか?」
ミカサ 「ええ、でも貴方にはあげない」
サシャ 「流石の私も要らないです」
リヴァイ 「気でも触れたか」
ミカサ (理解出来ないのも当然よね。誰に分かる筈も無い)
ミカサ (この想いは私だけのもの、エレンの為だけのもの)
カポッ
ハンジ 「瓶を咥えた!?」
リヴァイ (その瓶! 俺が預かった巨人化の瓶か!)
リヴァイ (……ある。スラれていない。じゃあアイツが今持っているのは一体……)
アルミン (ミカサが咥えている瓶、ひょっとして地下室で見つけたのか!?)
アルミン (地下室で巨人化の薬を手に入れたミカサの狙いは!?)
アルミン (エレンの脊髄液を口に含んだまま巨人に変身……ハッ!)
アルミン 「ミカサ、止めるんだ!」
エレン 「……」
ミカサ (言った筈よエレン、貴方を放さない)
モゴモゴモゴッ、パリン!
アルミン (遅かった……)
ケモナー 「何が起きているんだ。お前は何に干渉しているんだ。何を改竄してしまったんだ」
ケモナー 「信じられない……呪いに染まった初代王の呪縛が、何故!?」
ミカサ 「座標を受け継いで今知った。アッカーマン一族にはレイス家の呪縛が、記憶改竄が効かないことを」
ミカサ 「そして思い出したのよ。これまで傷つき苦しんできた全てがエレンを思ってのことだった。だからこそ、今はもう痛みさえ愛おしい」
ケモナー 「それでは一体……」
ミカサ 「これこそが人間の感情の極み、世界よりも残酷で、とてもとても美しいもの……」
ミカサ 「愛よ」
ケモナー 「お前は一体何者なんだ!?人間でも巨人でもなく一体何処に辿り着こうとしているんだ!?」
ミカサ 「そうね、今の私は兵士ですらない」
ミカサ 「巨人に対する人類の反撃の糧であるエレンを傷つけて蝕んでしまったんだもの」
ミカサ 「そんな真似が出来る存在はもう……」
ミカサ 「『悪ッカー魔ン』とでも呼ぶしかないんじゃないかしら」
ケモナー 「これではっきりした。座標を手に入れたらお前らの記憶を改竄して利用してやろうと思ってたが、危険すぎる」
ケモナー 「こんな途方もない結末は制御しきれん。巨人との殺し合いはお前らで勝手にやってくれ。俺は退散させて貰うぜ」
ミカサ 「あら、そう」
ケモナー 「うわっ!?」
ケモナー (捕まった!?)
ミカサ巨人 「でも私達の世界に生まれた巨人を駆逐するにはこれからも貴方達の存在が必要なの。協力して貰うわよ。ケモナー」
ライナー 「お前、何をやったか分かってるのか?」
ミカサ 「その様子じゃ何があったか理解しているみたいね。ライナー」
ライナー 「おまえはエレンから座標の力をもぎ取っていったんだ! お前らの希望だった座標の力を!」
ミカサ 「どうやら貴方達まで巻き添えになって故郷に帰れなくなったみたいだけど」
ライナー 「お前はこの世界を壊すつもりか?」
ライナー (返答次第ではここでこいつと決着をつける! 骨は拾ってくれよ、ベルトルト)
ミカサ 「全ての巨人が滅んだらそれもいいかもね。その時は改めて貴方達の敵になってあげる。でもライナー?」
ミカサ 「貴方は私に立ち向かえるの?」
パチン
ライナー 「あっ?」
ライナー (俺、なんで今自分の手に噛み付こうとしてたんだ? )
ミカサ 「今でも徐々に記憶が変わりつつあるでしょう?」
ライナー 「俺は確かにもっと大きな存在の一部だった……。この壁の外側の世界と繋がっていたのに」
ライナー 「ここじゃないどこかに居た筈なのに……」
ミカサ 「もっと素直に兵士としての人生を取り戻せたことを喜べばいんじゃないかしら?」
ミカサ 「いずれは何が起こったかも忘れて違和感すら感じなくなるわ」
ライナー 「……だとしてもこれだけは忘れない」
ライナー 「ミカサ、お前が『悪ッカー魔ン』だってことは!」
ミカサ 「せめて普段は仲良くしましょうね。あまり喧嘩腰で居ると……ヒストリアにまで嫌われるわよ」
ミカサ (神にも等しい力だ)
ミカサ (私とエレンとアルミンは憲兵団にいる。行方不明のアニの代わりに訓練兵団成績上位10名にアルミンを入れた)
ミカサ (命の危険が伴う壁外調査などエレンには不要。この王都で共に暮らす限りエレンを失うことは無いだろう)
ミカサ (だが世界は残酷だ)
ミカサ (全人類の記憶の改竄、その為にエレンから座標の力を奪ったせいだろうか。エレンは私のことをすっかり忘れていた。そして恐れていたことが……)
エレン 「そう……俺にはもっと違う姿が……違う役目があった筈……それが……どうして」
ミカサ (巨人になろうとしてる!)
ガシッ!
エレン 「えっ!」
エレン (何でこいつ急に抱きついて来たんだ!?)
ミカサ 「大丈夫、貴方は間違いなく本当の貴方のままよ」
ミカサ (今は巨人にならずに済んだけど、このままではいつか……)
エレン (何言ってんだこいつ、えっとミカサって名前だったな? 憲兵団に入ってから何かと俺によく絡んでくるけど苦手なんだよな……)
ミカサ 「エレン、あなたはこの世界が美しいと思う? 欲望よりも秩序を大切にしている?」
エレン 「それは、えっと……その……俺は美しいと思う」
エレン 「俺ら憲兵団だし、やっぱり自分勝手にルールを破るのって悪いことじゃないか?」
ミカサ 「そう、ならいずれ貴方は私の敵になるかもね。でも構わない」
シュルルルル
エレン 「え!?」
ミカサ 「それでも私は貴方が幸せになれる世界を望むから」
エレン 「あ、あの……」
エレン (こいつ自分のマフラーを外して俺の首に……?)
ミカサ 「やっぱり、貴方の方が似合うわね」
今日はここまで。
読んで下さった方々ありがとうございました。
アニ 「そう、ミカサが……」
アニ (ミカサが座標を引き継いで、クリスタが女王で……)
リヴァイ 「そうだ。今ミカサの記憶改竄の影響を受けていないのはここにいる俺とヒストリア、そして記憶改竄時に結晶に入っていたお前だけだ」
アニ 「想像はつくけど……私を結晶から出した理由は?」
リヴァイ 「多分お前が考えている答えと同じだ」
アニ 「私に味方になれと?」
リヴァイ 「そうだ」
アニ 「……」
ヒストリア 「アニ、お願い。力を貸して」
アニ 「仮に私が手を貸したとしても私の記憶が改竄されたら終わりじゃないの?」
リヴァイ 「今は記憶が完全に書き換えられてしまったが、ライナー、ベルトルト、そしてお前らの黒幕ケモナーは記憶の書き換えに時間がかかった」
リヴァイ 「どうやら知性巨人は記憶改竄に時間がかかるようだ。エレンも改竄後の記憶が不安定らしい。だからお前の記憶が改竄される前に決着をつける」
アニ 「……いくつか質問したいんだけど?」
リヴァイ 「構わん」
アニ 「どうやって私を結晶から取り出したの?」
リヴァイ 「巨人化したエレンに結晶を作らせて、お前を包む結晶にコツコツ当てて少しずつ割っていった。今のエレンは硬質化の能力がある。無論エレンには口止めしておいた。
気休めにしかならんがな。そしてエレンにはこの地下室にお前が要ることは伏せている」
アニ 「ミカサを倒して貴方達はその後どうするの?」
ヒストリア 「人が巨人の恐怖にさらされない世界を築く。その上でこの世界を立て直すわ」
ヒストリア 「私はミカサが人類の為に座標の力を使うのなら今のままでもいいと思ってた。でもミカサはエレンのことしか考えていない」
リヴァイ 「あいつに座標を渡したままでいるのは危険だ」
アニ 「それはミカサが座標に相応しくない理由にはなっても、そっちが座標を持つに相応しいというのは自己判断じゃないの」
ヒストリア 「座標なんて要らない。それで巨人が消え去るのなら座標の力なんて無くなってしまえばいい」
アニ 「ミカサを殺すつもり?」
ヒストリア 「……ええ」
アニ 「あんたにそれが出来るとは思えないよ」
ヒストリア 「ねえ、アニ。貴方は知らないと思うけど……」
ヒストリア 「私はお父さんを自分の手で殺して女王の座に就いたんだよ」
アニ 「!?」
ヒストリア 「父殺しの罪を背負ってでもこの世界を――」
アニ 「何よそれ……」
アニ 「父親を殺した!? よくそんなこと平然と言ってられるね」
アニ 「信じられない。あたしだって沢山人は殺したけど、自分の親を殺すなんて狂ってる! ……全く……神経疑うよ……」
ヒストリア 「……」
アニ 「ここに来る前に聞かされた通りだった。あんたらはやっぱり悪魔の末裔なんだ」
リヴァイ 「いいかげんにしろ」
リヴァイ 「ヒストリアの父親は巨人になって街を襲った。誰かが討たねばならなかった。全長100メートルの巨人の拘束は不可能だった」
リヴァイ 「ヒストリアは親の不始末のケジメをつけたんだ」
ヒストリア 「アニはお父さんのことが大好きなんだね」
アニ 「!」
ヒストリア 「ひょっとして壁を壊しに来たのもお父さんに頼まれたから?」
アニ 「……」
リヴァイ 「お前……泣いてるのか?」
ヒストリア (アニが涙を流してる……)
アニ 「その、さっきはごめんなさい」
ヒストリア 「いいわ、気にしないで」
アニ 「クリスタは悪くない。悪いのは私や――」
ヒストリア 「アニ」
アニ 「ああ、ごめん。女王様だったね。『陛下』って呼ばなくちゃ」
ヒストリア 「そうじゃなくて。名前で呼んで欲しいけど私はもうクリスタじゃないよ」
アニ 「そうだったね。ヒストリア」
短いですが今日はここまで。
読んで下さった方々ありがとうございました。
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