のあ「黒くて硬くてテラテラ光ってて……」 (54)

モバマスSSです。元ネタは某漫画

森久保Pと輝子Pにとっては多少不快になる内容かもしれません。

だから念のため先に謝っておく。すまん

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442250598


P「…………」カタカタカタ


カサカサカサ


P「………!?」ビクゥ!






そう……ヤツらの気配は唐突に感じられるものだ。


P「…………」ゴクリ










いる、確実に……












この部屋のどこかにヤツがいる!!


頭では理解している。

ヤツらは我々人間に刃向かう力を持っていないことを……

しかし、そのおぞましい姿に私は恐怖を感じずにはいられない。

いったいなぜ小さな虫ごときにここまでの嫌悪感を抱くのだろうか?


のあ「それは一種の洗脳、刷り込みでしかないわ」

P「うわ!?居たんですか!?」

のあ「ええ、Pがあの……」














のあ「黒くて硬くてテラテラ光ってて狭くて湿ったところが好きな割に足の速い生物の気配を感じ取った辺りから」

P「いや、そこはもうゴキ○リって言い切りましょうよ」


P「で、洗脳ってなんの話ですか?」

のあ「Pはカブト虫も嫌いかしら?」

P「いや、カブト虫は好きですよ。メダロットはクワガタver買ってるけど……」

P「でも、カブト虫とゴキブ○は別物でしょ?」

のあ「どうして?カブト虫もクワガタも黒くて硬くてテラテラ光っている生物よ」

P「そう言われるとそうかもしれませんが……」


のあ「それはイメージの違いよ」

P「イメージ……?」

のあ「カブト虫はカッコイイ、力持ち、ビーファイターといったヒーロー的なイメージがあるでしょ?」

P「確かにどちらかというとポジティブな印象がありますね」

のあ「一方の黒くて硬くて(中略)速い生物は不潔、気持ち悪い、ジメジメと言ったネガティブなイメージ」

のあ「こういったイメージというのは幼い頃から親や周囲の人間から先祖代々植えつけられてきたもの……」

のあ「つまりは洗脳の結果なのよ」

P「な、なんだってー!!!」ガーン


P「ってそれがいったいどうしたんですか?」

P「別に嫌いなものは嫌いなままでいいじゃないですか」

のあ「そんなこと言わないで。せっかく机の下にゲストを呼んでおいたんだから」

P「机の下?森久保と輝子ぐらいじゃ……」














森久保(黒髪ver)「…………」

輝子(黒髪ver)「…………」

P「誰だおまえら」


P「なんか色違いの森久保と輝子がいるんですけど……」

のあ「呼んでおいたゲストよ。ほら暗いところへ移動してあげなさい」

P「え?なんで?」

のあ「彼女達は明るい所が苦手なのよ」

P「そんな、○キブリじゃないんだから……」

のあ「そのまさかよ。今日はあなたの洗脳を解除する為に特別親しみやすい身体を用意したの」

P「またまたご冗談を……でもいいですよ。のあさんのジョークに付き合ってあげますよ」


P(にしてもこの二人がのあさんのおふざけに付き合うなんて……)

P(これも事務所に馴染んできた証拠か)シミジミ

P「どうも、こんにちは」

ゴキ久保「はじめまして……ゴキ久保です」

ゴキ輝子「フヒヒ……どうも、ゴキ輝子です」

P(わざわざ黒髪に染めただけじゃなく名前も考えていたのか……)


のあ「ほら、せっかくだから何か質問して彼女たちに対する理解を深めたら?」

P「ああ、そうですね。それじゃあ……」

P「ふたりはどこから来たんだ?」

ゴキ久保「生まれも育ちもここですけど……」

ゴキ輝子「あ、赤ちゃんの頃はPが倉庫に隠しているスタドリが主食だったぞ」

P「…………え?」











P「…………え?」


P(いや、まさか……でもあのスタドリは俺がこっそり隠してたもの!)

P(まだ誰にも知られてないはず……ということはまさか本当に?)ダラダラダラ

のあ「よかったわね、虫と会話できるなんて貴重な体験よ」

P「どうせなら猫とか犬と会話したいです……」ガクガクガク

のあ「いい機会だからもっと会話しなさい。今回の目的は洗脳解除よ」

P「そ、そうだな……人間の形してると気持ちわるくないし……」

ゴキ久保「私としては今更友好的にしたいなんてさらさら思ってませんけど」

P「なんか辛辣だな」

ゴキ輝子「そんなことよりもっと質問はないのか?」


P「えっとじゃあ……その……」

P「今この事務所に君たちの仲間は何人いるのかな~……なんちゃって」

ゴキ久保「最近また兄弟が生まれたので60匹ぐらいだと思います」

P「60!?」

ゴキ久保「ちなみに私たちの数え方は匹じゃなくて頭なんですけど」

P「ろ、ろく……じゅう?とう?」


~Pの脳内イメージ~

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカPサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカカワイイサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ


P(だ、だめだ!恐怖が具体的な数字になっただけで不安が大きくなってしまった!!)

のあ「落ち着きなさい、その感情は偽物。洗脳解除よ」

P「そ、そうだ!洗脳解除、洗脳解除……」ブツブツ

P「よし!じゃあもっと親しみのある質問を……」

P「君たちのお父さんとお母さんってどんな人なんだ?」


ゴキ久保「三日前に殺されたんですけど」

P「」

ゴキ久保「蛍光緑の女性にスリッパでスパンと」

P「チヒロェ……」

ゴキ久保「首だけ潰れたの状態でタンスの裏に逃げたんですけど最後はスプレーで……」

P「もういい!もういいから!!」


P(ダメだ擬人化した状態で聞くとまるでちひろさんが極悪人じゃないか!)

のあ「その言い方だとまるでちひろが善人みたいね」

P「い、いい人だし!ちひろさんは……たぶん」

のあ「…………」

P「…………」

のあ「……そういうことにしておきましょう」

P「助かります」


P「その……すまない。ちひろさんが君たちにひどいことをしたみたいで……」

ゴキ輝子「き、気にすることはない。母が弱いのがいけないんだ」

ゴキ輝子「むしろ弱い奴は死んだほうがいい。その方が優秀な遺伝子を残せるしな」

P「そ、そうですか……大変たくましいお考えですね」


P(ダメだ!早く楽しい話題に切り替えないと!!)

P「そ、そうだ!なんで君たちは走るのが速いんだ?コツとかはあるのか?」

ゴキ輝子「フヒヒ……コツなんかないぞ。全ては結果だ」

ゴキ輝子「足が遅いヤツが殺された結果、足の速いヤツが生き残っただけだぞ」

P「そ、そうっすか」

ゴキ久保「人間があの手この手で仲間を殺していくのでそれに合わせて私たちも日々進化してるんです……」

P(聞くんじゃなかった……)


ゴキ輝子「ゴキ久保さん。そろそろ帰りませんか?」

ゴキ久保「そうですね、もういい時間ですしお腹も空きました」

P「お疲れ様……ってどこに帰るんだ?」

ゴキ久保「キッチンですけど……あそこ食べカスがよく落ちてるので」

ゴキ輝子「で、でもパンとドーナツはもう飽きた……」

P(あとで法子とみちるに一言注意しておこう)


ちひろ「ただいまもどりましたー」

P「おかえりなさいってなんですかその荷物?」

ちひろ「あ、これですか?バル○ンですよ」

P「…………え?」

ちひろ「こないだ事務所に黒くて硬くて(中略)速い生物が出たので殲滅しようと思いまして」

P「……ヤツらの親か」

ちひろ「どうかしましたか?」

P「いえ、なにも」


ちひろ「とりあえず今からバ○サンを準備していきますね」

ちひろ「私はキッチンからセットせていくのでPさんは玄関からお願いします」

P「わかりました……ってダメだ!ちひろさん!いまキッチンに行っちゃいけない!!」











「キャー!」スパン!スパァン!


P「……遅かったか」


のあ「P……あなた泣いてるの?」

P「ヤツらは嫌われものです……でも、だからって誰も泣いてくれないなんてそんなの寂しいじゃないですか」

のあ「そう……立派になったわね」

P「のあさんのおかげですよ」


黒くて硬くてテラテラ光ってて狭くて湿ったところが好きな割に足の速い生物と人間が理解しあうことは不可能だろう。

これからもヤツらと人間の戦いはこれからも続いてゆく。

だからせめて、俺だけは彼らの死を悲しみ、ひとつひとつの命を奪うことに罪の意識を感じて生きていこうと思う。

そう心に誓った俺は気絶したちひろさんをそのまま放置し、バルサ○を起動させて事務所を後にした。


―翌日

P「あぶねえ!後少しでのあさんに洗脳されるところだった……」

P「でもまぁ昨日バル○ン炊いたしきっともう事務所でヤツらを見ることはないだろうな」ガチャ














ゴキ輝子「フヒヒ、待っていたぞ」

P「って生きてんのかよ!!」


ゴキ輝子「昨日言ったはずだ。人間の技術に合わせて私たちも進化すると……」

P「マジかよテラフォーマーも夢じゃねえな」

ゴキ輝子「まあ、仲間は全員死んだけどな」

ゴキ輝子「ふふ……ぼっちのこならぬぼっちゴキ」

P「じゃあゴキ久保の方は……」

ゴキ輝子「死んだぞ。ちひろさんのスリッパの餌食だ」


P「その……すまない……君の親友の命を奪ってしまって」

ゴキ輝子「気にすることはない逃げ遅れて殺された方が悪い」

ゴキ輝子「それに私もパンくずに夢中になってるゴキ久保さんを生贄にして生き延びた節があるしな」

P「そ、そうですか」

ゴキ輝子「どうせこの程度で死ぬようなら生きててもしょうがないぞ」

P「もういいから!」


ゴキ輝子「そんなことより今日は親友に頼みがある」

P「親友になった覚えはないけどな。なんだよ」

ゴキ輝子「じ、じつは引っ越そうと思ってな…」

P「マジで!?事務所からいなくなるの!?」パァ!

ゴキ輝子「フヒヒ……事務所だとボッチだからほどよく汚れた家に嫁入りしたい」

ゴキ輝子「なに、私をみんなに紹介してくれたらあとは自分でなんとかする」

P「するする!紹介する!!」


P(というわけでゴキ輝子を紹介したわけだが……)



卯月「わぁ!輝子ちゃん髪の色変えたんですか?」

凛「うん、黒髪も合ってるんじゃないかな?」

未央「でもなんでいきなりイメチェン?もしかして恋でもした!?」

ゴキ輝子「フヒ、そんな大層な理由じゃないぞ」






P(どうしよう……今更ながら罪悪感が……)


P(しかもゴキ輝子が他の家に行くって聞いた時に喜んでしまった……)

P(くそう!他人にゴキ○リ押し付けるなんて、俺って最低だ!!)

のあ「気にやむ必要はないわ」

P「のあさん……ナチュラルに心を読むのやめてくれませんか?」

のあ「私は好きよ。嫌なものを他人に押し付けて自分だけ助かろうとするゲスで根性腐ったPが」

P「お願いだから止めを刺さないでください……」シクシクシク


ゴキ輝子「と、ところでみんな……部屋の掃除はちゃんとやってるか?」




P(探りを入れ始めた!どうする?止めるなら今からでも……)

P(あ~!やっぱ嫌だし!どうする?どうするよ俺!!)ガンガンガン


凛「私はけっこうマメにする方かな」

未央「私もけっこうキレイにしてるよ」

凛「未央の場合は勉強に集中できてないだけでしょ?」

未央「あははーそうなんだよねー……宿題とか始めるとどうも部屋の汚れが気になって……」

ゴキ輝子「そ、そうか……残念だ」シュン






P(よかった……みんなキレイにしてるんだな)


卯月「汚いのはやっぱり杏ちゃんでしょうか?」

未央「いやいや、さいきんはきらりんが出入りして掃除してるみたいだよ?」

凛「そういう卯月はどうなの?このまえ遊びに行ったときはけっこう散らかってたけど?」

ゴキ輝子「!!?」

卯月「こ、このまえはたまたまですよ!いつもはちゃんとしてますから~!」

未央「本当かなー……また散らかってるんじゃないの?」

卯月「ええー!そんなことありませんよ~!」


ゴキ輝子「わ、私、卯月さんのお家に行きたい……です」

卯月「輝子ちゃん!?」

未央「おお!なんかノリがいいねー……これもイメチェンの成果かな?」

ゴキ輝子「だ、だめか?そうか……」シュン

卯月「だ、だめじゃないですよ!ぜひ遊びに来てください!」

ゴキ輝子「ありがとう……フヒヒ」ニヤリ




P(あ、これ引っ越し先決まりました?)


卯月「で、なんでPさんとのあさんまで付いてくるんですか?」

ゴキ輝子「そうだぞ、あとは私に任せてくれ」

P「い、いやほら!さいきん物騒だしな!それに久しぶりに卯月のお母さんに挨拶をしようと思って……」

のあ「ええ、それに私もあなたの部屋を見てみたいわ」

卯月「まあいいですけど……あ、ちょっと待ってください少し片付けますから」


ゴキ輝子「き、気にするな、そのままでいいぞ」

卯月「え、でも……」

ゴキ輝子「凛さんと未央さんには見せることができて私にはできないのか……」

ゴキ輝子「フヒヒ、やっぱり私はぼっちのこー……」

卯月「わ、わかりましたよ~!」

P(どうでもいいけどうまいこと輝子の外見使いこなしてんな……)

のあ(これも生き残るための知恵というヤツよ)

P(なるほど)


卯月「うぅ……引かないでくださいね?」ガチャ

P「うお!これは……なかなかの汚部屋だな……」

ゴキ輝子「…………」

のあ「どう?仲間はいそうかしら?」

ゴキ輝子「うん……ひとりだけ感じる」

P「マジかよ……どこ?」

ゴキ輝子「ベッドの下……」

P「ベッドの下?」












ゴキ久保「どうも、昨日ぶりです……」

P「」


P「って生きてんのかよ!?」

ゴキ久保「はい、命からがら逃げ出しました」

ゴキ久保「でもまたゴキ輝子さんと再会できるとは思っていませんでしたけど」

ゴキ輝子「昨日ぶりですゴキ久保さん。ここの住み心地はどうですか?」

ゴキ久保「なかなか快適ですよ。食べ物もたくさんありますし」


P「ははは、よかったなー感動の再会だな……ん?」

P(待てよ、仲間が生きてたってことは引っ越す必要はないってことだよな?)

P(引っ越す必要はないけど……)

のあ「いいわ、思う存分悩みなさい。そんなゲスで根性腐ったPが……」

P「ちょおっと待ったーーー!!」


P(なんてやつなんだ俺は!守るべきアイドルにゴキ○リを押し付けるなんて!!)

P(言うんだ!そして卯月を二人からまもるんだ!!)

P「あ、あのさ!よかったら事務所に戻って……!!」













ゴ○ブリ×2「」カサカサカサ


のあ「ごめんなさい、時間切れみたいね」

P「あ、いえ……なんでもないっす」


さらに翌日


凛「おはようござ……ってどうしたの?」

未央「しぶりん……実は……」

卯月「うぅ……昨日あれから黒くて硬くてテラテラ光っていて狭くて湿ったところが好きな割に足の速い生物がでたんですよ~」グスン

未央「わかる!わかるよ!アレは怖いからね!」

凛「なに言ってんの?あんなのスリッパで一撃じゃん」








P「…………」カタカタカタ


あれから俺はあの二人を見ることはなかった。

しかしヤツらのことだ、今もどこかで息を潜めて生きているのであろう……




のあ「そして共に手を取り合い共存できる日も近いに違いないと私は思う……」

P「いや、それはないでしょ」

のあ「そうかしら?なんなら試してみる?」

P「へ?」

のあ「ほら、机の下」


ゴ○ブリ×2「」カサカサカサ


P「」


おわりです。

もう一度だけ謝罪しておく。森久保P、輝子Pのみなさんごめんなさい。

ちなみにハレグゥはダマばあちゃんが出る回が好きです。

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